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JP2018123881A - ディファレンシャル装置、及びディファレンシャル装置の製造方法 - Google Patents

ディファレンシャル装置、及びディファレンシャル装置の製造方法 Download PDF

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JP2018123881A
JP2018123881A JP2017016068A JP2017016068A JP2018123881A JP 2018123881 A JP2018123881 A JP 2018123881A JP 2017016068 A JP2017016068 A JP 2017016068A JP 2017016068 A JP2017016068 A JP 2017016068A JP 2018123881 A JP2018123881 A JP 2018123881A
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誠也 小澤
Seiya Ozawa
誠也 小澤
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Abstract

【課題】デフリングギヤとデフケースとを溶接により固定可能で、かつデフリングギヤの歯面の位置精度を高精度にすることが可能でありながら、生産性の向上を図ることが可能なディファレンシャル装置を提供する。【解決手段】本ディファレンシャル装置は、一対の出力部材の差回転を許容する差動機構14と、差動機構14を収納する第1デフケース11、及び第1デフケース11に接合されて差動機構14を閉じ込める第2デフケース12を有するデフケース10と、デフケース10に連結されるデフリングギヤ40とを備えている。そして、第2デフケース12とデフリングギヤ40とを第1溶接部A1,A2で溶接し、第1溶接部A1,A2と異なる位置で、第1デフケース11と第2デフケース12とを第2溶接部Bで溶接する。【選択図】図1

Description

この技術は、一対の出力部材の差回転を許容するディファレンシャル装置及びその製造方法に関する。
従来、車両等には、例えば旋回時における左右車輪の回転数差を吸収するため、或いは前輪と後輪との回転数差を吸収するために、ディファレンシャル装置が搭載されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。ディファレンシャル装置は、一般に変速機構から出力された回転をデフリングギヤに入力し、差動機構を内包したデフケースにデフリングギヤからの回転を伝達し、該差動機構により一対の出力部材の差回転を吸収しつつ、それら出力部材に回転を伝達するように構成されている。
ところで、特許文献1に記載のディファレンシャル装置では、製造時にデフリングギヤとデフケースとをボルトによって締結することでそれらを固定している。しかしながら、ボルトにより締結する構造にあっては、強度の確保等に起因してボルトの締結部分が肥大化してコンパクト化の妨げとなり、軽量化も妨げている。そのため、特許文献2に記載のディファレンシャル装置のように、デフリングギヤとデフケースとを溶接により固定(固着)するものも提案されている。
国際公開第2016/158059号公報 特開2016−98847号公報
ところで、デフリングギヤは、ディファレンシャル装置の中心軸に対して高精度に位置(角度や姿勢も含む)が保たれていないと、ノイズ等の発生原因となる虞がある。そのため、デフリングギヤの歯面の位置精度を高精度にするためには、デフリングギヤの研磨等が必要となる。しかし、上記特許文献2に記載のディファレンシャル装置のようにデフリングギヤとデフケースとを溶接する場合だと、溶接による熱歪みが発生するため、溶接した後にデフリングギヤの研磨を行うことになるが、溶接されたデフケースを含めて取扱う対象が大型化するため、研磨作業時に取扱い難く、生産性が悪化する虞がある。一方、溶接前にデフリングギヤを研磨し、その後、デフリングギヤとデフケースとを溶接すると、溶接による熱歪みが発生するため、デフリングギヤの歯面の位置精度を高精度に維持できないという問題がある。
