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JP2018029620A - 微細藻粉顆粒およびその調製プロセス - Google Patents

微細藻粉顆粒およびその調製プロセス Download PDF

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Abstract

【課題】微細藻粉顆粒および任意選択で脂質リッチ微細藻粉を提供すること。【解決手段】食品で使用可能な藻種は、少なくともいくつか存在し、ほとんどは、「大型藻類」、たとえば、ケルプ、アオサ(ウルバ・ラクツカ(Ulva lactuca))、およびポルフィラ属(Porphyra)(日本で養殖)またはダルス(紅藻パルマリア・パルマタ(Palmaria palmata))タイプの食品用紅藻類である。微細藻バイオマスから微細藻粉を製造しようと努力しても、かなり困難であることには変わりはない。【選択図】なし

Description

本発明は、微細藻粉顆粒および任意選択で脂質リッチ微細藻粉に関する。
食品で使用可能な藻種は、少なくともいくつか存在し、ほとんどは、「大型藻類」、たとえば、ケルプ、アオサ(ウルバ・ラクツカ(Ulva lactuca))、およびポルフィラ属(Porphyra)(日本で養殖)またはダルス(紅藻パルマリア・パルマタ(Palmaria palmata))タイプの食品用紅藻類である。
しかしながら、これらの大型藻類以外にも、「微細藻類」により代表される藻類源、すなわち、バイオ燃料用途または食品用途のために養殖される海洋起源または非海洋起源の光合成または非光合成の単細胞顕微鏡的藻類が存在する。
たとえば、スピルリナ(アルスロスピラ・プラテンシス(Arthrospira platensis))は、食品サプリメントとして使用するためにまたは菓子もしくは飲料に少量(一般的には0.5%w/w未満)組み込んで使用するために、オープンラグーンで養殖される(光栄養により)。
クロレラ属(Chlorella)の特定の種を含めて、他の脂質リッチ微細藻類もまた、食品サプリメントとしてアジア諸国に普及している(クリプテコディニウム属(Crypthecodinium)またはシゾキトリウム属(Schizochytrium)の微細藻類が挙げられる)。また、微細藻粉の製造および使用は、国際公開第2010/120923号パンフレットおよび国際公開第2010045368号パンフレットに開示されている。
本質的にモノ不飽和油で構成されうる微細藻粉の油画分は、従来の食品製品に見いだされることの多い飽和油、水素化油、およびポリ不飽和油と比較して、栄養上および健康上の利点を提供しうる。
国際公開第2010/045368号
微細藻バイオマスから微細藻粉を製造しようと努力しても、かなり困難であることには変わりはない。たとえば、高含油率の微細藻類を使用した場合(たとえば、乾燥細胞重量基準で10、25、50、さらには75%またはそれ以上、望ましくないほど固着性の乾燥粉末が得られるおそれがある。このため、フロー剤(シリカ誘導生成物を含む)の添加が必要になることもある。
また、乾燥バイオマス粉の水分散性の問題に遭遇する可能性もあり、この場合、それはより不十分な湿潤性を有する。
したがって、美味で栄養のある状態を維持しなければならない食品製品に容易に大スケールで組み込むことができるようにするために、新規な形態の脂質リッチ微細藻バイオマス粉の必要性が依然として満たされずに存在する。
本発明の目的では、「微細藻粉」という用語は、微細藻バイオマスの複数の粒子で構成された物質を意味する。微細藻バイオマスは、藻細胞に由来し、藻細胞は、全細胞、破砕細胞、全細胞と破砕細胞との組合せのいずれであってもよい。微細藻細胞は、暗所で増殖されうる(たとえば、固定炭素源上で暗所で増殖されるクロレラ属(Chlorella))。
「オーバーサイズ」という用語は、所与の多孔度のフィルターにより保持される粒子の質量分率または他の尺度で表したとき、数値的または物理的のいずれかで所与の閾値よりもサイズが大きい粒子分布の粒子を意味する。
本発明の実施形態は、脂質やタンパク質などの栄養素が豊富でヒトが摂取するのに好適な微細藻バイオマスに関する。たとえば、微細藻類は、脂質が豊富でありうる。たとえば、微細藻バイオマスは、乾燥重量基準で少なくとも10%の脂質、好ましくは乾燥重量基準で少なくとも25〜35%またはそれ以上の脂質を含みうる。
好ましい実施形態では、バイオマスは、乾燥細胞重量基準で少なくとも25%、少なくとも50%、または少なくとも75%の脂質を含有する。産生される脂質は、ドコサヘキサエン酸(DHA)などの高度不飽和脂肪酸(HUFA)を2%未満含む脂肪酸プロファイルを有しうる。
好ましい実施形態では、微細藻類は、クロレラ属(Chlorella)である。クロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides)は、微細藻粉の調製に使用するのに好適なそのような微細藻類種の1つである。
本発明の実施形態は、特定の粒子サイズ分布、フロー能、および湿潤性を有する微細藻粉顆粒に関する。
本発明の実施形態はまた、特定の緩め嵩密度および比表面積パラメーターさらには優れた水中分散能を有する微細藻粉顆粒に関する。
本発明の実施形態は、この微細藻粉顆粒の調製プロセスに関する。
微細藻粉では、微細藻細胞壁または細胞デブリは、任意選択で、油を含有する食品製品が少なくとも調理されるまで油をカプセル化することにより、油の貯蔵寿命を増加させることが可能である。
