本発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1を用いて、実施の形態1に係る電気掃除機の構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係る電気掃除機の斜視図である。
電気掃除機1は、掃除機本体2と、ホース3と、接続パイプ4と、掃除具5とを備える。
掃除機本体2は、開閉可能な本体蓋6を上部に備える。掃除機本体2は、開口である吸気口7を前方の端部に有する。掃除機本体2は、開口である排気口8を後方の端部に有する。
掃除機本体2は、電動送風機9と、集塵部10と、報知部11と、を備える。
電動送風機9は、排気口8より前方に配置される。電動送風機9は、掃除機本体2の後部に配置される。電動送風機9は、外部から塵埃を吸引するための気流を発生させうるように構成される。
集塵部10は、吸気口7より後方に配置される。集塵部10は、電動送風機9より前方に配置される。集塵部10は、ティッシュペーパーをフィルターとして保持しうるように構成される。
ホース3は、蛇腹により可撓性を有する筒状の部材である。ホース3は、端部の一方が掃除機本体2の吸気口7を有する前端部に接続される。
接続パイプ4は、折れ曲がった中空円筒状の部材である。接続パイプ4は、端部の一方がホース3の吸気口7に接続されていない端部に接続される。接続パイプ4は、ハンドル12を備える。
ハンドル12は、電気掃除機1を操作するための操作スイッチを備える。
掃除具5は、底面に図示しない吸気口を有する。掃除具5は、内部で吸気口と空間が通じる接続部を備える。掃除具5は、接続パイプ4のホース3に接続されていない端部に接続部で接続される。
報知部11は、電動送風機9と集塵部10との間に設けられた空間の気圧が減少したことを使用者に報知しうるように構成される。報知部11は、例えば掃除機本体2の上面に配置されるLED(Light Emitting Diode)を備える。
使用者は、電気掃除機1を使用する場合に、ハンドル12を持って電気掃除機1を操作する。使用者は、掃除具5の底面を床面等の被清掃面に対向させる。使用者は、ハンドル12が備える操作スイッチによって、電気掃除機1の運転を開始させる。すなわち、使用者は、電動送風機9の気流を発生させる動作を開始させる。
電動送風機9が発生させる気流は、掃除具5の吸気口から、被清掃面にある塵埃とともに吸引される。電動送風機9が発生させる気流は、掃除具5、接続パイプ4およびホース3の内部をこの順に通過して吸気口7から集塵部10に流入する。掃除機本体2の前方は、電動送風機9が発生させる気流の上流側である。
電動送風機9が発生させる気流とともに吸引された塵埃は、掃除具5、接続パイプ4およびホース3の内部をこの順に通過して吸気口7から集塵部10に流入する。電動送風機9が発生させる気流とともに吸引された塵埃は、集塵部10にフィルターとして保持されるティッシュペーパーに捕集される。
集塵部10に流入した気流は、塵埃が捕集によって分離された空気として電動送風機9に吸引される。塵埃が分離された空気は、電動送風機9によって排気口8から送出される。掃除機本体2の後方は、電動送風機9が発生させる気流の下流側である。
続いて、図2を用いて、実施の形態1に係る掃除機本体2の構成を説明する。
図2は、本実施の形態に係る掃除機本体の上面断面図である。図2において、掃除機本体2の前方は、紙面上の左方向である。
掃除機本体2は、支持部材13と、集塵部装着部14と、検出部15と、を備える。
支持部材13は、例えばゴムまたは軟質樹脂によって形成される。
電動送風機9は、支持部材13の後方に配置される。電動送風機9は、支持部材13によって掃除機本体2に固定される。
集塵部装着部14は、吸気口7より後方に、電動送風機9より前方に設けられる。集塵部装着部14は、内部の空間が吸気口7と通じる。
集塵部10は、集塵部装着部14に着脱可能に設けられる。集塵部10は、集塵部装着部14に装着されている状態において、吸気口7から電動送風機9まで流れる空気が集塵部10を通過しうるように配置される。
掃除機本体2は、空間16を有する。空間16は、集塵部10と電動送風機9との間に設けられる風路である。空間16は、支持部材13によって、集塵部10および電動送風機との間の気密が確保されるように設けられる。
検出部15は、空間16の気圧の減少を検出しうるように設けられる。検出部15は、例えば空間16に設けられる気圧計を備える。
報知部11は、検出部15が検出した空間16の気圧の減少をあらわす信号を受信できるように、検出部15に接続される。
続いて、図3から図5を用いて、実施の形態1に係る集塵部10の構成を説明する。
図3は、本実施の形態に係る集塵部の斜視図である。図4は、本実施の形態に係る集塵部の正面図である。図5は、本実施の形態に係る集塵部の背面斜視図である。
集塵部10は、ダストボックス17と、開口部カバー18と、を備える。
ダストボックス17は、例えば樹脂からなる構造体である。ダストボックス17は、風路筒19と、フィルター保持部20と、連結部21と、つまみ22と、を備える。
風路筒19は、開口部19aを有する前後方向の長さが60ミリメートルの円筒体である。風路筒19の開口部19aは、外径が50ミリメートルで、内径が46ミリメートルである。風路筒19の、中心軸に垂直な面における断面積は、約2000平方ミリメートルである。
フィルター保持部20は、後方に開口を有する直方体の形状である。
連結部21は、風路筒19とフィルター保持部20との間を連結する。
つまみ22は、フィルター保持部20の上部に一体に設けられる。つまみ22は、フィルター保持部20の上面から突出する。
