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JP2018531619A - 灌流様式において組換えたんぱく質の生産プロファイルを調節する方法 - Google Patents

灌流様式において組換えたんぱく質の生産プロファイルを調節する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、細胞培養の分野である。具体的には、本発明は、濃縮された細胞培養培地を用いて、灌流様式溜で組み換えタンパク質を発現する哺乳類動物宿主細胞を培養する方法に関する。
【選択図】図1

Description

発明の分野
本発明は、細胞培養の分野である。特に、本発明は、灌流様式で組換えたんぱく質を発現する宿主細胞を、濃縮細胞培養培地を用いて培養する方法に関する。
発明の背景
最大限の生産性を得るための培養条件の最適化は、組換えたんぱく質生産の主な目的のひとつである。わずかな生産性の増加でさえ経済学的な観点では有意となり得る。多くの商業的に関連するたんぱく質は、宿主細胞中において組換えにより生産される。これにより効率的且つ費用効果の高い様式でこれらのたんぱく質を生産する必要が生じる。残念ながら、組換えたんぱく質生産の欠点のひとつは、細胞培養が実施される条件が、通常、経時的な細胞生存率の低下を指示し、効率及び全体的な生産性の両方を低下させることである。
灌流培養、バッチ培養、及び流加培養は、組換えたんぱく質を生産するための動物細胞を培養する基本的な方法である。灌流を用いる細胞培養はバイオ産業において数十年間に渡り使用されてきた。実際に、灌流様式は組換えによって生産したたんぱく質の高い収率を達成する有効な手段である。この培養様式はまた、より小さなサイズのバイオリアクターを、例えば流加培養と比べて少なくとも同様の収量を得るために使用することができるという利点も有する。
頻繁に、特に灌流法において、誘導剤が細胞中のたんぱく質生産を増加させる培養液へ加えられる。これらの誘導因子はより所望される産物を生産するように細胞を誘導する。そのような薬剤のひとつはである。しかしながら、細胞培養において酪酸ナトリウムを使用することの欠点は、この使用が細胞生存率へ有意に影響することである。例えば、Kim et al(2004)は、酪酸ナトリウムはまた、生産運用の終了時(培養の8日後)、バッチ培養中の組換えCHO細胞においてたんぱく質産生を増加させたものの、細胞生存率は45%未満であったことを示している。灌流バッチ培養において同様の実験を繰り返したところ、本著者らは、処理の6日以内では細胞生存率が15%と低かった一方で、典型的な生産期間では灌流様式で最大40〜45日であり得るということに気が付いた。
多くのたんぱく質が最大40〜45日間培養された細胞により灌流様式で組換によって生産されるので、力価の上昇をもたらす、所与の灌流速度に対する生細胞密度増加のためのより効率的な生産運用、及び/又は長期間に渡り許容可能な細胞生存率の維持を可能にする方法が必要とされている。
したがって、力価の上昇をもたらす、生細胞密度増加のためのより効率的な生産運用、所与の灌流速度、及び/又は長期間に渡り許容可能な細胞生存率の維持を可能にする、培養条件及び生産方法に対する必要がまだ存在している。本発明は、より効率的な生産運用を可能にする方法及び組成物を提供することによって、本必要性に取り組む。
発明の概要
一態様において、本発明は、灌流様式で組換えたんぱく質を生産する方法を提供し、前記方法は濃縮した細胞培養培地において前記組換えたんぱく質を発現する哺乳類宿主細胞を培養すること含む。
さらなる態様において、本発明は、組換えたんぱく質を発現する哺乳類宿主細胞を灌流様式で培養する方法を提供し、前記方法は、濃縮細胞培養培地中の前記宿主細胞を培養することを含む。
別の態様において、本発明は、灌流様式での組換えたんぱく質の生産を増加させる方法を提供し、前記方法は、濃縮細胞培養培地中の前記たんぱく質を発現する哺乳類宿主細胞を培養することを含む。
さらなる態様において、本発明は濃縮細胞培養培地を提供し、前記濃縮細胞培養培地は灌流法に使用される。
さらに別の態様において、本明細書は、濃縮細胞培養培地を生産する方法を提供し、本方法は、(a)濃縮されていない標準培地の濃度に対して1.5倍〜5倍の所望の濃度にて主成分を全て一緒に混合して、一次濃縮細胞培養培地を得ること、(b)工程(a)の一次濃縮細胞培養培地へ、培地の質及び/又は培地の特定の特徴を調整するために必要とされる質を変えることなく濃縮することができない残留成分を、随意に加えること、並びに(c)重量モル浸透圧濃度を調整するために塩を加えること、を含む。
濃縮細胞培養培地を含む方法の何れかにおいて、又は本明細書に記載の濃縮細胞培養培地の何れかにおいて、前記濃縮細胞培養培地は、前記培地の重量モル浸透圧濃度を調整するために少なくとも1つの塩をさらに補充することができる。
図1は、化合物バランスに影響を与えず、且つ重量モル浸透圧濃度を一定に保つ、例示的な濃縮培地示す。 図2は、次の培地にて実行されたバッチ培養複製物の細胞mAb1のVCDプロファイルを示す:01〜02PM:流加生産培地(対照)/03〜04PM1X:枯渇粉末を用いる流加プラットフォーム培地模倣物/05〜06PM1.5X:因子1.5により強化された培地/07〜08PM2X:因子2により強化された培地。(A)0日目〜6日目まで、(B)同一の実験を最大10日目まで継続。 図3は、次の培地にて実行されたバッチ培養複製物の細胞mAb1の生存率プロファイルを示す:01〜02PM:流加生産培地(対照)/03〜04PM1X:枯渇粉末を用いる流加プラットフォーム培地模倣物/05〜06PM1.5X:因子1.5により強化された培地/07〜08PM2X:因子2により強化された培地。(A)0日目〜6日目、(B)同一の実験を最大10日目まで継続。 