JP2018183895A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、画像が形成され排紙されたシートからの情報漏洩を防止する画像形成装置を提供する。【解決手段】上記課題を解決するために、本実施形態の画像形成装置は、画像形成部と、排紙部と、制御部を備える。前記画像形成部はシートに画像を形成する。前記排紙部は前記画像形成部により画像が形成された前記シートを排紙トレイへ排紙する。前記制御部は前記シートが前記排紙トレイへ排紙された後に透過防止シートを排紙させる制御を行う。【選択図】図４

Description

本発明の実施形態は、画像が形成され排紙されたシートからの情報漏洩を防ぐ画像形成装置に関する。

従来、画像形成装置として、印刷ジョブの実行後、画像が形成されたシートの上に所定の情報を記載したシートを排紙して被せるものがあった。しかしながら、画像が形成されたシートの印字内容が、所定の情報を記載したシートの紙面を通して透けて見えてしまい情報が漏洩するおそれがあった。

特開２００４−２９９２４２号公報

本発明が解決しようとする課題は、画像が形成されたシートからの情報漏洩を防止する画像形成装置を提供することである。

上記課題を解決するために、本実施形態の画像形成装置は、画像形成部と、排紙部と、制御部を備える。

前記画像形成部はシートに画像を形成する。前記排紙部は前記画像形成部により画像が形成された前記シートを排紙トレイへ排紙する。前記制御部は前記シートが前記排紙トレイへ排紙された後に透過防止シートを排紙させる制御を行う。

第１の実施形態における画像形成装置のハードウェア構成の制御ブロック図。 第１の実施形態における画像形成装置の断面図。 第１の実施形態における排紙トレイのセンサの位置を示す平面図。 第１の実施形態における透過防止シートのパターン例を示す平面図。 第１の実施形態における所定時間経過後に透過防止シートを排紙する制御を示すフローチャート。 第１の実施形態におけるジョブ実行後に透過防止シートを排紙する制御を示すフローチャート。 第２の実施形態における透過防止シートを排紙する制御フローチャート。 第２の実施形態におけるジョブ実行者Ａとジョブ実行者Ｂが同一の場合のシートの排紙を示す平面図。 第２の実施形態におけるジョブ実行者Ａとジョブ実行者Ｂが異なる場合のシートの排紙を示す平面図。 第２の実施形態におけるジョブＣの排紙を示す平面図。 実施形態における透過防止シートの変形例を示す平面図。 実施形態における透過防止シートのパターンの組み合わせを示す平面図。

以下、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。

（第１の実施形態）
本実施形態では画像形成装置１を例に挙げて説明する。

画像形成装置１は、例えばシートにトナーによる画像の形成が可能な複合機（ＭＦＰ；Ｍｕｌｔｉ Ｆｕｎｃｔｉｏｎ Ｐｅｒｉｐｈｅｒａｌ）である。

図１は、画像形成装置１のハードウェア構成の制御ブロック図である。画像形成装置１は制御部１００、タイマー１２５、読取部１３０、記憶部１３５、認証部１４０、コントロールパネル１４５、プリンタ部１５０、定着部１５５、搬送部１６０、排紙部１６５、及び通信インターフェース（Ｉ／Ｆ）部１７０、報知部１７５を有する。画像形成装置１の各部は、バスライン１８０を介して接続される。

制御部１００は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）或いはＭＰＵ（Ｍｉｃｒｏ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）からなるプロセッサ１０５とメモリ１１０とを有する。メモリ１１０は、例えば、半導体メモリであり、各種制御プログラムを格納するＲＯＭ１１５（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）と、プロセッサ１０５に一時的な作業領域を提供するＲＡＭ１２０（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）を有する。ＲＡＭ１２０は、後述する読取部１３０で読み取った画像を一時的に保存しても良い。制御部１００は、ＲＯＭ１１５に格納された各種制御プログラム等に基づいて、画像形成装置１の各部を制御する。

さらに、制御部１００はタイマー１２５を備えている。タイマー１２５は、後述するセンサ１６８がシートを検知したときに時間のカウントを開始する。このカウントは、例えば画像形成部がシートに画像形成するように制御部１００が制御を行った場合、またはセンサ１６８がシートを検知しなくなった場合の少なくとも一方の場合にリセットされる。

