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JP2018199582A - プリント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロールシートから引き出されたシートの終端部分を簡易な構成によって排出すること。【解決手段】ロールシートRからシート1の終端部分1aが引き出されたときに、その終端部分1aを介してロールシートRの芯部に従動回転体8,9を圧接させることにより、ロールシートRの芯部の回転を利用して終端部分1aを排出する。【選択図】図9

Description

本発明は、シートをロール状に巻いた形態のロールシートから、シートを引き出して画像をプリントするプリント装置に関するものである。
プリント装置としては、ロールシートからシートを引き出して供給するシート供給装置と、その供給されるシートを所定の搬送方向に搬送する搬送部と、その搬送されるシートに画像をプリントするプリント部と、を備えたものが知られている。このようなプリント装置において、ロールシートから引き出されたシートの終端部分は、搬送部によってプリント装置の外部に排出される。
特許文献1に記載のプリント装置は、プリント部よりもシートの搬送方向の下流側に位置する排出ローラによって、シートの終端部分をシートの搬送方向に排出する。また、特許文献2に記載のプリント装置は、プリント部よりもシートの搬送方向の上流側に位置する供給ローラを逆転させることによって、シートの終端部分をシートの搬送方向と逆の方向に排出する。
特開2002−348011号公報 特開2003−12205号公報
特許文献1および2のように、シートの終端部分を排出するために排出ローラまたは供給ローラを備えることは、シート供給装置およびプリント装置の大型化、大重量化、および高価格化を招くおそれがある。
本発明の目的は、ロールシートから引き出されたシートの終端部分を簡易な構成によって排出することができるプリント装置を提供することにある。
本発明のプリント装置は、連続するシートが中心部に巻かれたロールシートを保持する保持手段と、前記保持手段に保持されたロールシートを正転方向および逆転方向に回転させる駆動手段と、前記保持手段に保持されたロールシートの外周に当接する当接位置と前記ロールシートから離間した離間位置とに移動可能な圧接体と、前記保持手段に保持されたロールシートが正転方向に回転することにより前記保持手段から供給されるシートを搬送する搬送ローラと、前記搬送ローラを第1方向および該第1方向と反対の第2方向に駆動する駆動モータと、前記搬送ローラを前記第1方向に駆動することにより前記搬送ローラによって搬送されるシートに対して画像をプリントするプリント手段と、前記保持手段から供給されるシートの終端を検知する検知手段と、前記検知手段によってシートの終端が検知されたときに、前記圧接体を前記離間位置に移動させた状態で前記駆動モータによって前記搬送ローラを前記第2方向に駆動した後に、前記圧接体を前記当接位置に移動させて前記中心部と前記圧接体とによって当該シートを挟持して、前記駆動手段によって当該シートを前記逆転方向に回転させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ロールシートからシートの終端部分が引き出されたときに、シートの終端部分を介してロールシートの中心部に圧接体を圧接させることにより、ロールシートの中心部の回転を利用して、シートの終端部分を排出することができる。そのため、シートの終端部分を排出するために排出ローラまたは供給ローラを特別に備える必要がなく、シート供給装置およびプリント装置の小型化、軽量化、および低価格化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態におけるプリント装置の斜視図である。 プリント装置におけるシートの搬送経路の説明図である。 シート供給装置におけるスプールの説明図である。 シート供給装置の説明図である。 シート供給装置におけるイコライズ機構の説明図である。 ロール外径が小さいときのシート供給装置の説明図である。 シートの供給準備動作の説明するためのフローチャートである。 シートの終端部分の排出動作を説明するためのフローチャートである。 シートの終端部分の排出動作の中途段階におけるプリント装置の説明図である。 シートの終端部分の排出動作の他の例の中途段階におけるプリント装置の説明図である。 プリント装置の制御系の説明するためのブロック図である。 本発明の第2の実施形態におけるシート供給装置の説明図である。 本発明の第4の実施形態におけるシート供給装置の説明図である。 本発明の第5の実施形態におけるシート供給装置の、ロール外径が大きいときの説明図である。 本発明の第5の実施形態におけるシート供給装置の、ロール外径が小さいときの説明図である。 本発明の第6の実施形態におけるシート供給装置の、ロール外径が大きいときの説明図である。 本発明の第6の実施形態におけるシート供給装置の、ロール外径が小さいときの説明図である。 本発明の第7の実施形態におけるシート供給装置の、ロール外径が大きいときの説明図である。 本発明の第7の実施形態におけるシート供給装置の、ロール外径が小さいときの説明図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1から図8は、本発明の第1の実施形態の説明図である。本実施形態のプリント装置は、プリント媒体としてのシートを供給するためのシート供給装置と、そのシートに画像をプリントするプリント部と、を備えたインクジェットプリント装置としての適用例である。
図1のように、プリント装置100には、シート1をロール状に巻回したロールシートRが2本セットすることが可能である。それらのロールシートRから選択的に引き出されたシート1に画像がプリントされる。ユーザは、操作パネル28に備わる各種のスイッチなどを用いて、シート1のサイズ指定、オンライン/オフラインの切り換えなど、プリント装置100に対する各種コマンドなどを入力することができる。
図2は、プリント装置100の要部の概略断面図である。2本のロールシートRに対応する2つのシート供給装置200が上下に配備されている。供給装置200によってロールシートRから引き出されたシート1は、シート搬送部(搬送機構)300によって、画像をプリント可能なプリント部400に搬送される。プリント部400は、インクジェットプリントヘッド18からインクを吐出することによって、シート1に画像をプリントする。プリントヘッド18は、電気熱変換素子(ヒータ)やピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子を用いて、吐出口からインクを吐出する。電気熱変換素子を用いた場合には、その発熱によりインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して吐出口からインクを吐出することができる。