図4は、次の培地にて実行されたバッチ培養複製物の細胞mAb2のVCDプロファイルを示す:01〜02PM:流加生産培地(対照)/03〜04PM1X:枯渇粉末を用いる流加プラットフォーム培地模倣物/05〜06PM1.5X:因子1.5により強化された培地/07〜08PM2X:因子2により強化された培地。(A)0日目〜6日目、(B)同一の実験を最大10日目まで継続。 図5は、次の培地にて実行されたバッチ培養複製物の細胞mAb2の生存率プロファイルを示す:01〜02PM:流加生産培地(対照)/03〜04PM1X:枯渇粉末を用いる流加プラットフォーム培地模倣物/05〜06PM1.5X:因子1.5により強化された培地/07〜08PM2X:因子2により強化された培地。(A)0日目〜6日目、(B)同一の実験を最大10日目まで継続。 図6は、抗体mAb1を発現する宿主細胞について、時間(6日目〜10日目)に関連する力価(Biacore(登録商標))を示す。バッチ培養複製を、次の培地にて実行した:01〜02PM:流加生産培地(対照)/03〜04PM1X:枯渇粉末を用いる流加プラットフォーム培地模倣物/05〜06PM1.5X:因子1.5により強化された培地/07〜08PM2X:因子2により強化された培地。 図7は、抗体mAb2を発現する宿主細胞について、時間(6日目〜10日目)に関連する力価(Biacore(登録商標))を示す。バッチ培養複製を、次の培地にて実行した:01〜02PM:流加生産培地(対照)/03〜04PM1X:枯渇粉末を用いる流加プラットフォーム培地模倣物/05〜06PM1.5X:因子1.5により強化された培地/07〜08PM2X:因子2により強化された培地。 図8は、次の培地にて実行されたバッチ培養複製物の細胞FPのVCDプロファイルを示す:01〜02PM:流加生産培地(対照)/03〜04PM1X:枯渇粉末を用いる流加プラットフォーム培地模倣物/05〜06PM1.5X:因子1.5により強化された培地/07〜08PM2X:因子2により強化された培地。 図9は、次の培地にて実行されたバッチ培養複製物の細胞FPの生存率プロファイルを示す:01〜02PM:流加生産培地(対照)/03〜04PM1X:枯渇粉末を用いる流加プラットフォーム培地模倣物/05〜06PM1.5X:因子1.5により強化された培地/07〜08PM2X:因子2により強化された培地。 図10は、融合たんぱく質FPを発現する宿主細胞について、時間(7日目〜10日目)に関連する力価(Biacore(登録商標))を示す。バッチ培養複製を、次の培地にて実行した:01〜02PM:流加生産培地(対照)/03〜04PM1X:枯渇粉末を用いる流加プラットフォーム培地模倣物/05〜06PM1.5X:因子1.5により強化された培地/07−08PM2X:因子2により強化された培地。
発明の詳細な説明
矛盾する場合、本明細書(定義を含む)が支配的となる。
他に定義されない限り、本明細書にて使用される全ての技術及び科学用語は、本明細書の主題が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書にて使用される場合、以下の定義が本発明の理解を容易にするため提供される。
本明細書及び特許請求の範囲にて使用される場合、本明細書において「A及び/又はB」といった句において使用される用語「及び/又は(and/or)」は、「A及びB」、「A又はB」、「A」、及び「B」を包含するように意図される。
本明細書及び特許請求の範囲にて使用される場合、用語「細胞培養」又は「培養」とは、細胞のインビトロ(すなわち、生物外又は組織外)の増殖及び伝播を意味する。哺乳類細胞に好適な培養条件は当技術分野にて周知であり、Cell Culture Technology for Pharmaceutical and Cell−Based Therapies(2005)等において教示されている。哺乳類細胞は、懸濁中に培養されてもよいか、又は固体基質に付着させて培養してもよい。
用語「細胞培養培地」、「細胞培地(culture medium)」、「培地(medium)」、及びこれらのあらゆる複数形は、あらゆる種類の細胞を培養することができるあらゆる培地を指す。「基本培地」とは、細胞代謝に有用である重要な成分の全てを含有する細胞培養培地を指す。基本培地には、例えば、アミノ酸、脂質、炭素源、ビタミン、及び無機塩類が含まれる。DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)、RPMI(ロズウェルパーク記念研究所培地)、又はF12X培地(ハムF12培地)は、市販の基本培地の例である。あるいは、前記基本培地は、本明細書において「合成培地」又は「合成培養液」とも称され、構成成分の全てを化学式によって記述することができ、既知の濃度にて存在する、完全に自社で開発された専売培地であってもよい。培地は、たんぱく質を含有しなくとも、及び/又は血清を含有しなくともよく、そしてあらゆる付加化合物(アミノ酸、塩、糖、ビタミン、ホルモン、増殖因子等)によって、培養液中の細胞の必要に応じて、補充することができる。前記基本培地は、本明細書においてあるいは、生産培地又は生産培養液と呼ばれる。本発明の文脈において、用語「細胞培養培地」、「培養液」又は「培地」が灌流法と関連して使用される場合、前記培地は代わりに「灌流培地」と呼ぶことができる。同じことが、「灌流基本培地」と変わりに呼ばれる「基本培地」にも適用される。
用語「バイオリアクター」又は「培養系」とは、細胞を培養することができるあらゆるシステムを指す。この用語には、これらに限定されないが、フラスコ、静置フラスコ(static flask)、スピナーフラスコ、管、振盪管(shake tube)、振盪ビン(shake bottle)、波動バッグ(wave bag)、バイオリアクター、繊維バイオリアクター、流動床バイオリアクター、及びマイクロキャリアを備えた又は備えていない撹拌槽バイオリアクターが含まれる。あるいは、用語「培養系」にはまた、マイイクロタイタープレート、毛細管又はマルチウェルプレートも含まれる。あらゆるサイズのバイオリアクターを使用することができ、例えば、0.1mL、0.5mL、1mL、5mL、0.01L、0.1L、1L、2L、5L、10L、50L、100L、500L、1000L(若しくは1KL)、2000L(若しくは2KL)、5000L(若しくは5KL)、10000L(若しくは10KL)、15000L(若しくは15KL)、又は20000L(20KL)といった、0.1ミリリットル(0.1mL、極小スケール)〜20000リットル(20000L又は20KL、ラージスケール)を使用することができる。灌流様式において、1L〜2KLのバイオリアクターが通常用いられる。
