JP2019155730A - フィラメントワインディング(fw)法によるudライクな繊維強化複合シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィラメントワインディング(FW)法によるUDライクな繊維強化複合シートの製造方法の提供。【解決手段】マルチフィラメント連続長強化繊維の周囲を熱可塑性樹脂でコーティングした熱可塑性樹脂コーティング糸等の巻糸体を準備し、少なくとも1対の糸かけ部材Aと所定長の固定枠Bからなる固定枠を回転させて所定のテンションをかけて強化繊維を一方向に巻き付け、所定厚離間して2層以上で配向させ、所定のテンションを維持したまま、プレス成形用金型に、1対の糸かけ部材Aを仮固定し、1対の糸かけ部材A間の距離等を調整することにより強化繊維のテンションを調整しながら、プレス成形し、該熱可塑性樹脂を加熱溶融、次いで冷却固化させることによる、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの製造方法、及び中空構造を有する該繊維強化複合シートを荷重支持インサート部材として有する剛性補強材。【選択図】図4
Description
本発明は、固化樹脂マトリックス中に一方向に高度に配向した(以下、「UDライクな」、「一方向性の」ともいう。)繊維強化複合シートの製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、フィラメントワインディング(FW)法によるUDライクな繊維強化複合シートの製造方法、及び中空構造を有する該繊維強化複合シートを荷重支持インサート部材として有する剛性補強材に関する。
金属代替材料として軽量化を目的に現在実用化されている樹脂系複合材料の成形方法としては、ベースマトリックスとして用いる樹脂が熱可塑性樹脂であるか又は熱硬化性樹脂であるか、補強材の体積含有率が50%を超えるか否か、補強材が、紡糸された連続長繊維であるか又はチョップドストランドであるか又は織物であるか、の点で概ね分類することができる。
補強材として連続長繊維を用いるものとしては、合糸したロービングを1〜数10本引き揃え、主にエポキシ、ポリエステル等の熱硬化性樹脂であるマトリックスを含浸させながら、マンドレル(金型)に所定の厚さまでテンションをかけて所定の角度で巻き付け、加熱オーブン等の中で加熱硬化後脱型するか又は樹脂、金属製中空ライナー/インナーと一体化する成形法であるフィラメントワインディング(FW、Filament Winding)法が知られている(FW法の概要については、図2を参照のこと。)。FW法は、補強材の体積含有率が高く、また強化繊維が円周方向に概ね配向しているため、FRPの成形法の中で強化繊維の強さを有効に利用しており、パイプ、圧力容器、釣り竿、ゴルフクラブシャフト等の製造に用いられているが、FW法で熱可塑性樹脂を用いた例はない。尚、FW法により、熱硬化性樹脂を含浸させたロービングを、金属板に所定の角度で巻き付けた後、加熱硬化させ、端部を切断し平板とすることは知られているが、熱可塑性樹脂を用いた平板状の繊維強化複合材の製造には用いられていない。
補強材としてチョップドストランドを用いるものとしては、補強材体積含有率が低く、マトリックスとして熱可塑性樹脂を用いる射出成形、スタンバブルシート成形が、熱硬化性樹脂を用いるSMC成形、BMC成形、スプレー成形が知られている。しかしながら、これらの成形法で製造したものは、補強材の体積含有率が低く、また、強化繊維であるチョップドストランドがランダムに配向しているため、強化繊維の強さを有効に発現できない。
補強材として連続長強化繊維が経緯に配向した織物を用い、また、例えば、マトリックス樹脂として熱可塑性繊維を用いるプレス成形、ハイブリッド(プレス+射出複合)成形により得た成形品(テキスタイルコンポジット)は、ランダムに配向した強化繊維の短繊維を用いて得た射出成形品に比較して、強化繊維の体積率が高く、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、最大衝撃エネルギー(高速面衝撃)がいずれも高いため、高強度、高剛性の補強材として、例えば、航空機、鉄道車両、自動車等の骨格部材、シート部材、衝撃吸収部材等への応用が期待されている。
かかる状況下、以下の特許文献1には、以下の事項が検討されている。
炭素繊維、ガラス繊維等の織物に熱可塑性樹脂を含浸したシート(プリプレグ)は室温では硬い板の状態なので複雑な形状をした成形型に沿って積層成形するのが難しく、また、熱硬化性樹脂を使ったプリプレグは柔らかで、しかも粘着性があるため成形は容易であるものの生産性に問題があること;
熱可塑性樹脂を繊維に加工して、炭素繊維、ガラス繊維等の強化繊維と一緒に織り上げた混織繊物であれば、織物であるので柔軟性に富み、複雑な形状にも加工でき、強化繊維と樹脂が両方とも繊維の状態でからみ合っているので、加熱溶融して複合材料を作ると、繊維と樹脂の混ざり具合も均一になる。しかしながら、混織繊物を成形する場合、素材が柔らかいために、ハンドリングが難しく、安定した高サイクル生産を行うには、やはり難点があること;
他方、金属成形の分野においては、長い歴史の中で種々の高サイクル成形技術が確立されてきており、その中で絞り加工を中心とした板金プレス成形(圧縮成形の一種)は最も一般的な高サイクル成形方法の一つである。樹脂系複合材料の分野でも一次素材として、炭素繊維、ガラス繊維等の織物に熱可塑性樹脂を含浸したシート(プリプレグ)を使用することができれば、金属成形と同様に、最も生産性の高い成形手法に成りえるため、成形に供する素材として、規則性を有する織物状配向の強化繊維を熱可塑性樹脂に含浸、凝固させたシートを用いればよいこと;
しかしながら、織物素材をシート成形、つまり、圧縮加工、絞り加工等の組み合わせ成形する場合、繊維自体の伸び、繊維形状の伸び、剪断すべり、格子効果による変形が生じること(これらの変形については、それぞれ、図1(a)〜(d)を参照のこと。);
繊維自体の伸びは、成形中に引張力が作用することによる繊維自体の伸び変形であり、最大ひずみとして約5%以下(例えば、ガラス繊維では5%程度、炭素繊維では、最大2%程度)であり、全体に占める影響は少なく、また、繊維形状の伸びは、繊維を織った際の、縦・横糸のゆるみが成形中に伸びることによる変形であり、シートの強度を高めるため、シート織の際、これらのゆるみは極力少なくなるように管理されており、全体の変形に占める影響は少なく、また、剪断すべりは、角部等急激な変形が生じる箇所で発生するが、格子効果による変形は、金属の剪断ひずみに類似したものであり、変形中、繊維は伸びずに配向方向を変化させるだけであり、比較的小さな力で大きな変形が得られ、織物素材のート成形においては、変形領域の大部分は、格子効果による変形に起因していること;
そこで、シート成形中に局部的なシート座屈がなく、良好な性状品を得るために、成形途中に織物の格子変形角度が一定角以上にならないよう、制御する必要があるため、それを解決するための技術的手段として、成形中にシートをクランプするフレーム部において、成形途中でシートの格子変形角度が一定角度以上にならないように、繊維拘束ピンの突出によりシートの必要箇所を拘束するとともに、成形終了時に成形品を取り出した際、繊維拘束ピンを自動的に元の位置に復帰させることにより、シートに皺がよることがなく、連続成形を行い得る熱可塑性樹脂高性能繊維強化複合材料シートの繊維流動制御方法及びその装置を提供すること。
炭素繊維、ガラス繊維等の織物に熱可塑性樹脂を含浸したシート(プリプレグ)は室温では硬い板の状態なので複雑な形状をした成形型に沿って積層成形するのが難しく、また、熱硬化性樹脂を使ったプリプレグは柔らかで、しかも粘着性があるため成形は容易であるものの生産性に問題があること;
熱可塑性樹脂を繊維に加工して、炭素繊維、ガラス繊維等の強化繊維と一緒に織り上げた混織繊物であれば、織物であるので柔軟性に富み、複雑な形状にも加工でき、強化繊維と樹脂が両方とも繊維の状態でからみ合っているので、加熱溶融して複合材料を作ると、繊維と樹脂の混ざり具合も均一になる。しかしながら、混織繊物を成形する場合、素材が柔らかいために、ハンドリングが難しく、安定した高サイクル生産を行うには、やはり難点があること;
他方、金属成形の分野においては、長い歴史の中で種々の高サイクル成形技術が確立されてきており、その中で絞り加工を中心とした板金プレス成形(圧縮成形の一種)は最も一般的な高サイクル成形方法の一つである。樹脂系複合材料の分野でも一次素材として、炭素繊維、ガラス繊維等の織物に熱可塑性樹脂を含浸したシート(プリプレグ)を使用することができれば、金属成形と同様に、最も生産性の高い成形手法に成りえるため、成形に供する素材として、規則性を有する織物状配向の強化繊維を熱可塑性樹脂に含浸、凝固させたシートを用いればよいこと;
しかしながら、織物素材をシート成形、つまり、圧縮加工、絞り加工等の組み合わせ成形する場合、繊維自体の伸び、繊維形状の伸び、剪断すべり、格子効果による変形が生じること(これらの変形については、それぞれ、図1(a)〜(d)を参照のこと。);
繊維自体の伸びは、成形中に引張力が作用することによる繊維自体の伸び変形であり、最大ひずみとして約5%以下(例えば、ガラス繊維では5%程度、炭素繊維では、最大2%程度)であり、全体に占める影響は少なく、また、繊維形状の伸びは、繊維を織った際の、縦・横糸のゆるみが成形中に伸びることによる変形であり、シートの強度を高めるため、シート織の際、これらのゆるみは極力少なくなるように管理されており、全体の変形に占める影響は少なく、また、剪断すべりは、角部等急激な変形が生じる箇所で発生するが、格子効果による変形は、金属の剪断ひずみに類似したものであり、変形中、繊維は伸びずに配向方向を変化させるだけであり、比較的小さな力で大きな変形が得られ、織物素材のート成形においては、変形領域の大部分は、格子効果による変形に起因していること;
