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JP2018153955A - 印刷装置 - Google Patents

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JP2018153955A
JP2018153955A JP2017050923A JP2017050923A JP2018153955A JP 2018153955 A JP2018153955 A JP 2018153955A JP 2017050923 A JP2017050923 A JP 2017050923A JP 2017050923 A JP2017050923 A JP 2017050923A JP 2018153955 A JP2018153955 A JP 2018153955A
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毅 中西
Takeshi Nakanishi
毅 中西
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Abstract

【課題】ラスタデータの印刷開始点とは異なる場所に印刷を行うことができる印刷装置を提供する。【解決手段】プリンタ1は、支持部10と、印刷部20と、移動機構30と、印刷原点G1に関する位置情報を記憶する第1記憶部62aと、第2原点G2に関する位置情報を記憶する第2記憶部62bと、印刷原点G1を基準として規定される印刷対象の印刷開始点に関する位置情報を含むラスタデータを記憶する印刷データ記憶部62dと、制御部60と、を備える。制御部60は、第2記憶部62に第2原点G2に関する位置情報が記憶されたとき、印刷部20が印刷原点G1に代えて第2原点G2を基準としてラスタデータに基づき印刷を行うように、移動機構30の駆動を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷装置に関する。
印刷装置による印刷では、コンピュータ等で作成した様々な形式の画像ファイルを、コンピュータにて印刷装置が読み込み可能なラスタデータに変換(ラスタライズ)して印刷装置に送る。印刷装置は、受け取ったラスタデータに従い、印刷装置に定められた印刷原点を基準としてヘッド等を走査し、記録媒体に印刷を行う。印刷イメージは、ラスタデータに基づき、印刷原点を基準とした記録媒体の所定の位置から印刷される。ここで、印刷の目的によっては、この印刷位置の精度を厳密に管理することが求められる。しかしながら、例えば長期の印刷装置の使用等により印刷装置の印刷原点にずれが生じていると、印刷物が意図した位置からずれて印刷されてしまう。そのため、印刷装置は、ユーザが印刷原点を微調整できるように構成されている。
印刷原点の微調整では、例えば、印刷装置において実質的な印刷を行うヘッド部に即時の印刷位置を示すレーザポインタ等を設置しておき、記録媒体を支持する支持部のうちの印刷原点として適切な位置をポインタが指すようにヘッド部を移動させる。そして、そのポインタが指す位置を新たな印刷原点とし、その時のヘッド部と支持部との相対的な位置関係を、原点位置における両者の位置関係として印刷装置に記憶させる。原点位置に関するこの記憶は、印刷原点の微調整を再度行うまで印刷装置に記憶される。
特開2006−305798公報
ところで、印刷装置に対するニーズとして、一時的に、印刷原点より大きく離れた任意位置から印刷を開始したいという要望がある。例えば、ファブリックへの装飾柄等の印刷に際し、記録媒体の非印刷領域を利用してインクジェットヘッドのノズルチェックを行うテストパターンを印刷したいとき等である(例えば、特許文献1等参照)。ここで、テストパターンを印刷する場合、テストパターンの画像が上記の所定の非印刷領域に印刷されるようなテストパターン用ラスタデータを印刷装置にて生成するか、またはコンピュータ等の外部機器で作成して印刷装置に送る必要がある。
また、ラスタデータは、一般的に、印刷したい画像の形状や色彩等に対応する画像データと、この画像を印刷原点を基準としてどのような位置に配置させるかを決定する印刷開始点に対応する情報とに基づき作成される。
例えば図12(A)および(B)に、ある花柄の画像を印刷するときに作成されるラスタデータを表すイメージを示した。図12の周囲の点線は、例えば印刷可能領域を示す。印刷対象である花柄の画像そのものは、印刷装置での印刷における主走査方向の大きさ(寸法)が「a」であり、副走査方向の大きさ(寸法)が「b」である。ここで、図12(A)に表されたラスタデータは、花柄の画像の印刷開始点が印刷原点Oを基準として点p1となるように設計されている。また、ラスタデータの大きさは、主走査方向についてm1であり、副走査方向についてn1である。このように、ラスタデータが含む印刷情報は、印刷原点から花柄の画像が配置された位置までの全領域に及ぶ。ここで、図中の斜線で示された領域は、花柄の画像の印刷可能領域の印刷位置を指定するための領域であって、印刷が全く行われない非印刷領域である。このように、ラスタデータには、印刷対象の画像についての情報に加え、非印刷領域には印刷を行わないことを示す情報が含まれる。
ここで、花柄の画像の印刷開始点を、図12(B)に表されるように、印刷原点より大きく離れた位置p2に移動させる。この印刷を行うためのラスタデータは、花柄の画像の印刷開始点が印刷原点Oを基準として点p2となるように設計される。ここで、図12(B)に示されるラスタデータにおいて、花柄の画像を構成する各点の色彩等の情報は変わらないものの、各点の位置情報が変換され、ラスタデータは別のものになっている。また、花柄の画像についての情報の他に、非印刷領域についての情報が大きく加えられている。その結果、ラスタデータの大きさは、主走査方向についてm2、副走査方向についてn2となる。このように、原点Oから比較的遠い位置にパターンを印刷しようとすると、印刷対象である花柄の画像は変わらないにもかかわらず、ラスタデータの画像サイズおよびデータ容量は大きくなってしまう。また、当初の印刷開始点について作成したラスタデータとは別のラスタデータとなり、当初の印刷開始点について作成したラスタデータを効果的に利用することは困難であった。
