JP2018021267A - 編地 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い保温性および吸放湿性を備えた編地を提供する。【解決手段】肌側となる内層2と、外側となる外層3と、内層2と外層3とを連結する接結糸4とから構成された編地1であって、内層2は吸湿性繊維からなる紡績糸によって構成され、外層3は疎水性繊維からなるマルチフィラメントによって構成され、接結糸4は中空の疎水性繊維からなるマルチフィラメントによって構成されており、好ましくは、保温率が26.5%以上、熱伝導率が6.0×10−4W/cm・℃以下であり、更に、1分後の吸湿量と5分後の吸湿量とによる吸湿速度比が0.4以上、かつ1分後の放湿量と5分後の放湿量とによる放湿速度比が0.45以上である、編地。【選択図】図1
Description
本発明は編地に関し、詳しくは肌側となる内層と、外側となる外層と、当該内層と外層とを連結する接結糸とから構成された編地に関する。
今日、肌着等に用いられる編地として保温性等の機能を備えたものが知られ、たとえば吸湿性繊維からなる紡績糸によって構成された内層と、疎水性繊維からなる糸によって構成された外層とを有する編地が知られている(特許文献1)。
この特許文献1の編地では、上記内層を構成する吸湿性繊維が汗を吸収して発熱し、さらに内層が吸った水分は上記外層を構成する疎水性繊維から外部に放出されるようになっている。
また複数の層からなる編地として、肌側となる内層と、外側となる外層と、当該内層と外層とを連結する接結糸とから構成された編地が知られ、内層にポリプロピレン繊維糸、外層にアクリル繊維糸、接結糸にポリエステル繊維糸を用いたもの(特許文献2)や、内層に芯成分をポリプロピレンとし鞘成分をポリエステルとする繊維からなる紡績糸を、外層および接結糸にポリエステルマルチフィラメントを用いたもの(特許文献3)が知られている。
この特許文献1の編地では、上記内層を構成する吸湿性繊維が汗を吸収して発熱し、さらに内層が吸った水分は上記外層を構成する疎水性繊維から外部に放出されるようになっている。
また複数の層からなる編地として、肌側となる内層と、外側となる外層と、当該内層と外層とを連結する接結糸とから構成された編地が知られ、内層にポリプロピレン繊維糸、外層にアクリル繊維糸、接結糸にポリエステル繊維糸を用いたもの(特許文献2)や、内層に芯成分をポリプロピレンとし鞘成分をポリエステルとする繊維からなる紡績糸を、外層および接結糸にポリエステルマルチフィラメントを用いたもの(特許文献3)が知られている。
上記特許文献1の編地の場合、内層は吸湿性繊維であって吸湿発熱性を有していることから、保温性は高いものとなっているが、内層で発生した熱が直ちに外層に伝えられて放出されてしまうという問題がある。
一方、上記特許文献2、3のような内層に疎水性繊維を用いた場合、肌触りがよいとされるものの、吸湿性繊維のような吸湿発熱性はなく、また内層で発生した熱が上記接結糸を介して外層に伝導されて放出されてしまうという問題もあった。
本発明は、これらの編地に対してより高い保温性および吸放湿性を備えた編地を提供するものである。
一方、上記特許文献2、3のような内層に疎水性繊維を用いた場合、肌触りがよいとされるものの、吸湿性繊維のような吸湿発熱性はなく、また内層で発生した熱が上記接結糸を介して外層に伝導されて放出されてしまうという問題もあった。
本発明は、これらの編地に対してより高い保温性および吸放湿性を備えた編地を提供するものである。
すなわち請求項1の発明にかかる編地は、肌側となる内層と、外側となる外層と、当該内層と外層とを連結する接結糸とから構成された編地において、
上記内層は吸湿性繊維からなる紡績糸によって構成され、上記外層は疎水性繊維からなるマルチフィラメントによって構成され、上記接結糸は中空疎水性繊維からなるマルチフィラメントによって構成されたことを特徴としている。
上記内層は吸湿性繊維からなる紡績糸によって構成され、上記外層は疎水性繊維からなるマルチフィラメントによって構成され、上記接結糸は中空疎水性繊維からなるマルチフィラメントによって構成されたことを特徴としている。
上記発明によれば、内層に吸湿性繊維からなる紡績糸を用いたことで、上記特許文献1と同様に吸湿発熱性を得るが、上記接結糸を中空の疎水性繊維によって構成したことで、内層で発生した熱を当該中空の繊維の内部空間により断熱することができ、より高い保温性を得ることができる。