開口部カバー18は、風路筒19の開口部19aに着脱可能に構成される。開口部カバー18は、風路筒19に装着された状態において、開口部19aから風路筒19の外側面を覆う。開口部カバー18は、風路筒19に装着された状態において、開口部19aの外周部分を覆う。開口部カバー18は、側周部18aの内径が52ミリメートルである。開口部カバー18は、側周部18aの前後方向の長さが30ミリメートルである。開口部カバー18は、シール部材23を備える。
シール部材23は、例えばゴムまたは軟質樹脂等の柔軟性を有する材料で形成される。シール部材23は、風路筒19の開口部19aの外周部分を覆う開口部カバー18の部分の前方の面から後方の面に亘って配置される。シール部材23は、開口部カバー18の前方の面において、集塵部装着部14と開口部カバー18との気密を確保するように設けられる。シール部材23は、開口部カバー18の後方の面において、開口部カバー18と風路筒19との気密を確保するように設けられる。シール部材23は、ダストボックス17が集塵部装着部14に装着されるときに圧縮されて風路の気密を確保できるように、外径寸法が調整されている。
図4に示されるように、風路筒19は、内面に複数のリブ24を備える。
リブ24は、風路筒19の軸を中心として、周方向に等間隔に12枚配置される。リブ24は、風路筒19の中心軸に向かって風路筒19の内面から突出する。リブ24の風路筒19の内面から突出する高さは、開口部19aに近い側が反対側の端部19bに近い側より低くなるように構成される。リブ24の風路筒19の内面から突出する高さは、最も高い部分で5ミリメートルである。
図5に示されるように、風路筒19は、リブ24を連結するガード体25を備える。
ガード体25は、12枚のリブ24のうち周方向に2枚おきに並ぶ4枚を、風路筒19の中心軸上で連結する。ガード体25は、風路筒19の後方の端部19bでリブ24を連結する。
集塵部10は、微細塵フィルター26を備える。
微細塵フィルター26は、フィルター保持部20に収容される。微細塵フィルター26は、フィルター枠27と、フィルター濾材28とを備える。
フィルター枠27は、樹脂によって形成される。フィルター枠27は、フィルター保持部20の後部の開口から収容可能な寸法の方形の枠である。フィルター枠27は、後部の開口に平行な面における断面積が約5200平方ミリメートルである。
フィルター濾材28は、プリーツ状の構造である。フィルター濾材28は、フィルター枠27の内側に取り付けられる。フィルター濾材28は、高補修効率を有する濾材で形成される。フィルター濾材28は、例えば高分子濾材、HEPA(High Efficiency Particulate Air)濾材またはULPA(Ultra Low Penetration Air)濾材である。
ダストボックス17は、連結部21の内側に連結空間29を有する。連結空間29は、前方から後方に向けて中心軸に垂直な面における断面積が連続的に拡大するように構成される。
続いて、図6から図11を用いて、電気掃除機1の動作について説明する。
図6から図11は、本実施の形態に係る集塵部の斜視図である。
使用者は、電気掃除機1の運転を開始する前に、ダストボックス17の風路筒19にティッシュペーパーを装着する。
一般に使用されるティッシュペーパーの多くは、長辺が200ミリメートルから220ミリメートル、短辺が160ミリメートルから210ミリメートルの長方形である。以下では、例として長辺Taが210ミリメートルであり短辺Tbが190ミリメートルであるティッシュペーパーTを、使用者がダストボックス17に装着する場合について説明する。長辺Taは、ティッシュペーパーTの第1の辺の例である。長辺Taの対辺である長辺Tcは、ティッシュペーパーTの第2の辺の例である。
まず、図6に示されるように、使用者は、ティッシュペーパーTの一辺である長辺Taを、風路筒19の外側面に沿うようにあてがう。使用者は、ティッシュペーパーTの長辺Taを開口部19aから約30ミリメートル後方側に配置する。ティッシュペーパーTの長辺Taから開口部19aの位置までの部分を当接部Tdとする。
次に、図7に示されるように、使用者は、ティッシュペーパーTを風路筒19の外側面に巻く。使用者は、開口部19aの外側面の長さがティッシュペーパーTの長辺の長さよりも短く構成されているので、ティッシュペーパーTの巻き始めの端部と巻き終わりの端部を重ねる。ティッシュペーパーTの端部が重なっている当該部分を重なり部Teとする。
重なり部Teの周方向の幅は、開口部19aの外側面の周長が約160ミリメートルであるため、約50ミリメートルである。ティッシュペーパーTは、長辺Tcを前端とする、長さが短辺Tbの長さである円筒の状態である。開口部19aよりも前方側にある部分であるティッシュペーパーTの長辺Tcから開口部19aまでの長さは、短辺Tbの長さから当接部Tdの風路筒19の軸方向の長さを差し引いた約160ミリメートルである。
次に、図8に示されるように、使用者は、ティッシュペーパーTの開口部19aよりも前方向にある長辺Tcを含む部分を、開口部19aから開口部19aの内部に折り畳みながら押し込む。このとき、使用者は、ティッシュペーパーTが風路筒19から外れないように、当接部Tdを保持している。
次に、図9に示されるように、ティッシュペーパーTの開口部19aよりも前方向にあった部分は、風路筒19の内部に押し込まれる。風路筒19は、前後方向の長さが60ミリメートルであるため、ティッシュペーパーTの開口部19aよりも前方側にあった部分の長さ160ミリメートルよりも短く構成されている。このため、ティッシュペーパーTの開口部19aよりも前方向にあった部分のうち約100ミリメートルの余剰部分は、風路筒19内部の、後方の端部19bで折り重ねられる。
