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JP2018161784A - インクジェットヘッド及びプリンタ - Google Patents

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JP2018161784A JP2017059858A JP2017059858A JP2018161784A JP 2018161784 A JP2018161784 A JP 2018161784A JP 2017059858 A JP2017059858 A JP 2017059858A JP 2017059858 A JP2017059858 A JP 2017059858A JP 2018161784 A JP2018161784 A JP 2018161784A
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Abstract

【課題】非印字時においてノズル近傍の流量が均一であり、且つ、印字時においてノズル近傍の圧力が均一となるインクジェットヘッド及びプリンタを提供すること。
【解決手段】インクジェットヘッドは、ヘッド部材と、ノズルプレートと、流入口と、流出口と、を備える。ヘッド部材は、一方向に沿って配置された複数の圧力室を有する圧電体アクチュエータ、及び、前記一方向に直交する方向で前記圧電体アクチュエータに隣接する、前記一方向に延びる複数の液室を含む。ノズルプレートは、前記複数の圧力室と対向する位置に配置された複数のノズルを有し、前記ヘッド部材を覆うことで前記複数の圧力室及び前記液室とともに共通液室を構成する。流入口は、前記共通液室の一次側の前記液室に設けられる。流出口は、前記共通液室の二次側の前記液室に設けられる。前記複数の流出口は、印字時において前記複数の流出口のうち一部の前記流出口が開き、前記複数の流出口のうち他部の前記流出口が閉じ、そして、非印字時において前記一部の流出口が閉じ、前記他部の流出口が開く。
【選択図】 図5

Description

本発明の実施形態は、インクジェットヘッド及びプリンタに関する。
従前から、プリンタとして、インクジェットヘッドにインクを循環させるとともに、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出する技術が知られている。また、インク充填やメンテナンス等の非印字時にインクを循環させるプリンタや、印字時にインクを循環させるプリンタが知られている。
非印字時にインクを循環させるプリンタは、印字時においてはインクの循環が行われない。しかし、非印字時にインクを循環させるプリンタは、インク循環によるメリットを十分に得ることができない。
印字時に循環を行うプリンタは、ノズルやノズル近傍の圧力が印字ヘッド内で均一であることを要する。しかし、印字時に循環を行う印字装置は、ノズル近傍のインク流量が異なることになるため、温度や顔料の沈降の状態にばらつきが生じる。
特開2011−062902号公報
本発明が解決しようとする課題は、非印字時においてノズル近傍の流量が均一であり、且つ、印字時においてノズル近傍の圧力が均一となるインクジェットヘッド及びプリンタを提供することである。
実施形態のインクジェットヘッドは、ヘッド部材と、ノズルプレートと、流入口と、流出口と、を備える。ヘッド部材は、一方向に沿って配置された複数の圧力室を有する圧電体アクチュエータ、及び、前記一方向に直交する方向で前記圧電体アクチュエータに隣接する、前記一方向に延びる複数の液室を含む。ノズルプレートは、前記複数の圧力室と対向する位置に配置された複数のノズルを有し、前記ヘッド部材を覆うことで前記複数の圧力室及び前記液室とともに共通液室を構成する。流入口は、前記共通液室の一次側の前記液室に設けられる。流出口は、前記共通液室の二次側の前記液室に設けられる。前記複数の流出口は、印字時において前記複数の流出口のうち一部の前記流出口が開き、前記複数の流出口のうち他部の前記流出口が閉じ、そして、非印字時において前記一部の流出口が閉じ、前記他部の流出口が開く。前記流入口から前記流出口へ流れるインクが循環する。
