JP2018177065A - ランフラットタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】リム組みの作業効率に優れ、かつ、ランフラット耐久性、通常走行時における乗り心地性および軽量性を高度にバランスさせたランフラットタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部3のタイヤ半径方向内側に荷重支持弾性体9が固着されてなり、正規リムに装着し、正規内圧、無負荷状態における、ベルト6の最大幅をA、荷重支持弾性体9のタイヤ幅方向最大幅をB、タイヤ幅方向中央部のインナーライナー5からリム間距離をC、荷重支持弾性体9の幅方向断面における最大高さをD、としたとき、0.4≦B/A≦0.9、0.4≦D/C≦0.8で表される関係を満足し、かつ、荷重支持弾性体9が短繊維を含み、短繊維がタイヤ半径方向に配向されてなるランフラットタイヤ。
【選択図】図1
【解決手段】トレッド部3のタイヤ半径方向内側に荷重支持弾性体9が固着されてなり、正規リムに装着し、正規内圧、無負荷状態における、ベルト6の最大幅をA、荷重支持弾性体9のタイヤ幅方向最大幅をB、タイヤ幅方向中央部のインナーライナー5からリム間距離をC、荷重支持弾性体9の幅方向断面における最大高さをD、としたとき、0.4≦B/A≦0.9、0.4≦D/C≦0.8で表される関係を満足し、かつ、荷重支持弾性体9が短繊維を含み、短繊維がタイヤ半径方向に配向されてなるランフラットタイヤ。
【選択図】図1
Description
本発明は、ランフラットタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称す)に関し、詳しくは、リム組みの作業効率に優れ、かつ、ランフラット耐久性、通常走行時における乗り心地性および軽量性を高度にバランスさせたランフラットタイヤに関する。
タイヤの空気圧が0kPaになっても、一定距離を走行できるランフラットタイヤにおいて、金属や樹脂材料によって構成される高剛性中子を用いた中子式のランフラットタイヤが知られている。このタイプのランフラットタイヤは、パンク発生やサイド損傷などによりタイヤ内圧が低下した場合、予めリムに固定された高剛性中子が、タイヤ内面から荷重を支持することにより、内圧が0kPaとなった状態でも走行の継続を可能としている。一方、高剛性中子を使わないランフラットタイヤとしては、タイヤサイドを補強ゴム等により補強したランフラットタイヤがある。このタイプのランフラットタイヤでは、パンク発生により、タイヤ内圧が低下した場合には、補強ゴム等により補強されたサイド部が荷重を支持することにより、内圧が0kPaとなった状態でも走行の継続を可能としている。
中子式のランフラットタイヤに関する技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1では、タイヤの空気室内に中子を配置して、この中子の径方向の剛性を、車両装着時に車両側に配置される側を、外側に配置される側より小さくすることで、ランフラット走行時における車両荷重による径方向の中子の変形量を大きくし、キャンバー角を増大させることでキャンバースラスト力を発生させて車両の偏向を抑制したランフラットタイヤが提案されている。
しかしながら、中子を用いたランフラットタイヤでは、中子は通常用いられているタイヤ用リムには嵌合せず、専用リムを準備する必要があり、リム組みに際して作業効率が低下するという問題を有している。一方、サイド補強ランフラットタイヤでは、リム組み作業性は改善されるが、サイドが補強ゴムで補強されているため、タイヤサイド部が高剛性化することで乗り心地が悪化してしまう場合がある。さらに、補強ゴムの追加によりタイヤ重量が増加し、その結果、転がり抵抗が悪化してしまう場合がある。したがって、タイヤの低転がり抵抗等の環境適合性の要求が高まる中、ランフラットタイヤの改善が求められているのが現状である。
そこで、本発明の目的は、リム組みの作業効率に優れ、かつ、ランフラット耐久性、通常走行時における乗り心地性および軽量性を高度にバランスさせたランフラットタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、タイヤのトレッド部の内側に所定の荷重支持弾性体を固着させることで、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明ランフラットタイヤは、左右一対のビード部と、該ビード部からタイヤ半径方向外側に連なるサイドウォール部と、該一対のサイドウォール部間に跨って延び接地部を形成するトレッド部と、前記一対のビード部間にトロイド状に延在する少なくとも一層以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向内側に配置されたインナーライナーと、を備えたランフラットタイヤにおいて、
