JP2019153705A - 巻線装置並びにそれを用いた製造設備及び巻線方法並びに完成品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数種類の巻線製品を同時に製造し、複数種類の巻線製品をロス無く組立てる製造設備及び巻線方法並びに完成品の製造方法を提供する。【解決手段】巻線装置10は、単一の基台11に枢支され巻取具18を取付けて回転可能な複数の巻取具保持体12と、巻取具保持体にそれぞれ個別に連結された複数の回転駆動源19と、複数の回転駆動源を制御する制御手段50とを備える。制御手段50は、複数の回転駆動源に別々に接続され制御プログラムに従って回転駆動源を駆動させる複数の電気制御装置52と、複数の制御プログラムが記憶された記憶装置51と、記憶装置51に記憶された複数の制御プログラムを選択的に複数の電気制御装置52に提供する選択回路80とを備える。巻取具18へ線材23を供給するノズル手段24と、それを移動させるノズル位置調整手段とを更に備える。複数の電気制御装置52は、ノズル位置調整手段をも駆動させる。【選択図】図1
Description
本発明は、回転する巻取具の回転軸芯と平行な外周に線材を巻付ける線材の巻線装置並びにそれを用いた製造設備及び巻線方法並びに完成品の製造方法に関するものである。
従来、巻取具であるコイルボビンを巻取具保持体に取付けて回転させ、ノズルから繰り出される線材をそのコイルボビンに巻取って巻回させる線材の巻線方法が知られている。この巻取具保持体を回転させるにあたり、単一のモータを用い、その回転軸にベルトを介して複数の巻取具保持体を連結し、その複数の巻取具保持体を単一のモータにより同時に同方向に回転させることが知られていた。
しかし、モータの回転軸にベルトを介して巻取具保持体に連結すると、そのベルトが使用により摩耗したり、伸びたりして緩みが生じ、ベルトの山が、モータの回転軸又は巻取具保持体に設けられたプーリの山を乗り越えて段飛びして回転位置のずれを生じさせるおそれがあった。また、機械的な接触部分が多いために、それらの箇所のエネルギのロスが大きく、摩耗による発熱の問題もある。
この点を解消する為に、巻取具を取付けて回転可能な複数の巻取具保持体が互いに平行になるように単一の基台に枢支させ、その複数の巻取具保持体に回転駆動源をそれぞれ個別に連結し、コントローラが巻取具保持体に別々に設けられた複数の回転駆動源を互いに同期して回転させる巻線装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この巻線装置によれば、複数の回転駆動源を互いに同期して回転させることによって、同一種類の巻線製品を一度に複数得るけれども、その際に、ベルト連結機構を用いないので、ベルトの摩耗に起因する回転位置のずれを生じさせることはなく、エネルギロスも少なく、摩耗による発熱の心配も無いものとしている。
ここで、近年では少量多品種の巻線製品を製造することも要求されるに至っており、同一の巻取具と線材を使用したとしても、線材を巻回する回数や、巻回する方向や、その線材を引出す引出し位置等を異ならせた複数種類の巻線製品を組立てて完成品とする場合もある。
例えば、2種類の巻線製品を組立てて完成品を得るような場合には、図8に示す様に、巻線装置1,2を2台準備して、その2台の巻線装置1,2において別々に巻線製品3a,3bを得て、2種類の異なる巻線製品3a,3bを得た後に、搬送機4において、その2種類の巻線製品3a,3bを、検査機5を経由して組立機6にまで搬送し、その組立機6においてその2種類の巻線製品3a,3bを組立てて完成品とすることが考えられる。
このように、複数種類の巻線製品3a,3bを組立てて完成品を得るような場合には、仕様違いの巻線製品3a,3bが必要になるために、仕様数分の巻線装置1,2を搬送機4に沿って配置しなければならなくなる。また、このように仕様数分の巻線装置1,2を搬送機4に沿って配置すると、巻線装置1,2を複数準備する必要から費用が増大するとともに、その複数の巻線装置1,2を、作業に必要な隙間を空けて設置する為に、比較的大きな設置スペースが必要となる不具合を生じさせる。
また、検査機5により行われた検査により不良が発生してしまった場合は、組立機4に供給する良品の巻線製品3a,3bの数が合わなくなってしまい、1ロット分廃棄したり作業者が手作業で作り置きしておいたスペアの巻線製品3a,3bを搬送機4上に供給したりする必要が生じ、その生産性を向上させることが困難になるという不具合もある。
本発明の目的は、複数種類の巻線製品を同時に製造し得る巻線装置及びそれを用いた巻線方法を提供することにある。
本発明の目的は、複数種類の巻線製品をロス無く組立てることにより、その生産性を向上させ得る製造設備及び完成品の製造方法を提供することにある。
本発明は、単一の基台に枢支され巻取具を取付けて回転可能な複数の巻取具保持体と、複数の巻取具保持体にそれぞれ個別に連結された複数の回転駆動源と、複数の回転駆動源を制御する制御手段とを備え、回転する巻取具の周囲に線材を巻付ける巻線装置の改良である。
その特徴ある構成は、制御手段が、複数の回転駆動源に接続され制御プログラムに従って回転駆動源を駆動させる複数の電気制御装置と、複数の制御プログラムが記憶された記憶装置と、記憶装置に記憶された複数の制御プログラムを選択的に複数の電気制御装置に提供する選択回路とを備えたところにある。
この巻線装置では、巻取具に先端部を対向させて配置され巻取具へ線材を供給するノズル手段と、ノズル手段の先端部を移動させるノズル位置調整手段とを更に備え、複数の電気制御装置は、選択回路により提供される制御プログラムに従ってノズル位置調整手段をも駆動させるようにすることが好ましい。