読取部１３０は、例えば対象となるシートの画像を読み取るスキャナである。読取部１３０は、読み取った画像情報を画像データとして後述する記憶部１３５へ保存する。記憶部１３５に保存された画像データは、ネットワークを介して他の情報処理装置に送信されても良い。また、記憶部１３５に保存された画像データは、後述する画像形成部によって別のシート上に形成されても良い。

記憶部１３５は、読取部１３０が読み取った画像データを保存する。記憶部１３５は、例えば、ハードディスクドライブ、その他の磁気記憶装置、光学式記憶装置、若しくはフラッシュ・メモリ等の半導体記憶装置、又はこれらの任意の組み合わせであって良い。

認証部１４０は、ユーザの認証データを取得する。認証データは、印刷ジョブを実行したユーザ（以下、ジョブ実行者）を特定するための情報であり、例えば、印刷ジョブを送信したＰＣや、後述する操作部１４７を操作する際にかざすＩＤカードから取得する。この認証データは、記憶部１３５に記憶しても良い。

コントロールパネル１４５は、図２に示すように表示部１４６及び操作部１４７を備える。表示部１４６は、液晶ディスプレイ及び有機ＥＬ（Ｅｌｅｃｔｒｏ Ｌｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ）ディスプレイ等の表示装置である。表示部１４６は、画像形成装置１に関する種々の情報を表示する。操作部１４７は、複数のボタンなどを備え、ユーザの操作を受け付ける。操作部１４７は、ユーザによって行われた操作に応じた信号を制御部１００に出力する。尚、表示部１４６と操作部１４７とは一体のタッチパネルとして構成されても良い。

プリンタ部１５０と定着部１５５は画像形成部として機能する。プリンタ部１５０は、例えば、トナーによってシートの表面上に画像を形成する。本実施形態におけるトナーは、非消色性記録剤のトナー（以下、通常トナー）と、消色性記録剤のトナー（以下、消色トナー）を含む。通常トナーは、例えば、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）、ブラック（Ｋ）などのトナーである。消色トナーは、通常トナーと同様に有色のトナーであり、例えば青色である。消色トナーは、通常トナーがシートに定着する定着温度よりも高い消色温度で加熱されることで消色する。

定着部１５５は、加熱ローラ１５６と加圧ローラ１５７を備える。加熱ローラ１５６は、シートの第１の面側からシートに熱を加える。加圧ローラ１５７はシートの第２の面側からシートに圧力を与える。定着部１５５は、この熱と圧力とによって、画像を形成する際にはシートに転写されたトナーを定着させる。

搬送部１６０は、図２に示す第１の搬送路１６２、第２の搬送路１６４に配置される複数の搬送ローラ２２０及びこれらを駆動する複数の搬送モータを有する。図２に示すように第１の搬送路１６２は、後述するシート収容部２００から給紙されたシートを、プリンタ部１５０及び定着部１５５を経由させ排紙部１６５まで搬送するための経路である。第２の搬送路１６４はシートの第１の面と第２の面とを反転させるための経路である。第２の搬送路１６４によるシートの反転に関する詳しい説明は後述する。

排紙部１６５は、排紙ローラ１６６、排紙口、排紙トレイ１６７を備え、排紙ローラ１６６が排紙したシートを排紙トレイ１６７上に積載する。さらに、排紙トレイ１６７は、積載されたシートの有無を検知するための検知部としてセンサ１６８を備える。センサ１６８は、赤外線を用いた透過センサ、反射センサ、またはメカスイッチを用いた光学センサなどにより構成される。

ここで、透過センサは、発光部と、発光部に対向するように設けられた受光部とにより構成される。発光部より発せられた光の強度を受光部により検出することで、排紙トレイ１６７上にシートが積載されているか否かを検知する。反射センサは発光部と受光部とを排紙トレイ１６７の同一面上に並列して配置して構成される。この反射センサでは発光部から発せられた光のうちシートによって反射された光を受光部で検知することでシートの有無を検知する。メカスイッチを用いた光学センサは、発光部と受光部とそれらの間に回動可能な光遮蔽部材とにより構成される。シートが積載されていなければ発光部からの光は受光部に入射する。シートが積載されていれば、シートが光遮蔽部材を回動させ、光遮蔽部材が光を遮断する。尚、本実施形態においては、透過センサを例にとって説明する。

