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JP2018139718A - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

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JP2018139718A
JP2018139718A JP2017034683A JP2017034683A JP2018139718A JP 2018139718 A JP2018139718 A JP 2018139718A JP 2017034683 A JP2017034683 A JP 2017034683A JP 2017034683 A JP2017034683 A JP 2017034683A JP 2018139718 A JP2018139718 A JP 2018139718A
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Nanae Nakamura
七重 中村
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Abstract

【課題】パンツ型使い捨ておむつを着用者から外す場合に、シートを容易に剥離することが可能な技術を提供する。【解決手段】パンツ型使い捨ておむつは、着用者の腹側に配置される腹側シート部と、着用者の背側に配置される背側シート部と、を含むシート部と、腹側シート部の幅方向における両側端部と背側シート部の幅方向における両側端部とがそれぞれ重ね合わせて接合された一対の接合部と、シート部における接合部の幅方向内側に位置し接合部に沿って延び、接合部に沿う破断強度がシート部の他の部位よりも減じられてシート部を接合部に沿って破断可能な易破断部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、パンツ型使い捨ておむつに関する。
腹側に配置されるシートと背側に配置されるシートの両側端部が接合された接合部を備えるパンツ型使い捨ておむつが知られている。パンツ型使い捨ておむつは、例えば、接合部においてシートの両側端部を剥離することにより、着用者から外される。(例えば、特許文献1)。
特開2014−233466号公報
しかし、接合部の接合強度によっては、接合部においてシートの両側端部を剥離し難く、パンツ型使い捨ておむつを着用者から外し難いという問題があった。また、パンツ型使い捨ておむつに用いられるシートは、肌触りを良好にするために、例えば不織布などの柔らかい素材で形成されているため、接合部においてシートを剥離する際に、シートが幅方向に不用意に破れてしまい、パンツ型使い捨ておむつを着用者から外し難いという問題があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、パンツ型使い捨ておむつが提供される。このパンツ型使い捨ておむつは、着用者の腹側に配置される腹側シート部と、着用者の背側に配置される背側シート部と、を含むシート部と;前記腹側シート部の幅方向における両側端部と前記背側シート部の前記幅方向における両側端部とがそれぞれ重ね合わせて接合された一対の接合部と;前記シート部における前記接合部の前記幅方向内側に位置し前記接合部に沿って延び、前記接合部に沿う破断強度が前記シート部の他の部位よりも減じられて前記シート部を前記接合部に沿って破断可能とする易破断部と、を備える。このような形態のパンツ型使い捨ておむつによれば、接合部の接合強度の大きさにかかわらず、易破断部においてシート部を接合部に沿って容易に破ることができるとともに、シート部が幅方向に不用意に破れることを抑制することができる。そのため、パンツ型使い捨ておむつを着用者から容易に外すことができる。
(2)上記形態のパンツ型使い捨ておむつにおいて、前記易破断部は、前記腹側シート部に形成されていることが好ましい。このような形態のパンツ型使い捨ておむつによれば、腹側シート部を易破断部において接合部に沿って容易に破ることができるので、着用者の腹側から容易にパンツ型使い捨ておむつを外すことができる。
(3)上記形態のパンツ型使い捨ておむつにおいて、前記易破断部は、前記腹側シート部と、前記背側シート部と、のそれぞれに形成されていることが好ましい。このような形態のパンツ型使い捨ておむつによれば、易破断部は、腹側シート部及び背側シート部のそれぞれに形成されているため、着用者の腹側及び着用者の背側のいずれか一方から選択的に易破断部においてシート部を破ることができるので、着用者の姿勢によらず、着用者から容易にパンツ型使い捨ておむつを外すことができる。
(4)上記形態のパンツ型使い捨ておむつにおいて、前記易破断部は、前記シート部を貫通する穴が、前記接合部に沿って間隔をあけて複数配置されて形成されていることが好ましい。このような形態のパンツ型使い捨ておむつによれば、パンツ型使い捨ておむつの通気性を向上させることができる。