別の本発明は、単一の基台に枢支された複数の巻取具保持体に巻取具をそれぞれ取付けて回転させ、回転する巻取具の周囲に線材をそれぞれ巻付ける巻線方法の改良である。
その特徴ある点は、複数の巻取具保持体を複数の群に分割し、複数の巻取具保持体をそれぞれの群毎に別々に独立して回転させるところにある。
巻線機が、巻取具に先端部を対向して配置され回転する巻取具の周囲に巻付ける線材を供給するノズル手段を備える場合、ノズル手段の先端部もそれぞれの群における巻取具保持体の回転と共に、それぞれの群毎に別々に独立して移動させることが好ましい。
また、別の本発明は、上記巻線装置と、その巻線装置で巻線された複数種類の巻線製品を下流側に搬送する搬送機と、その巻線装置の下流側に設けられ複数種類の巻線製品を検査する検査機と、その検査機の下流側に設けられ複数種類の巻線製品を組立てる組立機とを備えた巻線製品を用いる生産設備である。
その特徴ある構成は、検査機は所定の要件を満たしていない巻線製品を排除して搬送機による更なる下流への搬送を禁止する排除手段を有し、組立機において組立てに必要な種類の巻線製品が不足したときに不足信号を発する信号発生器を備え、巻線装置の制御手段は、不足信号を受信したときに、不足した種類の巻線製品を得る制御プログラムが制御する回転駆動源の数を増加させるように構成されたところにある。
更に別の本発明は、巻線により複数種類の巻線製品を得る巻線工程と、複数種類の巻線製品をそれぞれ検査する検査工程と、複数種類の巻線製品を組立てて完成品を得る組立工程と、を有する巻線製品を用いた完成品の製造方法である。
その特徴ある点は、検査工程において、所定の要件を満たしていない巻線製品の排除が行われ、組立工程において、組立てに必要な種類の巻線製品が不足したときに不足信号が発せられ、不足信号が発せられた後の巻線工程において、不足した種類の巻線製品を増加させるところにある。
この巻線製品を用いた完成品の製造方法では、一回の巻線工程において複数種類の巻線製品を同一数得る巻線が行われ、不足信号が発せられた後の巻線工程において、不足した種類の巻線製品を増加させ他の種類の巻線製品を減少させた巻線を行うことが好ましい。
本発明の巻線装置、及び、このように構成された巻線装置を用いた本発明の巻線方法では、巻取具の回転数やノズル手段の移動が選択回路を介して提供された制御プログラムにより決定されることになり、複数の巻取具保持体を複数の群に分割し、別々の群における回転駆動源を制御する電気制御装置に別々の制御プログラムを提供して、複数の巻取具保持体をそれぞれの群毎に別々に独立して回転させることにより、単一の巻線装置で有りながら、複数種類の巻線製品を同時に製造することが可能となる。
特に、巻取具に先端部を対向して配置され回転する巻取具の周囲に巻付ける線材を供給するノズル手段の先端部も、それぞれの群における巻取具保持体の回転と共に、別々の制御プログラムが提供された電気制御装置が、それぞれの群毎に別々に独立して移動させることにより、線材の巻回回数のみならず、その線材の引出し位置等も、巻線製品の種類毎に異ならせることが可能となる。
そして、このような巻線装置を備える製造設備や完成品の製造方法では、巻線装置において製造される巻線製品が検査機において排除されるようなことがあっても、その後の巻線装置において製造される巻線製品の数の調整を行うことにより、余剰な巻線製品が複数生じるようなことを回避することができ、複数種類の巻線製品をロス無く組立てることにより、その生産性を向上させることが可能となる。
また、巻線装置が複数種類の巻線製品を同時に巻線し得るものであるので、単一の巻線装置により同時に巻線される仕様違いの巻線製品を組立てるような製造設備であれば、その単一の巻線装置を搬送機に沿って設け、複数種類の巻線製品を得る巻線工程を単一の巻線装置により行わせることにより、複数の巻線装置を必要とする従来のものと比較して、費用の増大を回避すると共に、製造設備の設置スペースを小さくすることが可能となる。
次に、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1〜図3に本発明における巻線装置10を示す。ここで、互いに直交するX,Y,Zの3軸を設定し、水平方向の幅方向をY軸とし、水平面内においてそれに直交する前後方向をX軸とし、鉛直方向をZ軸として本発明の巻線装置10について説明する。
図2に示すように、この実施の形態における巻線装置10は、単一の基台11に枢支された複数の巻取具保持体12を備える。具体的に、基台11上には、断面L字状(図3)に形成された支持具11aがY軸方向に延びて固着され、この支持具11aに鉛直方向に延びる複数の巻取具保持体12、この実施の形態では、4本の巻取具保持体12がY軸方向に並んで枢支される。
複数の巻取具保持体12は同一構造であるので、その内の1つを代表して説明すると、図3に示すように、巻取具保持体12は、支持具11aに支持されたスピンドル13と、そのスピンドル13に取付けられた巻治具14と、その巻治具に14に取付けられた取付軸17とを備える。
スピンドル13は、支持具11aにベアリング12a,12aによって鉛直方向に延びてその鉛直軸を中心として回転可能に支持され、スピンドル13の上端には孔13aが削設され、その孔13aには巻治具14の細径部14aが挿入され、イモビス16にてねじ止めされる。巻治具14の太径部中央には台形部孔14bが削設され、その台形部孔14bには、取付軸17の後端17aが挿入されイモビス16でねじ止めされる。