用語「灌流」とは、細胞培養が新鮮な灌流培地又は新鮮な灌流基本培地を受け取る一方で、同時に使用済み培地を除去する、細胞増殖方法を指す。灌流は、連続的、段階的、断続的、又はこれらの何れかのあらゆる組合せ、若しくは全てであってもよい。灌流速度は1日当たりの多くの作業量よりも少ない作業量であってもよい。好ましくは、細胞は培地中に残り、取り除かれる使用済み培地は実質的に細胞を含有しないか、又は培地よりも実質的に少ない細胞数を有する。灌流は、遠心分離、沈降、又は濾過(例えば、Voisard et al.,2003を参照のこと)を含む多数の細胞保持技術によって達成することができる。本発明の方法及び/又は細胞培養技術を用いる場合、組換えたんぱく質は、概して培養液中へ直接分泌される。一旦前記たんぱく質が培地中に分泌されると、そのような発現系からの上清は、先ず市販のたんぱく質濃縮フィルターを用いて濃縮することができる。今日の時点では、灌流を実験室規模で(ごく少量で)実施する方法は存在しない。しかしながら、バッチ培養にて観測される主な傾向は、一般的に、灌流培養において類似したままであるようだ(Continuous bioprocess: current practice and future potential,2014)。通常、微調整のみが必要とされる。したがって、小型バイオリアクターを使用して、その後灌流細胞培養に適用する多数の培地又は条件をスクリーニングすることができる。
本明細書にて使用される場合、「細胞密度」とは、所与の量の培養液中における細胞の数を指す。「生細胞密度」(又はVCD)とは、標準生存率アッセイにより定義された、所与の量の培養液中における生細胞の数を指す。用語「高細胞密度」又は「より高い生細胞密度」、及びこれらの同意語は、対照培養条件と比較した場合、所与の灌流速度について、細胞密度又は生細胞密度が少なくとも15%増加していることを意味する。細胞密度は、所与の灌流速度について、対照培養条件と比較して−15%〜15%の範囲である場合、維持されるものと考えられる。用語「低細胞密度」又は「より低い生細胞密度」、及びこれらの同意語は、所与の灌流速度について、対照培養条件と比較して、細胞密度又は生細胞密度が少なくとも15%減少していることを意味する。
用語「生存率」又は「細胞生存率」とは、生細胞の総数と、培養中の細胞の総数との割合を指す。生存率は、通常60%以上であれば許容することができる。生存率は収集時期を決定するためにしばしば使用される。
表現「力価」とは、溶液中の物質(本明細書においては目的のたんぱく質)の量又は濃度を指す。力価は溶液を希釈することができる回数の指標であり、さらに、目的の分枝の検出可能な量を包含する。力価は、例えば、目的のたんぱく質を含有する資料を連続的(1:2、1:4、1:8、1:16等)に希釈し、次いで適切な検出法(比色分析、クロマトグラフィー等)を使用し、各希釈を目的のたんぱく質の検出可能レベルの存在についてアッセイすることによって、定期的に算出される。力価はまた、実施例の章で使用したような、forteBIO Octet(登録商標)又はBiacore C(登録商標)による等の手段によって測定することもできる。灌流様式では、通常、収集力価を指す。力価はまた、収集の前にバイオリアクター中で測定することもできる。
用語「特異的生産性」とは、細胞1日当たり製造される物質(本明細書においては、目的のたんぱく質)の量を指す。
用語「高力価」又は「より高い生産性」、及びこれらの同意語は、対照培養条件と比較した場合、力価又は生産性が少なくとも10%増加していることを意味する。力価又は特異的生産性は、対照培養条件と比較して−10%〜10%の範囲である場合、維持されるものと考えられる。用語「低力価」又は「低生産性」、及びこれらの同意語は、対照培養条件と比較した場合、力価又は生産性が少なくとも10%減少していることを意味する。
本明細書にて使用される場合、用語「たんぱく質」はペプチド及びポリペプチドを包含し、2つ以上のアミノ酸残渣を含む化合物を指す。本発明によるたんぱく質には、これらに限定されないが、サイトカイン、増殖因子、ホルモン、融合たんぱく質、抗体、又はそのフラグメントが含まれる。治療用たんぱく質とは、治療に使用することができるたんぱく質、又は値用に使用されるたんぱく質を指す。
用語「組換えたんぱく質」とは、組換え技術によって製造されたたんぱく質を意味する。組換え技術は、当業者に周知である(例えば、Sambrook et al.,1989、及び最新情報を参照のこと)。
本明細書及び特許請求の範囲にて使用される場合、用語「抗体(antibody)」及びその複数形「抗体(antibodies)」には、とりわけ、ポリクローナル抗体、アフィニティー精製ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、並びに抗原結合性フラグメント(F(ab’)2、Fabたんぱく質分解フラグメント、及び単鎖可変領域フラグメント(scFvs)等)が含まれる。一般的に、遺伝子操作された未変性の抗体又はフラグメント(キメラ抗体、scFv、及びFabフラグメント等)、並びに合成抗原結合性ペプチド及びポリペプチドもまた含まれる。