このような事情から、たとえ印刷寸法の小さなテストパターンであっても、所望の印刷位置に印刷するためには、ラスタデータを新規に作成する必要が生じていた。そこで従来では、テストパターンの印刷位置を移動するために、テストパターンのラスタデータはそのままで、上記の印刷原点の位置微調整機能を利用してインクジェットヘッドを所望の非印刷領域まで移動して印刷原点を再設定し、テストパターンの印刷後に印刷原点の位置を当初位置に戻したりしていた。しかしながら、インクジェットヘッドのポイントを目視で確認しながら手動または操作パネルによってインクジェットヘッドの位置を移動させ、原点位置を設定しなおすことは大変手間のかかる作業であった。
本発明は、かかる実情に鑑みて創出されたものであり、その目的は、印刷対象となる画像を、当初の印刷位置とは異なる位置に簡便に移動して印刷を行うことができる印刷装置を提供することである。
ここに開示される技術は、支持部と、第1記憶部と、印刷データ記憶部と、印刷部と、移動機構と、第2記憶部と、制御部と、を備える印刷装置を提供する。この印刷装置において、支持部は、記録媒体を支持する平面を備える。第1記憶部は、支持部の平面上に設定された印刷原点に関する位置情報を記憶する。印刷データ記憶部は、印刷対象に関するラスタデータであって、印刷原点を基準として規定された印刷対象の印刷開始点に関する位置情報を含むラスタデータを記憶する。印刷部は、前記ラスタデータに基づき、記録媒体に印刷を行う。移動機構は、印刷部と支持部との相対位置を変化させる。第2記憶部は、上記平面上であって印刷原点とは異なる位置に設定される第2原点に関する位置情報を記憶する。制御部は、第2記憶部に第2原点に関する位置情報が記憶されたとき、印刷部が印刷原点に対して第2原点に設定されたオフセット量を加算し、ラスタデータに基づき印刷を行うように、移動機構の駆動を制御する。
印刷装置は、印刷位置の基準となる点(以下、印刷基準点という。)として、唯一の印刷原点を備えている。これに対し、ここに開示される印刷装置は、印刷原点のほかに第2原点を有することができる。換言すると、印刷原点を所定の距離だけずらした(オフセットした)位置に第2原点を備えることができる。そして印刷装置は、印刷原点の位置情報を保持したまま、第2原点を印刷位置の基準として印刷することができる。例えば、印刷原点に対する第2原点のオフセット量を、各印刷データの印刷位置情報にそれぞれ加算して印刷することができる。これにより、印刷対象のラスタデータを作り直すことなく、当該ラスタデータに基づき印刷される印刷対象の印刷位置を、任意の位置に簡便に変更することができる。また、第2原点に基づく印刷が完了したのちは、再び元の印刷原点を印刷基準点とした印刷を行うことができる。このとき、再度印刷原点を設定しなおす必要がなく、通常の印刷を行うことができる。
本発明によれば、印刷原点とは異なる点を印刷基準点として印刷を行うことができる印刷装置が提供される。これにより、ラスタデータを作り直すことなく、当該ラスタデータに基づき印刷開始点を変更して印刷を行うことができる。
一実施形態に係る印刷装置の外観斜視図である。 一実施形態に係る印刷装置のフロントカバーを開けたときの斜視図である。 図1のIII−III矢視断面図である。 テーブルに設けられた平面座標系のイメージを示す平面図である。 基材を固定治具に嵌めてテーブルの上に固定する様子を示した斜視図である。 一実施形態に係る制御部のブロック図である。 第2原点の設定について説明するイメージ図である。 第2原点および第3原点の設定について説明するイメージ図である。 第2原点および第3原点の設定について説明する他のイメージ図である。 第2原点の設定について説明する他のイメージ図である。 第2原点について説明するイメージ図である。 (A)(B)は、従来技術におけるラスタデータの構成について説明するイメージ図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る印刷装置(以下、単にプリンタということがある。)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。本実施形態において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、本明細書に記載された発明の実施についての教示と出願時の技術常識とに基づいて当業者に理解され得る。図中で同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
ここに開示される技術において、印刷対象に印刷される印刷用材料の種類は特に制限されない。印刷用材料は、例えば、インクや、光硬化性樹脂等を用いることができる。インクは、例えば、色料と分散媒(溶剤であり得る。)とを含む各種の液体(流体,粘性体等を含む。以下同じ。)であってよい。色料は、顔料および染料の少なくとも1つであってよく、分散媒は、水、水性溶剤、非水性溶剤および揮発性ソルベント、未硬化の光硬化性樹脂の少なくとも1つを含んでいてもよい。顔料および染料の種類は特に制限されず、この種のインクに用いられる各種の化合物の1種以上であってよい。このインクは、顔料の分散性や発色性、定着性等を向上させる各種の添加剤、化合物、樹脂等を含んでもよい。このようなインクとしては、代表的には、いわゆる顔料系インク,染料系インク、ソルベント顔料インクなどが挙げられる。また、インクは、上記の色料とともに光硬化性樹脂を含み、光硬化性樹脂の光化学反応によって液相状態から固相状態へと変化する光硬化性インクであってもよい。この光硬化性インクは、重合開始剤や、顔料の分散性や発色性、硬化性等を向上させる各種の添加剤、化合物、樹脂等を含んでもよい。
また、本明細書において「インクジェット方式」とは、インクや、光硬化性樹脂等の液体を微細な液滴として吐出することで、目的の位置に該液体を供給する液体供給手法を意味する。液滴化の手法は特に制限されない。例えば、二値偏向方式あるいは連続偏向方式などの各種の連続方式や、サーマル方式あるいは圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む、従来より公知の各種の手法を特に制限なく採用することができる。
印刷が行われる対象である記録媒体は、プリンタにより印刷が行われる対象である。記録媒体の素材や形状は特に制限されない。例えば、形状は、柔軟性のあるシート状や、剛性がある板状の平面物であってもよいし、各種ケース、日用品、小型電子機器、部品小物等の任意の立体物であってもよい。素材は、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride:PVC),アクリル樹脂,ポリエチレンテレフタレート(PET),アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重合体,ポリカーボネート(PC),熱可塑性ポリウレタン(TPU)等の高分子材料、紙,天然皮革,布等の有機材料、アルミニウム合金,金,銀,銅,ステンレス鋼等の金属材料、陶器,セラミック,ガラス等の無機材料等を少なくとも1つを含むものを広く採用することができる。なお、記録媒体として、代表的には記録紙を用いることができる。記録紙は、吸水性や乾燥性を高めるよう表面処理されたものであってもよいし、かかる処理がされていないものであってもよい。また、三次元造形法による印刷においては、造形の土台となるステージを記録媒体とみなしてもよい。
