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JP2018024176A - 造形装置及び造形方法 - Google Patents

造形装置及び造形方法 Download PDF

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JP2018024176A JP2016157684A JP2016157684A JP2018024176A JP 2018024176 A JP2018024176 A JP 2018024176A JP 2016157684 A JP2016157684 A JP 2016157684A JP 2016157684 A JP2016157684 A JP 2016157684A JP 2018024176 A JP2018024176 A JP 2018024176A
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Abstract

【課題】立体物の形状精度及び品質を向上する。【解決手段】立体モデルの3次元形状データに基づいて造形材料からなる材料層を造形台の積層面上で積層することによって立体物を作製する造形装置であって、前記積層面の表面形状を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記材料層の積層方向に対して垂直となる垂直積層面を有する土台を前記積層面上に形成する土台形成手段と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、造形装置及び造形方法に関するものである。
近年、アディティブマニファクチャリング(AM)、3次元プリンタ、ラピッドプロトタイピング(RP)等と呼ばれる立体造形技術が注目を集めている(本明細書ではこれらの技術を総称してAM技術と呼ぶ)。AM技術は、立体モデルの3次元形状データをスライスして複数のスライスデータを生成し、スライスデータに基づいて、造形材料からなる材料層を造形台上に順次積層して固着することで、3次元物体(立体物)を作製する技術である。
特許文献1では、電子写真方式で積層する造形方法であって、3次元物体の断面に対応する材料層の厚みを変化させることにより、造形時の高さ方向の補正が容易で、形状の精度を出すことができる造形方法が開示されている。また、特許文献2では、造形物を形成する層上の凸部を検出し、凸部が所定高さ以上であった場合に直上に設けられる層の厚さを調整する装置について開示されている。
特開2003−48253号公報 特開2015−112752号公報
しかしながら、従来の技術では、以下のような課題が生じることが懸念される。
造形台においては、造形時に材料層との接着性を良くするために加熱されることで熱変形し、表面形状が変形してしまう場合がある。また、造形台自体の加工精度が低い場合がある。材料層は造形台の表面形状に沿って積層されるため、このような場合には、造形物の形状精度も低くなってしまう課題が生じる。特許文献1、2はいずれも材料層の厚さを調整することにより、造形物の高さを補正している。しかし、造形台は一般的に樹脂材質であり、寸法公差は0.1〜0.3mm程度である。これに対して材料層1層の厚さは20μm程度であり、特許文献1、2のように層の厚さを調整するだけでは上記課題を解決することは困難である。また、特許文献1、2はいずれも造形台の表面形状の補正方法については考慮されていない。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、立体物の形状精度及び品質を向上することを目的とする。
本発明の第1態様は、
立体モデルの3次元形状データに基づいて造形材料からなる材料層を造形台の積層面上で積層することによって立体物を作製する造形装置であって、
前記積層面の表面形状を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づいて、前記材料層の積層方向に対して垂直となる垂直積層面を有する土台を前記積層面上に形成する土台形成手段と、
を有することを特徴とする造形装置を提供する。
本発明の第2態様は、
立体モデルの3次元形状データに基づいて造形材料からなる材料層を造形台の積層面上で積層することによって立体物を作製する造形方法であって、
立体物の作製に先立ち、前記積層面の表面形状を検出手段により検出する工程と、
前記検出手段による検出結果に基づいて、前記材料層の積層方向に対して垂直となる垂直積層面を有する土台を前記積層面上に形成する工程と、
を含むことを特徴とする造形方法を提供する。
本発明によれば、立体物の形状精度及び品質を向上することが可能となる。
実施例の造形装置のシステム構成を示す概略図 実施例の造形装置による造形プロセスを示すフローチャート 実施例の造形台の積層面の表面形状の補正方法について説明するための図 造形台の積層面が凸形状の場合について示す図
