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JP2018138920A - センサ装置およびセンシング方法 - Google Patents

センサ装置およびセンシング方法 Download PDF

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JP2018138920A JP2018065904A JP2018065904A JP2018138920A JP 2018138920 A JP2018138920 A JP 2018138920A JP 2018065904 A JP2018065904 A JP 2018065904A JP 2018065904 A JP2018065904 A JP 2018065904A JP 2018138920 A JP2018138920 A JP 2018138920A
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Hiroshi Katsuta
宏 勝田
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Abstract

【課題】本発明は、装置自体で簡易に基準位相差およびそれに対応する基準電圧を得ることができるセンサ装置を提供する。
【解決手段】センサ装置は、第1周波数の信号および第2周波数の信号のうち少なくとも一方を発生する第1信号発生器SG1と、第1周波数の信号および第2周波数の信号のうち少なくとも一方を発生する第2信号発生器SG2と、第1信号発生器および第2信号発生器のそれぞれに接続可能な計算部140と、を備え、計算部は、第1信号発生器に計算部を接続した状態で、第1信号発生器から第1周波数の信号を発生して得られた第1基準信号、ならびに第2信号発生器に計算部を接続した状態で、第2信号発生器から第2周波数の信号を発生することによって得られた第2基準信号から基準位相差を得るとともに、第1基準信号および第2基準信号からヘテロダイン方式によって基準位相差に対応する基準電圧を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、検体を測定することができるセンサ装置およびセンシング方法に関する。
センサ装置として、例えば、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子を用いて、検体を測定するものが知られている。
センサ装置において、種々の方法によって、補正あるいは較正を行なうことによって、測定の精度を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開2009−238226号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、センサ装置自体で簡易に基準位相差およびそれに対応する基準電圧を得ることができなかった。
そこで、センサ装置自体で簡易に基準位相差およびそれに対応する基準電圧を得ることができるセンサ装置およびセンシング方法が求められていた。
本発明の実施形態に係るセンサ装置は、第1周波数の信号および第2周波数の信号のうち少なくとも一方を発生する第1信号発生器と、前記第1周波数の信号および前記第2周波数の信号のうち少なくとも一方を発生する第2信号発生器と、前記第1信号発生器、および前記第2信号発生器のそれぞれと接続可能な計算部と、を備え、前記計算部は、前記第1信号発生器と前記計算部とを接続した状態で、前記第1信号発生器から前記第1周波数の信号を発生して得られた第1基準信号と、前記第2信号発生器と前記計算部とを接続した状態で、前記第2信号発生器から前記第2周波数の信号を発生することによって得られた第2基準信号とから基準位相差を得るとともに、前記基準位相差に対応する基準電圧を算出する。
また、本発明の実施形態に係るセンサ装置は、第1周波数の信号および前記第1周波数とは異なる第2周波数の信号を発生する信号発生器であって、前記第1周波数の信号および前記第2周波数の信号のうち少なくとも一方を出力する第1出力部と、前記第1周波数の信号および前記第2周波数の信号のうち少なくとも一方を出力する第2出力部と、を含む信号発生器と、前記第1出力部および前記第2出力部のそれぞれと接続可能な計算部と、を備え、前記計算部は、前記第1出力部と前記計算部とを接続した状態で、前記第1出力部から前記第1周波数の信号を出力して得られた第1基準信号と、前記第2出力部と前記計算部とを接続した状態で、前記第2出力部から前記第2周波数の信号を出力することによって得られた第2基準信号とから基準位相差を得るとともに、前記基準位相差に対応する基準電圧を算出する。
また、本発明の実施形態に係るセンシング方法は、信号発生器が、第1周波数の信号および前記第1周波数とは異なる第2周波数の信号を発生して出力する信号出力工程と、計算部が、前記信号発生器が出力した第1周波数の信号から得られる第1基準信号と、前記信号発生器が前記第1周波数の信号と同時に出力した第2周波数の信号から得られる第2基準信号とから基準位相差を得るとともに、前記第1基準信号と前記第2基準信号とから前記基準位相差に対応する基準電圧を算出する算出工程と、を含む。
本発明の実施形態に係るセンサ装置によれば、2つの信号発生器から異なる周波数の信号を発生することによって、センサ装置自体で簡易に、基準位相差を得ることができ、前記基準位相差に対応する基準電圧を算出することができる。
また、本発明の実施形態に係るセンサ装置によれば、信号発生器から異なる周波数の信号を発生することによって、センサ装置自体で簡易に、基準位相差を得ることができ、前記基準位相差に対応する基準電圧を算出することができる。
また、本発明の実施形態に係るセンシング方法によれば、信号発生器から異なる周波数の信号を同時に発生することによって、簡易に、基準位相差を得ることができ、前記基準位相差に対応する基準電圧を算出することができる。
本発明の第1実施形態に係るセンサ装置の構成図である。 本発明の第2実施形態に係るセンサ装置の構成図である。 本発明の第3実施形態に係るセンサ装置の構成図である。 本発明の第4実施形態に係るセンサ装置の構成図である。 ヘテロダイン方式の信号処理について説明する模式図である。 図6(a)は第1検出電圧と第2検出電圧との模式的な軌跡を示す線図であり、図6(b)は選択された検出電圧の軌跡を示す線図である。 図7(a)は本発明の第1実施形態に係るセンサ装置の一部を示す斜視図であり、図7(b)は(a)に示すセンサ装置の一部を破断した状態の斜視図である。 図8(a)は図7(a)のVIa−VIa線における断面図、図8(b)は図7(a)のVIb−VIb線における断面図である。 図7(a)に示すセンサ装置の一部を除いた上面図である。 本発明の実施形態の変形例に係るセンサ装置の構成図である。 図1に示す本発明の第1実施形態に係るセンサ装置の変形例を示す構成図であり、検出素子およびリファレンス素子を有さない構成である。 図1に示す本発明の第1実施形態に係るセンサ装置の変形例を示す構成図であり、計算部と接続配線および素子との間における接続状態を選択可能なスイッチを有する構成である。 図2に示す本発明の第2実施形態に係るセンサ装置の変形例を示す構成図であり、分岐部と接続配線および素子との間における接続状態を選択可能なスイッチを有する構成である。 図3に示す本発明の第3実施形態に係るセンサ装置の変形例を示す構成図であり、分岐部と接続配線および素子との間における接続状態を選択可能なスイッチを有する構成である。 本発明の第5実施形態に係るセンサ装置の構成図である。
以下、本発明の実施形態に係るセンサ装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する各図面において同じ構成部材には同じ符号を付すものとする。また、各部材の大きさおよび部材同士の間の距離などは模式的に図示しており、実物とは異なる場合がある。
また、センサ装置は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともにz方向の正側を上方として、上面、下面などの用語を用いるものとする。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサ装置100Aの原理を説明するための概略図である。
本発明の第1実施形態に係るセンサ装置100Aは、図1に示すように、第1信号発生器SG1、第2信号発生器SG2、検出素子110、リファレンス素子120、第1接続配線115、第2接続配線125、計算部140および計測部150を有する。
(第1信号発生器SG1)