用語「ヒト化」免役グロブリンとは、非ヒト(通常、マウス又はラット)免役グロブリン由来のヒトフレームワーク領域及び1対上のCDRを含む、免役グロブリンを指す。CDRを提供する非ヒト免役グロブリンは、「ドナー」と呼ばれ、フレームワーク領域を提供するヒト免役グロブリンは「アクセプター」と呼ばれる(ヒトフレームワーク領域及び定常領域上に非ヒトCDRを移植することによって、又はヒト定常領域(キメラ化)上の非ヒト可変ドメイン全体を組み入れることによる、ヒト化)。定常領域が存在する必要はないが、もし存在する場合、実質的にヒト免役グロブリン定常領域と同一、すなわち、少なくとも約85〜90%、好ましくは約95%以上同一でなくてはならない。したがって、ヒト化免役グロブリンの全部分(エフェクター機能の修飾が必要である場合、可能であれば重鎖定常領域におけるCDR及びいくつかの残基を除く)は、天然ヒト免役グロブリン配列の対応する部分と実質的に同一である。
ヒト化抗体によって、生物学的半減期が増加する可能性があり、ヒトに対する投与に有害な免疫反応の可能性は減少する。
本明細書及び特許請求の範囲にて使用される場合、用語「完全ヒト」免役グロブリンとは、ヒトフレームワーク領域及びヒトCDRの両方を含む免役グロブリンを指す。定常領域が存在する必要はないが、もし存在する場合、実質的にヒト免役グロブリン定常領域と同一、すなわち、少なくとも約85〜90%、好ましくは約95%以上同一でなくてはならない。したがって、完全人免役グロブリンの全部分(エフェクター機能又は薬物速度論的特性の修飾が必要である場合、可能であれば重鎖定常領域におけるわずかな残渣を除く)は、天然ヒト免役グロブリン配列の対応する部分と実質的に同一である。いくつかの例において、アミノ酸変異は、抗体の結合親和性を改善するため、及び/又は抗体の免役原性を減少させるため、及び/又は抗体の生化学的/生物物理学的特性を改善するために、CDR、フレームワーク領域、又は定常領域中に導入してもよい。
用語「組換え抗体」は、組換え技術によって製造された抗体を意味する。抗体産生における組換えDNA技術の関連性のため、天然抗体に見出されるアミノ酸の配列に限局する必要はない;抗体は、所望の特徴を得るために再設計することができる。可能なバリーションは多く、わずか1個又は数個のアミノ酸の変化から、例えば可変ドメイン又は定常ドメインの完全な再設計にまで渡る。定常領域における変化は、一般的に、補体結合(例えば、補体依存性細胞傷害、CDC)、Fc受容体との相互作用、及びその他のエフェクター機能(例えば、抗体依存性細胞傷害、ADCC)、薬物速度論的特性(例えば、新生児Fc受容体への結合;FcRn)といった特徴を、改善、減少、又は変化させるためになされる。可変ドメインにおける変化は抗原結合性の特徴を改善するためになされる。抗体に加えて、免役グロブリンは、例えば、単鎖、又はFv、Fab、及び(Fab’)2、並びに二重特異性抗体、線状抗体(linear antibody)、多価若しくは多選択性ハイブリッド抗体を含む、様々なその他の形態で存在し得る。
本明細書にて使用される場合、用語「抗体部分」とは、未変性又は完全長の鎖又は抗体のフラグメント、通常は結合領域又は可変領域を指す。前記部分又はフラグメントは、未変性鎖/抗体の少なくとも1つの活性を維持すべきであり、すなわち、これらは「機能部分」又は「機能フラグメント」である。これらが少なくとも1つの活性を維持するのであれば、標的結合特性を維持することが好ましい。抗体部分(又は抗体フラグメント)の例としては、これらに限定されないが、「単鎖Fv」、「単鎖抗体」、「Fv」、又は「scFv」が挙げられる。これらの用語は、重鎖及び軽鎖の両方に由来する可変ドメインを含むが定常領域を欠く、単一のポリペプチド鎖内の全ての抗体フラグメントを指す。概して、単鎖抗体は、抗原結合を可能にする所望の構造を形成することができる、VHドメインとVLドメインとの間のポリペプチドリンカーをさらに含む。特定の実施形態において、単鎖抗体はまた、二重特異性であるか、及び/又はヒト化されていてもよい。
「Fabフラグメント」は、1つの軽鎖、並びに1つの重鎖の可変ドメイン及びCH1ドメインからなる。Fab分子の重鎖は別の重鎖分子とジスルフィド結合を形成することができない。鎖間ジスルフィド結合が2つの重鎖の間で形成されるように、1つの軽鎖及び1つの重鎖を含有し、CH1ドメインとCH2ドメインとの間により多くの定常領域を含有する「Fab’フラグメント」は、F(ab’)2分子を呼ばれる。「F(ab’)2」は、鎖間ジスルフィド結合が2つの重鎖の間に形成されるように、CH1ドメインとCH2ドメインとの間に定常領域の一部を含有する、2つの軽鎖及び2つの重鎖を含有する。いくつかの重要な用語を定義したことで、本発明の特定の実施形態に注目することが可能となった。
本発明に従って作成することができる周知の抗体の例として、これらに限定されないが、アダリムマブ、アレムツズマブ、ベリムマブ、ベバシズマブ、カナキヌマブ、セトロリズマブ、ペゴル、セツキシマブ、デノスマブ、エクリズマブ、ゴリムマブ、インフリキシマブ、ナタリズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、シルツキシマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、ウステキヌマブ、又はベドリゾマブ(vedolizomab)が挙げられる。
用語「誘導剤」、「誘導因子」、又は「生産性向上剤(productivity enhancer)」とは、細胞培養中へ加えた場合、生産能力の向上若しくはたんぱく質産生の増加を可能にする、化合物又は組成物(そのような培養液)を指す。例えば、大腸菌産生に関して周知の誘導因子のひとつは、IPTG(イソプロピルβ−D−l−チオガラクトピラノシド)であり、CHO産生に関して周知の誘導因子は、とりわけ、酪酸ナトリウム、ドキシサイクリン、又はデキサメタゾンである。
用語「対象」とは、哺乳類(ヒト、イヌ、雌ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、又はラット等)を含むように意図されるが、これらに限定されない。より好ましくは、対象はヒトである。