前記トレッド部のタイヤ半径方向内側に荷重支持弾性体が固着されてなり、
正規リムに装着し、正規内圧、無負荷状態における、前記ベルトの最大幅をA、前記荷重支持弾性体のタイヤ幅方向最大幅をB、タイヤ幅方向中央部の前記インナーライナーからリム間距離をC、前記荷重支持弾性体の幅方向断面における最大高さをD、としたとき、下記式(1)および(2)、
0.4≦B/A≦0.9 (1)
0.4≦D/C≦0.8 (2)
で表される関係を満足し、かつ、
前記荷重支持弾性体が短繊維を含み、該短繊維がタイヤ半径方向に配向されてなることを特徴とするものである。
前記トレッド部のタイヤ半径方向内側に荷重支持弾性体が固着されてなり、
正規リムに装着し、正規内圧、無負荷状態における、前記ベルトの最大幅をA、前記荷重支持弾性体のタイヤ幅方向最大幅をB、タイヤ幅方向中央部の前記インナーライナーからリム間距離をC、前記荷重支持弾性体の幅方向断面における最大高さをD、としたとき、下記式(1)および(2)、
0.4≦B/A≦0.9 (1)
0.4≦D/C≦0.8 (2)
で表される関係を満足し、かつ、
前記荷重支持弾性体が短繊維を含み、該短繊維がタイヤ半径方向に配向されてなることを特徴とするものである。
ここで、正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、およびETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。また、正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、およびETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。なお、タイヤが乗用車用である場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法および角度が測定される。
また、短繊維がタイヤ半径方向に配向されてなるとは、荷重支持弾性体のタイヤ幅方向断面において、タイヤ半径方向に対して0°以上45°以下に配列されている繊維の総本数を(X)とし、タイヤ半径方向に対して45°超90°以下に配列されている繊維の総本数を(Y)としたとき、X/Yが、1.5以上である状態をいう。なお、短繊維の測定は、任意の10ヶ所について、それぞれ30本の短繊維を透過型光学顕微鏡で観察して行う。
本発明のタイヤにおいては、前記荷重支持弾性体は、短繊維からなる塊状体であることが好ましい。また、前記短繊維は、ポリエステル繊維からなることが好ましい。さらに、本発明のタイヤにおいては、JIS K7181に基づいて測定される、前記荷重支持弾性体の短繊維配向方向面に対する圧縮弾性率が、120kPa以上であることが好ましい。さらにまた、本発明のタイヤにおいては、前記荷重支持弾性体の密度は、5〜35kg/m3であることが好ましい。また、本発明のタイヤにおいては、前記短繊維の長さは、3〜150mmであり、タイヤ半径方向に対する長手方向の平均配向角度は、45°〜90°であることが好ましい。
ここで、短繊維の平均配向角度とは、上記(X)および(Y)を観察した際における、全短繊維のタイヤ半径方向に対する角度の平均値をいう。
本発明によれば、リム組みの作業効率に優れ、かつ、ランフラット耐久性、通常走行時における乗り心地性および軽量性を高度にバランスさせたランフラットタイヤを提供することができる。
以下、本発明のランフラットタイヤを、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一好適な実施の形態に係るランフラットタイヤのタイヤ幅方向における断面図である。本発明のランフラットタイヤ10は、左右一対のビード部1と、ビード部1からタイヤ半径方向外側に連なる一対のサイドウォール部2と、一対のサイドウォール部2間に跨って延び接地部を形成するトレッド部3と、ビード部1間にトロイド状に延在して、これら各部を補強する少なくとも1層のカーカスプライからなるカーカス4と、タイヤの最内層にインナーライナー5と、を備えている。図示するタイヤにおいては、カーカス4のタイヤ半径方向外側に2層のベルト層6a、6bからなるベルト6が埋設されており、各ビード部1には、それぞれビードコア7が埋設され、ビードコア7のタイヤ半径方向外側であってカーカスの本体部4aと折返し部4bとの間には、ビードフィラー8が配置されている。