微細藻粉はまた、微量栄養素、食物繊維(可溶性および不溶性の炭水化物)、リン脂質、糖タンパク質、フィトステロール、トコフェロール、トコトリエノール、セレンなどの他の有益物を提供しうる。
微細藻類は、低減された色素量を有するように改変されうる。たとえば、クロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides)は、色素が低減されるようにまたは色素を含まないように改変されうる。改変は、紫外線(UV)および/または化学的突然変異誘発により達成されうる。
たとえば、クロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides)をN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)による化学的突然変異誘発サイクルに付して、コロニーを色彩突然変異体に関してスクリーニングした。次いで、色彩を示さないコロニーをUV照射サイクルに付した。
クロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides)の色素低減株を単離した。これは、ブダペスト条約(Treaty of Budapest)に準拠してアメリカンタイプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection)(10801 University Boulevard,Manassas,Virginia 20110−2209)に2009年10月13日に寄託されたクロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides)33−55に対応する。
他の実施形態では、色素形成が低減されたクロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides)株を単離した。これは、アメリカンタイプカルチャーコレクション(American Type Culture Collection)に2009年10月13日に寄託されたクロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides)25−32に対応する。
本発明の実施形態のいずれかによれば、微細藻類(たとえば、クロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides))は、光の不在下(従属栄養条件)で固定炭素源(たとえばグルコース)および窒素源を含有する培地で養殖される。得られる微細藻粉は、黄色、淡黄色、または白色でありうる。また、任意選択で、乾燥細胞重量基準の脂質含有率で30〜70、40〜60、または約50%の脂質を有しうる。黄色〜白色は、500ppm、50ppm、または5ppm未満のクロロフィル含有率から生じうる。
固体および液体の増殖培地については、文献が一般に利用可能であり、多種多様な微生物株に好適な特定の培地を調製するための推奨事項については、たとえば、Austinにあるテキサス大学(University of Texas)の藻類カルチャーコレクション(UTEX)により維持されているサイトhttp://www.utex.org/にオンラインで見いだしうる。
バイオマスの製造は、バイオリアクターで実施可能である。バイオリアクター、培養条件、および従属栄養増殖および繁殖方法の特定例は、微生物増殖ならびに脂質および/またはタンパク質産生の効率を向上させるために、任意の適切な方式で組合せ可能である。好ましくは、微細藻類の培養は、固定炭素源(たとえば、糖および/またはグリセロール)の存在下で暗所で行われる。
食品組成物などの用途でバイオマスを調製するために、発酵の終了時に得られたバイオマスは、発酵培地から収集される。微細藻バイオマスが発酵培地から収集される時点では、バイオマスは、ほとんどが水性培養培地中に懸濁された状態の無傷細胞を含む。
次いで、バイオマスを濃縮するために、濾過または遠心分離による固液分離工程を実施しうる。
濃縮後、微細藻バイオマスは、真空パックケーク、藻フレーク、藻ホモジネート、藻粉末、藻粉、または藻油を製造するために処理可能である。
微細藻バイオマスはまた、後続処理を容易にするためにまたはその種々の用途とくに食品用途でバイオマスを使用するために乾燥されうる。
最終食品製品は、藻バイオマスが乾燥されているかに依存しておよび乾燥されている場合は使用した乾燥方法に従って、種々の食感を有する(たとえば、米国特許第6,607,900号明細書、米国特許第6,372,460号明細書、および米国特許第6,255,505号明細書を参照されたい)。
その際、スプレー乾燥機では、加熱空気ストリーム中に微細なドロップレットのディスパージョンの形態で液体サスペンジョンがスプレーされる。連行された材料は、急速に乾燥され、乾燥粉末を形成する。
この微細藻粉は、機械的に溶解されてホモジナイズされた濃縮微細藻バイオマスから調製されうる。その際、ホモジネートは、スプレー乾燥またはフラッシュ乾燥されうる。
一実施形態では、細胞は、溶解されうる。細胞壁および細胞内成分は、ミル処理されうるか、または他の方法で、たとえばホモジナイザーを用いて、粒子(非アグロメレート化溶解細胞)に粉砕されうる。特定の実施形態では、得られる粒子は、500μm、100μm未満、さらには10μm以下の平均サイズを有しうる。
本発明の一実施形態では、こうして得られた溶解細胞は、乾燥される。
たとえば、細胞を溶解させるために、圧力破砕機を用いて、細胞を含有するサスペンジョンを制限オリフィスにポンプ注入することが可能である。高圧(たとえば1500barまで)を印加した後、ノズルを介して即時に膨張が起こる。