第1の実施形態に係るプリンタの構成を模式的に示す説明図。 同プリンタに用いられるインクジェットヘッドの構成を示す分解斜視図。 同インクジェットヘッドの要部構成を拡大して示す斜視図。 同インクジェットヘッドの要部構成を拡大して示す側面図。 同インクジェットヘッドの構成を一部省略して示す平面図。 同インクジェットヘッドの構成を示す側面図 同インクジェットヘッドの使用の一例を示す説明図。 同インクジェットヘッドの使用の一例を示す説明図。 第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの使用の一例を示す説明図。 第3の実施形態に係るインクジェットヘッドの使用の一例を示す説明図。
以下、一実施形態に係るプリンタ100について図1乃至図8を用いて説明する。図中矢印X,Y,Zはそれぞれ互いに直交する3方向を示す。また、各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示している。
図1は、本実施形態に係るプリンタ100を示す斜視図である。図2は、プリンタ100に用いられるインクジェットヘッド200の構造を一部省略して示す分解斜視図である。
なお、各図においては、説明の便宜上、ノズル11aを上方に配置して示しているが、インクジェットヘッド200は、ノズル11aが下方に向かう姿勢でプリンタ100に設けられる。
図1に示すように、プリンタ100は、インクジェットヘッド200と、循環回路300と、流路切換部材400と、制御装置500と、を有する。また、プリンタ100は、インクジェットヘッド200へ紙葉類等のシート状の記録媒体を供給し、そして、インクジェットヘッド200から吐出されたインクによってプリントされた記録媒体を排出する供給装置や、各構成品を収容する外郭体等を含む。本実施形態のプリンタ100は、インクを常時循環させてインクジェットヘッド200へ供給する、所謂循環型である。
図1、図2及び図6に示すように、インクジェットヘッド200は、ヘッド部材10と、複数のノズル11aが形成されたノズルプレート11と、を有する。インクジェットヘッド200は、ヘッド部材10及びノズルプレート11により構成される内部空間に、共通液室70を構成する。
ヘッド部材10は、ノズルプレート11の下面側にて互いに対向して配置された一対のアクチュエータユニット12,13と、これら一対のアクチュエータユニット12,13の両側を覆う一対のカバー14,15と、を備えている。
ノズルプレート11は、矩形板状に構成される。ノズルプレート11は、一方向に沿って配置された複数のノズル11aを有する。ノズルプレート11は、一対のアクチュエータユニット12,13及び一対のカバー14,15を、図1中上方から覆う。
アクチュエータユニット12,13は、ベース部20を有する。ベース部20は、Z軸に直交する上下面、X軸に直交する表裏面、及びY軸に直交する両側面を有する直方体状に構成される。ベース部20は、例えば金属、セラミックまたは樹脂から選択される材料で構成される。なお、本実施形態においては、ベース部20は、厚さ方向がX軸に、長手方向がY軸に、幅方向がZ軸に、それぞれ沿った姿勢で、以下説明する。
ベース部20のノズル11aに近い端面となる上面(第1の面)に、接着層27を介して圧電体アクチュエータ21が固定される。
図3及び図4に拡大して示すように、圧電体アクチュエータ21(アクチュエータ)は、Y方向に配列される複数の駆動素子22を有する。圧電体アクチュエータ21は、複数の駆動素子22が配列される一方向、即ちY方向に沿って配置された複数の圧力室23を有する。この圧力室23は、複数の駆動素子22によって両側が挟まれた空間を含む。複数の圧力室23は、ノズルプレート11の各ノズル11aに対応して配置される。すなわち、各ノズル11aからインクを吐出させるための駆動素子22は、各圧力室23の両側に配置される。各圧力室23の内部には、インクが貯留される。複数の圧力室23の流路断面積は、同一に構成される。即ち、複数の圧力室23は、駆動素子22の駆動時において同一の流路断面積を有し、そして、駆動素子22の非駆動時においても同一の流路断面積を有する。
駆動素子22は、例えばPZT系圧電セラミックス材料からなる2個の圧電素子24a,24bを有する。駆動素子22は、ノズル11aに近い位置の第1の圧電素子24aと、ノズル11aから遠い位置の第2の圧電素子24bとを有する。第1の圧電素子24aと第2の圧電素子24bとは、分極方向が逆向きになるように分極処理され、接着層25を介して接着される。駆動素子22の圧力室23に配置される面、即ち、圧力室23の内面には、電極26が設けられる。