そこで、シート成形中に局部的なシート座屈がなく、良好な性状品を得るために、成形途中に織物の格子変形角度が一定角以上にならないよう、制御する必要があるため、それを解決するための技術的手段として、成形中にシートをクランプするフレーム部において、成形途中でシートの格子変形角度が一定角度以上にならないように、繊維拘束ピンの突出によりシートの必要箇所を拘束するとともに、成形終了時に成形品を取り出した際、繊維拘束ピンを自動的に元の位置に復帰させることにより、シートに皺がよることがなく、連続成形を行い得る熱可塑性樹脂高性能繊維強化複合材料シートの繊維流動制御方法及びその装置を提供すること。
他方、以下の特許文献2には、一方向(UD、Uni Direction)繊維が一方向性の様式で連続して且つ均一に配向されている荷重支持要素の、例えば、航空宇宙用の乗り物の一部である支持体への取り付け部分の表面を、樹脂マトリック中にランダムに配向され、切断された不連続繊維を含む接続要素で、オーバーモールドにより覆った複合材構造物が開示されている。かかる複合材構造物の接続要素は、位置方向繊維複合材である荷重持要素と異なり、機械加工による層間剥離による影響を受けにくく機械加工が容易であり、また、支持体への荷重支持要素との間の非常に強い接続が可能になるとされる。特許文献2には、荷重支持要素は、一方向繊維から作製され、一方向繊維は、プリプレグトウ又はテープの形態であってよく、荷重支持要素の形成中に樹脂で含浸されるドライなUD繊維であってもよいと記載されているが、強化繊維の一方向への配向は、炭素繊維の一方向プリプレグテープであるUDテープ(HexPly(登録商標))(炭素繊維/熱可塑性強化エポキシ)が例示されているに過ぎない。すなわち、特許文献2には、プレス成形に際して強化繊維を一方向に配向させるために、UD繊維が予め並列しているUDテープを用いており、プレス成型時の強化繊維のテンション、配向乱れについては一切考察されていない。
前記した従来技術に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、フィラメントワインディング(FW)法によるUDライクな繊維強化複合シートの製造方法、及び中空構造を有する該繊維強化複合シートを荷重支持インサート部材として有する剛性補強材を提供することである。
前記した課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討し実験を重ねた結果、FW法により強化繊維にテンションをかけて配向させながら、プレス成形することで、かかる課題を解決できることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの製造方法であって、以下の工程:
マルチフィラメント連続長強化繊維の周囲を熱可塑性樹脂でコーティングした熱可塑性樹脂コーティング糸、マルチフィラメント連続長強化繊維と同熱可塑性樹脂のマルチフィラメント糸との混繊糸、マルチフィラメント連続長強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させた熱可塑性樹脂含浸糸、及びマルチフィラメント連続長強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性樹脂含浸糸からなる群から選ばれる強化繊維の巻糸体を、単数又は複数準備する巻糸体準備工程;
その両端に所定厚の少なくとも1対の糸かけ部材Aを、かつ、その中心に回転軸を、脱着可能な状態で固定することができる所定長の固定枠Bに、該少なくとも1対の糸かけ部材Aと該回転軸を固定し、該巻糸体からの強化繊維を、該糸かけ部材Aに、該回転軸に直交する方向に対して0〜5度で所定のテンションをかけながら該回転軸を回転させることにより、一方向に巻き付け、該所定厚離間して2層以上で配向させる巻き付け・配向工程(本明細書中、便宜上、「FW工程」、「FW法」ともいう。);
該所定のテンションを保持したまま、該固定枠Bから該回転軸を取り外し、次いで、プレス成形用金型に、該固定枠Bと共に又は該固定枠Bを取り外した後に、該少なくとも1対の糸かけ部材Aを仮固定する仮固定工程;
必要により、該少なくとも1対の糸かけ部材Aの位置及び/又は糸かけ部材A間の距離を変更することで強化繊維の所定のテンションを更に維持しながら、所定の温度・圧力でプレス成形し、該熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を加熱溶融又は硬化、次いで冷却固化させることにより、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートを得るプレス成形工程;
を含む前記方法。
[2]前記マルチフィラメント連続長強化繊維は、ガラス繊維及び炭素繊維からなる群から選ばれる、前記[1]に記載の方法。
[3]前記熱可塑性樹脂は、ポリアミド及びポリプロピレンからなる群から選ばれる、前記[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記繊維強化複合シートは、平板状構造を有する、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記成形工程において、前記糸かけ部材Aを略円柱状の中子として機能させ、必要により、前記所定厚離間して配向した強化繊維の層間に略円柱状中子を配置してプレス成形した後、該糸かけ部材Aを取り外し、さらに該層間に配置された略円柱状中子を除去することにより、平板状構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートを得る、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[6]前記平板状構造に、前記強化繊維の配向方向に直交する方向に沿って、厚みが異なる凹部が存在する、前記[4]又は[5]に記載の方法。
[7]前記繊維強化複合シートは、前記平板状構造の主平板部の強化繊維体積比よりも低い強化繊維体積比をもつ薄肉リブを有する、前記[4]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記層間に配置される略円柱状中子が水溶性である、前記[5]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]前記略円柱状の中子として機能させる糸かけ部材Aの、必要により前記層間に配置される略円柱状中子の円周方向に強化繊維を巻いた後にプレス成形工程を行うことにより、中空構造の円周方向にも強化繊維が配向した繊維強化複合シートを得る、前記[5]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10]前記巻き付け・配向工程において、記糸かけ部材Aに接する強化繊維の最内層では、前記強化繊維を、前記糸かけ部材Aに、前記回転軸に直交する方向に対して0度で巻き付け、強化繊維の最外層では、前記強化繊維を、前記糸かけ部材Aに、前記回転軸に直交する方向に対して5度未満の角度で巻き付ける、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11]平板状構造に加え中空構造を有し、かつ、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートである荷重支持インサート部材の少なくとも一部に熱可塑性樹脂がオーバーモールドされている該中空構造を有する、支持体に接続するための剛性補強材。
[12]前記中空構造の円周方向にも強化繊維が配向している、前記[11]に記載の剛性補強材。
[13]前記中空構造は、前記支持体に接続するためのボルト締結部である、前記[11]又は[12]に記載の剛性補強材。
[1]固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの製造方法であって、以下の工程:
マルチフィラメント連続長強化繊維の周囲を熱可塑性樹脂でコーティングした熱可塑性樹脂コーティング糸、マルチフィラメント連続長強化繊維と同熱可塑性樹脂のマルチフィラメント糸との混繊糸、マルチフィラメント連続長強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させた熱可塑性樹脂含浸糸、及びマルチフィラメント連続長強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性樹脂含浸糸からなる群から選ばれる強化繊維の巻糸体を、単数又は複数準備する巻糸体準備工程;
その両端に所定厚の少なくとも1対の糸かけ部材Aを、かつ、その中心に回転軸を、脱着可能な状態で固定することができる所定長の固定枠Bに、該少なくとも1対の糸かけ部材Aと該回転軸を固定し、該巻糸体からの強化繊維を、該糸かけ部材Aに、該回転軸に直交する方向に対して0〜5度で所定のテンションをかけながら該回転軸を回転させることにより、一方向に巻き付け、該所定厚離間して2層以上で配向させる巻き付け・配向工程(本明細書中、便宜上、「FW工程」、「FW法」ともいう。);
該所定のテンションを保持したまま、該固定枠Bから該回転軸を取り外し、次いで、プレス成形用金型に、該固定枠Bと共に又は該固定枠Bを取り外した後に、該少なくとも1対の糸かけ部材Aを仮固定する仮固定工程;