通信Ｉ／Ｆ部１７０は、外部の機器と接続するインターフェースである。通信Ｉ／Ｆ部１７０は、例えば、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、赤外線接続、光接続といったＩＥＥＥ８０２．１５、ＩＥＥＥ８０２．１１、ＩＥＥＥ８０２．３、ＩＥＥＥ３３０４等の適切な無線又は有線を介してネットワーク上の外部装置と通信する。通信Ｉ／Ｆ部１７０は、更に、ＵＳＢ規格の接続端子が接続されるＵＳＢ接続部やパラレルインターフェース等を含んでも良い。制御部１００は、通信Ｉ／Ｆ部１７０を介して外部機器と通信する。

報知部１７５は、エラーの発生などの各種情報をユーザに報知する。尚、本実施形態の報知部１７５は、排紙トレイ１６７上にシートが積載されている旨をジョブ実行者に報知する。この報知は、例えば、コントロールパネル１４５上の表示部１４６への表示、ジョブ実行者のＰＣへのメールの送信、又は音や光を発することにより行われても良い。

図２は、第１の実施形態に係る画像形成装置１の断面図である。

シート収容部２００は、筐体下部に設けられ、複数の給紙カセット２００Ａ、２００Ｂ及び２００Ｃを備える。各給紙カセット２００Ａ、２００Ｂ及び２００Ｃは、それぞれに所定のサイズ及び種類のシートを収納する。尚、各給紙カセット２００Ａ、２００Ｂ及び２００Ｃの設定は適宜変更可能である。各給紙カセット２００Ａ、２００Ｂ及び２００Ｃは、それぞれピックアップローラ２０５Ａ、２０５Ｂ及び２０５Ｃを備える。各ピックアップローラ２０５Ａ、２０５Ｂ及び２０５Ｃは、各給紙カセット２００Ａ、２００Ｂ及び２００Ｃからシートを１枚ずつ取り出す。ピックアップローラ２０５Ａ、２０５Ｂ及び２０５Ｃは、取り出したシートを第１の搬送路１６２へ搬送する。

プリンタ部１５０は第１の搬送路１６２に沿って定着部１５５の上流に配置される。プリンタ部１５０は各色の画像形成ユニットと転写ユニットを有する。画像形成ユニットは、現像部１５１と露光部１５２を備える。現像部１５１は、現像器１５１Ａ、感光体ドラム１５１Ｂ、及び図示しない帯電部を有する。帯電部は、感光体ドラム１５１Ｂの表面（感光体層）に一様に帯電させる。露光部１５２がレーザ光の照射により感光体ドラム１５１Ｂの表面に静電潜像を形成する。この静電潜像に対し、現像器１５１Ａがトナーを付加することで現像を行う。転写ユニットは、転写ベルト１５３と転写ローラ１５４を備える。画像形成ユニットで現像されたトナーは転写ベルト１５３に転写される（一次転写）。転写ローラ１５４は、転写ベルト１５３上に形成された画像をシート上に転写する（二次転写）。ここで転写されたトナーは、図１で説明したように定着部１５５によりシートに定着させられる。

搬送部１６０は、給紙ローラ２１０Ａ、２１０Ｂ、２１０Ｃ、レジストローラ２１５、及び複数の搬送ローラ２２０を有する。給紙ローラ２１０Ａ、２１０Ｂ、及び２１０Ｃは、それぞれピックアップローラ２０５Ａ、２０５Ｂ、及び２０５Ｃによって搬送されるシートをレジストローラ２１５へ第１の搬送路１６２を介して搬送する。レジストローラ２１５は、プリンタ部１５０が転写ベルト１５３上にトナーにより形成された画像をシートの表面上に転写するタイミングに合わせて、シートを転写ローラ１５４へ搬送する。搬送ローラ２２０は、第１の搬送路１６２及び後述する第２の搬送路１６４に複数備えられており、給紙されたシートを第１の搬送路１６２及び第２の搬送路１６４に沿って排紙部１６５まで搬送する。