取付軸17は巻取具18を支持するものであり、この実施の形態における巻取具18は、巻胴部18aの両端にフランジ18b,18cが形成されたいわゆるコイルボビンが用いられる場合を示す。この巻取具であるコイルボビン18を支持する取付軸17の上端は、断面ペン先状にスリ割り17bが設けられ、コイルボビン18の巻胴部18aが取付軸17に嵌入された状態で、その巻胴部18aとの間に摩擦抵抗を付与して、線材巻取り中におけるコイルボビン18の取付軸17からの離脱を防止するように構成される。
また、この巻線装置10は、複数の巻取具保持体12にそれぞれ個別に連結した複数の回転駆動源19を備える。この実施の形態における回転駆動源はスピンドルモータ19である場合を示す。具体的に、複数のスピンドル13は、Y軸方向に所定の間隔を開けて互いに平行に設けられるので、各スピンドル13の下方には、回転軸19aがスピンドル13と同軸になるように、そのスピンドル13と同数のスピンドルモータ19が支持具11aに取付けられる。
この複数のスピンドルモータ19には、それらの回転軸19aの回転位置をデジタル出力するエンコーダ21がそれぞれ取付られ、スピンドルモータ19の回転軸19aには、スピンドル13がジョイント22を介して連結される。
また、図2及び図3に示すように、この巻線装置10は、巻取具18に先端部を対向させて配置されて、その巻取具18へ線材23を供給するノズル手段24と、そのノズル手段24の先端部を移動させるノズル位置調整手段25とを更に備える。この実施の形態におけるノズル手段24は、巻取具であるコイルボビン18に巻回される線材23が挿通可能な円管状物から成るノズル24aと、そのノズル24aが先端に設けられた取付具24bと、その取付具24bに設けられ図示しないスプールから繰り出される線材23をノズル24aに向けて転向させるプーリ24cとを備える場合を示す。
ノズル位置調整手段25は、そのノズル手段24を3軸方向に移動させるものであって、複数のスピンドル13がY軸方向に並んで設けられた基台11の上面には、その複数のスピンドル13にX軸方向から並んで、X軸方向に所定の間隔を開けて一対のレール26がY軸方向に延びて設けられる。この一対のレール26には、それぞれのスピンドル13に対応するようにスピンドル13と同数の可動台27がY軸方向に往復移動可能に搭載される。
図2に示す様に、基台11の上面にはレール26に平行にY軸ボールネジ28が可動台27の数だけ設けられ、基台11の上面には、それぞれのY軸ボールネジ28を別々に回転させる複数のY軸サーボモータ29が設けられる。
図3に示すように、複数の可動台27には、複数のY軸ボールネジ28のいずれかが螺合する雌ねじ孔27aと、他のY軸ボールネジ28が空転する孔27b又は切り欠きがそれぞれ形成される。このため、Y軸サーボモータ29が駆動してY軸ボールネジ28を回転させると、そのY軸ボールネジ28が螺合する可動台27のみがレール26に沿ってY軸方向に移動するように構成される。
また、それぞれの可動台27には、その上面に支柱31が立設され、その支柱31に嵌入して上下動するスライド部材31aがX軸アクチュエータ32に設けられ、これにより支柱31にはX軸アクチュエータ32が昇降可能に設けられる。
また、可動台27の上面にはZ軸サーボモータ33がその回転軸33aを鉛直にして取付けられ、その回転軸33aには、支柱31と平行なZ軸ボールネジ34がジョイント33bを介して同軸に取付けられる。X軸アクチュエータ32には、そのZ軸ボールネジ34が螺合する雌ねじ部材35が設けられ、Z軸サーボモータ33が駆動してZ軸ボールネジ34を回転させると、そのZ軸ボールネジ34が螺合する雌ねじ部材35を有するX軸アクチュエータ32が昇降するように構成される。
図2及び図3に示すように、X軸アクチュエータ32は、X軸方向に長いハウジング32dの端部に設けられたX軸サーボモータ32aによって回動駆動されるX軸ボールネジ32bと、このX軸ボールネジ32bに螺合してハウジング32dの上面において長手方向に平行移動する従動子32c等によって構成される。そして、この従動子32cにノズル手段24における取付具24bの基端が取付けられる。
このため、このノズル位置調整手段25は、X,Y,Z軸の各サーボモータ29,32a,33を駆動させることにより、そのノズル手段24を3軸方向に移動可能に構成される。
なお、図示しないが、ノズル24aに挿通されて供給される線材23はスプールに巻回されて貯線され、線材23が貯線されたスプールは、少なくとも巻取具保持体12の数だけ準備されて、基台11の背後に配置される。また、基台11の背後にはそれぞれのスプールから解きほぐされた線材23に張力を付与する張力付与部がそれぞれ設けられるものとする。
本発明の巻線装置10は、ノズル24aに挿通されて繰り出される線材23を、回転駆動源19が巻取具保持体12とともに回転させる巻取具18の周囲に巻付けるものであって、線材23を巻取具18に巻付けている間に、図示しない張力付与部にあっては、適度な張力を線材23に付与するように構成される。
図2及び図3に示すように、この巻線装置10には、エア圧により駆動し、ノズル24aに挿通された線材23の端部を挟持する線材挟み部48a,48bを有するクランプ48と、そのクランプ48を昇降させる昇降機49がノズル手段24毎に設けられる。図に示す昇降機は、上方に向けたロッド49aを支持具11aに取付けられた本体部49bから流体圧により出没させる流体圧シリンダ49であって、そのロッド49aの上端にクランプ48が取付けられる場合を示す。
