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JP2018198587A - 真空密着包装食品の製造方法 - Google Patents

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JP2018198587A
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年記 内野
Toshiki Uchino
年記 内野
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Win3 Net Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明による課題は、多段階昇温加熱処理可能な加圧加熱機を使用する際の食材への劣化、食感の低下を食品の特性に応じて温度・時間を設定して最適な真空密着包装食品を提供する。【解決手段】食材の洗浄、皮むき、カッティングなどを行う下準備工程S1と、食材の加熱処理(半調理)を施した前処理工程S2と、前処理を施した食材を単独または所定の割合で混ぜ合わせ、計量した食材を調味液とともに袋に充填する充填工程S3と、袋内の空気を脱気した後、袋口を熱シール加工により密封する真空密封工程S4と、食材が投入された密封袋を多段階昇温加熱処理可能な加圧加熱槽に収納し、段階的に昇温・加熱して調理と殺菌を連続して行う調理殺菌工程S5を順次経て、調理殺菌工程S5における調理殺菌に要する温度と時間を、前処理工程S2における食材の前処理方法と食品の種類によって設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、多段階昇温加熱処理可能な加圧加熱機を使用して調理殺菌を行った、真空密着包装食品の製造方法に関する。
従来技術として、特許文献1(特開2013−70624)に記載の製造方法は、包装後の食品において菌が付着して繁殖する恐れを低減させるため、食品充填工程、真空密着包装工程および紫外線殺菌工程を備えており、食品充填工程では、上方に開口する耐熱容器に食品が充填され、真空密着包装工程では、紫外線を透過させる包装フィルムにより食品が真空密着包装され、紫外線殺菌工程では、包装フィルムを介して食品が照射されるものであった。
特許文献2(特開2010−011819)に記載の製造方法は、真空密着包装食品と同じ製法で造られるレトルト食品において、多段階昇温加熱処理可能な加圧加熱機を使用する際の温度・時間設定を食品の特性に応じて最適にする製造方法を提供しており、つまり食材の洗浄、皮むき、カッティングなどを行う下準備工程と、下準備をした食材のブランチング(冷凍野菜にする前の加熱処理)、PH調整などを行う前処理工程と、前処理をした食材を所定の割合で混ぜ合わせ、計量して一定量を調味液と共に袋(レトルトパウチ)に充填する充填工程と袋内の空気を一旦排気して新たに不活性ガスを注入し、袋口を熱シール加工により密封する密封工程と、食材を密封した袋を多段階昇温加熱処理可能な加圧加熱槽に収納して段階的に昇温・加熱し、調理と殺菌を連続して行う調理殺菌工程を順次経て、調理殺菌工程における調理殺菌に要する温度と時間を食品の種類と食材のブランチング量に応じて設定するものであった。
特開2013−70624 特開2010−011819
上記、特許文献1(特開2013−70624)に記載の技術においては、真空密着包装後の菌の繁殖を低減させるため、真空密着包装工程における紫外線照射を実施しなければならない欠点を有していた。更に、特許文献2(特開2010−011819)にいては、調理殺菌工程における調理殺菌に要する温度と時間を、食品の種類と食材のブランチング量に応じて設定しなければならない欠点を有していた。
本発明は、上記の欠点を解決することを目的とする。
そこで本発明は、食材のカッティングを含む下準備を行う下準備工程S1と、食材の加熱処理を含む前処理を行う前処理工程S2と、食材を所定の割合で混合して袋に充填する充填工程S3と、袋内を真空状態にして密封する真空密封工程S4と、食材の充填された真空密封袋を段階的に昇温・加熱して調理と殺菌を連続して行う調理殺菌工程S5と、からなる真空密着包装食品の製造工程において、真空密着包装食品の菌の死滅と食味・食感を確保するため、前記、調理殺菌に要する温度と時間により、前処理された食材と食品の種類によって設定することを最も重要な特徴とする。