ティッシュペーパーTは、風路筒19が内面に備える複数のリブ24によって、風路筒19の内面との間に空間が形成されるように支持される。ガード体25は、ティッシュペーパーTの下流側の端部19bで折り重ねられた部分を支持する。ティッシュペーパーTは、リブ24の高さの変化によって、風路筒19内で開口部19a側から下流側に向けて断面積が小さくなるコップ状のフィルターを形成する。
次に、図10に示されるように、使用者は、風路筒19に装着したティッシュペーパーTを覆うように開口部カバー18を装着する。開口部カバー18の側周部18aは、ティッシュペーパーTの当接部Tdを覆う。以上の手順によって装着されたティッシュペーパーTは、風路筒19に、コップ状のフィルターとして保持される。
使用者は、ティッシュペーパーTを装着したダストボックス17に、開口部カバー18を装着する。開口部カバー18が装着されたダストボックス17は、集塵部10を構成する。使用者は、本体蓋6を開けた掃除機本体2の上部から、つまみ22を持って集塵部装着部14に集塵部10を装着する。使用者は、本体蓋6を閉める。
ティッシュペーパーTを装着した集塵部10を集塵部装着部14に装着した場合に、前方側に設けられたシール部材23は、集塵部装着部14に接することで吸気口7から開口部カバー18に至る風路の気密を確保する。後方側に設けられたシール部材23は、柔軟性を有する材料で形成されるため、ティッシュペーパーTの重なった部分および不規則なしわ等に密着する。後方側に設けられたシール部材23は、ティッシュペーパーTを挟むことで、開口部カバー18から風路筒19に至る風路の気密を確保する。
使用者は、電気掃除機1の運転を開始させる。電動送風機9が発生させる気流は、塵埃とともに集塵部10に流入する。
集塵部10に流入した気流は、複数のリブ24によってティッシュペーパーTと風路筒19の内面との間に形成された空間を通り、コップ状に形成された側面を含むティッシュペーパーTの風路筒19の内部にある全面を通過する。
コップ状に形成された側面を含むティッシュペーパーTは、通過する気流により力を受けると、複数のリブ24によって規制される空間内で容積が最大となる。つまり、ティッシュペーパーTは、電気掃除機1の運転前の風路筒19に装着した時点で、ティッシュペーパーTが複数のリブ24やガード体25に十分密着していなくても、電気掃除機1の運転後に気流が通過すると、複数のリブ24やガード体25に密着する。したがって、使用者はティッシュペーパーTを風路筒19に装着する際に、ティッシュペーパーTの長辺Tcを風路筒19にしっかり押し込まなくても、ティッシュペーパーTは、電気掃除機1の運転によってコップ状に形成される。
集塵部10に流入した塵埃は、風路筒19が保持するコップ状のフィルターとして形成されたティッシュペーパーTに捕集される。集塵部10に流入した塵埃の多くは、ティッシュペーパーTが形成するコップ状のフィルターの底面に気流によって導かれ、捕集される。当該底面は、ティッシュペーパーTが折り重ねられた部分であるため、折り重なったティッシュペーパーの部分が複数枚のフィルターとして各々塵埃を捕集する。ガード体25は、風路筒19を流れる気流によってティッシュペーパーTの端部が下流側に流れてしまうことを抑制するように、ティッシュペーパーTを風路筒19の内に留める。
直径数マイクロメートル程度の微細塵は、ティッシュペーパーTに捕集されずに気流とともに風路筒19を通過しうる。風路筒19を通過した微細塵は、連結空間29を経由して気流とともにフィルター保持部20に流入する。
フィルター保持部20に流入した微細塵は、微細塵フィルター26に捕集される。
フィルター保持部20に流入した気流は、塵埃が捕集によって分離された空気として電動送風機9に吸引される。塵埃が分離された空気は、電動送風機9によって排気口8から送出される。
空間16は、電気掃除機1の運転によってティッシュペーパーTまたは微細塵フィルター26に捕集された塵埃が蓄積された場合に、電気掃除機1の運転中の気圧が低下する。検出部15は、空間16の気圧が予め定められた値以下になった場合に、報知部11に空間16の気圧の減少をあらわす信号を送信する。報知部11は、検出部15から信号を受信した場合に、掃除機本体2の上面に配置されたLEDを点灯することによって、空間16の気圧が低下したことを使用者に報知する。すなわち、報知部11は、使用者にティッシュペーパーTまたは微細塵フィルター26に捕集された塵埃が蓄積されたことを報知する。
使用者は、塵埃を吸引することで被清掃面を清掃したあとに、操作スイッチによって電動送風機9の気流を発生させる動作を終了させる。
使用者は、本体蓋6を開ける。使用者は、つまみ22を持って集塵部10を集塵部装着部14から取り出す。
次に、図11に示されるように、使用者は開口部カバー18およびコップ状のティッシュペーパーTをこの順にダストボックス17から取り外す。使用者は、当接部Tdをつまんで風路筒19から引き出すことで、コップ状のティッシュペーパーTを取り外す。使用者は、取り外したティッシュペーパーTを捕集した塵埃とともに廃棄する。
以上に説明したように、本実施の形態に係る電気掃除機1は、電動送風機9と集塵部10とを備える。電動送風機9は、気流を発生させる。集塵部10は、気流により外部から吸引される塵埃を、ティッシュペーパーTをフィルターとして保持する1つ以上の風路筒19を通して捕集する。ティッシュペーパーTは、長辺Taが気流の上流側の外側面に巻かれ長辺Taの対辺であるTcが気流の上流側の開口部の内側に折り込まれる。