必要により、該少なくとも1対の糸かけ部材Aの位置及び/又は糸かけ部材A間の距離を変更することで強化繊維の所定のテンションを更に維持しながら、所定の温度・圧力でプレス成形し、該熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を加熱溶融又は硬化、次いで冷却固化させることにより、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートを得るプレス成形工程;
を含む前記方法。
[2]前記マルチフィラメント連続長強化繊維は、ガラス繊維及び炭素繊維からなる群から選ばれる、前記[1]に記載の方法。
[3]前記熱可塑性樹脂は、ポリアミド及びポリプロピレンからなる群から選ばれる、前記[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記繊維強化複合シートは、平板状構造を有する、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記成形工程において、前記糸かけ部材Aを略円柱状の中子として機能させ、必要により、前記所定厚離間して配向した強化繊維の層間に略円柱状中子を配置してプレス成形した後、該糸かけ部材Aを取り外し、さらに該層間に配置された略円柱状中子を除去することにより、平板状構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートを得る、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[6]前記平板状構造に、前記強化繊維の配向方向に直交する方向に沿って、厚みが異なる凹部が存在する、前記[4]又は[5]に記載の方法。
[7]前記繊維強化複合シートは、前記平板状構造の主平板部の強化繊維体積比よりも低い強化繊維体積比をもつ薄肉リブを有する、前記[4]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記層間に配置される略円柱状中子が水溶性である、前記[5]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]前記略円柱状の中子として機能させる糸かけ部材Aの、必要により前記層間に配置される略円柱状中子の円周方向に強化繊維を巻いた後にプレス成形工程を行うことにより、中空構造の円周方向にも強化繊維が配向した繊維強化複合シートを得る、前記[5]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10]前記巻き付け・配向工程において、記糸かけ部材Aに接する強化繊維の最内層では、前記強化繊維を、前記糸かけ部材Aに、前記回転軸に直交する方向に対して0度で巻き付け、強化繊維の最外層では、前記強化繊維を、前記糸かけ部材Aに、前記回転軸に直交する方向に対して5度未満の角度で巻き付ける、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11]平板状構造に加え中空構造を有し、かつ、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートである荷重支持インサート部材の少なくとも一部に熱可塑性樹脂がオーバーモールドされている該中空構造を有する、支持体に接続するための剛性補強材。
[12]前記中空構造の円周方向にも強化繊維が配向している、前記[11]に記載の剛性補強材。
[13]前記中空構造は、前記支持体に接続するためのボルト締結部である、前記[11]又は[12]に記載の剛性補強材。
本発明に係る固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの製造方法においては、加熱プレス成形において、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いUDライクな繊維強化複合シートを形成する際、加熱溶融樹脂の流動による強化繊維の配向乱れを抑制することができ、また、織物ではなく、均一に一方向に配向した強化繊維を補強材として用いるため、製織に関わる設備コストを必要とせず、例えば、コーティング糸製造装置、FW装置、加熱成形プレス装置、トリミング装置のみで、最終製品までの一連の製造工程が完成するため、多品種少量生産に対応しやすく、また、FW法を採用することにより、生産量増加に伴い、強化繊維の糸目付を高めたり、強化繊維として、比較的安価な撚りをかけていないロービング形態の糸を使用することができ、得ようとする繊維強化複合シート肉厚をかせぐために、FWの離間する層の層数を増加させたり、FW法により巻いたものを複数セット用いたりすることができる。さらに、平板状構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートを荷重支持インサート部材として用い、これにマトリックス樹脂をオーバーモールドすれば、例えば、自動車骨格部材である支持体に接続するための剛性補強材とすることができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
第一の実施形態は、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの製造方法であって、以下の工程:
マルチフィラメント連続長強化繊維の周囲を熱可塑性樹脂でコーティングした熱可塑性樹脂コーティング糸、マルチフィラメント連続長強化繊維と同熱可塑性樹脂のマルチフィラメント糸との混繊糸、及びマルチフィラメント連続長強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性樹脂含浸糸からなる群から選ばれる強化繊維の巻糸体を、単数又は複数準備する巻糸体準備工程;
その両端に所定厚の少なくとも1対の糸かけ部材Aを、かつ、その中心に回転軸を、脱着可能な状態で固定することができる所定長の固定枠Bに、該少なくとも1対の糸かけ部材Aと該回転軸を固定し、該巻糸体からの強化繊維を、該糸かけ部材Aに、該回転軸に直交する方向に対して0〜5度で所定のテンションをかけながら該回転軸を回転させることにより、一方向に巻き付け、該所定厚離間して2層以上で配向させる巻き付け・配向工程(本明細書中、便宜上、「FW工程」、「FW法」ともいう。);
該所定のテンションを保持したまま、該固定枠Bから該回転軸を取り外し、次いで、プレス成形用金型に、該固定枠Bと共に又は該固定枠Bを取り外した後に、該少なくとも1対の糸かけ部材Aを仮固定する仮固定工程;
必要により、該少なくとも1対の糸かけ部材の位置及び/又は糸かけ部材A間の距離を変更することで強化繊維のテンションを更に調整しながら、所定の温度・圧力でプレス成形し、該熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を加熱溶融又は硬化、次いで冷却固化させることにより、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートを得るプレス成形工程;
を含む前記方法である。
第一の実施形態は、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの製造方法であって、以下の工程:
マルチフィラメント連続長強化繊維の周囲を熱可塑性樹脂でコーティングした熱可塑性樹脂コーティング糸、マルチフィラメント連続長強化繊維と同熱可塑性樹脂のマルチフィラメント糸との混繊糸、及びマルチフィラメント連続長強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性樹脂含浸糸からなる群から選ばれる強化繊維の巻糸体を、単数又は複数準備する巻糸体準備工程;
その両端に所定厚の少なくとも1対の糸かけ部材Aを、かつ、その中心に回転軸を、脱着可能な状態で固定することができる所定長の固定枠Bに、該少なくとも1対の糸かけ部材Aと該回転軸を固定し、該巻糸体からの強化繊維を、該糸かけ部材Aに、該回転軸に直交する方向に対して0〜5度で所定のテンションをかけながら該回転軸を回転させることにより、一方向に巻き付け、該所定厚離間して2層以上で配向させる巻き付け・配向工程(本明細書中、便宜上、「FW工程」、「FW法」ともいう。);
該所定のテンションを保持したまま、該固定枠Bから該回転軸を取り外し、次いで、プレス成形用金型に、該固定枠Bと共に又は該固定枠Bを取り外した後に、該少なくとも1対の糸かけ部材Aを仮固定する仮固定工程;
必要により、該少なくとも1対の糸かけ部材の位置及び/又は糸かけ部材A間の距離を変更することで強化繊維のテンションを更に調整しながら、所定の温度・圧力でプレス成形し、該熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を加熱溶融又は硬化、次いで冷却固化させることにより、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートを得るプレス成形工程;
を含む前記方法である。
一般に、織物、チョップド長繊維ベースの熱硬化性、熱可塑性樹脂複合材は、経緯の強度、弾性率が平均化(等方性)するため、高い強度、弾性率は期待できない。他方、強化長繊維が一方向に配向したUDライクな熱硬化性、熱可塑性樹脂複合材は、異方性が高く、高弾性率、高強度が期待できる。しかしながら、高弾性率、高強度を期待して、強化長繊維が一方向に配向したUDライクな熱可塑性樹脂複合材を作製しようとすると、プレス成形、ハイブリッド(プレス+射出複合)成形時に熱可塑性樹脂の流動による繊維配向乱れが発生してしまう。そこで、本願発明者らは、プレス成形、ハイブリッド(プレス+射出複合)成形時の繊維配向乱れを、該繊維にテンションをかけて抑制するための技術手段として、FW法を採用したものである。