図1は、本発明の一好適な実施の形態に係るランフラットタイヤのタイヤ幅方向における断面図である。本発明のランフラットタイヤ10は、左右一対のビード部1と、ビード部1からタイヤ半径方向外側に連なる一対のサイドウォール部2と、一対のサイドウォール部2間に跨って延び接地部を形成するトレッド部3と、ビード部1間にトロイド状に延在して、これら各部を補強する少なくとも1層のカーカスプライからなるカーカス4と、タイヤの最内層にインナーライナー5と、を備えている。図示するタイヤにおいては、カーカス4のタイヤ半径方向外側に2層のベルト層6a、6bからなるベルト6が埋設されており、各ビード部1には、それぞれビードコア7が埋設され、ビードコア7のタイヤ半径方向外側であってカーカスの本体部4aと折返し部4bとの間には、ビードフィラー8が配置されている。
本発明のタイヤ10においては、トレッド部3のタイヤ半径方向内側に荷重支持弾性体9が固着されてなる。この荷重支持弾性体9は短繊維を含んでおり、短繊維はタイヤ半径方向に配向されている。荷重支持弾性体9は、好ましくは、短繊維からなる塊状体である。短繊維は、軽量であり圧縮に強く、かつ、安価であるポリエステルからなる短繊維が好ましい。この荷重支持弾性体9をトレッド部3の内面へ配置することで、低内圧走行時には、荷重支持弾性体9が圧縮反発弾性を変形により発現し、荷重を支持し走行を可能とする。また、通常走行時には荷重支持弾性体9が軽量であることから、転がり抵抗にも有利であり、さらに、荷重支持弾性体9の厚みを制御することでリム組み作業性の低下を防止することができる。さらにまた、サイドウォール部2は通常のタイヤと同等の剛性を維持できるため、通常走行時における乗り心地の低下を招くこともない。
また、本発明のタイヤ10においては、正規リムに装着し、正規内圧、無負荷状態における、ベルト6の最大幅をA、荷重支持弾性体9のタイヤ幅方向最大幅をB、タイヤ幅方向中央部のインナーライナー5からリム間距離をC、荷重支持弾性体9の幅方向断面における最大高さをD、としたとき、下記式(1)および(2)、
0.4≦B/A≦0.9 (1)
0.4≦D/C≦0.8 (2)
で表される関係を満足する。かかる要件を満足する荷重支持弾性体9であれば、特殊なリムを使用する必要こともなく、タイヤ内面へ配置することが可能である。
0.4≦B/A≦0.9 (1)
0.4≦D/C≦0.8 (2)
で表される関係を満足する。かかる要件を満足する荷重支持弾性体9であれば、特殊なリムを使用する必要こともなく、タイヤ内面へ配置することが可能である。
すなわち、B/Aの値が0.4未満であると、受圧面積が小さくなりランフラット走行時に荷重支持ができなくなってしまう。一方、B/Aの値が0.9を超えると、荷重支持弾性体9が大きすぎるため、リム組み時の作業性が悪化してしまう。好適には、
0.6≦B/A≦0.8 (3)
である。また、D/Cの値が0.4未満であると、ランフラット走行時に反発弾性が得られなくなってしまう。一方、D/Cの値が0.8を超えると、やはり、荷重支持弾性体9が大きすぎるため、リム組み時の作業性が悪化してしまう。好適には、
0.5≦D/C≦0.7 (4)
である。
0.6≦B/A≦0.8 (3)
である。また、D/Cの値が0.4未満であると、ランフラット走行時に反発弾性が得られなくなってしまう。一方、D/Cの値が0.8を超えると、やはり、荷重支持弾性体9が大きすぎるため、リム組み時の作業性が悪化してしまう。好適には、
0.5≦D/C≦0.7 (4)
である。
本発明のタイヤ10においては、JIS K7181に準拠して測定された、荷重支持弾性体9の短繊維配向方向面に対する圧縮弾性率は、120kPa以上であることが好ましい。圧縮弾性率が120kPa未満であると、圧縮反発弾性が不十分となり、十分なランフラット性能を発揮できない場合がある。また、JIS K6400−4に準拠して計算された、50%圧縮残留歪率は5%未満であることが好ましい。50%圧縮残留歪率が5%を超えると圧縮反発が不十分となり、十分なランフラット性能を発揮できない場合がある。
さらに、本発明のタイヤ10においては、荷重支持弾性体9の密度は、5〜35kg/m3が好ましい。荷重支持弾性体の密度が5kg/m3未満であると、やはり、圧縮反発弾性が不十分となり、十分なランフラット性能を発揮できない場合がある。一方、荷重支持弾性体の密度が35kg/m3を超えると、荷重支持弾性体9自体が重くなり、その結果タイヤ重量が増加してしまい、転がり抵抗が悪化してしまう場合がある。
さらにまた、本発明のタイヤ10においては、荷重支持弾性体9を構成する短繊維の長さは、3〜150mmであることが好ましく、さらにまた、短繊維のタイヤ半径方向に対する長手方向の平均配向角度は、45°〜90°であることが好ましい。特に、圧縮反発を十分に発揮させる観点から80°以上がより好ましい。短繊維の長さが上記範囲から外れると、反発弾性が十分に得られず、ランフラット走行が困難になる場合がある。また、短繊維のタイヤ半径方向に対する長手方向の平均配向角度が、45°未満であると、やはり、反発弾性が十分に得られず、ランフラット走行が困難になる場合がある。