図2に示すように、ベース部20の表面(第2の面)には、インクガイド30が形成されている。インクガイド30は、第2の面からX方向に起立するT字形状のガイドリブ31と、このガイドリブ31のY方向中央部分から下方に延びる円筒状のガイド管32とを、含む。ガイドリブ31及びガイド管32は、一体に構成される。
ガイドリブ31は、例えばベース部20を形成する際に成形等によりベース部20に一体に構成される。ガイドリブ31は、ベース部20の長手方向端縁に沿って上下端に至る外側リブ33と、ベース部20のZ方向中央部においてY方向に延びる内側リブ34とを有する。外側リブ33の先端面には複数の位置決め用突起33aが形成されている。
第1のアクチュエータユニット12に設けられるガイド管32は、ガイドリブ31に3つ設けられる。第1のアクチュエータユニット12のガイド管32は、内側リブ34の中央位置及び両端位置の3箇所にそれぞれ配置される。第1のアクチュエータユニット12に設けられるガイド管32は、ガイドリブ31上側に形成される液室71と循環回路300とを連通するインクの流路を構成する。
第2のアクチュエータユニット13に設けられるガイド管32は、内側リブ34中央位置の1箇所に設けられる。第2のアクチュエータユニット13に設けられる ガイド管32は、ガイドリブ31上側に形成される液室72と循環回路300とを連通するインクの流路を構成する。
即ち、第1のアクチュエータユニット12及び第2のアクチュエータユニット13は、ガイド管32の数が構成として異なるが、それ以外の構成は同様の構成を有する。
ベース部20は、ベース部20の裏面(第3の面)に、圧電体アクチュエータ21の動作を駆動する複数の駆動IC41と、駆動IC41と電極26とを接続する複数の配線42(電極)と、を有する。すなわち、ベース部20の裏面は、プリント回路板として機能する。配線42は、駆動素子22に対して1対1で対応する構成である。また、ベース部20は、裏面に、配線42と連続して形成された電気接続部43を有する。
ベース部20は、裏面のY方向一端側に、複数の位置決め用凹部20aを有する。ベース部20は、裏面のY方向他端側の端縁に、X方向に起立する外側リブ36が形成されている。外側リブ36はベース部20の上下端に至る。外側リブ36は、その突出する先端面に複数の位置決め用突起36aを有する。
第1のカバー14は、第1のアクチュエータユニット12の表面側に設けられる。第1のカバー14は、板状部51と、外側リブ52と、を有する。板状部51は、第1のカバー14及び第1のアクチュエータユニット12の間に構成される液室71及びインクの流路を介在して第1のアクチュエータユニット12の表面を覆う。外側リブ52は、板状部51のY方向他端側の端縁から立設される。
第1のカバー14は、平面視でL字形状に構成される。板状部51は、Y方向一端側の端縁に位置決め用凹部51aを有する。外側リブ52は、第1のアクチュエータユニット12側にX方向に屈曲して起立し、組立状態において液室71を構成する。外側リブ52は、複数の位置決め用突起52aを有する。
第2のカバー15は、第2のアクチュエータユニット13の裏面側に設けられる。第2のカバー15は、板状部61と、インクガイド62と、を有する。板状部61は、第2のカバー15及び第2のアクチュエータユニット13の間に構成される液室71及びインクの流路を介在して第2のアクチュエータユニット13の裏面を覆う。インクガイド62は、板状部61の内側の面に形成される。板状部61は、Y方向他端側の端縁に、位置決め用凹部61aを有する。
インクガイド62は、内側の面からX方向に起立するL字形状のガイドリブ63と、このガイドリブ63のY方向中央部分及び両端部分から下方に延びる円筒状のガイド管64と、を含む。ガイドリブ63及びガイド管64は、一体に構成される。ガイドリブ63は、液室73を構成する。ガイド管64は、インクの流路を構成する。ガイドリブ63は、第2のカバー15のY方向一端側の端縁に沿って中央から上端に至る外側リブ65と、第2のカバー15のZ方向中央部においてY方向に延びる内側リブ66と有する。外側リブ65及び内側リブ66は、例えば第2のカバー15の成形時に、一体に構成される。外側リブ65は、複数の位置決め用突起65aを有する。