ダストボックス17は、風路筒19にティッシュペーパーTをコップ状のフィルターとして保持する。ダストボックス17から取り外されたコップ状のティッシュペーパーTは、当接部Tdが外側に折り返されている。このため、コップ状のティッシュペーパーTは、形状が維持されやすい。ティッシュペーパーTは、外側に折り返されている当接部Tdを持って揺さぶられた場合であっても、コップ状の形状が維持される。すなわち、ティッシュペーパーTは、ダストボックス17から取り外されて廃棄されるまでの間に、大きく変形しない。したがって、電気掃除機1は、集塵部10に保持されていたティッシュペーパーTを取り外して廃棄する際に、捕集されていた塵埃が舞い上がることを抑制できる。
使用者は、開口部19aの外側に折り返されている当接部TdをつまんでティッシュペーパーTを風路筒19から引き出す。使用者は、容易にティッシュペーパーTを風路筒19から取り出すことができる。
当接部Tdは、電気掃除機1の運転時において塵埃を含む空気が通過する風路の外に位置するため、塵埃が付着しない。使用者は、ティッシュペーパーTを取り出す際に手を汚すことなく衛生的に廃棄できる。
使用者は、ティッシュペーパーTより塵埃の捕集容量が大きい紙パックを使用する電気掃除機の集塵部と比較して、より高い頻度で捕集された塵埃を廃棄する。捕集された塵埃が集塵部10に留まる期間が短くなるため、電気掃除機1は、捕集された塵埃が発生する臭気の排出量を低減できる。
また、風路筒19は、内側面にティッシュペーパーTとの間に空間を形成するための複数のリブ24を備える。これにより、風路筒19を流れる気流は、風路筒19の中においてティッシュペーパーTの全体を通過できる。ティッシュペーパーTがフィルターとして作用する表面積は、広くなる。ティッシュペーパーTを含む風路筒19の通気抵抗は、小さくなる。したがって、電気掃除機1は、吸引効率を高めることができる。
また、風路筒19は、複数のリブ24の少なくとも2つを連結するガード体25を備える。ガード体25は、風路筒19を流れる気流によってティッシュペーパーTの長辺Tcを有する端部が下流側に流れてしまうことを防止する。これにより、ティッシュペーパーTのコップ状の形状が、より維持されやすくなる。ガード体25は、ティッシュペーパーTの端部が流れてしまうことにより、塵埃がティッシュペーパーTに捕集されずに風路筒19を通過することを抑制する。
また、風路筒19は、開口部19aから気流の下流側の端部19bまでの風路方向の長さが、ティッシュペーパーTの長辺Tcから開口部19aまでの長さよりも短く構成される。すなわち、風路筒19は、長辺Tcを含む周辺部が端部19bで折り重なるようにティッシュペーパーTを保持できる。端部19bにおいて折り重なったコップ状のティッシュペーパーTの底部にあたる部分は、複数枚のフィルターとして作用する。これにより、集塵部10は、濾過性能が高くなる。
また、風路筒19は、外側面の周長が、ティッシュペーパーTの長辺Taの長さよりも短く構成される。すなわち、風路筒19は、長辺Taの両端部が外側面上で重なるようにティッシュペーパーTを保持できる。コップ状のティッシュペーパーTは、重なり部Teが形成されるので、形状がより維持されやすくなる。また、コップ状のティッシュペーパーTは、周方向の隙間が生じにくくなるので、より確実に塵埃を捕集できる。
また、風路筒19は、外側面の周長が、100ミリメートル以上220ミリメートル以下の範囲内の長さである。一般的なティッシュペーパーの多くは長辺が220mm以下であり、風路筒19の外側面の周長はこれ以下の外周長となる。したがって、使用者は、一般的なティッシュペーパーを使用して重なり部Teを形成できる。
円筒形の風路筒は、外側面の周長を100ミリメートル以上とすることで、直径が30ミリメートル以上となる。風路筒は、直径が30ミリメートルよりも大きい場合、使用者がティッシュペーパーを装着しやすくなる。この場合、風路筒の内部の容積に対してティッシュペーパーの量が多くなりすぎず、風路筒の通気抵抗が増えることを防止できる。
また、集塵部は、微細塵を捕集する微細塵フィルターを、前記風路筒より前記気流の下流側に備える。
風路筒19に保持されるティッシュペーパーTは、吸引された塵埃の内、繊維成分または毛髪等の質量に対して表面積の大きいかさばるごみと微細塵の多くとを微細塵フィルター26の上流で捕集する。微細塵フィルター26は、ティッシュペーパーTを通過した微細塵を捕集する。
微細塵フィルター26を備える集塵部10において、ティッシュペーパーTは、微細塵フィルター26まで届く微細塵の量を少なくする。微細塵フィルター26が微細塵により目詰まりするまでの連続使用可能時間が長くなる。
微細塵フィルター26は、ティッシュペーパーTを複数回交換して使用していく間に、捕集した微細塵が徐々に溜まっていく。微細塵フィルター26は、微細塵フィルター26をフィルター保持部20から取り外した後に溜まった微細塵を除去することによって清掃される。微細塵フィルター26に溜まった微細塵は、フィルター濾材28に振動を加えたり、フィルター濾材28を水洗いしたりすることにより除去される。集塵部10は、ティッシュペーパーTの交換作業よりも手間がかかる微細塵フィルター26の清掃作業の頻度を大幅に低減することで、使用者の手間を低減する。
また、集塵部10は、風路筒19の気流の上流側の外側面と開口部19aの少なくとも一部とを覆う開口部カバー18を備える。これにより、ティッシュペーパーTは、ダストボックス17を掃除機本体2に装着する際、開口部カバー18に覆われる。開口部カバー18は、ダストボックス17を掃除機本体2に装着する際、ティッシュペーパーTが集塵部装着部14または使用者の指に接触することを防止する。したがって、開口部カバー18は、ティッシュペーパーTの風路筒19への装着状態の緩みおよび外れを防止できる。したがって、使用者は、集塵部10の掃除機本体2への装着を容易に行える。