(5)上記形態のパンツ型使い捨ておむつにおいて、前記易破断部は、前記シート部を貫通する穴が、前記接合部に沿って千鳥状に配置されて形成されていることが好ましい。このような形態のパンツ型使い捨ておむつによれば、シート部の幅方向の引張強度を維持しつつ、シート部を易破断部において破りやすいパンツ型使い捨ておむつを提供することができる。また、パンツ型使い捨ておむつの通気性を向上させることができる。
(6)上記形態のパンツ型使い捨ておむつにおいて、前記易破断部の両端の少なくとも一方には、前記シート部が切り欠かれた切り欠き部が形成されていることが好ましい。このような形態のパンツ型使い捨ておむつによれば、切り欠き部を目印として、シート部を易破断部において容易に破ることができる。
(7)上記形態のパンツ型使い捨ておむつにおいて、前記易破断部の両端の少なくとも一方には、前記易破断部が形成された前記シート部の色とは異なる着色がなされていてもよい。このような形態のパンツ型使い捨ておむつによれば、着色部を目印として、シート部を易破断部において容易に破ることができる。
本発明は、上述したパンツ型使い捨ておむつ以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、パンツ型使い捨ておむつの製造方法等の形態で実現することができる。
第1実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつの構成を示す外観模式図。 パンツ型使い捨ておむつを展開して示す展開図。 図2の3−3断面図。 パンツ型使い捨ておむつにおける易破断部付近を拡大して示す図。 易破断部においてシート部が破られた様子を示す図。 パンツ型使い捨ておむつの製造方法を示す工程図。 パンツ型使い捨ておむつが製造される様子を概念的に示す図。 第2実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつを展開して示す展開図。 易破断部においてシート部が破られた様子を示す図。 変形例1におけるパンツ型使い捨ておむつの易破断部付近を拡大して示す図。 変形例2におけるパンツ型使い捨ておむつの易破断部付近を拡大して示す図。
A.第1実施形態:
A1.パンツ型使い捨ておむつの構成:
図1は、第1実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつ100の構成を示す外観模式図である。図2は、パンツ型使い捨ておむつ100を展開して示す展開図である。図3は、図2の3−3線における断面図である。図1〜図3には相互に直交するXYZ軸が示されている。本明細書において、直交とは、±20°の範囲を含むこと意味する。このことは、以降の図においても同様である。本実施形態では、X軸に沿った方向を「幅方向」とも呼ぶ。
パンツ型使い捨ておむつ100は、着用者の腰周りに配置されるウエスト開口部5と、着用者の脚回りに配置されるレッグ開口部6と、を有する。パンツ型使い捨ておむつ100は、シート部20と、接合部40と、易破断部60と、を備える。また、本実施形態では、パンツ型使い捨ておむつ100は、吸収性本体30と、ウエスト伸縮材51と、タミー伸縮材52とを備える。パンツ型使い捨ておむつ100は、図2に示すように、前部10Fと、中央部10Mと、後部10Bと、に区分される。前部10Fは、着用者がパンツ型使い捨ておむつ100を着用した際に、着用者の腹側に配置される部位である。後部10Bは、着用者がパンツ型使い捨ておむつ100を着用した際に、着用者の背側に配置される部位である。中央部10Mは、着用者がパンツ型使い捨ておむつ100を着用した際に、着用者の股下(両太腿の間)に配置される部位である。図1は、パンツ型使い捨ておむつ100を前部10F側から見た図であり、図2には、接合部40において展開したパンツ型使い捨ておむつ100が、前部10Fを紙面上側にして示されている。
シート部20は、腹側シート部20fと、腹側シート部20fと別体の背側シート部20bとを備える。腹側シート部20fは、シート部20のうち腹側(前部10F)に配置される部分である。背側シート部20bは、シート部20のうち背側(後部10B)に配置される部分である。
シート部20は、インナーシート21とアウターシート22とにより構成されている。インナーシート21は、着用者がパンツ型使い捨ておむつ100を着用した際に、着用者側となる側に配置されるシートである。アウターシート22は、着用者がパンツ型使い捨ておむつ100を着用した際に、外側(着用者側とは逆の側)となる側に配置されるシートである。インナーシート21とアウターシート22とは、例えば、ホットメルト接着剤によって接着される。インナーシート21、アウターシート22を構成する材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム、網目を有するネット状シートを採用することができる。不織布としては、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアースルー不織布を用いることができる。