以下、この発明を実施するための形態を図面を参照して例示的に説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている各部材の寸法、材質、形状、その相対配置など、各種制御の手順、制御パラメータ、目標値などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明は、積層造形技術(AM技術)、すなわち、造形材料を2次元に配置して層状に積層することによって3次元物体(立体物)を作製する技術を採用した造形装置に関する。
造形材料としては、作製する立体物の用途・機能・目的などに応じてさまざまな材料を選択することができる。本明細書では、造形目的の3次元物体を構成する材料を「構造材料」と呼び、構造材料で形成される部分を構造体と呼ぶ。作製途中の構造体を支持するためのサポート体(例えばオーバーハング部を下から支える柱)を構成する材料を「サポート材料」と呼ぶ。また両者を特に区別する必要がない場合には、単に「造形材料」という用語を用いる。構造材料としては、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、ABS、PS(ポリスチレン)など、熱可塑性の樹脂を用いることができる。また、サポート材料としては、構造体からの除去を簡単にするため、熱可塑性と水溶性を有する材料を好ましく用いることができる。サポート材料としては、例えば、糖質、ポリ乳酸(PLA)、PVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリエチレングリコール)などを例示できる。
また、本明細書では、作製目的とする立体モデルの3次元形状データを積層方向に沿って複数層にスライスして得られるデジタルデータを「スライスデータ」と呼ぶ。スライスデータは、必要に応じて、サポート材料のデータなどの情報を付加して生成される。スライスデータに基づき造形材料で形成される層を「材料層」と呼ぶ。「材料層」は、用いる造形材料の種類に応じて、1又は複数の材料層を組み合わせて形成される粒子の層である。
また、造形装置を用いて作製しようとする立体モデル(つまり造形装置に与えられる3次元形状データが表す3次元物体)を「造形対象物」と呼ぶ。また、造形装置で作製された(出力された)3次元物体(立体物)を「造形物」と呼ぶ。造形物がサポート体を含む場合において、サポート体を除いた部分が造形対象物を構成する「構造体」となる。なお、本明細書においては、特に説明がない限り、「材料層」が積層される方向を単に積層方向という。
[実施例]
図1は、本発明に係る実施例の造形装置1のシステム構成を示す概略図である。
(装置構成について)
造形装置1は、装置部100と、制御部200と、データ作成部300と、操作/表示部4を有する。
装置部100は、スライスデータに基づいて形成した造形材料からなる粒子状の材料層6を、加熱により一体化したシート状にし、造形台5の積層面501に順次積層することにより造形物7を作製する装置であり、いわゆる3Dプリンタに相当する。
制御部200は、装置部100における様々な処理に対する制御を行う。具体的には、CPUやメモリ、記録デバイスを備えたコンピュータで構成されており、記憶されたプログラムをCPUが実行、処理することにより装置部100を制御する。
データ作成部300は、立体モデルおよび後述する土台8の3次元形状データの作成や、立体モデルおよび土台8を所定の厚さでスライスして得られるスライスデータの作成や処理を行う。
操作/表示部4は、ユーザからの指示の受付やユーザへの情報提示を行う。具体的には、電源のON/OFF制御、装置の各種設定、動作指示などのユーザによる入力操作や、各種設定画面、エラーメッセージ、動作状況などのユーザへの情報表示や閲覧を行うディスプレイに相当する。
装置部100について、以下に詳しく説明する。
装置部100は、材料層形成部(層形成手段)110と、担持体120と、加熱部130と、ステージ140と、造形台搬入部150と、造形台検出部160と、造形部170と、加圧部180と、温度検出部190を有する。
材料層形成部110は、立体モデルの3次元形状データに基づいてデータ作成部300で作成されたスライスデータに基づき、電子写真プロセスを利用して材料層6の形成を行う機能と、形成した材料層6を担持体120へ転写する機能を有する。ここで、電子写真プロセスは、感光体を帯電し、帯電した感光体を露光することによって感光体表面に潜像を形成し、潜像に現像剤粒子を付着させ、感光体表面に現像剤像を形成するという一連のプロセスによって、所望の画像を形成する手法である。造形システムでは、現像剤の代わりに、造形材料からなる粒子を用いるが、電子写真プロセスの基本原理は2Dプリンタのものとほぼ同じである。
担持体120は、材料層形成部110で形成された材料層6を担持して造形部170へと搬送する。担持体120として本実施例では、ポリイミドなどの樹脂材料からなる無端状のベルト部材を用いた。担持体120は、複数のローラにより張架されている。また、ベルト表面はフィルミング防止層としてフッ素コーティングが施されているのが望ましい。また、担持体120として、ステンレスなどの金属材料からなる無端状のベルト部材を用いてもよい。また、担持体120を張架する複数のローラのうち少なくともいずれかは、担持体120の駆動や停止を行う駆動ローラである。