また、開口部カバー18は、柔軟性を有するシール部材23を、開口部19aを覆う部分の気流の上流側の面または下流側の面の少なくともいずれかに備える。気流の上流側の面は、前方側の面である。気流の下流側の面は、後方側の面である。開口部カバー18は、前方側にシール部材23を備えることにより、集塵部装着部14と接触して風路の気密を確保する。開口部カバー18は、後方側にシール部材23を備えることにより、開口部19aと接触して風路の気密を確保する。これにより、集塵部10を集塵部装着部14に装着したときに、風路筒19は、吸気口7から空気もれがない状態で電動送風機9が発生させた気流を通過させることができる。
また、連結空間29は、中心軸に垂直な面における断面積が上流側から下流側にかけて連続的に広がるように構成される。風路筒19から微細塵フィルター26までの連結空間29における通気抵抗は、小さく抑えられる。これにより、電気掃除機1は、吸引効率が高まる。
また、電気掃除機1は、検出部15と、報知部11とを備える。検出部15は、電動送風機9と集塵部10との間に設けられた空間16の気圧の減少を検出する。報知部11は、検出部15が空間16の気圧の減少を検出した場合に、使用者にティッシュペーパーTまたは微細塵フィルター26に捕集された塵埃が蓄積されたことを報知する。これにより、電気掃除機1は、ティッシュペーパーTの交換または微細塵フィルター26の清掃を使用者に促すことができる。
また、風路筒19は、断面形状が円である。外周長に対する断面積の比率が最も大きい断面形状は円であるため、風路筒19が1つである場合に、集塵部10は、他の断面形状の風路筒より小型になる。
また、つまみ22は、フィルター保持部20の上面から突出するように一体に形成される。使用者は、つまみ22を持って集塵部10を集塵部装着部14から容易に着脱できる。
なお、風路筒19がティッシュペーパーを保持する際の当接部Tdは、長さが30ミリメートルに限定されない。風路筒19は、使用者がティッシュペーパーの寸法等に応じて、当接部Tdまたは重なり部Teの長さを調整できる寸法に構成される。風路筒19は、使用者がティッシュペーパーの寸法等に応じて、ティッシュペーパーの短辺または長辺のいずれを外側面に巻いて装着するかを選択できる寸法に構成される。
当接部Tdは、長さが20ミリメートル以上である場合に、ティッシュペーパーのコップ状の形状を維持する効果が高くなる。
風路筒19は、断面形状が楕円または矩形であってもよい。
検出部15は、電動送風機9を駆動する電流の変化によって空間16の気圧の変化を検出してもよい。検出部15は、連結空間29に配置される気圧計を備えてもよい。電気掃除機1は、検出部15または報知部11を備えなくてもよい。
ガード体25は、リブ24の向かい合う2つのみを連結してもよい。風路筒19は、ガード体25を備えなくてもよい。風路筒19は、例えば、ティッシュペーパーTの端部が流れることを抑制するネットを、下流側に備えてもよい。
風路筒19は、リブ24を備えなくてもよい。風路筒19は、ティッシュペーパーTが内側面に密着することを抑制する凹凸を内側面に有してもよい。
風路筒19は、開口部19aから端部19bまでの長さが、ティッシュペーパーTの長辺Tcから開口部19aまでの長さ以上に構成されてもよい。風路筒19は、ティッシュペーパーTのコップ状の形状を維持するためのガード体を、風路方向の中間の位置に備えてもよい。
電気掃除機1は、例えばスティック型等の型式であってもよい。
実施の形態2.
本実施の形態では、実施の形態1で開示された例と相違する点について詳しく説明する。本実施の形態で説明しない特徴については、実施の形態1で開示された例のいずれの特徴が採用されてもよい。
図12を用いて、実施の形態2に係る集塵部10の構成を説明する。
図12は、本実施の形態に係る集塵部の斜視図である。
開口部カバー18は、風路筒19の開口部19aを塞ぐ遮蔽弁30を備える。
遮蔽弁30は、厚さ1ミリメートルの円板を4分割した構造からなる。遮蔽弁30は、ゴムまたは軟質樹脂等の柔軟性を有する材料からなるシール部材23と一体的に形成される。遮蔽弁30は、可撓性を有する。遮蔽弁30は、電動送風機9が発生させる気流によって下流側に変形しうるように構成される。
続いて、図13および図14を用いて、実施の形態2に係る電気掃除機1の動作を説明する。
図13および図14は、本実施の形態に係る掃除機本体の上面断面図である。
図13は、電気掃除機1が停止している状態を示す。電気掃除機1が停止しているために電動送風機9が気流を発生させていない状態において、遮蔽弁30は開口部19aを閉じる。
図14は、電気掃除機1が運転している状態を示す。電気掃除機1が運転しているために電動送風機9が気流を発生させている状態において、遮蔽弁30は、吸気口7から吸引された気流によって集塵部10の下流側に向けてたわむ。遮蔽弁30は、たわむことによって開口部19aを開く。
電気掃除機1が運転を停止すると、遮蔽弁30はたわみがもとに戻り、開口部カバー18の開口部19aを再び閉じる。
以上に説明したように、本実施の形態に係る電気掃除機1においては、開口部カバー18は、電動送風機9が気流を発生させていない時に開口部19aを閉じ、電動送風機9が気流を発生させている時に開口部19aを開く遮蔽弁30を備える。これによって、遮蔽弁30は、使用者が集塵部10を掃除機本体2から取り出す際に、捕集された塵埃が開口部19aからこぼれ落ちることを防ぐ。使用者は、捕集された塵埃を廃棄する作業を、衛生的に行うことができる。
実施の形態3.
