JP2018154803A - ポリエチレン系フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
[A]下記要件(1)〜(4)を同時に満たすエチレン系樹脂組成物を含むことを特徴とするフィルム:
(1)メルトフローレイト(MFR:190℃、2.16kg荷重)が4.2〜20g/10minであり、
(2)密度が880〜922kg/m3の範囲内であり、
(3)メルトインデックス(I21:190℃、21.6kg荷重)とメルトインデックス(I2:190℃、2.16kg荷重)の比I21/I2が17以上であり、
(4)メルトテンション(190℃)が15〜140mNである。
(5)ASTM D1709に準拠して測定される前記エチレン系樹脂組成物からなる80μm厚の単層フィルムのダートインパクトが451g以上である。
(6)前記エチレン系樹脂組成物の室温n−デカン溶出量が3.4質量%以下である。
本発明のフィルムに係るエチレン系樹脂組成物は、下記要件(1)〜(4)を同時に満たすエチレン系樹脂組成物である。
(1)メルトフローレイト(MFR:190℃、2.16kg荷重)が4.2〜20g/10minであり、
(2)密度が880〜922kg/m3の範囲内であり、
(3)メルトインデックス(I21:190℃、21.6kg荷重)とメルトインデックス(I2:190℃、2.16kg荷重)の比I21/I2が17以上であり、
(4)メルトテンション(190℃)が15〜140mNである。
(1)メルトフローレイト(MFR)
本発明のフィルムに係るエチレン系樹脂組成物のMFRは4.2〜20g/10minである。JIS K7210に準拠して190℃、2.16kg荷重で測定される。既存のインフレーション用ポリエチレンはフィルム強度に重点を置き、成形加工性(流動性)を犠牲にしてきたため、1.0〜2.0g/10minのMFRを有するものが使用されてきたが、本発明ではそれよりも高いMFRを有するものを使用する。MFRとしては、4.2〜12g/min、好ましくは5.0〜12g/10minの範囲内である。MFRが4.2g/10minよりも低くなると押出性が低下し、成形加工性が悪くなる。一方、MFRが20g/10minを超えるとバブル安定性が低下し、またフィルム強度も悪くなる。
本発明のフィルムに係るエチレン系樹脂組成物の密度は880〜922kg/m3の範囲内である。905〜916kg/m3の範囲内であることが好ましい。密度が880kg/m3よりも低くなると得られるフィルムがブロッキングを起こしやすくなり、922kg/m3よりも高くなるとフィルム強度が悪くなる。
本発明のフィルムに係るエチレン系樹脂組成物のI21/I2は17以上であり、好ましくは21以上である。I21/I2が17未満では押出性が悪化する。メルトインデックス比は、JIS K7210に準拠して、190℃、21.6kg荷重にて測定されたI21と、190℃、2.16kg荷重にて測定されたI2との比である。
本発明のフィルムに係るエチレン系樹脂組成物のMTは、15〜140mNである。20〜65mNであることが好ましい。MTは190℃で溶融押出したストランドのメルトテンションを後述する方法で測定した。
また、本発明のフィルムに係るエチレン系樹脂組成物は、室温でのn−デカンへの溶出量(室温n−デカン溶出量という)が少ないことが好ましい。室温n−デカン溶出量は、3.4質量%以下であることが好ましく、2.8質量%以下がより好ましい。n−デカン溶出量が3.4質量%超であると、得られるフィルムがブロッキングしやすくなる場合がある。
本発明のフィルムに係るエチレン系樹脂組成物を用いることで、成形加工性に優れ、かつ機械的強度に優れたフィルムを提供することができる。フィルムは、本発明に係るエチレン系樹脂組成物からなる層の単層フィルム、他の材料からなる1層以上との積層フィルムが挙げられる。
本発明のフィルムは、本発明に係るエチレン系樹脂組成物を用い、公知の溶融押出成形方法によりフィルム化することができる。この溶融押出機製膜方法としては、特に制限なく公知の方法が採用できるが、インフレーション成形でフィルム化することが好ましい。このようにして得られたフィルムはそのまま無延伸フィルムとして、さらに延伸して延伸フィルムとして、食品包装用袋などを製造するためのフィルムに加工することができる。その場合、溶融押出成形されたフィルム(延伸原反といい、厚さによってはシートと称される厚手の成形体を含む)の厚みは、成形法によって異なる。インフレーション成形で作成する場合の延伸原反は、90μm〜1000μmの厚みが好ましく、130μm〜750μmがより好ましい。
溶融樹脂の冷却方法は空冷、水冷のどちらであってもよい。次いで当該延伸原反を縦方向または縦横2方向に延伸することで延伸フィルムを得ることができる。
JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重(kgf)の条件下で測定した。
<メルトインデックス比(I21/I2)>
メルトインデックス比は、JIS K7210に準拠して、190℃、21.6kg荷重にて測定されたI21と、190℃、2.16kg荷重にて測定されたI2とから算出した。
JIS K7112に準拠し、MFR測定時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、更に室温で1時間放置した後に密度勾配管法で測定した。
190℃におけるメルトテンション(190℃MT)は、一定速度で延伸したときの応力を測定することにより決定した。測定には東洋精機製作所社製キャピラリーレオメーター:キャピログラフ1Bを用いた。条件は樹脂温度190℃、溶融時間6分、バレル径9.55mmφ、押し出し速度15mm/分、巻取り速度24m/分(溶融フィラメントが切れてしまう場合には、巻取り速度を5m/分ずつ低下させる)、ノズル径2.095mmφ、ノズル長さ8mmとした。
エチレン系樹脂組成物のサンプル5gにn−デカン200mlを加え、145℃で30分間加熱溶解した。約3時間かけて、20℃まで冷却させ、30分間放置した。その後、析出物を濾別した。濾液を約3倍量のアセトン中入れ、n−デカン中に溶解していた成分を析出させた(析出物(A))。析出物(A)とアセトンを濾別し、析出物を乾燥した。
n−デカン溶出量は、以下の式によって求めた。
n−デカン溶出量=〔析出物(A)質量/サンプル質量〕×100
ダートインパクトは、ASTM D1709に従って、以下の条件にて測定した。
試験片(80μm厚)をエアークランプ方式で締め付け、半球形のダートを一定の高さから落下させ、試験片が50%破壊する荷重[g]をグラフから読み取る。一水準の落下回数は10回として、A法を用いる。
JIS K6854−3のT形剥離試験に準拠して、フィルムから切り出した15mm幅の試験片2枚をテフロン(登録商標)シートで挟み、90〜160℃の範囲において5℃又は10℃刻みでヒートシールしたサンプルを引張強度試験機の上下にセットし、その引張強度[N/15mm]を測定することで評価した。
表1に示す各銘柄(いずれもプライムポリマー社の商品名)のエチレン系樹脂組成物について、MFR、I21/I2、密度、190℃MT、C10を評価した。
(成形条件)
〔フィルムの製造〕
上記のようにして製造されたポリエチレン組成物を、下記成形条件で空冷インフレーション成形を行い、肉厚80μm、折り幅320mmのフィルム(無延伸)を製造した。
<フィルム成形条件>
成形機:モダンマシナリー製50mmφインフレーション成形機
スクリュー:バリアタイプスクリュー
ダイス:100mmφ(径)、2.5mm(リップ幅)
エアーリング:2ギャップタイプ
成形温度:170℃
押出し量:28.8kg/h
引取速度:10m/min
得られたフィルムについて、ダートインパクトと低温シール性を評価した。
結果を表1に示す。
比較例2では、メルトテンションが規定の範囲よりも低く、バブルが安定せず、成形できなかった。
比較例3では、MFRが低いため押出特性が悪く、ダートインパクトも低下した。
Claims (4)
- 下記要件(1)〜(4)を同時に満たすエチレン系樹脂組成物を含むことを特徴とするフィルム:
(1)MFR(190℃、2.16kg荷重)が4.2〜20g/10minであり、
(2)密度が880〜922kg/m3の範囲内であり、
(3)メルトインデックス(I21:190℃、21.6kg荷重)とメルトインデックス(I2:190℃、2.16kg荷重)の比I21/I2が17以上であり、
(4)メルトテンション(190℃)が15〜140mNである。 - 下記要件(5)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載のフィルム:
(5)ASTM D1709に準拠して測定される前記エチレン系樹脂組成物からなる80μm厚の単層フィルムのダートインパクトが451g以上である。 - 下記要件(6)を満たすことを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルム:
(6)前記エチレン系樹脂組成物の室温n−デカン溶出量が3.4質量%以下である。 - 前記エチレン系樹脂組成物をインフレーション成形でフィルム化する、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
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