灌流培養の重要な態様は、培地組成及び灌流速度である。灌流速度は細胞に対して利用可能である栄養素の量を決定し、培地組成はこれらの異なる化合物間の比率を決定する。細胞培養培地の適切なバランスは細胞代謝に重要である。化合物の何れの超過も、望ましくない経路、及び培養生存率に害を及ぼし得る、ある種の毒性化合物の蓄積をもたらす可能性がある。一旦良好なバランスの培地が利用可能になれば、灌流速度を変更して、細胞の必要性に加え栄養分の調整をすることができる。灌流速度を増加させるとより多くの栄養分が細胞へ与えられる。当然、副産物が細胞によって分泌されるため、除去する必要がある。再び、灌流速度を変更して、この除去能力を調整してもよい。灌流速度が増加した場合、廃棄化合物の除去率が増加する。
異なるアプローチによって灌流培養を最適化することができる。目標が灌流速度の最小化である場合、流量を制限する。化合物添加速度を変えることなく灌流速度を減少させるために、培地を強化する必要がある。本発明は、主な化合物間の割合に影響を及ぼすことなく既に存在している細胞培養培地を強化し、重量モル浸透圧濃度を一定に保つ方法を記載している。
本発明は、灌流様式(灌流細胞培養)におけるより効率的な生産運用を、生細胞密度増加のため、所与の灌流速度に対して可能にする方法及び培地を提供し、並びに/又は産生されるたんぱく質の力価増加及び培地量消費の減少をもたらす、所与の灌流速度に対する経時的に許容可能な細胞生存率の維持を提供する。本発明は、より効率的な生産運用をもたらす、たんぱく質産生のための細胞培養培地の最適化(抗体又は抗原結合性フラグメントの生産等)、所与の灌流速度に対する生細胞密度の増加、生存率の維持、及び等量の培地量消費のための組換えたんぱく質の全体的な生産増加に基づく。
本発明者は、驚くべきことに、哺乳類細胞を濃縮細胞培養培地中において灌流様式で培養した場合、濃縮されていない細胞培養培地中において灌流様式で培養した同一の哺乳類細胞(同一の灌流速度、同一の主成分比率、同一の重量モル浸透圧濃度)と比較すると、所与の灌流速度に対する生細胞密度が増加し、そして生産期間が回避されている間(すなわち、より効率的な生産運用)は細胞生存率が実質的又は有意に低下していることを発見した。さらに、組換えたんぱく質の総生産を増加させることができる(すなわち、力価は増加し得る)。したがって、生産運用の効率を高めることが望ましい場合、灌流様式で、濃縮細胞培養培地を使用することができる。
一態様において、本発明は濃縮細胞培養培地を提供する。前記濃縮細胞培養培地の構成成分、少なくとも主成分は、濃縮されていない同様(すなわち、同一の主成分を同一の割合で含む)の培地の濃度(代替物はこの濃度で存在する)であるか、又はこの濃度よりも約1.5〜5倍(1.5X〜5X)高い濃度である。好ましくは、前記濃縮細胞培養培地の前記構成成分は、濃縮されていない同様の培地の濃度であるか、又はこの濃度よりも、約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、又は5倍(1.5倍〜(5倍)高い濃度である。さらにより好ましくは、前記濃縮細胞培養培地の前記構成成分は、濃縮されていない同様の培地の濃度であるか、この濃度よりも約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍高い濃度である。例として、濃縮されていない培地中における場合、システインは10mg/L、及びグルタミンは2mg/L(システイン/グルタミン比は5:1)であるため、1.5倍濃縮培地は、15mg/Lのシステイン及び3mg/Lのグルタミンを含有することとなり、そして5倍濃縮培地は、50mg/Lのシステイン及び10mg/Lのグルタミンを含有することとなる。どちらの場合においても、システイン/グルタミン比は5:1のままである。同一の原則は濃縮培養液の全主成分に対して自動的に適用される。生産培地に使用される濃縮された培地は、少なくとも2つの要素からなる:一次濃縮培地(通常は粉末として処方)、及び少なくとも1つの補充物(図1を参照のこと)。実際に、培地の構成成分のいくつかは、媒体の品質(例えば、凝集、溶解度等)に影響を及ぼさずに濃縮することができない。構成成分のいくつかはまた、培地の特定の特徴(例えば、重量モル浸透圧濃度、pH等)を調整するために使用される。したがって、いくつかの構成成分は一次濃縮培地の一部にはならないが、補充物として添加される。この、又はこれらの残留成分は、一次濃縮培地へ処方の後(例えば、一次濃縮培地が粉末として処方された場合には、一度は液体形態で)に補充物として添加される。これは、例えば、培地の重量モル浸透圧濃度の最大半分まで提供され得る塩の場合である。前記塩は、例えばNaCIであってもよい。本発明の文脈において、一次濃縮細胞培養培地は、液体又は粉末のいずれかとして、先ず少なくとも塩を含まずに処方される。前記塩は、一次濃縮培地の処方の後、例えば、一次濃縮培地が粉末として提供される場合一度は液体形態で、重量モル浸透圧濃度を調整するために添加される。好ましくは、濃縮培地の重量モル浸透圧濃度は、濃縮されていない比較可能な細胞培養培地のひとつと同一である。あるいは、細胞培養中に補充物として直接加えてもよい。同じことが、培地の品質に影響を及ぼさずに濃縮することができない、及び/又は培地の特定の特徴を調整するために必要とされる、その他の可能性のある構成成分へと適用することができる。塩として、これらの構成成分は、一次濃縮培地の処方後、例えば、一次濃縮培地が粉末として提供される場合一度は液体形態で、添加することができる。あるいは、これらの構成成分は、細胞培養中に補充物として直接加えてもよい。
本発明の目的のため、細胞培養培地(濃縮又は未濃縮)は、灌流様式でのインビトロ細胞培養における哺乳類細胞の増殖に好適な培地である。前記培地は好ましくは合成培地である。好ましくは、細胞培養培地は動物成分を含まない;これはつまり、無血清及び/又は無たんぱく質であってもよい。
