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JP2018504887A - 水産養殖試料における使用のための試料添加材料 - Google Patents

水産養殖試料における使用のための試料添加材料 Download PDF

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JP2018504887A JP2017527283A JP2017527283A JP2018504887A JP 2018504887 A JP2018504887 A JP 2018504887A JP 2017527283 A JP2017527283 A JP 2017527283A JP 2017527283 A JP2017527283 A JP 2017527283A JP 2018504887 A JP2018504887 A JP 2018504887A
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Abstract

本発明は、魚にその食餌サイクルにわたって水産養殖試料組成物を与えることにより、水産養殖魚肉製品を持続的に生産する方法であって、組成物中の魚油のすべてまたは一部をエイコサペンタエン酸(「EPA」)およびドコサヘキサエン酸(「DHA」)の単一の微生物源と置き換えることにより、水産養殖試料組成物を配合するステップを含む方法に関する。好ましい実施形態では、DHAおよびEPAを含む微生物源は、シゾキトリウム(Schizochytrium)またはトラウストキトリウム(Thraustochytrium)属の微生物/微細生物から得られる。【選択図】図4

Description

発明の詳細な説明
本発明は、水産養殖の分野内にある。より具体的には、本発明は、魚にその食餌サイクルにわたって、少なくとも低下された量の魚油を含む水産養殖試料組成物を与えることにより、水産養殖魚肉製品を持続的に生産する方法に関連する。
水産養殖は、制御された環境における水生の動物および植物の繁殖、培養、および販売を含む農業の形態である。水産養殖業は、現在、世界中で最も急速に成長している食料生産部門である。世界の水産養殖は、約6千万トンの海産物を生産し、これは年間700億(米国)ドルを超える価値がある。今日、養殖魚は、全世界で消費されるすべての魚の約50%を占める。この割合は、海洋と淡水環境との両方における捕獲漁業からの漁獲量の漸減、および海産物消費(すなわち、合計および一人当たり)の増大の結果として増大すると予想される。今日、水産養殖生産における種群としては、例えば、以下が挙げられる:コイおよび他のコイ科の魚;カキ;ハマグリ(clam)、ザルガイ、およびフネガイ;海老および蝦;サケ、マス、およびキュウリウオ;イガイ;ティラピアおよび他のカワスズメ科の魚;ならびにホタテガイ。
いくつかの水産養殖される種(例えばティラピア)は、完全に菜食の食餌で飼育することができるが、多くの他の種は肉食の食餌を与えられる。一般的に、肉食性の魚のための試料は、小さい浮魚(主にアンチョビー、マアジ、プタスダラ、カラフトシシャモ、イカナゴ、およびメンヘーデン)の野生で捕獲された種由来の魚粉および魚油を含む。これらの浮魚は魚粉および魚油に加工され、最終製品は、多くの場合、魚の大きさに応じてペレット化されたまたはフレーク状にされた試料となる。水産養殖試料組成物の他の構成要素としては、必要に応じて、植物性タンパク質、ビタミン、ミネラル、および色素を含めることができる。
海産魚の油は、その入手しやすさ、価格競争力、およびこの製品に含有される必須脂肪酸の豊富さを前提として、市販の魚類試料中の独占的な食餌用脂質源として従来使用されてきた。さらに、魚油は、魚の正常な成長、健康、生殖、および生体機能のために必要とされる必須脂肪酸を容易に供給する。より具体的には、魚類を含めたすべての脊椎動物種は、オメガ−6とオメガ−3多価不飽和脂肪酸[「PUFA」]との両方の食餌的必要性を有する。エイコサペンタエン酸[「EPA」;シス−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸;オメガ−3]およびドコサヘキサエン酸[「OHA」;シス−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸;22:6オメガ−3]は、魚の成長および健康に必要であり、魚油の添加を介して市販の魚類試料にしばしば組み込まれる。
水産養殖試料組成物は、現在、脂質源として約87%の総供給量の魚油を使用することが推定される。年間の魚油生産は1年あたり150万トンを超えないため、急速に成長している水産養殖業は、魚油の供給物としての海洋浮魚の限りあるストックに依存し続けることができない。したがって、魚肉生産に対する高まる世界的需要に対応することが可能である、魚油に対する持続可能な代替物を発見および実行する重大な緊急性が存在する。
多くの組織は、魚油の入手可能性および水産養殖持続可能性に関する上に記載された限界を認識している。例えば、アメリカ合衆国では、アメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration)は、「養殖された海産物の重要なヒト健康効果を維持しつつ、水産養殖試料に含有される魚粉および魚油の量を低下させることとなる、代替の食餌用成分を特定する...」ために、代替飼料に関する発議(Alternative Feeds Initiative)において、農務省(Department of Agriculture)と提携している。
米国特許第7,932,077号明細書は、組み換えによって作られたヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)が、必要なオメガ−3および/またはオメガ−6 PUFAを提供するための手段として、またその独特のタンパク質:脂質:炭水化物組成、ならびに独特の複合炭水化物プロフィール(およそ1:4:4.6の比のマンナン:ベータグルカン:キチンを含む)に基づき、水産養殖試料を含めた多くの動物試料への有用な添加物であり得ることを示唆している。
米国特許出願公開第2007/0226814号明細書は、微生物を発酵させることから得られる少なくとも1種のバイオマス(ここで、バイオマスは、総脂肪酸含有量に対して少なくとも20%のDHAを含有する)を含有する魚の食料を開示している。DHAの原料として使用される好ましい微生物は、ストラメノパイル(Stramenopiles)属に属する生物である。
成長している水産養殖業が、ヒト摂取に対する健康効果を提供し続ける水産養殖魚肉製品を生産しつつ、世界の魚供給へのその寄与を維持するべきである場合、世界の魚供給のより生態学的に健全な管理業務の採用と共に、使用する野生の魚の低下が必要とされる。
[発明の概要]