一方、接結糸および外層を疎水性繊維からなるマルチフィラメントによって構成することで、内層の余分な水分は、これらのマルチフィラメントによって外層へ吸い上げられ、その後外層において速やかに放出されることから、放湿性にも優れたものとなっている。
一方、接結糸および外層を疎水性繊維からなるマルチフィラメントによって構成することで、内層の余分な水分は、これらのマルチフィラメントによって外層へ吸い上げられ、その後外層において速やかに放出されることから、放湿性にも優れたものとなっている。
以下、本実施例にかかる編地1について説明すると、本実施例の編地1は肌着等に用いられるとともに、後述するように保温性ならびに吸放湿性に優れた性質を有している。
図1は上記編地1の断面模式図を示しており、下方に示すとともに肌側に位置する内層2と、外側に位置する外層3と、当該内層2と外層3とを連結する接結糸4とから構成されている。
特に本実施例の編地1において、上記内層2は吸湿性繊維としての綿からなる紡績糸によって構成され、上記外層3は疎水性繊維としてのポリエステルをマルチフィラメントとした糸によって構成され、上記接結糸4は中空の疎水性繊維としての中空ポリエステルをマルチフィラメントとした糸によって構成されたものとなっている。
図1は上記編地1の断面模式図を示しており、下方に示すとともに肌側に位置する内層2と、外側に位置する外層3と、当該内層2と外層3とを連結する接結糸4とから構成されている。
特に本実施例の編地1において、上記内層2は吸湿性繊維としての綿からなる紡績糸によって構成され、上記外層3は疎水性繊維としてのポリエステルをマルチフィラメントとした糸によって構成され、上記接結糸4は中空の疎水性繊維としての中空ポリエステルをマルチフィラメントとした糸によって構成されたものとなっている。
上記内層2を構成する吸湿性繊維からなる紡績糸としては、上記綿の他にもレーヨン、キュプラ、麻、絹、ウール等を用いることができ、これらを用いて従来公知の方法により製造することが可能となっている。
このような吸湿性繊維は吸湿発熱性を有しており、これを肌側の内層2に用いることで、発汗によって湿気が発生した場合にはこれを吸収して発熱することから、高い発熱性を得ることが可能となっている。
さらに上記吸湿性繊維を紡績糸とすることで、繊維内に形成された空気層による断熱効果が得られ、また上記空気層に水分を吸収することで高い吸湿性が得られるようになっている。
このような吸湿性繊維は吸湿発熱性を有しており、これを肌側の内層2に用いることで、発汗によって湿気が発生した場合にはこれを吸収して発熱することから、高い発熱性を得ることが可能となっている。
さらに上記吸湿性繊維を紡績糸とすることで、繊維内に形成された空気層による断熱効果が得られ、また上記空気層に水分を吸収することで高い吸湿性が得られるようになっている。
上記外層3は疎水性繊維としてのポリエステル製の繊維を複数撚り合わせて1本の糸としたポリエステルマルチフィラメントによって構成され、疎水性繊維としては他にも(ナイロン、アクリル、ポリプロピレン等)を使用することができる。
その中でも特にポリエステルは熱伝導性が上記吸湿性繊維よりも低いことから、外部の低温を内層2へと伝えにくく、また疎水性であるため外層3に到達した水分を速やかに拡散することが可能となっている。
また上記ポリエステルをマルチフィラメントとすることで、より合わせた複数の繊維により毛細管現象が生じるため、内層2で発生した水分を速やかに拡散、発散させることが可能となっている。
その中でも特にポリエステルは熱伝導性が上記吸湿性繊維よりも低いことから、外部の低温を内層2へと伝えにくく、また疎水性であるため外層3に到達した水分を速やかに拡散することが可能となっている。
また上記ポリエステルをマルチフィラメントとすることで、より合わせた複数の繊維により毛細管現象が生じるため、内層2で発生した水分を速やかに拡散、発散させることが可能となっている。
上記接結糸4は中空の疎水性繊維としての中空ポリエステル製の繊維を複数撚り合わせて1本の糸とした中空ポリエステルマルチフィラメントによって構成され、中空の疎水性繊維としては他にもナイロン、アクリル、ポリプロピレン等を用いることができる。
中空ポリエステルは中空部分による断熱効果が得られるため、内層2で生じた熱が外層3へと伝わるのを抑制するとともに、外層3の低温が内層2へと伝わるのを抑制して、編地1の保温性を高める効果を奏するようになっている。
さらに、中空ポリエステルをマルチフィラメント化することで、より合わせた複数の繊維による毛細管現象が生じ、内層2の水分を速やかに吸収し、これを外層3へと移動させることが可能となっている。
