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JP2019045354A - 燃料推定装置、内燃機関の制御装置、及び燃料計測システム - Google Patents

燃料推定装置、内燃機関の制御装置、及び燃料計測システム Download PDF

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JP2019045354A
JP2019045354A JP2017169806A JP2017169806A JP2019045354A JP 2019045354 A JP2019045354 A JP 2019045354A JP 2017169806 A JP2017169806 A JP 2017169806A JP 2017169806 A JP2017169806 A JP 2017169806A JP 2019045354 A JP2019045354 A JP 2019045354A
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渡辺 直樹
Naoki Watanabe
直樹 渡辺
篤紀 岡林
Atsunori Okabayashi
篤紀 岡林
直規 栗本
Naoki Kurimoto
直規 栗本
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Abstract

【課題】燃料に含まれる硫黄の含有量を推定する際に異常な排気が内燃機関から排出されるということを抑制できる燃料推定装置、内燃機関の制御装置及び燃料計測システムを提供する。【解決手段】燃料タンクに貯留された燃料の誘電率を検出する誘電率センサと、その燃料の密度を検出する密度センサとが制御ユニットに電気的に接続されている。制御ユニットは、燃料管理処理を行う。燃料管理処理では、誘電率センサの検出信号に基づいて直接誘電率ε1を検出し、密度センサの検出信号に基づいて密度ρを検出する。そして、誘電率と密度との相関関係を示す相関データを用いて密度から間接誘電率ε2を算出し、直接誘電率ε1と間接誘電率ε2とを比較した誘電率比較値Cを算出する。その後、誘電率比較値Cと硫黄含有量Vとの相関関係を示す相関データを用いて、誘電率比較値Cから硫黄含有量Vを推定する。【選択図】図4

Description

この明細書による開示は、燃料推定装置、内燃機関の制御装置、及び燃料計測システムに関する。
内燃機関に供給される燃料の含有成分を推定する技術として、例えば特許文献1には、推定対象の燃料を使用して内燃機関の運転を行い、内燃機関から排出される排気の成分を検出することで燃料の含有成分を推定する、という技術が開示されている。この技術では、排気に含まれる硫黄酸化物の含有量を検出することで、燃料に含まれる硫黄の含有量を推定することが可能になっている。
特許第4200012号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成では、硫黄の含有量を推定するために実際に内燃機関で燃料を燃焼させる必要がある。ここで、硫黄の含有量が過剰に多い異常な燃料が内燃機関で燃焼された場合には、硫黄酸化物の含有量が過剰に多い異常な排気が内燃機関から排出されることになる。このため、上記特許文献1のように、排気中の硫黄酸化物の含有量に基づいて燃料中の硫黄の含有量を推定する構成では、硫黄の含有量の推定に際して内燃機関から異常な排気が排出されることが懸念される。
本開示の主な目的は、燃料に含まれる硫黄の含有量を推定する際に異常な排気が内燃機関から排出されるということを抑制できる燃料推定装置、内燃機関の制御装置及び燃料計測システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、開示された第1の態様は、
内燃機関(11)に燃料を供給する燃料供給システム(10a)にて貯留された燃料を対象として硫黄含有量(V)を推定する燃料推定装置(19)であって、
燃料の性状を示し且つ硫黄含有量に応じて変化する第1パラメータ(ε1)を取得する第1取得部(S102)と、
燃料の性状を示し且つ硫黄含有量に応じた変化度合いが第1パラメータに比べて小さい第2パラメータ(ε2)を取得する第2取得部(S104)と、
第1取得部により取得された第1パラメータと第2取得部により取得された第2パラメータとを比較することで硫黄含有量を推定する硫黄推定部(S106)と、
を備えている燃料推定装置である。
本発明者は、燃料の性状を示すパラメータとして、硫黄含有量に応じて変化しやすい第1パラメータと、硫黄含有量に応じて変化しにくい第2パラメータとが存在する、という知見を得た。この知見によれば、硫黄含有量が異なる複数の燃料について、第1パラメータと第2パラメータとを比較すると、これら比較結果が互いに異なる。このため、第1の態様のように、第1パラメータと第2パラメータとを比較することで燃料に含まれる硫黄含有量を推定することが可能になる。この場合、硫黄含有量を推定するために燃料を内燃機関で燃焼させるという必要がない。したがって、推定対象の燃料が硫黄を過剰に含む異常な燃料であったとしても、硫黄含有量を推定する際に、硫黄酸化物を過剰に含む異常な排気が内燃機関から排出される、ということを回避できる。
第2の態様は、
燃料の燃焼を行う内燃機関(11)の制御を行う制御装置(19)であって、
燃焼システムにて貯留された燃料の性状を示し且つ燃料での硫黄含有量(V)に応じて変化する第1パラメータ(ε1)を取得する第1取得部(S102)と、
燃焼システムにて貯留された燃料の性状を示し且つ硫黄含有量に応じた変化度合いが第1パラメータに比べて小さい第2パラメータ(ε2)を取得する第2取得部(S104)と、
第1取得部により取得された第1パラメータと第2取得部により取得された第2パラメータとを比較することで硫黄含有量を推定する硫黄推定部(S106)と、
硫黄推定部により推定された硫黄含有量が所定の閾値(VT)より多い場合に、所定の報知処理を行う報知実行部(S108)と、
を備えている内燃機関の制御装置である。
第2の態様によれば、第1の態様と同様に硫黄含有量が推定される構成において、硫黄含有量が閾値より多い場合に報知処理が行われるため、燃料供給システムに貯留された燃料が異常な燃料であることなどを運転者等に報知できる。この場合、異常な燃料が給油された場合などの対策として、内燃機関を始動させないなどの処置を運転者等に行わせることができる。
第3の態様は、
内燃機関(11)に燃料を供給する燃料供給システム(10a)から燃料を取り込み可能に設けられ、燃料供給システムから取り込んだ燃料に含まれる硫黄含有量を計測する硫黄計測装置(43)、を備えている燃料計測システムである。
第3の態様によれば、硫黄計測装置が燃料供給システムから燃料を取り込むことで硫黄含有量が計測される。このため、上記第1の態様と同様の効果を奏することができる。
なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものにすぎず、技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態における燃焼システムの構成を示す図。 密度と誘電率との相関データを示す図。 誘電率比較値と硫黄含有量との相関データを示す図。 燃料管理処理の手順を示すフローチャート。 第2実施形態における燃焼システムの構成を示す図。 燃料管理処理の手順を示すフローチャート。 動粘度−セタン価マップを示す図。 動粘度−発熱量マップを示す図。 動粘度−蒸留特性マップを示す図。 セタン価−発熱量マップを示す図。 セタン価−蒸留特性マップを示す図。 発熱量−蒸留特性マップを示す図。 第3実施形態における燃焼システムの構成を示す図。 燃料管理処理の手順を示すフローチャート。 第4実施形態における燃焼システムの構成を示す図。 燃料管理処理の手順を示すフローチャート。 第5実施形態における燃料管理処理の手順を示すフローチャート。 第6実施形態における燃料管理処理の手順を示すフローチャート。 第7実施形態における燃焼システムの構成を示す図。 燃料管理処理の手順を示すフローチャート。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施例の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第1実施形態)
図1に示す燃焼システム10は、エンジン11、吸気通路12、燃料噴射弁15、燃料タンク16、燃料供給ポンプ17、コモンレール18及び制御ユニット19を有しており、車両に搭載されている。エンジン11は、ディーゼルエンジン等の内燃機関であり、吸気通路12は、外気等の吸入空気をエンジン11の燃焼室11aに供給する。エンジン11は、ピストン11bを有しており、ピストン11bは、シリンダブロックやシリンダヘッドと共に燃焼室11aを区画している。燃料噴射弁15は、燃焼室11aに向けて燃料を噴射する燃料噴射装置である。本実施形態では、燃料として軽油が用いられており、この燃料は絶縁体になっている。
燃料タンク16は燃料を貯留しており、コモンレール18は、供給通路21を通じて燃料タンク16に接続されている。燃料供給ポンプ17は、供給通路21に設けられており、燃料タンク16から汲み上げた燃料を加圧してコモンレール18に圧送する。コモンレール18には、分配通路22を通じて複数の燃料噴射弁15が接続されている。コモンレール18は、燃料供給ポンプ17から供給された高圧燃料を一時的に蓄える蓄圧容器であり、圧力を保持したまま各燃料噴射弁15に燃料を分配する。
燃料噴射弁15及びコモンレール18は、戻り通路23を通じて燃料タンク16に接続されている。燃料噴射弁15は、燃料を噴射する噴孔を有しており、供給通路21から供給される高圧燃料の一部を利用して噴孔の開閉を行っている。燃料噴射弁15において噴孔の開閉に利用された燃料は、戻り通路23を通じて燃料タンク16に戻される。コモンレール18は、蓄えている燃料の圧力を調整する圧力調整部として圧力レギュレータ18aを有しており、圧力レギュレータ18aは、圧力調整に伴って余剰になった燃料を戻り通路23を通じて燃料タンク16に戻す。なお、戻り通路23はドレイン管により形成されており、戻り通路23をドレインラインと称することもできる。
エンジン11では、吸気工程において吸入空気が吸気通路12を通じて燃焼室11aに吸入され、圧縮工程においてピストン11bにより空気が圧縮される。燃焼工程においては、燃料噴射弁15から噴射された燃料が自着火して燃焼し、排気工程において排気が燃焼室11aから排気通路を通じて排出される。
本実施形態では、燃料タンク16に貯留された燃料を対象として、この燃料に含まれる硫黄の含有量を推定することができるようになっている。燃焼システム10は、燃料タンク16内の燃料の誘電率を検出する誘電率センサ31と、この燃料の密度を検出する密度センサ32とを有している。これら誘電率センサ31及び密度センサ32は、燃料タンク16に取り付けられており、誘電率センサ31は、燃料の誘電率に応じた検出信号を出力し、密度センサ32は、燃料の密度に応じた検出信号を出力する。
燃焼システム10には、燃焼室11aに燃料を供給する燃料供給システム10aが含まれている。燃料供給システム10aは、燃料噴射弁15、燃料タンク16、燃料供給ポンプ17、コモンレール18、供給通路21、分配通路22、戻り通路23、誘電率センサ31及び密度センサ32を有している。なお、誘電率センサ31及び密度センサ32は、燃焼システム10に含まれていなくてもよい。
制御ユニット19は、例えばECU(Engine Control Unit)であり、燃焼システム10やエンジン11の動作制御を行う制御装置である。制御ユニット19は、プロセッサ19a、記憶部19b、入出力インターフェース等を含んで構成されたコンピュータを有している。記憶部19bとしては、RAMや記憶媒体が挙げられる。エンジン11の動作制御を行うためのプログラムや、硫黄の含有量を推定するためのプログラムが記憶媒体に記憶されており、これらプログラムがプロセッサにより実行される。制御ユニット19は、スロットル弁13や燃料噴射弁15といったアクチュエータに電気的に接続されており、指令信号を出力することでこれらアクチュエータの動作制御を行う。記憶部19bには、硫黄の含有量を推定する場合に用いられる各種データが記憶されている。
制御ユニット19には、誘電率センサ31及び密度センサ32が電気的に接続されており、これらセンサ31,32は、検出信号を制御ユニット19に対して出力する。また、制御ユニット19には、各種画像を表示する表示部35と、車両内外との無線通信を行う通信部36と、イグニッションスイッチ37とが電気的に接続されている。表示部35は、例えばダッシュボード等の運転者が視認可能な位置に設けられており、制御ユニット19は、指令信号を出力することで表示部35の動作制御を行う。
イグニッションスイッチ37は、エンジン11の電源をオンさせるための電源オン状態と、エンジン11を始動させるためのエンジン始動状態とに移行可能になっており、状態に応じた検出信号を制御ユニット19に対して出力する。イグニッションスイッチ37は、エンジン11を始動させるための電源スイッチに相当する。
本発明者は、燃料の性状を示すパラメータのうち、燃料の誘電率は硫黄の含有量に応じて変化しやすく、燃料の密度は硫黄の含有量に応じて変化しにくい、という知見を得た。また、本発明者は、燃料に含まれた硫黄の含有量が許容範囲に収まる程に少ない場合、誘電率と密度との間には所定の相関関係があり、この相関関係を用いることで密度から誘電率を算出できる、という知見も得た。さらに、本発明者は、実際に検出した誘電率と密度を用いて算出した誘電率とを比較した比較値を算出した場合、この比較値と硫黄の含有量との間には所定の相関関係があり、この相関関係を用いることで比較値から硫黄の含有量を推定できる、という知見を得た。なお、この知見によれば、誘電率が同じ燃料でも、密度が異なれば硫黄の含有量も異なることになる。
まず、誘電率と密度との相関関係について説明する。ある単成分物質の誘電率については、一般的に図2に示す(式1)で表される。この(式1)においては、εが誘電率であり、ρが密度であり、Naがアボガドロ数であり、αが分子の極性であり、Mが分子量である。(式1)によれば、密度ρと誘電率εとの関係がα/Mの値に依存しており、燃料などの混合物質では物質の組成に依存することになる。
ところが、本発明者は、さまざまな組成の燃料を分析した結果、燃料においては誘電率と密度との関係が組成に依存しにくく、図2に示すグラフのように、誘電率εと密度ρとは、密度ρが大きいほど誘電率εも大きいという関係になっている、という知見を得た。この知見によれば、誘電率εと密度ρとはほぼ比例関係になっている。これは、硫黄の含有量が許容範囲に収まる程度に少ない正常な燃料では、この燃料を構成する炭化水素の電気的性質が近く、(式1)でのα/Mがほぼ一定になるためだと考えられる。