第２の搬送路１６４は、第１の搬送路１６２に沿って定着部１５５より下流に位置する分岐点２２５Ａにおいて第１の搬送路１６２より分岐する。さらに、第２の搬送路１６４は、第１の搬送路１６２に沿って定着部１５５より上流に位置する合流点２２５Ｂで第１の搬送路１６２と合流する。すなわち、第１の搬送路１６２と第２の搬送路１６４は、分岐点２２５Ａ及び合流点２２５Ｂを介して循環する搬送路を形成する。第２の搬送路１６４は、定着部１５５から搬送されるシートを、スイッチバックにより反転させた後に再度レジストローラ２１５の上流に搬送する。第２の搬送路１６４は、シートの裏面に画像を形成させる場合の搬送路となる。

経路切替部２３０は、分岐点２２５Ａに配置される。経路切替部２３０は、定着部１５５から搬送されるシートを排紙ローラ１６６へ搬送する。その後、排紙ローラ１６６は逆回転し、シートをシート後端から第２の搬送路１６４へ搬送する。経路切替部２３０は、例えば、通常の状態（非駆動状態）では、シートが排紙ローラ１６６へ搬送されるように制御される。他方、駆動状態では、経路切替部２３０はシートが排紙ローラ１６６から第２の搬送路１６４へ搬送されるように制御される。

次に、シートの反転動作について説明する。定着部１５５から搬送されたシートは、排紙ローラ１６６で把持される。ここで制御部１００が排紙ローラ１６６を逆回転させるとともに、経路切替部２３０を駆動状態に制御することにより、シートは分岐点２２５Ａにおいて第２の搬送路１６４へ搬送される。その後、シートは第２の搬送路１６４を搬送された後に表裏が反転された状態で合流点２２５Ｂへ搬送される。

排紙ローラ１６６は、シートを排紙トレイ１６７に排紙する。排紙部１６５に設置されたセンサ１６８は、排紙されたシートを検知すると制御部１００にその旨の信号を送信する。

図３は本実施形態に係る排紙トレイ１６７のセンサ１６８の位置を示す平面図である。ここで、矢印はシートの排紙方向を示す。また、シートの排紙方向に対して、シートの長手方向が直交になる向き（以下、縦向き）に排紙されるシートが積載される領域２３５を実線で示す。シートの排紙方向に対して、シート長手方向が平行になる向き（以下、横向き）に排紙されるシートが積載される領域２４０を点線で示す。また、センサ１６８を配置する位置の例を示す。

・センサ１６８Ａは領域２３５に積載される縦向きのシート、及び領域２４０に積載される横向きのシートのそれぞれを検知可能な位置に備えられる。

・センサ１６８Ｂは領域２３５に積載される縦向きのシートを検知可能な位置に備えられる。

・センサ１６８Ｃは領域２４０に積載される横向きのシートを検知可能な位置に備えられる。

以上、センサ１６８Ａ、１６８Ｂ、及び１６８Ｃを組み合わせることで制御部１００は排紙トレイ１６７上に積載されるシートの向きを検知することができる。例えば、センサ１６８Ａ及びセンサ１６８Ｂがシートを検知していると、制御部１００は排紙トレイ１６７上に積載されるシートが縦向きであると判断する。他方、センサ１６８Ａ及びセンサ１６８Ｃがシートを検知していると、制御部１００は排紙トレイ１６７上に積載されるシートが横向きであると判断する。

尚、センサ１６８の位置はこれに限るものでなく、状況に応じて自由に配置及び組み合わせを変えることで、より詳細なシートの積載位置やシートのサイズを検知できるようにしても良い。また、センサ１６８は排紙トレイ１６７以外の場所に備えられても良い。例えば、胴内排紙を可能とする画像形成装置１の排紙部１６５において、排紙トレイ１６７に対向する面にカメラを設けてシートの積載状態を検知しても良い。