細胞の破砕は、細胞を破裂させる3つの異なる機構、すなわち、バルブへの侵入、オリフィス中での液体の高剪断、および出口での突然の圧力低下により起こりうる。
本方法では、細胞内分子を放出させる。NIROホモジナイザー(GEA NIRO SOAVI)(または任意の他の高圧ホモジナイザー)を用いて、細胞を破砕することが可能である。
藻バイオマスのこの高圧処理(たとえば、約1500バーまで)では、細胞の90%超を溶解させうる。また、粒子サイズを低減させうる(たとえば、約5ミクロン未満に)。一実施形態では、圧力は、約900bar〜1,200barである。好ましくは、圧力は、約1,100barである。他の実施形態では、藻バイオマスは、溶解細胞のパーセントを増加させるために、高圧処理に2回以上付される。一実施形態では、ダブルホモジナイゼーションを用いて、細胞溶解を50%超、75%超、または90%超増加させる。この技術を用いて、約95%の溶解が観測された。
細胞の溶解は、任意選択であるが、高脂質粉(たとえば、乾燥重量基準で>10%の脂質)を製造する場合は好ましい。一実施形態では、高タンパク質粉(たとえば、乾燥重量基準で10%未満の脂質)が製造される。高タンパク質粉は、非溶解(無傷細胞)形態でありうる。いくつかの食品用途では、部分溶解(たとえば、細胞の25%〜75%が溶解される)が望ましい。
他の選択肢としてまたは追加として、ビーズミルが使用される。ビーズミルでは、細胞は、小さいアブレシブ粒子を用いてサスペンジョン状態でアジテートされる。細胞の破砕は、剪断力、ビーズ間でのミル処理、およびビーズとの衝突により引き起こされる。これらのビーズは、細胞を破砕してそれから細胞内容物を放出させる。好適なビーズミルの説明は、たとえば、米国特許第5,330,913号明細書に与えられている。
「水中油型」エマルジョン形態の粒子(任意選択で元の細胞よりも小さいサイズのもの)のサスペンジョンが得られうる。次いで、このエマルジョンをスプレー乾燥させて、細胞デブリと油とを含有する乾燥粉末を残存させうる。乾燥後、粉末の含水率または含湿率は、10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは3%未満でありうる。
本発明の実施形態では、有利な色彩、粒子サイズ分布、フロー性、湿潤性、緩め嵩密度、比表面積、エマルジョンドロップレットサイズとζ電位とにより測定される水中分散性挙動などの特定の性質を有する顆粒を提供することにより、先行技術の微細藻粉に付随する上述した問題を解決する。
本発明の実施形態に係る特定の微細藻粉顆粒は、以下の性質、すなわち、
− 2〜400μmの単一モード粒子サイズ分布(たとえば、COULTER(登録商標)LSレーザー粒子サイズアナライザーで測定される)、
− 0.5〜60重量%の2000μmオーバーサイズ、0.5〜60重量%の1400μmオーバーサイズ、かつ0.5〜95重量%の800μmオーバーサイズのフローグレード(試験Aに従って決定される)、
− 0.2〜4.0cm、好ましくは1.0〜3.0cmの値の湿潤度(試験Bに従ってビーカー(600mL低形125mm高ビーカー、たとえば、Fisher Scientific製品コードFB33114)内に沈降した生成物の高さにより表される)、の1つ以上を有することを特徴とする。
本発明に係る微細藻粉顆粒は、その粒子サイズ分布により特徴付けられうる。この測定は、製造業者により提供される仕様書(たとえば、「少量モジュール操作指示書」)に従って、少量ディスパージョンモジュールまたはSVM(125ml)を備えたCOULTER(登録商標)LSレーザー粒子サイズアナライザーで実施されうる。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
以下の特性、すなわち、
− 2〜400μmの粒子サイズ分布、
− 試験Aに従って決定されるフローグレード、
○ 0.5〜60重量%の2000μmオーバーサイズ、
○ 0.5〜60重量%の1400μmオーバーサイズ、
○ 0.5〜95重量%の800μmオーバーサイズ、
− 試験Bに従って高さ125mmの600mLビーカー内に沈降した生成物の高さにより表される0.2〜4.0cm、好ましくは1.0〜3.0cmの値の湿潤度、
の少なくとも1つを有することを特徴とする微細藻粉顆粒。
(項目2)
− 試験Aに従って決定されるフローグレード、
○ 30〜60重量%の2000μmオーバーサイズ、
○ 20〜60重量%の1400μmオーバーサイズ、
○ 0.5〜20重量%の800μmオーバーサイズ、
− 試験Bに従ってビーカー内に沈降した生成物の高さにより表される0.2〜2.0cm、好ましくは1.2〜1.4cmの値の湿潤度、
を有することを特徴とする、項目1に記載の顆粒。
(項目3)
− 試験Aに従って決定されるフローグレード、
○ 0.5〜20重量%の2000μmオーバーサイズ、
○ 0.5〜20重量%の1400μmオーバーサイズ、
○ 60〜95%の800μmオーバーサイズ、
− 試験Bに従ってビーカー内に沈降した生成物の高さにより表される2.0〜4.0cm、好ましくは2.6〜2.9cmの値の湿潤度、
を有することを特徴とする、項目1に記載の顆粒。
(項目4)
0.30〜0.50g/mlの緩め嵩密度を有することを特徴とする、項目1〜3のいずれか一項に記載の顆粒。
(項目5)
BET法に従って0.10〜0.70m /gの比表面積を有することを特徴とする、項目1〜4のいずれか一項に記載の顆粒。
(項目6)
BET法に従って0.50〜0.70m /g、好ましくは0.55m /gの比表面積を有することを特徴とする、項目2に記載の顆粒。
(項目7)