次に、誘電率の比較値と硫黄の含有量との相関関係について説明する。実際に検出した誘電率を直接誘電率ε1と称し、密度を用いて算出した誘電率を間接誘電率ε2と称すると、これら直接誘電率ε1と間接誘電率ε2との比較値である誘電率比較値Cは、直接誘電率ε1と間接誘電率ε2との乖離度合いを示すことになる。例えば、直接誘電率ε1と間接誘電率ε2との差を直接誘電率ε1又は間接誘電率ε2で割った値を誘電率比較値Cとした場合、図2に示すように、誘電率比較値Cは、直接誘電率ε1と間接誘電率ε2との差を示すことになる。本実施形態では、(ε1−ε2)/ε2×100[%]という数式により算出した値を誘電率比較値Cとしている。なお、誘電率比較値Cがパラメータ比較値に相当する。
本発明者は、誘電率比較値Cと、この誘電率比較値Cに対応する硫黄含有量Vとの相関関係が、誘電率比較値Cが大きいほど硫黄含有量Vが大きいという関係になっている、という知見を得た。この知見によれば、図3に示すように、誘電率比較値Cと硫黄含有量Vとはほぼ比例関係になっている。これは、正常な燃料に硫黄が含まれていると、硫黄が電気的な性質として比較的高い極性を有していることに起因して誘電率が増加するためだと考えられる。また、本発明者は、硫黄含有量Vの増加率と誘電率比較値Cの増加率との比が1:10になっている、という知見を得た。この知見によれば、硫黄含有量Vが1%増加すると、誘電率比較値Cが10%増加することになる。なお、誘電率比較値Cと硫黄含有量Vとの相関関係は、間接誘電率ε2が異なっても均一というわけではなく、間接誘電率ε2が異なると誘電率比較値Cと硫黄含有量Vとの相関関係も異なると考えられる。
制御ユニット19は、燃料に含まれる硫黄の含有量を管理する燃料管理処理を行う。この処理は、イグニッションスイッチ37がオン状態及びオフ状態のいずれにある場合でも行われる。なお、制御ユニット19は、燃料の硫黄含有量Vを推定する燃料推定装置に相当する。
図4において、ステップS101では、給油が行われたか否かを判定する。ここでは、燃料タンク16の給油口が開放されたか否かを判定する処理や、燃料が例えば10Lなど所定量だけ増えたか否かを判定する処理、開放された給油口が再び閉鎖されたか否かを判定する処理などを行う。例えば、これら処理の全てが肯定された場合に、給油が行われたと判断して、ステップS102に進む。なお、給油作業が完了した場合に給油が行われたと判断する。給油が完了していない場合、ステップS101に戻り、給油が完了するまでステップS101の処理を繰り返し行う。また、ステップS102〜S107を、燃料の硫黄含有量Vが過剰であるか否かを判定する燃料判定処理と称することができる。
ステップS102では、直接誘電率ε1を検出する。ここでは、誘電率センサ31の検出信号に基づいて直接的に誘電率を検出し、この誘電率を直接誘電率ε1として取得する。直接誘電率ε1は、硫黄の含有量に応じて変化しやすく、第1パラメータに相当する。この場合、硫黄の含有量が異なる複数の燃料については、それぞれの燃料の直接誘電率ε1の差異が比較的大きくなりやすい。なお、誘電率センサ31により誘電率を検出する方法としては、容量法や平行板コンデンサ法、同軸プローブ法などが挙げられる。
ステップS103では、密度センサ32の検出信号に基づいて密度ρを検出する。密度ρは、硫黄の含有量に応じて変化しにくく、第3パラメータに相当する。硫黄の含有量に応じた密度ρの変化度合いは、直接誘電率ε1の変化度合いに比べて非常に小さくなっている。この場合、硫黄の含有量が異なる複数の燃料については、それぞれの燃料の密度ρの差異が、それぞれの燃料の直接誘電率ε1の差異に比べて小さくなっており、例えばゼロ又はゼロに近い値になっている。なお、密度ρは、密度センサ32の検出信号に基づいて直接的に検出されたパラメータである。このため、密度ρを直接密度と称することもできる。なお、密度センサ32により密度を検出する方法としては、固有振動周期測定法が挙げられる。
ステップS104では、密度ρを用いて間接誘電率ε2を算出する。正常な燃料についての誘電率εと密度ρとの相関関係を示す相関データが記憶部19bに記憶されており、ここでは、相関データを記憶部19bから読み込み、読み込んだ相関データを用いて密度ρから間接誘電率ε2を推定する。この相関データとしては、マップや数値データ、数式が挙げられる。例えば、図2に示すマップが相関データD1として記憶部19bに記憶されている場合、この相関データD1の実線上で密度ρに一致する値を間接誘電率ε2として取得する。間接誘電率ε2は、密度ρと同様に硫黄の含有量に応じて変化しにくく、第2パラメータに相当する。
ステップS105では、上述したように、直接誘電率ε1及び間接誘電率ε2を用いて誘電率比較値Cを算出する。
ステップS106では、誘電率比較値Cを用いて硫黄含有量Vを算出する。誘電率比較値Cと硫黄含有量Vとの相関関係を示す相関データが記憶部19bに記憶されており、ここでは、この相関データを記憶部19bから読み込み、読み込んだ相関データを用いて誘電率比較値Cから硫黄含有量Vを推定する。この相関データとしては、マップや数値データ、数式が挙げられる。例えば、図3に示すマップが相関データD2として記憶部19bに記憶されている場合、この相関データD2の実線上で誘電率比較値Cに一致する値を硫黄含有量Vとして取得する。なお、図3に示すマップは、間接誘電率ε2ごとに作成されており、記憶部19bに記憶された複数のマップのうち間接誘電率ε2に応じたマップを相関データD2として読み込む。
ステップS107では、硫黄含有量Vが硫黄閾値VT以上であるか否かを判定する。ここでは、図2に示すように、間接誘電率ε2を基準として密度ρに対する誘電率εの許容範囲として上限値を設定し、この上限値を比較閾値CTと称する。この比較閾値CTは、間接誘電率ε2を基準としてあらかじめ定められた所定割合だけ大きい値であり、所定割合としては例えば5%や10%が挙げられる。そして、誘電率εと密度ρとの相関関係を用いて、比較閾値CTから硫黄閾値VTを算出する。例えば、図3に示す相関データD2の実線上で、比較閾値CTに一致する値を硫黄閾値VTとして取得する。なお、硫黄閾値VTは、環境規制を満たす値であり、例えば市場で流通している軽油の大部分が間接誘電率ε2に対する直接誘電率ε1のずれが10%に含まれる場合、5〜10%に設定されることが好ましい。
硫黄含有量Vが硫黄閾値VT以上である場合、燃料タンク16に給油された燃料が硫黄の過剰に多い異常な燃料であるとして、ステップS108にて燃料報知処理を行う。この処理では、異常な燃料が給油されたことを示す報知画像や、エンジン11の始動を行わないことを推奨するアラート画像を表示部35に表示させる。これにより、異常な燃料がエンジン11にて燃焼されるということに対する抑止力が発揮される。一方、硫黄含有量Vが硫黄閾値VT以上でない場合、燃料報知処理を行う必要がないとして、そのまま本燃料管理処理を終了する。
なお、燃料報知処理は、異常な燃料が燃料タンク16に給油された場合の異常燃料対策処理の1つである。異常燃料対策処理としては、燃料報知処理の他にも、異常な燃料が給油されたことを通信部36を介して外部に通知する外部通知処理や、記憶部19b等に記憶する記憶処理などが挙げられる。
制御ユニット19においては、燃料管理処理の各ステップを実行する機能を有している。ステップS102の処理を実行する機能が第1取得部に相当し、ステップS103の処理を実行する機能が第3取得部に相当し、ステップS104の処理を実行する機能が第2取得部に相当する。ステップS106の処理を実行する機能が硫黄推定部に相当し、ステップS108の処理を実行する機能が報知実行部に相当する。