一実施形態では、本発明は、魚にその食餌サイクルにわたって水産養殖試料組成物を与えることにより、水産養殖魚肉製品を持続的に生産する方法であって、組成物中の魚油のすべてまたは一部をエイコサペンタエン酸(「EPA」)およびドコサヘキサエン酸(「DHA」)の単一の微生物源と置き換えることにより、水産養殖試料組成物を配合するステップを含む方法に関する。
好ましい実施例では、DHAおよびEPAを含む微生物源は、シゾキトリウム(Schizochytrium)種の天然の微細生物の本来の能力に基づくプロセスを使用して産生される。
第2の実施形態では、本発明は、魚にその食餌サイクルにわたって水産養殖試料組成物を与えることにより、水産養殖魚肉製品を持続的に生産する方法に関し、ここで、水産養殖試料組成物は、水産養殖試料組成物に対する重量パーセントとして測定されて少なくとも約0.8%である総量の前記微生物源由来のEPAおよびDHAを含む。
第3の実施形態では、本発明は、魚にその食餌サイクルにわたって、EPAおよびDHAの微生物油の原料を含む水産養殖試料組成物を与えることにより、水産養殖魚肉製品を持続的に生産する方法に関し、ここで、微生物油は、以下からなる群から選択される形態で提供される:いずれもある微細生物から得られるバイオマス、処理されたバイオマス、部分的に精製された油、および精製された油。
第4の実施形態では、本発明は、魚試料製品のための試料添加組成物に関し、前記添加組成物は、エイコサペンタエン酸(「EPA」)およびドコサヘキサエン酸(「DHA」)の単一の微生物源を含む。
第5の実施形態では、本発明は、EPAおよびDHAを含有する微生物添加組成物を含む水産養殖試料に関し、ここで、微生物添加は、ある単一の微細生物から得られる。
第6の実施形態では、本発明は、魚にその食餌サイクルにわたって水産養殖試料組成物を与えることにより、水産養殖魚肉製品を持続的に生産する方法であって、組成物中の魚油のすべてまたは一部をエイコサペンタエン酸(「EPA」)およびドコサヘキサエン酸(「DHA」)の単一の微生物源と置き換えることにより、水産養殖試料組成物を配合するステップを含む方法に関し、ここで、前記微細生物は、EPAおよびDHAを含む微生物油を含有する多価不飽和脂肪酸の生成のために遺伝子操作されたトランスジェニック微細生物である。
好ましくは、トランスジェニック微細生物は、トラウストキトリアレス(Thraustochytriales)目の微生物である。
段階量のOvegaGoldを添加された食餌におけるDHAの見かけの消化性である。統計分析の結果を表6に示す。 段階量のOvegaGoldを添加された食餌におけるEPAの見かけの消化性である。統計分析の結果を表6に示す。 段階量のOvegaGoldを添加された食餌におけるDHAの見かけの消化性である。統計分析の結果を表6に示す。 実験食餌を与えたおよそ4週後のオメガ−3脂肪酸の筋肉沈着である。筋肉含有量は、微細藻類源からのオメガ−3脂肪酸の高い生物学的利用能を裏付ける。
[詳細な説明]
本開示では、いくつかの用語および略語が使用される。次の定義が提供される:
「多価不飽和脂肪酸」は、「PUFA」と省略される。
「トリアシルグリセロール」は、「TAG」と省略される。
「総脂肪酸」は、「TFA」と省略される。
「脂肪酸メチルエステル」は、「FAME」と省略される。
「乾燥細胞重量」は、「DCW」と省略される。
本明細書で使用する場合、用語「発明」または「本発明」は、特許請求の範囲および本明細書に記載される通りの本発明のすべての態様および実施形態を指すものとし、いかなる特定の実施形態または態様にも限定されるように解釈されるべきではない。
魚の「食餌サイクル」という用語は、魚が食餌または水産養殖生産中に水産養殖試料を与えられる、成長の期間またはステージ(すなわち成長ステージ)を指す。タイセイヨウサケ(Atlantic Salmon)についての食餌サイクルの例を下の表1に示す。この表では、記述された開始時および終了時重量に対応する6つのステージが存在する。ステージの番号、ならびに各ステージについての魚の開始時および終了時重量の観点での食餌サイクルは、魚の様々な種類および/または様々な水産養殖業務によって異なり得る。
Figure 2018504887
用語「水産養殖試料組成物」、「水産養殖試料配合物」、「水産養殖試料」、および「水産試料」は、本明細書では交換可能に使用される。これらは、水産養殖業における天然の試料を補うためのまたは置き換えるための製造されたまたは人工的な食餌(すなわち、配合された試料)を指す。これらの調製済み食品は、最も一般的には、フレーク、ペレット、またはタブレット形態で製造される。一般的に、水産養殖試料組成物は、養殖される魚および甲殻類(すなわち、より低価格の食糧用魚種[例えば、コイ、ティラピア、およびナマズなどの淡水魚]と、贅沢または隙間市場のためのより高価格の換金種[例えば、海老、サケ、マス、イエローテール、シーバス、タイ、およびハタなどの、主として海洋および回遊性の種]との両方)のために有用である、人工的に組み合わせた試料を指す。これらの配合された試料は、互いに補い合って、水産養殖される種にとって栄養的に完全な食餌を形成する様々な割合の成分からなる。水産養殖試料組成物は、多くの場合、ヒト摂取のために販売される回収可能な水産養殖される種(例えば、魚、甲殻類)である「水産養殖製品」の製造で使用される。例えば、サケは、水産養殖において集約的に産生されるため、水産養殖製品である。
用語「水産養殖魚肉製品」は、上で定義した通りの水産養殖製品からの魚肉の少なくとも一部分を含む、ヒト摂取を目的とする食料製品を指す。水産養殖魚肉製品は、例えば、魚全体または魚から切り出された切り身(これらはそれぞれ食品として摂取することができる)であり得る。
「エイコサペンタエン酸」[「EPA」]は、eis−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸に対する一般名称である。この脂肪酸は、20:5オメガ−3脂肪酸である。本開示において使用される場合の用語EPAは、別に特に言及のない限り、酸または酸の誘導体(例えば、グリセリド、エステル、リン脂質、アミド、ラクトン、塩など)を指すこととなる。
「ドコサヘキサエン酸」[「DHA」]は、eis−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸に対する一般名称である。この脂肪酸は、22:6オメガ−3脂肪酸である。本開示において使用される場合の用語DHAは、別に特に言及のない限り、酸または酸の誘導体(例えば、グリセリド、エステル、リン脂質、アミド、ラクトン、塩など)を指すこととなる。
本明細書で使用する場合、用語「添加組成物」は、以下からなる群から選択される形態で提供される微生物源から得られる材料を指す:いずれもある単一の微細生物から得られるバイオマス、処理されたバイオマス、部分的に精製された油、および精製された油。
本明細書で使用する場合、用語「バイオマス」は、微生物細胞材料を指す。バイオマスは、自然の状態で産生させることもでき、または天然の宿主もしくは突然変異株もしくは組み換え型産生宿主の発酵から生じることもできる。バイオマスは、全細胞、全細胞溶解物、ホモジナイズされた細胞、部分的に加水分解された細胞材料、および/または部分的に精製された細胞材料(例えば、微生物によって産生された油)の形態であり得る。用語「処理されたバイオマス」は、乾燥、低温殺菌、破砕などの追加の処理(これらをそれぞれ下でより詳細に論じる)を受けているバイオマスを指す。