次に透過防止シート３００について説明する。以下の説明では、ジョブＸはページＸ１とページＸ２とを含む複数のページをそれぞれ１シートずつに印刷し、ページＸ１の画像を印刷したシートＸ１とページＸ２の画像を印刷したシートＸ２とを含むシートセットＸを連続して排紙する指示を含む。尚、ジョブＸは１シートにだけ印刷して、その１シートだけを排紙する指示を含む場合もある。本実施形態の画像形成装置１では、ジョブＸで排紙されたシートセットＸが排紙トレイ１６７上に積載されたままの場合に、透過防止シート３００が排紙される。制御部１００が、排紙トレイ１６７上に積載されているシートセットＸ上に重なるように透過防止シート３００を排紙することで、シートセットＸの印刷内容が外から見えることを抑制できる。透過防止シート３００には、シートセットＸの印刷内容が透けることを防ぐ透過防止用画像３０５が形成される。

但し、透過防止シート３００は透過防止用画像３０５が形成されたシートに限定されるものではない。例えば、黒などの色付きのシートやフィルムをシート収容部２００に予め収容しておいて、これを透過防止シート３００として排紙しても良い。また、シートセットＸの最上面のページに画像が形成されていなければ、透過防止シート３００として白紙を排紙しても良い。さらに、透過防止シート３００はシートセットＸの最上面のページに形成された画像の一部分（例えば文字または図等が形成された部分）のみの透過を防止するシートであっても良い。

図４は透過防止用画像３０５のパターンを例示したものである。図４（ａ）、（ｂ）、及び（ｃ）にはそれぞれ透過防止シート３００ａ、３００ｂ、及び３００ｃが示されている。透過防止シート３００ａ、３００ｂ、及び３００ｃには、透過防止用画像３０５としてドットパターン３０５ａ、網掛けパターン３０５ｂ、及びべた塗りパターン３０５ｃが形成されている。尚、透過防止用画像３０５のパターンは上記３つのパターンに限定するものではなく、シートセットＸに重なるように透過防止シート３００が排紙されたときシートセットＸの印刷内容が外から見えることを抑制できるものであれば良い。以下、この透過防止シート３００としてドットパターン３０５ａが形成された透過防止シート３００ａを例にして説明する。

次に、制御部１００による透過防止シート３００ａの排紙の制御について説明する。センサ１６８がシートセットＸを検知すると、タイマー１２５が時間のカウントを開始する。センサ１６８が排紙トレイ１６７上のシートセットＸを検知したまま所定の時間が経過した場合、報知部１７５は、ジョブ実行者に対しシートセットＸが排紙トレイ１６７上に積載されている旨を報知する。この報知は、例えばジョブ実行者のＰＣへのメールの送信などの方法により行われる。その後、制御部１００はシートセットＸ上に透過防止シート３００ａを排紙する。他方、所定の時間が経過したときにセンサ１６８がシートセットＸを検知していない場合は、透過防止シート３００ａの排紙を行わない。

ここで制御部１００は、透過防止シート３００ａとして使用するシートの選択を、シートセットＸの向きに基づいて行う。すなわち、図３のセンサ１６８Ａ及び１６８ＢがシートセットＸを検知している場合は、透過防止シート３００ａは縦向きで排紙される。他方、センサ１６８Ａ及び１６８ＣがシートセットＸを検知している場合は、透過防止シート３００ａは横向きで排紙される。尚、センサ１６８Ｂ及び１６８Ｃの両方がシートセットＸを検知している場合は、シートセットＸより大きいサイズのシートを透過防止シート３００ａとして排紙しても良い。

尚、排紙トレイ１６７上に積載されるシートセットＸの向きの判断は、上記の方法に限るものではない。印刷ジョブとしてシートセットＸを印刷する際に、ジョブＸに含まれるシートの向きの情報に基づいてシートセットＸの向きを判断しても良い。