ここまで説明した本実施形態によれば、誘電率比較値Cを用いて燃料の硫黄含有量Vが推定されるため、硫黄含有量Vを推定するために燃料をエンジン11で燃焼させるという必要がない。したがって、硫黄含有量Vを推定する際に、硫黄酸化物を過剰に含む異常な排気がエンジン11から排出されるということを回避できる。また、この場合、この場合、燃料の性状を示す誘電率を用いて硫黄含有量Vが推定されるため、例えばエンジン11からの排気に含まれる酸化硫黄物の含有量を用いて燃料の硫黄含有量Vが推定される構成に比べて、推定精度を高めることができる。
本実施形態によれば、直接誘電率ε1及び間接誘電率ε2は、燃料について1種類の性状を示すパラメータである。この場合、これらパラメータの比較値と硫黄含有量Vとの相関関係を相関データとしてまとめるには、硫黄含有量Vを含めて2種類の性状を示すパラメータを用いればよいため、相関データを作成する場合の作業負担を低減できる。これに対して、本実施形態とは異なり、例えば、燃料について異なる性状を示すパラメータを用いて比較値を取得する構成では、硫黄含有量Vを含めて3種類の性状を示すパラメータを用いることになる。このため、3種類の性状を示すパラメータの相関関係を相関データとしてまとめるには、作業負担が増大してしまうと考えられる。
本実施形態によれば、比較する2つのパラメータが誘電率とされているため、絶縁体である燃料の電気的な性質を誘電率比較値Cに反映させることができる。このように、燃料の電気的な性質を利用することで、燃料の硫黄含有量Vを推定する際の推定精度を高めることができる。
本実施形態によれば、硫黄含有量Vに応じた変化度合いが直接誘電率ε1に比べて小さい密度ρを用いて間接誘電率ε2が算出されているため、硫黄含有量Vに応じた変化度合いについて間接誘電率ε2が直接誘電率ε1より小さい構成を実現できる。したがって、比較値を算出するための2つのパラメータを燃料について1つの性状を示すパラメータに統一することができる。
本実施形態によれば、密度ρが直接誘電率ε1及び間接誘電率ε2のいずれとも異なるパラメータになっているため、比較値を算出するための直接誘電率ε1及び間接誘電率ε2を1つの性状を示すパラメータにすることができる。
本実施形態によれば、間接誘電率ε2を算出するためのパラメータが密度であるため、燃料の非電気的な性質を誘電率比較値Cに反映させることができる。このように、燃料の非電気的な性質を利用することで、燃料の硫黄含有量Vを推定する際の推定精度を高めることができる。
本実施形態によれば、密度ρから間接誘電率ε2が算出される場合に、これら密度ρと間接誘電率ε2との相関関係を示す相関データD1等を用いられるため、間接誘電率ε2の算出について処理負担を低減できる。しかも、この相関データD1等が記憶部19bにあらかじめ記憶されているため、例えば相関データD1等を作成するために処理負担が増大するということを回避できる。
本実施形態によれば、誘電率比較値Cから硫黄含有量Vが推定される場合に、これら誘電率比較値Cと硫黄含有量Vとの相関関係を示す相関データD2等が用いられるため、硫黄含有量Vの推定について処理負担を低減できる。しかも、この相関データD2等が記憶部19bにあらかじめ記憶されているため、例えば相関データD2等を作成するために処理負担が増大するということを回避できる。
本実施形態によれば、給油の直後に燃料の硫黄含有量Vが推定される。ここで、燃料タンク16への給油が行われる場合はエンジン11を停止させておくことが一般的であり、給油の直後はエンジン11がまだ停止状態にあると考えられる。この場合、エンジン11を始動させるよりも前のタイミングで、硫黄含有量Vが過剰である異常な燃料が給油されたことが運転者等に報知されるため、エンジン11を始動させることを運転者等に思いとどまらせることができる。このため、異常な燃料が給油された場合などの対策として、エンジン11を始動させないなどの処置を運転者等に行わせることができる。これにより、硫黄含有量Vを推定する場合に限らず、硫黄酸化物を過剰に含む異常な排気がエンジン11から排出されることに対して抑止力を発揮できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、密度ρが密度センサ32により検出されていたが、第2実施形態では、密度ρが密度センサ32により検出されない。本実施形態では、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図5に示すように、燃焼システム10は密度センサ32を有していない。その一方で、誘電率センサ31は、上記第1実施形態と同様に、燃料タンク16に対して設けられており、燃焼システム10に含まれている。
制御ユニット19は、基本的に上記第1実施形態と同様の燃料管理処理を実行する。ただし、本実施形態では、図6において、ステップS102の後に、ステップS201に進み、燃料の性状を示すパラメータとして、密度ρとは異なる基礎パラメータを取得する。基礎パラメータは、動粘度やセタン価、発熱量、蒸留特性などであり、燃料の非電気的な性質を示すパラメータである。動粘度やセタン価、発熱量、蒸留特性の計測には周知の技術を用いており、ここでは説明を省略する。なお、動粘度やセタン価、発熱量、蒸留特性の取得に必要な各種情報については、各種センサやSCU(Sensor Control Unit)などからの信号を用いて取得する。また、動粘度センサとしては細管粘度計が挙げられ、動粘度を計測する方法としては細線加熱法が挙げられる。
ステップS202では、基礎パラメータを用いて密度ρを推定する。ここでは、2種類の性状を基礎パラメータとして用いる。例えば、動粘度及びセタン価を基礎パラメータとして用いる場合には、図7に示すような、動粘度とセタン価と密度との関係を示す動粘度−セタン価マップを用いる。この動粘度−セタン価マップにおいては、動粘度が大きく且つセタン価が小さいほど密度が大きくなっており、このマップに動粘度及びセタン価をプロットすることで密度を推定可能になっている。
動粘度及び発熱量を基礎パラメータとして用いる場合には、図8に示すような、動粘度と発熱量と密度との関係を示す動粘度−発熱量マップを用いる。この動粘度−発熱量マップにおいては、動粘度が大きく且つ発熱量が小さいほど密度が大きくなっており、このマップに動粘度及び発熱量をプロットすることで密度を推定可能になっている。
動粘度及び蒸留特性を基礎パラメータとして用いる場合には、図9に示すような、動粘度−蒸留性状マップを用いる。図9では、蒸留性状について、燃料が50%蒸発する温度である50%蒸留温度をT50として図示しており、以下、T50が大きいことを蒸留特性が大きいと称する。動粘度−蒸留性状マップにおいては、動粘度が大きく且つ蒸留特性が小さいほど密度が大きくなっており、このマップに動粘度及びT50をプロットすることで密度を推定可能になっている。
セタン価及び発熱量を基礎パラメータとして用いる場合には、図10に示すような、セタン価−発熱量マップを用いる。このセタン価−発熱量マップにおいては、セタン価が大きく且つ発熱量が小さいほど密度が大きくなっており、このマップにセタン価及び発熱量をプロットすることで密度を推定可能になっている。
セタン価及び蒸留特性を基礎パラメータとして用いる場合には、図11に示すような、セタン価−蒸留特性マップを用いる。このセタン価−蒸留特性マップにおいては、セタン価が小さく且つ蒸留特性が大きいほど密度が大きくなっており、このマップにセタン価及び蒸留特性をプロットすることで密度を推定可能になっている。