そして、本発明の巻線装置10は、このようなクランプ48や昇降機49とともに、複数の回転駆動源19及びノズル位置調整手段25を制御する制御手段50を備える。
図1に示す様に、本発明の巻線装置10における制御手段50は、回転駆動源19やノズル位置調整手段25(図3)を制御する複数の制御プログラムが記憶された記憶装置51と、その記憶装置51に記憶された複数の制御プログラムのいずれかにより回転駆動源19やノズル位置調整手段25を実際に制御する電気制御装置52とを有する。
具体的に、図1に、本実施の形態にかかる制御手段50の電気的ブロック図を示す。この制御手段50における記憶装置51は、後述する選択回路80を介して制御プログラムが入力され及び出力するインターフェースを有し、そのインターフェースを介して複数の制御プログラムを記憶しかつその制御プログラムを出力可能に構成される。
電気制御装置52は、その記憶装置51から供給された制御プログラムを一時的に記憶するメモリ52aが設けられ、そのメモリ52aに記憶された制御プログラムに従って回転駆動源19及びノズル位置調整手段25(図3)におけるX,Y,Z軸の各サーボモータ29,32a,33を駆動させ及び停止させるように構成される。そして、この電気制御装置52は複数、この実施の形態では、回転駆動源19及びノズル位置調整手段25の数に相応する数だけ設けられる。
複数設けられた電気制御装置52の、回転駆動源19及びノズル位置調整手段25(図3)への接続構造は同一であるので、その内の1つを代表して説明すると、この電気制御装置52には、巻取具18が設けられたスピンドル13を回転させるために、スピンドルモータ19を個別に制御するスピンドル制御回路53と、線材23を供給するノズル24aの位置を制御するノズル位置制御回路54とが接続される。
スピンドル制御回路53は、スピンドル13に直結したエンコーダ21が設けられたスピンドルモータ19を制御するものであり、スピンドルモータ19はカウンタ63、D/A変換回路64,増幅器65を介して電気制御装置52の出力端と接続され、電気制御装置52の制御パルスにより回転を開始し、エンコーダ21が発するフィードバックパルス数が入力した制御パルス数と一致したときにスピンドルモータ19が停止するように構成される。また、エンコーダ21は、スピンドルモータ19の回転軸が1回転中の所定位置にきたときに原点位置パルスを発するように構成される。
よって、電気制御装置52は、メモリ52aに記憶された制御プログラムに従って、制御パルスを出力して原点位置パルスが入来するまでスピンドルモータ19を回転させ、制御パルスの送出を停止すると、フィードバックパルスが入来することによって自動的にスピンドルモータ19が停止することによってスピンドル13を初期位置に設定するように構成される。
一方、ノズル位置制御回路54は、ノズル位置調整手段25(図3)を制御する回路である。そして、ノズル24aの位置は上下方向、左右方向及び前後方向がそれぞれ別のサーボモータ29,32a,33によって制御される。このノズル24aの位置は通常の巻線作業以外のメンテナンスにおいても移動を必要とする。このノズル位置制御回路54は、上述したスピンドル制御回路53と同じような回路構成を有する上下方向制御回路55、左右方向制御回路56及び前後方向制御回路57を有する。
即ち、ノズル24aの上下方向位置を制御する上下方向制御回路55は、可動台27の上面に回転軸33aを鉛直にして取付けられたZ軸サーボモータ33(図3)を制御するものであり、そのZ軸サーボモータ33は、カウンタ66、D/A変換回路67,増幅器68を介して電気制御装置52の出力端と接続され、電気制御装置52の制御パルスにより回転を開始し、そのZ軸サーボモータ33に直結したエンコーダ69が発するフィードバックパルス数が入力した制御パルス数と一致したときにZ軸サーボモータ33が停止するように構成される。また、エンコーダ69は、Z軸サーボモータ33の回転軸33aが1回転中の所定位置にきたときに原点位置パルスを発するように構成される。
よって、電気制御装置52は制御パルスを出力して原点位置パルスが入来するまでZ軸サーボモータ33を回転し、制御パルスの送出を停止すると、フィードバックパルスが入来することによって自動的にZ軸サーボモータ33が停止することによってX軸アクチュエータ32を初期位置に設定することができる。
同じように、左右方向制御回路56は、可動台27をY軸方向に移動させるY軸サーボモータ29を制御するものであり、Y軸サーボモータ29はカウンタ70、D/A変換回路71,増幅器72を介して電気制御装置52の出力端と接続され、電気制御装置52の制御パルスにより回転を開始し、Y軸サーボモータ29に設けられたエンコーダ73が発するフィードバックパルス数が入力した制御パルス数と一致したときにY軸サーボモータ29が停止するように構成される。
同じように、前後方向制御回路57は、従動子32cにノズル手段24が取付けられたX軸アクチュエータ32におけるX軸サーボモータ32aを制御するものであり、X軸サーボモータ32aはカウンタ74、D/A変換回路75,増幅器76を介して電気制御装置52の出力端と接続され、電気制御装置52の制御パルスにより回転を開始し、X軸サーボモータ32aに連結されたエンコーダ77が発するフィードバックパルス数が入力した制御パルス数と一致したときにX軸サーボモータ32aが停止するように構成される。