本実施の形態では、実施の形態1または実施の形態2で開示された例と相違する点について詳しく説明する。本実施の形態で説明しない特徴については、実施の形態1または実施の形態2で開示された例のいずれの特徴が採用されてもよい。
続いて、図15および図16を用いて、集塵部10の構成を説明する。
図15および図16は、本実施の形態に係る集塵部の斜視図である。
集塵部10は、実施の形態1で開示された例における集塵部装着部14に替えて、掃除機本体2に直接設けられる。
集塵部10は、吸気口7と、フィルター保持部20と、2つの筒状ユニット収容部31と、風路切替え部32と、を有する。
吸気口7は、集塵部10の前方に設けられる開口である。集塵部10の吸気口7を有する前端部は、ホース3の接続パイプ4に接続されていない端部に接続される。
フィルター保持部20は、集塵部10の後方に設けられる。フィルター保持部20は、上面に開口を有する。
2つの筒状ユニット収容部31は、フィルター保持部20の前方に左右に並べて設けられる。筒状ユニット収容部31の各々は、フィルター保持部20と空間が通じるように設けられる。筒状ユニット収容部31の各々は、後方にシール部材33を備える。
風路切替え部32は、2つの筒状ユニット収容部31の前方に設けられる。風路切替え部32は、吸気口7と内部で空間が通じる。風路切替え部32は、筒状ユニット収容部31の各々と内部で空間が通じる。風路切替え部32は、吸気口7から筒状ユニット収容部31のいずれかに至る風路を形成する。風路切替え部32は、2つの筒状ユニット収容部31の間に、支持部34を有する。風路切替え部32は、支持軸35を有する風路切替え弁36を備える。
支持軸35は、支持部34に回転可能に装着される。支持軸35は、風路切替え部32を上方に貫く。支持軸35は、本体蓋6を閉じた状態において、本体蓋6を上方に貫く。支持軸35は、本体蓋6を貫く上方の端部に嵌合部35aを有する。
風路切替え弁36は、一辺が支持軸35と一体に形成される板である。風路切替え弁36は、樹脂からなる。風路切替え弁36は、周囲にシール部材37を備える。風路切替え弁36は、支持軸35の回転に伴って左右方向に回転可能に設けられる。風路切替え弁36は、左右方向に回転させる場合に、シール部材37が風路切替え弁36の内面に接触するように設けられる。風路切替え弁36は、吸気口7から風路が形成される筒状ユニット収容部31を、風路切替え弁36を支持軸35の周りに回転させることで切り替えうるように構成される。
集塵部10は、微細塵フィルター26と、2つの筒状ユニット38とを備える。
微細塵フィルター26は、フィルター保持部20に上方から収容される。
2つの筒状ユニット38の各々は、2つの筒状ユニット収容部31の各々に上方から着脱可能に構成される。筒状ユニット38は、筒状ユニット収容部31に装着されている状態において、吸気口7から電動送風機9まで流れる空気が筒状ユニット収容部31を通過しうるように配置される。筒状ユニット38の各々は、筒状ユニット収容部31の各々が後方に備えるシール部材33と後方側が接触することで風路の気密を確保しうるように構成される。
図16に示されるように、電気掃除機1は、風路切替えダイヤル39を備える。
風路切替えダイヤル39は、本体蓋6の上方に設けられる。風路切替えダイヤル39は、嵌合部35aで支持軸35と接続される。風路切替えダイヤル39は、支持軸35が風路切替えダイヤル39とともに回転しうるように構成される。
続いて、図17を用いて筒状ユニット38の構成を説明する。
図17は、本実施の形態に係る風路筒の斜視図である。
筒状ユニット38の各々は、風路筒19と、開口部カバー18と、を備える。
風路筒19は、例えば樹脂によって形成される。風路筒19は、開口部19aを有する前後方向の長さが60ミリメートルの矩形の筒状部材である。風路筒19の開口部19aは、左右方向の幅が25ミリメートルで、上下方向の高さが60ミリメートルである。風路筒19は、内面に複数のリブ24を備える。風路筒19は、ガード体25を備える。
リブ24は、風路筒19の垂直面の内側に5枚ずつ設けられる。リブ24は、風路筒19の水平面の内側に1枚ずつ設けられる。リブ24は、風路筒19の内側面に合計で12枚が設けられる。リブ24は、風路筒19の内面に垂直に風路筒19の内面から突出する。リブ24の風路筒19の内面から突出する高さは、開口部19a側が反対側の端部19b側より低くなるように構成される。リブ24の風路筒19の内面から突出する高さは、最も高い部分で5ミリメートルである。
ガード体25は、12枚のリブ24のうち風路筒19の4面の内側面の中央に配置された4枚を、風路筒19の中心軸上で連結する。ガード体25は、風路筒19の下流側の端部19bでリブ24を連結する。
続いて、図18を用いて筒状ユニット38の構成を説明する。
図18は、本実施の形態に係る筒状ユニットの斜視図である。
開口部カバー18は、風路筒19の開口部19aに着脱可能に構成される。開口部カバー18は、風路筒19に装着された状態において、開口部19aから風路筒19の外側面を覆う。開口部カバー18は、風路筒19に装着された状態において、開口部19aの外周部分を覆う。開口部カバー18は、側周部18aの左右方向の内幅が27ミリメートルである。開口部カバー18は、側周部18aの上下方向の内幅が62ミリメートルである。開口部カバー18は、側周部18aの前後方向の長さが30ミリメートルである。開口部カバー18は、シール部材23を備える。