これら第1及び第2のアクチュエータユニット12、13、及び、第1及び第2のカバー14、15が組合わされてヘッド部材10が構成される。このとき、図2及び図5に示すように、複数の位置決め用凹部51a,20a、20b,61aに複数の位置決め用突起33a、52a,36a,65aが挿入されるように位置決めされる。そして、ヘッド部材10にノズルプレート11が固定される。
図1、図5及び図6に示すように、組み付け状態のヘッド部材10において、外側リブ33、36、52、65及び内側リブ34、66の先端面が対向する部材の面に突き当たることで、ヘッド部材10の上半部に、一対のベース部20によって区画される3つの液室71〜73が形成される。すなわち、Y方向両端に形成される板状の外側リブ33、36、52、65によって液室71〜73の側部が形成され、Z方向中央部でY方向に延びる板状の内側リブ34,66によって液室71〜73の底部が形成される。
また、3つの内側リブ34,34,66の中央から延びるガイド管32、32、64によって液室71〜73に連通するインク流路が形成される。第1のアクチュエータユニット12に形成された3つのガイド管32はインクの第1流出口74となる。第2のアクチュエータユニット13に形成された1つのガイド管32はインクの流入口75となる。第2のカバー15に形成された3つのガイド管64はインクの第2流出口76となる。
また、液室71〜73及び複数の圧力室23により、インクが流れる共通液室70が構成される。このようなインクジェットヘッド200は、共通液室70と、液室71から一方の圧電体アクチュエータ21の複数の圧力室23を通過したインクを排出する3つの第1流出口74と、インクを液室71に供給する1つの流入口75と、液室71から他方の圧電体アクチュエータ21の複数の圧力室23を通過したインクを排出する3つの第2流出口76と、を含む。
液室71〜73は、一方向に長い。また、液室71〜73は、同一長さに構成される。複数の第1流出口74の一部及び複数の第2流出口76の一部は、具体的には、1つの第1流出口74及び1つの第1流出口74は、液室72の長手方向で流入口75が設けられる位置に対応する、液室71、73の長手方向の位置に配置される。即ち、流入口75が液室72の中央位置に設けられる本実施形態においては、3つの第1流出口74のうち1つ及び3つの第2流出口76のうち1つは、液室71、73の中央位置に配置される。
また、複数の第1流出口74の他及び複数の第2流出口76の他は、流入口75から、液室71〜73及び複数の圧力室23を通るインクの移動距離が同じとなる位置に配置される。即ち、流入口75が液室72の中央位置に設けられる本実施形態においては、3つの第1流出口74のうち2つ及び3つの第2流出口76のうち2つは、液室71、73の両端側であって、且つ、圧電体アクチュエータ21の両端に位置する圧力室23にそれぞれ隣接して配置される。
循環回路300は、例えば、インクジェットヘッド200の二次側に設けられた下流インクタンク301と、下流インクタンク301のインクを二次側に供給するポンプ302と、ポンプ302の二次側であって、且つ、インクジェットヘッド200の一次側に設けられた上流インクタンク303と、を有する。また、例えば、循環回路300は、フィルタ等を有する。循環回路300は、配管を介して下流インクタンク301、ポンプ302、及び上流インクタンク303をインクジェットヘッド200に流体的に接続する。循環回路300は、上流インクタンク303からインクジェットヘッド200を通ったインクが下流インクタンク301へ戻り、再び、上流インクタンク303を介してインクジェットヘッド200へ供給するように、インクを循環させる流体回路を構成する。
具体例として、循環回路300は、下流インクタンク301のインクをインクジェットヘッド200の流入口75に接続され、流入口75を介して、インクジェットヘッド200内の液室71に供給する。また、循環回路300は、インクジェットヘッド200の3つの第1流出口74及び3つの第2流出口76に接続される。循環回路300は、インクジェットヘッド200の圧力室23を通過し、ノズル11aから吐出されなかったインクを流出口74、76から回収し、下流インクタンク301へ戻す。