これらのエンコーダ69,73又は77は、X,Y,Z軸の各サーボモータ29,32a,33の回転軸が1回転中の所定位置にきたときに原点位置パルスを発するように構成される。よって、電気制御装置52は制御パルスを出力して原点位置パルスが入来するまでX,Y,Z軸の各サーボモータ29,32a,33を回転し、制御パルスの送出を停止すると、その制御パルス数と一致した数のフィードバックパルスが入来することによって自動的にX,Y,Z軸の各サーボモータ29,32a,33が停止することによってノズル手段24を初期位置に設定することができることになる。
また、電気制御装置52の出力端には、クランプ48や昇降機49を流体圧により駆動させるために、クランプ48や昇降機49にエアーコンプレッサ59から配管60を通って送られる流体であるエアを切り換える電磁弁61,62への出力信号線が接続される。
そして、制御手段50は、記憶装置51に記憶された複数の制御プログラムのいずれを、複数の電気制御装置52のいずれに提供してそのメモリ52aに記憶させ、そのメモリ52aに記憶された制御プログラムに従って電気制御装置52を駆動させる選択回路80が設けられる。
この選択回路80にはキーボード等の入力手段81が接続され、その入力端には、他の機器の出力端が接続可能に構成される。そして、この選択回路80は、入力手段81や、他の機器からの出力情報により、記憶装置51に記憶された複数の制御プログラムのいずれを、複数の電気制御装置52のいずれに提供するかを決定し、その制御プログラムに従って電気制御装置52を駆動させるように構成される。
このため、巻取具保持体12が偶数設けられている場合に、選択回路80は、偶数の巻取具保持体12を2分した一方の群のそれぞれの回転駆動源に1の制御プログラムを提供し、2分した他方の群のそれぞれの回転駆動源に別の制御プログラムを提供するようにすれば、本発明の巻線装置10は、単一の装置であるにもかかわらず、2種類の巻線製品を同時に製造することを可能にするものとなる。
次に、上記構成の巻線装置を用いる巻線方法について説明する。
上記構成の巻線装置10は、単一の基台11に複数の巻取具保持体12が枢支されているので、その複数の巻取具保持体12に巻取具18をそれぞれ取付けて回転させ、回転する巻取具18の周囲に線材23を巻付ける巻線方法となる。
その手順は、先ず、準備段階として、基台11の背後に配置された図示しないスプールから線材23を解きほぐし、図示しない張力付与部を通過させた後にノズル24aに挿通させ、図4に示すように、その線材23の端部をクランプ48における線材挟み部48a,48bに挟んでおく。そして、各スピンドル13の取付軸17には、その線材23を巻き取る巻取具であるコイルボビン18を取付ける。
このような準備状態において、入力手段81から巻線の条件が入力された上で開始する旨の情報が入力されると、選択回路80は、入力手段81から入力された巻線の条件に従って、記憶装置51に記憶された複数の制御プログラムを選択的に各電気制御装置52に供給する。そして、各電気制御装置52では、選択回路80を介して供給された制御プログラムをメモリ52aに一時的に記憶し、その制御プログラムに従って、ノズル24aを移動させると共に、コイルボビン18が取付けられた巻取具保持体12を回転させて、巻線を開始する。
巻取具であるコイルボビン18が絡げピン18dを備える場合の、その後の手順を説明すると、図4に示すように、先ず、ノズル24aを絡げピン18dの周囲に周回させて、そのノズル24aからクランプ48に延びる線材23を絡げピン18dに巻き付けて巻初めの線材23aとする。その後昇降機49(図3)は、クランプ48を絡げピン18dから離間させて線材23を絡げピン18dの近傍で引き千切り、巻初めの線材23aを絡げピン18dに残存させる。
その状態において、図1に示す記憶装置51から選択回路80が選択的に供給されてメモリ52aに一時的に記憶された制御プログラムに従って、電気制御装置52は、コイルボビン18と共に各巻取具保持体12を回転させて、図5に示すように、ノズル24aから繰り出される線材23をそのコイルボビン18の巻胴部18aに巻取る。
即ち、選択回路80が選択的に供給されてメモリ52aに一時的に記憶された制御プログラムに従ってスピンドル制御回路53が動作を開始し、スピンドルモータ19を駆動してコイルボビン18を回転させることにより巻線がなされる。ここで、各スピンドルモータ19が動作すると、コイルボビン18は制御プログラムに定められた数だけ回転し、ノズル24aから繰り出される線材23はコイルボビン18にその回転の数だけ巻取られることになる。
この線材23の巻取りと共に、電気制御装置52は、メモリ52aに一時的に記憶された制御プログラムに従って、その線材23を繰り出すノズル手段24を移動させて、その線材23の巻位置が調節される。即ち、上下位置方向制御回路82によりコイルボビン18に巻回された線材23の外周とノズル24a先端との距離を所定位置に制御され、左右方向制御回路56によってノズル24aの位置が線材23の巻層に対応して制御され、前後方向制御回路57によって線材23の巻数に対応してノズル24aの位置が制御される。
線材23がコイルボビン18に所望の回数巻回されると、選択回路80を介して提供された制御プログラムに従って、図6に示すように、ノズル位置調整手段25によりノズル24aが移動し、ノズル24aを各コイルボビン18の別の絡げピン18cの周囲に回転させ、ノズル24aから延びる線材23をその絡げピン18cに絡げて、巻終わりの線材23bとする。
そして、制御プログラムに従って、その絡げピン18cからノズル24aに延びる線材23をクランプ48の線材挟み部48aに挟む。その後昇降機49(図3)は、クランプ48を絡げピン18dから離間させて線材23を絡げピン18dの近傍で引き千切り、巻終わりの線材23bを絡げピン18dに残存させて、一連の巻線動作を終了させることになる。