ウエスト伸縮材51は、腹側シート部20f及び背側シート部20bのウエスト開口部5側に複数配置された、伸縮性の部材である。ウエスト伸縮材51は、インナーシート21とアウターシート22との間に伸ばされた状態で固定されている。ウエスト伸縮材51は、パンツ型使い捨ておむつ100のうちウエスト伸縮材51が形成されている位置の付近の構成(例えば、インナーシート21とアウターシート22)を、幅方向に弾性的に伸縮させることが可能である。ウエスト伸縮材51が収縮することにより、着用者のウエスト周りにギャザー(いわゆるウエストギャザー)が形成される。
タミー伸縮材52は、腹側シート部20f及び背側シート部20bにおいて、ウエスト伸縮材51よりも中央部10M側に複数配置された、伸縮性の部材である。タミー伸縮材52は、インナーシート21とアウターシート22との間に伸ばされた状態で固定されている。タミー伸縮材52は、パンツ型使い捨ておむつ100のうちタミー伸縮材52が形成されている位置の付近の構成(例えば、インナーシート21とアウターシート22)を、幅方向に弾性的に伸縮させることが可能である。タミー伸縮材52が収縮することにより、着用者の腹部周りに、ギャザー(いわゆるタミーギャザー)が形成される。
ウエスト伸縮材51及びタミー伸縮材52は、糸ゴムなどの細長状の弾性部材で形成することができる。なお、ウエスト伸縮材51及びタミー伸縮材52は、幅方向において、後述する接合部40まで達していないことが好ましい。
吸収性本体30は、液吸収機能を有する吸収体31を含み、少なくとも着用者の股下にあてがわれる部材である。吸収性本体30は、図2に示すように、吸収体31と、トップシート32と、バックシート33と、一対の立体ギャザー34と、カバーシート35と、複数の立体ギャザー伸縮材41、42と、を備える。吸収性本体30は、腹側シート部20fと背側シート部20bとに架け渡されて固定されている。
吸収体31は、中央部10Mを中心に前部10F及び後部10Bにかけて配置される。吸収体31は、トップシート32とバックシート33との間に配置される。吸収体31は、液体を吸収することができる繊維材料である吸収性繊維と、液体を吸収し保持する性質を有する樹脂材料である吸収性樹脂と、を含んで構成される。吸収性繊維は、フラッフパルプ(綿状パルプ)によって構成される。吸収性繊維は、フラッフパルプ以外のパルプ繊維や、レーヨン繊維又はコットン繊維のようなセルロース系繊維の短繊維(繊維長5mm以下のもの)、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した短繊維(繊維長5mm以下のもの)によって構成されてもよい。これらの繊維は、単独で用いることもでき、複数種類の繊維を組み合わせて用いることもできる。吸収性樹脂は、例えば、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性ポリマーによって構成される。吸収性樹脂は、高吸収性ポリマー(SAP:Super Absorbent Polymer)によって構成されることが好ましい。吸収性樹脂は、デンプン系、セルロース系、又は合成ポリマー系の樹脂によって構成されてもよい。
トップシート32は、着用者がパンツ型使い捨ておむつ100を着用した際に、着用者側であって、着用者の肌側に配置されるシートである。トップシート32は、着用者の尿や体液を透過させることができる素材で構成される。トップシート32を構成する材料としては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム、網目を有するネット状シートを採用することができる。ただし、トップシート32は、不織布であることが好ましい。不織布としては、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアースルー不織布を用いることができる。
バックシート33は、着用者がパンツ型使い捨ておむつ100を着用した際に、外側であって、着用者の非肌側に配置されるシートである。バックシート33は、液不透過性を有し、吸収体31によって吸収された液体が外部に漏洩することを抑制する防水シートとして機能する。バックシート33は、平面視した際にトップシート32と略一致する形状を有している。バックシート33を構成する材料としては、ポリエチレン樹脂からなる液不透過性フィルムを用いることができる。特に、0.1〜4μmの微細な孔が複数形成された微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。