加熱部130は、担持体120により搬送された材料層6を均一に加熱してシート化するヒータである。加熱部130は、材料層6のうち、積層面501上(積層面上)の造形物7の上面に積層される面側を、熱伝達および輻射により加熱する。加熱部130はさらに、造形台5の積層面501を加熱するように構成されるものであってもよい。加熱部130は、このような構成に限るものではなく、担持体120の裏面(内周面)側に配置されることで、担持体120を介して材料層6を加熱するものであってもよい。
ステージ140は、造形台5を保持し、造形台搬入部150と造形台検出部160と造形部170の間で造形台5を搬送する機能を有する。さらにステージ140は、造形部1
70において、造形台5を積層方向や積層方向に垂直な方向(本実施例では水平方向)に移動させて造形台5の位置制御を行う。ステージ140の駆動機構として本実施例では、ボールねじやUSM(Ultra Sonic Motor)などを用いた駆動機構を使用する。また、ステージ140はエンコーダなどの位置検出手段を有しており、後述するステージ制御部205により位置制御を行う。
造形台搬入部150では、ステージ140上に造形台5が設置される。造形台5として本実施例では、ABSなどの樹脂材料からなるプレート部材を用いた。造形台5は、不図示の金属製の搬送プレートに固定した状態でステージ140に設置した。
材料層6は、金属製のステージ140の表面上には接着し難い。このため、樹脂材料からなる造形台5の積層面501に、材料層6を接着するのが望ましい。このとき、材料層6を積層面501に接着しやすくするために、造形台5を加熱しておくとよい。
したがって、造形台5を予め加熱してから材料層6を積層するのが好ましく、造形台5を加熱するための加熱手段を造形台搬入部150内に設けるとよい。その場合、前述した加熱部130を造形台搬入部150の上方に配置することにより、担持体120上の材料層6と造形台5を同時に加熱する構成としてもよい。これにより、加熱手段の数を削減することができ、装置全体の小型化及び低コスト化を図ることができる。
造形台検出部160では、表面形状検出部161によりステージ140上に設置された造形台5の積層面501の表面形状の検出を行う。表面形状検出部161として本実施例では、三角測距方式を用いた距離センサを3つ配置して、基準面183に対する、積層面501の表面形状の一次傾き量の検出を行う。本実施例では、積層面501が、基準面183に対して平面状に傾いた状態にあるものとする。3つの距離センサは、予め基準面183に対して校正されており、その基準面183に対する傾き量が検出される。
ここで、基準面183は、積層方向に対して垂直な垂直面に平行な面であり、本実施例では、後述する加圧部180の加圧板181の表面とした。しかしながら基準面183は、加圧板181の表面に限るものではなく、積層方向に対して垂直な垂直面に平行な面であればよく、例えばステージ140上における造形台5の設置面であってもよい。
また、造形台5の積層面501の表面形状の凹凸を検出する場合には、ラインセンサを利用する方法を用いるとよい。この場合、ステージ140を駆動し、例えば造形台搬入部150から造形部170に向けて造形台5を搬送しながら積層面501の表面形状を検出することができる。これにより、造形装置1による造形物の作製時間の短縮化を図ることができる。
また、その他の検出方法として、3つの圧力センサを配置して各圧力センサの値を距離に換算する方法を例示できる。その場合、詳しくは後述するが、本実施例の造形部170においてステージ140の位置制御用に設けた圧力センサを用いることができる。また、積層面501の表面形状を検出するために、造形台検出部160を別途設ける必要はなく、造形台搬入部150や造形部170に表面形状検出部161を設置してもよい。
造形部170は、担持体120により搬送された材料層6を、造形台5の積層面501、又は積層面501上の造形物7の上面に順次積層して、造形物7を作製する機能を有する。造形部170では、ステージ140を積層方向に駆動することにより、積層面501、又は積層面501上の造形物7と、担持体120上の材料層6とを接着させて積層を行う。このとき、加圧部180により材料層6を加圧することにより、積層面501、又は積層面501上の造形物7と、担持体120上の材料層6とを密着させることができ、接着力を向上させることができる。さらに密着性を向上させるために、加圧部180をステージ140側に移動可能に構成してもよい。
本実施例では、ステージ140の積層方向の位置制御に関して、不図示の圧力センサ、
及びステージ140に設けたエンコーダを用いて行っている。
積層時におけるステージ140の積層方向の位置制御について以下に説明する。