そこで、デフリングギヤとデフケースとを溶接により固定可能で、かつデフリングギヤの歯面の位置精度を高精度にすることが可能でありながら、生産性の向上を図ることが可能なディファレンシャル装置及びディファレンシャル装置の製造方法を提供することを目的とするものである。
本ディファレンシャル装置は、
一対の出力部材の差回転を許容する差動機構と、
前記差動機構を収納する第1ケース、及び前記第1ケースに接合されて前記差動機構を閉じ込める第2ケースを有するデフケースと、
前記デフケースに連結されるデフリングギヤと、
前記第2ケースと前記デフリングギヤとが溶接される第1溶接部と、
前記第1溶接部と異なる位置で、前記第1ケースと前記第2ケースとが溶接される第2溶接部と、を備える。
また、本ディファレンシャル装置の製造方法は、
一対の出力部材の差回転を許容する差動機構と、
前記差動機構を収納する第1ケース、及び前記第1ケースに接合されて前記差動機構を閉じ込める第2ケースを有するデフケースと、
前記デフケースに連結されるデフリングギヤと、を備えるディファレンシャル装置の製造方法において、
前記第2ケースと前記デフリングギヤとを溶接する第1溶接工程と、
前記第1溶接工程により前記第2ケースに溶接された状態の前記デフリングギヤの歯面を研磨する研磨工程と、
前記研磨工程により歯面が研磨された前記デフリングギヤ及び前記第2ケースと、前記第1ケースと、を溶接する第2溶接工程と、を備える。
本ディファレンシャル装置及びディファレンシャル装置の製造方法によると、差動機構を収容する第1ケースを第2ケースに溶接する前に、第2ケースとデフリングギヤとを溶接した状態でデフリングギヤの歯面を研磨することが可能となる。これにより、デフリングギヤとデフケースとを溶接により固定可能で、かつデフリングギヤの歯面の位置精度を高精度にすることが可能でありながら、研磨時における取扱いが容易になり、生産性を向上することができる。
本実施の形態に係るディファレンシャル装置を示す断面図。 本実施の形態に係るディファレンシャル装置の製造工程を示すフローチャート。
以下、本実施の形態に係るディファレンシャル装置について図1及び図2に沿って説明する。図1は本実施の形態に係るディファレンシャル装置を示す断面図、図2は本実施の形態に係るディファレンシャル装置の製造工程を示すフローチャートである。
[ディファレンシャル装置の構成]
本実施の形態に係るディファレンシャル装置1は、例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)タイプ等のエンジン出力軸が車両進行方向に対して横置きの車両に搭載される自動変速機(不図示)に備えられるものであり、該自動変速機の変速機構のカウンタシャフトから後述のデフリングギヤ40に該変速機構で変速された回転が伝達されるように構成されている。
詳細には、図1に示すように、ディファレンシャル装置1は、大まかにデフリングギヤ40と、該デフリングギヤ40に固定されるデフケース10と、該デフケース10に内包される差動機構14と、を備えて構成されている。デフリングギヤ40は、不図示のカウンタシャフトに噛合する歯面41を有しており、歯面41は、複数の歯の間で凹んだ歯底41aが最も内周側の位置となるように構成されている。また、デフリングギヤ40は、内周側の端面40aがデフケース10を構成する第2デフケース12の外周側の端面12aに、詳しくは後述する第1溶接部A1,A2で溶接されることで、デフケース10と一体になるように固定されている。
デフケース10は、大まかに、差動機構14を内包する中空円筒の第1ケースとしての第1デフケース11と、第1デフケース11に第2溶接部Bで溶接されることで一体に固定され、差動機構14を閉じ込める中空円板状の第2ケースとしての第2デフケース12と、を有して構成されている。詳細には、デフケース10は、第2デフケース12の側面で内周側に向く周面12bと、第1デフケース11の軸方向の端部で外周側に向く周面11bとが、詳しくは後述する第2溶接部Bで溶接されることで、デフケース10として一体になるように固定されている。
ここで、第1デフケース11は、差動機構14を内包するために、例えば、以下の構成を有している。まず、第1デフケース11は、軸方向の一方の端部(周面12b側)において差動機構14を組み付けるために大きく開口している。また、第1デフケース11の大きな開口側(周面12b側)は、差動機構14のサイドギヤ16のギヤ背面よりも軸方向の外側に位置している。更に、第1デフケース11は、第2デフケース12よりも大きな重量を有するように構成されている。