用語「脂質」は、あらゆる脂溶性の(すなわち親油性の)天然に存在する分子を指す。脂質の一般的概要は、米国特許出願公開第2009−0093543−A1号明細書に提供されている。用語「油」は、25℃で液体であり、かつ通常、多価不飽和である脂質物質を指す。
用語「抽出された油」は、油が合成された微生物などの細胞材料から分離された油を指す。抽出された油は、非常に様々な方法(そのうちの最も単純なものは、物理的手段のみを含む)を通して得られる。例えば、様々なプレス形状(例えば、スクリュー、エキスペラー、ピストン、ビードビーターなど)を使用する機械破砕は、油を細胞材料から分離することができる。あるいは、油抽出は、様々な有機溶媒(例えばヘキサン)での処理を介して、酵素抽出を介して、浸透圧衝撃を介して、超音波抽出を介して、超臨界流体抽出(例えばCO抽出)を介して、けん化を介して、およびこれらの方法の組み合わせを介して行うことができる。抽出された油は、さらに精製または濃縮することができる。
「魚油」は、油分の多い魚の組織から得られる油を指す。油分の多い魚の例としては、限定はされないが、メンヘーデン、アンチョビー、ニシン、カラフトシシャモ、タラなどが挙げられる。魚油は、水産養殖において使用される試料の代表的な構成要素である。
「植物油」は、植物から得られるあらゆる食用油を指す。一般的に、植物油は、植物の種子または穀粒から抽出される。用語「トリアシルグリセロール」[「TAG」]は、エステル化されてグリセロール分子となる、3つの脂肪酸アシル残基から構成される中性脂質を指す。
TAGは、長鎖PUFAおよび飽和脂肪酸、並びにより短い鎖の飽和および不飽和脂肪酸を含有することができる。「中性脂質」は、貯蔵脂肪としての脂肪体中の細胞内に普通に見られる脂質を指し、そのように呼ばれる理由は、細胞内pHでは、脂質が、電荷を有しない基を有するからである。これらは、一般に完全に非極性であり、水に対する親和性を有しない。中性脂質は、一般に、グリセロールと脂肪酸とのモノ−、ジ−、および/またはトリエステル(それぞれモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、またはトリアシルグリセロール、まとめてアシルグリセロールとも呼ばれる)を指す。アシルグリセロールから遊離の脂肪酸を放出させるために、加水分解反応が行われなければならない。
用語「総脂肪酸」[「TFA」]は、本明細書では、所与の試料(これは、例えばバイオマスまたは油であり得る)における、塩基によるエステル交換反応方法(当技術分野で公知である通り)によって脂肪酸メチルエステル[「FAME」]に誘導体化させることができる、すべての細胞内脂肪酸の総和を指す。したがって、総脂肪酸には、中性の脂質分画(ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロール、およびTAGが含まれる)由来の、および極性の脂質分画(例えば、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノールアミン分画が含まれる)由来の脂肪酸が含まれるが、遊離の脂肪酸は含まれない。
細胞の「総脂質含有量」という用語は、乾燥細胞重量[「DeW」]に対するパーセントとしてのTFAの尺度であるが、総脂質含有量は、DeWに対するパーセントとしてのFAMEの尺度[「FAME(%DeW)」]と近似することができる。したがって、総脂質含有量[「TFA(%DeW)」]は、例えば、100ミリグラムのDeWあたりの総脂肪酸のミリグラムと等しい。
総脂質中の脂肪酸の濃度は、本明細書では、TFAに対する重量パーセント(%TFA)、例えば、100ミリグラムのTFAあたりの所与の脂肪酸のミリグラムとして表される。本明細書の開示において別に特に記述のない限り、総脂質に関する所与の脂肪酸のパーセントへの言及は、%TFAとしての脂肪酸の濃度と等しい(例えば、総脂質の%EPAは、EPA(%TFA)と等しい)。
場合によっては、乾燥細胞重量に対するその重量パーセントとしての細胞内の所与の脂肪酸の含有量(%DCW)を表すことが有用である。したがって、例えば、エイコサペンタエン酸(%DCW)は、次の式に従って決定されることとなる:(エイコサペンタエン酸(%TFA))(TFA(%DCW))]/100。しかし、乾燥細胞重量に対するその重量パーセントとしての細胞内の所与の脂肪酸の含有量(%DCW)は、(エイコサペンタエン酸(%TFA))(FAME(%DCW))]/100と近似することができる。
用語「脂質プロフィール」および「脂質組成」は、交換可能であり、特定の脂質分画、例えば総脂質または油に含有される個々の脂肪酸の量を指し、ここで、この量は、TFAに対する重量パーセントとして表される。混合物中に存在するそれぞれ個々の脂肪酸の合計は100であるべきである。
用語「ブレンドされた油」は、所望の組成物を得るために、本明細書に記載した抽出された油を、任意の組み合わせの油または個々の油と混合またはブレンドすることによって得られる油を指す。したがって、例えば、異なる微細生物からの種類の油を共に混合して、所望のPUFA組成物を得ることができる。あるいはまたはさらに、本明細書に開示されるPUFAを含有する油を、魚油、植物油、または両方の混合物とブレンドして、所望の組成物を得ることができる。
用語「脂肪酸」は、約C12〜C22の様々な鎖長の長鎖脂肪族酸(アルカン酸)を指すが、より長い鎖長の酸およびより短い鎖長の酸の両方も知られている。主な鎖長はC16〜C22である。脂肪酸の構造は、「X:Y」(ここで、Xは、その特定の脂肪酸内の炭素[「C」]原子の総数であり、Yは、二重結合の数である)という簡単な表記法によって表される。「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」[「PUFA」]、および「オメガ−6」脂肪酸」[「00−6」または「n−6」]と「オメガ−3脂肪酸」[「00−3」または「n−3」]との区別に関するさらなる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,238,482号明細書に提供されている。
「魚粉」は、水産養殖試料組成物用のタンパク質源を指す。魚粉は、一般的に、ヒト摂取のための魚(例えば、サケ、マグロ)の加工に伴う漁業系廃棄物から製造されるか、または魚粉を製造する目的でのみ採取される特定の魚(すなわち、ニシン、メンヘーデン)から製造される。
水産養殖は、水生の動物および植物を育てる業務である。これは、制御された条件下で水生製品(例えば、淡水および塩水動物)を養殖することを含む。これは、淡水、淡海水、または海水中で魚、貝類、および水生植物を成長させるおよび回収することを含む。