一方、上記巻線装置10を用いた巻線方法では、複数の巻取具保持体12及びノズル位置調整手段25を各電気制御装置52が制御して、巻線を行うので、選択回路80から供給される制御プログラムが同一であると、同一の巻線が行われて同一の巻線製品を得ることができ、選択回路80から供給される制御プログラムが別であると、別の巻線が行われることになる。
よって、複数の巻取具保持体12を複数の群に分割し、それぞれの群に属する巻取具保持体12を制御する電気制御装置52に提供する制御プログラムを群毎に異ならせることにより、複数の巻取具保持体12をそれぞれの群毎に別々に独立して回転させ、ノズル手段の先端部もそれぞれの群における巻取具保持体12の回転と共に、それぞれの群毎に別々に独立して移動させることにより、複数種類の巻線製品を同時に得ることになる。
この実施の形態では、巻取具保持体12が4本設けられているので、この偶数の巻取具保持体12を2分し、一方の群の巻取具保持体12及びノズル位置調整手段25を制御する各電気制御装置52に一の制御プログラムを供給し、他方の群の巻取具保持体12及びノズル位置調整手段25を制御する各電気制御装置52に別の制御プログラムを供給し、それらを別々に独立して回転させることにより、2種類の巻線製品を同時に同数づつ製造することが可能となる。
図4〜図6には、巻取具であるコイルボビン18が絡げピン18dを備えるものであって、これらに線材23が巻回された2種類の巻線製品B,C(図6)を同時に同数づつ製造する場合を示す。
即ち、図4〜図6には、4本中2本の巻取具保持体12に取付けられたコイルボビン18には、その片側のフランジ18bに設けられた2本の絡げピン18dに巻初めの線材23aと巻終わりの線材23bが絡げられた巻線製品Bが製造され、他の2本の巻取具保持体12に取付けられたコイルボビン18には、その片側のフランジ18cに設けられた絡げピン18dに巻初めの線材23aが絡げられ、他方のフランジ18bに設けられた絡げピン18dに巻終わりの線材23bが絡げられた巻線製品Cが同時に製造される場合を示す。
従って、このように構成された巻線装置10を用いた巻線方法では、上記巻線装置10を用いることから、巻取具であるコイルボビン18の回転数やノズル24aの移動は選択回路80を介して提供された制御プログラムにより決定されることになり、この巻線方法では、複数の巻取具保持体12を複数の群に分割し、複数の巻取具保持体12をそれぞれの群毎に別々に独立して回転させることにより、単一の巻線装置10で有りながら、複数種類の巻線製品B,Cを同時に製造することが可能となるのである。
特に、巻取具18に先端部を対向して配置され回転する巻取具18の周囲に巻付ける線材23を供給するノズル手段24の先端部も、それぞれの群における巻取具保持体12の回転と共に、それぞれの群毎に別々に独立して移動させることにより、線材23の巻回回数のみならず、その線材23の引出し位置等も、巻線製品B,Cの種類毎に異ならせることが可能となる。
次に、この巻線装置を備える製造設備を説明する。
上述したように、本発明における巻線装置10が複数種類の巻線製品B,Cを同時に製造可能であるので、この巻線装置10を備える製造設備100では、図7に示すように、巻線装置10で巻線された複数種類の巻線製品B,Cを下流側に搬送する搬送機110と、巻線装置10の下流側に設けられて、その複数種類の巻線製品B,Cを検査する検査機120と、その検査機120の下流側に設けられて、その複数種類の巻線製品B,Cを組立てる組立機130とを備えるものが挙げられる。
検査機120は、巻線装置10で巻線された巻線製品B,Cであって、搬送機110によりその巻線装置10から搬送される巻線製品B,Cが組立機130により組立てられる前に、その巻線製品B,Cが所望の仕様に従って巻線されており、かつ所定の要件を満たしているか否かを検査し、不良品の発生を未然に防止する為に必要なものである。このため、この検査機120には、検査の結果、所定の要件を満たしていないとされた巻線製品B,Cを排除して搬送機110による更なる下流への搬送を禁止する排除手段121が設けられる。図における排除手段は、不良品を把持する把持部121aを有するロボットを示す。
一方、組立機130は、複数種類の巻線製品B,Cを組立てるものであって、前工程の検査機120において巻線製品B,Cが排除される場合もあることから、搬送機110により搬送される巻線製品B,Cの搬送状態を検出する検出器131が設けられる。このため、この組立機130では、検出器131においてその搬送状態が確認された複数種類の巻線製品B,Cを組立てるように構成される。
一方、この組立機130には、前工程の検査機120において巻線製品B,Cが排除され、検出器131において予定されていた巻線製品B,Cの搬送状態が確認不能であった場合には、次にその巻線製品B,Cが搬送されるまで、組立てが留保される。このため、この組立機130は、予定した巻線製品B,Cが搬送されずに、他の種類の巻線製品B,Cが搬送された場合には、余剰な巻線製品B,Cとして、留め置く留め置き機構132が設けられる。
そして、この組立機130では、余剰な巻線製品B,Cが留め置かれている状態において、不足している巻線製品B,Cが新たに搬送された段階でその余剰な巻線製品B,Cが持ち出され、その新たに搬送された巻線製品B,Cとともに組立てられるように構成される。