流路切換部材400は、例えば、3つの第1流出口74及び3つの第2流出口76の二次側であって、且つ、循環回路300の一次側の間にそれぞれ設けられる6つの開閉弁401により構成される。開閉弁401は、制御装置500に接続され、制御装置500の指令に基づいて駆動することで、各流出口74、76及び循環回路300の間の流路を開閉する。このような流路切換部材400は、インクジェットヘッド200に一体に設置されるか、または、プリンタ100を構成する外郭体内に設置される。例えば、流路切換部材400は、インクジェットヘッド200の構成に含まれる。
制御装置500は、ポンプ302を駆動し、下流インクタンク301のインクをインクジェットヘッド200及び循環回路300により構成される循環回路を循環させる。また、制御装置500は、紙葉類にインクジェットヘッド200のノズル11aからインクを吐出する印字時に各圧力室23のインクの圧力を一定とし、そして、ノズル11aからインクを吐出しない非印字時に各圧力室23のインクの流量を一定とする。
具体的には、図7に示すように、制御装置500は、印字時において、一部の流出口74、76である中央の第1流出口74及び第2流出口76を開く。また制御装置500は、印字時において、他部の流出口74、76である両端側の2つの第1流出口74及び2つの第2流出口76に接続された開閉弁401を閉じる。なお、図7及び図8において、開閉弁401が閉じられている各流出口74、76は、ハッチングを記載して示す。
このように、第1流出口74及び第2流出口76を開閉することで、図7に矢印で示すように、流入口75から液室71内に供給されたインクは、圧力室23の一次側及び二次側の差圧が各圧力室23で同一となり、ノズル11aの近傍、具体例として駆動していない状態の各圧力室23の圧力が一定となる。
また、インクは、圧力室23において、駆動素子22が駆動して加圧されたインクは、ノズル11aからインク滴として吐出される。インク滴として使用されなかったインクは、開いている流出口74,76から液室71,73の外部に排出される。
なお、インク滴をノズル11aから吐出させるには、駆動回路により配線42を介して駆動素子22に駆動電圧を印加する。駆動素子22の第1の圧電素子24aと第2の圧電素子24bとに電流が流れると、駆動素子22は、シェアモード変形する。具体例として、図4示す第1の圧電素子24aと第2の圧電素子24bは互いに逆向きに屈曲する。両圧電素子24a,24bの屈曲により、駆動素子22が「L」字状に屈曲変形して、隣接する圧力室23の容積が小さくなる。圧力室23が小さくなって圧力室23内のインクが高圧になると、ノズル11aからインク滴が勢い良く吐出される。
また、図8に示すように、制御装置500は、非印字において、両端側の第1流出口74及び第2流出口76に接続された開閉弁401を開くとともに、中央の第1流出口74及び第2流出口76を閉じる。これにより、図8に示すように、流入口75から液室71内に供給されたインクが圧力室23を通って各第1流出口74及び第2流出口76まで流れる距離が一定となり、ノズル11a近傍を流れるインクの流量、即ち各圧力室23を通過するときのインクの流量が一定となる。
なお、ここで、非印字時とは、印字を行う前や印字後等の、印字を行うための待機時は含まれない。即ち、非印字時とは、例えばノズル11aのクリーニングであるメンテナンス等の外部指令があった場合や、制御装置500等にプログラムされた定期的なメンテナンス等の指令があった場合等である。このため、プリンタ100は、電源が供給されているときは、常時圧力一定制御が行われ、メンテナンスの指令があった場合に、メンテナンスの間だけ一時的に流量一定制御が行われる。
このように構成されたインクジェットヘッド200を用いたプリンタ100によれば、インクを循環させる構成であっても、印字時においては、ノズル11a近傍のインクの圧力を一定とすることができる。これにより、圧力室23の容積が減少するように圧電体アクチュエータ21が駆動したときに、ノズル11aから吐出されるインクの吐出量を均一にする。また、インクジェットヘッド200は、同様に当該圧力を一定とすることで、各ノズル11aにおける温度や、インク内の顔料の沈降の状態にばらつきが生じることを防止できる。
また、非印字時においては、ノズル11a近傍の流量を一定とすることができることから、メンテナンスの効果を向上させることができる。