第1信号発生器SG1は、第1周波数の信号f1および第1周波数とは異なる第2周波数の信号f2のうち少なくとも一方を発生するものである。但し、第1信号発生器SG1は、第1周波数の信号f1および第2周波数の信号f2に限定されるものではなく、第3周波数の信号など、それ以外の周波数の信号を発生できるものであってもよい。
本実施形態において、第1信号発生器SG1は、第1接続配線115および検出素子110のいずれかに選択的に接続可能である。そして、図1(a)に示すように、第1接続配線115に接続した状態で第1周波数の信号f1を発生し、図1(b)に示すように、検出素子110に接続した状態で第1周波数の信号f1を発生する。
(第2信号発生器SG2)
第2信号発生器SG2は、第1周波数の信号f1および第2周波数の信号f2のうち少なくとも一方を発生するものである。但し、第1信号発生器SG1と同様に、第2信号発生器SG2は、第1周波数の信号f1および第2周波数の信号f2に限定されるものではなく、第3周波数の信号など、それ以外の周波数の信号を発生できるものであってもよい。
本実施形態において、第2信号発生器SG2は、第2接続配線125およびリファレンス素子120のいずれかに選択的に接続可能である。そして、図1(a)に示すように、第2接続配線125に接続した状態で第2周波数の信号f2を発生し、図1(b)に示すように、リファレンス素子120に接続した状態で第1周波数の信号f1を発生する。
ここで、少なくとも第1信号発生器SG1および第2信号発生器SG2のうちいずれか一方の信号発生器は、第1周波数の信号f1および第2周波数の信号f2の両方を発生することができる。他方の信号発生器は、第1周波数の信号f1および第2周波数の信号f2のいずれか一方の信号のみを発生すればよい。本実施形態においては、図1(a)および図1(b)に示すように、第1信号発生器SG1は第1周波数の信号f1のみを発生し、第2信号発生器SG2は第1周波数の信号f1および第2周波数の信号f2の両方を発生する構成を採用している。
(検出素子110)
検出素子110は、本実施形態において必須ではないが(後述する各センサ装置においても同様である。)、検体中に存在する標的が吸着する、またはこの標的は吸着しないが、標的との反応に応じて質量が変化する検出部111を有する。
この検出部111は、例えば、検体の導電率などの電気的性質の影響を受けない金(Au)の膜に、標的を特異的に吸着させるような反応性を有する反応基を固定化することで実現できる。例えば、標的に特異的に結合するDNA、RNAまたは抗体等をAu膜上に固定化してもよい。このような構成により、標的の量に応じて検出部111の質量が変化するものとなる。なお、標的自体を吸着させなくても標的と特異的に反応し、反応によって検出部111の質量が変化するものであればよい。例えば、Auの膜に、標的に対して反応し、検体中に存在する標的以外の物質と反応しないような特性を有する反応基を固定化してもよい。なお、このAu膜は電気的に接地されていることが好ましい。このような構成により、標的の量に応じて検出部111の質量が変化するものとなる。
本実施形態において、検出素子110は、第1信号発生器SG1に接続可能であり、図1(a)では接続しておらず、図1(b)では接続している。
そして、図1(b)に示すように、第1信号発生器SG1に検出素子110が接続した状態で、第1信号発生器SG1から検出素子110に入力信号が与えられる。このように検出素子110に与えられた入力信号が、検出部111を通過する際に、検出部111の質量変化などに応じた変化を受けて、検出信号として出力される。
(リファレンス素子120)
リファレンス素子120は、本実施形態において必須ではないが(後述する各センサ装置においても同様である。)、検体中に存在する標的を吸着しない、または標的と反応しないリファレンス部121を有する。リファレンス素子120からの出力は、検出素子110からの出力に対する基準値として用いる。
このリファレンス部121は、例えば、検体中に存在する標的に対して特異的に吸着させたり、構造変化を生じて検体中の物質と置換反応を起こしたりするような反応性を有さないものである。具体的には、上述の反応基を固定化していないAuの膜あるいは上述の反応基と同程度の物質量を有し、ランダムな塩基配列を有するDNA、RNA等をAu膜上に固定化したものを用いることができる。このような構成により、リファレンス部121が標的の量に依存して質量変化を生じることを抑制できる。
本実施形態において、リファレンス素子120は、第2信号発生器SG2に接続可能であり、図1(a)では接続しておらず、図1(b)では接続している。
そして、図1(b)に示すように、第2信号発生器SG2にリファレンス素子120が接続した状態で、第2信号発生器SG2からリファレンス素子120に入力信号が与えられる。このようにリファレンス素子120に与えられた入力信号が、リファレンス部121を通過する際に、リファレンス部121に応じた変化を受けて、リファレンス信号として出力される。
以上のようにして得られた検出信号およびリファレンス信号は交流信号であり、リファレンス信号は検出信号に対する基準としての役割を果たす。
(第1接続配線115)
第1接続配線115は、第1信号発生器SG1に計算部140を接続する役割を有するものである。
本実施形態において、第1接続配線115は、図1(a)に示すように計算部140に接続されているとともに、第1信号発生器SG1には図1(a)および図1(b)に示すように選択的に接続される。
そして、図1(a)に示すように、第1接続配線115を介して第1信号発生器SG1に計算部140を接続した状態で、第1信号発生器SG1から第1周波数の信号f1を発生させることによって、計算部140は第1基準信号を得る。
(第2接続配線125)
第2接続配線125は、第2信号発生器SG2に計算部140を接続する役割を有するものである。
本実施形態において、第2接続配線125は、図1(a)に示すように計算部140に接続されているとともに、第2信号発生器SG2には図1(a)および図1(b)に示すように選択的に接続される。
そして、図1(a)に示すように、第2接続配線125を介して第2信号発生器SG2に計算部140を接続した状態で、第2信号発生器SG2から第2周波数の信号f2を発生させることによって、計算部140は第2基準信号を得る。
(計算部140)
計算部140は、第1信号発生器SG1および第2信号発生器SG2から発生された信号に基づいて、基準電圧を算出することができるものである。計算部140は、例えばミキサとローパスフィルタとで構成することができる。
具体的には、本実施形態において、計算部140は、図1(a)に示すように、第1信号発生器SG1に第1接続配線115を介して接続した状態で、第1信号発生器SG1から第1周波数の信号f1を発生して得られる第1基準信号と、第2信号発生器SG2と第2接続配線125を介して接続した状態で、第2信号発生器SG2から第2周波数の信号f2を発生して得られる第2基準信号とを受ける。そして、これらの第1基準信号および第2基準信号から基準位相差が生じるとともに、第1基準信号および第2基準信号からヘテロダイン方式によって上述の基準位相差に対応する基準電圧を算出することができる。
このように、本実施形態に係るセンサ装置100Aによれば、センサ装置自体で簡易に基準電圧を得ることができる。それ故、例えば、基準電圧を算出した後に信号発生器を素子などに接続して検出電圧の測定を行なう場合において、装置自体の温度などの環境特性に起因する測定ばらつき、ならびに素子特性に起因する信号の大きさおよび周波数のばらつきの発生を低減することが可能となる。
例えば、出荷時などに基準位相差およびそれに対する基準電圧を算出したデータをセンサ装置100Aの計算部140などに格納しておくことができる。これによれば、当該データと、測定直前に改めて基準位相差およびそれに対する基準電圧を算出した値とを比較することによって、センサ装置100Aの状態(正常か故障しているか)を診断することが可能となる。このような構成、機能および効果については、後述する各センサ装置においても同様に備えるようにすることができる。
また、上述のような、検出素子110およびリファレンス素子120を用いて測定する場合には、これらの検出素子110およびリファレンス素子120の特性データに応じて、第1信号発生器SG1および第2信号発生器SG2から発生する信号の周波数および信号の大きさを設定すればよい。このような条件にて、基準位相差およびそれに対応する基準電圧を算出することによって、素子特性に起因する信号の大きさおよび周波数のばらつきの発生を低減することが可能となる。このような構成、機能および効果については、後述する各センサ装置においても同様に備えるようにすることができる。