上記中空ポリエステルとしては、中空率が10〜30%のものを使用することが好ましく、中空率が10%未満であると中空部分による断熱効果が得られず保温性が悪化し、また30%を超えた場合には変形した後の中空部分の復元が困難となる。
中空ポリエステルは中空部分による断熱効果が得られるため、内層2で生じた熱が外層3へと伝わるのを抑制するとともに、外層3の低温が内層2へと伝わるのを抑制して、編地1の保温性を高める効果を奏するようになっている。
さらに、中空ポリエステルをマルチフィラメント化することで、より合わせた複数の繊維による毛細管現象が生じ、内層2の水分を速やかに吸収し、これを外層3へと移動させることが可能となっている。
上記中空ポリエステルとしては、中空率が10〜30%のものを使用することが好ましく、中空率が10%未満であると中空部分による断熱効果が得られず保温性が悪化し、また30%を超えた場合には変形した後の中空部分の復元が困難となる。
そして本実施例の編地1は、上述したように肌側となる内層2と、外側となる外層3と、当該内層2と外層3とを連結する接結糸4とから構成され、このうち内層2および外層3については例えば平編(メリヤス編、天竺編等)、ゴム編(リブ編、畦編等)、パール編、タック編(鹿の子編等)といった従来公知の編組織で編むことができる。
そして、これら内層2と外層3とを上記接結糸4によって連結すればよく、その際、内層2と外層3とを同じ編組織としたものや、内層2と外層3とを異なる編組織としたものを採用することができる。
その際、接結糸4としての中空ポリエステルマルチフィラメントが編地1全体に占める割合としては、10〜25重量%の範囲とすることが好ましく、10重量%未満であると、上記マルチフィラメントとしたことによる水分の吸い上げ効率が低下し、25重量%を超えると、上記中空ポリエステルにおける中空部分による断熱効果が十分に得られなくなる。
そして、これら内層2と外層3とを上記接結糸4によって連結すればよく、その際、内層2と外層3とを同じ編組織としたものや、内層2と外層3とを異なる編組織としたものを採用することができる。
その際、接結糸4としての中空ポリエステルマルチフィラメントが編地1全体に占める割合としては、10〜25重量%の範囲とすることが好ましく、10重量%未満であると、上記マルチフィラメントとしたことによる水分の吸い上げ効率が低下し、25重量%を超えると、上記中空ポリエステルにおける中空部分による断熱効果が十分に得られなくなる。
なお実施例では、外層3と接結糸4の素材を同じものとしたが、用途に応じて適宜違う素材を組みあわせて使用してもよい。また、接結糸4については内層からの水分の吸い上げ効果を高めるために吸水加工等の付帯加工を施してもよい。
また、編地1全体への付帯加工としては、防汚加工、抗菌加工、消臭加工、防臭加工、紫外線吸収加工、ビタミン加工、保湿加工等があり、要求特性によって適宜使い分けて使用することができる。
次に、本発明にかかる実施例1、実施例2の編地1と、比較として用いた比較例1、比較例2の編地1とについて、以下の実験を行って保温性および吸放湿性の評価を行った。
まず編地1の保温性については、以下の保温率および熱伝導率を測定して評価を行った。
保温率の測定には、KES−F7サーモラボII(カトーテック社製)を用い、ドライコンタクト法により測定した。最初に(環境温度+10)℃に設定した板上に試験片をセットし、当該試験片に30cm/secで送風を行い、その際に放散された熱量(e)を測定する。
一方、試験片をセットしていない状態での上記板から放散される熱量を測定し、試験片と板とにおける放散された熱量の値から保温率(%)を算出する。保温率の値が大きいほど保温性が高いと評価することができる。
今回の実験では、実施例、比較例ともに室温20.5℃、湿度65.0%±4%RH(相対湿度)の環境下において、30.5℃に設定した板上に試料をセットして測定した。
次に熱伝導率の測定には、KES−F7サーモラボII(カトーテック社製)を用い、ΔT=10℃の試験を行った。具体的には、試験片を2つの板の間に介装するとともに一方の板を30℃に加熱し、加熱した板から上記試験片を介して他方の20℃に設定した板への熱の伝わりやすさを測定するとともに、その際の消費電力を測定することで熱伝導率を算出した。
この時、熱が奪われやすいほど消費電力量は増大し、反対に熱が伝わりにくければ消費電力量は少なくてすむことから、熱伝導率が低いほど保温性が高いと評価することができる。
まず編地1の保温性については、以下の保温率および熱伝導率を測定して評価を行った。