(第1実施形態)
図1は、一実施形態に係るプリンタ1の外観の斜視図である。図2は、プリンタ1の正面上方からの斜視図である。図3は、図1のIII−III矢視断面図である。図面中の符号U、D、F、Rr、L、Rは、それぞれプリンタ1を正面から見たときの垂直方向における上、下、水平面における前、後、左、右を示している。また、符号Yは、後述する供給ヘッド22を移動させる方向である主走査方向を示している。符号Xは、記録媒体を移動させる方向のうちの主走査方向と同じ水平面内の他の方向である副走査方向を示している。符号Zは、高さ方向を示している。本実施形態では、主走査方向Yは左右方向に一致し、副走査方向Xは主走査方向に直交する前後方向に一致している。また、高さ方向Zは、記録媒体を移動させる方向のうちの副走査方向Xと異なる方向であり、上下方向に一致している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、プリンタ1の設置態様を何ら限定するものではない。
プリンタ1は、大略的には箱状に形成されたケーシング70と、ケーシング70内に収容された支持部10、印刷部20、移動機構30および制御部60を備えている。また、本実施形態のプリンタ1は、表示部としてのディスプレイ76aおよび図示しない入力部を備えたパーソナルコンピュータ76と各種の情報を有線または無線により双方向で通信可能に接続されている。ユーザは、パーソナルコンピュータ76を介して、プリンタ1の各部の設定を確認したり、各部の動作に対する指示を入力することができる。例えば、ユーザは、入力部を操作することで、支持部10としてのテーブル14を前方に移動させることができる。支持部10は、印刷部20が印刷を行う対象となる記録媒体を保持する平面を備える。この平面は、必ずしも完全に平坦な面のみではなく、溝や穴などを含んでいてもよい。また、この平面は、必ずしも水平でなくてもよく、一部または全体が傾斜面や曲面であってもよい。また例えば、ユーザは、入力部を操作することで、プリンタ1による印刷を開始、一次停止または終了することができる。入力部の構成は特に制限されず、例えば、キーボード、操作ボタン、テンキー、タッチパネルおよびマウス等のうちの何れか一種以上であってもよい。パーソナルコンピュータ76の入力部から入力された信号は、制御エリア70Bに備えられる後述の制御部60に送られる。そして入力された信号に基づき、制御部60は、プリンタ1の各部の動作を制御することができる。
ケーシング70は、本体72とフロントカバー74とを備えている。本体72は、主走査方向Yに長い扁平な直方体形状であって、主走査方向Yの中央付近に前面から上面に亘る開口72aを備えている。フロントカバー74は、本体72の開口72aに沿う縁部に回動自在に固定されており、本体72の開口72aを開閉自在に覆うことができる。フロントカバー74が上方に向けて開かれることにより、ケーシング70の内部空間と外部空間とが連通される。そしてフロントカバー74を閉めることにより、ケーシング70の内部空間と外部空間とが遮断される。フロントカバー74には窓部74aが設けられている。窓部74aは、例えば、可視光に対して透明のアクリル板により形成され、後述の光照射部24から発生される光を吸収する加工が施されている。したがって、ユーザは、フロントカバー74を閉じた状態であっても、窓部74aから内部空間を視認することができる。
図2に示すように、プリンタ1は、仕切り部材78によって、内部空間が大まかに印刷エリア70Aと制御エリア70Bとに区分けされている。印刷エリア70Aは、仕切り部材78の左側を占める空間である。印刷エリア70Aでは、支持部10に支持された記録媒体80に対し、印刷部20によって印刷が行われる。図3に示すように、印刷部20は、インクを液滴として吐出する供給ヘッド22と、インクを硬化させるための光照射部24と、支持部10と供給ヘッド22との相対位置を変化させる移動機構30とを備えている。制御エリア70Bは、仕切り部材78の右側を占める空間である。制御エリア70Bには、プリンタ1の各部の動作を制御する制御部60や、後述の記憶部62、供給ヘッド22のクリーニングを行うクリーニングユニット(図示せず)等が設置されている。印刷エリア70Aと制御エリア70Bとは、仕切り部材78の上方で連通されている。この連通された部位において、移動機構30のうちのガイドレール32aが、主走査方向Yに沿って印刷エリア70Aおよび制御エリア70Bに亘り延設されている。
ケーシング70の本体72の制御エリア70Bを覆う上面には、操作パネル77が設けられている。操作パネル77は、表示部と入力部とを備えている。上記表示部には、プリンタ1の状態や、動作内容、動作条件等に関する情報が表示される。また、ユーザは、操作パネル77の入力部からも、プリンタ1の各部の動作に対する指示等を入力することができる。例えば、ユーザは、入力部の所定のボタンを押すことで、後述のテーブル12を前方に移動させることができる。また例えば、ユーザは、入力部の所定のボタンを押すことで、プリンタ1による印刷を開始、一次停止または終了することができる。操作パネル77の入力部から入力された信号は、制御エリア70Bに備えられる後述の制御部60に送られる。そして入力された信号に基づき、制御部60は、プリンタ1の各部の動作を制御することができる。
印刷エリア70Aの中央付近には、支持部10としてのテーブル12が備えられている。テーブル12は、記録媒体80を載置する台である。印刷部20は、テーブル12に載置された記録媒体80に対して印刷を実施する。本実施形態におけるテーブル12は、図4に示されるように、略正方形の平面を有する板部材からなる。テーブル12の平面には、平面座標系が定められている。この平面座標系は、テーブル12上の任意の点の位置を明確に表すための原点および座標軸を用いた位置表現方法であり、原点および座標軸の取り方は特に限定されず、連続系であっても離散系であってもよい。本実施形態の平面座標系では、それぞれ副走査方向Xおよび主走査方向Yに一致し、互いに直交する二つの座標軸AxおよびAyが、テーブル12の右方端部および前方端部に沿ってそれぞれ定められている。また、座標軸AxおよびAyの交点が原点Oとして定められる。平面座標系は、テーブル12上の任意の点の位置を、座標軸Ayにおける位置yと、座標軸Axにおける位置xとから座標(y,x)として表すことができる。この平面座標系は、プリンタ1の印刷可能範囲と対応している。図4において、印刷領域は、例えば0≦y≦L、0≦x≦18を満たす領域(y,x)により表される。本実施形態では、平面座標系の原点Oを印刷原点G1としている。印刷原点G1についての位置情報である座標点(0,0)は、後述の第1記憶部62aに記憶される。このようにしてプリンタ1は、水平面における任意の印刷位置を座標(y,x)によって把握することができる。