ロールシートRの中空穴部には軸形状のスプール部材2が挿入され、そのスプール部材2が後述するロール駆動モータによって正転および逆転駆動される。これにより、ロールシートRは、その中心部が保持されて、矢印C1,C2方向に正転および逆転される。供給装置200には、後述するように、駆動部3、アーム部材(移動体)4、アーム回転軸5、第1のシートセンサ(検知部)6、揺動部材7、従動回転体(圧接体)8,9、分離フラッパー(上側ガイド体)10、およびフラッパー回転軸11が備えられている。
搬送ガイド12は、供給装置200から引き出されるシート1の表裏面をガイドしつつ、そのシート1をプリント部400へ導く。搬送ローラ14は、後述する搬送ローラ駆動用モータによって、矢印D1,D2方向に正転および逆転される。ニップローラ15は、搬送ローラ14の回転に応じて従動回転可能であり、不図示のニップローラ離間モータによって、搬送ローラ14に対して接離可能、かつニップ力の調整が可能である。搬送ローラ14は、第2のシートセンサ16がシート1の先端を検知したときに回転される。搬送ローラ14によるシート1の搬送速度は、ロールシートRの回転によるシート1の引き出し速度よりも高く設定されており、これによりシート1にバックテンションを与えて、それを張った状態のまま搬送可能である。この結果、シート1の弛みを防止し、シート1の折り目の発生および搬送誤差の発生を抑制することができる。
プリント部400のプラテン17は、吸引ファン19により発生させた負圧によって、吸引穴17aを通してシート1の裏面を吸着する。これにより、プラテン17上に沿うようにシート1の位置を規制して、プリントヘッド18による画像の高精度なプリントを可能とすることができる。カッター20は、画像がプリントされたシート1を切断可能である。ロールシートRのカバー42は、画像がプリントされたシート1が供給装置200に戻ることを防止する。このようなプリント装置100における動作は、後述するCPUによって制御される。
図3(a),(b),(c)は、スプール部材2によって、ロールシートRを供給装置200にセットする手順の説明図である。スプール部材2は、スプール軸21、摩擦部材22、基準側スプールフランジ23、非基準側スプールフランジ24、およびスプールギヤ25を含む。スプール軸21の一端に、基準側スプールフランジ23が設けられ、その他端に、スプール軸21を回転させるためのスプールギヤ25が取り付けられている。基準側スプールフランジ23と非基準側スプールフランジ24の内側に摩擦部材22が備えられている。
スプール部材2をロールシートRにセットする際には、まず、スプール軸21にはめ込まれている非基準側スプールフランジ24を取り外してから、そのスプール軸21をロールシートRの中空穴部に差し込む。スプール軸21の外径は、ロールシートRの中空穴部の内径よりも小さく、それらの間に隙間が形成されるため、ユーザは軽微な力でスプール軸21を差し込むことができる。ロールシートRの図3(a)中右側の端部が基準側スプールフランジ23に接触したときに、その基準側スプールフランジ23の内側の摩擦部材22がロールシートRの中空穴部内にはめ込まれる。これにより、基準側スプールフランジ23がロールシートRに固定される。その後、スプール軸21に非基準側スプールフランジ24を通して、非基準側スプールフランジ24の内側の摩擦部材22をロールシートRの中空穴部内にはめ込む。これにより、非基準側スプールフランジ24がロールシートRに固定される。
このようにして、図3(b)のように、ロールシートRがスプール部材2に取り付けられる。その後、図3(c)のように、このスプール部材2の両端部を供給装置200のスプールホルダ31にはめ込むことによって、ロールシートRのセットが完了する。
スプールホルダ31は、スプール軸21の両端部のそれぞれに対応する位置に設けられている。スプールホルダ31の内面はU字状に形成されており、その開口部側からスプール軸21の端部をはめ込むことができる。スプール部材2がスプールホルダ31にはめ込まれた状態において、スプールギヤ25は、供給装置200側の駆動ギヤ30を介して、後述するロール駆動モータに接続される。そのロール駆動モータによって、スプール部材2と共にロールシートRが正転および逆転駆動されることにより、シート1の供給動作および巻き取り動作が可能となる。ロールセンサ32は、ロールシートRの有無を検知する。
図4および図5は供給装置200の説明図であり、図4(a)におけるロールシートRは、そのロール外径が比較的大きい状態にある。
搬送ガイド12には、回転軸5によって、アーム部材(移動体)4が矢印A1,A2方向に回転可能に取り付けられている。アーム部材4の上部には、ロールシートRから引き出されるシート1の下面をガイドするガイド部4b(下側ガイド体)が形成されている。アーム部材4と駆動部3の回転カム3aとの間には、アーム部材4を矢印A1方向に押圧するねじりコイルばね3cが介在されている。後述する加圧駆動モータ34によって回転カム3aが回転されることにより、ねじりコイルばね3cがアーム部材4を矢印A1方向に押圧する力が変化する。回転カム3aの比較的大径の部分3a―1がねじりコイルばね3cと接したときは、その押圧力が大きくなって、後述するような「強ニップの押圧力」を生じさせる。また、回転カム3aの比較的小径の部分3a―2がねじりコイルばね3cと接したときは、その押圧力が小さくなって、後述するような「弱ニップの押圧力」を生じさせる。回転カム3aの平面部分3a―3がねじりコイルばね3cと接したときには、アーム部材4を矢印A1方向に押圧する押圧力が解除されて、後述する第1および第2の従動回転体がロールシートRから離れる。
供給装置200は、アーム部材4を所定の「弱ニップの押圧力」によって押圧する状態と、アーム部材4を所定の「強ニップの押圧力」によって押圧する状態と、アーム部材4の押圧力を解除する状態と、の3段階に切り換え可能に構成されている。