また、計算部140は、検出素子110およびリファレンス素子120に接続することによって、検出電圧を算出することもできる。
具体的には、計算部140は、図1(b)に示すように、第1信号発生器SG1および検出素子110に接続した状態で、第1信号発生器SG1から第1周波数の信号f1を発生して得られる第1検出信号と、第2信号発生器SG2およびリファレンス素子120に接続した状態で、第2信号発生器SG2から第1周波数の信号f1を発生して得られる第2検出信号(第1リファレンス信号)とを受ける。そして、これらの第1検出信号および第1リファレンス信号からヘテロダイン方式によって検出電圧を算出することができる。
なお、図1(a)の状態において、計算部140が、検出素子110およびリファレンス素子120に接続しないようにしてもよい。これによれば、検出素子110およびリファレンス素子120により浮遊容量などが発生することによって、正確な測定を妨げるということを効果的に抑制することができる。このような接続状態を示す例としては、例えば、図11(a)、図12(a)、図13(a)および図14(a)が挙げられる。また、図1(b)の状態において、計算部140が、第1接続配線115および第2接続配線125に接続しないようにしてもよい。これによれば、第1接続配線115および第2接続配線125により寄生インダクタなどが発生することによって、正確な測定を妨げるということを効果的に抑制することができる。このような接続状態を示す例としては、例えば、図11(b)、図12(b)、図13(b)および図14(b)が挙げられる。
(計測部150)
計測部150は、本実施形態において必須ではないが(後述する各センサ装置においても同様である。)、上述の基準電圧を参照して、上述の検出電圧に対応する複数の位相候補値を算出するとともに、複数の位相候補値のうちの1つである検出位相差を選択するものである(後述する選択部160の役割も有している。)。
具体的には、計算部140において、ヘテロダイン方式によって検出電圧を処理しているため、図5に示すように、検出電圧は正弦曲線となり、電圧の強度(出力値)y1に相当する位相候補値として2つの値x1、x2が存在することとなる。この位相候補値とは、検出信号とリファレンス信号とにおける検出位相差を示すものである。
そして、本実施形態では、検出位相差の選択方法として、まず検出電圧からヘテロダイン方式により位相候補値を算出する。ここで、ヘテロダイン方式により検出電圧を処理しているため、信号は、0°を挟んで正負対称の正弦曲線となり、位相候補値には正負2つの値が存在することとなる。次に、検出電圧の時間的変化を確認する。検出素子110は、質量が単調変化するという特性を有するため、時間の経過と共に検出電圧に対する位相は単調変化する。この特性を利用して、例えば、検出電圧の強度が増加すれば負の位相差であり、減少すれば正の位相差であることが分かる。すなわち、検出電圧の時間的変化を確認することで、位相差の正負を判定することができる。このように、本実施形態に係るセンサ装置100Aによれば、2つの位相候補値から1つの検出位相差を決定することができる。
なお、後述する第2実施形態に係るセンサ装置100Bのように、検出量算出部170を有する構成にしてもよく、その場合には、上述のようにして選択された検出位相差に基づいて検体の検出量を算出することができる。このように構成することにより、検体が備える標的の検出量を算出可能なセンサ装置を提供することができる。
また、本実施形態に係るセンサ装置100Aは、基準電圧の算出および検出電圧の算出において、ヘテロダイン方式によって信号を処理しているが、これに限らず、基準電圧の算出および検出電圧の算出を直交変調方式など他の方式によって信号を処理してもよい。ヘテロダイン方式によって信号を処理する構成であれば、検出信号とリファレンス信号との差分をとる計算部、すなわちミキサおよびローパスフィルタを追加するのみで検体検出量を算出可能である。このため、SAWセンサなどで位相差の測定に用いられる直交変調方式と比較して、信号処理の簡素化が可能であり、必要部品点数を少なく、小型化が可能であり、かつ消費電流を抑制することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係るセンサ装置100Bは、図2に示すように、第1信号発生器SG1、第2信号発生器SG2、検出素子110、リファレンス素子120、第1接続配線115、第2接続配線125、分岐部130、計算部140、計測部150、選択部160および検出量算出部170を有する。
本実施形態に係るセンサ装置100Bは、第1実施形態に係るセンサ装置100Aと比較して、分岐部130、選択部160および検出量算出部170をさらに有するとともに、計算部140は、第1計算部141および第2計算部142を有する。
以下の説明において、第1実施形態に係るセンサ装置100Aと同様の構成については説明を省略する場合がある。
(第1接続配線115)
第1接続配線115は、第1信号発生器SG1に第1分岐部131を接続する役割を有するものである。すなわち、本実施形態では、第1接続配線115は、第1信号発生器SG1に、第1分岐部131を介して、第1計算部141を接続している。
本実施形態において、第1接続配線115は、図2(a)に示すように第1分岐部131に接続されているとともに、第1信号発生器SG1には図2(a)および図2(b)に示すように選択的に接続される。
(第2接続配線125)
第2接続配線125は、第2信号発生器SG2に第2分岐部132を接続する役割を有するものである。すなわち、本実施形態では、第2接続配線125は、第2信号発生器SG2に、第2分岐部132を介して、第2計算部142を接続している。
本実施形態において、第2接続配線125は、図2(a)に示すように第2分岐部132に接続されているとともに、第2信号発生器SG2には図2(a)および図2(b)に示すように選択的に接続される。
(分岐部130)
本実施形態において、分岐部130は、第1分岐部131および第2分岐部132を有する。第1分岐部131および第2分岐部132は、例えばスプリッタで構成することができ、その一方のスプリッタによって分岐された2つの信号の位相を互いにずらすことができる。
まず、図2(a)に示すような接続状態で、第1分岐部131および第2分岐部132によって、第1基準信号および第2基準信号を得る。具体的には次の通りである。
第1分岐部131は、図2(a)に示すように、第1接続配線115によって第1信号発生器SG1に第1分岐部131を接続した状態で、第1信号発生器SG1から第1周波数の信号f1を発生させることによって、第1基準信号を得る。そして、この第1基準信号を第1分岐信号と第2分岐信号とに分岐する。ここで、第1分岐信号と第2分岐信号とは位相の同じ信号である。すなわち、第1基準信号を2つの同一信号Aに分岐するものである。
第2分岐部132は、図2(a)に示すように、第2接続配線125によって第2信号発生器SG2に第2分岐部132を接続した状態で、第2信号発生器SG2から第2周波数の信号f2を発生させることによって、第2基準信号を得る。そして、この第2基準信号を第3分岐信号と第4分岐信号とに分岐する。ここで、第3分岐信号は、第1分岐信号と同じ位相である。第4分岐信号は、第3分岐信号から位相をずらしている。ただし、位相をずらす値としては180°を除く。この例では90°位相をずらしている。図2中において、第3分岐信号をBで、第4分岐信号をB’で表している。これによれば、第4分岐信号の位相を第1〜第3分岐信号に対して90°ずらしていることより、第1検出電圧が最も感度が低くなるときに、第2検出電圧が最も感度の高い領域となるため、高感度にすることができる。
なお、本実施形態に係るセンサ装置100Bでは、リファレンス信号を第3分岐信号と第4分岐信号とに位相をずらして分岐した例を示したが、これに代えて、検出信号から位相をずらして分岐した信号を出力するようにしてもよい。また、第4分岐信号の位相を第1分岐信号に対して90°ずらした例を説明したが、180°を除く値であれば90°以外でもよい。
なお、例えば、第1分岐部131で、信号を2つに分岐させて同一位相の分岐信号を得るとともに、第2分岐部132で、信号を2つに分岐させた後に、一方の線路長を他方の線路長に対して異ならせることによって、分岐信号間で位相をずらすようにしてもよい。
ここで、分岐部130(第1分岐部131および第2分岐部132)において各分岐信号における位相のずれは、後述の第1計算部141において、第1分岐信号Aから第3分岐信号Bを差し引いた値として算出される第1基準位相差と、後述の第2計算部142において、第2分岐信号Aから第4分岐信号B’を差し引いた値として算出される第2基準位相差とが異なる値になるように設定される。このような位相のずれの設定については、他の分岐部130、および他の実施形態におけるセンサ装置100においても同様である。