本実施形態の繊維強化複合シートの製造方法においては、強化繊維の織物を予め準備しておく必要がなく、マルチフィラメント連続長強化繊維の周囲を熱可塑性樹脂でコーティングした熱可塑性樹脂コーティング糸(以下、単に「コーティング糸」ともいう。)、マルチフィラメント連続長強化繊維と同熱可塑性樹脂のマルチフィラメント糸との混繊糸(以下、単に「混繊糸」ともいう。)、マルチフィラメント連続長強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性樹脂含浸糸(以下、単に「熱硬化性樹脂含浸糸」ともいう。)、及びマルチフィラメント連続長強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させたテープ状熱可塑性樹脂含浸糸(以下、単に「熱可塑性樹脂テープ状含浸糸」ともいう。)からなる群から選ばれる強化繊維の巻糸体を、単数又は複数準備しておけばよいため、製織における、巻き返し、整経、糊付け、経通し、機掛け、管巻き、製織、さらには生機のトリミング等の複雑な工程が不要となるため設備投資が軽くなり、また、多品種少量生産への対応がしやすくなる。
また、強化繊維の織物を用いる場合、例えば、ガラス繊維の巻糸体と熱可塑性長繊維の巻糸体から、ガラス繊維と熱可塑性長繊維の混繊糸を作製し、これを経糸及び/又は緯に用いて織物を製織し、仕上げ加工し、さらに得られた生機をトリミングしなければならない。
勿論、FW法を採用すれば、コーティング糸、混繊糸、含浸糸の準備は必要となるが、少なくとも、製織、仕上げ加工、トリミングが省ける点で、織物を用いる場合に比較して設備投資は格段に低くなる。
また、強化繊維の織物を用いる場合、例えば、ガラス繊維の巻糸体と熱可塑性長繊維の巻糸体から、ガラス繊維と熱可塑性長繊維の混繊糸を作製し、これを経糸及び/又は緯に用いて織物を製織し、仕上げ加工し、さらに得られた生機をトリミングしなければならない。
勿論、FW法を採用すれば、コーティング糸、混繊糸、含浸糸の準備は必要となるが、少なくとも、製織、仕上げ加工、トリミングが省ける点で、織物を用いる場合に比較して設備投資は格段に低くなる。
図3の(a)、(b)、(c)に、それぞれ、混繊糸、コーティング糸、含浸糸の断面を示す。
図3(a)では、ガラス繊維の単糸と熱可塑性長繊維の単糸が混じった混繊糸が示されているが、マルチフィラメントガラス繊維の束とマルチフィラメント熱可塑性樹脂長繊維の束を単に束ねたものであってよい。
図3(b)に示すコーティング糸は、マルチフィラメントガラス繊維の束の周囲に、加熱溶融された熱可塑性繊維を一定の厚みでコーティングしたものである。コーティング糸は、例えば、入口側孔Aと、孔Aよりも大きな出口側孔Bを備えたダイを用い、孔Aに強化繊維の束を通過させつつ、孔Bに溶融樹脂を供給して強化繊維の束を被覆した後、樹脂を冷却固化させることにより、製造することができる。コーティング糸は、樹脂コーティングにより内部のガラス繊維が保護され、以降の工程においてガラス繊維の損傷を防止することができる点で、混繊糸や含浸糸よりも好ましい。
図3(c)に示す熱硬化性樹脂含浸糸は、粘着性がある熱硬化性樹脂を、例えば、ガラス繊維に含浸させたものであるため、取り扱いが難しく、生産性の観点からは好ましくないが、成形は容易である。例えば、含浸糸は、流動性の熱硬化性樹脂槽内に、マルチフィラメントガラス繊維を浸漬して通過させることにより得ることができる。
図3(d)に示す熱可塑性樹脂テープ状含浸糸は、例えば、前記コーティング糸を320℃の加熱ロールで加圧し、厚み0.3mm以下、好ましくは0.2mm以下、例えば、0.1mm、幅1.5mm程度のテープ状に加工して作製することができる。テープの厚みは糸かけ部材Aの曲率に合わせて適宜調整することができ、テープ状であれば、フレキシブル性があるため、糸かけ部材Aに巻き付けることができる。
尚、コーティング糸、混繊糸、熱硬化性樹脂含浸糸、熱可塑性樹脂テープ状含浸糸に含まれる強化連続長繊維は、ガラス繊維に限定されず、炭素繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維、バサルト繊維等の有機向きの強化繊維を広く包含する。これらの強化連続長繊維は、単独で使用しても、2種以上混ぜて使用してもよい。
また、本実施形態の繊維強化複合シート中の強化繊維の体積比を見込んで、コーティング糸、混繊糸、含浸糸中の、強化繊維に対する熱可塑性樹脂(繊維)又は熱硬化性樹脂の使用量を調整することが必要である。
使用する熱可塑性樹脂(繊維)又は熱硬化性樹脂も特に制限はないが、例えば、熱可塑性樹脂としてポリアミド(PA)66、PA6、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であることができ、また、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂には、製品要求特性に応じ適宜、染顔料、離型剤等の各種添加剤を添加することができる。
図3(a)では、ガラス繊維の単糸と熱可塑性長繊維の単糸が混じった混繊糸が示されているが、マルチフィラメントガラス繊維の束とマルチフィラメント熱可塑性樹脂長繊維の束を単に束ねたものであってよい。
図3(b)に示すコーティング糸は、マルチフィラメントガラス繊維の束の周囲に、加熱溶融された熱可塑性繊維を一定の厚みでコーティングしたものである。コーティング糸は、例えば、入口側孔Aと、孔Aよりも大きな出口側孔Bを備えたダイを用い、孔Aに強化繊維の束を通過させつつ、孔Bに溶融樹脂を供給して強化繊維の束を被覆した後、樹脂を冷却固化させることにより、製造することができる。コーティング糸は、樹脂コーティングにより内部のガラス繊維が保護され、以降の工程においてガラス繊維の損傷を防止することができる点で、混繊糸や含浸糸よりも好ましい。
図3(c)に示す熱硬化性樹脂含浸糸は、粘着性がある熱硬化性樹脂を、例えば、ガラス繊維に含浸させたものであるため、取り扱いが難しく、生産性の観点からは好ましくないが、成形は容易である。例えば、含浸糸は、流動性の熱硬化性樹脂槽内に、マルチフィラメントガラス繊維を浸漬して通過させることにより得ることができる。
図3(d)に示す熱可塑性樹脂テープ状含浸糸は、例えば、前記コーティング糸を320℃の加熱ロールで加圧し、厚み0.3mm以下、好ましくは0.2mm以下、例えば、0.1mm、幅1.5mm程度のテープ状に加工して作製することができる。テープの厚みは糸かけ部材Aの曲率に合わせて適宜調整することができ、テープ状であれば、フレキシブル性があるため、糸かけ部材Aに巻き付けることができる。
尚、コーティング糸、混繊糸、熱硬化性樹脂含浸糸、熱可塑性樹脂テープ状含浸糸に含まれる強化連続長繊維は、ガラス繊維に限定されず、炭素繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維、バサルト繊維等の有機向きの強化繊維を広く包含する。これらの強化連続長繊維は、単独で使用しても、2種以上混ぜて使用してもよい。
また、本実施形態の繊維強化複合シート中の強化繊維の体積比を見込んで、コーティング糸、混繊糸、含浸糸中の、強化繊維に対する熱可塑性樹脂(繊維)又は熱硬化性樹脂の使用量を調整することが必要である。
使用する熱可塑性樹脂(繊維)又は熱硬化性樹脂も特に制限はないが、例えば、熱可塑性樹脂としてポリアミド(PA)66、PA6、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であることができ、また、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂には、製品要求特性に応じ適宜、染顔料、離型剤等の各種添加剤を添加することができる。
図4に、本実施形態の固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの製造方法における巻き付け・配向工程に使用する、強化繊維を巻き付け、回転させる中空枠(1対の所定長の固定枠B、1対の糸かけ部材A、回転軸)の一例を示す。また、図5に、固定枠Bを片持ちにしたものを示す。
前記したように準備したコーティング糸等の単数又は複数の巻糸体から、コーティング糸等を解きながら、かかる中空枠を回転させて、中空枠に強化繊維を巻き付ける。例えば、かかる巻き付けは、回転軸に直交する方向に対して外径0.5mmのコーティング糸3本を、0度2mmピッチ130mm幅で4往復、両面で16層(片道(往路)の回転で上下2層、往路の回転でさらに上下2層、合計4層となるため、4往復で16層になる)、さらに5度ヘリカル巻き4往復、両面で約1層分となる。5度傾いたヘリカル巻は、糸密度が粗のため、前記0度のパラレル巻に比べ巻数は約1/13になるため、4往復で16層÷13=1.2、実質1層分の体積となる。かかるヘリカル巻きで内層にある0度で巻かれた強化繊維を拘束することで、プレス成形時の繊維配向乱れをさらに抑制することができる。また、UD特有のUD方向に直交する方向の破壊特性(配向方向の割れ)を改善することができる。
尚、以下の実施例1では、パラレル巻UD層16層+ヘリカル巻約1層=約17層であり、巻いた糸の厚みは約10mm、熱プレス後、樹脂が溶けて空間を埋め圧縮されることで2.4mmであった。
前記パラレル巻(0度)とヘリカル巻(5度)の層構成は、繊維強化複合シートに要求される強度に依存して適宜設計することができるが、例えば、UD強度を更に高めたい場合にはパラレル巻の割合を高めればよい。
中空枠への強化繊維の巻き付け時のテンションは適宜調整すればよいが、巻き付け時のテンションが高すぎると、強化繊維が破断するおそれがある。