まず、ステージ140を駆動して、ステージ140と加圧部180を押し付けたときの圧力値を検出し、その圧力値が所定の圧力値になったときに、ステージ140の駆動を停止してエンコーダ値を検出する。その検出値を次の積層位置にフィードバックすることによりステージ140の位置制御を行う。積層時の圧力値を検出する理由は、加圧力が大きいと造形物7がつぶれて形状精度が低下してしまうためであり、微小圧力で積層するのが望ましい。
また、加圧部180に温度制御手段を設けることにより、材料層6の接着時または担持体120からの剥離時において、材料層6の温度を制御することができる。接着時においては、材料層6を加熱することにより、接着力がより向上して造形物7の強度も増加する。また、剥離時においては、材料層6を冷却することにより、担持体120と材料層6間の剥離力が向上する。
温度検出部190は、造形台5の温度検出を行う。温度検出部190として本実施例では、熱電対などの温度センサを造形台5に設置して造形台5の温度を測定する。温度センサの設置箇所としては、造形台5の積層面501が好ましい。しかし、造形台5に直接熱電対などの温度センサを設置することが困難である場合は、代表温度として、例えば造形台5の裏面側やステージ140などに温度センサを設置しても構わない。
上述したように、造形台5と材料層6の接着力を向上するために、造形台5を予め加熱しておくことが望ましい。しかし、加熱することにより造形台5が熱変形し、表面形状が変形してしまう可能性がある。そのため、造形台5の積層面501の表面形状の検出を行った後に加熱を行ってしまうと、加熱により表面形状が変化する可能性がある。そこで、造形台5が所定温度以上(閾値以上)に加熱されたタイミングで積層面501の表面形状を検出し、後述する積層面501の補正を行うのが望ましい。所定温度としては、造形台5の軟化温度が望ましく、本実施例では、ABS樹脂の軟化温度である70〜80℃付近に設定するのが望ましい。
制御部200は、制御統括部201と、材料層形成制御部202と、担持体制御部203と、加熱制御部204と、ステージ制御部205と、表面形状検出制御部206を有する。
制御統括部201は、装置部100の装置全体における各制御部を統合して制御する部分であり、各制御部の駆動タイミングなどを制御統括部201により制御する。例えば、制御統括部201は、温度検出部190による温度検出のON/OFF制御を行う。また、温度検出部190の検出温度がユーザの設定した温度以上となったときに、後述する表面形状検出制御部206に指令を伝送して表面形状検出部161による造形台5の積層面501の表面形状の検出を行う。
材料層形成制御部202は、材料層形成部110の駆動のON/OFF制御やタイミング制御を行う。また、操作/表示部4でユーザが入力した設定条件は、制御統括部201を介して材料層形成制御部202へ入力され、材料層形成制御部202はその設定条件を材料層形成部110に出力する。
担持体制御部203は、担持体120の駆動のON/OFF制御や駆動速度の制御の他、ベルトのテンション制御や蛇行調整等を行う。
加熱制御部204は、加熱部130による加熱のON/OFF制御や、ユーザによる設定温度条件に基づき加熱部130の温度制御を行う。
ステージ制御部205は、制御統括部201から入力された目標移動量や位置情報に基づき、造形物7の面方向および高さ方向(積層方向)の位置制御を行う。また、積層時に検出した圧力値やエンコーダ値をフィードバックして、次の積層位置の決定を行う。なお、材料層形成制御部202、担持体制御部203、ステージ制御部205はそれぞれ、制
御統括部201により駆動タイミングが合うように制御される。
表面形状検出制御部206は、制御統括部201から入力された検出設定値に基づき、表面形状検出部161による検出のON/OFF制御を行う。また、表面形状検出制御部206は、制御統括部201によりステージ制御部205と駆動タイミングが合うように制御されており、ステージ140が造形台検出部160に移動したタイミングで表面形状検出部161により積層面501の表面形状の検出を行う。また、表面形状検出制御部206は、表面形状検出部161による検出結果を後述するデータ作成部300へと伝送する。
データ作成部300は、3次元形状データ作成部301と、スライスデータ作成部302を有する。
3次元形状データ作成部301は、立体モデルの3次元形状データの作成を行う。また、既に3次元形状データが存在する場合は、3次元形状データ作成部301は外部から入力された3次元形状データのファイルの処理を行う。そのファイル形式は問わないが、例えばSTL(StereoLithography)ファイル形式を好ましく用いることができる。また、後述する土台8の3次元形状データの作成についてもデータ作成部300で行う。なお、土台8の3次元形状データの作成方法の詳細については後述する。作成および処理された3次元形状データは後述するスライスデータ作成部302へと伝送される。