発熱量及び蒸留特性を基礎パラメータとして用いる場合には、図12に示すような、発熱量−蒸留特性マップを用いる。この発熱量−蒸留特性マップにおいては、発熱量が小さく且つ蒸留特性が大きいほど密度が大きくなっており、このマップに発熱量及び蒸留特性をプロットすることで密度を推定可能になっている。
ステップS202の後、上記第1実施形態と同様に、ステップS104〜S108の処理を実行する。なお、ステップS202の処理を実行する機能が第3取得部に相当する。
本実施形態によれば、基礎パラメータから密度ρが取得されるため、上記第1実施形態とは異なり、密度センサ32を燃料タンク16等に取り付ける必要がない。このため、密度センサ32を追加することなく、密度ρを用いて間接誘電率ε2を算出する構成を、現状の設備で実現できる。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、第1パラメータ及び第2パラメータとして誘電率が用いられていたが、第3実施形態では、第1パラメータ及び第2パラメータとして電気伝導率が用いられる。本実施形態では、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図13に示すように、燃焼システム10は、誘電率センサ31に代えて、燃料タンク16内の燃料の電気伝導率を検出する電気伝導率センサ41を有しており、上記第2実施形態と同様に密度センサ32を有していない。電気伝導率センサ41は、燃料タンク16に取り付けられ、制御ユニット19に電気的に接続されており、燃料の電気伝導率に応じた検出信号を制御ユニット19に対して出力する。
本発明者は、燃料の電気伝導率と硫黄含有量との間には相関関係があり、この相関関係においては、燃料の電気伝導率が大きいほど硫黄含有量が大きくなる、という知見を得た。この知見によれば、電気伝導率は、硫黄含有量Vに応じて比較的変化しやすいパラメータであり、電気伝導率と硫黄含有量とはほぼ比例関係にある。また、電気伝導率が同じ燃料について、密度が異なれば硫黄の含有量も異なるということが生じにくく、電気伝導率に応じて硫黄含有量を直接的に推定することが可能になっている。
制御ユニット19は、基本的に上記第1実施形態と同様の燃料管理処理を実行する。ただし、本実施形態では、図14において、ステップS101のYES判定の後に、ステップS301に進み、電気伝導率センサ41の検出信号に基づいて電気伝導率を検出する。
ステップS301の後は、ステップS106に進み、上記第1実施形態のように誘電率比較値Cを用いるのではなく、電気伝導率を用いて硫黄含有量Vを算出する。電気伝導率と硫黄含有量Vとの相関関係を示す相関データが記憶部19bに記憶されており、ここでは、この相関データを記憶部19bから読み込み、読み込んだ相関データを用いて電気伝導率から硫黄含有量Vを推定する。
なお、ステップS106の後、上記第1実施形態と同様に、ステップS107,S108の処理を実行する。本実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、ステップS102〜S105の各処理を行わないことになる。
本実施形態によれば、電気伝導率と硫黄含有量Vとの相関データを用いることで、電気伝導率から硫黄含有量Vを推定可能になっている。ここで、電気伝導率は、硫黄含有量Vに関係なく燃料の他の性状を示すパラメータに応じて変化する、ということが生じにくいため、硫黄含有量Vを推定するために上記第1実施形態のように密度など3つ目のパラメータを用いるという必要がない。したがって、硫黄含有量Vを推定する際の処理負担を低減できる。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、燃料について誘電率や密度を用いて硫黄含有量Vが推定されていたが、第4実施形態では、硫黄計測装置により硫黄含有量Vが直接的に計測される。本実施形態では、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図15に示すように、燃焼システム10は、誘電率センサ31に代えて、硫黄計測装置43を有しており、上記第2実施形態と同様に密度センサ32を有していない。硫黄計測装置43は、燃料の極性を利用して成分を分離することで硫黄含有量Vを計測する装置であり、例えば、炎光光度検出器(GC−FPS)や水素炎イオン化検出器(GC−FID)を有するガスクロマトグラフ分析装置である。硫黄計測装置43は、燃料タンク16から一部の燃料を取り込み、取り込むことでサンプリングした燃料を対象として硫黄含有量Vの計測を行う。燃焼システム10において、硫黄計測装置43を含んだシステムが燃料計測システムに相当する。なお、燃料計測システムには、硫黄計測装置43に加えて制御ユニット19も含まれている。
硫黄計測装置43は、燃料タンク16から燃料を取り込み可能な状態で燃料タンク16に対して取り付けられている。例えば、硫黄計測装置43は駆動部を有しており、この駆動部が駆動することで燃料タンク16から燃料を取り込む構成になっている。硫黄計測装置43は、制御ユニット19に電気的に接続されており、計測結果を含む計測信号を制御ユニット19に対して出力する。なお、車両において、硫黄計測装置43は、その形状や大きさに応じた位置に設置されており、必ずしも燃料タンク16に取り付けられている必要はない。
制御ユニット19は、基本的に上記第1実施形態と同様の燃料管理処理を実行する。ただし、本実施形態では、図16において、ステップS101のYES判定の後に、ステップS401に進み、硫黄含有量Vを計測するための計測処理を行う。ここでは、例えばガスクロマトグラフ分析装置によるガスクロマトグラフ分析処理を行う。計測処理としては、燃料タンク16から燃料をサンプリングする処理、燃料の硫黄含有量Vを計測する処理、サンプリングした燃料を燃料タンク16に戻したり処分したりする処理などが挙げられる。計測処理が終了した後、ステップS402では、計測結果として硫黄含有量Vを取得する。この硫黄含有量Vを、ガスクロマトグラフ分析処理の分析結果と称することもできる。
ステップS402の後、上記第1実施形態と同様に、ステップS107,S108の処理を実行する。本実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、ステップS102〜S106の各処理を行わないことになる。
本実施形態によれば、硫黄含有量Vが直接的に計測されるため、硫黄含有量Vの取得精度を高めることができる。したがって、上記第1実施形態と同様に、硫黄含有量Vを取得する際に、異常な排気がエンジン11から排出されるということを回避できる。
(第5実施形態)
上記第1実施形態では、燃料管理処理において給油の直後に燃料の硫黄含有量Vが推定されたが、第5実施形態では、エンジン11の始動前に硫黄含有量Vが推定される。本実施形態では、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
制御ユニット19は、基本的に上記第1実施形態と同様の燃料管理処理を実行する。ただし、本実施形態では、図17において、ステップS101の給油判定処理に代えて、ステップS501,S502の各処理を実行する。まず、ステップS501では、各種センサやSCUなどからの信号を用いて、エンジン11が停止状態にあるか否かを判定する。エンジン11が停止状態にある場合、ステップS502に進む。
ステップS502では、エンジン11が始動されるか否かの判定を行う。ここでは、イグニッションスイッチ37からの検出信号に基づいて、運転者の操作によりイグニッションスイッチ37が電源オン状態に移行されたか否かを判定する。イグニッションスイッチ37が電源オン状態に移行した場合、エンジン11が始動されるとして、上記第1実施形態と同様にステップS102〜S108にて各処理を行う。エンジン11が停止状態にない場合、又はエンジン11が始動されない場合、硫黄含有量Vの推定を行わないとして、そのまま本燃料管理処理を終了する。