上述したように実施形態のプリンタ100は、インクジェットヘッド200に複数の流出口74、76を設け、これら流出口74、76を、印字時又は非印字時に各圧力室23において通過するインクの圧力又は流量を一定とするように選択的に開閉する。これにより、プリンタ100は、非印字時においてノズル11a近傍の流量を均一とすること、及び、印字時においてノズル11a近傍の圧力を均一にする。
なお、本実施形態は上述した例に限定されない。上述した例では、インクジェットヘッド200は、第1流出口74及び第2流出口76をそれぞれ3つ有する構成としたがこれに限定されない。例えば、図9に示す第2の実施形態のように、インクジェットヘッド200は、第1流出口74及び第2流出口76それぞれ2つ有する構成であってもよい。なお、図9においては、圧力室23等は省略し、矢印でインクの流れを示す。
この場合には、各流出口74、76は、第1のアクチュエータユニット12の内側リブ34の長手方向で両端側に2つのガイド管32を設け、第2のカバー15の内側リブ66の長手方向で両端側に2つの第2流出口76、即ちガイド管64を設けることで構成する。また、流入口75は、第2のアクチュエータユニット13の内側リブ34の長手方向で、一端側に1つのガイド管32を設けることで構成する。
このような第2の実施形態のインクジェットヘッド200は、図9に示すように、印字時において、流入口75に隣接する第1流出口74及び第2流出口76を開き、他の第1流出口74及び第2流出口76を閉じる。これにより、各ノズル11aの近傍のインクの圧力が一定になる。また、同インクジェットヘッド200は、図9に示すように、非印字時において、流入口75から遠い側の第1流出口74及び第2流出口76を開く。これにより、各ノズル11aの近傍のインクの流量が一定になる。
また、同様に、図10に示す第3の実施形態のように、インクジェットヘッド200は、1つの圧電体アクチュエータ21を有し、圧電体アクチュエータ21の長手方向に直交する方向にそれぞれ液室71、72が設けられる構成であってもよい。このような第3の実施形態のインクジェットヘッド200は、液室71の長手方向の両端にそれぞれ設けられた流出口74と、液室72の長手方向の一端に設けられた1つの流入口75を有する。そして、制御装置500は、印字時には、液室71の長手方向の一端側の流出口74、換言すると、流入口75と液室71が延びる一方向で流入口75と同じ位置にある流出口74を開き、他端側の流出口74を閉じる。また、制御装置500は、非印字時に、液室71の一端側の流出口74を閉じ、そして、液室71の他端側の流出口74を開く。第3の実施形態のインクジェットヘッド200は、第1の実施形態及び第2の実施形態のインクジェットヘッド200と同様に、印字時にノズル11a近傍の圧力が一定となり、非印字時にノズル11a近傍の流量が一定になる。
また、上述した例では、インクジェットヘッド200は、一対のアクチュエータユニット12,13と、これら一対のアクチュエータユニット12,13の両側を覆う一対のカバー14,15と、を有する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、インクジェットヘッド200は、矩形板状のベース基板の主面に一対の圧電体アクチュエータ21が固定され、ベース基板に孔部である流出口74、76及び流入口75を設ける構成であってもよい。
また、上述した例では、流路切換部材400は、開閉弁401を、流出口74、76を構成するガイド管32、64のそれぞれに設ける構成としたがこれに限定されない。例えば、流路切換部材400は、印字時及び非印字時に連動して開閉する流出口74、76の群毎に、インクジェットヘッド200の二次側でインクの流路を合流させ、それぞれの流路に開閉弁401を設ける構成であってもよい。このような構成の流路切換部材400は、印字時に開く流出口74、76用の開閉弁401と、非印字時に開く流出口74、76用の開閉弁401の2つの開閉弁を設けるだけでよい。