図4右側の側面図に示すように、糸かけ部材Aには、所定の厚みがあるため、中空枠に巻かれた強化繊維は表層と裏層の間に空間が存在する。以下に説明するように、この空間に略円柱状中子を配置してプレス成形し、該略円柱状中子を引き抜くことで、平板状構造にさらに中空構造が付与された繊維強化複合シートを製造することができる。また、糸かけ部材Aを略円柱状の中子として用いてもよい。
図5は、図4に示す中空枠の固定枠Bを片持ちにしたものを示し、図4に示す両持ちの中空枠と同様に機能することができる。片持ちの中空枠の一対の糸かけ部材Aは、例えば、φ8mmであり、その間隔は、作製しようとする成形品の形状に合わせて伸縮可能であり、かかる伸縮のための構造は、例えば、バネ圧でテンションをかけることによるものであることができる。しかがって、図4に示すスライド孔4は必須ではない。
図6は、図4に示す中空枠に強化繊維を巻き付けた状態の一例の写真である。
前記したように準備したコーティング糸等の単数又は複数の巻糸体から、コーティング糸等を解きながら、かかる中空枠を回転させて、中空枠に強化繊維を巻き付ける。例えば、かかる巻き付けは、回転軸に直交する方向に対して外径0.5mmのコーティング糸3本を、0度2mmピッチ130mm幅で4往復、両面で16層(片道(往路)の回転で上下2層、往路の回転でさらに上下2層、合計4層となるため、4往復で16層になる)、さらに5度ヘリカル巻き4往復、両面で約1層分となる。5度傾いたヘリカル巻は、糸密度が粗のため、前記0度のパラレル巻に比べ巻数は約1/13になるため、4往復で16層÷13=1.2、実質1層分の体積となる。かかるヘリカル巻きで内層にある0度で巻かれた強化繊維を拘束することで、プレス成形時の繊維配向乱れをさらに抑制することができる。また、UD特有のUD方向に直交する方向の破壊特性(配向方向の割れ)を改善することができる。
尚、以下の実施例1では、パラレル巻UD層16層+ヘリカル巻約1層=約17層であり、巻いた糸の厚みは約10mm、熱プレス後、樹脂が溶けて空間を埋め圧縮されることで2.4mmであった。
前記パラレル巻(0度)とヘリカル巻(5度)の層構成は、繊維強化複合シートに要求される強度に依存して適宜設計することができるが、例えば、UD強度を更に高めたい場合にはパラレル巻の割合を高めればよい。
中空枠への強化繊維の巻き付け時のテンションは適宜調整すればよいが、巻き付け時のテンションが高すぎると、強化繊維が破断するおそれがある。
図4右側の側面図に示すように、糸かけ部材Aには、所定の厚みがあるため、中空枠に巻かれた強化繊維は表層と裏層の間に空間が存在する。以下に説明するように、この空間に略円柱状中子を配置してプレス成形し、該略円柱状中子を引き抜くことで、平板状構造にさらに中空構造が付与された繊維強化複合シートを製造することができる。また、糸かけ部材Aを略円柱状の中子として用いてもよい。
図5は、図4に示す中空枠の固定枠Bを片持ちにしたものを示し、図4に示す両持ちの中空枠と同様に機能することができる。片持ちの中空枠の一対の糸かけ部材Aは、例えば、φ8mmであり、その間隔は、作製しようとする成形品の形状に合わせて伸縮可能であり、かかる伸縮のための構造は、例えば、バネ圧でテンションをかけることによるものであることができる。しかがって、図4に示すスライド孔4は必須ではない。
図6は、図4に示す中空枠に強化繊維を巻き付けた状態の一例の写真である。
図7は、1対の糸かけ部材を金型に仮固定し、プレス成形する際の、金型、強化繊維、及び糸かけ部材の動きを説明する正面図である。
強化繊維が巻き付けられた中空枠の固定枠Bから回転軸を取り外し、次いで、該固定枠Bと共に又は該固定枠Bを取り外した後に、該少なくとも1対の糸かけ部材Aを、所定のテンションを保持したまま、プレス成形用金型に、仮固定する。糸かけ部材Aの金型への仮固定部は図示せず。
プレス成形用金型への糸かけ部材Aの仮固定には、糸かけ部材に設けられたスライドガイド孔を介して金型のテンション調整装置に固定することにより行うことができる。かかるテンション調整装置は、特に制限はないが、例えば、成形しようとする形状に合わせてサーボモータ、バネ、油圧等により、配向した強化繊維のテンションを適宜調整することができるように機能するものを挙げることができる。また、FW工程における巻テンションを予め高低調整することで、プレス成形工程におけるテンションを調整してもよい。
図4〜6に示す糸かけ部材Aは、幅方向に連続し一体化している部材の一例であるが、図9に示すように、糸かけ部材Aは、幅方向に分割され、かかる分割された部分に対応するテンション調節装置が各々設けられたものであってもよい。
テンション調整装置により1対の糸かけ部材Aの位置、及び/又は糸かけ部材A間の距離(Aの間隔)を、変動(移動、縮小、調整)することで、成形品の形状に応じて、強化繊維の所定のテンションを更に調整して、例えば、一定に維持しながら、上下金型が強化繊維を挟み込むように、所定の温度・圧力でプレス成形し、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を加熱溶融又は硬化、次いで冷却固化させることにより、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートを得ることができる。
強化繊維が巻き付けられた中空枠の固定枠Bから回転軸を取り外し、次いで、該固定枠Bと共に又は該固定枠Bを取り外した後に、該少なくとも1対の糸かけ部材Aを、所定のテンションを保持したまま、プレス成形用金型に、仮固定する。糸かけ部材Aの金型への仮固定部は図示せず。
プレス成形用金型への糸かけ部材Aの仮固定には、糸かけ部材に設けられたスライドガイド孔を介して金型のテンション調整装置に固定することにより行うことができる。かかるテンション調整装置は、特に制限はないが、例えば、成形しようとする形状に合わせてサーボモータ、バネ、油圧等により、配向した強化繊維のテンションを適宜調整することができるように機能するものを挙げることができる。また、FW工程における巻テンションを予め高低調整することで、プレス成形工程におけるテンションを調整してもよい。
図4〜6に示す糸かけ部材Aは、幅方向に連続し一体化している部材の一例であるが、図9に示すように、糸かけ部材Aは、幅方向に分割され、かかる分割された部分に対応するテンション調節装置が各々設けられたものであってもよい。
テンション調整装置により1対の糸かけ部材Aの位置、及び/又は糸かけ部材A間の距離(Aの間隔)を、変動(移動、縮小、調整)することで、成形品の形状に応じて、強化繊維の所定のテンションを更に調整して、例えば、一定に維持しながら、上下金型が強化繊維を挟み込むように、所定の温度・圧力でプレス成形し、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を加熱溶融又は硬化、次いで冷却固化させることにより、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートを得ることができる。
図8は、Z軸(垂直)方向に、1対の糸かけ部材を3つ重ねた場合の正面図である。
図8に示すように、中空枠に巻き付けられた強化繊維を、例えば、3セット準備し、これを金型の移動方向(垂直方向)に重ねれば、成形品の要求特性に応じて強化繊維の量を変え、また、成形シートの厚みを変えることができる。
また、図9は、XY平面に1対の糸かけ部材を直交して複数重ねた場合の平面図である。
図9に示すように、中空枠に巻き付けられた強化繊維を、例えば、2セット準備し、1のセットをX軸方向、他のセットをX軸に直交するY軸方向にし、これらを金型の移動方向(Z方向)に重ねれば、成形品の要求特性に応じて強化繊維の配向、量を変え、また、成形シートの厚みを変えることができる。ここで、得ようとする成形品の形状への強化繊維の形状追従性の観点から、1のセットと他のセットは直交するものに制限されず、任意の角度であることができる。この場合、UDライクな成形品とはならないが、従来の繊維強化複合材料に比較して、前記した剪断すべり、格子効果等による変形が生じないため、得られる複合材料の強度は優れたものとなる。
尚、前記したように、図9は、糸かけ部材Aが幅方向に分割され、かかる分割された部分に対応するテンション調節装置が各々設けられたものも示している。
図8に示すように、中空枠に巻き付けられた強化繊維を、例えば、3セット準備し、これを金型の移動方向(垂直方向)に重ねれば、成形品の要求特性に応じて強化繊維の量を変え、また、成形シートの厚みを変えることができる。
また、図9は、XY平面に1対の糸かけ部材を直交して複数重ねた場合の平面図である。
図9に示すように、中空枠に巻き付けられた強化繊維を、例えば、2セット準備し、1のセットをX軸方向、他のセットをX軸に直交するY軸方向にし、これらを金型の移動方向(Z方向)に重ねれば、成形品の要求特性に応じて強化繊維の配向、量を変え、また、成形シートの厚みを変えることができる。ここで、得ようとする成形品の形状への強化繊維の形状追従性の観点から、1のセットと他のセットは直交するものに制限されず、任意の角度であることができる。この場合、UDライクな成形品とはならないが、従来の繊維強化複合材料に比較して、前記した剪断すべり、格子効果等による変形が生じないため、得られる複合材料の強度は優れたものとなる。
尚、前記したように、図9は、糸かけ部材Aが幅方向に分割され、かかる分割された部分に対応するテンション調節装置が各々設けられたものも示している。