テーブル12は、移動機構30のうちの水平移動装置34と、テーブル昇降装置36との上に配設される。水平移動装置34は、移動機構30のうち、記録媒体80と供給ヘッド22との相対位置を副走査方向Xで変化させる。水平移動装置34は、スライドレール34a、スライド固定装置34bおよび駆動装置(図示せず)を備えている。テーブル12は、スライド固定装置34bを介してスライドレール34aにスライド自在に係合されている。スライド固定装置34bは、図示しない駆動装置によってスライドレール34aに沿って前方または後方に移動される。これにより、テーブル12は、印刷エリア70A内で副走査方向Xに移動可能である。また、テーブル12は、水平移動装置34を介してテーブル昇降装置36上に設置されている。テーブル昇降装置36は、テーブル12を高さ方向Zに移動させることができる。テーブル昇降装置36としては特に限定されないが、ここではシリンダ機構を採用している。テーブル昇降装置36がテーブル12を高さ方向Zで移動させることで、ここに開示されるプリンタ1は、同一の印刷場所に重ねて繰り返し印刷を行うことができる。このとき、例えば、所定の体積を維持したまま硬化する光硬化性インクを用いることで、三次元の立体形状を有する印刷物を印刷(造形であり得る。)することができる。テーブル昇降装置36が高さ方向Zで移動できる距離は、例えば記録媒体80に印刷する三次元形状を有する印刷物の高さ寸法よりも大きくなるように設計することができる。
なお、テーブル12は、図5に示すように、記録媒体80としての基材81を安定的に載置するための固定治具14を着脱可能に備えていてもよい。図5に示した基材81は所定の寸法の樹脂製のスマートフォンケースである。固定治具14は、この基材81の平面形状に対応した穴部を備える枠部材である。固定治具14の穴部に基材81を嵌め込むことで、基材81は固定治具14に保持され、副走査方向X、主走査方向Yおよび高さ方向Zでの位置が決定されるとともに、移動が規制される。図5の固定治具14は、14個の穴部を備えており、テーブル12上に1個ないし14個の任意の数の基材81を固定することができる。なお、固定治具14に固定される基材81の数はこれに制限されない。このことにより、テーブル12の所定の位置に、正確かつ規則正しく基材81を配置することができる。なお、固定治具14としては、本例のような枠部材に限定されることなく、例えば、基材81の下面(非印刷面)とテーブル12の上面とを粘着させる粘着部材であってもよいし、基材81の平面形状の少なくとも一部に対応する位置に一対の爪部等を備え、基材81を把持固定する部材等であってもよい。
テーブル12の上方には、供給ヘッド22のヘッド移動機構32が備えられている。ヘッド移動機構32は、移動機構30のうち、記録媒体80と供給ヘッド22との相対位置を主走査方向Yで変化させる。ヘッド移動機構32は、ガイドレール32aと、キャリッジ32bと、キャリッジ移動機構32cとを備えている。ガイドレール32aは、上述のように主走査方向Yに延びている。ガイドレール32aは、テーブル12の上方に備えられている。ガイドレール32aは、主走査方向Yの寸法がテーブル12の寸法よりも大きく、テーブル12を上方で跨ぐように配置されている。キャリッジ32bは、供給ヘッド22と光照射部24とを保持している。キャリッジ32bは、ガイドレール32aに係合している。キャリッジ32bは、キャリッジ移動機構32cによって、ガイドレール32aに沿って左方向または右方向(即ち主走査方向Y)に移動することができる。キャリッジ移動機構32cの構成は特に限定されないが、例えば、ガイドレール32aの左端側および右端側に配置された一対の駆動プーリおよび従動プーリ、無端ベルト、駆動プーリを回転駆動させるモータ等により構成することができる。例えば、キャリッジ移動機構32cがキャリッジ32bを主走査方向Yに移動させることにより、供給ヘッド22が主走査方向Yに移動される。
印刷エリア70Aの左側には、カートリッジ収容部85が設けられている。本例のカートリッジ収容部85には、光硬化性インクが充填された複数のインクカートリッジ86が着脱自在に収容されている。光硬化性インクは、未硬化の状態では流動性を備えた液体であって、例えば紫外線等の光を照射することで硬化する性質を有する。複数のインクカートリッジ86には、色の異なるインクが未硬化の状態で貯留されている。本例では、例えば、プリンタ1は、それぞれシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ホワイトインクを貯留する5つのインクカートリッジ86を備えている。
プリンタ1は、図示しないインク供給システムを備えている。インク供給システムは、インクカートリッジ86に貯留されたインクを、供給ヘッド22に供給するためのシステムである。インク供給システムは、インクカートリッジ86と供給ヘッド22とを可撓性を有するチューブ等により構成されるインク供給路を介して連結する。インク供給路には、必要に応じて送液ポンプが設けられる。インク供給システムは、インクカートリッジ86ごとに、貯留されたインクを供給ポンプによってインクチューブ内を圧送し、供給ヘッド22のノズルにまで供給する。
供給ヘッド22は、本実施形態の印刷用材料である光硬化性インクを液滴状に吐出して供給するインクジェット方式の供給装置である。本実施形態において供給ヘッド22は、記録媒体と対向する側の面(本実施形態では供給ヘッド22の下面)に、インクを吐出するための複数のノズルを備えている。各ノズルは、上述のように、インク供給システムを介してインクカートリッジ86に接続されている。また、供給ヘッド22は、キャリッジ32bに保持され、テーブル12に対して相対的に3次元で移動することができる。また、供給ヘッド22は、後述の制御部60により、所定のタイミングで所定の量のインク液滴をノズルから吐出させるように制御される。これにより、供給ヘッド22は、テーブル12上の所定の位置に光硬化性インクを吐出することができる。