BET法に従って0.15〜0.25m /g、好ましくは0.20m /gの比表面積を有することを特徴とする、項目3に記載の顆粒。
(項目8)
水中分散性が、
− pH>5で−55mVのζ電位および2.4のpI
に反映されることを特徴とする、項目1〜7のいずれか一項に記載の顆粒。
(項目9)
以下の工程、すなわち、
1)乾燥重量基準で15〜40%の乾物含有率の水中微細藻粉エマルジョンを調製する工程と、
2)このエマルジョンを高圧ホモジナイザーに導入する工程と、
3)それを底部に移動ベルトおよび上部に高圧ノズルを備えた垂直スプレー乾燥機内にスプレーし、それと同時に、
a)スプレーされるドロップレットの粒子サイズ分布を選択すべく、スプレーノズルに印加される圧力が100bar超の値または50bar未満の値になるように、
b)160〜250℃または160°〜200°または170°〜190°の入口温度で、スプレー角度が60°〜75°になるように、かつ
c)このスプレー乾燥ゾーンの出口温度が55〜90℃になるように、
調整する工程と、
4)前記移動ベルト上の前記乾燥ゾーンの前記入口温度を40〜80℃にかつ前記出口温度を50〜70℃に調整し、かつ冷却ゾーンの入口温度を10〜30℃の温度にかつ出口温度を20℃〜60℃に調整する工程と、
5)こうして得られた微細藻粉顆粒を捕集する工程と、
を含むことを特徴とする、項目1〜8のいずれか一項に記載の顆粒の調製プロセス。
(項目10)
− 前記スプレーノズルに印加される圧力が100bar以上であり、
− 前記スプレー角度が65〜70°である、
ことを特徴とする、項目2に記載の顆粒を調製するための項目9に記載のプロセス。
(項目11)
− 前記スプレーノズルに印加される圧力が50bar以下であり、
− 前記スプレー角度が65〜70°である、
ことを特徴とする、項目3に記載の顆粒を調製するための項目9に記載のプロセス。
(項目12)
食品における、項目1〜8のいずれか一項に記載されるまたは項目9〜11のいずれか一項に記載のプロセスに従って得られる顆粒の使用。
(項目13)
食品における、項目2に記載されるまたは項目10に記載のプロセスに従って得られる顆粒の使用。
(項目14)
食品における、項目3に記載されるまたは項目11に記載のプロセスに従って得られる顆粒の使用。
(項目15)
以下の工程、すなわち、
1)水中微細藻粉エマルジョンを調製する工程と、
2)前記エマルジョンをホモジナイズする工程と、
3)前記ホモジナイズされたエマルジョンを垂直スプレー乾燥機内にスプレーする工程と、
4)移動ベルト上の乾燥ゾーンの入口温度を調整する工程と、
5)こうして得られた微細藻粉顆粒を捕集する工程と、
を含むことを特徴とする、微細藻粉の粒子サイズ、流動性、および湿潤性の少なくとも1つを制御するための方法。
(項目16)
前記捕集された粉顆粒が粒子サイズの単一モード分布により特徴付けられる、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記捕集された粉顆粒が試験Bに従って0.2〜4.0cmの値により特徴付けられる、項目15または16に記載の方法。
(項目18)
前記値が1.0〜3.0cmである、項目17に記載の方法。
(項目19)
第1の集団が1.2〜1.4cmの試験B値を有し、かつ第2の集団が2.6〜2.9cmの試験B値を有する、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記微細藻粉の緩め嵩密度が0.3〜0.5g/mlである、項目15〜19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記微細藻粉が0.1〜0.7m /gの比表面積を有する、項目15〜21のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
前記微細藻粉が、試験Cに従って水中に分散したときに、0.1〜1μmの値を中心とするドロップレットの第1の集団と、1〜10μmの値を中心とするドロップレットの第2の集団と、により特徴付けられる、項目15〜21のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
粒子が−40mV以下のζ電位を有する、項目15〜22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
項目15〜23のいずれか一項に従って作製される微細藻粉。
(項目25)
溶解させてボックス乾燥機内でスプレー乾燥させたときに微細藻粉の粒子の大部分が2000ミクロンフィルターを通り抜けることを特徴とする細胞である高脂質濃度を有する微細藻細胞から作製される微細藻粉。
(項目26)
前記粉がFiltermat乾燥により作製される、項目25に記載の微細藻粉。
(項目27)
項目1〜8のいずれか一項に記載の顆粒を含有する食品製品。
(項目28)
前記製品が、スープ、ソース、調味剤、アイスクリーム、乾燥卵、ドウ、パン、ケーキ、クッキー、または乾燥ベーク品ミックスからなる群から選択される、項目27に記載の食品製品。
(項目29)
前記顆粒中の脂質の量が乾燥細胞重量基準で少なくとも25%である、項目1〜8のいずれか一項に記載の顆粒。
(項目30)
前記顆粒が溶解細胞および無傷細胞の両方を含有し、かつ前記無傷細胞の%が25%〜75%である、項目1〜8のいずれか一項に記載の顆粒。
例示的な実施形態では、微細藻粉顆粒は、以下の性質、すなわち、
− 乾燥細胞重量基準で45〜55%の脂質、
− 0.37±20%の緩め密度、
− 0.61±20%の嵩密度、
− 39.3±20%の%圧縮、
− 18.4±20%の2000μm凝集度、