本発明は、段階的に昇温・加熱して行う調理殺菌工程S5での調理殺菌に要する温度と時間を、前処理工程S2にて前処理(半調理状態)された食材と食品の種類によって個別に設定し、菌が死滅する殺菌処理条件の120℃、4分以上を確保するので、常温での長期保存が可能となるとともに、食味・食感が損なわれない真空密着包装食品が得られるようになる。
従来の真空密着包装食品の野菜類・鳥獣類・魚介類においては、食味や食感を損なわない状態を保つため、一般に殺菌処理条件の温度を120℃以下にして殺菌処理されており、このことにより全ての菌の死滅が難しくなり、保存料などの添加物の使用と冷蔵保存の条件をもって保存期間を延ばしているのが現状であったが、前述の本発明により、菌の死滅条件である120℃、4分(F値4)を下回らないため、保存料などの添加物が使用されず、常温での長期保存が可能となり、お年寄りなどの買い物難民や忙しい家庭の非常食または副食材として、お子様にも安心して召し上がっていただける真空密着包装のお惣菜食品を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る真空密着包装食品の製造方法の処理フローである。 本発明における「竹の子と野菜の炊き合わせ」殺菌処理の温度と時間の関係グラフである。 本発明で使用する加圧加熱殺菌機の温度の昇温タイムチャートである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本発明の実施の形態に係る真空密着包装食品の製造方法の処理フローを示す。
真空密着包装食品の製造方法は、主に、食材の洗浄、皮むき、カッティングなどを行う下準備工程S1と、食材の加熱処理(半調理)を施した前処理工程S2と、前処理を施した食材を単独または所定の割合で混ぜ合わせ、計量した食材を調味液とともに袋に充填する充填工程S3と、袋内の空気を脱気したのち袋口を熱シール加工により密封する真空密封工程S4と、食材が投入された密封袋を多段階昇温加熱処理可能な加圧加熱槽に収納し、段階的に昇温・加熱して調理と殺菌を連続して行う調理殺菌工程S5を順次経て、調理殺菌工程S5における調理殺菌に要する温度と時間を、前処理工程S2にて前処理された食材と食品の種類によって設定する。
前処理工程S2での加熱により茹でる、蒸す、焼く、炒めるなどの半調理状態にするのは、後に行う調理殺菌処理での食味・食感を生み出すための処理であるとともに、調理殺菌処理の温度と時間の調整が軽減でき、より短い時間で調理殺菌が出来るようになる。
調理殺菌工程S5は、最初に槽内の温度を調理に必要な調理温度まで上昇し、この温度を調理に必要な調理時間を保持する。更に、食材の前処理が行われているため、食材の中心温度が殺菌温度である120℃に短い時間で到達し易くなり、調理殺菌時間を最大限短縮することが可能となる。
以下、本発明について、野菜類、鳥獣類、魚介類の代表的な食品を例に挙げて説明する。なお、本発明は、代表食品に限定されることはない。
野菜類の代表として「竹の子と野菜の炊き合わせ」を例に説明する。
材料は、竹の子、干しシイタケ、フキ、人参の4種類を使用した。
竹の子は、下準備工程S1にて、適度な大きさにカットし、前処理工程S2では、水の状態から浸漬して沸騰するまで5分間湯がいて灰汁抜きした後、流水にて冷却する。
干しシイタケは、下準備工程S1にて、流水にて洗浄し、前処理工程S2では、ぬるま湯40℃に2時間浸して湯戻しした後、食味をよくするため細かくカットする。
フキは、下準備工程S1では、皮を剥いだ後、適度な大きさにカットし、前処理工程S2では、水の状態から浸漬して沸騰するまで5分間湯がいた後、流水にて冷却する。
人参は、下準備工程S1では、流水にて洗浄した後、皮および芽を取り除き、細かく線状にカットし、前処理工程S2は行わない。
このように下準備工程S1と前処理工程S2にて準備された食材は、充填工程S3にて、所定の割合で混ぜ合わせ、計量して一定量を調味液とともに袋に充填し、真空密封工程S4において、袋内の空気を抜き去り密封する。
この状態で調理殺菌工程S5にて、加圧加熱槽に収納した後、槽内の温度を図2に示すように常温から100℃まで10分で昇温し、その後、殺菌条件120℃5分で調理と殺菌を同時に行った。
このように調理殺菌工程S5にて調理された「竹の子と野菜の炊き合わせ」での竹の子の殺菌時のF値は4.2であり、一般に言われているF値4で無菌になるレベルを超えるものであった。更に、120℃までの昇温時間が5分と短いことにより、竹の子、干しシイタケ、フキ、人参の食感が損なわれるのが、自社食感検査員により判明することができた。