アーム部材4には揺動部材7が揺動自在に取り付けられ、その揺動部材7には、ロールシートRの周方向にずれて位置する第1および第2の従動回転体(回転体)8,9が回転可能に取り付けられている。これらの従動回転体8,9は、アーム部材4に対する矢印A1方向の押圧力によって、重力方向の下方からロールシートRの外周部に圧接する。すなわち、従動回転体8,9は、ロールシートRの水平方向の中心軸よりも重力方向の下方から、ロールシートRの外周部に圧接する。その圧接力は、アーム部材4を矢印A1方向に押圧する押圧力に応じて変更される。したがって、駆動部3は、アーム部材4を押圧する押圧機構として機能する。また駆動部3は、従動回転体8,9をロールシートRの外周部から離間させるように、アーム部材4を移動させる移動機構としても機能する。
アーム部材4に対しては、図5のように、複数の揺動部材7がロールシートRの幅方向(X軸方向)に並ぶように取り付けられている。揺動部材7には、図4(b)および図5(a)のように軸受け部7aと軸留め部7bとが設けられており、これらによって、アーム部材4の回転軸4aが所定のガタ付きをもって受け入れられる。軸受け部7aは回転軸4aの上部に接し、軸止め部7bは、図5(a)のように回転軸4aの両側に位置して、回転軸4aの下部および前後部分(図4(b)中左右の部分)と所定の間隔をおいて対向する。これにより、軸止め部7bは、回転軸4aのガタ付きの範囲を規制し、かつ回転軸4aを抜け止めする。軸受け部7aと軸留め部7bとの間に回転軸4aを受け入れるときには、図5(a)中左右の軸留め部7bの間隔を同図中の左右方向に広げるように、それらの軸留め部7bの内の少なくとも一方を一時的に弾性変形させる。つまり、左右方向に広げた軸留め部7bの間を通して、回転軸4aを受け入れる。このようにして回転軸4aを受け入れてから、軸留め部7bが弾性的に復元することによって、図4(b)および図5(a)のように回転軸4aが抜け止めされる。軸留め部7bは、弾性変形可能な樹脂材料によって形成することができる。
軸受け部7aは、揺動部材7の重心位置に設けられており、揺動部材7がX軸、Y軸,Z軸のそれぞれの方向において安定した姿勢となるように回転軸4aに支持される。つまり、図5(a)および(b)中左側の揺動部材7のように、揺動部材7はX軸、Y軸,Z軸のそれぞれの方向において安定した姿勢に支持される。また、回転軸4aがガタ付きをもって受け入れられているため、揺動部材7は、図5(a)および(b)中右側の揺動部材7のように、アーム部材4に対する矢印A1方向の押圧力によって、ロールシートRの外周部に沿うようにイコライズされる。このような構成(イコライズ機構)により、ロールシートRの外周部に対する第1および第2の従動回転体8,9の圧接姿勢の変化が許容される。この結果、シート1と第1および第2の従動回転体8,9との接触領域が常に最大となるように保たれ、かつシート1に対する押圧力が均等化されて、シート1の搬送力のバラツキを抑えることができる。従動回転体8,9がロールシートRの外周部に圧接することにより、シート1の弛みの発生が抑制されて、その搬送力が増強される。従動回転体8は、主に、シート1の搬送力の増強に寄与し、従動回転体9は、主に、シート1の緩みの発生の抑制に寄与する。
回転軸4aはX軸方向に延在する断面円形の軸であり、軸受け部7aには、X軸方向に延在する断面U字状の溝が形成されている。前者の回転軸4aの上部と、後者の溝と、が安定的にはまり合うことによって、図5(a)および(b)中左側の揺動部材7のように、揺動部材7の姿勢が安定する。揺動部材7に対しては、このような安定姿勢に戻すような力が作用する。このようなイコライズ機構は、本例の構成のみに限定されず、ロールシートRの外周部に対する第1および第2の従動回転体8,9の圧接姿勢の変化が許容できればよい。
本例では、揺動部材7とアーム部材4との連結部にイコライズ機構を設けたが、アーム部材4と搬送ガイド12の連結部分にイコライズ機構を設けてもよい。また本例では、揺動部材7がシート1の幅方向に間隔をおいて複数配備されている。シート1の幅に応じて、基準側スプールフランジ23を基準とする非基準側スプールフランジ24の位置が変化する場合には、互いに隣接する揺動部材7の間に非基準側スプールフランジ24に位置させる。これにより、揺動部材7と非基準側スプールフランジ24との干渉を避けることができる。
プリント装置100の本体(プリンタ本体)には、アーム部材4の上方に位置する分離フラッパー10が回転軸11を中心として矢印B1,B2方向に回転可能に取り付けられている。分離フラッパー10は、その自重によってロールシートRを軽く押圧する構成となっている。ロールシートRをさらに強く押圧する必要がある場合には、ばねなどの付勢部材による付勢力を用いてもよい。分離フラッパー10におけるロールシートRとの接触部分には、押圧力がシート1に及ぼす影響を抑えるために、従動コロ10aが回転自在に備えられている。また、分離フラッパー10の先端の分離部10bは、ロールシートRからシートの先端を分離しやすくするために、ロールシートRの表面に極力近い位置まで延在するように形成されている。
シート1は、従動回転体8,9の上を通ってロールシートRから引き出され、その下面がアーム部材4の上部のガイド部4bによってガイドされてから、分離フラッパー10とアーム部材4との間に形成される供給パスを通して供給される。このように、ロールシートRの外周部に対して下方から従動回転体8,9を圧接させ、それらの従動回転体8,9の上を通って引き出されるシート1の下面をガイド部4bによってガイドする。これにより、シート1の自重を利用して、シート1をスムーズに供給することができる。また、ロールシートRのロール外径に応じて、従動回転体8,9とガイド部4bが移動することにより、ロールシートRのロール外径に拘らず、ロールシートRからシート1を確実に引き出して搬送することができる。またガイド部4bは、後述するようにシートの終端部分を排出する際には、その終端部分の下面をガイドすることになる。
ロールシートRから引き出されたシート1は、分離フラッパー10の下面10cの下方を通過してから、搬送ガイド12の下面12aの下方を通過することになる。搬送ガイド12の下面12aを、回転軸10を中心とする仮想円に沿うような形状とすることにより、分離フラッパー10の矢印B1,B2方向に回転位置に拘らず、下面10cと下面12aとの間に段差のない供給パスを形成することができる。これにより、供給パスにおけるシート1の先端の引っ掛かり発生を抑制することができる。分離フラッパー10の下面10cは、回転軸10を中心とする仮想円に沿うような湾曲形状となっている。