水産養殖において生育させる生物には、魚および甲殻類が含まれ得る。甲殻類は、例えば、ロブスター、カニ、海老、蝦、およびザリガニである。魚の養殖は、水産養殖の最も一般的な形態である。
水産養殖は、通常、食品用に、タンク、池、または海洋の囲いの中で、魚を商業的に飼育することを含む。幼魚を遊漁のために、またはある種類の自然数を補うために野生に逃がす設備は、一般に、魚の孵化場と称される。特に対象となるのは、サケ科のグループ、例えば、サクラマス(Oncorhynchus masou)、チヌークサーモン(O.tshawytscha)、シロザケ(O.keta)、ギンザケ(O.kisutch)、カラフトマス(O.gorbuscha)、ベニザケ(O.nerka)、およびタイセイヨウサケ(Salmo salar)の魚である。水産養殖のための対象となる他の魚としては、限定はされないが、様々なマス、ならびに白身魚、例えばティラピア(オレオクロミス(Oreochromis)、サロテロドン(Sarotherodon)、およびティラピアの様々な種が含まれる)、シーバス、ナマズ(ナマズ目)、メバチ(Thunnus obesus)、コイ(コイ科)、およびタラ(マダラ属)などが挙げられる。
水産養殖は、一般的に、養殖される動物の食餌要件を満たすための調製された水産養殖試料組成物を必要とする。異なる水産養殖種の食餌要件は、異なる成長ステージ中の単一の種の食餌要件が異なるのと同様に異なる。したがって、養殖される生物の成長の各ステージに対する各水産養殖試料組成物を最適化することを目指して、多大な研究に投資が行われている。
水産養殖試料組成物は、微量構成要素と多量構成要素とからなる。一般に、1%よりも多いレベルで使用されるすべての構成要素は、多量構成要素とみなされる。1%未満のレベルで使用される試料成分は、微量構成要素である。これらは、全試料中の微量構成要素の均一な分布を実現するために予備混合される。多量成分および微量成分の両方とも、栄養機能および技術的機能を有する構成要素に細分割される。
技術的機能を有する構成要素は、水産養殖試料組成物の物理的品質またはその外観を改善する。
栄養機能を有する多量構成要素は、水生動物に、成長および能力に必要とされるタンパク質およびエネルギーを提供する。魚に関して、水産養殖試料組成物は、理想的には魚に以下を提供するべきである:1)エネルギーのための(特に心筋および骨格筋のための)脂肪酸の原料としての機能を果たす脂肪;および2)タンパク質の構成成分としての機能を果たすアミノ酸。脂肪はまた、ビタミン吸収を促進し、例えば、ビタミンA、D、E、およびKは、脂溶性であり、脂肪を伴って初めて消化、吸収、および輸送されることが可能である。一般的に植物起源の炭水化物(例えば、コムギ、ヒマワリミール、トウモロコシグルテン、ダイズミール)も試料組成物中にしばしば含まれるが、炭水化物は、魚にとってタンパク質または脂肪を上回るエネルギー源ではない。
脂肪は、一般的に、魚粉(微量の魚油を含有する)および魚油の水産養殖試料組成物への組み込みを介して提供される。水産養殖試料組成物に使用することができる抽出された油としては、魚油(例えば、油分の多い魚、メンヘーデン、アンチョビー、ニシン、カラフトシシャモ、およびタラ肝臓由来)、および植物油(例えば、ダイズ、ナタネ、ヒマワリ種子、および亜麻仁由来)が挙げられる。一般的に、魚油は好ましい油である。なぜなら、魚油は、長鎖オメガ−3多価不飽和脂肪酸[「PUFA」]、EPA、およびDHAを含有し、一方で植物油は、EPAおよび/またはDHAの原料を提供しないからである。これらのPUFAは、多くの水産養殖産物の成長および健康のために必要とされる。典型的な水産養殖試料組成物は、水産養殖試料組成物に対する重量パーセントとして測定されて約15〜30%の油(例えば、魚、野菜など)を含むこととなる。
典型的な魚油において提供されるEPAの量(総脂肪酸のパーセント[「%TFA」]としての)およびDHA(%TFA)は、EPA対DHAの比が異なるのと同様に異なる。Turchini、Torstensen、およびNgの研究(「Reviews in Aquaculture」1:10−57(2009))に基づく典型的な値を表2にまとめて示す。
Figure 2018504887
水産養殖試料組成物中で供給されるタンパク質は、植物または動物起源のものであり得る。例えば、動物起源のタンパク質は、海洋動物(例えば、魚粉、魚油、魚タンパク質、オキアミ粉末、ムール貝粉末、むき海老、イカ粉末、イカ油など)または陸生動物(例えば、血粉、卵粉末、肝臓粉末、肉粉、肉骨粉、カイコ、蛹粉末、乳清粉末など)由来であり得る。植物起源のタンパク質には、ダイズミール、トウモロコシグルテンミール、小麦グルテン、綿実粕、ナタネ粕、ヒマワリ粕、コメなどが含まれ得る。
多量構成要素の技術的機能は、例えば、小麦グルテンをペレット化助剤として、またそのタンパク質含有量(これは比較的高い栄養価を有する)のために使用することができるように重複している可能性がある。グアーガムおよびコムギ粉についても言及することができる。
微量構成要素としては、ビタミン、微量元素、試料抗生物質、および他の生物学的薬剤などの試料添加物が挙げられる。100mg/kg(100ppm)未満のレベルで使用される元素は、微量元素または痕跡元素とみなされる。
栄養機能を有する微量構成要素は、すべて生物学的薬剤かつ痕跡元素である。これらは生物学的プロセスに関与し、良好な健康状態および高い能力のために必要とされる。ビタミンA、E、K3、D3、B1、B3、B6、B12、C、ビオチン、葉酸、パントテン酸、ニコチン酸、塩化コリン、イノシトール、およびパラ−アミノ−安息香酸などのビタミンについても言及することができる。カルシウム、コバルト、銅、鉄、マグネシウム、リン、カリウム、セレン、および亜鉛の塩などの元素についても言及することができる。他の構成要素としては、限定はされないが、酸化防止剤、ベータ−カロテノイド、胆汁酸塩、コレステロール、酵素、グルタミン酸モノナトリウム、カロテノイドなどが含まれ得る。
微量成分の技術的機能は、主に、ペレット化、無毒化、カビ予防、抗酸化などに関する。
水産養殖では、一般的に、魚は、それが成長するにつれて、異なる食餌サイクルで飼育される。例えば、タイセイヨウサケは、上の表1に示した通り、100グラムから4キログラムまで成長する間、6つの異なる食餌サイクルで飼育することができる。異なる食餌サイクルの魚の重量は、魚の種類および/または使用される水産養殖業務に応じて異なり得る。
第2の態様では、水産養殖試料組成物は、水産養殖試料組成物に対する重量パーセントとして測定されて少なくとも約0.8%である微生物源由来の総量のEPAおよびDHAを含むことができる。この量(すなわち0.8%)は、一般的に、水産養殖において成長させる様々な動物の成長を補助するのに適した、特にサケ科の魚の食餌への包含に適した適切な最小濃度である。