ステップS107にて硫黄含有量Vが過剰に多いと判定された場合、ステップS108の後にステップS503に進み、始動禁止処理を行う。この処理では、イグニッションスイッチ37がエンジン始動状態に移行することを機械的又は電気的に禁止する。例えば、イグニッションスイッチ37は、エンジン始動状態への移行を機械的に規制する規制部を有しており、始動禁止処理では、この規制部を禁止状態に移行させるための指令信号をイグニッションスイッチ37に対して出力する。これにより、運転者が、異常な燃料が給油されたことを知らないままエンジン11を始動させてしまう、ということが生じにくくなっている。始動禁止処理では、イグニッションスイッチ37の規制部が禁止状態にある継続時間が、あらかじめ定められた禁止時間に達したか否かを判定し、禁止時間に達した場合に、始動禁止を解除するとしてステップS504に進む。
ステップS504では、始動許可処理を行う。この処理では、イグニッションスイッチ37がエンジン始動状態に移行することを許可する。具体的には、規制部を許可状態に移行させるための指令信号をイグニッションスイッチ37に対して出力する。このため、運転者は、異常な燃料が給油されたことを知った後に、エンジン11を始動させるか否かの判断をした上で、エンジン11を始動させることが可能になる。このように、始動禁止処理を行うことで、異常な燃料がエンジン11の運転に使用されることを運転者に確実に知らせることができ、始動許可処理を行うことで、異常な燃料の使用回避を優先し過ぎてユーザビリティが極端に低下するということも抑制できる。
本実施形態によれば、エンジン11が始動するよりも前のタイミングで、異常な燃料が給油されたことが報知されるため、運転者が状況を把握していない状態で異常な燃料がエンジン11の運転に用いられるということをより確実に抑制できる。しかも、一時的にではあってもエンジン11の始動が禁止されるため、運転者の意図に反して異常な燃料がエンジン11の運転に用いられるということをより確実に抑制できる。
(第6実施形態)
上記第5実施形態では、エンジン11の始動前に硫黄含有量Vが推定されたが、第6実施形態では、エンジン11の始動後に硫黄含有量Vが推定される。本実施形態では、上記第5実施形態との相違点を中心に説明する。
制御ユニット19は、基本的に上記第5実施形態と同様の燃料管理処理を実行する。ただし、本実施形態では、図18において、ステップS501,S502の処理に代えてステップS601,S602の処理を行う。ステップS601では、エンジン11が始動したか否かを判定する。ここでは、イグニッションスイッチ37からの検出信号に基づいて、イグニッションスイッチ37がエンジン始動状態に移行したか否かを判定する。イグニッションスイッチ37がエンジン始動状態に移行した場合、エンジン11が始動したとして、ステップS602に進む。
ステップS602では、操作レバーのポジションがパーキングレンジにあるか否かを判定する。制御ユニット19には、操作レバーのポジションを検出するレバーセンサが電気的に接続されており、レバーセンサの検出信号に基づいて操作レバーのポジションを検出する。操作レバーのポジションがパーキングレンジにある場合、車両が駐車又は停車しているとして、上記第5実施形態と同様にステップS102〜S108にて各処理を行う。エンジン11が停止状態にある場合、エンジン11が運転状態にあっても操作レバーのポジションがパーキングレンジにない場合は、硫黄含有量Vの推定を行わないとして、そのまま本燃料管理処理を終了する。
ステップS107にて硫黄含有量Vが過剰に多いと判定された場合、ステップS108の後にステップS603に進み、ギアチェンジ禁止処理を行う。この処理では、操作レバーのポジションがドライブレンジ等の非パーキングレンジに変更されることを機械的又は電気的に禁止する。例えば、操作レバーによりギアが変更される変速装置は、パーキングレンジから非パーキングレンジへの操作レバーのポジション変更を機械的に規制する規制部を有している。ギアチェンジ禁止処理では、この規制部を禁止状態に移行させるための指令信号を変速装置に対して出力する。これにより、運転者が、異常な燃料が給油されたことを知らないまま車両を走行させてしまう、といことが生じにくくなっている。
ギアチェンジ禁止処理では、変速装置の規制部が禁止状態にある継続時間が、あらかじめ定められた禁止時間に達したか否かを判定し、禁止時間に達した場合に、ギアチェンジ禁止を解除するとしてステップS604に進む。
ステップS604では、ギアチェンジ許可処理を行う。この処理では、操作レバーのポジションがパーキングレンジから非パーキングレンジに変更されることを許可する。具体的には、規制部を許可状態に移行させるための指令信号を変速装置に対して出力する。このため、運転者は、異常な燃料が給油されたことを知った後に、車両を走行させるか否かの判断をした上で、車両を走行させることが可能になる。このように、ギアチェンジ禁止処理を行うことで、異常な燃料が車両の走行に使用されることを運転者に確実に知らせることができる。その一方で、ギアチェンジ許可処理を行うことで、異常な燃料の使用回避を優先し過ぎてユーザビリティが極端に低下するということも抑制できる。
(第7実施形態)
第7実施形態では、異常燃料対策処理として、燃料から硫黄を分離させる処理が行われる。本実施形態では、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図19に示すように、燃料供給システム10aは、燃料から硫黄を分離させる硫黄分離装置45を有している。硫黄分離装置45は、硫黄を吸着することが可能なゼオライト等の吸着部を有しており、硫黄分離装置45を吸着分離装置と称することもできる。なお、硫黄分離装置45は、硫黄の極性が比較的高いことを利用して燃料から硫黄を電気的に分離させる分離部を有していてもよい。
燃料供給システム10aは、供給通路21から分岐した分岐通路46と、燃料の流れる通路を供給通路21又は分岐通路46に切り替える切り替えバルブ47とを有している。硫黄分離装置45は分岐通路46に設けられており、分岐通路46は、硫黄分離装置45よりも下流側において供給通路21に再び合流している。切り替えバルブ47は、分岐通路46に燃料を流さない通常状態と、全ての燃料を分岐通路46に流す分岐状態とに移行可能になっている。制御ユニット19は、切り替えバルブ47に電気的に接続されており、指令信号を出力することで切り替えバルブ47の状態を切り替える。
制御ユニット19は、基本的に上記第1実施形態と同様の燃料管理処理を実行する。ただし、本実施形態では、図20において、ステップS101の処理に代えてステップS701の処理を行う。ステップS701では、硫黄含有量Vを推定するか否かの判定を行う。ここでは、エンジン11が運転状態にあることを条件として、前回の硫黄含有量Vの推定処理から所定のエンジン運転時間や所定の車両走行距離に達したか否かを判定する。このため、本実施形態では、硫黄含有量Vの推定処理を運転時間や走行距離に応じて繰り返し行うことになる。
硫黄含有量Vを推定する場合、上記第1実施形態と同様に、上記第5実施形態と同様にステップS102〜S108にて各処理を行う。なお、ステップS108の燃料報知処理では、異常な燃料を車両の走行に使用していることや、硫黄分離処理を行うことなどを示す画像等を表示部35に表示する。