次に、図2(b)に示すような接続状態で、第1分岐部131および第2分岐部132によって、上述の基準信号と同様にして、検出信号およびリファレンス信号を得る。具体的には次の通りである。
第1分岐部131は、図2(b)に示すように、第1接続配線115を用いずに、第1信号発生器SG1、検出素子110および第1分岐部131を接続した状態で、第1信号発生器SG1から第1周波数の信号f1を発生させることによって、検出信号を得る。そして、この検出信号を第1分岐信号と第2分岐信号とに分岐する。ここで、第1分岐信号と第2分岐信号とは位相の同じ信号である。すなわち、検出信号を2つの同一信号に分岐するものである。図2中において、第1分岐信号および第2分岐信号をいずれも符号Aで表している。
第2分岐部132は、図2(b)に示すように、第2接続配線125を用いずに、第2信号発生器SG2、リファレンス素子120および第2分岐部132を接続した状態で、第2信号発生器SG2から第1周波数の信号f1を発生させることによって、リファレンス信号を得る。そして、このリファレンス信号を第3分岐信号と第4分岐信号とに分岐する。ここで、第3分岐信号は、第1分岐信号と同じ位相である。第4分岐信号は、第1分岐信号から位相を、180°を除く値だけずらしている。この例では90°位相をずらしている。図2中において、第3分岐信号を符号Bで、第4分岐信号を符号B’で表している。
(計算部140)
本実施形態において、計算部140は、第1計算部141と第2計算部142とを有する。
計算部140は、上述の第1基準信号あるいは検出信号を分岐した第1分岐信号Aおよび第2分岐信号Aと、第2基準信号あるいはリファレンス信号を分岐した第3分岐信号Bおよび第4分岐信号B’とから、例えばヘテロダイン方式によって基準電圧あるいは検出電圧を得る。基準電圧および検出電圧のいずれを得るかは、信号発生器と素子との接続の有無に応じて決まる。第1計算部141および第2計算部142は、例えばミキサとローパスフィルタとで構成することができる。
具体的には、上述の通り、図2(a)に示すように各構成要素を接続した状態において、第1計算部141は、第1分岐信号Aから第3分岐信号Bを差し引いた値である第1基準位相差を得て、ヘテロダイン方式によってこの第1基準位相差に対応する第1基準電圧を得るとともに、第2計算部142は、第2分岐信号Aから第4分岐信号B’ を差し引いた値である第2基準位相差を得て、ヘテロダイン方式によってこの第2基準位相差に対応する第2基準電圧を算出する。
また、図2(b)に示すように各構成要素を接続した状態において、第1計算部141は、第1分岐信号Aから第3分岐信号Bを差し引いた値である第1検出位相差を得て、ヘテロダイン方式によってこの第1検出位相差に対応する第1検出電圧を得るとともに、第2計算部142は、第2分岐信号Aから第4分岐信号B’ を差し引いた値である第2検出位相差を得て、ヘテロダイン方式によってこの第2検出位相差に対応する第2検出電圧を算出する。
このように、本実施形態に係るセンサ装置100Bによれば、2つの信号発生器と2つの計算部との接続構成を変更しつつ、2つの信号発生器から所定の周波数の信号を発生することによって、センサ装置自体で簡易に図6(a)に示すような基準電圧を算出することができる。その他、上述の第1実施形態に係るセンサ装置100Aと同様の効果を奏することができる。
(計測部150)
計測部150は、第1検出電圧から2つの第1位相候補値を算出し、そのうちの一方を第1検出位相差と判断する。同様に、第2検出電圧から2つの第2位相候補値を算出し、そのうち一方を第2検出位相差と判断する。
ここで、本実施形態においても、ヘテロダイン方式によって第1検出電圧および第2検出電圧を処理しているため、第1検出電圧および第2検出電圧はそれぞれ図5(a)に示すような正弦曲線となり、電圧の強度(出力値)y1に相当する位相候補値として2つの値x1、x2が存在することとなる。位相候補値とは、検出信号とリファレンス信号とにおける検出位相差を示すものである。
具体的に第1検出電圧および第2検出電圧に対して検討すると、第1検出電圧に対して2つの第1位相候補値x11、x21が存在する。同様に第2検出電圧に対して2つの第2位相候補値x12、x22が存在する。ここで、x11とx12との組合せ、x11とx22との組合せ、x21とx12との組合せ、およびx21とx22との組合せの合計4つの組合せの中で、最も値(位相差の値)が近いもので組合せを構成する位相候補値をそれぞれ、第1検出電圧に対応する第1検出位相差および第2検出電圧に対応する第2検出位相差とする。すなわち、4つの組合せのそれぞれについて差を求め、その値が最も小さくなる組合せを選択する。そして、選択した組合せをなす位相候補値をそれぞれ、第1検出電圧に対応する第1検出位相差および第2検出電圧に対応する第2検出位相差とする。これは、以下のメカニズムによる。
すなわち、理論上では、第1基準電圧の2つの第1位相候補値のうちの1つと、第2基準電圧の2つの第2位相候補値のうちの1つとが同じになる。この同じ値が正しい位相差(第1基準位相差、第2基準位相差)である。しかしながら、実測定である第1検出電圧および第2検出電圧においては、誤差によって完全に同一の値をとることができない可能性がある。このため、差が最も少ない組合せ(すなわち最も近い値を取るもの)を正しい位相差であるとして、第1検出位相差および第2検出位相差と判別するものである。
(選択部160)
選択部160は、計測部150にて得られた第1検出位相差および第2検出位相差から、1つの検出位相差を選択する。
具体的には、上述のようにして得られた第1検出位相差および第2検出位相差のうち信号の出力値(例えば、V1、V2)が所定の基準値に近い方を検出位相差として選択する。これによれば、所定の基準値を基準として選択すべき検出位相差を特定することができる。ここで、基準値として、例えば、0(ゼロ)あるいは2つの交点強度の中点などを設定することができる。図6に示すような理論的な軌跡を用いる場合には、基準値である2つの交点強度の中点はゼロになる。なお、基準値としては、2つの交点強度の中点に限られず、第1検出電圧および第2検出電圧を考慮して、高い感度の検出電圧を得ることができるよう適切な値に設定すればよい。
このように、本実施形態によれば、上述のようにヘテロダイン方式によって2つの検出信号(第1および第2検出信号)を用いて信号処理を行なうことから、位相候補値から位相差を判断することができる。それ故、1つの検出信号を用いる場合と比較して、広い位相範囲において測定することが可能となる。
(検出量算出部170)
検出量算出部170は、選択部160に接続されている。
検出量算出部170において、選択部160にて選択された検出位相差を用いて、検体の検出量を算出する。例えば、検出量算出部170は、予め標準検体の検出量に関するデータを有しており、当該データと実測定で得られた値とを対比することによって、検体の検出量を算出することができる。
以上のような構成を有することにより、検体が備える標的の検出量を算出可能なセンサ装置を提供することができる。
以上のような、本実施形態に係るセンサ装置100Bによれば、上述の第1実施形態に係るセンサ装置100Aと同様の効果を奏することができる。
それに加えて、以下のような効果を有する。
まず、通常のヘテロダイン方式では位相差の正負の判断が付かないため、測定可能な位相範囲は0°から180°までの範囲のみであった。これに対して、本実施形態に係るセンサ装置100Bによれば、第1検出電圧および第2検出電圧を第1位相候補値および第2位相候補値と比較することによって、位相候補値からの位相の正負を判断し、検出位相差を推定することができる。これにより、測定可能な位相範囲を−180°から180°まで広げることができる。さらに、連続的に第1検出電圧および第2検出電圧の電圧強度の変化を測定することによって、180°を超える位相範囲においても測定可能となる。
また、通常のヘテロダイン方式では、検出電圧は正弦曲線を描くため、位相差が0°および±180°で傾きが小さくなり、感度が低くなったり誤差が大きくなったりするおそれがある。これに対して、本実施形態に係るセンサ装置100Bによれば、傾きが小さくなる領域を省き、全ての位相範囲で傾きの大きい検出電圧を用いることとなる。これにより、位相変化に対して電圧変化率の高いものとすることができ、高感度にすることができる。特に、センサ装置において、位相差0°付近は、標的検出による信号変化の立ち上り部分に相当することが多く、高い感度で測定することが望まれることから、本実施形態に係るセンサ装置100Bは、優れた効果を発揮することができる。