先に論じた通り、魚油(すなわちアンチョビー油)における最も高いEPA:DHA比は1.93:1であり(Turchini、Torstensen、およびNg、上記)、魚油における最も低いEPA:DHA比は1.21:1であった。したがって、市販品として入手できる水産養殖試料組成物は、1.93:1よりも大きい、または1.21:1よりも小さいEPA:DHA比を有して生産されていることはないと考えられる。2:1よりも大きい、または1.2:1よりも小さいEPA:DHA比を実現するために、本明細書に記載した通り、代替のEPAおよびDHA源が必要とされる。
一実施例では、本発明の水産養殖試料組成物は、あるEPAおよびDHA源を含み、ここで、EPA:DHAの比は、それぞれ微生物源中または水産養殖試料組成物中の総脂肪酸に対する重量パーセントとして測定されるEPAおよびDHAの個々の濃度に基づいて2:1よりも大きい。
別の実施例では、本発明の水産養殖試料組成物は、あるDHAおよびEPA源を含み、ここで、EPA:DHAの比は、それぞれ微生物源中または水産養殖試料組成物中の総脂肪酸に対する重量パーセントとして測定されるEPAおよびDHAの個々の濃度に基づいて1:1よりも小さく、好ましくは0.2:1〜1:1である。
本発明の水産養殖試料組成物を製造するためのほとんどのプロセスは、微生物発酵から始めることとなり、ここで、特定の微生物が成長ならびにEPAおよびDHAを含む微生物油の産生を可能にする条件下で培養される。適切な時期に微生物細胞を発酵容器から回収する。この微生物バイオマスは、脱水、乾燥、機械的破砕、ペレット化などの様々な手段を使用して機械的に処理することができる。次いで、このバイオマス(またはそれから抽出された油)を水産養殖試料中の成分として(好ましくは、標準の水産養殖試料組成物中に使用される魚油の少なくとも一部分の代替として)使用する。次いで、この水産養殖試料を水生の動物にその生涯のある部分にわたって与えて、水産養殖試料からのEPAおよびDHAが水生の動物内に蓄積するようにした。それにより、回収後に得られる水産養殖魚肉製品は、2:1以上または1:1以下である比のEPA/DHAを含むこととなる。これらの態様のそれぞれを下にさらに詳細に論じることとする。
本発明によるEPAおよびDHAを含む微生物油は、本明細書の水産養殖試料組成物における使用のための様々な形態で提供することができ、ここで、微生物油は、一般的に、微生物バイオマスもしくは処理されたバイオマス内に含有され、または微生物油は、部分的に精製されたもしくは精製された油である。多くの場合、微生物油(部分的に精製されたまたは精製された形態の)とは異なり、水産養殖試料組成物に微生物バイオマスまたは処理されたバイオマスを組み込むことが最も費用効率的となる。しかし、これらの経済面は本明細書の限定とみなされるべきではない。
本発明による微生物は、藻類、菌類、または酵母である。好ましい微細生物は、トラウストキトリアレス(Thraustochytriales)目の微生物であるトラウストキトリッド(Thraustochytrids)である。トラウストキトリッド(Thraustochytrids)には、シゾキトリウム(Schizochytrium)およびトラウストキトリウム(Thraustochytrium)属のメンバーが含まれ、DHAおよびEPAを含めたオメガ−3脂肪酸の代替源と認識されている。米国特許第5,130,242号明細書を参照されたい。
好ましい実施形態では、微生物は、シゾキトリウム(Schizochytrium)種の突然変異株である。シゾキトリウム(Schizochytrium)系統は、DHAなどのPUFAの天然の原料であり、本発明による微生物源として使用されるように変異誘発によって最適化することができる。
DHAおよびEPAを産生するシゾキトリウム(Schizochytrium)系統は、連続的な変異誘発、それに続く優れたEPAおよびDHA産生、ならびに特定のEPA:DHA比を示す突然変異株の適切な選択によって得ることができる。出発する野生型系統としては、世界中の種々の微生物株保存機関、例えばATCCおよびオランダ微生物株保存センター(Centraalbureau voor Schimmelcultures)(CBS)に寄託されているものが含まれる。一般的に、望ましい突然変異株を得るために、連続的な2ラウンド以上の変異誘発を実施する必要がある。
酵母細胞に対する遺伝子変化を誘発することが可能な任意の化学薬品または非化学的因子(例えば紫外線(UV)照射)を変異原として使用することができる。これらの因子は、単独でまたは互いに組み合わせて使用することができ、化学薬品は、そのまま、または溶媒と共に使用することができる。
例えば、ある系統を商業的に実現可能である量で、かつ2:1以上であるEPA:DHA比で、および少なくとも約2.2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1、5.5:1、6:1、6.5:1、7:1、7.5:1、8:1、8.5:1、9:1、9.5:1、もしくは10:1またはそれよりも大きい比でEPAおよびDHAを産生するように変異させ、かつ選択することができる。あるいは、その系統を商業的に実現可能である量で、かつ1:1以下であるEPA:DHA比で、および約0.9:1、0.8:1、0.7:1、0.6:1、0.5:1、0.4:1、0.3:1、0:2:1、またはそれよりも小さい比でEPAおよびDHAを産生するように変異させ、かつ選択することができる。
代わりに、本発明による微生物源は、PUFAの産生のために遺伝的に形質転換された微細生物によって産生することができる。任意選択で、微生物は、例えば、宿主生物におけるデルタ−6デサチュラーゼ/デルタ−6エロンガーゼ経路またはデルタ−9エロンガーゼ/デルタ−8デサチュラーゼ経路のいずれかのデサチュラーゼおよびエロンガーゼをコードする適切な異種遺伝子を発現させることにより、DHAおよびEPAの産生のために操作することができる。
発現カセット内の異種遺伝子が、一般的に、宿主細胞ゲノムに組み込まれる。特定の発現カセット内に含まれる特定の遺伝子は、宿主生物、そのUFAプロフィールおよび/またはデサチュラーゼ/エロンガーゼプロフィール、基質、および所望の最終産物の入手可能性に応じて決まる。EPAおよびDHA産生を可能にするために、例えばシュワネラ・プトレファシエンス(Shewanella putrefaciens)(米国特許第6,140,486号明細書)、シュワネラ・オレヤナ(Shewanella olleyana)(米国特許第7,217,856号明細書)、シュワネラ・ジャポニカ(Shewanella japonica)(米国特許第7,217,856号明細書)、およびビブリオ・マリナス(Vibrio marinus)(米国特許第6,140,486号明細書)に見られるものなど、EPAを産生するPUFAポリケチド合成酵素[「PKS」]システムを適切なDHA産生微細生物に導入することもできるであろう。2:1よりも大きいまたは1:1よりも小さいEPA:DHA比をもたらすため、PUFAの適切な組み合わせの産生を可能にするように、DHAを自然に産生する他のPKSシステムを有する宿主生物を操作することもできるであろう。