スライスデータ作成部302では、3次元形状データ作成部301で作成した立体モデルの3次元形状データを、ユーザにより設定された材料層6の厚さ情報に基づきスライスして複数のスライスデータの作成を行う。さらに、スライスデータ作成部302では、立体モデルの3次元形状データまたは上下層のスライスデータを解析して、オーバーハング部(宙に浮く部分)の有無を判断し、必要に応じてスライスデータにサポート材料用の像を追加する。また、スライスデータ作成部302では、3次元形状データ作成部301で作成した土台8の3次元形状データについても立体モデルと同様にスライスデータの作成を行う。なお、土台8のスライスデータの作成方法の詳細については後述する。作成したスライスデータは、材料層形成部110へと伝送される。
なお、データ作成部300は、必ずしも造形装置1が備えている必要はない。例えば、造形装置1が、表面形状検出部161による検出結果を送受信が可能な外部装置に送信し、外部装置にて土台8の3次元形状データやスライスデータを作成し、これらのデータを造形装置1が受信して取得する構成であっても良い。
(装置プロセスについて)
図2は、本実施例の造形装置1による造形プロセスを示すフローチャートである。図2のフローチャートを用いて造形装置1による造形プロセスについて以下に説明する。
ステップS101では、3次元形状データ作成部301に立体モデルの3次元形状データの入力処理を行う。入力処理や後述するスライスデータの作成における条件設定などは、操作/表示部4を用いてユーザが行う。
ステップS102では、ステップS101で入力された立体モデルの3次元形状データから複数のスライスデータの作成処理を行う。
ステップS103では、造形物7を造形するための造形台5を造形台搬入部150へ搬入し、ステージ140への設置を行う。本実施例では、造形台5は樹脂材料からなり、造形物7ごとに交換可能に構成されている。その理由としては、造形する際に材料層6と造形台5は熱圧着により結合するためであり、造形台5はステージ140に対して着脱可能に保持される構成が望ましい。
ステップS104では、ステップS103の後に、ステージ140を造形台搬入部150から造形台検出部160へと移動し、表面形状検出部161による造形台5の積層面5
01の表面形状の検出処理を行う。その後、ステージ140は造形台検出部160から造形部170へと移動する。また、ステップS104では、造形台5の加熱処理を行った後に、表面形状検出部161により造形台5の積層面501の表面形状を検出する。その場合、造形台5が所定温度以上となったときに、表面形状検出部161により表面の検出処理を行う。
ステップS105では、ステップS104の検出結果に基づき、造形台5の積層面501の表面の補正の有無に関する判断処理を行う。ステップS105で補正が必要と判断した場合は次のステップS106に移る。一方、ステップS105で補正が不要と判断した場合は、ステップS106〜S110までの処理は省略されステップS111に移る。
ステップS106では、ステップS104で検出した造形台5の積層面501の表面形状の検出結果に基づき、土台8の3次元形状データの作成処理を行う。なお、土台8の3次元形状データの作成方法の詳細については後述する。
ステップS107では、ステップS106で作成した土台8の3次元形状データに基づき、土台8のスライスデータの作成処理を行う。なお、土台8のスライスデータの作成方法の詳細については後述する。
ステップS108では、ステップS107で作成した土台8のスライスデータに基づき、材料層形成部110によりスライスデータに対応した層である犠牲層(土台層)81の形成処理を行う。
ステップS109では、ステップS108で形成した犠牲層81を担持体120により造形部170まで搬送し、造形台5の積層面501への積層処理を行う。
ステップS110では、次に積層する犠牲層81の有無に関する判断処理を行う。次の犠牲層81が有る場合はステップS108に戻り、ステップS108、109の処理を繰り返す。一方で、次の犠牲層81が無い場合は次のステップS111に移る。
ステップS111では、ステップS102で作成した立体モデルのスライスデータに基づき、材料層形成部110により材料層6の形成処理を行う。なお、造形物7の材料層6の形成方法については、犠牲層81のときと同様である。
ステップS112では、ステップS111で形成した造形物7の材料層6を担持体120により造形部170まで搬送し、造形台5の積層面501、または犠牲層81の最上面801、または造形物7の最上面に材料層6を積層する積層処理を行う。なお、造形物7の材料層6の積層方法については、犠牲層81のときと同様である。
ステップS113では、次に積層する造形物7の材料層6の有無に関する判断処理を行う。次の造形物7の材料層6が有る場合はステップS111に戻り、ステップS111、S112の処理を繰り返す。一方で、次の造形物7の材料層6が無い場合は作業を終了する。
(造形台の表面形状の補正方法について)
図3A〜図3Eは、本実施例の造形装置1による造形台5の積層面501の表面形状の補正方法について説明するための概略図である。