また、本発明の文脈においては、重量モル浸透圧濃度及びpHといった液体培地の最終性質(又は特徴)を考慮することが重要である。重量モル浸透圧濃度は、必要に応じて、主な粉末製剤から取り除かれた塩を用いて、及び酸又は塩基によってpHを用いて調整することができる。pHは正しい量の緩衝塩を使用して調整することができ、重量モル浸透圧濃度への寄与は当然考慮する必要がある。
また、本明細書には、灌流様式で細胞培養中において使用する一次濃縮細胞培養培地が記載されており、その処方時に前記一次濃縮細胞培養培地は、好ましくは少なくとも塩が枯渇している。前記一次培地は、粉末形態又は液体形態で処方することができる。
別の態様において、本発明は、濃縮細胞培養培地を生産する方法を提供し、本方法は、(a)濃縮されていない標準培地の濃度に対して1.5倍〜5倍の所望の濃度にて主成分を全て一緒に混合して、一次濃縮細胞培養培地を得ること、(b)工程(a)の一次濃縮細胞培養培地へ、培地の質及び/又は培地の特定の特徴を調整するために必要とされる質を変えることなく濃縮することができない残留成分を、随意に加えること、並びに(c)重量モル浸透圧濃度を調整するために塩を加えること、を含む。
さらなる態様において、本発明は、細胞培養における誘導因子としての、灌流培養での本発明による濃縮細胞培養培地の使用を提供する。
別の態様において、本発明は灌流様式で組換えたんぱく質を生産する方法を提供し、前記方法は、本発明による濃縮細胞培養培地のひとつにおいて前記組換えたんぱく質を発現する哺乳類宿主細胞を培養することを含む。いくつかの好ましい実施形態において、宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)である。
あるいは、本発明は、組換えたんぱく質を発現する哺乳類宿主細胞を灌流様式で培養する方法を提供し、前記方法は、本発明による濃縮細胞培養培地のひとつにおいて前記宿主細胞を培養することを含む。いくつかの好ましい実施形態において、宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
さらなる態様において、本発明は、組換えたんぱく質の灌流様式における産生を増加させる方法を提供し、前記方法は、本発明による濃縮細胞培養培地のひとつにおいて前記たんぱく質を発現する哺乳類宿主細胞を培養することを含む。いくつかの好ましい実施形態において、宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
本発明による濃縮細胞培養培地を全体として使用する場合、高細胞密度を同様の灌流速度について支持することができる。細胞生存率は実質的又は有意に減少せず、組換えたんぱく質の全体産量は、構成成分が濃縮されていない同様の培地にて増殖した細胞と比べて増加していてもよい。
本明細書にて使用される場合、句「細胞生存率は実質的又は有意に減少しない」とは、濃縮培地を使用せずに増殖させた細胞と比較した場合、細胞生存率が対象培養(すなわち、濃縮培地を使用せずに増殖させた細胞)と比較して約15%以上減少しないことを意味する。
本発明の実施形態において、哺乳類宿主細胞(本明細書では哺乳類細胞とも称する)は、好ましくは、これらに限定されないが、HeLa、Cos、3T3、骨髄腫細胞株(例えば、NSO、SP2/0)、及びチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞からなる群から選択される。好ましい実施形態において、宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
本発明の全体としての文脈において、組換え哺乳類細胞はバイオリアクター等の培養系において増殖させる。バイオリアクターは培地中の生細胞を播種される。前記培地は、好ましくは本発明による濃縮培地である。あるいは、バイオリアクターは、濃縮培地が1倍培地の代わりに使用される培養の開始後から髄の時点で、1倍濃縮で培地中に生細胞を播種される。好ましくは、培地は無血清及び/又は無たんぱく質である。生産バイオリアクター中へ一旦播種されると、組換え細胞は指数増殖期を経る。灌流様式は、細胞増殖を支持する必要があるときはいつでも活性化することができ、運用中は一定に維持するのが理想的である。所望の細胞密度が達成されると、この細胞密度を一定に維持するために採血を活性化してもよい。したがって、培地は収集及び採血の合計に対応する流量で連続的に供給される。収集は、例えば、ATF(商標)といった細胞保持装置を介して回収される。
本発明による方法、培地、及び使用は、灌流様式における単一工程又は複数工程(又は多段階)培養プロセスによる、生産運用及び/又は組換えたんぱく質の総生産量を改善するために使用してもよい。多段階プロセスにおいて、細胞は2つ以上の別個の段階で培養される。例えば、細胞は、細胞増殖及び生存率を改善する条件下において先ず1つ以上の増殖相にて培養され、次いで、たんぱく質産生を改善する条件下において生産段階に移行する。複数工程培養プロセスにおいて、いくつかの条件を単一工程(又は単一段階)からその他(以下の通り)に変更してもよい:培地組成、pH変化、温度変化等。増殖段階は生産段階よりも高い温度で実施することができる。例えば、増殖段階は第1の温度約35℃〜約38℃で実施することができ、その後温度は第2の温度約29℃〜約37℃へと生産段階のために変化する。細胞培養は、プロセスが良好な生存率を支持する限り、数週間に渡り生産段階で維持することができる。
本発明にて哺乳類細胞株(「組換え細胞」又は「宿主細胞」とも称される)は、商業的又は科学的に関心のあるたんぱく質を発現するよう遺伝子改変される。関心のポリペプチドを発現する細胞及び/又は細胞株を遺伝子改変するための方法及びベクターは、当業者に周知である;例えば、種々の技術がAusubel et al.(1988、及び最新情報)又はSambrook et al.(1989、及び最新情報)にて解説されている。本発明の方法又は培地は、関心の組換えたんぱく質を発現する細胞を培養するために使用することができる。組換えたんぱく質は、通常、それらを回収することができる培地へと分泌される。その後、回収したたんぱく質を精製してもよく、又は既知のプロセス及び商業的な供給者から利用可能な生産物を用いて部分的に精製してもよい。精製したたんぱく質は、その後医薬組成物として処方することができる。医薬組成物に好適な処方は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1995)に記載される処方を包含する。