また、第2デフケース12は、ベアリング嵌合面12cを有しており、該ベアリング嵌合面12cにはベアリング32が嵌合される。また、第1デフケース11は、ベアリング嵌合面11cを有しており、該ベアリング嵌合面11cにはベアリング31が嵌合される。これらベアリング31,32は、自動変速機のケース100との間に介在され、つまりデフケース10は、自動変速機のケース100に対して回転自在に支持されている。なお、ケース100には、潤滑油を供給する油路101が形成されており、オイルレシーバ21に向けて潤滑油を供給し、該オイルレシーバ21から差動機構14の内部に潤滑油を供給するように構成されている。
上記差動機構14は、ピン19により抜け止めされたピニオンシャフト18と、該ピニオンシャフト18に回転自在に支持されるピニオンギヤ17と、該ピニオンギヤ17にそれぞれ噛合する一対の出力部材としてのサイドギヤ15,16と、を有して構成されている。サイドギヤ15,16は、それぞれ不図示のドライブシャフトが嵌合される嵌合穴15H,16Hを有しており、つまりドライブシャフトを介してそれぞれ左右の車輪に駆動連結される。また、サイドギヤ15,16は、それぞれ第1デフケース11に形成された支持孔11aと第2デフケース12に形成された支持孔12dとに嵌合されつつ回転自在に支持されている。
以上のように構成されたディファレンシャル装置1は、デフリングギヤ40がデフケース10と一体的に固定されて連結されているため、デフリングギヤ40に回転が入力されると、そのままデフケース10が回転し、ピニオンシャフト18もデフケース10と一体的に回転される。ピニオンシャフト18は、ピニオンギヤ17を公転回転させると共に、サイドギヤ15,16に差回転が生じた場合はピニオンシャフト18を中心に自転回転しつつ差回転を吸収して、それらサイドギヤ15,16にピニオンギヤ17の公転回転を伝達する。これにより、不図示のドライブシャフトを介して左右の車輪に回転が伝達されることになる。
[溶接部分について]
上記デフリングギヤ40と第2デフケース12とを溶接する第1溶接部A1,A2は、上述のサイドギヤ15,16の中心軸CT(即ち不図示のドライブシャフトの中心軸)を中心として一周に亘って溶接され、かつ中心軸CTの軸方向において、デフリングギヤ40を挟んで両側から溶接されている。本実施の形態では、第1溶接部A1,A2は、径方向の位置を同じくして、デフリングギヤ40を挟んで両側から向き合って溶接されている。これにより、軸方向の片側から溶接する場合よりも熱歪みの影響を均等化することができ、溶接後におけるデフリングギヤ40の歯面41の位置精度が高精度となって、詳しくは後述するデフリングギヤ40の歯面41の研磨工程における研磨量を少なくでき、生産性の向上が図られる。尚、第1溶接部A1,A2の溶接の順番により、熱歪みの影響の均等化をより高度に実現することもできる。
また、第1溶接部A1,A2の径方向の位置は、デフリングギヤ40の歯面41の歯底41aからの径方向の距離d1だけ離れた位置となっており、距離d1は、上記ベアリング嵌合面12cからの径方向の距離d2よりも長く、つまり第1溶接部A1,A2はベアリング嵌合面12cよりもデフリングギヤ40の歯面41の方が遠い位置にある。これにより、デフリングギヤ40の歯面41は、第1溶接部A1,A2を溶接した際の熱歪みの影響がベアリング嵌合面12cよりも受け難く、溶接によるデフリングギヤ40の位置精度が向上する。例えばデフリングギヤ40の歯面41の位置精度に対する熱歪みの影響が大きいと、後述の研磨工程における歯面41の研磨量が多くなり生産性の向上の妨げとなるが、熱歪みの影響が少なくなることで、歯面41の研磨量が少なくなり、生産性の向上が図られる。なお、ベアリング嵌合面12cに溶接による熱歪みの影響があったとしても、ベアリング32の組付け時の調整において、シムリングやシムプレート等によって調整(いわゆるシム調整)が可能であるので、ベアリング32によるディファレンシャル装置1の回転支持精度に大きな影響を与えることを容易に回避できる。