− 46.4±20%の1400μm凝集度、
− 12±20%の800μm凝集度、
− 2mm±20%の湿潤度、
− 9.1±20%のモードを有する粒子サイズ分布、
− 10.6±20%のD[4,3]を有する粒子サイズ分布、
− 19.5±20%のD90(分布の90%がこの値よりも小さい直径である)を有する粒子サイズ分布、および
0.4m/g±20%の表面積、
の1つ以上により特徴付けられる。
より特定の実施形態では、微細藻粉顆粒は、以下の性質、すなわち、
− 乾燥細胞重量基準で45〜55%の脂質、
− 0.37±20%の緩め密度、
− 0.61±20%の嵩密度、
− 39.3±20%の%圧縮、
− 18.4±20%の2000μm凝集度、
− 46.4±20%の1400μm凝集度、
− 12±20%の800μm凝集度、
− 2mm±20%の湿潤度、
− 9.1±20%のモードを有する粒子サイズ分布、
− 10.6±20%のD[4,3]を有する粒子サイズ分布、
− 19.5±20%のD90(分布の90%がこの値よりも小さい直径である)を有する粒子サイズ分布、および
− 0.4m/g±20%の表面積、
のすべてにより特徴付け可能である。
本発明の一実施形態では、微細藻粉粒子は、処理時にアグロメレート化される。アグロメレーションにもかかわらず、本発明に係る微細藻粉顆粒はまた、試験Aに従ってかなり満足すべきフロー能を有する。得られるフロー性は、微細藻粉から食品を製造するうえで種々の利点を提供する。たとえば、食品製品の製造時、粉量のより正確な測定を行いうる。また、粉アリコートの分配をより容易に自動化しうる。
試験Aは、本発明に係る微細藻粉顆粒の凝集度の測定からなる。最初に、本発明に係る微細藻粉顆粒を800μmのメッシュサイズで篩処理する。次いで、800μm未満のサイズを有する粉顆粒を回収して密閉容器に導入し、かつたとえばTURBULA型T2C実験室ミキサーを用いて、エピサイクロイド運動による混合を行う。この混合により、本発明に係る微細藻粉顆粒は、それ自体の特性に従って、アグロメレート化されるかまたは互いに押しのけ合うであろう。
次いで、こうして混合された顆粒は、さらなる篩処理のために3つの篩(2000μm、1400μm、800μm)のカラムに堆積される。
篩処理の終了後、各篩上のオーバーサイズを定量し、その結果により微細藻粉顆粒の「凝集性」または「固着性」の説明を与える。
したがって、フリーフロー性つまり弱凝集性の粉末の顆粒は、大きいメッシュサイズの篩を通って流動するであろうが、前記篩のメッシュがより細かくなると、漸増的に停止されるであろう。
粒子サイズの測定プロトコルは、以下のとおりである。
− 800μmの篩で十分な生成物を篩処理して800μm未満のサイズの50gの生成物を回収する。
− 800μm未満のサイズのこの50gの粉顆粒を1リットルの容積のガラスジャー(参照:BVBL Verrerie Villeurbannaise−Villeurbanne France)に導入して蓋を閉じる。
− このジャーを42rpmの速度に設定されたTURBULAモデルT2Cミキサー(Willy A.Bachofen Sarl−Sausheim−France)内に配置して5分間混合する。
− Fritsch篩振盪機モデルPulverisetteタイプ00.502上に配置される3つの篩のカラム(SAULASにより販売−直径200mm、Paisy Cosdon−France)を用意する。底部から出発して頂部の方向に集合体の詳細:篩振盪機、篩台、800μmの篩、1400μmの篩、2000μmの篩、篩振盪機蓋。
− カラムの頂部で混合して得られた粉末を堆積させ(2000μmの篩)、篩振盪機蓋を閉じ、連続位置の振幅5でFRITSCH篩振盪機上で5分間篩処理する。
− 各篩上のオーバーサイズを秤量する。
一実施形態では、微細藻粉は、以下の凝集度パラメーター、すなわち、
○ 0.5〜55重量%の2000μmオーバーサイズ、
○ 0.5〜60重量%の1400μmオーバーサイズ、
○ 0.5〜30重量%の800μmオーバーサイズ、
の1つ以上により特徴付けられる。
比較として、これ以降に示されるように、従来の乾燥技術(単効用スプレー乾燥、たとえば、高形乾燥機またはボックス乾燥機)により調製された微細藻粉粉末は、低流動性の固着性状を呈し、これは、試験Aに基づく挙動、すなわち、
− 50〜90重量%の2000μmオーバーサイズ、
− 0.5〜30重量%の1400μmオーバーサイズ、
− 5〜40重量%の800μmオーバーサイズ、
に反映される。
言い換えれば、そのような微細藻粉粉末の大部分(粉末の少なくとも50%)は、最初に800μmで篩処理されたにもかかわらず、どうしても2000μmの閾値を通過しない。
もっと正確に言えば、これらの結果から、従来の乾燥技術では、混合後、力学的エネルギーをほとんど用いずに、800μm未満の粒子は、2.5倍のメッシュサイズを有するにもかかわらず2000μmの篩を通り抜けないので、非常に凝集性の粉末が生成されることが実証される。
そのような挙動を呈する従来の粉末は、成分の均一分布が推奨される調製物の処理が簡単ではないことが、それから容易に推定される。
反対に、本発明の実施形態に係る微細藻粉組成物(とくに高脂質微細藻穀粉組成物、たとえば、乾燥細胞重量基準で30〜70%の脂質)は、それほど固着性ではないので、処理がかなり簡単になる。固着性レベルが低いことは、小さい顆粒サイズ、高い湿潤性、および改良された流動性を含めて、いくつかの尺度から明らかである。
本発明の実施形態に係る微細藻粉顆粒は、ごくわずかの2000μmオーバーサイズ(たとえば、<50%)を呈するにすぎない。本明細書に開示される方法に従って製造された微細藻粉粒子は、従来の方法により調製された顆粒ほど凝集性ではないと考えられる。