シール部材23は例えばゴムまたは軟質樹脂等の柔軟性を有する材料で形成される。シール部材23は、風路筒19の開口部19aの外周部分を覆う開口部カバー18の部分の前方の面から後方の面に亘って配置される。シール部材23は、開口部カバー18の上流側において、集塵部装着部14と開口部カバー18との気密を確保するように設けられる。シール部材23は、開口部カバー18の後方側において、開口部カバー18と風路筒19との気密を確保するように設けられる。シール部材23は、ダストボックス17が集塵部装着部14に装着されるときに圧縮されて風路の気密を確保できるように、外径寸法が調整されている。
続いて、図19から図21を用いて実施の形態3に係る電気掃除機1の動作を説明する。
図19は、本実施の形態に係る筒状ユニットの斜視図である。図20は、本実施の形態に係る掃除機本体の上面断面図である。図21は、本実施の形態に係る筒状ユニットの斜視図である。
使用者は、電気掃除機1の運転を開始する前に、筒状ユニット38にティッシュペーパーTを装着する。
まず、使用者は、ティッシュペーパーTの一辺である長辺Taを、風路筒19の外側面に沿うようにあてがう。使用者は、ティッシュペーパーTの長辺Taを開口部19aから約30ミリメートル後方側に配置する。ティッシュペーパーTの長辺Taから開口部19aの位置までの部分を当接部Tdとする。
次に、使用者は、ティッシュペーパーTを風路筒19の外側面に巻く。使用者は、開口部19aの外側面の長さがティッシュペーパーTの長辺の長さよりも短く構成されているので、ティッシュペーパーTの巻き始めの端部と巻き終わりの端部を重ねる。ティッシュペーパーTの端部が重なっている当該部分を重なり部Teとする。
重なり部Teの周長は、開口部19aの外側面の周長が約170ミリメートルであるため、約40ミリメートルである。ティッシュペーパーTは、長辺Tcを前端とする、長さが短辺Tbの長さである矩形の筒状の状態である。ティッシュペーパーTの開口部19aよりも前方側の部分の長さは、短辺Tbの長さから当接部Tdの風路筒19の軸方向の長さを差し引いた約160ミリメートルである。
次に、使用者は、ティッシュペーパーTの開口部19aよりも前方向にある長辺Tcを含む部分を、開口部19aから開口部19aの内部に折り畳みながら押し込む。このとき、使用者は、ティッシュペーパーTが風路筒19から外れないように、当接部Tdを保持している。
風路筒19は、前後方向の長さが60ミリメートルであるため、ティッシュペーパーTの開口部19aよりも前方側にあった部分の長さ160ミリメートルよりも短く構成されている。このため、ティッシュペーパーTの開口部19aよりも前方向にあった部分のうち約100ミリメートルの余剰部分は、風路筒19内部の、後方の端部19bで折り重ねられる。
ティッシュペーパーTは、風路筒19が内面に備える複数のリブ24によって、風路筒19の内面との間に空間が形成されるように支持される。ガード体25は、ティッシュペーパーTの下流側の端部19bで折り重ねられた部分を支持する。ティッシュペーパーTは、リブ24の高さの変化によって、風路筒19内で開口部19a側から下流側に向けて断面積が小さくなるコップ状のフィルターを形成する。
次に、使用者は、風路筒19に装着したティッシュペーパーTを覆うように開口部カバー18を装着する。開口部カバー18の側周部18aは、ティッシュペーパーTの当接部Tdを覆う。以上の手順によって装着されたティッシュペーパーTは、風路筒19に、コップ状のフィルターとして保持される。
次に、図20に示されるように、使用者は、ティッシュペーパーTを装着した筒状ユニット38を、筒状ユニット収容部に上から集塵部10を装着する。使用者は、本体蓋6を閉める。
ティッシュペーパーTを装着した集塵部10を集塵部装着部14に装着した場合に、前方側に設けられたシール部材23は、集塵部装着部14に接することで吸気口7から開口部カバー18に至る風路の気密を確保する。後方側に設けられたシール部材23は、柔軟性を有する材料で形成されるため、ティッシュペーパーTの重なった部分および不規則なしわ等に密着する。後方側に設けられたシール部材23は、ティッシュペーパーTを挟むことで、開口部カバー18から風路筒19に至る風路の気密を確保する。
使用者は、電気掃除機1の運転を開始させる。電動送風機9が発生させる気流は、塵埃とともに集塵部10に流入する。
集塵部10に塵埃とともに流入した気流は、風路切替え弁36によって、いずれかの筒状ユニット38が備える風路筒19に導かれる。
風路筒19に流入した気流は、複数のリブ24によってティッシュペーパーTと風路筒19の内面との間に形成された空間を通り、コップ状に形成された側面を含むティッシュペーパーTの風路筒19の内部にある全面を通過する。
風路筒19に流入した塵埃は、風路筒19が保持するコップ状のフィルターとして形成されたティッシュペーパーTに捕集される。集塵部10に流入した塵埃の多くは、ティッシュペーパーTが形成するコップ状のフィルターの底面に気流とともに衝突する。当該底面は、ティッシュペーパーTが折り重ねられた部分であるため、折り重なったティッシュペーパーの部分が複数枚のフィルターとして各々塵埃を捕集する。ガード体25は、風路筒19を流れる気流によってティッシュペーパーTの端部が下流側に流れてしまうことを抑制するように、ティッシュペーパーTを風路筒19の内に留める。