アーム部材4に備わる第1のシートセンサ6の位置は、ロールシートRと従動回転体8とのニップ位置から、シート1の搬送方向下流側に少しずれた位置に設定することが望ましい。本例においては上下2つの供給装置200を備えているため、一方の供給装置200からシート1を供給している状態から、他方の供給装置200からシート1を供給する状態に切り換えることができる。このような場合、一方の供給装置200は、それまで供給していたシート1をロールシートRに巻き戻して、そのシート1の先端を、それがシートセンサ6によって検出される位置まで退避させる。仮に、本例の場合よりもシートセンサ6の位置が搬送方向下流側に大きくずれた場合には、シート1の先端部分が、その自重によって従動回転体8とアーム部材4との間の隙間に垂れ下がって、シート1のニップ状態に影響を及ぼすおそれがある。本例のように、シートセンサ6の位置をロールシートRと従動回転体8とのニップ位置に近付けることにより、シート1の自重による垂れ下がりの発生を抑えて、シート1にニップ跡を残りにくくすることができる。
図6は、ロールシートRのロール外径が比較的小さいときにおける供給装置200の説明図である。
アーム部材4は、ねじりコイルばね3cによって常に矢印A1方向に押圧されているため、ロールシートRのロール外径の減少に応じて矢印A1方向に回転する。分離フラッパー10も常に矢印B1方向に押圧されているため、ロールシートRのロール外径の減少に応じて矢印B1方向に回転する。これにより分離フラッパー10は、ロールシートRのロール外径が小さくなった場合にも搬送ガイド12との間に供給パスを形成して、下面10cによってシート1の上面をガイドする。このように、ロールシートRのロール外径の変化に応じて、アーム部材4と分離フラッパー10が回転することにより、ロール外径の如何に拘らず、それらの間にほぼ一定の大きさの供給パスが形成される。これにより、低剛性のシート1などを座屈させることなく確実に供給することができる。また、分離フラッパー10の下面10cは、後述するようにシートの終端部分を排出する際に、アーム部材4のガイド部4bとの間に、シートの終端部分が差し込まれる排出パスを形成することになる。
図7は、ロールシートRのセットから始まるシートの供給準備手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ロールシートRのカバー(ダスト・ロールカバー)42(図2参照)を開く(ステップS1)。このとき、供給装置200は、アーム部材4を「弱ニップの押圧力」によって矢印A1方向に押圧する状態(弱ニップ状態)で待機している。次に、図3(a),(b)のようにロールシートRにスプール部材2を取り付けてから、そのロールシートRを図3(c)のように供給装置200にセットする(ステップS2)。ロールシートRがセットされたことは、ロールセンサ32によって検知される。
ユーザは、このようにロールシートRをセットした後、ロールシートRを矢印C2方向に手動で回転させてシート1の緩みをとってから、スプールフランジ23,24の少なくとも一方を矢印C1方向に手動で回転させる。これにより、シート1の先端がアーム部材4と分離フラッパー10との間のシート供給口内に挿入される(ステップS5)。シート1の先端が第1のシートセンサ6によって検知されると、後述するプリント装置100のCPUは、操作パネル28(図1参照)の表示部に、「ダスト・ロールカバーを閉じてください」というメッセージを表示させる(ステップS4)。このメッセージに応じてユーザがカバー42を閉じると(ステップS6)、CPUは、スプール軸21がスプールホルダ31から浮き上がらないように、不図示のロック機構によってスプール軸21をロックする(ステップS7)。その後、CPUは、供給装置200を弱ニップ状態から、アーム部材4を「強ニップの押圧力」によって矢印A1方向に押圧する状態(強ニップ状態)に切り換える(ステップS8)。
その後、CPUは、後述するロール駆動モータによりロールシートRを矢印C1方向に回転させて、シート1の供給を開始する(ステップS9)。シート1の先端が第2のシートセンサ16によって検知されたときに(ステップS10)、CPUは、搬送ローラ14を矢印D1方向に正転させて、シート1の先端をピックアップする(ステップS11)。そのピックアップが完了したら、PUは、供給装置200のアーム部材4を矢印A1方向に押圧する押圧力を解除して、第1および第2の従動回転体8,9をロールシートRから離間(ニップ解除状態)させる(ステップS12)。
その後、CPUは、シート搬送部300内において搬送されるシート1の斜行を検知する。具体的には、シート搬送部300内においてシート1を所定量搬送させて、そのときに生じる斜行量をシート搬送部300に備わるセンサなどによって検知する。その斜行量が所定の許容量よりも大きい場合には、シート1にバックテンションを与えながら、搬送ローラ14およびロールシートRの正転および逆転を伴ってシート1のフィードとバックフィードとを繰り返す。このような動作により、シート1の斜行を補正する(ステップS13)。このように、シート1の斜行の補正時、およびシート1に対する画像のプリント動作時に、供給装置200をニップ解除状態とすることにより、従動回転体8,9が、シート1の斜行の補正精度および画像のプリント精度に及ぼす影響を回避することができる。その後、CPUは、シート搬送部300によって、シート1の先端をプリント部400におけるプリント開始前の待機位置(定位置)まで移動させる(ステップS14)。これにより、シート1の供給準備が完了する。その後、シート1は、ロールシートRの回転を伴ってロールシートRから引き出され、シート搬送部300によってプリント部400に搬送される。
図8は、ロールシートRからシート1の終端部分が引き出されてから、その終端部分が排出されるまでの基本的な排出動作を説明するためのフローチャートであり、図9は、その排出動作の中途段階におけるプリント装置の説明図である。このような排出動作は、後述するプリント装置100のCPUによって制御される。
供給装置200から供給されるシート1に対するプリント動作の進行に伴って、図9(a)のように、ロールシートRにおけるシート1の残りは少なくなる。その後、プリント動作の進行により、シート1の終端部分1aは、図9(b)のように、シート1が巻き付けられているロールシートRの芯部(紙管など)から外れ、その終端が第1のシートセンサ6によって検知される(ステップS11)。搬送ローラ14とニップローラ15とのニップ部の位置と、カッター20によるシート1の切断位置と、の間の距離をL1とする。また、ロールシートRの芯部(以下、「紙管)という)と第1の従動回転体8との接触位置と、第1のシートセンサ6の検知位置と、の間の距離をL2とする。これらの距離L1,L2はL1>L2の関係にある。これにより、後述するように、シート1の終端部分1aを供給装置200において排出する際に、その終端部分1aを、搬送ローラ14とニップローラ15とのニップ部、またはロールシートRの紙管と第1の従動回転体8との間において、ニップすることができる。