光照射部24は、供給ヘッド22から吐出された光硬化性インクに硬化のための光を照射する。本例の光照射部24は、主走査方向Yにおいて供給ヘッド22の右方と左方とに一つずつ設けられ、供給ヘッド22と共にキャリッジ32bに保持されている。例えば、供給ヘッド22がキャリッジ32bにより右方に移動されながら光硬化性インクを吐出するときは、供給ヘッド22の左方に設置された光照射部24が光を発することで、供給ヘッド22から吐出された光硬化性インクに瞬時に光を照射することができる。また、例えば、供給ヘッド22がキャリッジ32bにより左方に移動されながら光硬化性インクを吐出するときは、供給ヘッド22の右方に設置された光照射部24が光を発することで、供給ヘッド22から吐出された光硬化性インクに瞬時に光を照射することができる。供給ヘッド22から吐出されたインクは、光の照射により硬化を開始する。また吐出されたインクは、完全に硬化しない半硬化の状態で基材81または先に供給されたインク(硬化後の光硬化性樹脂)の上に着弾する。着弾したインクは、次列以降の印刷のために走査される光照射部24から発せられる光の照射により硬化が更に促進される。このことによって、各色のインクは互いに交じり合わず、基材または先に供給されたインク上に固定される。光照射部24の発光のタイミングは、後述の制御部60により、供給ヘッド22のインクの吐出タイミングに応じた任意のタイミングで制御される。光照射部24は、光源として例えば紫外線発光ダイオードを備えている。紫外線発光ダイオードは、少ない電力で高輝度な光を発光することができ、また、発光に際して発熱しないため、比較的熱に弱い基材に対しても基材の変質を招き難いために好ましい。なお、光照射部24の光源は紫外線発光ダイオードに制限されず、例えばハロゲンランプなどの他の光源であってもよい。
制御部60は、供給ヘッド22と、光照射部24と、ヘッド移動機構32と、水平移動装置34の駆動装置と、テーブル昇降装置36と、に対して通信可能に接続されており、これらの各部の動作を包括的に制御する。制御部60は、典型的には、複数の回路により構成されたコンピュータである。制御部60は、例えば、上述のパーソナルコンピュータ76や他のホストコンピュータ(図示せず)等の外部機器からの印刷データ(ラスタデータ)等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムを格納したROMと、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAMと、上記プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶部(記録媒体)62とを備えている。この制御部60による各部の制御によって、プリンタ1は、印刷対象に関するラスタデータを例えば外部機器等から受け取り、かかるラスタデータに基づく印刷を実施することができる。
図6は、一実施形態に係る制御部60の構成を示すブロック図である。本実施形態において、記憶部62は、第1記憶部62a、第2記憶部62b、第3記憶部62cおよび印刷データ記憶部62dを備えている。第1記憶部62aは、上記印刷原点G1に関する位置情報を記憶する。例えば、第1記憶部62aは、現在の印刷原点G1である位置情報(0,0)を記憶している。第2記憶部62bは、印刷原点G1とは異なる位置に設定される第2原点G2に関する位置情報を記憶する。この第2原点G2は、ユーザが入力部から位置情報を入力することで、任意の位置に設定することができる。第2原点G2は、例えば、印刷原点G1からのオフセット量として把握することができる。同様に、第3記憶部62cは、印刷原点G1および第2原点G2とは異なる位置に設定される第3原点G3に関する位置情報を記憶する。この第3原点G3についても、ユーザが入力部から位置情報を入力することで、任意の位置に設定することができる。第3原点G3は、例えば、印刷原点G1からのオフセット量として把握することができる。印刷データ記憶部62dは、印刷する文字や図柄等の印刷対象(オブジェクト)についてのラスタデータを記憶する。ラスタデータは、外部のコンピュータ等で作成した様々な形式の画像ファイル(ベクターデータ)を、プリンタ1が読み込み可能な形式に適切に変換(ラスタライズ)したものである。プリンタ1は、外部コンピュータ等から受け取ったラスタデータを印刷データ記憶部62dに記憶し、このラスタデータに基づき印刷を実行する。ラスタデータには、オブジェクトを構成する各点の位置情報、色情報等の属性のほか、インクが吐出されない非印刷領域やオブジェクトの印刷開始点等についての情報が含まれる。印刷開始点とは、オブジェクトの画像データのみをラスタライズして得られるラスタデータにおいて、オブジェクトの印刷(インク吐出)部分の印刷開始の目安となる点である。印刷開始点は、典型的には、オブジェクトのラスタデータをAy−Ax座標系で表したとき、オブジェクトのラスタデータを構成する各点の位置座標(y,x)のうちで最も小さいAy座標「y0」と、最も小さいAx座標「x0」と、から構成される点(y0,x0)として把握することができる。この印刷開始点は、好ましくは位置(0,0)であり、各点は位置(0,0)を基準として規定されることが好ましい。
なお、通常、画像ファイルのオブジェクト(印刷対象)は複数の印刷要素(パス)の集合で構成される。また、各印刷要素は様々な効果処理を含んでいる。そのため、ラスタライズに際しては、各印刷要素の効果処理が正確に反映されたラスタデータが作成されるように調整することが必要となる。ここで、ラスタライズは、印刷原点G1を印刷基準点としオブジェクトの印刷位置に亘る印刷可能領域全体に対して実行される。よって、従来技術においてオブジェクトの印刷位置を変更する場合は、たとえオブジェクトのデザインについての変更がなくても、ラスタデータを全て作り直す必要が生じる。オブジェクトが大判サイズ(例えば、A1サイズ以上)になり、解像度が高くて複雑な色構成であったり、仕上げに画像に対して陰影やぼかしなどの特殊効果を追加したりすると、画像ファイルの総サイズは大きくなる。そのため、画像ファイルの総サイズが大きくなると、ラスタデータへのデータ変換には数分もしくはそれ以上の時間がかかることがあった。