図５は透過防止シート３００ａを排紙する制御フローチャートである。

制御部１００は、センサ１６８がシートセットＸを検知すると処理を開始する（ＡＣＴ１００）。この時、制御部１００のタイマー１２５は時間のカウントを開始する（ＡＣＴ１０１）。その後、所定の時間が経過したときに（ＡＣＴ１０２、ＹＥＳ）、センサ１６８がシートセットＸを検知していなければ（ＡＣＴ１０３、ＮＯ）、制御部１００は一連の処理を終了する。センサ１６８がシートセットＸを検知していれば（ＡＣＴ１０３、ＹＥＳ）、制御部１００は報知部１７５により、ジョブ実行者に対し、シートセットＸが排紙トレイ１６７上に積載されている旨を報知する。この報知はジョブ実行者のＰＣへのメールの送信などの方法により行われる（ＡＣＴ１０４）。

その後、制御部１００は画像形成部により透過防止シート３００ａとして、新たなシートにドットパターン３０５ａを形成し（ＡＣＴ１０５）、そのシートを透過防止シート３００ａとして排紙する（ＡＣＴ１０６）。尚、透過防止シート３００ａとして画像形成部に給紙される新たなシートの向き及びサイズは、センサ１６８が検知したシートセットＸの積載状態に基づいて判断される。その後、制御部１００は一連の処理を終了する。

以上、本実施形態の画像形成装置は、所定の時間が経過した後に排紙されたシート上に透過防止シートを排紙することで、排紙トレイ上に積載されたままのシートから情報が漏洩することを防ぐことができる。

尚、上記の例では、制御部１００はシートセットＸを排紙後、所定時間が経過してから透過防止シート３００ａを排紙していたが、シートセットＸの排紙後、シートセットＸに続けて透過防止シート３００ａを排紙しても良い。

図６は、シートセットＸの排紙後、シートセットＸに続けて透過防止シート３００ａを排紙する制御フローチャートである。

制御部１００がジョブＸを取得すると（ＡＣＴ２００）、制御部１００は画像形成部によりシートに画像の形成を行う（ＡＣＴ２０１）。制御部１００は、画像形成部によるシートへの画像の形成が終了すると、排紙部１６５によりシートセットＸを排紙トレイ１６７へ排紙する（ＡＣＴ２０２）。次に、制御部１００は、新たなシートを画像形成部に給紙し、透過防止用画像３０５としてドットパターン３０５ａの形成を行う（ＡＣＴ２０３）。尚、透過防止シート３００ａとして画像形成部に給紙される新たなシートは、シートセットＸと同様の向き及びサイズのものを使用する。ドットパターン３０５ａの形成が終了すると、制御部１００は排紙部１６５により透過防止シート３００ａを排紙トレイ１６７に排紙する（ＡＣＴ２０４）。以上により制御部１００は一連の制御を終了する。

以上の変形例では、印刷ジョブにおけるシート排紙後に続けて透過防止シートを排紙するため、排紙されたシートを回収するまでの間にシートから情報が漏洩することを防ぎ秘匿性をさらに高くすることができる。

（第２の実施形態）
第２の実施形態の画像形成装置１では、印刷ジョブにより排紙されたシートセットを回収する前に次の印刷ジョブを取得した場合に、透過防止シート３００ａを排紙トレイ１６７に排紙する。

尚、以下の説明では、ジョブＡはページＡ１とページＡ２とを含む複数のページをそれぞれ１シートずつに印刷し、ページＡ１の画像を印刷したシートＡ１とページＡ２の画像を印刷したシートＡ２とを含むシートセットＡを連続して排紙する指示を含む。同様に、ジョブＢはページＢ１とページＢ２とを含む複数のページをそれぞれ１シートずつに印刷しページＢ１の画像を印刷したシートＢ１とページＢ２の画像を印刷したシートＢ２とを含むシートセットＢを連続して排紙する指示を含む。また、ジョブＡの実行者をジョブ実行者Ａとし、ジョブＢの実行者をジョブ実行者Ｂとする。尚、ジョブＡ及びジョブＢはそれぞれ１シートにだけ印刷して、その１シートだけを排紙する指示を含む場合もある。