本発明の全体としての文脈において、組換えたんぱく質は、抗体又はその抗原結合性フラグメント(ヒト抗体若しくはその抗原結合性たんぱく質、ヒト化抗体若しくはその抗原結合性たんぱく質、キメラ抗体若しくはその抗原結合性たんぱく質、組換え融合たんぱく質、増殖因子、ホルモン、又はサイトカイン等)からなる群から選択される。
当業者であれば、本明細書に記載の本発明は、具体的に記載されたもの以外の変形及び修飾が可能であることを理解するであろう。本発明は、その趣旨又は本質的な特性から逸脱することなく全てのそのような変形及び修飾を包含するということが、理解されるべきである。本発明はまた、本明細書にて、個別に又は集合的に、並びに任意の組合せ及び全ての組合せ、又は任意の2つ以上の前記工程若しくは特色を、参照又は指示する、工程、特色、組成物、及び化合物の全てを包含する。したがって、本開示は、全ての態様が例的なものであり且つ制限的なものではないと考えられ、本発明の趣旨は付属の特許請求の範囲によって示され、そして等価の意味及び範囲に入る全ての変更は、その中に包含されることが意図される。
上記の説明は、以下の実施例を参照することでより完全に理解されるであろう。そのような実施例は、しかしながら、本発明を実施する方法の例示であって、本発明の範囲を限定するよう意図されるものではない。
材料及び方法
I.細胞、細胞増殖、及び細胞成長
(1)細胞
アッセイを2つのCHO細胞株で実施した:
・CHO−S細胞(lgG1 mAb1を発現する)。本明細書では「細胞mAb1」又は「mAb1細胞」。「mAb1」とは、可溶性たんぱく質に対する完全ヒトモノクローナル抗体である。mAb1の等電点(pi)は約8.20〜8.30である。
・CHO−K1細胞(lgG1 mAb2を発現する)。本明細書では、「細胞mAb2」又は「mAb2細胞」。「mAb2」とは、細胞膜上で発見される受容体に対するヒト化モノクローナル抗体である。mAb2の等電点(pi)は約9.30である。
・CHO−S細胞(融合たんぱく質FPを発現する)。本明細書では、「細胞FP」又は「FP細胞」。「FP」とはlgG1融合たんぱく質であり、可溶性免役たんぱく質を標的化する第2の部分に連結した膜たんぱく質(IgG部分)に対する一部を含む。FPの等電点(pi)は約6.3〜7.0である。
(2)細胞増殖
細胞増殖を、細胞増殖に好適な培地中の管において実施した。灌流におけるアッセイは少なくとも1週間の増殖後に開始した。
(3)播種
mAb1、mAb2、及びFPを発現する細胞を、mL当たり細胞0.3×106個で播種した。
(4)バッチ及び灌流
全てのアッセイは、灌流プロセスを模倣するためにバッチ培養中に実施した。宿主細胞は、Spin tubes(登録商標)(作業量:30mL)中にて、実験中は、36.5℃、相対湿度90%、5%のC02、及び320rpmの振盪の下で播種した。
II.分析方法
生細胞密度(VCD)及び生存率は、Guava easyCyte(登録商標)フローサイトメーター又はViCellで測定する。
抗体力価は、分子に応じて、Biacore C(登録商標)又はPA−HPLCのいずれかで測定する。糖鎖付加プロファイルは、レーザー誘起蛍光法(CGE−LIF)を用いたキャピラリーゲル電気泳動によって確立した。凝集物及びフラグメントの用量は、サイズ排除高圧液体クロマトグラフィー(SE−HPLC)及びSDSキャピラリーゲル電気泳動によってそれぞれ実施した。
結果及び考察
実施例1:培地調製
培地1(未濃縮培地;本明細書では「PM」)は、以下を用いて調製する。
・粉末1:主な栄養物及び塩(無たんぱく質及び/又は無血清)を含有、全て濃度1倍、及び所与の重量モル浸透圧濃度「O」
・随意のたんぱく質(培地を含有するたんぱく質が使用されるべきである)
・pH調節(pH「P」)のための緩衝塩
培地「PM1X」は、本明細書において「PM」と対応するが、pH調節を除き塩が枯渇していた。
培地2は、粉末1の構成成分全ての濃度を倍加したPMと同様の方法で調製した。しかしながら、倍加成分濃度は溶液の重量モル浸透圧濃度に多大な影響を及ぼした。このように、少なくとも塩が枯渇した粉末に基づく2つの培地(以下、PM1.5倍及びPM2倍)を処方することが決定した。この技術は、驚くべきことに、溶液重量モル浸透圧濃度に影響を及ぼすことなく主栄養物を濃縮することを可能にした。したがって、PM1.5倍及びPM2倍は以下の通りに調製した。
・PM1.5Xについて:粉末3(一次培地3)=塩が枯渇した粉末1(随意に、さらなる化合物、例えば化合物Yが枯渇)は、濃縮された1.5倍である構成成分であった;PM2Xについて:粉末4(一次培地4)=塩が枯渇した粉末1(随意に、さらなる化合物、例えば化合物Yが枯渇)は、濃縮された2倍である構成成分であった。
・随意のたんぱく質(PM1.5X及び/又はPM2Xはたんぱく質を含有するべきである)
・pH調節(PMに対して同一のpH「P」)のための緩衝塩
・重量モル浸透圧濃度を調整するための塩
・随意の化合物Y(化合物Yが一次培養液3又は4中に含有されない場合)
培地調製が完了する前に、pHを所望のレベルまで調節することが重要である。必要な補正が判明すると、緩衝塩量をそれに応じて変更することができる。
実施例2:細胞mAbl及び細胞mAb2における培地濃縮の影響
本明細書にて定義された濃縮培地の、細胞増殖及び代謝に対する影響を評価するため、バッチ及び灌流培養が調節及び異なる強化レベルで実施された。全ての実験を2回に渡り再現した。
例えば、バッチ培養における結果を以下の通り明らかにした。
・細胞は、最大2倍に濃縮された培地によって低細胞密度(播種密度=mlあたり細胞30万個)から増殖させることができる(図2、図4、及び図8)。