このため、この組立機130には、予定されていた巻線製品B,Cの搬送状態が検出器131において確認不能であって、組立てに必要な種類の巻線製品B,Cが不足したときに、不足信号を発する信号発生器131aが備えられ、その信号は巻線装置10の制御手段50(図1)に接続される。
一方、巻線装置10にあっては、組立機130における信号発生器131aが発する信号出力により、巻線製品B,Cの不足信号を受信したときに、不足した種類の巻線製品B,Cを得る制御プログラムが供給される電気制御装置52を増やして、それらが制御する回転駆動源19の数を増加させるように構成される。
即ち、例えば、巻取具保持体12が4本設けられ、その内の2本の巻取具保持体12及びそれに対向するノズル位置調整手段25を制御する各電気制御装置52に一の制御プログラムが供給され、他の2本の巻取具保持体12及びそれに対向するノズル位置調整手段25を制御する各電気制御装置52に別の制御プログラムが供給されて、2種類の巻線製品B,Cを2個ずつ製造しているとする。
その場合において、一方の巻線製品Bが不足しているとする信号を受信すると、巻線装置10における選択回路80は、その一方の巻線製品Bを製造している、2本の巻取具保持体12を制御する各電気制御装置52に供給された一の制御プログラムを、他の2本の巻取具保持体12を制御する2つの電気制御装置52の内の片方又は双方に供給する。
そして、4本の巻取具保持体12の内の3本又は全ての巻取具保持体12及びそれに対向するノズル位置調整手段25を、一の制御プログラムが供給された各電気制御装置52によりそれぞれ制御し、不足しているとされた一方の巻線製品Bを一度に3個又は4個製造する。そして、巻取具保持体12が1本残る場合には、その残った1本の巻取具保持体12及びそれに対向するノズル位置調整手段25を別の制御プログラムが供給された電気制御装置52にて制御し、他の種類の巻線製品Cを減じて製造する。
このため、このような製造設備100における完成品の製造方法では、図7に示す様に、上記巻線装置10を用いる巻線により複数種類の巻線製品B,Cを得る巻線工程と、その複数種類の巻線製品B,Cをそれぞれ検査する検査工程と、その複数種類の巻線製品B,Cを組立てて完成品を得る組立工程とを有することになる。
そして、検査工程にあっては、所定の要件を満たしていない巻線製品B,Cの排除が行われ、組立工程にあっては、組立てに必要な種類の巻線製品B,Cが不足したときに不足信号が発せられ、不足信号が発せられた後の巻線工程にあっては、不足した種類の巻線製品B,Cを増加させることが行われる。
すると、検査工程において不良品とされた巻線製品B,Cが排除されて、組立てに必要な種類の巻線製品B,Cが不足するような事態が生じた場合、次にその不足する巻線製品が搬送されるまで、組立てが留保され、他の種類の余剰な巻線製品B,Cは留め置かれることになる。
一方、巻線機10にあっては、組立てに必要な種類の巻線製品B,Cが不足したときに発せられる不足信号により、その不足する巻線製品B,Cの製造を増加させることになる。そして、増加した巻線製品B,Cが搬送機110により組立機130にまで搬送された段階で、余剰な巻線製品B,Cが持ち出され、その新たに搬送された不足していた巻線製品B,Cとともに組立てられることになる。
従って、このような巻線装置10を備える製造設備100では、巻線装置10において製造される巻線製品B,Cが検査機120において排除されるようなことがあっても、その後の巻線装置10において製造される巻線製品B,Cの数の調整が行われることに成り、余剰な巻線製品B,Cが複数生じるようなことを回避することができ、複数種類の巻線製品B,Cをロス無く組立てることにより、その生産性を向上させることが可能となる。
また、巻線装置10が複数種類の巻線製品B,Cを同時に巻線し得るものであるので、単一の巻線装置10により同時に巻線される仕様違いの巻線製品B,Cを組立てるような製造設備100であれば、その単一の巻線装置10を搬送機110に沿って設け、複数種類の巻線製品B,Cを得る巻線工程を単一の巻線装置10により行わせることにより、複数の巻線装置10を必要とする図8に示す従来のものと比較して、費用の増大を回避すると共に、製造設備100の設置スペースを小さくすることが可能となるのである。
なお、上述した実施の形態では、X,Y,Z軸の各サーボモータ29,32a,33によりノズル手段24を移動させるノズル位置調整手段25を用いて説明したけれども、これは一例であって、ノズル手段24の先端部を移動させ得る限り、ノズル位置調整手段25はこれに限られるものではない。例えば、流体圧によりノズル手段24の先端部を移動させるようなノズル位置調整手段であっても良い。
また、上述した実施の形態では、巻取具18が、巻胴部18aの両端にフランジ18b,18cが形成されたいわゆるコイルボビンである場合を説明したけれども、これは一例であって、周囲に線材23を巻付け得る限り、巻取具18はこれに限られるものではない。例えば、巻取具18は、巻胴部の両端にフランジが形成されていないようなものであっても良い。
また、上述した実施の形態では、搬送機110に流れる巻線製品B,Cを検査して、組立てに必要な種類の巻線製品B,Cが不足したときに、不足信号を発する信号発生器131aを説明した。けれども、検査機120が排除手段121を有している限り、その排除手段121によりは所定の要件を満たしていない巻線製品を排除した時に、組立機130において組立てに必要な種類の巻線製品が不足する不足信号を発するような信号発生器131aであっても良い。