本発明に係る微細藻粉顆粒は、試験Bに従って湿潤性の注目すべき性質により特徴付けられる。
湿潤性は、たとえば乳業では、水中に再懸濁される粉末を特徴付けるために非常によく使用される技術的性質である。
湿潤性は、水の表面に堆積された後に浸漬状態になる粉末の能力により測定されうる(Haugaard Sorensen et al.,1978)。これは、その表面で水を吸収する粉末の能力を反映する(Cayot et Lorient,1998)。
この指数の測定は、従来方式では、特定量の粉末が静止状態の自由表面を介して水中に浸透するのに必要な時間を測定することからなる。Haugaard Sorensen
et al.(1978)によれば、浸透する時間が20秒未満であれば、粉末は「湿潤性」であると言われる。
また、粉末が膨潤する能力を湿潤性に関連付けることが必要である。実際に、粉末は、水を吸収すると徐々に膨潤する。次いで、種々の成分が可溶化または分散されて粉末の構造が消失する。
湿潤性に影響を及ぼす因子には、大きい一次粒子の存在、微粉の存在、粉末の密度、粉末粒子の多孔度および毛管作用、さらには空気の存在、粉末粒子の表面の脂肪の存在、および再構成条件が含まれる。
より特定的には、試験Bでは、水の表面に配置した時にデカントする粉末の高さを特定の接触時間後に測定することにより、水に接触した微細藻粉粉末の挙動が報告される。
試験Bのプロトコルは、以下のとおりである。
− 20℃の500mlの脱塩(脱イオン)水を600ml低形ビーカー(FISHERBRAND FB33114)に導入する。
− 25gの微細藻粉粉末を混合することなく水の表面に均一に配置する。
− 3時間の接触後に粉末の挙動を観察する。
− 水の表面に浸透してビーカーの底に沈降した生成物の高さを測定する。
低い湿潤性の粉末は、液体の表面に残留するであろうが、より良好な湿潤性の粉末では、より多くの材料がビーカーの底に沈降するであろう。
その際、本発明に係る微細藻粉顆粒は、0.2〜4.0cm、好ましくは1.0〜3.0cmの値の湿潤度(この試験Bに従ってビーカー内に沈降した生成物の高さにより表される)を有する。
より特定的には、
− 微細粒子サイズの第1のファミリーは、0.2〜2.0cm、好ましくは1.2〜1.4cmの沈降生成物高さを有する。
− 大粒子サイズの第2のファミリーは、2.0〜4.0cm、好ましくは2.6〜2.9cmの沈降生成物高さを有する。
比較として、単効用スプレー乾燥により従来方式で乾燥させた微細藻粉は、以上に記載の粉よりも長時間にわたり水の表面に留まり、ビーカーの底にデカントできるほど十分に水和した状態にはならない。
本発明の実施形態に係る微細藻粉顆粒はまた、
− その緩め嵩密度、
− その比表面積、および
− 水中分散後のその挙動、
により特徴付けられる。
緩め嵩密度は、緩め嵩密度を測定する従来の方法を用いて、すなわち、既知の容積の空容器の質量(g)を測定することによりかつ試験対象の生成物が充填された同一容器の質量を測定することにより、決定される。
次いで、充填容器の質量と空容器の質量との差を容積(ml)で割り算して、緩め嵩密度の値を与える。
この試験では、100ml容器、充填に使用されるスコップ、および使用されるスクレーパーは、POWDER TESTERタイプPTEという商標で細川(HOSOKAWA)社により販売されている装置と共に供給される。
測定を行うために、生成物を2000μmの目開きの篩(SAULASにより販売)に通して篩分ける。密度は、スクリーン上に保持されない生成物に関して測定される。
これらの条件下で、本発明の実施形態に係る微細藻粉顆粒は、0.30〜0.50g/mlの緩め嵩密度を有しうる。特定の実施形態では、嵩密度は、0.37g/ml±20%である。
この緩め嵩密度値は、本発明の実施形態に係る微細藻粉顆粒が従来方式で乾燥させた微細藻粉よりも高い密度を有するので、いっそう注目に値する。生成物の密度は、従来のスプレー乾燥により調製した場合、より低い、たとえば、0.30g/ml未満であろうと考えられる。
本発明の実施形態に係る微細藻粉顆粒はまた、その比表面積により特徴付けられうる。
比表面積は、たとえば、S.BRUNAUERらの論文BET Surface Area by Nitrogen Absorption(Journal of American Chemical Society,60,309,1938)に記載の技術に従って、Beckmann Coulter製のSA3100装置で実施される、分析に付される生成物の表面上への窒素吸収試験に基づいて、Quantachrome比表面積アナライザーにより、微細藻粉顆粒の粒子サイズ分布全体にわたり決定される。
本発明の一実施形態に係る微細藻粉顆粒は、真空下30℃で30分間脱気した後、0.10〜0.70m/gの比表面積を有することが判明した。特定の実施形態では、BET法による粉の比表面積は、0.3〜0.6である。さらにより特定の実施形態では、BET法による粉の比表面積は、0.4±20%である。
比較として、従来のスプレー乾燥により乾燥させた微細藻粉は、BETにより0.65m/gの比表面積を有することが判明した。
大顆粒は、アグロメレート化されたより小さい粒子で構成される傾向があるので、微細藻粉顆粒のサイズが大きくなるほど、その比表面積が小さくなることが確認されることは、驚くべきことである。
最後に、本発明に係る微細藻粉顆粒は、その水中分散性により特徴付けられる。
この分散性は、次の方法(試験C)で測定される。すなわち、0.50gの微細藻粉顆粒を500mlの脱塩(脱イオン)水中に分散させ、次いで、NIRO SOAVI社により販売されているPANDAホモジナイザーにより300barで溶液をホモジナイズする。