ステップS107にて硫黄含有量Vが過剰に多いと判定された場合、ステップS108の後にステップS702に進み、硫黄分離処理を行う。この処理では、指令信号を出力することで切り替えバルブ47を通常状態から分岐状態に切り替える。この場合、燃料タンク16からコモンレール18に供給される燃料については、全て硫黄分離装置45を通過することになり、硫黄分離装置45にて硫黄が除去される。硫黄分離装置45は、燃料の硫黄含有量Vを硫黄閾値VTよりも少なくすることが可能になっている。
本実施形態によれば、燃料タンク16からエンジン11に供給される燃料を対象として、硫黄分離装置45により硫黄が除去される。このため、エンジン11にて燃焼される燃料は、硫黄含有量Vが硫黄閾値VTよりも少ない状態になり、硫黄酸化物を過剰に含む異常な排気がエンジン11から排出されるということを抑制できる。また、燃料タンク16に貯留された燃料が正常な燃料である場合は、燃料が硫黄分離装置45を通らずに燃料噴射弁15に供給される。このため、燃料供給ポンプ17で消費されるエネルギが、燃料が硫黄分離装置45を通る際の圧損等により増加するということを回避できる。すなわち、燃料供給システム10aが硫黄分離装置45を有する構成において、省エネルギ化を実現できる。
なお、本実施形態において、分岐通路46が分配通路22から分岐していてもよい。この場合、コモンレール18から分配通路22を通じて燃料噴射弁15に供給される燃料を対象として、硫黄分離装置45により硫黄を除去することができる。
(第8実施形態)
上記第1実施形態では、燃料の電気的な特性を利用して硫黄の含有量を推定していたが、第8実施形態では、極性が比較的高い成分である高極性成分の含有量を推定する。本実施形態では、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
燃料に含まれる可能性がある高極性成分としては、硫黄の他に水などが想定される。燃料供給システム10aにおいては、給油口等から燃料タンク16に水が浸入することが考えられる。このように、燃料に混入した水が過剰に多くなると、燃料タンク16等で錆が発生することや、燃料の潤滑性が低下して燃料供給システム10aによるエンジン11への燃料供給が適正に行われなくなること、などが懸念される。なお、上記第1実施形態で説明したように、燃料に硫黄が過剰に含まれていると二酸化硫黄が過剰に含まれた排気がエンジン11から排出されることが懸念される。
これに対して、本実施形態では、燃料に含まれる高極性成分の含有量を推定する。制御ユニット19は、基本的に上記第1実施形態と同様の燃料管理処理を実行する。ただし、本実施形態では、ステップS106にて、硫黄含有量Vの推定に加えて、高極性成分の含有量として水含有量の推定を行う。記憶部19bには、相関データD1に加えて、誘電率比較値Cと水含有量との相関関係を示す相関データが記憶されており、ここでは、この相関データを記憶部19bから読み込み、読み込んだ相関データを用いて誘電率比較値Cから水含有量を推定する。この相関データとしては、相関データD1と同様に、マップや数値データ、数式が挙げられる。なお、記憶部19bには、硫黄や水の他にも高極性成分の含有量と誘電率比較値Cとの相関関係を示す相関データが記憶されており、この相関データを用いることで高極性成分の含有量を推定することが可能になっている。
ステップS107では、硫黄含有量Vの判定処理に加えて、水含有量が所定の水閾値以上であるか否かを判定する。水閾値は、硫黄閾値VTと同様に、間接誘電率ε2を基準として設定される。なお、試験等により燃料供給システム10aにて錆の発生確率が過剰に高くなる水含有量を測定しておき、この水含有量を水閾値として設定してもよい。
本実施形態によれば、燃料を対象として硫黄や水といった高極性成分の含有量が推定される。このため、エンジン11からの異常な排気の排出を抑制できるのはもちろんのこと、燃料供給システム10aで錆が発生することや、燃料供給システム10aによる燃料供給が適正に行われないことなどを抑制できる。
なお、本実施形態については、誘電率や電気伝導率により高極性成分の含有量を推定してもよい。例えば、高極性成分の含有量と誘電率や電気伝導率との相関関係を示す相関データが記憶部19bに記憶されており、この相関データを用いて誘電率や電気伝導率から高極性成分の含有量を推定する。
(他の実施形態)
以上、本開示による複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
変形例1として、上記第1実施形態において、直接誘電率ε1等の第1パラメータと、間接誘電率ε2等の第2パラメータとが、燃料について互いに異なる性状を示すパラメータであってもよい。例えば、直接誘電率ε1が第1パラメータとされ、密度ρが第2パラメータとされた構成とする。この構成でも、硫黄含有量Vに応じた変化度合いが、第1パラメータである直接誘電率ε1に比べて、密度ρである第2パラメータの方が小さい、という構成を実現できる。このように、第1パラメータと第2パラメータとで単位が異なる場合でも、これらパラメータで共通の基準値を設定することで、これらパラメータを比較した比較値を算出することが可能になる。したがって、この比較値を用いて硫黄含有量Vを推定することも可能になる。
変形例2として、上記第1実施形態において、第1パラメータ及び第2パラメータは、燃料について同一の性状を示し且つ誘電率とは異なるパラメータでもよい。例えば、第1パラメータ及び第2パラメータがいずれも電気伝導率とされた構成とする。この構成では、上記第3実施形態の電気伝導率センサ41により直接電気伝導率が検出され、電気伝導率と密度との相関関係を示す相関データを用いて密度から間接電気伝導率が算出される。そして、第1パラメータである直接電気伝導率と、第2パラメータである間接電気伝導率とを比較して比較値を算出し、この比較値と硫黄含有量Vとの相関関係を示す相関データを用いて比較値から硫黄含有量Vを推定する。
変形例3として、上記第1実施形態において、第3パラメータは密度ρでなくてもよい。ここで、基礎パラメータとして選択可能な動粘度やセタン価、発熱量、蒸留特性等のパラメータは、硫黄含有量Vに応じた変化度合いが比較的小さいパラメータであり、これらパラメータのいずれかを第3パラメータとして用いてもよい。例えば、動粘度が第3パラメータとされ、第2パラメータである誘電率と動粘度との相関関係を示す相関データを用いて、動粘度から間接誘電率ε2が算出される構成とする。このように、第2パラメータと第3パラメータとの相関関係を用いることで、第3パラメータから第2パラメータを算出することができる。
変形例4として、上記第1実施形態において、第1パラメータを誘電率とは異なるパラメータにしてもよい。例えば、電気伝導率を第1パラメータとする。また、第3パラメータを密度とは異なるパラメータにしてもよい。例えば、動粘度を第3パラメータとする。これらの場合でも、電気伝導率と動粘度との相関関係を示す相関データを用いて、第3パラメータである動粘度から第2パラメータとしての間接電気伝導率を算出することで、第1パラメータである直接電気伝導率と間接電気伝導率とを比較することが容易になる。
変形例5として、上記第1実施形態において、必ずしも硫黄含有量Vを推定しなくてもよい。これは、誘電率比較値Cが比較閾値CTより大きい場合、硫黄が燃料に過剰に含まれているということが明らかなためである。例えば、図4においてステップS106の硫黄含有量Vを推定する処理を行わず、ステップS107の硫黄含有量Vの判定処理に代えて、誘電率比較値Cが比較閾値CTより大きいか否かを判定する処理を行う。この構成では、誘電率比較値Cを算出するステップS105の処理が、実質的に硫黄含有量Vを推定する処理に相当する。