その後、図9(c)のように、駆動部3によってアーム部材4が矢印A2方向に回転され、第1および第2の従動回転体8,9がロールシートRの紙管から離間してニップ解除状態となる(ステップS22)。その後、搬送ローラ14が矢印D2方向に逆回転し(ステップS23)、これにより終端部分1aはシート1の搬送方向と逆の方向に搬送される。その際、分離フラッパー10の従動コロ10aが紙管に接触していることにより、終端部分1aの巻き癖が強い場合にも、その終端部分1aが紙管の上方へ入り込むことを抑制することができる。また、紙管の表面の摩擦係数は、シート1の搬送路に備わる一般的なローラの表面の摩擦係数よりも低く、終端部分1aは、紙管の表面と接触したときに滑りやすい。終端部分1aがシート1の搬送方向と逆の方向に搬送される際には、供給装置200がニップ解除状態となっているため、終端部分1aは、紙管と第1および第2の従動回転体8,9との間に差し込まれやすい。
その後、図9(d)のように、終端部分1aが紙管と従動回転体8,9との間に到達したときに、駆動部3によってアーム部材4が矢印A1方向に回転され、従動回転体8,9が紙管に圧接してニップ状態となる(ステップS24)。その後、ロールシートRの紙管がスプール部材2と共に矢印C2方向に逆回転されることにより、供給装置200は、シート1の供給方向とは逆の矢印J方向に終端部分1aを排出する。紙管よりもシート1の供給方向の上流側の位置には、セットされたロールシート1が位置する空間が形成されており、その空間は、図9(d)のように終端部分1aが引き出されているときには解放空間となっている。そのため、その解放空間内に終端部分1aをスムーズに排出することができる。
本例においては、その解放空間よりもシート1の供給方向の上流側にカバー42が備えられている。そのカバー42は、通常時にユーザなどがロールシートRに接触することを防止し、また、画像がプリントされたシート1が供給装置200に誤って入り込む不測の事態を避けるために備えられている。紙管よりもシート1の供給方向の上流側に排出された終端部分1aは、その巻き癖を利用して、カバー42の内側において再び紙管に巻き付けてもよく、あるいは、カバー42の下部に設けた開口を通して、下方に排出してもよい。また、このように排出される終端部分1aの排出方向の上流側端部(供給方向の下流側端部)が第1のシートセンサ6によって検知されたときに、駆動部3によってアーム部材4を矢印A2方向に回転させて、従動回転体8,9を紙管から離間させてもよい。
従動回転体8,9は、シート1の供給機能と排出機能とを兼有しているため、供給装置200ひいてはプリント装置100の構成の簡素化、小型化、および低価格化を図ることができる。
図8および図9のような排出動作は、プリント動作時に第1のシートセンサ6がシート1の終端を検知したときの基本的な排出動作である。
シート1の種類および終端部分1aの長さなどに応じて、このような基本的な排出動作とは逆に、図10(a),(b)のようにシート1の搬送方向に排出する排出動作を実施してもよい。
すなわち、図10(a)のようにシート1の終端が第1のシートセンサ6によって検知されてから、図10(b)のように、搬送ローラ14によって終端部分1aをシート1の搬送方向に搬送して、不図示の排出口から終端部分1aを排出する。図10(b)のように終端部分1aの終端が搬送ローラ14を通過するときにおいて、不図示の排出口から既に排出された終端部分1aの長さは、排出口と、搬送ローラ14とニップローラ15とのニップ部と、の間における終端部分1aの長さよりも充分に長い。これにより、終端部分1aの終端が搬送ローラ14を通過した後は、終端部分1aの自重によって、それが排出口から排出される。本例においては、シート1の終端が第1のシートセンサ6によって検知されたときに、駆動部3によってアーム部材4が矢印A2方向に回転され、第1および第2の従動回転体8,9がロールシートRの紙管から離間してニップ解除状態となる。
また、図8および図9のような基本的な排出動作において、シート1の種類および終端部分1aの長さなどに応じて、次のような第1または第2の動作を組み合わせてもよい。
第1の動作においては、まず、図9(b)のようにプリント動作中に第1のシートセンサ6がシート1の終端を検知したときに、そのプリント動作を停止する。その後、所定の時間の経過を待ってから、図9(c),(d)のように終端部分1aをシート1の供給方向とは逆の矢印J方向に排出する。このように、所定時間経過後に終端部分1aを排出することにより、プリントヘッド18からシート1に付与されたインクを充分に乾燥させて、搬送ローラ14、ニップローラ15、および従動回転体8,9へのインクの転写を抑制することができる。シート1の種類によっては、インクの乾燥のしやすさの程度が異なるため、インクを乾燥させるための時間(乾燥時間)をシート1の種類毎に設定することが好ましい。
第2の動作は、図10(c)のように、プリント動作中に第1のシートセンサ6がシート1の終端を検知したときに、そのプリント動作を停止した後、カッター20より終端部分1aの搬送方向下流側の部分(同図中の破線部分)をカットする。その後、図9(c),(d)のように終端部分1aをシート1の供給方向とは逆の矢印J方向に排出する。
このような第1および第2の動作は、シート1における画像のプリント済みの部分の長さに応じて、選択的に実施してもよい。これにより、プリント動作中に第1のシートセンサ6がシート1の終端を検知したときに、終端部分1aをカットせずに矢印J方向に排出する排出動作と、終端部分1aをカットせずに矢印J方向に排出する排出動作と、を選択的に実施することができる。前者の場合には、終端部分1aの排出時間を短縮させることができ、後者の場合には、長過ぎる終端部分1aのプリント装置100内における詰まりの発生を抑制することができる。
本例のプリント装置100においては、搬送ローラ14よりもシート1の搬送方向の下流側に、シート1を不図示の排出口から排出するための排出ローラが備えられていない。そのため、カッター20と排紙口との間の距離よりも短い長さにシート1をカットした場合、その短くカットされた部分は、一般には、次のようにして排出口から排出させる。すなわち、その短くカットされたシート1の部分よりも搬送方向の上流側に位置するシート1の先端を搬送方向およびその逆方向に移動させ、その先端によって、短くカットされたシート1の部分を排出口から押し出す。本例においては、このような短くカットされたシート1の部分の押し出し動作時に第1のシートセンサ6がシート1の終端を検知した場合、上述したように、終端部分1aをシート1の供給方向とは逆の矢印J方向に排出することができる。