また、第2デフケース12は、第1溶接部A1,A2とベアリング嵌合面12cとの間に断面形状が円弧状となる円弧部12rを有しており、この円弧部12rによって第1溶接部A1,A2の熱歪みの影響が吸収されることでベアリング嵌合面12cに対する熱歪みの影響が少なくなるように構成されている。このため、円弧部12rがあることによって、ベアリング32の組付け時の調整における調整量も少なくすることが可能となっている。
一方、上記第1デフケース11と第2デフケース12とを溶接する第2溶接部Bは、上記中心軸CTを中心として一周に亘って溶接されている。また、第2溶接部Bとデフリングギヤ40の歯面41の歯底41aとの径方向の距離d3は、上述した第1溶接部A1,A2と歯底41aとの径方向の距離d1よりも長く、つまり第2溶接部Bは、デフリングギヤ40の径方向において、第1溶接部A1,A2よりもデフリングギヤ40の歯面41に対して遠い位置にある。即ち、第2溶接部Bは、第1溶接部A1,A2よりもデフリングギヤ40の歯面41の方が遠い位置にある。これにより、デフリングギヤ40の歯面41は、第2溶接部Bを溶接した際の熱歪みの影響が第1溶接部A1,A2を溶接した際の熱歪みの影響よりも少なく、ディファレンシャル装置1の製造後におけるデフリングギヤ40の位置精度が向上する。
[ディファレンシャル装置の製造工程]
次に、ディファレンシャル装置1の製造工程について図2に沿って説明する。ディファレンシャル装置1を製造する際は、まず、第1溶接工程として、デフリングギヤ40と第2デフケース12とを上述した第1溶接部A1,A2において溶接を行う(S1)。これにより、デフリングギヤ40と第2デフケース12とが一体に固定された状態となり、つまりデフケース10に対するデフリングギヤ40の歯面41の相対位置関係が決まることになる。
続いて、研磨工程として、第1溶接部A1,A2で溶接されたデフリングギヤ40と第2デフケース12とを研磨機の治具に把持させ、デフリングギヤ40の歯面41を研磨機により研磨する(S2)。この際、第1デフケース11が未だ第2デフケース12に固定されていないため、第2デフケース12とデフリングギヤ40との一体化された部品は、軽量でかつコンパクトな状態にあるので、取扱いが容易であり、例えば研磨機までの搬送や研磨機の回転速度の高速化等も可能となって、生産性の向上を図ることができる。また、第1溶接部A1,A2の溶接による熱歪みの影響や溶接時に生じる位置ずれ等があったとしても、デフリングギヤ40の歯面41の研磨により調整され、デフケース10に対するデフリングギヤ40の歯面41の位置が高精度に位置決めされる。なお、上述したように、第1溶接部A1,A2を軸方向の両側から溶接することで熱歪みの影響を均等化できるので、デフリングギヤ40の第2デフケース12に対する位置精度が高く、研磨量を少なくできる。
ついで、組付工程として、第1デフケース11に差動機構14の組付けを行う(S3)。この組付けでは、まず、サイドギヤ15を第1デフケース11の支持孔11aに嵌合させ、ピニオンギヤ17をサイドギヤ15に噛合させるように組付け、ピニオンシャフト18をピニオンギヤ17に挿入して第1デフケース11に対して回転自在となるように位置決め支持すると共に、ピニオンシャフト18が第1デフケース11から抜けないようにピン19により抜け止めし、さらに、サイドギヤ16を第2デフケース12の支持孔12dに嵌合させた状態で、サイドギヤ16がピニオンギヤ17に噛合するように、第1デフケース11と第2デフケース12とを組合せる。これによって、ピン19が第2デフケース12により抜け止めされると共に、第1デフケース11に収納された差動機構14が第2デフケース12によって閉じ込められ、差動機構14の組付けが完了して、ディファレンシャル装置1の組付けとしては終了する。
そして、第2溶接工程として、第1デフケース11と第2デフケース12とを第2溶接部Bにおいて溶接を行う(S4)。これにより、第1デフケース11と第2デフケース12とが一体に固定された状態となり、つまりディファレンシャル装置1の製造工程が完了する。この際、第2溶接部Bは、上述したようにデフリングギヤ40の径方向において、第1溶接部A1,A2よりもデフリングギヤ40の歯面41に対して遠い位置にあるので、第2溶接部Bを溶接した際の熱歪みの影響が第1溶接部A1,A2を溶接した際の熱歪みの影響よりも少なく、つまり研磨されて位置精度が確保された状態のデフリングギヤ40の歯面41が第2溶接部Bの溶接による熱歪み影響で位置ずれすることが殆ど無く、デフリングギヤ40の第2デフケース12に対する位置精度が高い状態に維持される。