本発明のタイヤ10においては、荷重支持弾性体9は上記要件を満足するものであれば特に制限はない。荷重支持弾性体9を構成する短繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリピバロラクトン、またはこれらの共重合体からなる短繊維、または、これら短繊維の混綿体、または上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合短繊維等を挙げることができる。これらの短繊維の中でも、繊維形成性等の観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートからなる短繊維が特に好ましい。
本発明のタイヤ10に係る荷重支持弾性体9は、これらポリエステルを熱融着させることで製造することができる。なお、このような荷重支持弾性体9を製造する方法には特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用すればよい。また、荷重支持弾性体9をトレッド部3のタイヤ半径方向内側に固着する方法についても特に制限はなく、接着剤を用いて固着させてもよく、荷重支持弾性体9の熱融着を利用して固着させてもよい。さらに、本発明のタイヤ10に係る荷重支持弾性体9の形状についても、特に制限はない。図示例においては、荷重支持弾性体9の幅方向断面形状は略長方形であるが、ランフラット走行時において、荷重を支持できる形状であれば、適宜設計することができる。
本発明のタイヤ10は、トレッド部3のタイヤ半径方向内側に、所定の要件を満足する荷重支持弾性体9が固着されていることのみが重要であり、その他の構成については、特に制限されず、従来公知のもののうちから適宜選択して構成することができる。
例えば、図示する例では、カーカス4は、平行に配列された複数の補強コードをコーティングゴムで被覆してなるカーカスプライ1枚から構成され、ビード部1内に埋設した一対のビードコア7間にトロイド状に延在する本体部4aと、各ビードコア7の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けてタイヤ半径方向外方に巻上げられた折返し部4bとからなる。図示するタイヤのカーカス4は1枚のカーカスプライからなるが、本発明においては、カーカス4を構成するカーカスプライの枚数はこれに限られるものではなく、2枚以上であってもよい。また、その構造も特に限定されるものではない。ビード部1におけるカーカス4の係止構造についても、図示するようにビードコアの周りに巻き上げて係止した構造に限られず、カーカス4の端部を2層のビードコア7で挟み込んだ構造でもよい(図示せず)。なお、本発明においては、カーカスプライを構成するコードとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)コードおよびセルロース系繊維コードを好適に用いることができる。
また、ベルト層6a、6bは、通常、タイヤ赤道面に対して10°〜40°で傾斜して延びるコードのゴム引き層、好ましくは、スチールコードのゴム引き層からなり、2枚のベルト層6a、6bは、ベルト層を構成するコードが互いに赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト6を構成する。図示する例では、ベルト6は2枚のベルト層6a、6bからなるが、本発明のタイヤ10において、ベルト6を構成するベルト層の枚数はこれに限られるものではない。さらに、ベルト6のタイヤ半径方向外側にベルト補強層を配置してもよい。ベルト補強層は、通常、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列したコードのゴム引き層からなり、ベルト6の全体を覆う1層のベルト補強層と、その両端部のみを覆う二対のベルト補強層とから構成されて、いわゆるキャップ・レイヤー構造をなしているが、本発明のタイヤ10においては、ベルト補強層の配設は必須ではなく、別の構造および層数のベルト補強層を配設することもできる。
さらにまた、本発明のタイヤ10において、トレッド部3の表面には適宜トレッドパターンが形成されていてもよい。また、本発明のタイヤ10においては、タイヤ内に充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を変えた空気、もしくは窒素等の不活性ガスを用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1〜4>