プレス成形により得られるものは、一般には、シート状の形態の繊維強化複合シートであることができるが、例えば、プレス成形に用いる金型に凸部を設ければ、図12に示すような平板状構造に強化繊維の配向方向に直交する方向に沿って少なくとも片面に厚みが異なる(変化する)凹部が存在する繊維強化複合シートを得ることができる(図17(b)参照)。この場合、隣接する凹部により、得ようとするプレス製品周縁部の肉厚が薄いものとなり、樹脂流動による凹部間の繊維配向乱れを一層抑制することができる。このような繊維配向乱れの抑制は、前記したヘリカル巻きで内層にある0度で巻かれた強化繊維を拘束することで、さらに強化される。周縁部の肉厚が薄い部分を、トリミングにより除去されるべき薄肉リブとするとき、得られる繊維強化複合シートは、平板状構造の主平板部の強化繊維体積比よりも低い強化繊維体積比をもつ薄肉リブを有するものなり、トリミングが容易となり、生産性も向上する。
また、プレス成形時、所定の厚みをもつ糸かけ部材Aに巻かれた強化繊維の表層と裏層の間に空間に略円柱状中子を配置して、対応の金型を用いてプレス成形すれば、図10に示すように、平板状構造にさらに中空構造が付与された繊維強化複合シートを製造することができる。また、糸かけ部材Aを、略円柱状中子として機能させても、平板上構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートを製造することができる。尚、図10において、糸かけ部材Aを、平板上構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートを製造するために用いる略円柱状中子として機能させた場合には、中空構造の外側に平板状構造は存在しない。
図11に示すように、層間に配置する略円柱状中子の、及び/又は略円柱状中子として機能させる糸かけ部材Aの円周方向に強化繊維を巻き付けておき、プレス成形後に、用いた中子を除去するか、及び/又は糸かけ部材Aを取り外せば、中空構造の円周方向にも強化繊維が配向している複合強化材を製造することができる。層間に配置する略円柱状中子の除去においては、例えば、金属製の中子であれば引き抜けばよく、また、水溶性の中子であれば、プレス成形後に水洗溶解除去すればよい。
また、図16に示すように、平板状構造に加え中空構造を有し、かつ、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの形状としては、各種の変形が存在しうる。例えば、中空構造が平板状構造の上に配置されたもの、平板状構造がほぼ直角に曲がったもの等がある。中空構造が平板状構造の上に配置されたものは、前記したように、Z軸方向に、中空枠に巻き付けられた強化繊維のセットを準備し、これらを金型の移動方向(垂直方向)に重ねて製造することができる。また、平板状構造がほぼ直角に曲がったものは、プレス成形で得たものを、再度、加熱し後加工でほぼ直角に曲げてもよいし、予め湾曲した構造をもつ金型を用いてプレス成形して得ることもできる。
図11に示すように、層間に配置する略円柱状中子の、及び/又は略円柱状中子として機能させる糸かけ部材Aの円周方向に強化繊維を巻き付けておき、プレス成形後に、用いた中子を除去するか、及び/又は糸かけ部材Aを取り外せば、中空構造の円周方向にも強化繊維が配向している複合強化材を製造することができる。層間に配置する略円柱状中子の除去においては、例えば、金属製の中子であれば引き抜けばよく、また、水溶性の中子であれば、プレス成形後に水洗溶解除去すればよい。
また、図16に示すように、平板状構造に加え中空構造を有し、かつ、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの形状としては、各種の変形が存在しうる。例えば、中空構造が平板状構造の上に配置されたもの、平板状構造がほぼ直角に曲がったもの等がある。中空構造が平板状構造の上に配置されたものは、前記したように、Z軸方向に、中空枠に巻き付けられた強化繊維のセットを準備し、これらを金型の移動方向(垂直方向)に重ねて製造することができる。また、平板状構造がほぼ直角に曲がったものは、プレス成形で得たものを、再度、加熱し後加工でほぼ直角に曲げてもよいし、予め湾曲した構造をもつ金型を用いてプレス成形して得ることもできる。
プレス成形後には、所望の製品形状に合わせ、成形品の周縁をトリミングする。トリミング装置としては、例えば、レーザ、ウォータージェット(研磨剤、レーザ併用)等を用いることができる。
第二の実施形態は、平板状構造に加え中空構造を有し、かつ、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートである荷重支持インサート部材の少なくとも一部に、熱可塑性樹脂がオーバーモールドされている該中空構造を有する、支持体に接続するための剛性補強材である。中空構造の円周方向にも強化繊維が配向していることが好ましい。また、中空構造は、前記支持体、例えば、自動車骨格部材に接続するためのボルト締結部であることができる。
このような剛性補強材は、例えば、前記のようにして得た、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートを荷重支持インサート部材として用い、かかるインサート部材の少なくとも一部に、強化繊維のチョップドストランド等を含む熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として射出成形によりオーバーモールドして得ることができ、又はハイブリッド(プレス+射出複合)成形により、前記繊維強化複合シートの作製と同時に作製することもできる。
オーバーモールドする樹脂は、荷重支持インサート部材として用いる繊維強化複合シートのマトリックス樹脂と主成分が同質であるものが好ましく、例えば、PA66系ならPA66系、PP系ならPP系であることが好ましく、種々の共重合組成の樹脂であってもよい。
図13は、平板状構造に加え中空構造を有し、かつ、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートである荷重支持インサート部材に、マトリックス樹脂をオーバーモールドする際に用いるハイブリッド(プレス+射出複合)成形金型と、インサート部材拘束手段により拘束された平板状構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートの関係を説明する正面図である。
オーバーモールドする樹脂は、荷重支持インサート部材として用いる繊維強化複合シートのマトリックス樹脂と主成分が同質であるものが好ましく、例えば、PA66系ならPA66系、PP系ならPP系であることが好ましく、種々の共重合組成の樹脂であってもよい。
図13は、平板状構造に加え中空構造を有し、かつ、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートである荷重支持インサート部材に、マトリックス樹脂をオーバーモールドする際に用いるハイブリッド(プレス+射出複合)成形金型と、インサート部材拘束手段により拘束された平板状構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートの関係を説明する正面図である。
図14は、糸かけ部材Aを、平板状構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートを製造するために用いる略円柱状中子として機能させた場合の、該糸かけ部材Aに近接する金型の外形形状を六角形とし、金型ピンチ部をゼロタッチとした場合の断面面である。
図15は、平板状構造に加え中空構造を有し、かつ、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートである荷重支持インサート部材、及びこれに熱可塑性樹脂をオーバーモールドした中空構造を有する、支持体に接続するための剛性補強材の正面図と側面図である。尚、糸かけ部材Aを、平板状構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートを製造するために用いる円柱状中子として機能させた場合、中空構造の外側に平板状構造は存在しない。糸かけ部材Aを一緒に金型に入れ、全体をプレス成形すると製品化の歩留まりが高まるため好ましい。
また、図16は、平板状構造に加え中空構造を有し、かつ、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの各種変形の断面図である。かかる各種変形の製造においても、糸かけ部材Aを、平板状構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートを製造するために用いる円柱状中子として機能させた場合には、中空構造の外側に平板状構造は存在しない。
また、図16は、平板状構造に加え中空構造を有し、かつ、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの各種変形の断面図である。かかる各種変形の製造においても、糸かけ部材Aを、平板状構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートを製造するために用いる円柱状中子として機能させた場合には、中空構造の外側に平板状構造は存在しない。
このような剛性補強材の中空構造は、支持体、例えば、自動車、飛行機、鉄道車両等の骨格部材、シート部材、衝撃吸収部材、補強部材へのボルト締結部とすることができる。この場合、中空構造の円周方向にも強化繊維が配向していれば、ボルト締結部における強度が向上する。
図17は、強化繊維を巻き付けた中空枠を、プレス成形する前に金型に固定した状態を示す図面に代わる写真である。