当業者は、EPAおよびDHA生合成のための適切な酵素をコードする1つ以上の発現カセットを最適な微生物宿主生物に導入するために必要な考慮事項および技術を熟知しており、多数の教示が文献中で当業者に提供されている。こうした遺伝子操作された生物からのEPAおよびDHAを含む微生物油はまた、本明細書の水産養殖試料組成物における使用に適している可能性があり、ここで、微生物油は、微生物バイオマスもしくは処理されたバイオマス内に含有され得、または微生物油は、部分的に精製されたもしくは精製された油であり得る。
本発明にとって有用な微生物の典型的な種は、ATCC寄託番号PTA−10208、PTA−10209、PTA−10210、またはPTA−10211、PTA−10212、PTA−10213、PTA−10214、PTA−10215で寄託されている。
いくつかの実施形態では、本発明は、ATCC寄託番号PTA−10212で寄託された種の性質を有する単離された微生物、またはそれから得られた系統を対象とする。ATCC寄託番号PTA−10212で寄託された種の性質には、その成長および表現型特性(表現型特性の例としては、形態学的および生殖特性が挙げられる)、その物理および化学特性(乾燥重量および脂質プロフィールなど)、その遺伝子配列、およびこれらの組み合わせ(これらの性質は、これらの種を以前に特定された種と区別する)が含まれ得る。いくつかの実施形態では、本発明は、ATCC寄託番号PTA−10212で寄託された種の性質を有する単離された微生物を対象とし、ここで、これらの性質には、配列番号1のポリヌクレオチド配列または配列番号1との少なくとも94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む18s rRNA、ATCC寄託番号PTA−10212で寄託された種の形態学的および生殖特性、およびATCC寄託番号PTA−10212で寄託された種の脂肪酸プロフィールが含まれる。
さらなる実施形態では、突然変異株は、ATCC寄託番号PTA−10213、PTA−10214、またはPTA−10215で寄託された系統である。ATCC寄託番号PTA−10213、PTA−10214、およびPTA−10215と関連する微生物は、American Type Culture Collection,Patent Depository,10801 University Boulevard,Manassas,VA 20110−2209に、2009年7月14日にブダペスト条約(Budapest Treaty)に基づいて寄託された。
いくつかの実施形態では、本発明は、ATCC寄託番号PTA−10208で寄託された種の単離された微生物を対象とする。ATCC寄託番号PTA−10208と関連する単離された微生物は、本明細書では、シゾキトリウム(Schizochytrium)種ATCC PTA−10208としても知られている。ATCC寄託番号PTA−10208と関連する微生物は、American Type Culture Collection,Patent Depository,10801 University Boulevard,Manassas,VA 20110−2209に、2009年7月14日にブダペスト条約に基づいて寄託された。
いくつかの実施形態では、本発明は、ATCC寄託番号PTA−10208で寄託された微生物の突然変異株を対象とする。さらなる実施形態では、突然変異株は、ATCC寄託番号PTA−10209、PTA−10210、またはPTA−10211で寄託された系統である。ATCC寄託番号PTA−10209、PTA−10210、およびPTA−10211と関連する微生物は、American Type Culture Collection,Patent Depository,10801 University Boulevard,Manassas,VA 20110−2209に、2009年9月25日にブダペスト条約に基づいて寄託された。
本発明による微細生物は、その微生物によってPUFAが産生される条件下において、発酵培地中で培養および成長させることができる。一般的に、微生物は、微生物の成長ならびに/またはEPAおよびDHAの産生を可能にするいくつかの追加の化学薬品または物質と共に、炭素および窒素源を用いて飼育される。発酵条件は、使用される微生物に応じて決まることとなり、得られるバイオマス中の高含有量の所望のPUFAのために最適化することができる。
一般に、培地条件は、炭素源の種類および量、窒素源の種類および量、炭素−対−窒素の比、様々な無機イオンの量、酸素レベル、成長温度、pH、バイオマス産生期の長さ、油蓄積期の長さ、ならびに細胞回収の時間および方法を改変することによって最適化することができる。
微生物により所望の量のEPAおよびDHAが産生された場合、PUFAを含む微生物バイオマスを得るために発酵培地を処理することができる。例えば、発酵培地を濾過するか、または別の方法で処理して、水性の構成要素の少なくとも一部を除去することができる。発酵培地および/または微生物バイオマスをさらに処理することができる。例えば、微生物バイオマスを低温殺菌するか、または他の手段を介して処理して、微生物油および/またはPUFAを損傷させる可能性がある内在性の微生物酵素の活性を低下させることができる。微生物バイオマスを乾燥(例えば、所望の水分含量まで)もしくは機械的破砕の手段(例えば、細胞内容物へのより大きい接近性を提供するためのビードビーター、スクリュー押し出しなどの物理的手段を介して)、またはこれらの組み合わせにかけることができる。微生物バイオマスは、扱いやすくするために顆粒化またはペレット化することができる。したがって、上に記載した手段のいずれかから得られる微生物バイオマスを、EPAおよびDHAを含む微生物油の原料として使用することができる。次いで、この微生物油の原料を水産養殖試料組成物中の成分として使用することができる。
本発明の第1の実施例では、水産養殖魚肉製品中のEPAおよびDHAのそれぞれの濃度に基づいて2:1以上である比でEPAおよびDHAを含む水産養殖魚肉製品が持続的に生産される。EPA対DHAのそれぞれの濃度の比は、2:1、2.1:1、2.2:1、2.3:1、2.4:1、2.5:1、2.6:1、2.7:1、2.8:1、2.9:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1、5.5:1、6:1、6.5:1、7:1、7.5:1、8:1、8.5:1、9:1、9.5:1、もしくは10:1、またはそれ以上と等しいまたはそれ以上であり得る。
本発明の第2の実施例では、水産養殖魚肉製品中のEPAおよびDHAそれぞれの濃度に基づいて1:1以下である比でEPAおよびDHAを含む水産養殖魚肉製品が持続的に生産される。EPA対DHAのそれぞれの濃度の比は、1:1、0.9:1、0.8:1、0.7:1、0.6:1、0.5:1、0.4:1、0.3:1、0:2:1またはそれ未満と等しいもしくはそれ未満であり得る。
本発明による微生物油の好ましい例は、
− 少なくとも40%w/wDHAおよびEPA、好ましくは約50%w/wDHAおよびEPA、
− 約0.2:1〜1:1、好ましくは0.4:1〜0.8:1のEPA:DHA比、および