[本実施の形態のまとめ]
以上説明したように、本実施の形態に係るディファレンシャル装置(1)は、
一対の出力部材(15,16)の差回転を許容する差動機構(14)と、
前記差動機構(14)を収納する第1ケース(11)、及び前記第1ケース(11)に接合されて前記差動機構(14)を閉じ込める第2ケース(12)を有するデフケース(10)と、
前記デフケース(10)に連結されるデフリングギヤ(40)と、
前記第2ケース(12)と前記デフリングギヤ(40)とが溶接される第1溶接部(A1,A2)と、
前記第1溶接部(A1,A2)と異なる位置で、前記第1ケース(11)と前記第2ケース(12)とが溶接される第2溶接部(B)と、を備える。
これにより、第1デフケース11を第2デフケース12に溶接する前に、第2デフケース12とデフリングギヤ40とを溶接した状態でデフリングギヤ40の歯面41を研磨することが可能となり、デフリングギヤ40とデフケース10とを溶接により固定可能で、かつデフリングギヤ40の歯面41の位置精度を高精度にすることが可能でありながら、研磨時における取扱いが容易になり、生産性を向上することができる。
また、本実施の形態に係るディファレンシャル装置(1)は、
前記第2溶接部(B)は、前記デフリングギヤ(40)の径方向において、前記第1溶接部(A1,A2)よりも前記デフリングギヤ(40)の歯面(41)に対して遠い位置にある。
これにより、第2溶接部Bを溶接した際のデフリングギヤに対する熱歪みの影響を少なくすることができ、デフリングギヤ40の歯面41の位置精度を高精度にすることができる。
また、本実施の形態に係るディファレンシャル装置(1)は、
前記第2ケース(12)は、ベアリング(32)が嵌合されるベアリング嵌合面(12c)を有し、
前記第1溶接部(A1,A2)は、前記ベアリング嵌合面(12c)よりも前記デフリングギヤ(40)の歯面(41)の方が遠い位置にある。
即ち、ベアリング32をベアリング嵌合面12cに嵌合して組付ける際は、例えばベアリング嵌合面12cの位置精度に対する熱歪みの影響が生じたとしても、組付け時の調整により位置調整が可能であるが、例えばデフリングギヤ40の歯面41の位置精度に対する熱歪みの影響が大きいと、研磨量が多くなり生産性の向上の妨げとなる。従って、第1溶接部A1,A2の位置がベアリング嵌合面12cよりもデフリングギヤ40の歯面41の方が遠いことで、近い場合より研磨量が少なくなり、生産性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態に係るディファレンシャル装置(1)は、
前記第1溶接部(A1,A2)は、前記出力部材の軸方向において、両側から溶接される。
これにより、軸方向の片側から溶接する場合よりも熱歪みの影響を均等化することができ、溶接後におけるデフリングギヤ40の歯面41の位置精度が高精度となって研磨量を少なくすることができ、生産性の向上を図ることができる。
そして、本実施の形態に係るディファレンシャル装置(1)の製造方法は、
一対の出力部材(15,16)の差回転を許容する差動機構(14)と、
前記差動機構(14)を収納する第1ケース(11)、及び前記第1ケース(11)に接合されて前記差動機構(14)を閉じ込める第2ケース(12)を有するデフケース(10)と、
前記デフケース(10)に連結されるデフリングギヤ(40)と、を備えるディファレンシャル装置(1)の製造方法において、
前記第2ケース(12)と前記デフリングギヤ(40)とを溶接する第1溶接工程(S1)と、
前記第1溶接工程(S1)により前記第2ケース(12)に溶接された状態の前記デフリングギヤ(40)の歯面(41)を研磨する研磨工程(S2)と、
前記研磨工程(S2)により歯面(41)が研磨された前記デフリングギヤ(40)及び前記第2ケース(12)と、前記第1ケース(11)と、を溶接する第2溶接工程(S4)と、を備える。
これにより、第1デフケース11を第2デフケース12に溶接する前に、第2デフケース12とデフリングギヤ40とを溶接した状態でデフリングギヤ40の歯面41を研磨するので、デフリングギヤ40とデフケース10とを溶接により固定可能で、かつデフリングギヤ40の歯面41の位置精度を高精度にすることが可能でありながら、研磨時における取扱いが容易になり、生産性を向上することができる。