さらに、上述のような2つの検出電圧(第1検出電圧、第2検出電圧)を用いることより、ノイズ判定を行なうことができる。これは以下のようなメカニズムによる。検出信号およびリファレンス信号にはノイズが混入することがあるが、通常はこのようなノイズをノイズとして判別することは困難である。これに対して、本実施形態に係るセンサ装置100Bによれば、ノイズが混入せず正しく測定できている場合には、第1検出電圧および第2検出電圧の一方の電圧強度が交点強度VmaxおよびVminの間の範囲に入る値をとり、他方がこの範囲を外れる値をとる。言い換えると、第1検出電圧および第2検出電圧のいずれもが、この範囲内の値をとったりこの範囲外の値をとったりする場合には、ノイズであると判断することができる。このようにして、ノイズを判別することができるので、例えば、ノイズが混入したと判断した場合には、その測定結果を採用せず、再度測定をやり直すなどすることで、ノイズに影響されずに、より正確な測定をすることが可能となる。
(第2実施形態の変形例)
ここで、上述の第2実施形態に係るセンサ装置100Bにおいて、計測部150および選択部160の内容が異なる変形例を以下において説明する。それ以外の構成については、第2実施形態に係るセンサ装置100Bと同一である。以下、本変形例における計測部150’および選択部160’について詳細に説明する。
(計測部150’)
計測部150’は、第1検出電圧から2つの第1位相候補値を算出し、そのうちの一方を第1検出位相差と判断する。同様に、第2検出電圧から2つの第2位相候補値を算出し、そのうち一方を第2検出位相差と判断する。
具体的には、予め第1検出電圧と第2検出電圧との位相差に対する軌跡を求め、第1検出電圧と第2検出電圧との交点における正負2つの強度を求める。そして、第1検出電圧と第2検出電圧とのうち、交点における正負2つの強度の間に位置するものを検出電圧として選択する。具体的には、以下の通りである。
図6(a)は、第1検出電圧および第2検出電圧の理論値の軌跡を示す図である。本実施形態においては、図6(a)における第1検出電圧の理論値を第1基準電圧と見做し、第2検出電圧の理論値を第2基準電圧と見做して、それを基準として実測定を行なって検体をセンシングすればよい。便宜上、第1検出電圧の強度をV1とし、第2検出電圧の強度をV2とし、第1検出電圧の軌跡と第2検出電圧の軌跡との交点の強度を大きい値から順にVmaxおよびVminとしている。また、第1検出電圧の軌跡を破線で、第2検出電圧の軌跡を実線で示している。理論的には、交点の強度VmaxおよびVminは、V1およびV2の最大強度の0.5倍および−0.5倍となる。
ここで、第1検出電圧および第2検出電圧がいずれかの交点の強度をとる位相値ごとに位相値の区間を区切る。図6(a)では区間1〜区間5を示している。なお、区間1〜区間4を繰り返すものであり、区間1と区間5とは同一となる。そして、区間1では第2検出電圧を、区間2では第1検出電圧を、区間3では第2検出電圧を、区間4では第1検出電圧を、区間5では第2検出電圧をそれぞれ検出電圧として選択する。これを言い換えると、次のようになる。
V1>V2、且つV1>Vmax・・・検出電圧としてV2を採用
V1<V2、且つV2>Vmax・・・検出電圧としてV1を採用
V1<V2、且つV1<Vmin・・・検出電圧としてV2を採用
V1>V2、且つV2<Vmin・・・検出電圧としてV1を採用
仮にV1=V2の場合は、どちらを検出電圧として採用してもよい。
以上のようにして選択した検出電圧の軌跡を、図6(b)に示す。
(選択部160’)
選択部160’は、計測部150’にて得られた第1検出位相差および第2検出位相差から、1つの検出位相差を選択する。
具体的には、第1検出電圧を検出電圧としたときには、第1検出位相差を検出位相差とし、第2検出電圧を検出電圧としたときには、第2検出位相差を検出位相差とする。
以上のようにして、選択部160’にて選択された検出位相差を用いて、第2実施形態に係るセンサ装置100Bにおける検出量算出部170と同様に、検体の検出量を算出することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係るセンサ装置100Cは、図3に示すように、第1信号発生器SG1、第2信号発生器SG2、検出素子110、リファレンス素子120、素子分岐部105、第1接続配線115、第2接続配線125、分岐部130、計算部140、計測部150、選択部160および検出量算出部170を有する。以下、上述の第1および第2実施形態に係るセンサ装置100A、100Bと同様の構成については説明を省略する場合がある。
上述の実施形態に係るセンサ装置100A、100Bでは、図1および図2に示すように、第1信号発生器SG1は検出素子110に接続可能であり、第2信号発生器SG2はリファレンス素子120に接続可能な構成を有している。
これに対して、本実施形態に係るセンサ装置100Cは、図3に示すように、検出素子110およびリファレンス素子120に接続している素子分岐部105を有している。そして、第1信号発生器SG1は素子分岐部105に接続せず、第2信号発生器SG2が素子分岐部105に接続可能である。
そして、図3(b)に示すように、第2信号発生器SG2から発生した信号が、素子分岐部105を介して、検出素子110およびリファレンス素子120に入力されることになる。入力された信号は、その後、上述の第2実施形態に係るセンサ装置100Bと同様の経路を辿って検出・処理される。ここで、素子分岐部105は、例えばスプリッタで構成することができる。なお、変形例として、第1信号発生器SG1および第2信号発生器SG2の一方から発生する信号を素子分岐部105を採用することなく2つに分岐し、検出素子110およびリファレンス素子120などの複数の素子に入力される構成を採用してもよい。この場合において、素子が3つ以上存在する場合には、上述のように2つに分岐された信号が、入力される2つの素子に選択的に接続することが可能なスイッチを設ければよい。
本実施形態に係るセンサ装置100Cにおいて、第1信号発生器SG1および第2信号発生器SG2から出力される信号は次の通りである。図3(a)の接続状態においては、第1信号発生器SG1から第1周波数の信号f1が、第2信号発生器SG2から第2周波数の信号f2が出力され、図3(b)の接続状態においては、第2信号発生器SG2から第1周波数の信号f1が出力されるようにすればよい。
以上のように、本実施形態に係るセンサ装置100Cにおいても、上述の実施形態と同様に、第1信号発生器SG1に計算部140を接続した状態で、第1信号発生器SG1から第1周波数の信号f1を発生し、第2信号発生器SG2に計算部140を接続した状態で、第2信号発生器SG2から第2周波数の信号f2を発生することによって、センサ装置自体で簡易に基準位相差を得ることができ、この基準位相差に対応する基準電圧を算出することができる。
それに加えて、本実施形態に係るセンサ装置100Cにおいても、上述の第2実施形態に係るセンサ装置100Bと同様の効果を奏することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係るセンサ装置100Dは、図4に示すように、第1信号発生器SG1、第2信号発生器SG2、検出素子110a、検出素子110b、リファレンス素子120a、リファレンス素子120b、素子分岐部105、第1接続配線115、第2接続配線125、分岐部130、計算部140、計測部150、選択部160および検出量算出部170を有する。以下、第1〜第3実施形態に係るセンサ装置100A〜100Cと同様の構成については説明を省略する場合がある。
上述の実施形態に係るセンサ装置100A〜100Cでは、図1〜図3に示すように、検出素子110およびリファレンス素子120が1つずつであり、1つの検出素子110に第1分岐部131が接続されるとともに、1つのリファレンス素子120に第2分岐部132が接続される構成を有している。
これに対して、本実施形態に係るセンサ装置100Dは、図4に示すように、検出素子110およびリファレンス素子120をそれぞれ2つとし、2つの検出素子110a、bに第1分岐部131が選択的に接続可能であるとともに、2つのリファレンス素子120a、bに第2分岐部132が選択的に接続可能である。
これら2つの検出素子110a、bは、同じであっても異なっていてもよく、異なる場合には、それぞれが特異的に吸着する標的の種類が異なるように、Au膜に異なるDNA、RNA、または抗体等を固定すればよい。
具体的には、第1分岐部131は、スイッチ136aによって2つの検出素子110a、bのうちのいずれかに選択的に接続できるようにし、第2分岐部132は、スイッチ136bによって2つのリファレンス素子120a、bのうちのいずれかに選択的に接続できるようにすればよい。