− 安定性を提供するために添加される少なくとも1種の酸化防止剤
を含有する、シゾキトリウム(Schizochytrium)由来の油である
記載した通りのおよび上に記載した手段のいずれかから得られる微生物油は、2:1以上または1:1以下のEPA:DHA比を有する水産養殖魚肉製品を製造するために、水産養殖動物に与えられる水産養殖試料組成物における使用のための単一のEPAおよびDHA源として使用することができる。
本発明の方法を使用して得られる水産養殖魚肉製品は、水産養殖魚肉製品の重量パーセントとして少なくとも約0.5%である総量のEPAおよびDHAをさらに含むことができる。この量は、一般的に、水産養殖魚肉製品中に存在する量である。
水産養殖魚肉製品の重量パーセントとして少なくとも約0.5%である総量のEPAおよびDHAは、一般的に、重量で水産養殖試料組成物の少なくとも約1.6%であるEPA+DHAの合計を有する水産養殖試料組成物で水産養殖動物を飼育することによって得ることができる。
本明細書の開示に基づいて、魚油に対する再生可能代替物が、水産養殖試料組成物を魚の食餌サイクルにわたって持続的に生産するための手段として利用できることが明らかであろう。
本発明を記載してきたが、本明細書に提供される実施例を参照することにより、さらなる理解を得ることができる。これらの実施例は、例示目的に過ぎず、限定を目的としない。
[実施例1 ATCC寄託番号PTA−10212で寄託されている単離された微生物の成長特性]
ATCC寄託番号PTA−10212で寄託されている単離された微生物を、下に記載する通りに個々の発酵運転における成長特性について試験した。典型的な培地および培養条件を表3に示す。
Figure 2018504887
典型的な培養条件としては、次のものが挙げられることになる:
pH6.5〜9.5、約6.5〜約8.0、または約6.8〜約7.8;
温度:摂氏15〜30度、摂氏約18〜約28度、または摂氏約21〜約23度;
溶存酸素:0.1〜約100%飽和、約5〜約50%飽和、または約10〜約30%飽和;および/または
以下に制御されるグリセロール:5〜約50g/L、約10〜約40g/L、または約15〜約35g/L。
pH7.3において、20%溶存酸素を伴い、22.5℃で1000ppm Clを用いる炭素(グリセロール)および窒素供給培養において、PTA−10212は、10L発酵槽体積での培養の138時間後、26.2g/Lの乾燥細胞重量を生じた。脂質収量は7.9g/Lであり、オメガ−3収量は5.3g/Lであり、EPA収量は3.3g/Lであり、DHA収量は1.8g/Lであった。脂肪酸含有量は重量で30.3%であり、EPA含有量は脂肪酸メチルエステル(FAME)の41.4%であり、DHA含有量はFAMEの26.2%であった。これらの条件下で脂質生産性は1.38g/L/日であり、オメガ−3生産性は0.92g/L/日であり、0.57g/L/日のEPA生産性および0.31g/L/日のDHA生産性であった。
pH7.3において、20%溶存酸素を伴い、22.5℃で1000ppm Clを用いる炭素(グリセロール)および窒素供給培養において、PTA−10212は、10L発酵槽体積での培養の189時間後、38.4g/Lの乾燥細胞重量を生じた。脂質収量は18g/Lであり、オメガ−3収量は12g/Lであり、EPA収量は5g/Lであり、DHA収量は6.8g/Lであった。脂肪酸含有量は重量で45%であり、EPA含有量はFAMEの27.8%であり、DHA含有量はFAMEの37.9%であった。これらの条件下で脂質生産性は2.3g/L/日であり、オメガ−3生産性は1.5g/L/日であり、0.63g/L/日のEPA生産性および0.86g/L/日のDHA生産性であった。
pH6.8〜7.7において、20%溶存酸素を伴い、22.5℃で1000ppm Clを用いる炭素(グリセロール)および窒素供給培養において、PTA−10212は、10L発酵槽体積での培養の189時間後、13g/Lの乾燥細胞重量を生じた。脂質収量は5.6g/Lであり、オメガ−3収量は3.5g/Lであり、EPA収量は1.55g/Lであり、DHA収量は1.9g/Lであった。脂肪酸含有量は重量で38%であり、EPA含有量はFAMEの29.5%であり、DHA含有量はFAMEの36%であった。これらの条件下で脂質生産性は0.67g/L/日であり、オメガ−3生産性は0.4g/L/日であり、0.20g/L/日のEPA生産性および0.24g/L/日のDHA生産性であった。
pH6.6〜7.2において、20%溶存酸素を伴い、22.5〜28.5℃で1000ppm Clを用いる炭素(グリセロール)および窒素供給培養において、PTA−10212は、10L発酵槽体積での培養の191時間後、36.7g/L〜48.7g/Lの乾燥細胞重量を生じた。脂質収量は15.2g/L〜25.3g/Lであり、オメガ−3収量は9.3g/L〜13.8g/Lであり、EPA収量は2.5g/L〜3.3g/Lであり、DHA収量は5.8g/L〜11g/Lであった。脂肪酸含有量は重量で42.4%〜53%であり、EPA含有量はFAMEの9.8%〜22%であり、DHA含有量はFAMEの38.1%〜43.6%であった。これらの条件下で脂質生産性は1.9g/L/日〜3.2g/L/日であり、オメガ−3生産性は1.2g/L/日〜1.7g/L/日であり、0.31g/L/日〜0.41g/L/日のEPA生産性および0.72g/L/日〜1.4g/L/日のDHA生産性であった。
[実施例2 タイセイヨウサケにおける微生物バイオマスとしてのDHAおよびEPAの見かけの消化性]
最初の体重およそ200gのタイセイヨウサケを、1タンクあたり50匹の魚で1.5mタンクにランダムに分配した。水の温度は10℃の範囲である。魚は、実験食餌を与えるのを開始する前に2週間、制御食餌に適応させる。
表4に記載する配合に従って、ベルゲン(Bergen)のNofimaでの押し出しにより、3mmの食餌を生じた。この食餌にナタネ油のみを添加し、制御食餌におけるDHAおよびEPAの基礎レベルは、およそ23%のレベルでの食餌に含まれている魚粉に由来する。この食餌には魚油を添加しなかった。
DHAおよびEPAの微生物源として、OvegaGoldTMとしても知られているシゾキトリウム(Schizochytrium)種ATCC PTA−10208の種のバイオマスが使用されている。このバイオマス含有物は、0、0.5、1.0、1.5%のDHAレベルに相当する食餌の0、0.9、3.5、および6.2%であった。
魚には少なくとも4週間飼育し、各食餌処置を3連で実施した。実験飼育の4週後、それぞれ個々のタンクから各魚を取り出すことにより糞を収集した。1タンクあたり5匹の魚から筋肉サンプルを採取した。
オメガ−3脂肪酸について、ならびに乾燥物質、脂質およびタンパク質などの栄養素について、見かけの消化率を決定した。
Statbox Pro(一元配置ANOVA)を使用して、統計分析を実施した。
Figure 2018504887
DHAおよびEPAの送り込み回収の結果を表5に示す。結果は、押し出しによる試料加工後のDHAおよびEPAの非常に優れた回収および明確な用量応答を示す。