画像形成装置１の構成については第１の実施形態と同様であるため省略する。

図７はシートセットＡが排紙トレイ１６７上に積載された状態でジョブＢを受け取った際の制御フローチャートである。制御部１００はジョブＢを取得すると（ＡＣＴ３００）、センサ１６８が排紙トレイ１６７上のシートセットＡを検知しているか否かを判断する（ＡＣＴ３０１）。センサ１６８がシートセットＡを検知していない場合（ＡＣＴ３０１、ＮＯ）、制御部１００はジョブＢを実行しシートセットＢを排紙する(ＡＣＴ３０４)。その後、制御部１００は一連の処理を終了する。センサ１６８がシートセットＡを検知している場合(ＡＣＴ３０１、ＹＥＳ)、制御部１００は認証部１４０によりジョブ実行者Ａとジョブ実行者Ｂとが同一であるか否かを判断する（ＡＣＴ３０２）。制御部１００は認証部１４０によりジョブ実行者Ａとジョブ実行者Ｂとが同一であると判断すると（ＡＣＴ３０２、ＹＥＳ）、報知部１７５によりシートセットＡが排紙トレイ１６７上に積載されたままになっている旨をジョブ実行者Ａへ報知する（ＡＣＴ３０３）。この報知は、ジョブ実行者ＡのＰＣへのメール送信などにより行われる。その後、制御部１００は、透過防止シート３００ａを排紙せずシートセットＢを排紙する（ＡＣＴ３０４）。尚、このシートセットＢは縦向きで排紙しても、図８に示すように横向きで排紙しても良い。

ＡＣＴ３０２において、認証部１４０がジョブ実行者Ａとジョブ実行者Ｂとが同一でないと判断すると（ＡＣＴ３０２、ＮＯ）、制御部１００は報知部１７５により両者に対し排紙トレイ１６７上にシートセットＡが積載されている旨を報知する（ＡＣＴ３０５）。この報知は、ジョブ実行者ＡのＰＣ及びジョブ実行者ＢのＰＣへのメールの送信などにより行われる。尚、この報知に合わせ、報知部１７５は、排紙トレイ１６７上に既にシートセットＡが積載されている旨をコントロールパネル１４５上に表示することにより報知しても良い。その後、制御部１００は画像形成部により透過防止シート３００ａとして新たなシートにドットパターン３０５ａを形成し（ＡＣＴ３０６）、そのシートを透過防止シート３００ａとして排紙する（ＡＣＴ３０７）。さらに制御部１００はシートセットＢを図９に示すように横向きで排紙させる（ＡＣＴ３０８）。これらの処理によりシートセットＢが排紙されると制御部１００は一連の処理を終了する。

以上、本実施形態の画像形成装置は、排紙トレイ上に積載されたシートセットをジョブ実行者が回収する前に次の印刷ジョブを受け取った場合でも、他人にシートを誤って回収される、及び印字面を見られることによる情報漏洩を防ぐことができる。

尚、本実施形態において、報知部１７５はジョブ実行者Ａ及びジョブ実行者Ｂに対し、排紙トレイ１６７上にシートセットＡが積載されている旨を報知した後に透過防止シート３００ａを排紙していたが、透過防止シート３００ａを排紙した後に報知しても良い。

尚、上記の例において、第１の実施形態では、センサ１６８が排紙トレイ１６７上のシートセットＸを検知した状態で所定時間が経過することを条件として透過防止シート３００ａを排紙していた。一方、第２の実施形態では、センサ１６８が排紙トレイ１６７上のシートセットＡを検知した状態で次の印刷ジョブを取得することを条件として透過防止シート３００ａを排紙していた。しかし、制御部１００は、透過防止シート３００ａの排紙の条件として、これらの条件を組み合わせて判断しても良い。

すなわち、センサ１６８が排紙トレイ１６７上のシートセットＡを検知すると、タイマー１２５は時間のカウントを開始する。センサ１６８がシートセットＡを検知したままで所定の時間が経過した場合、又はセンサ１６８がシートセットＡを検知したままで所定の時間が経過する前に次の印刷ジョブを取得した場合に透過防止シート３００ａを排紙しても良い。