図3Aは、土台8の3次元形状データの作成方法について説明するための図、図3Bは、土台8のスライスデータの作成方法について説明するための図、図3Cは、犠牲層81の積層方法について説明するための図である。図3Dは、材料層6の積層方法について説明するための図、図3Eは、図3Dに示す犠牲層81の詳細について説明するための図である。
まず、土台8の3次元形状データの作成が、表面形状検出部161により検出した造形台5の積層面501の一次傾き量に基づき行われる。
図3Aでは、造形台5の積層面501上に土台8を配置したと仮定したときの仮想図を
示している。図3Aの仮想図に示す土台8においては、最下面802が、造形台5の積層面501に接触して配置され、最上面801が、基準面183となる加圧板181の面に対する高低差が、最下面802の高低差よりも小さくなるように配置される。また、最上面801が基準面183に対して平行になるように配置される。
このように設定される土台8に基づいて、3次元形状データが作成される。
ここで、土台8の3次元形状データを作成する際に、造形台5の積層面501全体を常に考慮する必要はなく、立体モデルの3次元形状データに基づき土台8の造形範囲(土台を形成する積層面501上の領域)を決定してもよい。つまり、少なくとも造形物7の造形範囲に土台8の作成を行うものであればよい。これにより、土台8の造形範囲を最小限に抑えることができ、造形時間や造形コストの短縮化を図ることができる。このとき、表面形状検出部161が造形台5の積層面501の表面形状を検出する範囲においても、造形台5の積層面501全体ではなく、立体モデルの3次元形状データに基づき、造形範囲同様に決定されるとよい。
また、土台8の3次元形状データを作成する際に、表面形状検出部161が検出した造形台5の積層面501の表面形状に基づき、土台8の造形範囲を決定してもよい。これにより、積層面501の表面形状の凹凸が小さい領域を優先的に選択して造形範囲とすることができる。また、土台8の3次元形状データを作成する際に、立体モデルの3次元形状データ、および、検出した造形台5の積層面501の表面形状に基づき、土台8の造形範囲を決定してもよい。
これによっても、積層面501の表面形状の凹凸が小さい領域を優先的に選択して造形範囲とすることができる。
この場合、積層面501の表面形状を検出して土台8の造形範囲を決定した後、決定した土台8の造形範囲に合わせて、作成した立体モデルのスライスデータを補正することで、積層面501上の所望の領域に、造形物7を造形することができる。このとき、決定した土台8の造形範囲に合わせて、積層方向に垂直な方向にステージ140を移動させることにより、積層面501上の所望の領域に、造形物7を造形するものであってもよい。
また、立体モデルの3次元形状データをレイアウトし直して、立体モデルのスライスデータを作成することにより、積層面501上の所望の領域に、造形物7を造形するものであってもよい。
このように、積層面501の表面形状の凹凸が小さい範囲を造形範囲とすることにより、犠牲層81の数を小さくすることができ、積層時間を短くすることができる。
次に、作成した土台8の3次元形状データを、複数のスライスデータに分割するスライス処理を行う。
図3Bでは、造形台5の積層面501上の土台8を、表面形状検出部161により検出された積層面501の表面形状に沿って、複数の層803にスライスしたと仮定したときの仮想図を示している。
このとき、基準面183に沿ってスライス処理を行うものであってもよいが、その場合、犠牲層81の積層時に、担持体120が造形台5の積層面501に接触して積層面501が変形してしまう可能性がある。積層面501が変形すると、土台8の最上面801が基準面183に対してずれてしまい、それに伴い造形物7の形状精度が低下してしまうことが懸念される。このため、本実施例では、積層面501の表面形状に沿ってスライスすることとし、表面形状検出部161により検出された積層面501の表面に垂直となる方向を、犠牲層81の積層方向としている。
また、犠牲層81の厚さについては、材料層6と同様で構わない。なお、本実施例のように積層面501の表面形状に沿ってスライス処理を行うことで得られた犠牲層81を積層した場合、後述する図3Dに示すように、土台8の最上面801側では、犠牲層81と
材料層6との間に段差ができてしまうことが懸念される。層間に段差ができてしまうと、造形物7の形状精度に影響する可能性があるため、段差によるずれ量が要求仕様に対して小さくなるように、犠牲層81の厚さが個々に設定されるものであるとよい。これにより、犠牲層81の最適化を行うことができ、造形精度の向上と造形時間の短縮化を実現することができる。
図3Cでは、造形台5上に形成した犠牲層81を加圧部180で加圧している状態を示している。
図3Cに示すように、作成した土台8のスライスデータに基づき、犠牲層81を形成し、その犠牲層81を造形台5の積層面501もしくは造形された犠牲層81上に順次積層する。犠牲層81を造形台5の積層面501もしくは造形された犠牲層81上に積層するときには、ステージ140を加圧部180側に駆動して積層する。