Figure 2018504887
DHA、EPA、DHA+EPA、およびオメガ−3脂肪酸について、見かけの消化率を決定した。図1、2、および3は、それぞれDHA+EPA、EPA、およびDHAの消化性を提供する。結果は、藻類源によって提供されたEPAおよびDHAが非常に消化されやすいことを示す。
Figure 2018504887
結果として、DHAおよびEPAは、サケの食餌に添加される微細藻類バイオマスとして提供される場合、非常に生体利用能が高い。

Claims (26)

  1. 魚にその食餌サイクルにわたって水産養殖試料組成物を与えることにより、水産養殖魚肉製品を持続的に生産する方法であって、前記組成物中の魚油のすべてまたは一部をエイコサペンタエン酸(「EPA」)およびドコサヘキサエン酸(「DHA」)の単一の微生物源と置き換えることにより、水産養殖試料組成物を配合するステップを含む方法。
  2. 前記水産養殖試料組成物が、前記水産養殖試料組成物に対する重量パーセントとして測定されて少なくとも約0.8%である総量のEPAおよびDHAを含む、請求項1に記載の方法。
  3. EPAの濃度対DHAの濃度の比が、前記微生物源中または前記水産養殖試料組成物中のEPAおよびDHAの個々の濃度に基づいて少なくとも2:1である、請求項1または2に記載の方法。
  4. EPAの濃度対DHAの濃度の比が、前記微生物源中または前記水産養殖試料組成物中のEPAおよびDHAの個々の濃度に基づいて1:1以下である、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記微生物源が微生物油であり、前記微生物油が、いずれも前記微生物源から得られるバイオマス、処理されたバイオマス、部分的に精製された油、および精製された油からなる群から選択される形態で提供される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記微生物源が得られる微生物が藻類、菌類、または酵母である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記微生物がシゾキトリウム(Schizochytrium)またはトラウストキトリウム(Thraustochytrium)属のメンバーである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記微生物が、ATCC寄託番号PTA−10208、またはPTA−10209、またはPTA−10210、またはPTA−10211、またはPTA−10212、またはPTA−10213、またはPTA−10214、またはPTA−10215で寄託されている種の特性を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記微生物が突然変異株である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記微生物が、EPAおよびDHAを含む微生物油を含有する多価不飽和脂肪酸の生成のために遺伝子操作されたトランスジェニック微細生物である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記水産養殖魚肉製品が、EPAの濃度対DHAの濃度の比であって、前記水産養殖魚肉製品中のそれぞれの前記濃度に基づいて2:1以上であるEPAの濃度対DHAの濃度の比を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記水産養殖魚肉製品が、EPAの濃度対DHAの濃度の比であって、前記水産養殖魚肉製品中のそれぞれの前記濃度に基づいて1:1以下であるEPAの濃度対DHAの濃度の比を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 単一の微生物源から得られるエイコサペンタエン酸(「EPA」)およびドコサヘキサエン酸(「DHA」)を含む、水産養殖試料のための試料添加組成物。
  14. いずれも前記微生物源から得られるバイオマス、処理されたバイオマス、部分的に精製された油、および精製された油からなる群から選択される形態で提供される、請求項13に記載の添加組成物。
  15. 前記微生物源が得られる微生物が藻類、菌類、または酵母である、請求項13または14に記載の添加組成物。
  16. 前記微生物がシゾキトリウム(Schizochytrium)またはトラウストキトリウム(Thraustochytrium)属のメンバーである、請求項15に記載の添加組成物。
  17. 前記微生物が、ATCC寄託番号PTA−10208、またはPTA−10209、またはPTA−10210、またはPTA−10211、またはPTA−10212、またはPTA−10213、またはPTA−10214、またはPTA−10215で寄託されている種の特性を有する、請求項16に記載の添加組成物。
  18. 少なくとも40%w/wのDHAおよびEPA、好ましくは約50%w/wのDHAおよびEPAを含有する精製された微生物油形態である、請求項13〜17のいずれか一項に記載の添加組成物。
  19. エイコサペンタエン酸(「EPA」)およびドコサヘキサエン酸(「DHA」)の単一の微生物源を含む水産養殖試料。
  20. 前記試料に対する重量パーセントとして測定されて少なくとも約0.08%である総量のEPAおよびDHAを含む、請求項19に記載の水産養殖試料。
  21. EPAの濃度対DHAの濃度の比が、前記微生物源中または前記試料中のEPAおよびDHAの個々の濃度に基づいて1:1以下である、請求項19または20に記載の水産養殖試料。
  22. EPAの濃度対DHAの濃度の比が、前記微生物源中または前記試料中のEPAおよびDHAの濃度に基づいて2:1以上である、請求項19または20に記載の水産養殖試料。
  23. 前記微生物源が微生物油であり、前記微生物油が、いずれも前記微生物源から得られるバイオマス、処理されたバイオマス、部分的に精製された油、および精製された油からなる群から選択される形態で提供される、請求項19〜22のいずれか一項に記載の水産養殖試料。
  24. 前記微生物源が得られる微生物が藻類、菌類、または酵母である、請求項19〜23のいずれか一項に記載の水産養殖試料。
  25. 前記微生物がシゾキトリウム(Schizochytrium)またはトラウストキトリウム(Thraustochytrium)属のメンバーである、請求項24に記載の水産養殖試料。
  26. 前記微生物が、ATCC寄託番号PTA−10208、またはPTA−10209、またはPTA−10210、またはPTA−10211、またはPTA−10212、またはPTA−10213、またはPTA−10214、またはPTA−10215で寄託されている種の特性を有する、請求項25に記載の水産養殖試料。
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