図11は、プリント装置100における制御系の構成例を説明するためのブロック図である。CPU201は、ROM204に記憶された制御プラグラムにしたがって、供給装置200、シート搬送部300、およびプリント部400を含むプリント装置100の各部を制御する。CPU201には、操作パネル28から、シート1の種類、幅、および種々の設定情報などが入力インターフェイス202を介して入力される。またCPU201は、RAM203に対して、シート1に関する情報などの書き込みおよび読み出しをする。ロール駆動モータ33は、ロールシートRを正転および逆転させるためモータであり、ロールシートRを回転駆動可能な駆動機構(回転機構)を構成する。加圧駆動モータ34は、アーム部材4に対する押圧力を調整するために回転カム3aを回転させるモータであり、搬送ローラ駆動用モータ35は、搬送ローラ14を正転および逆転させるためのモータである。
供給装置200にセットされたロールシートRがロールセンサ32によって検知された後、シート1の先端が第1のシートセンサ6によって検知されたときに、セット完了情報がCPU201に送られる。これにより、CPU201は加圧駆動モータ34の回転指令を出し、その加圧駆動モータ34を回転させることにより、アーム部材4に対する押圧力を調整する。その後、CPU201は、ロール駆動モータ33によって、ロールシートRを矢印C1方向に正転させてシート1を送り出す。その後、CPU201は、シート1の先端が第2のシートセンサ16によって検知されたときに、搬送ローラ駆動用モータ35によって搬送ローラ14を矢印D1方向に正転させることにより、シート1を搬送させる。
また、CPU201は、前述したようなシート1の終端部分1aの排出動作を実行する。すなわち、CPU201は、第1のシートセンサ6がシート1の終端を検知したときに、加圧駆動モータ34によりアーム部材4を矢印A2方向に回転させて、第1および第2の従動回転体8,9をロールシートRの紙管から一旦離間させる。その後、CPU201は、搬送ローラ駆動用モータ35により搬送ローラ14を矢印D2方向に逆転させて、終端部分1aを搬送方向と逆の方向に搬送する。そして、第1のシートセンサ6の位置から距離L2よりも若干長い距離だけ、終端部分1aの搬送方向下流側部が搬送方向と逆の方向に搬送されたときに、CPU201は、加圧駆動モータ34によりアーム部材4を矢印A1方向に回転させる。これにより、第1および第2の従動回転体8,9がロールシートRの紙管に圧接して、それらの間に終端部分1aをニップする。CPU201は、その後、搬送ローラ駆動用モータ35によって搬送ローラ14を矢印D2方向に逆転させると共に、ロール駆動モータ33によってスプール部材2と共に紙管を矢印C2方向に逆回転させる。これにより、終端部分1aがシート1の供給方向とは逆の矢印J方向に排出される。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、シート1の斜行の補正時、およびシート1に対する画像のプリント動作時に、供給装置200をニップ解除状態とする。本実施形態においては、シート1を自動的に供給できない場合にも供給装置200をニップ解除状態とする。例えば、そのシート1が高剛度であってカール癖が強くて、その搬送抵抗が大きい紙種などである場合には、第1の実施形態のようにシート1を自動的に供給することは難しい。
本実施形態においては、まず、図12のように供給装置200をニップ解除状態として、従動回転体8,9をロールシートRから離間させてから、ユーザによって、アーム部材4上に形成されるパスガイドにシート1の先端を挿入する。その後、ユーザは、供給装置200とロールシートRとの間の隙間、あるいは、供給装置200内に手を入れ、ロールシートRを矢印C1方向に回転させて、シート1の先端を搬送ローラ14の位置まで送る。このようにして、シート1の供給を完了することにより、使用可能なシート1の種類が大幅に増えて、より多くの種類のシート1に対応することができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、供給装置200を強ニップ状態、弱ニップ状態、および解除状態とするように、アーム部材4の押圧力を3段階に切り換えるように構成されている。その押圧力の調整段階は3段階のみに特定されず、また無段階に調整するように構成してもよい。その場合、強ニップ状態における押圧力は、シート1の搬送パスの形状によって異なる搬送抵抗、シート1の剛度、およびシート1の表面の摩擦係数に応じて、最適に設定する。ロールシートRをセットするときには、前述したように弱ニップ状態となり、かつスプールホルダ31から浮き上がらないようにスプール軸21をロックするロック機構は、そのロックを解除した状態にある。そのため、弱ニップ状態における押圧力は、スプール軸21にロールシートRの紙管のみがセットされた状態でもスプール軸21が浮かないように、最適な大きさに設定する。
例えば、表層が強くて、供給時の押圧力を強くすることが可能であるアート紙などの高剛度紙、およびキャンバスに代表される高坪量紙などのシートの場合には、強ニップ状態における押圧力を強く設定する。これにより、シートの搬送力を強くして、それを確実に供給することができる。すなわち、供給しにくいシート1に対して、強ニップ状態における押圧力をより強く設定することにより、より多くの種類のシート1の自動供給が可能となる。また、このような自動供給が難しいシート1に関しては、第2の実施形態のように手動によって供給することができる。
(第4の実施形態)
本実施形態における供給装置200には、図13のように、前述した実施形態における駆動部3の回転カム3aが備えられておらず、ねじりコイルばね3cと、その一端を固定する固定部3dと、が存在する。そのため、アーム部材4を矢印A1方向に押圧する押圧力は一定となる。ロールシートRのロール外径の変化によるアーム部材4の押圧力の大きな変化を抑えるために、ねじりコイルばね3cのバネ定数を最適に設定する。
プリント装置の機種によっては、使用するシートの種類が限定されるものもあり、例えば、CAD機の場合には主に普通紙が使用される。普通紙は剛度が低いため、その搬送抵抗は大きくはない。そのため、アーム部材4の押圧力が一定であって、ニップ圧が切り換えられない構成であっても、普通紙の供給は可能である。このように、プリント装置で使用するシートの種類によっては、アーム部材4の押圧力を切り換える構成をなくすことにより、供給装置200、ひいてはプリント装置100の構成の簡素化、および低価格化を図ることができる。