また、プリンタ1による印刷では、供給ヘッド22の下面のノズル先端にインクが滞留し易くなり、そのインクが硬化してドット抜けが生じることがあり得る。ドット抜けは、静電気が発生しやすい基材81に印刷しているときや、環境温度が低いときの印刷時、ホワイトインクやグロスインク等の色料成分が沈殿しやすいインクを使用しているとき等に生じ易い。したがって、このような条件での印刷を、ドット抜けを起こすことなく実行するために、印刷の途中でドット抜けの有無を確認するテストパターンの印刷を行う場合がある。このテストパターンの大きさは、プリンタ1ごとに予め決定されており、例えば、本実施形態におけるプリンタ1のテストパターンの寸法は、副走査方向X(長さ)が約25mmで、主走査方向Y(幅)が約30mmである。
そこで、本プリンタ1では、テーブル12上の固定治具14の所定の位置に嵌め込まれている基材81に第1のオブジェクトを印刷する前に、基材81が設置されていない非印刷領域に、テストパターンTPの印刷を行うことができる。テストパターンTPは、例えば、上記供給ヘッド22のノズルつまりの有無等を確認できるように、供給ヘッド22の構成に応じて適切にデザインされている。ここで、図7は、例えば、パーソナルコンピュータ76のディスプレイ76aに表示されたテーブル12のAy−Ax座標系のイメージである。ディスプレイ76aのAy−Ax座標系には、基材81が実際と同じ配置でテーブル12上に配置されている様子が表示されている。図7では、基材81は、固定治具14の設計により、Ay−Ax座標で(A,2)の点に、右前方の隅角部が位置するように配置されている。また、基材81は、Ay軸方向に約3マス分でAx軸方向に約6マス分の大きさを有しており、左後方の隅角部は点(D,8)に至ることを確認することができる。なお、参考までに、このとき基材81上に印刷する第1のオブジェクトについてのラスタデータは、Ay軸方向に3マス分でAx軸方向に6マス分の大きさの図柄についての画像データと、印刷原点G1(0,0)を印刷基準点としたときの点(A,2)を印刷開始点に係る情報としてとして含む一方、テストパターンTPについてのラスタデータは、Ay軸方向に約3.3マス分でAx軸方向に約4.5マス分の大きさのテストパターン画像データと、印刷原点G1(0,0)を印刷基準点としたときの点(0,0)を印刷開始点情報として含むように作成されている。すなわち、テストパターンTPのラスタデータは、印刷原点G1と印刷開始点が一致している。これらのラスタデータは、例えば、印刷データ記憶部62dに記憶することができる。
テストパターンTPをラスタデータに基づき、印刷原点G1(0,0)を印刷基準点としてそのまま印刷すると、印刷開始点は点(0,0)であるので、テストパターンTPは基材81上に印刷されてしまう。そこでユーザは、テストパターンTPの印刷に際しては、基材81上にテストパターンTPが印刷されないよう、テストパターンTPの印刷基準点を印刷原点G1(0,0)とは異なる位置(点)に設定することができる。これにより、印刷されるテストパターンTPが基材81から外れるように調整する。例えば図7に示されるように、テストパターンTPの印刷開始点である右前方の隅角部が、Ay座標がDより大きく、Ax座標が8より大きい点(例えば、点(E,10))となるように設定すれば、テストパターンTPは基材81に重ならないことが確認できる。そこで、ユーザは、テストパターンのラスタデータは、印刷原点G1と印刷開始点が一致していることを鑑み、例えば、当該点(E,10)を第2原点G2とし、第2原点G2に関する位置情報(E,10)を入力部から入力する。この場合、第2原点G2(E,10)は、印刷原点G1(0,0)に対してAy軸方向にオフセット量(位置ずらし量)がEであり、Ax軸方向にオフセット量(位置ずらし量)が10の位置であると理解することができる。プリンタ1は、入力された第2原点G2に関する位置情報(E,10)を第2記憶部62bに記憶する。すると、制御部60は、印刷原点G1(0,0)に代えて第2原点G2(E,10)を印刷基準点としてテストパターンTPを印刷するよう各部を制御する。換言すると、印刷部20が印刷基準点を第2原点G2(E,10)とし、テストパターンTPのラスタデータ(作り直しされていない当初のもの)に基づき、印刷開始点(E,10)として印刷を行うように、移動機構30の駆動を制御する。このように、テストパターンTPは当初のままで、印刷原点の位置を移動するだけで、テストパターンTPの印刷位置を移動することができる。従来のように、テストパターンTPの印刷位置を移動するために、印刷原点G1(0,0)を印刷基準点とし印刷開始点を点(E,10)とする新たなラスタデータを作り直す必要がない。
なお、このとき、オブジェクトとしてのテストパターンTPが印刷可能領域からはみだしてしまうことは好ましくない。そこで、第2原点G2は、さらに以下の点を考慮して決定するとよい。図11に示すように、オブジェクトを印刷原点G1から離れた位置に印刷する。ここで、印刷可能領域の主走査方向Yの大きさは「m0」であり、副走査方向Xの大きさは「n0」である。また、オブジェクトのラスタデータは、主走査方向Yの大きさが「a」、副走査方向Xの大きさが「b」であり、その印刷開始点はp(y0,x0)で表される。そして、オブジェクトのラスタデータを構成する点のうち、印刷原点G1から最も離れた点はp3(y0+a,x0+b)で表わされる。したがって、オブジェクトが印刷可能領域からはみださないように印刷するには、印刷開始点p(y0,x0)は「m0≧y0+a,n0≧x0+b」を満たす必要がある。そこで、このような条件を満たすように、G2(y0,x0)(ただし、y0≦m0−a,x0≦n0−b)を定めることができる。
なお具体的には示さないが、上記と同様にして、ユーザは既に印刷したテストパターンTPに重ならないように、さらに印刷原点G1および第2原点G2とは異なる点に第3原点を設定し、再度テストパターンTPを印刷してもよい。このように、印刷原点G1(0,0)を印刷基準点としたラスタデータはそのままで、印刷原点G1(0,0)に対してオフセット位置情報を持つ第2原点、または第3原点を設定するだけで、テストパターンTPの印刷位置を移動して印刷することが出来る。なお、テストパターンTPは、テーブル12上に非印刷領域が残されている限り、必要な数だけ印刷することができる。
なお、テストパターンTPの印刷後、制御部60は、再び印刷原点G1(0,0)を印刷基準点として認識し、印刷原点G1(0,0)を印刷基準点として基材81上に第1のオブジェクトを印刷することができる。印刷原点G1(0,0)を印刷基準点としたラスタデータである第1のオブジェクトの印刷開始点は点(A,2)である。よって、印刷部20が印刷開始点を点(A,2)として第1のオブジェクトを印刷するように、第1のオブジェクトのラスタデータに基づき印刷を行うように移動機構30の駆動を制御する。これにより、テストパターンTPの印刷後であっても、印刷原点G1を再設定する必要がなく、基材81上に第1のオブジェクトを印刷することができる。