・1倍で濃縮された培地(PM及びPM1X)は、同様の成長曲線及び生存率プロファイルを示した(図2、図4、及び図8)。
・最大VCDは、1.5倍濃縮培地(PM1.5X)及び2倍濃縮培地(PM2X)によって有意に増加した(図2、図4、及び図8)。
・濃縮培地(PM1.5X及びPM2X)は生存率の低下を遅延させた(図3、図5、及び図9)。
結論:全ての細胞(細胞mAb1、細胞mAb2、及び細胞FP)について、本発明の培地濃縮戦略の使用は、VCD及び生存率に関する性能が予備運転において改善されたことから有望である。
実施例3:たんぱく質の総生産量
濃縮培地戦略の有効性はまた、抗体mAb1及びmAb2の力価、並びに融合たんぱく質FPの力価と比較して評価した。図6、図7、及び図10は、抗体mAb1又はmAb2の力価のいずれか、及び融合たんぱく質PFの力価が、濃縮培地戦略のおかげで大幅に改善されていることを強調している。最良の改善は、PM2Xによって全ての場合において観測される(各場合において力価が2倍であるか又はほぼ2倍である)。PM1.5Xによって観測された改善は既に大変興味深い(力価が各場合において約50%増加している)。また、この戦略はたんぱく質の糖鎖付加プロファイルを修正しないであろうことも予測される。
総体的結論
濃縮培地の使用は、生産運用の効率を高め、そして生産された組換えたんぱく質の品質を高めるための非常に有望な戦略である。したがって、前記濃縮培地は誘導因子として使用することができた。
当業者は、生産に使用される細胞株が何であろうと、あらゆる抗体及びあらゆるたんぱく質の生産運用効率及び生産プロファイルを変更するために濃縮培地を使用することができるということを上記の実施例の結果より理解するであろう。培養に使用される培地の最適な濃度係数は、場合によって判断されなくてはならない。この判断は、本発明の教示に基づき、あらゆる独創的な技術も伴わずに行うことができる。
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6) Remington's Pharmaceutical Sciences, 1995, 18th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA

Claims (14)

  1. 灌流様式で組換えたんぱく質を生産する方法であって、前記方法が濃縮した細胞培養培地において前記組換えたんぱく質を発現する哺乳類宿主細胞を培養することを含む、方法。
  2. 組換えたんぱく質を発現する哺乳類宿主細胞を灌流様式で培養する方法であって、前記方法が濃縮細胞培養培地中の前記宿主細胞を培養することを含む、方法。
  3. 灌流様式での組換えたんぱく質の生産を増加させる方法であって、前記方法が濃縮細胞培養培地中の前記たんぱく質を発現する哺乳類宿主細胞を培養することを含む、方法。
  4. 前記方法が生産運用の効率を高める、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
  5. 生産運用の前記効率が、生細胞密度の増加及び/又は細胞生存率の低下によって測定される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記宿主細胞が、HeLa、Cos、3T3、NSO、SP2/0、又はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞からなる群から選択される、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
  7. 前記濃縮細胞培養培地の前記主成分が、濃縮されていない比較細胞培養培地中に存在する量のレベルに対して1.5〜5倍の量で存在する、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
  8. 前記濃縮細胞培養培地の前記主成分が、濃縮されていない比較細胞培養培地に存在する量のレベルに対して1.5〜3倍の量で存在する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記組換えたんぱく質が、組換え融合たんぱく質、増殖因子、ホルモン、サイトカイン、抗体又はその抗原結合性フラグメント(ヒト抗体若しくはその抗原結合性たんぱく質、ヒト化抗体若しくはその抗原結合性たんぱく質、キメラ抗体若しくはその抗原結合性たんぱく質等)からなる群から選択される、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
  10. 誘導因子としての灌流細胞培養における、濃縮細胞培養培地の使用。
  11. 濃縮細胞培養培地であって、前記濃縮細胞培養培地が灌流様式で細胞培養に使用される、濃縮細胞培養培地。
  12. 灌流様式での細胞培養に使用するための一次濃縮細胞培養培地であって、その処方時に前記一次濃縮細胞培養培地が好ましくは塩中において少なくとも枯渇する、一次濃縮細胞培養培地。
  13. 少なくとも塩が、前記培地の重量モル浸透圧濃度を調整するために、前記濃縮細胞培養培地又は前記一次濃縮細胞培養培地の処方後に投与される、請求項11に記載の濃縮細胞培養培地又は請求項12に記載の一次濃縮細胞培地。
  14. 濃縮細胞培養培地を生産する方法であって、(a)濃縮されていない標準培地の濃度に対して1.5倍〜5倍の所望の濃度にて前記主成分を全て一緒に混合して、一次濃縮細胞培養培地を得ること、(b)工程(a)の前記一次濃縮細胞培養培地へ、前記培地の質及び/又は前記培地の特定の特徴を調整するために必要とされる質を変えることなく濃縮することができない前記残留成分を、随意に加えること、並びに(c)前記重量モル浸透圧濃度を調整するために前記塩を加えること、を含む、方法。
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