その際に、担持体120であるベルトは、厚さが薄く低剛性であるため、造形台5の積層面501の表面形状に沿った形に変形する。そのため、造形台5の積層面501の表面形状に合わせて犠牲層81が積層される。加圧部180は、加圧板181と弾性体182から構成されており、弾性体182が担持体120の変形を吸収することにより、犠牲層81全体を加圧することができる。
図3Cに示すように、犠牲層81を順次積層していくことにより、造形台5の積層面501の傾きが次第に補正されて、基準面183となる加圧板181に対して平行に近づくようになる。それに合わせて担持体120であるベルトの変形についても改善される。
図3Dでは、造形台5の積層面501上に犠牲層81を積層し土台8を形成した後、造形物7の材料層6を形成して、土台8の最上面801に材料層6を順次積層する様子を示している。図3Eでは、図3Dに示す犠牲層81について示している。犠牲層81が積層されることで形成された土台8の最上面801を、図3Eでは点線で示している。また、図3Eに示す犠牲層81の最下面802は、造形台5の積層面501に接触する面である。
犠牲層81の積層が終わると、形成された土台8の最上面801は、基準面183に平行に補正された状態となる。これにより、材料層6の積層の際には、材料層6を基準面183に平行にした状態で積層することができる。
ここで、土台8の材料(土台材料)として、本実施例ではサポート材料を用いているが、これに限るものではなく、構造材料を用いても構わない。しかし、造形後、土台8の最上面801上に形成した造形物7を最上面801から剥離し易くするために、土台8の最上面801を含む層または造形物7の最下面を含む層においては、剥離層としてサポート材料で形成することが望ましい。そのサポート材料が水溶性またはアルカリ水溶性であれば、サポート材料で形成される層を溶かして除去することができるので、造形物7を造形台5上から容易に剥離することができる。ここで、造形物7の最下面を含む層は、造形物7の材料層6のうち1番目に形成される材料層6である。
また、土台8の最上面801または造形物7の最下面を含む剥離層に、例えばクラック(亀裂)などの切れ目が入っている構成でも構わない。この場合、土台8の最上面801または造形物7の最下面を含む層が構造材料で構成されていても、造形物7と犠牲層81を分離し易くすることができる。
以上説明したように本実施例では、立体物の作製に先立ち、積層方向に対して垂直な、すなわち基準面183となる加圧板181に対して平行となる最上面801(垂直積層面)を有する土台8を造形台5上に形成している。
これにより、造形物7の材料層6は、基準面183となる加圧板181に対して平行に積層することができるので、造形物7の形状精度を向上することができ、造形物7の品質を向上することが可能となる。
なお、本実施例では、造形台5の積層面501が、基準面183に対して平面状に傾いた場合における、積層面501の表面形状の補正方法について説明したが、これに限定するものではない。
図4は、造形台5の積層面501が凸形状の場合について示す図である。これ以外にも、例えば、造形台5の積層面501の表面形状が凹凸形状であるといった高次な傾きをもつ(高次式で表される)ような表面形状に対しても、上記と同様な処理を行うことで、上記同様の効果を得ることが可能である。
また、本実施例では、材料層形成部110が、材料層6を形成する層形成手段と、犠牲層81を形成する層形成手段を兼ねるものであったが、これに限るものではない。すなわち、犠牲層81を形成する層形成手段が材料層形成部110とは別に配設されるものであってもよい。
また、本実施例では、材料層形成部110により形成された犠牲層81を積層することで土台8を形成するものであったが、これに限るものではない。すなわち、立体物の作製に先立ち、積層方向に対して垂直となる垂直積層面を有する土台が、造形台5の積層面501上に形成されるものであればよい。
また、本実施例では、犠牲層81が、材料層6同様、装置部100と制御部200とデータ作成部300を用いて形成される場合について説明したが、これに限るものではない。装置部100と制御部200とデータ作成部300とは別に設けられた土台形成手段により、立体物の作製に先立ち、積層方向に対して垂直となる垂直積層面を有する土台が、造形台5の積層面501上に形成されるものであればよい。
1…造形装置、5…造形台、501…積層面、8…土台、801…最上面、161…表面形状検出部

Claims (15)

  1. 立体モデルの3次元形状データに基づいて造形材料からなる材料層を造形台の積層面上で積層することによって立体物を作製する造形装置であって、
    前記積層面の表面形状を検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果に基づいて、前記材料層の積層方向に対して垂直となる垂直積層面を有する土台を前記積層面上に形成する土台形成手段と、