(第2実施形態)
なお、上記第1実施形態においては、第1のオブジェクトと、この第1のオブジェクトとは異なるテストパターンTPとを、印刷原点G1と第2原点G2とを印刷基準点としてそれぞれ印刷した。しかしながら、ここに開示される技術において、印刷原点G1とは異なる点を印刷基準点として印刷されるオブジェクトは、テストパターンTPに限定されない。また、印刷原点G1とは異なる第2原点G2や第3原点を印刷基準点として、ラスタデータを作り直すことなく同一のオブジェクトを複数印刷してもよい。したがって、例えば、同一のラスタデータで表される第2のオブジェクトO2を、印刷原点G1とは異なる第2原点G2および第3原点をそれぞれ印刷基準点として、異なる位置に複数印刷することもできる。
第2のオブジェクトO2のラスタデータは、例えば、印刷原点G1(0,0)を印刷開始点とする位置情報を含む。第2のオブジェクトO2のラスタデータは、印刷データ記憶部62dに記憶される。ユーザは、図8に示されるように、例えば第2原点G2として点(A,2)の位置情報を、第3原点G3として点(H,10)の位置情報を、それぞれ第2記憶部62bおよび第3記憶部62cに記憶させることができる。これにより、制御部60は、まず、第2原点G2(A,2)を印刷基準点として第2のオブジェクトO2をラスタデータに基づき印刷し、次いで、第3原点G3(H,10)を印刷基準点として第2のオブジェクトO2をラスタデータに基づき印刷する。具体的には、印刷部20が第2原点G2(A,2)および第3原点G3(H,10)を印刷基準点として第2のオブジェクトO2の印刷を行うように、移動機構30の駆動を制御する。これにより、図8に示されるように、1つの同一のラスタデータを用いて、異なる二つの場所に第2のオブジェクトO2を印刷することができる。
なお、第2原点G2および第3原点Gの設定と入力とは、印刷の前にまとめて行ってもよいし、1つのオブジェクトについての印刷が終了したのち、次のオブジェクトの印刷についての原点位置を入力するようにしてもよい。このような構成により、プリンタ1の印刷原点G1の位置設定を都度変更することなく(換言すると、保持したまま)、印刷原点G1とは異なる点を印刷基準点として印刷を繰り返し実行することができる。また、印刷原点G1に代えて採用する第2原点および第3原点は、例えば座標の入力によって指定することができる。これにより、簡便に上記印刷を実行することができる。
なお、印刷原点G1とは異なる原点は、任意の数Nだけ設定することができる。例えば、第2原点G2から順に第N原点GN(例えば、第15原点G15)まで設けてもよい。そして、それぞれの原点の座標を、例えば図5に示した固定治具14の14個の穴部の右前方の隅角部の位置(座標)に一致するよう設定する。また、制御部60は、1つのオブジェクトについてのラスタデータに基づき、印刷開始点を、第2原点G2から第15原点G15にまで変えて印刷を行うよう構成される。このことにより、1つのオブジェクトのラスタデータを使用して、異なる14の位置にオブジェクトのイメージを連続して印刷することができる。
また、図8の例においては、第2原点G2と第3原点G3とを印刷基準点とする2箇所に同一の第2のオブジェクトO2を印刷したが、第2原点G2と第3原点G3とを印刷基準点とする位置にそれぞれ異なるオブジェクトを印刷することも可能である。このような場合は、具体的には図示しないが、例えば、第2のオブジェクトO2と第3のオブジェクトO3についてのラスタデータを印刷データ記憶部62dに記憶させておき、第2原点G2の位置情報を第2記憶部62bに、第3原点G3の位置情報を第3記憶部62cにそれぞれ記憶させる。そして、制御部60は、まずは印刷部20が第2原点G2を印刷基準点として第2のオブジェクトO2を当該ラスタデータに基づき印刷したのち、次いで第3原点G3を印刷基準点として第3のオブジェクトO3をラスタデータに基づき印刷するように、移動機構30を制御する。これにより、印刷位置移動に伴うラスタデータの加工の手間を削減し、かつ、印刷位置の自由度の高い印刷を行うことができる。
(第3実施形態)
なお、テストパターンTPの印刷に際しては、例えば第2原点G2の位置情報を指定し間違えると、図9に示したように、本来第4のオブジェクトO4の印刷を予定していた位置にテストパターンTPが懸って印刷されてしまうことがある。このような場合、そのまま第4のオブジェクトO4を印刷すると、テストパターンTPと第4のオブジェクトO4とが重なりあって、印刷が失敗に終わってしまう。ここに開示される技術においては、このような予期しない印刷位置の指定エラーやずれに対しても、第4のオブジェクトO4の印刷基準点をさらに移動させることで対応することができる。
具体的には、例えば、本来印刷原点G1(0,0)を印刷基準点および印刷開始点として印刷されるべきテストパターンTPが、誤って第2原点G2(B,3)を印刷開始点として印刷されたとする。このとき、本来第3原点G3(D,6)を印刷基準点および印刷開始点として印刷される第4のオブジェクトO4の印刷開始点(D,6)には、既にテストパターンTPが印刷されてしまっている。このような場合、従来では、第4のオブジェクトO4の印刷領域がテストパターンTPに被らないように、第4のオブジェクトO4のラスタデータを作り直す必要があった。これに対し、ここに開示されるプリンタでは、第4のオブジェクトO4の印刷に際して、印刷基準点および印刷開始点である第3原点G3を、テストパターンTPが印刷された領域から外して再指定することができる。例えば、図9の例では、第3原点G3を点(H,10)に移動させている。このようにすることで、ラスタデータを作り直さずとも、同一のラスタデータを用いて、異なる印刷位置での印刷が可能とされる。
なお、上記実施形態1〜3では、理解を容易にするために、印刷原点G1と印刷開始点とが同じ場合を例に説明を行った。しかしながら、本発明はかかる例に限定されない。印刷対象のオブジェクト等は、印刷開始点が印刷原点G1から離れた位置となるように設計され、ラスタデータは、印刷原点G1とは異なる印刷開始点に関する情報を含んでいてもよい。オブジェクトが、印刷原点G1とは異なる印刷開始点から印刷される場合であっても、上記と同様にして本願発明を実施することができる。
(第4実施形態)