これによれば、検体に含まれる2つ以上の検出対象を、分岐部130に続く構成(すなわち計算部140、計測部150、選択部160および検出量算出部170の構成)を変更することなく、一度に(1つの検体を用いることによって)検出することが可能となる。
以上のように、本実施形態に係るセンサ装置100Dにおいても、上述の実施形態と同様に、第1信号発生器SG1に計算部140を接続した状態で、第1信号発生器SG1から第1周波数の信号f1を発生し、第2信号発生器SG2に計算部140を接続した状態で、第2信号発生器SG2から第2周波数の信号f2を発生することによって、センサ装置自体で簡易に基準位相差を得ることができ、この基準位相差に対応する基準電圧を算出することができる。
それに加えて、本実施形態に係るセンサ装置100Dにおいても、上述の第2実施形態に係るセンサ装置100Bと同様の効果を奏することができる。
なお、上述の接続構成に代えて、図4の各スイッチ135、136の構成に示すように、例えば、第1分岐部131および第2分岐部132のそれぞれを、2つの検出素子および2つのリファレンス素子のいずれに対しても任意に接続できるようにしてもよい。
また、上述の素子構成に代えて、例えば、検出素子を3つにし、リファレンス素子を1つにしてもよい。この場合において、第1分岐部および第2分岐部のいずれか一方がリファレンス素子に接続する構成であればよく、他方については3つの検出素子のいずれに接続するかは特に限定されず、検出対象の種類・数に応じて適宜設定することができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態に係るセンサ装置101は、図15に示すように、信号発生器SG、検出素子110、リファレンス素子120、第1接続配線115、第2接続配線125、計算部140および計測部150を有する。
本実施形態に係るセンサ装置101は、第1実施形態に係るセンサ装置100Aと比較して、第1信号発生器SG1および第2信号発生器SG2の2つの信号発生器を備える代わりに1つの信号発生器SGを備える点で異なっている。
以下の説明において、第1実施形態に係るセンサ装置100Aと同様の構成については説明を省略する場合がある。
(信号発生器SG)
信号発生器SGは、第1周波数の信号f1および第1周波数とは異なる第2周波数の信号f2を発生するものである。但し、信号発生器SGは、第1周波数の信号f1および第2周波数の信号f2に限定されるものではなく、第3周波数の信号などそれ以外の周波数の信号を発生できるものであってもよい。
本実施形態において、信号発生器SGは、第1周波数の信号f1および前記第2周波数の信号f2のうち少なくとも一方を出力する第1出力部と、第1周波数の信号f1および第2周波数の信号f2のうち少なくとも一方を出力する第2出力部とを有する。第1出力部は、第1接続配線115および検出素子110のいずれかに選択的に接続可能であり、第2出力部は、第2接続配線125および検出素子120のいずれかに選択的に接続可能である。そして、図15(a)に示すように、第1出力部が、第1接続配線115に接続した状態で第1周波数の信号f1を発生し、第2出力部が、第2接続配線125に接続した状態で第2周波数の信号f2を発生し、図15(b)に示すように、第1出力部が、検出素子110に接続した状態で第1周波数の信号f1を発生し、第2出力部が、検出素子120に接続した状態で第1周波数の信号f1を発生する。
信号発生器SGは、第1出力部および第2出力部から同時に信号を出力することができればよい。例えば、図15(a)のような接続状態では、第1出力部からは信号f1を出力し、それと同時に第2出力部からは信号f1とは周波数が異なる信号f2を出力する。図15(b)のような接続状態では、第1出力部からは信号f1を出力し、それと同時に第2出力部からも信号f1を出力する。
(センサ装置100Aの素子構成)
次に、本発明の実施形態に係るセンサ装置の原理を具体化した構成について説明する。以下では図7〜図9を用いて、実施形態の一例として、本発明の第1実施形態に係るセンサ装置100Aにおける素子(検出素子110およびリファレンス素子120)を具体化した構成について説明する。
素子(検出素子110およびリファレンス素子120)は、図7(a)の斜視図に示すように、外観上は主に圧電基板1とカバー3とで構成されている。カバー3には、検体溶液の流入口である第1貫通孔18と空気孔または検体溶液の流出口である第2貫通孔19とが設けられている。
図7(b)に、カバー3の片側半分を取り除いたときのセンサ装置100Aの斜視図を示す。同図に示すように、カバー3の内部には検体(溶液)の検体用流路となる空間20が形成されている。第1貫通孔18はこの空間20に繋がっている。すなわち、第1貫通孔18から入った検体は空間20に流れ込むようになっている。
空間20に流れ込んだ検体液には標的が含まれており、その標的が圧電基板1上に形成された金属膜7などからなる検出部と反応する。
図8にセンサ装置100Aの素子(検出素子110およびリファレンス素子120)の断面図を示す。図8(a)は図7(a)のVIa−VIa線における断面図であり、図8(b)は図7(a)のVIb−VIb線における断面図である。図9に圧電基板1の上面図を示す。
図8、図9に示すように、圧電基板1の上面には、検出第1IDT電極5a、検出第2IDT電極6a、リファレンス第1IDT電極5bおよびリファレンス第2IDT電極6bが形成されている。検出第1IDT電極5aおよびリファレンス第1IDT電極5bは所定のSAWを発生させるためのものであり、検出第2IDT電極6aおよびリファレンス第2IDT電極6bは、それぞれ検出第1IDT電極5aおよびリファレンス第1IDT電極5bで発生したSAWを受信するためのものである。検出第1IDT電極5aで発生したSAWを検出第2IDT電極6aが受信できるように、検出第2IDT電極6aは、検出第1IDT電極5aで発生したSAWの伝搬路上に配置されている。リファレンス第1IDT電極5bおよびリファレンス第2IDT電極6bも同様に配置される。
検出第1IDT電極5aおよび検出第2IDT電極6aは、それぞれ配線8を介してパッド9に接続されている。これらのパッド9および配線8を介して外部から検出第1IDT電極5aに信号が入力され、検出第2IDT電極6aから外部に信号が出力される。リファレンス第1IDT電極5bおよびリファレンス第2IDT電極6bは、検出第1IDT電極5aおよび検出第2IDT電極6aと同様であるため、以下、適宜説明を省略する。
検出第1IDT電極5a、検出第2IDT電極6a、リファレンス第1IDT電極5bおよびリファレンス第2IDT電極6bは、保護膜4によって覆われている。保護膜4は各電極および配線の酸化防止などに寄与するものである。
図8(b)に示すように、検出第1IDT電極5aは第1振動空間11aに収容され、検出第2IDT電極6aは第2振動空間12aに収容されている。これにより、検出第1IDT電極5aおよび検出第2IDT電極6aが外気および検体液から隔離され、水分などの腐食物質から検出第1IDT電極5aおよび検出第2IDT電極6aを保護することができる。また、第1振動空間11aおよび第2振動空間12aが確保されることによって、検出第1IDT電極5aおよび検出第2IDT電極6aにおいてSAWの励振が大きく阻害されない状態とすることができる。
板状体2の、第1振動空間11aおよび第2振動空間12aを形成するための凹部の間には、板状体2を厚み方向に貫通している部分である貫通部が形成されている。この貫通部は、SAWの伝搬路上に金属膜7aを形成するために設けられたものである。すなわち、板状体2を圧電基板1に接合したときに、平面視で、検出第1IDT電極5aから検出第2IDT電極6aに伝搬するSAWの伝搬路の少なくとも一部が貫通部から露出し、その露出部に金属膜7aが形成される。
同様に、板状体2の、第1振動空間11bおよび第2振動空間12bを形成するための凹部の間には、板状体2を厚み方向に貫通している部分である他の貫通部が形成されている。この貫通部は、SAWの伝搬路上に金属膜7bを形成するために設けられたものである。
このような形状の板状体2は、例えば、感光性のレジストを用いて形成することができる。
板状体2の貫通部から露出する金属膜7aは、検体液の検出部を構成する。金属膜7aは、例えば、クロム(Cr)層およびクロム層上に成膜された金(Au)層の2層構造となっている。金属膜7aの表面には、例えば、核酸またはペプチドからなるアプタマーが固定化されている。このようにアプタマーが固定化された金属膜7aに検体液が接触すると、検体液中の特定の標的物質がその標的物質に対応するアプタマーと結合する。このような構成とすることで、検体中の標的物質がアプタマーと結合し、吸着するにつれて金属膜7aの質量が単調増加するものとなる。すなわち、検体中の標的物質の量に応じて質量が単調増加するものとなる。なお、ここで金属膜7aの質量が単調増加するのは、検体が連続的に金属膜7a上に供給される間のみである。