タイヤサイズ:205/60R16にて、実施例および比較例のタイヤを作製した。これらのタイヤは、一対のビード部にそれぞれ埋設された一対のビードコア間に延在する1枚のカーカスプライからなるカーカスを骨格とし、カーカスのタイヤ半径方向外側には、タイヤ周方向に対し±40°の角度で互いに交錯配置される2層のベルト(材質:スチール)と、ベルト層の全幅を覆う1枚のベルト補強層(材質:ナイロン)とを順次有していた。また、ビードコアのタイヤ半径方向外側にはビードフィラーが配置され、ビードフィラーおよびビードコアのタイヤ幅方向外側にはゴムチェーファーが配置されていた。
<実施例1〜4>
タイヤサイズ:205/60R16にて、実施例および比較例のタイヤを作製した。これらのタイヤは、一対のビード部にそれぞれ埋設された一対のビードコア間に延在する1枚のカーカスプライからなるカーカスを骨格とし、カーカスのタイヤ半径方向外側には、タイヤ周方向に対し±40°の角度で互いに交錯配置される2層のベルト(材質:スチール)と、ベルト層の全幅を覆う1枚のベルト補強層(材質:ナイロン)とを順次有していた。また、ビードコアのタイヤ半径方向外側にはビードフィラーが配置され、ビードフィラーおよびビードコアのタイヤ幅方向外側にはゴムチェーファーが配置されていた。
また、トレッド部のタイヤ半径方向内側に、荷重支持弾性体が接着剤にて固着されていた。荷重支持弾性体は、PET短繊維を受圧面に対し、バインダーとともに繊維が略垂直状態で存在するように配置し、加圧圧縮成型することで作製した。得られた、荷重支持弾性体の密度、およびJIS K7220に準拠して測定した圧縮弾性率は表1、2に示すとおりであった。
得られた各タイヤを正規リムに装着し、正規内圧、無負荷状態としたときの、ベルトの最大幅A、荷重支持弾性体のタイヤ幅方向最大幅B、タイヤ幅方向中央部のインナーライナーからリム間距離C、荷重支持弾性体の幅方向断面における最大高さDは表1に示すとおりである。これらのタイヤにつき、ランフラット耐久性、タイヤ質量、縦バネ定数、乗り心地につき、以下の手順で評価した。
<比較例1>
荷重支持弾性体を配置せず、サイド補強ゴムを用いたこと以外は、実施例1のタイヤと同様にして従来のランフラットタイヤを作製した。
荷重支持弾性体を配置せず、サイド補強ゴムを用いたこと以外は、実施例1のタイヤと同様にして従来のランフラットタイヤを作製した。
<比較例2〜4>
荷重支持弾性体のサイズを、表2に示すサイズに変更したこと以外は、実施例1のタイヤと同様の手順で比較例のタイヤを作製した。
荷重支持弾性体のサイズを、表2に示すサイズに変更したこと以外は、実施例1のタイヤと同様の手順で比較例のタイヤを作製した。
<ランフラット耐久性>
タイヤを正規リム(サイズ=7J×16)に組み込み、市販の乗用車の前輪に装着した。このタイヤの内圧を常圧としてパンク状態を再現した。後輪には、市販のタイヤを装着した。装着後、JATMAにて規定される最大負荷荷重の65%に相当する縦荷重をタイヤに負荷した。この車両を80km/hの速度でテストコースを走行させ、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。結果は、従来例のタイヤの走行距離を100とした指数値として、表1、2に併記する。数値が大きいほど、ランフラット耐久性に優れる。
タイヤを正規リム(サイズ=7J×16)に組み込み、市販の乗用車の前輪に装着した。このタイヤの内圧を常圧としてパンク状態を再現した。後輪には、市販のタイヤを装着した。装着後、JATMAにて規定される最大負荷荷重の65%に相当する縦荷重をタイヤに負荷した。この車両を80km/hの速度でテストコースを走行させ、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。結果は、従来例のタイヤの走行距離を100とした指数値として、表1、2に併記する。数値が大きいほど、ランフラット耐久性に優れる。
<タイヤ重量>
タイヤの質量を計測し、従来例を100とした指数値を表1、2に示す。数値が小さいほど、質量が小さいことが示されている。
タイヤの質量を計測し、従来例を100とした指数値を表1、2に示す。数値が小さいほど、質量が小さいことが示されている。
<縦バネ定数>
各タイヤを正規リム(サイズ=7J×16)に組み込み、内圧:240kPa、荷重:5.0kNにて、荷重−撓み曲線を測定し、得られた荷重−撓み曲線上のある荷重における接線の傾きを、この荷重に対する縦バネ定数として算出した。結果は、従来例を100とした指数値として表1、2に併記する。数値が小さいほど、縦バネ定数が小さいことを表している。
各タイヤを正規リム(サイズ=7J×16)に組み込み、内圧:240kPa、荷重:5.0kNにて、荷重−撓み曲線を測定し、得られた荷重−撓み曲線上のある荷重における接線の傾きを、この荷重に対する縦バネ定数として算出した。結果は、従来例を100とした指数値として表1、2に併記する。数値が小さいほど、縦バネ定数が小さいことを表している。
<乗り心地>