ここに開示される技術は、従来のインクジェットヘッドを移動させて印刷原点G1の位置設定を微調整する方法の代わりや、ラスタデータの作成時の位置ずれ等を補正するために利用することもできる。例えば、図5に示したような固定治具14を用いて基材81をテーブル12上の所定位置に設置したにも関わらず、試印刷をしてみると、印刷された第5のオブジェクトO5が基材81の位置に一致せず、わずかに位置ずれしてしまう場合があり得る。そのような場合にも、ここに開示される技術は、第5のオブジェクトO5についてのラスタデータを作成しなおすことなく、印刷基準点となる印刷原点G1を第2原点に置き換え、第2原点の位置で位置ずれの調整を行うことで対応することができる。
具体的には、試印刷をした結果、図10に点線で示したように、所望の印刷位置(実線)よりも主走査方向Yに−2mm,副走査方向Xに−5mmずれて印刷が為されたとする。このような場合、ラスタデータを作成しなおすのは手間と時間がかかる。したがって、図中に×印として示した点(2mm,5mm)の位置情報を第2原点G2として第2記憶部62bに記憶させる。このようにすることで、制御部60は、印刷原点G1に代えてこの第2原点G2を印刷基準点として、第5のオブジェクトO5についてのラスタデータに基づき印刷を行う。その結果、基材81に一致するように第5のオブジェクトO5が印刷され、簡便に高品質な印刷を行うことができる。
なお、上記実施形態において、プリンタ1は、所定の寸法のテーブル状の支持部10に全体が載置され得るサイズの記録媒体80に対し印刷を行っていた。しかしながら、ここに開示されるプリンタ1が印刷対象とする記録媒体80の寸法は、支持部10に全体が載置されるものに限定されない。例えば、プリンタ1は、支持部10が主走査方向Yに長く、副走査方向Xに幅狭であって、副走査方向Xに長尺の記録媒体80を搬送しながら印刷する連続印刷が可能なものであってもよい。このようなプリンタ1は、副走査方向Xでの記録媒体80の搬送に、例えば、一対のグリッドローラ(駆動ローラ)とピンチローラ等から構成される水平移動装置34を採用することができる。このようなプリンタ1においても、制御部60は、印刷部20が印刷原点G1に代えて第2原点G2を印刷基準点としてラスタデータに基づき印刷を行うように、移動機構30(ヘッド移動機構32および水平移動装置34)の駆動を制御する。これによって、同一のラスタデータに従いながら、印刷原点G1を印刷基準点とする場合とは異なる位置に印刷することができる。
また、印刷原点G1とは異なる第2原点G2や第3原点G3等の指定は、上述のパーソナルコンピュータ76の入力部を介して行ってもよいし、プリンタ1の上面に設けられた操作パネル77の入力部を介して行ってもよい。入力部からの入力は、テンキーによる入力、画面やタッチパネル等による入力であってよい。さらに、パーソナルコンピュータ76から入力する場合、第2原点G2または第3原点G3を指定するための専用のアプリケーションや、プリンタ制御コマンドを用意しておいてもよい。また、上記実施形態では、パーソナルコンピュータ76の表示部76aにテーブル12の座標系を表示するようにしたが、このような構成は必ずしも必要ではない。ユーザは、表示部76aを確認する代わりに、例えば原点G2や第3原点G3の位置情報を数値にて指定することができる。また、異なる複数のラスタデータについて、それぞれ異なる印刷開始点にて印刷を行いたい場合には、ラスタデータと当該ラスタデータの印刷基準点と印刷開始点との関係をあらかじめ紐付けしておき、複数のラスタデータについての印刷を連続して実施できるようにしてもよい。
1 プリンタ(印刷装置)
10 支持部
20 印刷部
30 移動機構
60 制御部
G1 印刷原点
G2 第2原点
G3 第3原点

Claims (7)

  1. 記録媒体を支持する平面を備える支持部と、
    前記支持部の前記平面上に設定された印刷原点に関する位置情報を記憶する第1記憶部と、
    印刷対象に関するラスタデータであって、前記印刷原点を基準として規定された前記印刷対象の印刷開始点に関する位置情報を含むラスタデータを記憶する印刷データ記憶部と、
    前記ラスタデータに基づき、前記記録媒体に印刷を行う印刷部と、
    前記印刷部と前記支持部との相対位置を変化させる移動機構と、
    前記平面上であって前記印刷原点とは異なる位置に設定される第2原点に関する位置情報を記憶する第2記憶部と、
    前記第2記憶部に前記第2原点に関する前記位置情報が記憶されたとき、前記印刷部が前記印刷原点に代えて前記第2原点を基準として前記ラスタデータに基づき印刷を行うように、前記移動機構の駆動を制御する制御部と、
    を備える印刷装置。
  2. 前記ラスタデータは、第1ラスタデータと第2ラスタデータとを含み、
    前記制御部は、
    前記印刷原点を基準として前記第1ラスタデータに基づく印刷を行うように前記移動機構の駆動を制御し、
    前記第2原点を基準として前記第2ラスタデータに基づく印刷を行うように前記移動機構の駆動を制御する、請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記平面上であって前記印刷原点および前記第2原点とは異なる位置に設定される第3原点に関する位置情報を記憶する第3記憶部を備え、
    前記ラスタデータは、第1ラスタデータと第2ラスタデータとを含み、
    前記制御部は、
    前記第2原点を基準として前記第1ラスタデータに基づく印刷を行うように前記移動機構の駆動を制御し、
    前記第3原点を基準として前記第2ラスタデータに基づく印刷を行うように前記移動機構の駆動を制御する、請求項1に記載の印刷装置。
  4. 前記位置情報を入力する入力部を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
  5. 前記支持部の前記平面には平面座標系が設けられ、
    前記印刷原点は前記平面座標系のいずれかの座標に設定されており、
    前記位置情報は、前記平面座標系における座標によって指定される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷装置。
  6. 前記平面座標系と、前記ラスタデータに基づき前記平面座標系に印刷される印刷イメージと、を表示する表示部を備えている、請求項5に記載の印刷装置。
  7. 前記印刷部は、光硬化性インクを液滴として吐出する供給部と、前記供給部から吐出された液滴に光を照射する照射部と、を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷装置。
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