図18に、実施例3の構造物の概略断面図を示す。強化繊維を巻き付けた中空枠の片面又は両面に織物層を重ねたものを、プレス成形して、平板状構造に加え中空構造を有し、かつ、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートを作製してもよく、さらに、これを荷重支持インサート部材として用いて、熱可塑性樹脂をオーバーモールドした中空構造を有する、支持体に接続するための剛性補強材を製造することもできる。強化繊維の織物層を使用すれば、直交方向の強度をさらに補強することができる。FW層(UD層)の高剛性を確保したいときは極力、使用する織物層(例えば、0/90度の綾織)はより薄いことが好ましく、熱プレス後の厚み層としてUD層/織物層>1であることが好ましい。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
[実施例1]
強化繊維のコーティング糸として、外径φ約0.5mm、Vf146%の旭化成(株)製PA66レオナ1402S(登録商標)を用意した。強化繊維は日本電気ガラス社製のガラスファイバー、繊度685dtex、単糸数400 本であった。
FW装置として旭化成エンジニアリング(株)製「1000P」を用意した。尚、「1000」は1000mm用、「P」は5軸制御を意味する。最大径φは400mmであった。
上記コーティング糸3本をクリール(張力制御繰り出し装置)に取り付け、3本同時に引き揃え、図4に示す中空枠に巻き付けた。
巻き付け条件は、テンションが50g/強化繊維1本、回転数20rpm、回転軸に直交する方向に対して0°パラレル巻2mmピッチ130mm幅で4往復、両面で16層、さらに5°ヘリカル巻表面2往復、両面で1層分(片面で約0.5層相当で表面としては5°の斜めの層はまばら)、糸かけ部材の糸層の総厚み約10mmであった。尚、総厚みはノギスで測定した。
得られた中空枠を枠ごと金型に固定した。糸かけ部材Aは、枠Bのバネ構造によりテンションを維持しながら金型形状に沿って配置した。
図14に示すように、プレス成形においては、中空締結部ピッチ80mm、中空部中子径φ8mm、金型ピンチ部はゼロタッチ、中子棒部外形はφ8mmの内接円とする正六角形の形状とした。尚、「金型ピンチ部はゼロタッチ」とは、金型のみで閉じた場合、金型が接触しないクリアランス=キャビティー(空間)が存在していないことを意味する。金型が閉じるとガラス繊維と樹脂が挟まり加熱溶融圧縮された成形品が形成される。
強化繊維を巻き付けた中空枠を枠ごと、型温度200℃に加熱した金型に挿入・固定し、型閉じ後300℃まで昇温し(この時点で型は糸厚み約10mm分浮いていた)、昇温後、製品面にかかる圧力を5MPaに調整し、1分間保持した(この時点で型は約2mmまで閉じた)。その後、150℃まで冷却し、型を開き中空枠を取り出した。
取り出した中空枠から中子棒を抜き、締結部(中空構造)を有する平板状構造物を得た。平板状構造物の厚みは2mm、中空部構造の肉厚は1mmであった。低圧型締め時に約7mmあった型開距離は前記融点以上で約2mmに減少した。
このようにして得た成形品の中央部の曲げ弾性率は60GPa、曲げ強度1.1GPaであった。
上記曲げ弾性率、曲げ強度は以下のように測定した。
JIS K 7017に従い、インストロン社製引っ張り試験機、ロードセル50kN、スパン間40mmで簡易的に曲げ物性を評価した。試験速度は1mm/分、試験環境は23℃、50RH%、試験片調湿は、絶乾状態であった。
[実施例1]
強化繊維のコーティング糸として、外径φ約0.5mm、Vf146%の旭化成(株)製PA66レオナ1402S(登録商標)を用意した。強化繊維は日本電気ガラス社製のガラスファイバー、繊度685dtex、単糸数400 本であった。
FW装置として旭化成エンジニアリング(株)製「1000P」を用意した。尚、「1000」は1000mm用、「P」は5軸制御を意味する。最大径φは400mmであった。
上記コーティング糸3本をクリール(張力制御繰り出し装置)に取り付け、3本同時に引き揃え、図4に示す中空枠に巻き付けた。
巻き付け条件は、テンションが50g/強化繊維1本、回転数20rpm、回転軸に直交する方向に対して0°パラレル巻2mmピッチ130mm幅で4往復、両面で16層、さらに5°ヘリカル巻表面2往復、両面で1層分(片面で約0.5層相当で表面としては5°の斜めの層はまばら)、糸かけ部材の糸層の総厚み約10mmであった。尚、総厚みはノギスで測定した。
得られた中空枠を枠ごと金型に固定した。糸かけ部材Aは、枠Bのバネ構造によりテンションを維持しながら金型形状に沿って配置した。
図14に示すように、プレス成形においては、中空締結部ピッチ80mm、中空部中子径φ8mm、金型ピンチ部はゼロタッチ、中子棒部外形はφ8mmの内接円とする正六角形の形状とした。尚、「金型ピンチ部はゼロタッチ」とは、金型のみで閉じた場合、金型が接触しないクリアランス=キャビティー(空間)が存在していないことを意味する。金型が閉じるとガラス繊維と樹脂が挟まり加熱溶融圧縮された成形品が形成される。
強化繊維を巻き付けた中空枠を枠ごと、型温度200℃に加熱した金型に挿入・固定し、型閉じ後300℃まで昇温し(この時点で型は糸厚み約10mm分浮いていた)、昇温後、製品面にかかる圧力を5MPaに調整し、1分間保持した(この時点で型は約2mmまで閉じた)。その後、150℃まで冷却し、型を開き中空枠を取り出した。
取り出した中空枠から中子棒を抜き、締結部(中空構造)を有する平板状構造物を得た。平板状構造物の厚みは2mm、中空部構造の肉厚は1mmであった。低圧型締め時に約7mmあった型開距離は前記融点以上で約2mmに減少した。
このようにして得た成形品の中央部の曲げ弾性率は60GPa、曲げ強度1.1GPaであった。
上記曲げ弾性率、曲げ強度は以下のように測定した。
JIS K 7017に従い、インストロン社製引っ張り試験機、ロードセル50kN、スパン間40mmで簡易的に曲げ物性を評価した。試験速度は1mm/分、試験環境は23℃、50RH%、試験片調湿は、絶乾状態であった。
[実施例2]
図5に示す片持の中空枠に、テンションが50g/強化繊維1本、回転数20rpm、回転軸に直交する方向に対して0°パラレル巻2mmピッチ100mm幅で2往復、両面で8層を巻き付けた以外を実施例と同様に実施した。糸かけ部材の糸層の総厚み約4mmであった。尚、総厚みはノギスで測定した。
取り出した中空枠から中子棒を抜き、締結部(中空構造)を有する平板状構造物を得た。平板状構造物の厚みは0.8mm、中空部構造の肉厚は0.8mmであった。
このようにして得た成形品の中央部の曲げ弾性率は60GPa、曲げ強度1.1GPaであった。
上記曲げ弾性率、曲げ強度は以下のように測定した。
JIS K 7017に従い、ロードセル50kN、スパン間12.8mmで簡易的に曲げ物性を評価した。試験速度は2mm/分、試験環境は23℃、50RH%、試験片調湿は、絶乾状態であった。
図5に示す片持の中空枠に、テンションが50g/強化繊維1本、回転数20rpm、回転軸に直交する方向に対して0°パラレル巻2mmピッチ100mm幅で2往復、両面で8層を巻き付けた以外を実施例と同様に実施した。糸かけ部材の糸層の総厚み約4mmであった。尚、総厚みはノギスで測定した。
取り出した中空枠から中子棒を抜き、締結部(中空構造)を有する平板状構造物を得た。平板状構造物の厚みは0.8mm、中空部構造の肉厚は0.8mmであった。
このようにして得た成形品の中央部の曲げ弾性率は60GPa、曲げ強度1.1GPaであった。
上記曲げ弾性率、曲げ強度は以下のように測定した。
JIS K 7017に従い、ロードセル50kN、スパン間12.8mmで簡易的に曲げ物性を評価した。試験速度は2mm/分、試験環境は23℃、50RH%、試験片調湿は、絶乾状態であった。
[実施例3]
図18に示すように、実施例2で得た強化繊維を巻き付けた糸かけ部材の上下面に、0/90度の綾織層を配置し、実施例2と同様に繊維強化複合シートを作製した。尚、上記綾織層を構成する強化繊維は、実施例1で用いたものと同一であり、
レピア織り機を用い、複合糸を経糸及び緯糸として用いて3×3綾織に製織し、目付630g/m2となるように織密度を調整したものであった。
取り出した中空枠から中子棒を抜き、締結部(中空構造)を有する平板状構造物を得た。平板状構造物の厚みは1.2mm、中空部構造の肉厚は1.2mmであった。
このようにして得た成形品の中央部の曲げ弾性率は40GPa、曲げ強度0.6GPaであった。
上記曲げ弾性率、曲げ強度は以下のように測定した。
JIS K 7017に従い、ロードセル50kN、スパン間19.2mmで簡易的に曲げ物性を評価した。試験速度は2mm/分、試験環境は23℃、50RH%、試験片調湿は、絶乾状態であった。
図18に示すように、実施例2で得た強化繊維を巻き付けた糸かけ部材の上下面に、0/90度の綾織層を配置し、実施例2と同様に繊維強化複合シートを作製した。尚、上記綾織層を構成する強化繊維は、実施例1で用いたものと同一であり、
レピア織り機を用い、複合糸を経糸及び緯糸として用いて3×3綾織に製織し、目付630g/m2となるように織密度を調整したものであった。
取り出した中空枠から中子棒を抜き、締結部(中空構造)を有する平板状構造物を得た。平板状構造物の厚みは1.2mm、中空部構造の肉厚は1.2mmであった。
このようにして得た成形品の中央部の曲げ弾性率は40GPa、曲げ強度0.6GPaであった。
上記曲げ弾性率、曲げ強度は以下のように測定した。
JIS K 7017に従い、ロードセル50kN、スパン間19.2mmで簡易的に曲げ物性を評価した。試験速度は2mm/分、試験環境は23℃、50RH%、試験片調湿は、絶乾状態であった。