カバーシート35は、着用者がパンツ型使い捨ておむつ100を着用した際に、バックシート33よりも外側に配置されるシートである。カバーシート35は、バックシート33に接合されてバックシート33を補強し、かつ、肌触りを良くするための部材である。カバーシート35は、後述するサイドシート34aの一部に重畳して貼り合わせられてもよい。カバーシート35を構成する材料としては、織布や不織布を用いることができる。カバーシート35を構成する材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルのような熱可塑性樹脂からなる不織布又は湿式不織布を用いることが好ましい。
一対の立体ギャザー34は、吸収性本体30の両側縁部に沿って起立し、着用者が排泄した尿の横漏れを防止するための部材である。図2、3に示すように、立体ギャザー34は、サイドシート34aと、立体ギャザー伸縮材41、42と、により形成されている。なお、一対の立体ギャザー34は、吸収性本体30の両側縁部に沿って、2対以上形成されていてもよい。
サイドシート34aは、図2、3に示すように、パンツ型使い捨ておむつ100のY方向に沿って、トップシート32上に固定される。サイドシート34aは、トップシート32とバックシート33の両側縁を挟み込むように、トップシート32の着用者側とバックシート33の外側とに固定されている。サイドシート34aは、トップシート32と固定される部位よりも、幅方向内側にも延在している。サイドシート34aは、撥水性を有する材料で形成することができる。撥水性の材料としては,撥水性が高くかつ通気性が良いという観点から,スパンボンドやカードエンボスのような不織布を用いることが好ましい。
立体ギャザー伸縮材41、42は、サイドシート34aに複数配置された、伸縮性の部材である。立体ギャザー伸縮材41、42は、サイドシート34aに伸ばされた状態で固定されている。図2に示すように、立体ギャザー伸縮材41、42は、中央部10Mから+Y方向及び−Y方向に配置されている。立体ギャザー伸縮材42は、パンツ型使い捨ておむつ100のうち立体ギャザー伸縮材41、42が形成されている位置の付近の構成(サイドシート34a)を、弾性的に伸縮させることが可能であり、立体ギャザー伸縮材41、42が収縮することにより、立体ギャザー34が立ち上がる。立体ギャザー伸縮材42は、糸ゴムなどの細長状の弾性部材で形成することができる。
立体ギャザー34は、図3に示すように、外側ギャザー341と内側ギャザー342とを備える。外側ギャザー341と内側ギャザー342は、一枚のシート材(サイドシート34a)と立体ギャザー伸縮材41、42から形成されている。外側ギャザー341は、外側折返部341aと、外側ギャザー伸縮材41とにより構成される。外側折返部341aは、バックシート33の外側に一部固定されたサイドシート34aが、トップシート32とバックシート33の接合位置よりも幅方向外側において、吸収性本体30の内方に向かって折り返された部位である。外側ギャザー伸縮材41は、外側折返部341aにY方向に沿って伸ばされた状態で複数配置された伸縮材である。外側ギャザー伸縮材41が外側折返部341aにおいて伸縮することにより、外側ギャザー341が形成される。
内側ギャザー342は、内側折返部342aと、内側ギャザー伸縮材42と、により構成される。内側折返部342aは、外側折返部341aにおいて折り返されたサイドシート34aの一部が、トップシート32とバックシート33を挟み込むように、トップシート32の着用者側の面に固定された部位であり、サイドシート34aにおいて、トップシート32と固定される部位よりも、幅方向内側にも延在している部分が、吸収体31の幅方向内方又は幅方向外方に向かって折り返されることで形成される。内側ギャザー伸縮材42は、内側折返部342aにY方向に沿って伸ばされた状態で複数配置された伸縮材である。内側ギャザー伸縮材42が内側折返部342aにおいて伸縮することで、内側ギャザー342が形成される。
接合部40(40R、40L)は、腹側シート部20fの幅方向における両側端部と、背側シート部20bの幅方向における両側端部とがそれぞれ重ね合わせて接合された部位である。一対の接合部40(40R、40L)は、ホットメルト接着剤等の公知の接着剤を用いて腹側シート部20fの幅方向における両側端部と背側シート部20bの幅方向における両側端部とを接合することによって形成することができる。具体的には、腹側シート部20fの−X方向の端部と、背側シート部20bの−X方向の端部とが接合されて、着用者がパンツ型使い捨ておむつ100を着用した際に、着用者から見て右側に配置される接合部40Rが形成される。また、腹側シート部20fの+X方向の端部と、背側シート部20bの+X方向の端部とが接合されて、着用者がパンツ型使い捨ておむつ100を着用した際に、着用者から見て左側に配置される接合部40Lが形成される。接合部40は、ヒートシールや超音波シール等の公知の技術によって腹側シート部20fと背側シート部20bを接合することによって形成されてもよい。腹側シート部20fと背側シート部20bとが接合部40(40R、40L)において接合されることで、ウエスト開口部5とレッグ開口部6が形成される。接合部40(40R、40L)を「サイドシール部」と呼ぶこともできる。