各タイヤを正規リム(サイズ=7J×16)に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を240kPaとした。このタイヤを排気量が2500ccである自動車に装着した。この自動車を、その路面がアスファルトであるテストコースで走行させて、乗り心地についてドライバーによる官能評価を10段階で行った。結果を表1、2に併記する。この値が大きいほど好ましい。
各タイヤを正規リム(サイズ=7J×16)に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を240kPaとした。このタイヤを排気量が2500ccである自動車に装着した。この自動車を、その路面がアスファルトであるテストコースで走行させて、乗り心地についてドライバーによる官能評価を10段階で行った。結果を表1、2に併記する。この値が大きいほど好ましい。
表1、2より、本発明のタイヤは、ランフラット耐久性を維持しつつ、乗り心地性が向上していることがわかる。また、従来のサイド補強タイプのランフラットタイヤと比較して、軽量性に優れており、リム組作業の作業効率においても、従来の中子ライプのランフラットタイヤよりも優れていた。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス
5 インナーライナー
6 ベルト
6a、6b ベルト層
7 ビードコア
8 ビードフィラー
9 荷重支持弾性体
10 ランフラットタイヤ(タイヤ)
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス
5 インナーライナー
6 ベルト
6a、6b ベルト層
7 ビードコア
8 ビードフィラー
9 荷重支持弾性体
10 ランフラットタイヤ(タイヤ)
Claims (6)
- 左右一対のビード部と、該ビード部からタイヤ半径方向外側に連なるサイドウォール部と、該一対のサイドウォール部間に跨って延び接地部を形成するトレッド部と、前記一対のビード部間にトロイド状に延在する少なくとも一層以上のカーカスプライからなるカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向内側に配置されたインナーライナーと、を備えたランフラットタイヤにおいて、
前記トレッド部のタイヤ半径方向内側に荷重支持弾性体が固着されてなり、
正規リムに装着し、正規内圧、無負荷状態における、前記ベルトの最大幅をA、前記荷重支持弾性体のタイヤ幅方向最大幅をB、タイヤ幅方向中央部の前記インナーライナーからリム間距離をC、前記荷重支持弾性体の幅方向断面における最大高さをD、としたとき、下記式(1)および(2)、
0.4≦B/A≦0.9 (1)
0.4≦D/C≦0.8 (2)
で表される関係を満足し、かつ、
前記荷重支持弾性体が短繊維を含み、該短繊維がタイヤ半径方向に配向されてなることを特徴とするランフラットタイヤ。 - 前記荷重支持弾性体が、短繊維からなる塊状体である請求項1記載のランフラットタイヤ。
- 前記短繊維が、ポリエステル繊維である請求項1または2記載のランフラットタイヤ。
- JIS K7181に基づいて測定される、前記荷重支持弾性体の短繊維配向方向面に対する圧縮弾性率が、120kPa以上である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
- 前記荷重支持弾性体の密度が、5〜35kg/m3である請求項1〜4のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
- 前記短繊維の長さが、3〜150mmであり、タイヤ半径方向に対する長手方向の平均配向角度が、45°〜90°である請求項1〜5のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
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---|---|---|---|
JP2017081625A JP2018177065A (ja) | 2017-04-17 | 2017-04-17 | ランフラットタイヤ |
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JP2017081625A JP2018177065A (ja) | 2017-04-17 | 2017-04-17 | ランフラットタイヤ |
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JP2017081625A Pending JP2018177065A (ja) | 2017-04-17 | 2017-04-17 | ランフラットタイヤ |
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