ここで、図3に示すものは、調理殺菌工程S5での加圧加熱槽であり、三浦工業株式会社レトルト殺菌機JQ−N・Tの型式のものを使用し、今回の温度と時間をコントロールできる範囲のタイムチャートを示したものである。
鳥獣類の代表として「サラダチキン」を例に説明する。
材料は、鶏胸肉のみを使用した。
鶏胸肉は、下準備工程S1では、皮を剥いだ鶏胸肉を130g前後にカットし、前処理工程S2では、3%食塩水に一昼夜浸漬した後、10分間ボイル(茹でる)し、その後常温にて冷却させる。
このように下準備工程S1と前処理工程S2にて準備された鶏胸肉は、充填工程S3にて、所定の大きさのものを袋に投入し、真空密封工程S4では,袋内の空気を抜き去り密封し、調理殺菌工程S5では、図3の温度と時間のコントロールできる条件を備えた加圧加熱槽に収納した後、槽内の温度を常温から120℃まで10分間で昇温させていき、120℃に達した時点で35分間その温度を保って調理殺菌を行った結果、菌の死滅を示すF値は、5.0レベルに達しているとともに、非常に柔らかな食感の鶏胸肉が得られることができ、サラダ用としての商品価値が高まる結果となった。
魚介類の代表として「さばの煮付け」を例に説明する。
材料は、さばの半身を使用した。
魚類のさばは、下準備工程S1では、半身を使用して100g前後の二等分にカットし、前処理工程S2では、二等分にカットされたさばと調味液を一緒に鍋にて10分間煮たせた後、半調理状態で自然冷却させ、自然冷却後、真空密封工程S4では、袋内に半調理のさばと調味液を投入し、袋内の空気を抜き去り密封し、調理殺菌工程S5では、図3の温度と時間のコントロールできる条件を備えた加圧加熱槽に収納した後、槽内の温度を常温から120℃まで10分間で昇温させていき、120℃に達した時点で20分間その温度を保って調理殺菌を行った結果、菌の死滅を示すF値は、5.1レベルに達しているとともに、さばのたんぱく熱変性が殆どなく食味・食感は良好な結果が得られた。
実施例2、3における「サラダチキン」と「さばの煮付け」については、常温にて240日間保管したものを細菌検査および食味検査を実施した結果、公的機関の一般財団法人日本食品分析センターでの細菌検査では無菌状態が保たれている結果を得ており、また、食味検査についても自社検査員により初期と変わらない旨味、食感などが得られる結果となった。
1 槽内温度
2 槽内圧力
3 第1昇温
4 第2昇温
5 第3昇温
6 加圧
7 冷却(3段階)

Claims (4)

  1. 食材のカッティングを含む下準備を行う下準備工程S1と、食材の加熱処理を含む前処理を行う前処理工程S2と、食材を所定の割合で混合して袋に充填する充填工程S3と、袋内を真空状態にして密封する真空密封工程S4と、食材の充填された真空密封袋を段階的に昇温・加熱して調理と殺菌を連続して行う調理殺菌工程S5と、からなる真空密着包装食品の製造工程において、真空密着包装食品の菌の死滅と食味・食感を確保するため、前記調理殺菌に要する温度と時間を、前処理工程S2にて前処理された食材と食品の種類によって設定することを特徴とする真空密着包装食品の製造方法。
  2. 前記食品が竹の子と野菜の炊き合わせの場合、
    竹の子のボイルを5分、
    干しシイタケをぬるま湯にて戻す40℃/2時間
    フキのボイルを5分間
    この前処理が施された後、
    一次加熱が常温から100℃までの昇温を10分間、
    二次加熱が120℃で5分間、
    であることを特徴とする請求項1記載の真空密着包装食品の製造方法。
  3. 前記食品がサラダチキンの場合、
    鶏胸肉のボイルを10分、
    この前処理が施された後、
    一次加熱が常温から120℃までの昇温を10分間、
    二次加熱が120℃で35分間、
    であることを特徴とする請求項1記載の真空密着包装食品の製造方法。
  4. 前記食品がさばの煮付けの場合、
    さばの切り身のボイルを10分、
    この前処理が施された後、
    一次加熱が常温から120℃までの昇温を10分間、
    二次加熱が120℃で20分間、
    であることを特徴とする請求項1記載の真空密着包装食品の製造方法。
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