図4は、パンツ型使い捨ておむつ100における易破断部60付近を拡大して示す図である。図4には、図2に示したパンツ型使い捨ておむつ100の−X方向側における易破断部60R付近が拡大して示されている。以下、図1、図2及び図4を参照しつつ、易破断部60について説明する。易破断部60は、シート部20における接合部40の幅方向内側に位置し、接合部40に沿って延びる部位である。易破断部60は、接合部40に沿う破断強度が、シート部20の他の部位よりも減じられた部位である。易破断部60は、シート部20を接合部40に沿って破断可能な部位である。なお、破断強度とは、シート部20を破断させるために必要な力である。
本実施形態では、腹側シート部20fにおける接合部40の幅方向内側に、2つ(一対)の易破断部60(60R、60L)が形成されている。具体的には、易破断部60Rは、接合部40Rの幅方向内側である+X方向側に隣接して配置されている。易破断部60Lは、接合部40Lの幅方向内側である−X方向側に隣接して配置されている。なお、本明細書において、接合部40Rと易破断部60Rとが「隣接する」とは、接合部40Rと易破断部60Rとが重なっておらず、接合部40Rと易破断部60Rとの幅方向に沿った距離が0以上であることをいう。接合部40と、接合部40に隣接する易破断部60と、の幅方向に沿った距離は、シート部20を幅方向に伸張させた状態において、5.0cm以下であることが好ましく、2.0cm以下であることがより好ましく、5mm以下であることがいっそう好ましい。
易破断部60は、シート部20を貫通する穴hが、接合部40に沿って間隔をあけて複数配置されて形成されている。本実施形態では、接合部40に沿った方向は、Y方向である。穴hは、易破断部60の端部の少なくとも一方に配置されていることが好ましい。易破断部60を、「ミシン目部」と呼ぶこともできる。なお、本実施形態では、易破断部60において、近接する穴hと穴hとの間隔は略一定であるが、この間隔は一定でなくともよく、異なってもよい。
図5は、易破断部60においてシート部20が破られた様子を示す図である。パンツ型使い捨ておむつ100では、例えば、着用者がパンツ型使い捨ておむつ100を着用している状態において、図5に示すように、腹側シート部20fを易破断部60Lにおいて破ることができる。同様に、腹側シート部20fを易破断部60Rにおいて破ることができる。一対の易破断部60(60R、60L)において腹側シート部20fを破ることで、パンツ型使い捨ておむつ100を展開することができる。易破断部60において破られたパンツ型使い捨ておむつ100は、例えば、吸収性本体30を覆うように丸めて、背側シート部20bの外側に設けられた廃棄用テープ(不図示)をアウターシート22にとめることで、コンパクトにすることができる。
A2.パンツ型使い捨ておむつの製造方法:
図6は、パンツ型使い捨ておむつ100の製造方法を示す工程図である。図7は、パンツ型使い捨ておむつ100が製造される様子を概念的に示す図である。以下、図6及び図7を参照しつつ、パンツ型使い捨ておむつ100の製造方法について説明する。
パンツ型使い捨ておむつ100の製造では、まず、幅方向に連なったパンツ型使い捨ておむつ100の連続体100pが用意される、用意工程が行われる(S10)。連続体100pは、ウエスト伸縮材51及びタミー伸縮材52が配置されたシート部20と吸収性本体30とを備える。連続体100pでは、腹側シート部20fが、後の工程で接合部40が形成される接合部形成領域40pにおいて、幅方向に連なっている。同様に、背側シート部20bが、接合部形成領域40pにおいて、幅方向に連なっている。
次に、接合部形成領域40pの幅方向内側に易破断部60が形成される、易破断部形成工程が行われる(S20)。本実施形態では、例えば、ミシン目形成装置が、ミシン目形成用のミシン目刃を、腹側シート部20fの接合部形成領域40pの幅方向内側に押し当てることにより、易破断部60が形成される。
易破断部60が形成されると、接合部形成領域40pが一致するように腹側シート部20fと背側シート部20bとが重ね合わされてヒートシール等により接合される、接合部形成工程が行われる(S30)。これにより、接合部40が形成される。
接合部40が形成された後、連続体100pが切断される、切断工程が行われる(S40)。連続体100pが隣り合う接合部40の間で切断されることで、パンツ型使い捨ておむつ100を連続体100pから切り離すことができる。以上のようにして、パンツ型使い捨ておむつ100が製造される。
A3.効果:
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ100によれば、接合部40の接合強度の大きさにかかわらず、易破断部60において、シート部20を接合部40に沿って容易に破ることができるので、シート部20が幅方向に不用意に破れることを抑制することができる。そのため、パンツ型使い捨ておむつ100を着用者から容易に外すことができる。
また、シート部20が幅方向に不用意に破れることを抑制することができるので、尿などが吸収された吸収性本体30を覆うようにパンツ型使い捨ておむつ100を丸めたり、例えば廃棄用テープをアウターシート22にとめることでパンツ型使い捨ておむつ100をコンパクトに丸めることができ、パンツ型使い捨ておむつ100を廃棄する際に不快感を覚えることを抑制することができる。
また、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ100によれば、易破断部60は腹側シート部20fに形成されているため、腹側シート部20fを易破断部60において接合部40に沿って容易に破ることができるので、着用者の腹側から容易にパンツ型使い捨ておむつ100を外すことができる。
また、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ100によれば、易破断部60は、シート部20を貫通する穴hが接合部40に沿って間隔をあけて複数配置されて形成されているので、パンツ型使い捨ておむつ100の通気性を向上させることができる。
更に、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ100によれば、易破断部60の両端の少なくとも一方に、シート部20を貫通する穴hが配置されているため、シート部20の両端の少なくとも一方に穴hが配置されていない場合と比較して、シート部20を易破断部60において容易に破ることができる。
B.第2実施形態:
B1.パンツ型使い捨ておむつの構成:
図8は、第2実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつ100aを展開して示す展開図である。パンツ型使い捨ておむつ100aは、腹側シート部20fと、背側シート部20bと、のそれぞれに、易破断部60a(60Ra、60La)を備えている。なお、図示は省略するが、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、易破断部60aは、シート部20を貫通する穴hが、接合部40に沿って間隔をあけて複数配置されて形成されている。
腹側シート部20fに形成された易破断部60Raと、接合部40Rと、の幅方向に沿った距離は、背側シート部20bに形成された易破断部60Raと、接合部40Rと、の幅方向に沿った距離と略等しい。同様に、腹側シート部20fに形成された易破断部60Laと、接合部40Lと、の幅方向に沿った距離は、背側シート部20bに形成された易破断部60Laと、接合部40Lと、の幅方向に沿った距離と略等しい。パンツ型使い捨ておむつ100aは、上述の第1実施形態のパンツ型使い捨ておむつ100の製造工程のうち、易破断部形成工程(図6及び図7、S20)において、腹側シート部20fに一対の易破断部60aを形成することに加えて、背側シート部20bに一対の易破断部60aを形成することで製造することができる。パンツ型使い捨ておむつ100aのその他の構成及び製造方法は、上述の第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図9は、易破断部60aにおいてシート部20が破られた様子を示す図である。図9には、腹側シート部20fに形成された易破断部60Laにおいて腹側シート部20fが破られ、背側シート部20bに形成された易破断部60Laにおいて背側シート部20bが破られた様子が示されている。
B2.効果:
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ100aによれば、易破断部60aが腹側シート部20fと、背側シート部20bと、のそれぞれに形成されているので、腹側シート部20f及び背側シート部20bを、接合部40の接合強度の大きさにかかわらず、易破断部60aにおいて破ることができ、腹側シート部20f及び背側シート部20bが幅方向に不用意に破れることを抑制することができる。また、着用者の腹側及び着用者の背側のいずれか一方から選択的に易破断部60aにおいてシート部20を破ることができるので、着用者の姿勢によらず、着用者から容易にパンツ型使い捨ておむつ100aを外すことができる。
また、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ100aによれば、易破断部60aはシート部20を貫通する穴hが接合部40に沿って間隔をあけて複数形成されており、易破断部60aは腹側シート部20fと背側シート部20bとにそれぞれ形成されているため、第1実施形態と比較してパンツ型使い捨ておむつ100aの通気性を向上させることができる。