尚、ジョブＢによりシートセットＢを排紙した後、ジョブ実行者ＢがシートセットＢを取り忘れることも考えられる。その場合、シートセットＢを前述のシートセットＡと同様のものとして扱い、同様に処理を行う。つまり図１０に示すようにシートセットＢが、排紙後一定時間取り除かれない場合、またはシートセットＢが積載された状態で後続するジョブＣを受け取った場合には、上述した一連の処理が行われ、新たな透過防止シート３０１が排紙される。この透過防止シート３０１は横向きで排紙される。その後、ジョブＣによって排紙されるシートセットＣを縦向きで排紙する。

また、透過防止シート３００の別のパターンとして、シートセットＸより大きいサイズのシートを排紙するようにしても良い。例えば、画像形成装置１は、シートが不足していると制御部１００が処理を停止するように設定されているとする。このような場合に、シートセットＸがＡ４サイズであり、シート収容部２００内にＡ４サイズのシートが不足していれば、制御部１００は透過防止シート３００としてＡ３サイズやＢ４サイズのシートを使用する。

これにより、同じサイズのシートが不足してもシートセットＸの印刷内容が漏洩することを防ぐことができる。また、シートセットＸよりも大きいサイズの透過防止シート３００を排紙することで、ジョブ実行者以外からのシートＸの視認性をより低くすることができる。また、透過防止シート３００として使用されるシートを再利用するため、透過防止用画像３０５は、消色トナーで印刷されても良い。

以上、説明した透過防止シート３００のパターンは、それぞれ別に使用される必要はなく、複数のパターンをそれぞれ自由に組み合わせても良い。

例えば、図１１に示すように、シートＡより大きいサイズのシートに、消色可能なトナーを用いてドットパターン３０５ａの印刷を行っても良い。この場合、ドットパターン３０５ａを印刷する位置はシートＸと重なる部分のみで良い。

尚、透過防止シート３００のパターンの組み合わせは、管理者や個々のユーザによって任意に設定されても良い。設定内容は、例えば透過防止用画像をべた塗りで印刷するか否か、透過防止シート３００をシートセットＡより大きいシートにするか否か、透過防止シート３００を消色トナーで印刷するか否か、等である。これらの設定は、それぞれ独立して設定されても良いが、例えば、図１２のような設定画面において、「秘匿性重視」を選択すると、自動で「べた塗り印刷（通常トナー）」「シートＸより大きいシートを使用」が設定されても良い。同様に、「コスト重視」を選択すると、「ドット印刷（通常トナー）」が自動で設定されても良い。

尚、画像形成装置１にオプション装置として複数の排紙トレイ１６７を有するフィニッシャを装着している場合、制御部１００は、シートセットＢの向きを変更する代わりに、使用されていない排紙トレイ１６７に排紙するようにしても良い。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

１…画像形成装置
１００…制御部
１２５…タイマー
１４０…認証部
１５０…プリンタ部
１５５…定着部
１６７…排紙トレイ
１６８…センサ
１７５…報知部
３００、３０１…透過防止シート
３０５…透過防止用画像

Claims (5)

1. シートに画像を形成する画像形成部と、
   前記画像形成部により画像が形成された前記シートを排紙トレイへ排紙する排紙部と、
   前記シートが前記排紙トレイへ排紙された後に透過防止シートを排紙させる制御を行う制御部と、
   を備える画像形成装置。
2. 前記透過防止シートは、前記画像形成部により透過防止用画像が形成されたシートである請求項１に記載の画像形成装置。
3. 前記排紙トレイ上にシートが積載されていることを検知する検知部と、
   前記検知部が前記シートを検知している時間を測定するタイマーをさらに備え、
   前記制御部は、前記タイマーにより測定された前記シートの検知時間が所定の時間を超えた場合に前記透過防止シートを排紙させる制御を行う請求項１または２に記載の画像形成装置。
4. 前記排紙トレイ上にシートが積載されていることを検知する検知部をさらに備え、
   前記制御部は、印刷ジョブを受け付けた時に前記検知部が前記排紙トレイ上の前記シートを検知している場合に、前記透過防止シートを排紙させる制御を行う請求項１または２に記載の画像形成装置。
5. 前記透過防止シートは前記排紙トレイへ排紙された前記シートよりも大きいシートである請求項１乃至４のいずれか１項に記載の画像形成装置。

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