直径数マイクロメートル程度の微細塵は、ティッシュペーパーTに捕集されずに気流とともに風路筒19を通過しうる。風路筒19を通過した微細塵は、連結空間29を経由して気流とともにフィルター保持部20に流入する。
フィルター保持部20に流入した微細塵は、微細塵フィルター26に捕集される。
フィルター保持部20に流入した気流は、塵埃が捕集によって分離された空気として電動送風機9に吸引される。塵埃が分離された空気は、電動送風機9によって排気口8から送出される。掃除機本体2の後方は、電動送風機9が発生させる気流の下流側である。
空間16は、電気掃除機1の運転によってティッシュペーパーTまたは微細塵フィルター26に捕集された塵埃が蓄積された場合に、電気掃除機1の運転中の気圧が低下する。検出部15は、空間16の気圧が予め定められた値以下になった場合に、報知部11に空間16の気圧の減少をあらわす信号を送信する。報知部11は、検出部15から信号を受信した場合に、掃除機本体2の上面に配置されたLEDを点灯することによって、空間16の気圧が低下したことを使用者に報知する。すなわち、報知部11は、使用者にティッシュペーパーTまたは微細塵フィルター26に捕集された塵埃が蓄積されたことを報知する。
使用者は、報知部11の報知によってティッシュペーパーTに捕集された塵埃が蓄積されたと判断した場合に、風路切替えダイヤル39を回転させる。風路切替えダイヤル39は、嵌合部35aを介して支持軸35を回転させる。風路切替え弁36は、支持軸35の周りに内部で回転する。風路切替え弁36は、風路切替え部32の内面に接触して滑るように回転する。シール部材37は、風路切替え部32の内面に接触することで風路の気密を確保する。これにより、使用者が風路切替えダイヤル39を回転させることによって、風路筒19に通じる風路が切り替えられる。
使用者は、塵埃を吸引することで被清掃面を清掃したあとに、操作スイッチによって電動送風機9の気流を発生させる動作を終了させる。
使用者は、本体蓋6を開ける。使用者は、筒状ユニット38を筒状ユニット収容部31から取り出す。
次に、図21に示されるように、使用者は開口部カバー18およびコップ状のティッシュペーパーTをこの順に筒状ユニット38から取り外す。使用者は、当接部Tdをつまんで風路筒19から引き出すことで、コップ状のティッシュペーパーTを取り外す。使用者は、取り外したティッシュペーパーTを捕集した塵埃とともに廃棄する。
以上に説明したように、本実施の形態に係る電気掃除機1は、電動送風機9と、集塵部10とを備える。電動送風機9は、気流を発生させる。集塵部10は、電動送風機9が発生させる気流により外部から吸引される塵埃を、ティッシュペーパーTを各々がフィルターとして保持する1つ以上の風路筒19の少なくともいずれかを通して捕集する。ティッシュペーパーTは、一辺が気流の上流側の開口部19aの外側面に巻かれ一辺の対辺が前記開口部の内側に折り込まれる。
これにより、使用者は、複数の筒状ユニット38の全てのティッシュペーパーTが目詰まりした時点で、複数の筒状ユニット38のティッシュペーパーTの交換作業を一回にまとめて行うことができる。これにより、集塵部10は、ティッシュペーパーTの交換作業の使用者の手間を低減できる。
また、集塵部10は、1つ以上の風路筒19のいずれかに気流を導く風路切替え弁36を備える。これにより、2つの筒状ユニット38のいずれかが目詰まりした場合に、使用者は、他の筒状ユニット38に切り替えることができる。使用者は、目詰まりした筒状ユニット38のティッシュペーパーTの交換を行わずに、連続して清掃作業を続けることができる。
また、電気掃除機1は、検出部15と報知部11とを備える。検出部15は、電動送風機と前記集塵部との間に設けられた空間の気圧の減少を検出する。報知部11は、前記検出部15が前記空間の気圧の減少を検出した場合に、前記風路切替え弁が前記気流を導く風路筒を切り替えるタイミングであることを報知する。これにより、使用者は一方の風路筒19が保持するティッシュペーパーTが目詰まりした時点で風路筒19を切り替えることができる。
また、複数の風路筒19の各々は、断面形状が矩形であり、他の風路筒19と辺が隣接するように集塵部10に配置される。集塵部10は、矩形である断面形状の長辺が隣接するように2つの風路筒19が配置されることで、断面形状が円形である風路筒を2つ並べる場合より、小型になる。
風路筒19は、ティッシュペーパーTを断面形状が矩形のコップ状のフィルターとして保持する。コップ状のティッシュペーパーTは、風路筒19から引き出した後に、手で触ること等により力が加わった場合に、ティッシュペーパーTの柔軟性により断面形状が円形に変形しうる。この場合においても、ティッシュペーパーTは、当接部Tdが外側に折り返されているためコップ状の形状は損なわれない。したがって、電気掃除機1は、集塵部10にフィルターとして保持されたティッシュペーパーTを廃棄する際に、捕集されていた塵埃が舞い上がることを抑制できる。
なお、複数の風路筒19の断面形状は、円形または楕円形であってもよい。
集塵部10は、筒状ユニットを3つ備えてもよい。3つの筒状ユニットは、断面形状が円形であり、3つの円が互いに接するように集塵部10に配置される。あるいは、3つの筒状ユニットは、断面形状が六角形であり、1辺が互いに隣接するように集塵部10に配置される。風路切替え部は、上下方向の軸の周りに回転する風路切替え弁36に替えて、風路となる開口を有する前後方向の軸の周りに回転する回転体によって風路を切り替える。