変形例6として、上記第1実施形態において、誘電率センサ31や密度センサ32の検出対象となる燃料は燃料タンク16内の燃料でなくてもよい。例えば、供給通路21や分配通路22、戻り通路23を流れる燃料が誘電率センサ31や密度センサ32の検出対象とされた構成とする。この構成では、これら通路21〜23に誘電率センサ31や密度センサ32が取り付けられる。同様に、上記第2実施形態において、電気伝導率センサ41の検出対象となる燃料が、通路21〜23を流れる燃料であってもよい。
変形例7として、上記第7実施形態において、異常燃料対策処理として、エンジン11の燃焼室11aに還流される排気としてのEGRガスを減少させる処理が行われてもよい。例えば、燃焼システム10が排ガス再循環装置としてのEGR装置を有し、EGR装置の動作制御が制御ユニット19により行われる構成とする。制御ユニット19は、燃焼室11aに供給される吸入空気量に対するEGRガス量の割合であるEGR率が小さくなるように、EGRガスを減少させる。これにより、例えば硫黄が過剰に多い異常な燃料がエンジン11にて燃焼された場合に、過剰に多い硫黄酸化物を含む排気がEGRガスとしてエンジン11にて燃焼されるということを抑制できる。ここで、EGRガスに含まれる硫黄酸化物が多いほど、エンジン11へのEGRガスの流入に伴ってエンジン部品等の腐食が発生しやすいと考えられる。このため、EGRガスを減少させることでエンジン11への硫黄酸化物の流入量が減少することにより、エンジン部品等の腐食が発生することを抑制できる。
また、異常燃料対策処理として、燃料噴射弁15により多段噴射が行われる場合に、ポスト噴射量を増加させる処理が行われてもよい。ここで、窒素酸化物であるNOxを吸着するNOx触媒が排気通路に設けられている構成では、過剰に多い硫黄酸化物が排気に含まれている場合に、この硫黄酸化物がNOx触媒に大量に付着し、NOx触媒のNOx吸着性能が著しく低下することが懸念される。これに対して、ポスト噴射量を増加させると、NOx触媒の温度が上昇して硫黄酸化物がNOx触媒から離脱しやすくなる。これにより、NOx触媒にNOx吸着能力を適正に発揮させることができる。
変形例8として、燃料推定装置及び内燃機関の制御装置としての機能を発揮する構成は、制御ユニット19ではなく、車両に搭載された種々の演算装置であってもよく、複数の演算装置が協働で制御装置としての機能を発揮してもよい。また、各演算装置に設けられたフラッシュメモリやハードディスク等の非遷移的実体的記憶媒体に各種プログラムが記憶されていてもよい。
10a…燃料供給システム、11…内燃機関としてのエンジン、19…燃料推定装置及び制御装置としての制御ユニット、37…電源スイッチとしてのイグニッションスイッチ、43…硫黄計測装置、C…パラメータ比較値としての誘電率比較値、D1,D2…相関データ、V…硫黄含有量、VT…閾値としての硫黄閾値、ε1…第1パラメータとしての直接誘電率、ε2…第2パラメータとしての間接誘電率、ρ…第3パラメータとしての密度、S102…第1取得部、S103…第3取得部、S104…第2取得部、S106…硫黄推定部、S108…報知実行部、S202…第3取得部。

Claims (12)

  1. 内燃機関(11)に燃料を供給する燃料供給システム(10a)にて貯留された前記燃料を対象として硫黄含有量(V)を推定する燃料推定装置(19)であって、
    前記燃料の性状を示し且つ前記硫黄含有量に応じて変化する第1パラメータ(ε1)を取得する第1取得部(S102)と、
    前記燃料の性状を示し且つ前記硫黄含有量に応じた変化度合いが前記第1パラメータに比べて小さい第2パラメータ(ε2)を取得する第2取得部(S104)と、
    前記第1取得部により取得された前記第1パラメータと前記第2取得部により取得された前記第2パラメータとを比較することで前記硫黄含有量を推定する硫黄推定部(S106)と、
    を備えている燃料推定装置。
  2. 前記第2取得部は、
    前記燃料について前記第1パラメータと同じ性状を示すパラメータを前記第2パラメータとして取得する、請求項1に記載の燃料推定装置。
  3. 前記第1パラメータ及び前記第2パラメータはいずれも前記燃料の誘電率である、請求項2に記載の燃料推定装置。
  4. 前記燃料について前記第1パラメータとは異なる性状を示し且つ前記燃料での前記硫黄含有量に応じた変化度合いが前記第1パラメータに比べて小さい第3パラメータ(ρ)を取得する第3取得部(S103,S202)を備え、
    前記第2取得部は、
    前記第3取得部により取得された前記第3パラメータを用いて前記第2パラメータを取得する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料推定装置。
  5. 前記第3取得部は、
    前記燃料について前記第1パラメータに加えて前記第2パラメータとも異なる性状を示すパラメータを前記第3パラメータとして取得する、請求項4に記載の燃料推定装置。
  6. 前記第3パラメータは前記燃料の密度である、請求項4又は5に記載の燃料推定装置。
  7. 前記第2取得部は、
    前記第2パラメータと前記第3パラメータとの相関を示す相関データ(D1)を用いて、前記第3パラメータから前記第2パラメータを取得する、請求項4〜6のいずれか1つに記載の燃料推定装置。
  8. 前記硫黄推定部は、
    前記第1パラメータと前記第2パラメータとを比較したパラメータ比較値(C)と前記硫黄含有量との相関を示す相関データ(D2)を用いて、前記パラメータ比較値から前記硫黄含有量を推定する、請求項1〜7のいずれか1つに記載の燃料推定装置。
  9. 前記硫黄推定部は、前記内燃機関が停止状態にある場合に前記硫黄含有量を推定する、請求項1〜8のいずれか1つに記載の燃料推定装置。
  10. 燃料の燃焼を行う内燃機関(11)の制御を行う制御装置(19)であって、
    前記内燃機関にて貯留された前記燃料の性状を示し且つ前記燃料での硫黄含有量(V)に応じて変化する第1パラメータ(ε1)を取得する第1取得部(S102)と、
    前記内燃機関にて貯留された前記燃料の性状を示し且つ前記硫黄含有量に応じた変化度合いが前記第1パラメータに比べて小さい第2パラメータ(ε2)を取得する第2取得部(S104)と、
    前記第1取得部により取得された前記第1パラメータと前記第2取得部により取得された前記第2パラメータとを比較することで前記硫黄含有量を推定する硫黄推定部(S106)と、
    前記硫黄推定部により推定された前記硫黄含有量が所定の閾値(VT)より多い場合に、所定の報知処理を行う報知実行部(S108)と、
    を備えている内燃機関の制御装置。
  11. 前記硫黄推定部は、前記内燃機関を始動させるための電源スイッチ(37)がオンされた場合に前記硫黄含有量を推定し、
    前記報知実行部は、前記内燃機関が始動する前のタイミングで、前記硫黄含有量が前記閾値より多いことを報知する、請求項10に記載の内燃機関の制御装置。
  12. 内燃機関(11)に燃料を供給する燃料供給システム(10a)から前記燃料を取り込み可能に設けられ、前記燃料供給システムから取り込んだ前記燃料に含まれる硫黄含有量を計測する硫黄計測装置(43)、を備えている燃料計測システム。
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