(第5の実施形態)
図14および図15は、本発明の第5の実施形態を説明するための図である。
支持アーム41aは、供給装置200における定位置の回転軸41を中心として、矢印E1,E2方向に回転可能に支持されている。分離フラッパー40は、支持アーム41aに設けられたフラッパー軸40bを中心として、矢印F1,F2方向に回転可能に支持されている。分離フラッパー40は、自重もしくは不図示の低荷重のバネの作用により、摺動部材(回転自在のコロ)40aを介して、アーム部材4のガイド部4b上に移動可能に押し付けられている。分離フラッパー40には、搬送ガイド12の長穴12aに沿って矢印G1,G2方向にスライド可能な規制部材40dが備えられている。この規制部材40dによって、フラッパー軸40bを中心とする分離フラッパー40の矢印F1,F2方向の回転の範囲が規制される。つまり、アーム部材4が矢印A1,A2方向の1つの回転位置にあるときに、そのアーム部材4上に位置する分離フラッパー40の姿勢は1つに規制される。これにより、アーム部材4上のガイド部4bと、分離フラッパー40のガイド面41cと、の間に、図中の上下方向の幅が一定の供給パスを形成することができる。
シート1の供給動作時に、シート1は、アーム部材4のガイド部4bと摺動部材40aとの間に入り込む。そのため、シート1は、その厚み分だけ分離フラッパー40を押し上げながら、アーム部材4のガイド部4bと、分離フラッパー40のガイド面41cと、の間の供給パスを通して供給される。その供給パスは、上述したように一定の幅に形成されるため、低剛度紙や薄紙などのシートの座屈を抑制することができる。
アーム部材4は、ねじりコイルばね3cによって常に矢印A1方向に押圧されているため、図15のようにロールシートRのロール外径が小さくなったときには、そのロール外径に応じてアーム部材4が矢印A1方向に回転する。また、そのアーム部材4に連動して分離フラッパー40の姿勢が変化し、その分離フラッパー40のガイド面41cと、アーム部材4のガイド部4bと、の間に、一定幅の供給パスが形成される。したがって、図14のようにロールシートRのロール外径が大きい場合と同様に、低剛度紙や薄紙などのシートの座屈を抑制することができる。
ロールシートRと分離フラッパー40の先端部40eとの間に大きな隙間がある場合、特に、カール癖が大きいシート1は、その先端がロールシートRに巻き付いて、アーム部材4と分離フラッパー40との間のシート供給口内に入りづらくなるおそれがある。そのため、ロールシートRと分離フラッパー40の先端部40eとの間の隙間は、小さい方法よい。本実施形態においては、ロールシートRのロール外径が小さくなるにしたがって、図15のように、支持アーム41aの回転、分離フラッパー40の回転、および規制部材40dの移動を伴って、分離フラッパー40の先端部40eがロールシートRの中心に近づく。これにより、ロールシートRのロール外径の如何に拘らず、ロールシートRと分離フラッパー40の先端部40eとの間の隙間を小さく保って、シート1の先端をロールシートRから確実に分離させて、シート供給口内に導くことができる。
(第6の実施形態)
図16および図17は、本発明の第6の実施形態を説明するための図である。
本実施形態において、従動回転体8は、ロールシートRのロール外径が図16のような大径から図17のような小径に変化するにつれて、図17中の矢印8aの軌跡を描いて移動するように構成されている。図16の状態において、従動回転体8は、ロールシートRの中心の鉛直下方位置よりも、アーム部材4と分離フラッパー10との間のシート供給口側に近い位置にある。この状態において、ロールシートRに対する従動コロ10aの接触位置(接点)P1と、ロールシートRに対する従動回転体8の接触位置(接点)P2と、は、ロールシートRの回転方向に角度θだけ離れている。図17の状態において、従動回転体8は、ロールシートRの中心の鉛直下方位置よりも、シート供給口から離れる方向に位置する。つまり、従動回転体8は、角度θを大きくするように矢印8aの軌跡を描いて移動する。
シート1の巻癖は、ロールシートRのロール外径が小さくなるにしたがって強くなる。しかし、そのロール外径が小さくなるにしたがって従動回転体8が移動し、点P2における接線に沿うシート1の供給方向が図17中の右下方向を向くように変化するため、ロールシートRからシート1の先端が分離しやすくなる。さらに、シート1がロールシートRから引き出されてから、そのシート1がアーム部材4上のガイド部4bに接触するまでの間の距離が短くなるため、シート1がガイドされずに搬送される空中搬送範囲を小さく抑えることができる。これにより、低剛度シートの座屈の発生を抑制することもできる。
(第7の実施形態)
図18および図19は、本発明の第7の実施形態を説明するための図である。本実施形態においては、第6の実施形態の供給装置200に対して、アーム部材4の回転軸5をシート1の搬送方向と平行な矢印H1,H2方向に移動可能にガイドするガイド部51と、回転軸5を矢印H1,H2方向に移動させる駆動部50と、を備えている。駆動部50は、接点P2の位置をロールシートRの周方向にずらすように、アーム部材4の位置を調整可能な調整機構を構成する。
駆動部50は、ロールシートRのロール外径が小さくなるにしたがって、回転軸5の位置をシート1の供給方向とは逆の矢印H1方向に移動させる。これにより、ロール外径が小さくなるにしたがって、接点P2の位置は、ロールシートRの周方向に沿って供給方向の上流側にずれ、接点P2における接線に沿うシート1の供給方向は、第6の実施形態の場合よりもさらに図19中の右下方向を向くように変化する。したがって、ロールシートRからシート1の先端がさらに分離しやすくなる。さらに、シート1がロールシートRから引き出されてから、そのシート1がアーム部材4のガイド部4bに接触するまでの間の距離は、第6の実施形態の場合よりもさらに短くなる。したがって、シート1がガイドされずに搬送される空中搬送範囲をさらに小さく抑えて、低剛度シートの座屈の発生をより抑制することができる。駆動部50は、シート1の種類などに応じてアーム部材4の位置を調整することができる。
(他の実施形態)
上述した実施形態において、ロールシートRの中心部は、シート1が巻き付けられる芯部(紙管)となっている。そして、シート1の終端部分1aを介して、ロールシートの芯部に従動回転体8,9を圧接させてシートを挟むことにより、ロールシートRの芯部の回転を利用して終端部分1aを排出する構成となっている。しかし、従動回転体8,9が終端部分1aを介して圧接する部分は、スプール部材2であってもよい。例えば、ロールシートRに芯部がない場合には、ロールシートRから終端部分1aが引き出されたときには、スプール部材2の回転を利用して終端部分1aを排出することができる。