また、板状体2の他の貫通部から露出する金属膜7bは、リファレンス部を構成する。金属膜7bは、例えば、クロム層およびクロム層上に成膜された金層の2層構造となっている。金属膜7aの表面には、検体に対して反応性を示さないように、金属膜7aに固定化したようなアプタマーを付けないものとする。さらに、検体溶液に対して反応性を低めて安定化させるような表面処理を行なってもよい。
SAWを利用して検体溶液の性質などを測定するには、まず、検出第1IDT電極5aに、パッド9および配線8を介して外部の測定器から所定の電圧(信号)を印加する。そうすると、検出第1IDT電極5aの形成領域において圧電基板1の表面が励振され、所定の周波数を有するSAWが発生する。発生したSAWはその一部が検出第1IDT電極5aと検出第2IDT電極6aとの間の領域を通過し、検出第2IDT電極6aに到達する。このとき金属膜7aでは、金属膜7aに固定化されたアプタマーが検体中の特定の標的物質と結合し、結合した分だけ金属膜7aの重さ(質量)が変化することになるため、金属膜7aの下を通過するSAWの位相特性などが変化する。このように特性が変化したSAWが検出第2IDT電極6aに到達すると、それに応じた電圧が検出第2IDT電極6aに生じる。この電圧が交流信号の検出信号として配線8およびパッド9を介して外部に出力され、それを図1に示す分岐部130および計算部140を経て処理することによって、検体液の性質または成分を調べることができる。
すなわち、圧電基板1と、圧電基板1上に形成された検出部としての金属膜7aと、検出第1IDT電極5aおよび検出第2IDT電極6aとで検出素子110Aを構成する。
同様に、同じ空間20にアプタマーが固定化されていない別の金属膜7bを設け、リファレンス第1IDT電極5bからの信号を入力し、リファレンス第2IDT電極6bから出力される交流信号を、温度特性等または湿度等の環境変化による信号変動の較正に用いるリファレンス信号とする。
すなわち、圧電基板1と、圧電基板1上に形成されたリファレンス部としての金属膜7bと、リファレンス第1IDT電極5bおよびリファレンス第2IDT電極6bとでリファレンス素子120Aを構成する。
なお、図9に示すように、検出第1IDT電極5a、検出第2IDT電極6a、リファレンス第1IDT電極5bおよびリファレンス第2IDT電極6bのそれぞれを構成する一対の櫛歯状電極の一方が基準電位線31に接続されている。この基準電位線31はパッド9Gに接続されて基準電位となる。そして、検出第1IDT電極5a、検出第2IDT電極6a、リファレンス第1IDT電極5bおよびリファレンス第2IDT電極6bのそれぞれを構成する一対の櫛歯状電極のうち、基準電位に接続される側の電極を基準電位線31が配置されている側に配置している。換言すると、一対の櫛歯状電極のうち内側に位置する側の電極が基準電位に接続されている。このように構成することで、検出素子110Aとリファレンス素子120Aとの間で互いの信号がクロストークすることを抑制できる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施することができる。
例えば、図10(a)に示すような、上述の実施形態に係るセンサ装置に対する変形例を採用してもよい。
上述の実施形態に係るセンサ装置100A、100Bでは、検出素子110およびリファレンス素子120からの信号を直接用いた例について説明した。これに対して、図10(a)に示すセンサ装置100E1のように、検出素子110と第1分岐部131との間およびリファレンス素子120と第2分岐部132との間のそれぞれにローノイズアンプ133(第1ローノイズアンプ133a、第2ローノイズアンプ133b)を配置してもよい。これによれば、次のような場合においても、高い検出精度を得ることができる。
一般にSAWセンサでは、感度が高いと振幅特性の変化も大きくなる。そのため、保護膜4の厚みなどを調整して感度が高くなるような設計とすると、ロスも大きくなり正確な測定ができないおそれがある。しかし、このようにローノイズアンプ133を介在させることで、信号を増幅させて高い検出精度を得ることができる。一方で、計算部140へ入力される信号が小さいと、ノイズが多くなり検出精度が低くなるおそれがあるが、計算部140への入力経路にローノイズアンプ133を介在させることで、信号を増幅させて高い検出精度を得ることができる。ローノイズアンプ133は、計算部140への入力経路のうち各素子110、120に近い側に設けることが好ましい。
また、検出素子110およびリファレンス素子120に入力する信号を大きくすると、互いの入力信号同士が、あるいはこれらの入力信号と他の信号とがクロストークなどによって互いに悪影響を及ぼすおそれがある。これに対して、センサ装置100E1のように検出素子110およびリファレンス素子120からの出力経路にローノイズアンプ133を介在させることで、入力する信号を大きくすることなく、上述のようなクロストークを抑制して高い検出精度を得ることができる。さらに、検出素子110およびリファレンス素子120に入力する信号を大きくすると、互いの入力信号同士が、あるいはこれらの入力信号と他の信号とが電磁波として外部に漏洩するおそれがある。これに対しても、センサ装置100E1のように検出素子110およびリファレンス素子120からの出力経路にローノイズアンプ133を介在させることで、入力する信号を大きくすることなく、上述のような電磁波の外部への漏洩を抑制して高い検出精度を得ることができる。
また、図10(b)に示すような、上述の実施形態に係るセンサ装置に対する変形例を採用してもよい。
上述の実施形態に係るセンサ装置100B〜100Dでは、図2〜図4に示すように、第2分岐部132において、第3分岐信号を第1分岐信号と同じ位相とし、第4分岐信号を第1分岐信号から位相を90°ずらしている。第1〜第4分岐信号の位相の設定はこれに限られるものではなく、第1検出電圧と第2検出電圧とが±180°を除く位相差を有するように設定すればよい。図10(b)に示すセンサ装置100E2のように、例えば、第1分岐信号と第2分岐信号とを同じ位相とし、第3分岐信号を第1分岐信号に対して−45°位相をずらすとともに第4分岐信号を第1分岐信号に対して+45°位相をずらすようにしてもよい。この場合においても、上述の実施形態に係るセンサ装置100B〜100Dと同様の効果を奏することができる。
また、図10(c)に示すような、上述の実施形態に係るセンサ装置に対する変形例を採用してもよい。
上述の実施形態に係るセンサ装置100B〜100Dでは、図2〜図4に示すように、第1分岐部131および第2分岐部132はそれぞれ2つの信号に分岐するものである。これに代えて、第1分岐部131および第2分岐部132がそれぞれ3つあるいはそれ以上の信号に分岐するように設定してもよい。図10(c)に示すセンサ装置100E3のように、例えば、第1分岐部131および第2分岐部132をそれぞれ3つの信号A、B、B’、B”に分岐する場合は、得られる信号のうち2つずつを用いてヘテロダイン方式によって互いに異なる位相差を有する3つの検出電圧を得ることで、上記センサ装置と同様の効果を奏することが可能となる。しかもこの場合には、3つの検出電圧のそれぞれにおいて傾きの小さい領域が広い場合、言い換えればそれぞれの検出電圧を感度よく計測できる領域が狭い場合であっても、3つの検出電圧からより感度が高い領域を有する検出電圧を選択するように設定することができるため、感度の低下をより効果的に抑制することが可能となる。
また、上述の実施形態に係るセンサ装置100は、本発明の技術的思想の範囲内において、互いの構成を適宜組み合わせることよって異なる形態のセンサ装置とすることができるのは言うまでもない。例えば、第1実施形態のセンサ装置100Aの一の構成と、第2実施形態のセンサ装置100Bの他の構成とを組み合わせてもよい。
1・・・圧電基板
2・・・板状体
3・・・カバー
4・・・保護膜
5a・・・検出第1IDT電極
5b・・・リファレンス第1IDT電極
6a・・・検出第2IDT電極
6b・・・リファレンス第2IDT電極
7a、7b・・・金属膜
8・・・配線
9・・・パッド
11a、11b・・・第1振動空間
12a、12b・・・第2振動空間
20・・・空間
31・・・基準電位線
100、100A、100B、100C、100D、100E1、100E2、100E3・・・センサ装置
105・・・素子分岐部
110・・・検出素子
111・・・検出部