また、上述した実施の形態では、単一の基台11に4本の巻取具保持体12を備える巻線装置10を用いて説明したが、これは一例であって、単一の基台11に設けられる巻取具保持体12の数は、それよりも少ない2本や3本であっても良く、それよりも多い6本や8本又は10本以上設けるようにしても良い。
更に、上述した実施の形態では、制御手段50が巻取具保持体12の数と同数の電気制御装置52を備え、その電気制御装置52が巻取具保持体12を別に独立して回転させる場合を説明した。けれども、電気制御装置52が複数設けられて複数の巻取具保持体12を複数の群に分割し得る限り、単一の電気制御回路52が制御する巻取具保持体12の数は群を構成する2本であっても、3本であっても良い。この場合、群を構成する複数の巻取具保持体12やノズル移動手段24が、単一の電気制御装置52により同期して回転しかつ移動制御されることに成り、その群にあっては同一種類の巻線製品B,Cを製造することになる。
10 巻線装置
11 基台
12 巻取具保持体
18 巻取具
19 回転駆動源
23 線材
24 ノズル手段
25 ノズル位置調整手段
50 制御手段
51 記憶装置
52 電気制御装置
80 選択回路
110 搬送機
120 検査機
130 組立機
121 排除手段
131a 信号発生器
B,C 巻線製品
11 基台
12 巻取具保持体
18 巻取具
19 回転駆動源
23 線材
24 ノズル手段
25 ノズル位置調整手段
50 制御手段
51 記憶装置
52 電気制御装置
80 選択回路
110 搬送機
120 検査機
130 組立機
121 排除手段
131a 信号発生器
B,C 巻線製品
Claims (7)
- 単一の基台(11)に枢支され巻取具(18)を取付けて回転可能な複数の巻取具保持体(12)と、複数の前記巻取具保持体(12)にそれぞれ個別に連結された複数の回転駆動源(19)と、前記複数の回転駆動源(19)を制御する制御手段(50)とを備え、回転する前記巻取具(18)の周囲に線材(23)を巻付ける巻線装置において、
前記制御手段(50)は、
複数の前記回転駆動源(19)に接続され制御プログラムに従って前記回転駆動源(19)を駆動させる複数の電気制御装置(52)と、
複数の制御プログラムが記憶された記憶装置(51)と、
前記記憶装置(51)に記憶された複数の制御プログラムを選択的に複数の電気制御装置(52)に提供する選択回路(80)とを備えた
ことを特徴とする巻線装置。 - 巻取具(18)に先端部を対向させて配置され前記巻取具(18)へ線材(23)を供給するノズル手段(24)と、前記ノズル手段(24)の先端部を移動させるノズル位置調整手段(25)とを更に備え、
複数の電気制御装置(52)は、選択回路(80)により提供される制御プログラムに従って前記ノズル位置調整手段(25)をも駆動させる請求項1記載の巻線装置。 - 単一の基台(11)に枢支された複数の巻取具保持体(12)に巻取具(18)をそれぞれ取付けて回転させ、回転する前記巻取具(18)の周囲に線材(23)をそれぞれ巻付ける巻線方法において、
前記複数の巻取具保持体(12)を複数の群に分割し、前記複数の巻取具保持体(12)をそれぞれの群毎に別々に独立して回転させる
ことを特徴とする巻線方法。 - 巻取具(18)に先端部を対向して配置され回転する巻取具(18)の周囲に巻付ける線材(23)を供給するノズル手段(24)を備え、
前記ノズル手段(24)の先端部もそれぞれの群における巻取具保持体(12)の回転と共に、それぞれの群毎に別々に独立して移動させる請求項3記載の巻線方法。 - 請求項1又は2記載の巻線装置(10)と、
前記巻線装置(10)で巻線された複数種類の巻線製品(B,C)を下流側に搬送する搬送機(110)と、
前記巻線装置(10)の下流側に設けられ前記複数種類の巻線製品(B,C)を検査する検査機(120)と、
前記検査機(120)の下流側に設けられ前記複数種類の巻線製品(B,C)を組立てる組立機(130)と
を備えた巻線製品を用いる生産設備であって、
前記検査機(120)は所定の要件を満たしていない巻線製品(B,C)を排除して前記搬送機(110)による更なる下流への搬送を禁止する排除手段(121)を有し、
前記組立機(130)において組立てに必要な種類の巻線製品(B,C)が不足したときに不足信号を発する信号発生器(131a)を備え、
前記巻線装置(10)の制御手段(50)は、不足信号を受信したときに、不足した種類の巻線製品(B,C)を得る制御プログラムが制御する回転駆動源(19)の数を増加させるように構成された
ことを特徴とする巻線製品を用いる製造設備。 - 巻線により複数種類の巻線製品(B,C)を得る巻線工程と、
前記複数種類の巻線製品(B,C)をそれぞれ検査する検査工程と、
前記複数種類の巻線製品(B,C)を組立てて完成品を得る組立工程と、
を有する巻線製品を用いた完成品の製造方法において、
検査工程において、所定の要件を満たしていない巻線製品(B,C)の排除が行われ、
組立工程において、組立てに必要な種類の巻線製品(B,C)が不足したときに不足信号が発せられ、
不足信号が発せられた後の巻線工程において、不足した種類の巻線製品(B,C)を増加させる
ことを特徴とする巻線製品を用いた完成品の製造方法。 - 一回の巻線工程において複数種類の巻線製品(B,C)を同一数得る巻線が行われ、
不足信号が発せられた後の巻線工程において、不足した種類の巻線製品(B,C)を増加させ他の種類の巻線製品を減少させた巻線を行う
ことを特徴とする請求項6記載の巻線製品を用いた完成品の製造方法。
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