本発明に係る固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの製造方法においては、加熱プレス成形において、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を用いUDライクな繊維強化複合シートを形成する際、加熱溶融樹脂の流動による強化繊維の配向乱れを抑制することができ、また、織物ではなく、均一に一方向に配向した強化繊維を補強材として用いるため、製織に関わる設備コストを必要とせず、例えば、コーティング糸製造装置、FW装置、加熱成形プレス装置、トリミング装置のみで、最終製品までの一連の製造工程が完成するため、多品種少量生産に対応しやすく、また、FW法を採用することにより、生産量増加に伴い、強化繊維の糸目付を高めたり、ロービングを使用することができ、得ようとする繊維強化複合シート肉厚をかせぐため、FWの離間する層の層数を増加させることができる。さらに、平板状構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートを荷重支持インサート部材として用い、これに熱可塑性樹脂をオーバーモールドすれば、例えば、自動車骨格部材である支持体に接続するための剛性補強材とすることができる。したがって、本発明は、高強度、高剛性、高衝撃物性を有するUDライクな繊維強化複合材料として好適に利用可能である。
1、1’ 糸かけ部材A
2、2’ 固定枠B
3 回転軸
4 スライド孔
5、5’ プレス成形金型
6 テンション調整装置
7、7’ ハイブリッド(プレス+射出複合)成形金型
8 インサート部材拘束手段
10 強化連続長繊維
11 熱可塑性樹脂又は連続長繊維
12 含浸熱硬化性樹脂
13 円柱状中子
14、14’、14’’ 平板状構造にさらに中空構造が付与された繊維強化複合シート
15 平板状構造に強化繊維の配向方向に沿って厚みが異なる凹部が存在する繊維強化複合シート
16 射出樹脂
100 クリール
101 樹脂槽
102 マンドレル
2、2’ 固定枠B
3 回転軸
4 スライド孔
5、5’ プレス成形金型
6 テンション調整装置
7、7’ ハイブリッド(プレス+射出複合)成形金型
8 インサート部材拘束手段
10 強化連続長繊維
11 熱可塑性樹脂又は連続長繊維
12 含浸熱硬化性樹脂
13 円柱状中子
14、14’、14’’ 平板状構造にさらに中空構造が付与された繊維強化複合シート
15 平板状構造に強化繊維の配向方向に沿って厚みが異なる凹部が存在する繊維強化複合シート
16 射出樹脂
100 クリール
101 樹脂槽
102 マンドレル
Claims (13)
- 固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートの製造方法であって、以下の工程:
マルチフィラメント連続長強化繊維の周囲を熱可塑性樹脂でコーティングした熱可塑性樹脂コーティング糸、マルチフィラメント連続長強化繊維と同熱可塑性樹脂のマルチフィラメント糸との混繊糸、マルチフィラメント連続長強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させた熱可塑性樹脂含浸糸、及びマルチフィラメント連続長強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性樹脂含浸糸からなる群から選ばれる強化繊維の巻糸体を、単数又は複数準備する巻糸体準備工程;
その両端に所定厚の少なくとも1対の糸かけ部材Aを、かつ、その中心に回転軸を、脱着可能な状態で固定することができる所定長の固定枠Bに、該少なくとも1対の糸かけ部材Aと該回転軸を固定し、該巻糸体からの強化繊維を、該糸かけ部材Aに、該回転軸に直交する方向に対して0〜5度で所定のテンションをかけながら該回転軸を回転させることにより一方向に巻き付け、該所定厚離間して2層以上で配向させる巻き付け・配向工程;
該所定のテンションを保持したまま、該固定枠Bから該回転軸を取り外し、次いで、プレス成形用金型に、該固定枠Bと共に又は該固定枠Bを取り外した後に、該少なくとも1対の糸かけ部材Aを仮固定する仮固定工程;
必要により、該少なくとも1対の糸かけ部材Aの位置及び/又は糸かけ部材A間の距離を変更することで強化繊維のテンションを更に調整しながら、所定の温度・圧力でプレス成形し、該熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を加熱溶融又は硬化、次いで冷却固化させることにより、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートを得るプレス成形工程;
を含む前記方法。 - 前記マルチフィラメント連続長強化繊維は、ガラス繊維及び炭素繊維からなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
- 前記熱可塑性樹脂は、ポリアミド及びポリプロピレンからなる群から選ばれる、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記繊維強化複合シートは、平板状構造を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記成形工程において、前記糸かけ部材Aを略円柱状の中子として機能させ、必要により、前記所定厚離間して配向した強化繊維の層間に略円柱状中子を配置してプレス成形した後、該糸かけ部材Aを取り外し、さらに該層間に配置された略円柱状中子を除去することにより、平板状構造に加え中空構造を有する繊維強化複合シートを得る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記平板状構造に、前記強化繊維の配向方向に直交する方向に沿って、厚みが異なる凹部が存在する、請求項4又は5に記載の方法。
- 前記繊維強化複合シートは、前記平板状構造の主平板部の強化繊維体積比よりも低い強化繊維体積比をもつ薄肉リブを有する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記層間に配置される略円柱状中子が水溶性である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記略円柱状の中子として機能させる糸かけ部材Aの、必要により前記層間に配置される略円柱状中子の円周方向に強化繊維を巻いた後にプレス成形工程を行うことにより、中空構造の円周方向にも強化繊維が配向した繊維強化複合シートを得る、請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記巻き付け・配向工程において、記糸かけ部材Aに接する強化繊維の最内層では、前記強化繊維を、前記糸かけ部材Aに、前記回転軸に直交する方向に対して0度で巻き付け、強化繊維の最外層では、前記強化繊維を、前記糸かけ部材Aに、前記回転軸に直交する方向に対して5度未満の角度で巻き付ける、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 平板状構造に加え中空構造を有し、かつ、固化樹脂マトリックス中に一方向に配向した強化繊維を含む繊維強化複合シートである荷重支持インサート部材の少なくとも一部に熱可塑性樹脂がオーバーモールドされている該中空構造を有する、支持体に接続するための剛性補強材。
- 前記中空構造の円周方向にも強化繊維が配向している、請求項11に記載の剛性補強材。
- 前記中空構造は、前記支持体に接続するためのボルト締結部である、請求項11又は12に記載の剛性補強材。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018045549A JP2019155730A (ja) | 2018-03-13 | 2018-03-13 | フィラメントワインディング(fw)法によるudライクな繊維強化複合シートの製造方法 |
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JP2018045549A JP2019155730A (ja) | 2018-03-13 | 2018-03-13 | フィラメントワインディング(fw)法によるudライクな繊維強化複合シートの製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112730225A (zh) * | 2020-12-09 | 2021-04-30 | 中国纺织科学研究院有限公司 | 低熔点纤维粘合强力测试装置及测试方法 |
CN113681941A (zh) * | 2021-08-20 | 2021-11-23 | 江西昌河航空工业有限公司 | 一种高强玻纤大梁带拉扭条一体化缠绕成型工装及方法 |
CN115753268A (zh) * | 2022-10-12 | 2023-03-07 | 中车工业研究院有限公司 | 碳纤维复丝试样的制备装置 |
-
2018
- 2018-03-13 JP JP2018045549A patent/JP2019155730A/ja active Pending
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CN113681941A (zh) * | 2021-08-20 | 2021-11-23 | 江西昌河航空工业有限公司 | 一种高强玻纤大梁带拉扭条一体化缠绕成型工装及方法 |
CN115753268A (zh) * | 2022-10-12 | 2023-03-07 | 中车工业研究院有限公司 | 碳纤维复丝试样的制备装置 |
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