[他の実施の形態の可能性]
なお、以上説明した本実施の形態に係るディファレンシャル装置1は、例えばFFタイプの車両に用いて好適なものを説明したが、これに限らず、例えばFR(フロントエンジン、フロントドライブ)タイプのようなエンジン出力軸が車両進行方向に対して縦置きの車両にあって、自動変速機に接続されたプロペラシャフトに接続されるディファレンシャル装置であってもよく、さらには、例えば4輪駆動車のようにエンジンの回転を前後の車輪に分配するいわゆるセンターデフと言われるディファレンシャル装置であってもよい。
また、本実施の形態においては、エンジンの回転を変速する自動変速機に搭載されるディファレンシャル装置であるものを説明したが、これに限らず、ディファレンシャル装置は、エンジンとモータ・ジェネレータとを搭載したハイブリッド車両やモータ・ジェネレータだけを搭載した電気自動車などの車両に搭載することも可能である。
また、本実施の形態においては、差動機構として、ピニオンギヤと一対のサイドギヤとを有するものを説明したが、これに限らず、例えば摩擦板、ネジ、ワンウェイクラッチなどにより一対の出力部材の差回転を吸収するような機構であればよく、つまり差動機構はどのような構造のものであってもよい。
また、本実施の形態においては、第1溶接部A1,A2は、径方向の位置を同じくして、デフリングギヤ40を挟んで両側から向き合って溶接されるものを説明したが、これに限らず、第1溶接部A1,A2は、径方向の位置を異ならせて、デフリングギヤ40を挟んで両側から径を異ならせて溶接されるようにしてもよい。この場合も、軸方向の片側から溶接する場合よりも熱歪みの影響を均等化することができる。尚、第1溶接部A1,A2の径方向の位置や溶接の順番により、熱歪みの影響の均等化をより高度に実現することも可能である。
1…ディファレンシャル装置
10…デフケース
11…第1ケース(第1デフケース)
12…第2ケース(第2デフケース)
12c…ベアリング嵌合面
14…差動機構
15,16…出力部材(サイドギヤ)
32…ベアリング
40…デフリングギヤ
A1,A2…第1溶接部
B…第2溶接部
S1…第1溶接工程
S2…研磨工程
S4…第2溶接工程

Claims (5)

  1. 一対の出力部材の差回転を許容する差動機構と、
    前記差動機構を収納する第1ケース、及び前記第1ケースに接合されて前記差動機構を閉じ込める第2ケースを有するデフケースと、
    前記デフケースに連結されるデフリングギヤと、
    前記第2ケースと前記デフリングギヤとが溶接される第1溶接部と、
    前記第1溶接部と異なる位置で、前記第1ケースと前記第2ケースとが溶接される第2溶接部と、を備える、
    ディファレンシャル装置。
  2. 前記第2溶接部は、前記デフリングギヤの径方向において、前記第1溶接部よりも前記デフリングギヤの歯面に対して遠い位置にある、
    請求項1に記載のディファレンシャル装置。
  3. 前記第2ケースは、ベアリングが嵌合されるベアリング嵌合面を有し、
    前記第1溶接部は、前記ベアリング嵌合面よりも前記デフリングギヤの歯面の方が遠い位置にある、
    請求項1又は2に記載のディファレンシャル装置。
  4. 前記第1溶接部は、前記出力部材の軸方向において、両側から溶接される、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載のディファレンシャル装置。
  5. 一対の出力部材の差回転を許容する差動機構と、
    前記差動機構を収納する第1ケース、及び前記第1ケースに接合されて前記差動機構を閉じ込める第2ケースを有するデフケースと、
    前記デフケースに連結されるデフリングギヤと、を備えるディファレンシャル装置の製造方法において、
    前記第2ケースと前記デフリングギヤとを溶接する第1溶接工程と、
    前記第1溶接工程により前記第2ケースに溶接された状態の前記デフリングギヤの歯面を研磨する研磨工程と、
    前記研磨工程により歯面が研磨された前記デフリングギヤ及び前記第2ケースと、前記第1ケースと、を溶接する第2溶接工程と、を備える、
    ディファレンシャル装置の製造方法。
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