115・・・第1接続配線
120・・・リファレンス素子
121・・・リファレンス部
125・・・第2接続配線
130・・・分岐部
131・・・第1分岐部
132・・・第2分岐部
133・・・ローノイズアンプ
135a、135b、135c、135d・・・素子側スイッチ
136a、136b・・・分岐部側スイッチ
140・・・計算部
141・・・第1計算部
142・・・第2計算部
150・・・計測部
160・・・選択部
170・・・検出量算出部
SG・・・信号発生器
SG1・・・第1信号発生器
SG2・・・第2信号発生器
f1・・・第1周波数の信号
f2・・・第2周波数の信号
A、B、B’、B”・・・第1〜第6分岐信号

Claims (24)

  1. 第1周波数の第1信号を発生する第1信号発生器と、
    前記第1周波数と異なる第2周波数の第2信号を発生する第2信号発生器と、
    前記第1信号発生器と前記第2信号発生器とに接続可能で、前記第1信号または前記第2信号に基づいて、検出対象に応じた第3周波数の第3信号を出力する検出信号出力部と、
    前記第1信号発生器、前記第2信号発生器および前記検出信号出力部のそれぞれに接続可能で、前記第1信号と前記第2信号とに基づいて基準電圧を算出し、前記第3信号に基づいて検出電圧を算出する計算部と、を備える、センサ装置。
  2. 前記検出信号出力部と前記計算部との間に接続可能で、前記第3信号を増幅する第1信号増幅器、をさらに備える、請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 前記第1信号発生器と前記第2信号発生器とに接続可能で、前記第1信号または前記第2信号に基づいて、前記第3信号に対するリファレンス信号として得られる第4周波数の第4信号を出力するリファレンス信号出力部、をさらに備え、
    前記計算部は、前記第3信号および前記第4信号に基づいて前記検出電圧を算出する、請求項1または2に記載のセンサ装置。
  4. 前記リファレンス信号出力部と前記計算部との間に接続可能で、前記第4信号を増幅する第2信号増幅器、をさらに備える、請求項3に記載のセンサ装置。
  5. 前記計算部に接続可能で、前記基準電圧に基づいて前記検出電圧に対応する検出位相差を算出する計測部、をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1つに記載のセンサ装置。
  6. 前記計算部は、ヘテロダイン方式によって前記基準電圧および前記検出電圧を算出する、請求項1〜5のいずれか1つに記載のセンサ装置。
  7. 第1周波数の第1信号を発生する第1信号発生器と、
    前記第1周波数と異なる第2周波数の第2信号を発生する第2信号発生器と、
    前記第1信号発生器と前記第2信号発生器とに接続可能で、前記第1信号または前記第2信号に基づいて、検出対象に応じた第3周波数の第3信号を出力する検出信号出力部と、
    前記第1信号発生器および前記検出信号出力部に接続可能で、前記第1信号または前記第3信号を第1分岐信号および第2分岐信号に分岐する第1分岐部と、
    前記第1分岐部および前記第2信号発生器に接続可能で、信号の周波数に基づいて電圧を算出する第1計算部および第2計算部と、を備え、
    前記第1計算部は、
    前記第1信号発生器および前記第1分岐部に接続した状態で発生させた前記第1分岐信号と、前記第2信号と、に基づく第1基準電圧、ならびに、
    前記検出信号出力部、前記第1分岐部、および前記第1計算部を接続した状態で、前記第3信号に基づいて得られる第1分岐検出信号、に基づく第1検出電圧、を算出し、
    前記第2計算部は、
    前記第1信号発生器および前記第1分岐部に接続した状態で発生させた前記第2分岐信号と、前記第2信号と、に基づく第2基準電圧、ならびに、
    前記検出信号出力部、前記第1分岐部、および前記第2計算部を接続した状態で、前記第3信号に基づいて得られる第2分岐検出信号、に基づく第2検出電圧、を算出する、センサ装置。
  8. 前記検出信号出力部と前記第1分岐部との間に接続可能で、前記第3信号を増幅する第1信号増幅器、をさらに備える、請求項7に記載のセンサ装置。
  9. 前記第1信号発生器と前記第2信号発生器とに接続可能で、前記第1信号または前記第2信号に基づいて、前記第3信号に対するリファレンス信号として得られる第4周波数の第4信号を出力するリファレンス信号出力部と、
    前記第2信号または前記第4信号を第3分岐信号および第4分岐信号に分岐する第2分岐部と、をさらに備え、
    前記第1計算部は、
    前記1基準電圧と、
    前記第1分岐検出信号と、
    前記リファレンス信号出力部、前記第2分岐部および前記第1計算部を接続した状態で、前記第4信号に基づいて得られる第1分岐リファレンス信号と、に基づいて前記第1検出電圧を算出し、
    前記第2計算部は、
    前記第2基準電圧と、
    前記第2分岐検出信号と、
    前記リファレンス信号出力部、前記第2分岐部および前記第2計算部を接続した状態で、前記第4信号に基づいて得られる第2分岐リファレンス信号と、に基づいて前記第2検出電圧を算出する、請求項7または8に記載のセンサ装置。
  10. 前記リファレンス信号出力部と前記第2分岐部との間に接続可能で、前記第4信号を増幅する第2信号増幅器、をさらに備える、請求項9に記載のセンサ装置。
  11. 前記第1計算部および前記第2計算部に接続可能で、前記第1基準電圧に基づいて前記第1検出電圧に対する第1位相候補値、および前記第2基準電圧に基づいて前記第2検出電圧に対する第2位相候補値、を算出する計測部、をさらに備え、
    前記計測部は、第1位相候補値および第2位相候補値のうち1つの位相候補値から検出位相差を選定する、請求項7〜10のいずれか1つに記載のセンサ装置。
  12. 前記第1計算部および前記第2計算部は、ヘテロダイン方式によって前記第1基準電圧、前記第2基準電圧、前記第1検出電圧、および第2検出電圧を算出する、請求項7〜11のいずれか1つに記載のセンサ装置。
  13. 前記検出信号出力部は、第1検出信号出力部と第2検出信号出力部とを有する、請求項7〜12のいずれか1つに記載のセンサ装置。
  14. 前記第1信号発生器は、前記第1検出信号出力部および前記第2検出信号出力部のうちいずれか一方に接続する、請求項13に記載のセンサ装置。
  15. 前記第1信号発生器は、前記第1検出信号出力部、前記第2検出信号出力部および前記第1分岐部のうちいずれか1つに接続する、請求項13に記載のセンサ装置。
  16. 前記第1分岐部は、前記第1検出信号出力部および前記第2検出信号出力部のうちいずれか一方に接続する、請求項13〜15のいずれか1つに記載のセンサ装置。
  17. 前記第1分岐部は、前記第1検出信号出力部、前記第2検出信号出力部および前記第1信号発生器のうちいずれか1つに接続する、請求項13〜15のいずれか1つに記載のセンサ装置。
  18. 前記リファレンス信号出力部は、第1リファレンス信号出力部と第2リファレンス信号出力部とを有する、請求項9または10に記載のセンサ装置。
  19. 前記第2信号発生器は、前記第1リファレンス信号出力部および前記第2リファレンス信号出力部のうちいずれか一方に接続する、請求項18に記載のセンサ装置。
  20. 前記第2信号発生器は、前記第1リファレンス信号出力部、前記第2リファレンス信号出力部および前記第2分岐部のうちいずれか1つに接続する、請求項18に記載のセンサ装置。
  21. 前記第2分岐部は、前記第1リファレンス信号出力部および前記第2リファレンス信号出力部のうちいずれか一方に接続する、請求項18〜20のいずれか1つに記載のセンサ装置。
  22. 前記第2分岐部は、前記第1リファレンス信号出力部、前記第2リファレンス信号出力部および前記第2信号発生器のうちいずれか1つに接続する、請求項18〜20のいずれか1つに記載のセンサ装置。
  23. 第1周波数の第1信号および前記第1周波数と異なる第2周波数の第2信号を出力する信号出力工程と、
    前記第1信号または前記第2信号に基づいて、検出対象に応じた第3周波数の第3信号を出力する検出信号出力工程と、
    前記第1信号と前記第2信号とに基づいて基準電圧を算出する基準電圧算出工程と、
    前記第3信号に基づいて検出電圧を算出する検出電圧算出工程と、を含むセンシング方法。
  24. 前記基準電圧算出工程および前記検出電圧算出工程では、それぞれヘテロダイン方式によって基準電圧および検出電圧を算出する、請求項23に記載のセンシング方法。
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