また、上述した実施形態においては、ロールシートRから終端部分1aが引き出されたことを検知するために、シート1の終端部分1aにおける搬送方向下流側の端部を検知する第1のシートセンサ6を用いている。しかし、終端部分1aが引き出されたことを検知する方法は、第1のシートセンサ6を用いる方法のみに特定されない。例えば、ロールシートRからのシート1の引き出し長さ、あるいはロールシートRまたは搬送ローラ14の回転トルクの変化などを検知するセンサを用い、これらのセンサの検知結果に基づいて終端部分1aの排出動作を実施することができる。
プリント装置は、2本のロールシートのそれぞれに対応する2つのシート供給装置を備える構成のみに限定されず、11つあるいは3つ以上のシート供給装置を備える構成であってもよい。また、プリント装置は、シート供給装置から供給されるシートに対して画像をプリントする構成であればよく、インクジェットプリント装置のみに限定されない。また、プリント装置のプリント方式および構成も任意である。例えば、プリントヘッドのプリント走査と、シートの搬送動作と、を繰り返して画像をプリントするシリアルスキャン方式、あるいは長尺なプリントヘッドと対向する位置に対してシートを連続的に搬送して画像をプリントするフルライン方式のいずれであってもよい。
また本発明は、プリント媒体としてのシートをプリント装置に供給するシート供給装置の他、種々のシート供給装置に対して適用可能である。例えば、スキャナやコピー機などの読取装置に読み取り対象のシートを供給する装置、およびシート状の加工材料を切断装置などの加工装置に供給する装置などに対しても適用することができる。このようなシート供給装置は、プリント装置、読取装置、加工装置などの装置とは別に構成することができ、またシート供給装置用の制御部(CPU)を備えてもよい。
1 シート
1a 終端部分
4 アーム部材(移動体)
4b ガイド部(下側ガイド体)
6 第1のシートセンサ(検知部)
8 第1の従動回転体(回転体)
9 第2の従動回転体(回転体)
10,40 分離フラッパー(上側ガイド体)
100 プリント装置
200 シート供給装置
400 プリント部
R ロールシート

Claims (13)

  1. 連続するシートが中心部に巻かれたロールシートを保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持されたロールシートを正転方向および逆転方向に回転させる駆動手段と、
    前記保持手段に保持されたロールシートの外周に当接する当接位置と前記ロールシートから離間した離間位置とに移動可能な圧接体と、
    前記保持手段に保持されたロールシートが正転方向に回転することにより前記保持手段から供給されるシートを搬送する搬送ローラと、
    前記搬送ローラを第1方向および該第1方向と反対の第2方向に駆動する駆動モータと、
    前記搬送ローラを前記第1方向に駆動することにより前記搬送ローラによって搬送されるシートに対して画像をプリントするプリント手段と、
    前記保持手段から供給されるシートの終端を検知する検知手段と、
    前記検知手段によってシートの終端が検知されたときに、前記圧接体を前記離間位置に移動させた状態で前記駆動モータによって前記搬送ローラを前記第2方向に駆動した後に、前記圧接体を前記当接位置に移動させて前記中心部と前記圧接体とによって当該シートを挟持して、前記駆動手段によって当該シートを前記逆転方向に回転させる制御手段と、
    を備えることを特徴とするプリント装置。
  2. 前記中心部は、シートが巻き付けられるロールシートの芯部であることを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
  3. 前記中心部は、ロールシートの中空部に挿入されるスプール部材であることを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
  4. 前記圧接体は、前記保持手段に保持されたロールシートの外周に圧接するように当該ロールシートの外径に応じて移動することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプリント装置。
  5. 前記圧接体は、重力方向の下方から前記保持手段に保持されたロールシートの外周に圧接することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のプリント装置。
  6. 前記圧接体は回転体であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のプリント装置。
  7. 前記圧接体は、前記保持手段に保持されたロールシートの外径に応じて移動可能な移動体に備えられ、
    前記移動体は、前記搬送ローラが前記第2方向に駆動されることにより搬送されるシートをガイドする下側ガイド体を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプリント装置。
  8. 前記検知手段は前記移動体に備えられることを特徴とする請求項7に記載のプリント装置。
  9. 前記下側ガイド体の上方に位置する上側ガイド体をさらに備え、
    前記上側ガイド体は、前記下側ガイド体との間に、前記搬送ローラが前記第2方向に駆動されることにより搬送されるシートが通る排出パスを形成することを特徴とする請求項7または8に記載のプリント装置。
  10. 前記上側ガイド体は、前記保持手段に保持されたロールシートの外周に圧接するように当該ロールシートの外径に応じて移動することを特徴とする請求項9に記載のプリント装置。
  11. シートを切断可能なカッターを備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のプリント装置。
  12. 前記カッターは、前記搬送ローラが前記第2方向に駆動されることにより搬送されるシートを切断することを特徴とする請求項11に記載のプリント装置。
  13. 前記検知手段は、前記保持手段と前記搬送ローラとの間に設けられることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のプリント装置。
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