また、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ100aによれば、易破断部60aは、腹側シート部20fと、背側シート部20bとにそれぞれ一対設けられている。そのため、例えば、着用者がパンツ型使い捨ておむつ100aを着用している状態において、接合部40Lを保持してY方向(上下方向)に沿って引っ張ることで、図9に示すように、腹側シート部20f及び背側シート部20bを易破断部60Laに沿って破ることができるので、接合部40Lをシート部20から切り離すこともできる。また、同様に、接合部40Rを保持してY方向(上下方向)に沿って引っ張ることで、腹側シート部20f及び背側シート部20bを易破断部60Raに沿って破ることができるので、接合部40Rをシート部20から切り離すこともできる。
C.変形例:
上述の実施形態において、以下の変形を適用することも可能である。各変形は、各実施形態に適宜組み合わされてもよい。
C1.変形例1
図10は、変形例1におけるパンツ型使い捨ておむつ100cの易破断部60c付近を拡大して示す図である。図10には、腹側シート部20fの−X方向側に形成された易破断部60cが一例として示されている。本変形例におけるパンツ型使い捨ておむつ100cは、上述の実施形態と同様に、接合部40の幅方向内側に、接合部40に沿って延びる易破断部60cを備える。本変形例において、易破断部60cは、端部に、シート部20が切り欠かれた切り欠き部63を有する。本変形例において、切り欠き部63は、易破断部60cのウエスト開口部5側(−Y方向側)に位置する端部(上端)に設けられている。なお、切り欠き部63は、易破断部60のレッグ開口部6側(+Y方向側)に位置する端部(下端)に設けられていてもよいし、上端と下端とにそれぞれ設けられていてもよい。易破断部60cは、例えば、上述の第1実施形態のパンツ型使い捨ておむつ100の製造工程のうち、易破断部形成工程(図6及び図7、S20)において、易破断部60を形成することに加えて、シート部20の上端を切り欠くことで、形成することができる。本変形例のパンツ型使い捨ておむつ100cによれば、切り欠き部63を目印として、シート部20を容易に破ることができる。
C2.変形例2:
図11は、変形例2におけるパンツ型使い捨ておむつ100dの易破断部60d付近を拡大して示す図である。図11には、腹側シート部20fの−X方向側に形成された易破断部60dが一例として示されている。本変形例におけるパンツ型使い捨ておむつ100dは、上述の実施形態と同様に、接合部40の幅方向内側に、接合部40に沿って延びる易破断部60dを備える。易破断部60dは、シート部20を貫通する穴hが、接合部40に沿って千鳥状に配置されて形成されている。易破断部60dは、例えば、上述の第1実施形態のパンツ型使い捨ておむつ100の製造工程のうち、易破断部形成工程(図6及び図7、S20)において、穴hが千鳥状に配置されるようにミシン目形成用のミシン目刃をシート部20に対して押し当てることにより形成することができる。本変形例のパンツ型使い捨ておむつ100dによれば、シート部20の幅方向の引張強度を維持しつつ、シート部20を易破断部60dにおいて破りやすいパンツ型使い捨ておむつ100dを提供することができる。
C3.変形例3:
上述の実施形態において、易破断部60、60aの両端の少なくとも一方には、易破断部60、60aが形成されたシート部20の色とは異なる着色がなされていてもよい。このような形態のパンツ型使い捨ておむつ100、100aによれば、着色部を目印として、易破断部60、60aにおいて破りやすいパンツ型使い捨ておむつ100、100aを提供することができる。
C4.変形例4:
上述の実施形態では、易破断部60、60aは、シート部20を貫通する穴hが、接合部40に沿って間隔をあけて複数配置されて形成されている。これに対し易破断部60は、シート部20の破断強度が減じられていれば、シート部20を貫通する穴hを有していなくともよい。このような易破断部60は、ミシン目形成装置がシート部20にミシン目刃を押し当てる際に、押し当てる力を変更する(小さくする)ことや、シート部20を貫通しないミシン目刃を用いたりすることで、形成することができる。また、易破断部60は、シート部20に複数の細孔を形成することによって、シート部20の強度を減じて形成されていてもよい。
C5.変形例5:
上述の実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつ100、100aでは、シート部20は、腹側シート部20fと背側シート部20bとが別体として設けられている。これに対し、パンツ型使い捨ておむつ100、100aは、腹側シート部20fと背側シート部20bとが一体に連結形成されていてもよく、この場合には、前部10Fと後部10Bとの間に吸収性本体30が固定される。腹側シート部20fと背側シート部20bとが一体に連結されて形成される場合には上述の実施形態における吸収性本体30を省略し、別体として形成された吸収性本体30を、シート部20に着脱自在に装着するようにしてもよい。