    を有することを特徴とする造形装置。
  2. 前記土台形成手段は、土台材料からなる土台層を前記積層面上に積層することによって前記土台を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の造形装置。
  3. 前記土台形成手段は、前記検出手段による検出結果に基づく前記土台の3次元形状データをスライスして得られる前記土台のスライスデータを取得する手段と、前記土台のスライスデータに基づき、前記土台層を形成する層形成手段と、を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の造形装置。
  4. 前記層形成手段は、前記立体モデルの3次元形状データをスライスして得られるスライスデータに基づき、前記材料層を形成する層形成手段を兼ねる
    ことを特徴とする請求項3に記載の造形装置。
  5. 前記土台形成手段は、前記検出手段による検出結果に基づき、前記土台層を前記積層面上に積層するときの積層方向、および/または、前記土台層の厚さを決定する
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の造形装置。
  6. 前記土台形成手段は、前記立体モデルの3次元形状データに基づいて、前記検出手段が検出する前記積層面の範囲を決定する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の造形装置。
  7. 前記土台形成手段は、前記検出手段による検出結果、および/または、前記立体モデルの3次元形状データに基づいて、前記土台を形成する前記積層面上の領域を決定する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の造形装置。
  8. 前記造形台の温度を検出する温度検出手段を有し、
    前記土台形成手段は、前記温度検出手段により検出された温度が閾値以上のときに、前記土台を形成する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の造形装置。
  9. 前記検出手段は、3つ以上の距離センサまたは圧力センサを有し、前記材料層の積層方向に垂直な面に対する前記積層面の傾き量を検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の造形装置。
  10. 立体物の作製を行う造形部まで前記造形台を搬送する搬送手段を有し、
    前記検出手段は、ラインセンサを有し、前記造形台が前記造形部まで搬送される間に、前記ラインセンサで前記積層面の表面形状を検出する
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の造形装置。
  11. 前記土台から前記立体物を剥離するための剥離層が形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の造形装置。
  12. 前記剥離層は、水溶性またはアルカリ水溶性の材料からなる
    ことを特徴とする請求項11に記載の造形装置。
  13. 前記剥離層には、前記土台から前記立体物を剥離するための切れ目が設けられている
    ことを特徴とする請求項11または12に記載の造形装置。
  14. 前記土台形成手段は、土台材料からなる土台層を前記積層面上に積層することによって前記土台を形成し、
    前記剥離層は、前記垂直積層面を有する前記土台層、および/または前記立体物を作製する際に1番目に積層される前記材料層を含む
    ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の造形装置。
  15. 立体モデルの3次元形状データに基づいて造形材料からなる材料層を造形台の積層面上で積層することによって立体物を作製する造形方法であって、
    立体物の作製に先立ち、前記積層面の表面形状を検出手段により検出する工程と、
    前記検出手段による検出結果に基づいて、前記材料層の積層方向に対して垂直となる垂直積層面を有する土台を前記積層面上に形成する工程と、
    を含むことを特徴とする造形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019022982A (ja) * 2017-07-24 2019-02-14 三緯國際立體列印科技股▲ふん▼有限公司XYZprinting, Inc. 3dプリンティング装置及び3dプリンティング方法
US11559952B2 (en) 2020-02-26 2023-01-24 Seiko Epson Corporation Three-dimensional shaping system and three-dimensional shaped object manufacturing method

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