生成物の水中分散能に関連付けられる以下の2つのパラメーターを測定する。
− ホモジナイズした後に形成されたエマルジョンのドロップレットサイズ(試験C−1)、
− 「連続」水性相中の不連続相(疎水性小滴)の安定性に関与する静電反発電荷を表すドロップレットのζ電位(試験C−2)。
ドロップレットサイズの測定は、COULTER(登録商標)LSレーザー粒子サイズアナライザーで実施されうる。こうして分散された微細藻粉顆粒は、エマルジョンまたはサスペンジョンを形成し、その粒子サイズ分布は、0.4および4μmを中心とするドロップレットまたは粒子の2つの集団を有することが、測定から明らかにされる。
比較として、従来の微細藻粉を用いて同一条件下で得られたエマルジョンまたはサスペンジョンは、その代わりに、0.08μmおよび0.4μmを中心とする2つの集団により特徴付けられる。
本発明の一実施形態によれば、形成されたエマルジョンまたはサスペンジョンは、0.1〜1μmの値を中心とするドロップレットまたは粒子の第1の集団と、1〜10μmの値を中心とするドロップレットまたは粒子の第2の集団と、を有する。
したがって、水中に分散された本発明に係る微細藻粉顆粒は、従来方式で乾燥させた微細藻粉末を用いて従来方式で得られたものほど微細でないエマルジョンまたはサスペンジョンを形成する傾向を有する。
ζ電位(「ZP」と略記される)に関して、それによりコロイド系の安定性ならびにコアレッセンスおよび/またはアグリゲーション状態を予測することが可能である。
測定原理は、交番電界に付された電解質の電気泳動移動度に基づく。
ZPの絶対値が大きくなるほど、エマルジョンは、より安定になると考えられる。
ZP=0mVは、コアレッセンス化および/またはアグリゲート化した状態を象徴することに留意すべきである。
安定性測定を実施するために、0.1N塩酸を添加してZPを変化させることにより、ZP=0mVの等電点(「pI」と略記される)を見いだす。
一実施形態では、微細藻粉のZPは、−40mV未満、好ましくは−45mV未満である。さらなる実施形態では、ZPは、約−55mVである。本発明に係る微細藻粉顆粒で実施された測定から、pH>5かつ−55mVのZPで安定であることが示される。それらのpIは、2.4である。
比較として、従来の微細藻粉は、−40mVのZPでその安定範囲(4.5のpHから開始される)を有するため、本発明に係る顆粒とは異なる。それらのpIは、2.5である。
本発明の以上に記載の実施形態の1つ以上に係る微細藻粉顆粒は、塔の底部の移動ベルトに向って粒子を方向付ける並流フロー塔内で高圧スプレーノズルを使用するスプレー乾燥プロセスにより得ること可能である。
次いで、材料を多孔性層として後乾燥ゾーンおよび冷却ゾーンに通して輸送することにより、ベルトの終端で破壊するケークのようなクランチ性構造を与える。次いで、材料を所望の平均粒子サイズになるように処理する。
藻粉の顆粒化を実施するために、このスプレー乾燥の原理に従って、たとえば、GEA
NIRO社により販売されているFILTERMAT(商標)スプレー乾燥機またはTETRA PAK社により販売されているTETRA MAGNA PROLAC DRYER(商標)乾燥システムを使用することが可能である。
驚くべきことにかつ予想外なことに、たとえば、このFiltermat(商標)プロセスを実行することにより微細藻粉の顆粒化を行うと、粒子サイズ分布および流動性に関して高収率で本発明に係る生成物を調製することが可能になるだけでなく、必ずしも顆粒化バインダーやケーキング防止剤を必要とすることなく(ただし、これらは、任意選択で含まれていてもよい)、湿潤性および水中分散性の予想外な性質を付与することも可能になる。
したがって、本発明の一実施形態によれば、本発明に係る微細藻粉顆粒の調製プロセスは、以下の工程、すなわち、
1)乾燥重量基準で15〜40%の乾物含有率の水中微細藻粉エマルジョンを調製する工程と、
2)このエマルジョンを高圧ホモジナイザーに導入する工程と、
3)それを底部に移動ベルトおよび上部に高圧ノズルを備えた垂直スプレー乾燥機内にスプレーし、それと同時に、
a)スプレーされるドロップレットの粒子サイズ分布を選択すべく、スプレーノズルに印加される圧力が200bar超、200〜150bar、150〜100bar、100〜50bar、50〜25barの値、または25bar未満の値になるように、
b)160〜250℃または160°〜200°または170°〜190°の入口温度で、スプレー角度が50°〜80°になるように、かつ
c)このスプレー乾燥ゾーンの出口温度が55〜90℃、好ましくは60℃〜70℃になるように、
調整する工程と、
4)移動ベルト上の乾燥ゾーンの入口温度を40〜80℃、好ましくは60℃〜70℃に、かつ出口温度を40℃〜80℃、好ましくは60℃〜70℃に調整し、しかも冷却ゾーンの入口温度を10℃〜40℃、好ましくは10℃〜20℃の温度に、かつ出口温度を20〜80℃、好ましくは50〜80℃に調整する工程と、
5)こうして得られた微細藻粉顆粒を捕集する工程と、
を含む。
本発明に係るプロセスの第1の工程は、乾燥重量基準で15〜40%の乾物含有率の水中の脂質リッチ(たとえば、乾燥細胞重量基準で30〜70%または40〜60%の脂質)微細藻粉のサスペンジョンを調製することである。
発酵の終了時、バイオマスは、約50%の脂質含有率、10〜50%の繊維含有率、2〜15%のタンパク質含有率、および10%未満の糖含有率を有して、130〜250g/lの濃度でありうる。