以上述べた少なくともひとつの実施形態のインクジェットヘッド及びプリンタによれば、印字時及び非印字時に複数の流出口を選択的に開閉することで、非印字時においてノズル近傍の流量が均一であり、且つ、印字時においてノズル近傍の圧力が均一となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…ヘッド部材、11…ノズルプレート、11a…ノズル、12…第1のアクチュエータユニット(アクチュエータユニット)、13…第2のアクチュエータユニット(アクチュエータユニット)、14…第1のカバー(カバー)、15…第2のカバー、15…カバー、20…ベース部、20a…位置決め用凹部、20b…位置決め用凹部、21…圧電体アクチュエータ、22…駆動素子、23…圧力室、24a…第1の圧電素子(圧電素子)、24b…第2の圧電素子(圧電素子)、25…接着層、26…電極、27…接着層、30…インクガイド、31…ガイドリブ、32…ガイド管、33…外側リブ、33a…位置決め用突起、34…内側リブ、36…外側リブ、36a…位置決め用突起、42…配線、43…電気接続部、51…板状部、51a…位置決め用凹部、52…外側リブ、52a…位置決め用突起、61…板状部、61a…位置決め用凹部、62…インクガイド、63…ガイドリブ、64…ガイド管、65…外側リブ、65a…位置決め用突起、66…内側リブ、70…共通液室、71〜73…液室、74…第1流出口(流出口)、75…流入口、76…第2流出口(流出口)、100…プリンタ、200…インクジェットヘッド、300…循環回路、301…下流インクタンク、302…ポンプ、303…上流インクタンク、400…流路切換部材、401…開閉弁、500…制御装置。

Claims (5)

  1. 一方向に沿って配置された複数の圧力室を有する圧電体アクチュエータ、及び、前記一方向に直交する方向で前記圧電体アクチュエータに隣接する、前記一方向に延びる複数の液室を含むヘッド部材と、
    前記複数の圧力室と対向する位置に配置された複数のノズルを有し、前記ヘッド部材を覆うことで前記複数の圧力室及び前記液室とともに共通液室を構成するノズルプレートと、
    前記共通液室の一次側の前記液室に設けられる流入口と、
    前記共通液室の二次側の前記液室に設けられる複数の流出口と、
    を備え、
    前記複数の流出口は、印字時において前記複数の流出口のうち一部の前記流出口が開き、前記複数の流出口のうち他部の前記流出口が閉じ、そして、非印字時において前記一部の流出口が閉じ、前記他部の流出口が開き、
    前記流入口から前記流出口へ流れるインクが循環する、インクジェットヘッド。
  2. 前記一部の流出口は、1つであり、前記流出口と前記一方向で同じ位置に配置され、
    前記他部の流出口は、前記流入口から前記複数の圧力室を通過してインクが流れる距離が一定に構成される、請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記圧電体アクチュエータは2つ設けられ、
    前記複数の液室は、前記2つの圧電体アクチュエータの前記一方向に直交する方向に3つ設けられ、
    前記流入口は、前記一方向に直交する方向で中央に配置される前記液室に設けられ、
    前記複数の流出口は、前記一方向に直交する方向で両端に配置される2つの前記液室にそれぞれ設けられる、請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記圧電体アクチュエータは1つ設けられ、
    前記複数の液室は、前記圧電体アクチュエータの前記一方向に直交する方向に2つ設けられ、
    前記流入口は、一方の前記液室の前記一方向の一端側に設けられ、
    前記一部の流出口は、他方の前記液室の前記一方向の一端側に設けられ、
    前記他部の流出口は、1つであり、前記他方の液室の前記一方向の他端側に設けられる、請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  5. 請求項1に記載のインクジェットヘッドと、
    前記複数の流出口に接続される開閉弁と、
    前記インクジェットヘッドの一次側に接続される上流インクタンクと、
    前記インクジェットヘッドの二次側に接続される下流インクタンクと、
    前記上流インクタンク及び前記下流インクタンクに接続され、前記インクを前記上流インクタンクに供給するポンプと、
    を備えるプリンタ。
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