C6.変形例6:
上述の第1実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつ100において、易破断部60は腹側シート部20fに、一対形成されている。これに対し、上述の第1実施形態では、易破断部60は、腹側シート部20f又は背側シート部20bの少なくとも一方に、少なくとも1つ形成されていてもよい。背側シート部20bに易破断部60が形成されている場合には、背側シート部20bを易破断部60において、接合部40に沿って破ることができるので、背側シート部20bが幅方向に不用意に破れることを抑制することができる。また、着用者の背側から容易にパンツ型使い捨ておむつ100を外すことができる。
C7.変形例7:
上述の第2実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつ100aにおいて、易破断部60aは腹側シート部20f及び背側シート部20bにそれぞれ一対形成されている。これに対し、上述の第2実施形態では、易破断部60aは、腹側シート部20f又は背側シート部20bに、それぞれ少なくとも1つ形成されていてもよい。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
5…ウエスト開口部
6…レッグ開口部
10B…後部
10F…前部
10M…中央部
20…シート部
20b…背側シート部
20f…腹側シート部
21…インナーシート
22…アウターシート
30…吸収性本体
31…吸収体
32…トップシート
33…バックシート
34…立体ギャザー
34a…サイドシート
35…カバーシート
40(40L、40R)…接合部
40p…接合部形成領域
41…立体ギャザー伸縮材(外側ギャザー伸縮材)
42…立体ギャザー伸縮材(内側ギャザー伸縮材)
51…ウエスト伸縮材
52…タミー伸縮材
60(60L、60R)、60a(60La、60Ra)、60c、60d…易破断部
63…切り欠き部
100、100a、100d…パンツ型使い捨ておむつ
100p…連続体
341…外側ギャザー
341a…外側折返部
342…内側ギャザー
342a…内側折返部
h…穴

Claims (7)

  1. パンツ型使い捨ておむつであって、
    着用者の腹側に配置される腹側シート部と、着用者の背側に配置される背側シート部と、を含むシート部と、
    前記腹側シート部の幅方向における両側端部と前記背側シート部の前記幅方向における両側端部とがそれぞれ重ね合わせて接合された一対の接合部と、
    前記シート部における前記接合部の前記幅方向内側に位置し前記接合部に沿って延び、前記接合部に沿う破断強度が前記シート部の他の部位よりも減じられて前記シート部を前記接合部に沿って破断可能とする易破断部と、を備える、
    パンツ型使い捨ておむつ。
  2. 請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
    前記易破断部は、前記腹側シート部に形成されている、パンツ型使い捨ておむつ。
  3. 請求項1に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
    前記易破断部は、前記腹側シート部と、前記背側シート部と、のそれぞれに形成されている、パンツ型使い捨ておむつ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
    前記易破断部は、前記シート部を貫通する穴が、前記接合部に沿って間隔をあけて複数配置されて形成されている、パンツ型使い捨ておむつ。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
    前記易破断部は、前記シート部を貫通する穴が、前記接合部に沿って千鳥状に配置されて形成されている、パンツ型使い捨ておむつ。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
    前記易破断部の両端の少なくとも一方には、前記シート部が切り欠かれた切り欠き部が形成されている、パンツ型使い捨ておむつ。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつであって、
    前記易破断部の両端の少なくとも一方には、前記易破断部が形成された前記シート部の色とは異なる着色がなされている、パンツ型使い捨ておむつ。
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