これ以降で例証されるように、当業者に公知の任意の手段による発酵培地からのバイオマスは、後続的に、
− 濃縮され(たとえば、遠心分離により)、
− 任意選択で、標準的保存剤(たとえば、安息香酸ナトリウムおよびソルビン酸カリウム)を添加して保存され、
− 細胞破砕される。
その際、エマルジョンをホモジナイズしうる。これは、二段式デバイス、たとえば、APV社により販売されているGAULINホモジナイザーを用いて、第1段を100〜250barかつ第2段を10〜60barの圧力にして、達成されうる。
次いで、ホモジナイズされた粉サスペンジョンを、底部に移動ベルトおよび上部に高圧ノズルを備えた垂直スプレー乾燥機内に、スプレーする。
このプロセス時、以下のパラメーターを所望の粒子性を与える任意の範囲内に調整しうる。
a)スプレーノズルに印加される圧力は、スプレーされるドロップレットの粒子サイズ分布を選択すべく、たとえば、100bar以上の値または50bar以下の値であり、
b)スプレー角度は、たとえば、160〜250℃、好ましくは170°〜190°の入口温度で、60〜75℃であり、
c)出口温度は、たとえば、55〜90℃、好ましくは60℃〜70℃である。
印加圧力およびスプレー角度は、ベルト上のケークのテクスチャーおよび次いで得られる粒子サイズ分布を決定するうえで重要なパラメーターであると考えられる。
ベルトは、藻材料を乾燥ゾーン内に、次いで、冷却ゾーン内に移動する。移動ベルト上の乾燥ゾーンの入口温度は、40〜80℃、好ましくは70℃〜80℃でありうる。また、出口温度は、50〜70℃、好ましくは60℃〜70℃でありうる。冷却ゾーンの入口温度は、10〜40℃でありうる。また、出口温度は、20〜60℃でありうる。
微細藻粉顆粒は、本発明に係るプロセスの前工程の条件に応じて、2〜4%の残留含湿率で移動ベルト上に落下する。
以上に挙げた温度範囲を用いると、微細藻粉顆粒の含湿度は、4%未満、より好ましくは2%未満の所望の値になりうる。
任意選択で、鮮度を維持するために、乾燥前に酸化防止剤(たとえば、BHA、BHT、または当技術分野で公知の他のもの)を添加することが可能である。
本発明に係るプロセスの最終工程は、最後に、こうして得られた微細藻粉顆粒を捕集することである。
本明細書に記載の実施形態に従って製造された粉顆粒は、スープ、ソース、調味剤、アイスクリーム、乾燥卵、ドウ、パン、ケーキ、クッキー、乾燥ベーク品ミックスなどの食品製品に組み込まれうる。
本発明の他の特徴および利点は、以下の実施例を読めば明らかになるであろう。しかしながら、それらは、例示として本明細書に与えられているにすぎず、限定されるものではない。
実施例1 微細藻粉の生成
例示的な発酵では、クロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides)の低色素突然変異株(化学的突然変異誘発およびUV突然変異誘発により得られる)を乾燥細胞重量基準で約50%の脂質含有率になるまで暗所で培養した。また、得られた藻バイオマスは、150g/Lの細胞濃度であった。低色素形成クロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides)を生成および培養する方法は、2010年11月25日に発行された米国特許出願公開第2010−0297292号明細書に開示されている。
ビーズミルを用いてバイオマスを95%の溶解率でミル処理した。
こうして作製されたバイオマスをパスツール殺菌し、そして水酸化カリウムでpHを7に調整した後、GAUVIN二段式ホモジナイザー(第1段は250bar/第2段は50bar)を用いて圧力下でホモジナイズした。
実施例2 ホモジナイズされた「水中油型」微細藻粉エマルジョンの乾燥
実施例1で得られたバイオマスを、
− 微細藻粉を得るべく、FILTERMAT装置を用いて、
− 対照微細藻粉を得るべく、市販品に基づいて、GEA NIROにより販売されている単効用スプレー乾燥機(液体をシングルパスで熱フローに通して乾燥させ、次いで、塔の底部のサイクロンまたはスリーブフィルターのレベルで回収する)を用いて、
乾燥させた。
単効用スプレー乾燥操作条件は、以下のとおりであった。
− 170℃〜190℃の入口温度
− 出口温度:60℃〜70℃。
単効用スプレー乾燥で得られた生成物は、40μmを中心とする微細粒子サイズ分布を有していた。
本発明の実施形態に係るスプレー乾燥プロセスに関して、それは、ホモジナイズされたサスペンジョンを、以下の条件下で、DELAVAN高圧注入ノズルを備えたGEA/NIRO社により販売されているFILTERMAT装置内に、高圧でスプレーすることからなっていた。
1)微細粒子サイズの顆粒を得るべく、
− スプレー角度を60〜75°に調整し、
− 圧力を100〜150barに調整し、
2)大粒子サイズの顆粒を得るべく、
− スプレー角度を60〜75°に調整し、
− 圧力を50bar未満に調整し、
次いで、所期の2つの粒子サイズに対して類似の方法で、温度パラメーターを以下のように調整した。
− スプレー乾燥入口温度:170℃〜190℃
− 出口温度:60℃〜70℃
− 乾燥ゾーン入口温度:70℃〜90℃
− 出口温度:50〜80℃
− 冷却ゾーン入口温度:15℃
実施例3 本発明の実施形態に係る微細藻粉顆粒の特徴付け
実施例1〜2のようにFiltermat乾燥クロレラ・プロトテコイデス(Chlorella protothecoides)から微細藻粉を作製した。粒子の特徴付けは、表3−1に与えられる。

Claims (1)

  1. 本明細書に記載の発明。
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