保温率の測定には、KES−F7サーモラボII(カトーテック社製)を用い、ドライコンタクト法により測定した。最初に(環境温度+10)℃に設定した板上に試験片をセットし、当該試験片に30cm/secで送風を行い、その際に放散された熱量(e)を測定する。
一方、試験片をセットしていない状態での上記板から放散される熱量を測定し、試験片と板とにおける放散された熱量の値から保温率(%)を算出する。保温率の値が大きいほど保温性が高いと評価することができる。
今回の実験では、実施例、比較例ともに室温20.5℃、湿度65.0%±4%RH(相対湿度)の環境下において、30.5℃に設定した板上に試料をセットして測定した。
次に熱伝導率の測定には、KES−F7サーモラボII(カトーテック社製)を用い、ΔT=10℃の試験を行った。具体的には、試験片を2つの板の間に介装するとともに一方の板を30℃に加熱し、加熱した板から上記試験片を介して他方の20℃に設定した板への熱の伝わりやすさを測定するとともに、その際の消費電力を測定することで熱伝導率を算出した。
この時、熱が奪われやすいほど消費電力量は増大し、反対に熱が伝わりにくければ消費電力量は少なくてすむことから、熱伝導率が低いほど保温性が高いと評価することができる。
次に編地1の吸放湿性については、吸湿速度および放湿速度を測定したうえで、吸湿速度比および放湿速度比を算出して評価を行った。
まず、ボーケン規格BQE A034にかかる吸放湿性試験を用いて、吸湿速度および放湿速度を測定した。
吸湿速度は、最初に10×10cmの試験片を温度25℃、湿度40%RHに設定された初期条件ボックスにて調湿したのち、当該試験片を温度25℃、湿度80%RHに設定された吸湿ボックスに収容する。
すると上記試験片が吸湿を開始するため、上記吸湿ボックスに収容してから1分後および5分後の吸湿量から各時間の吸湿速度を測定し、さらに測定した1分後および5分後の吸湿速度から吸湿速度比(5分後吸湿速度/1分後吸湿速度)を算出した。
ここで、1分後および5分後の吸湿速度比が高いことは、時間経過に伴う吸湿性能の低下が少ないことを意味し、例えば編地1を肌着として使用した場合には、長時間に渡って汗の吸収を行うことで快適な状態を維持できる。
次に放湿速度は、上記吸湿ボックスに収容した試験片の湿度が平衡に達したら、当該試験片を再度上記初期条件ボックスに収容し、上記試験片から水分を放湿させる。そして初期条件ボックスに収容してから1分後および5分後の放湿量に基づいて各時間の放湿速度を測定し、さらに測定した1分後および5分後における放湿速度から放湿速度比(5分後放湿速度/1分後放湿速度)を算出した。
そして1分後および5分後の放湿速度比が高いことは、時間経過に伴う放湿性能の低下が少ないことを意味し、例えば編地1を肌着として使用した場合には、長時間に渡って吸収した汗を放出することができ、快適な状態を維持できる。
まず、ボーケン規格BQE A034にかかる吸放湿性試験を用いて、吸湿速度および放湿速度を測定した。
吸湿速度は、最初に10×10cmの試験片を温度25℃、湿度40%RHに設定された初期条件ボックスにて調湿したのち、当該試験片を温度25℃、湿度80%RHに設定された吸湿ボックスに収容する。
すると上記試験片が吸湿を開始するため、上記吸湿ボックスに収容してから1分後および5分後の吸湿量から各時間の吸湿速度を測定し、さらに測定した1分後および5分後の吸湿速度から吸湿速度比(5分後吸湿速度/1分後吸湿速度)を算出した。
ここで、1分後および5分後の吸湿速度比が高いことは、時間経過に伴う吸湿性能の低下が少ないことを意味し、例えば編地1を肌着として使用した場合には、長時間に渡って汗の吸収を行うことで快適な状態を維持できる。
次に放湿速度は、上記吸湿ボックスに収容した試験片の湿度が平衡に達したら、当該試験片を再度上記初期条件ボックスに収容し、上記試験片から水分を放湿させる。そして初期条件ボックスに収容してから1分後および5分後の放湿量に基づいて各時間の放湿速度を測定し、さらに測定した1分後および5分後における放湿速度から放湿速度比(5分後放湿速度/1分後放湿速度)を算出した。
そして1分後および5分後の放湿速度比が高いことは、時間経過に伴う放湿性能の低下が少ないことを意味し、例えば編地1を肌着として使用した場合には、長時間に渡って吸収した汗を放出することができ、快適な状態を維持できる。
実施例1にかかる編地1は、内層2を綿糸、外層3をポリエステルマルチフィラメント、上記接結糸4を中空ポリエステルマルチフィラメントによって構成したものとなっている。
上記内層2には綿100%で番手32/1の単糸を31.5重量%用い、また外層3としてのポリエステルマルチフィラメントには太さ100d/36fのものを48.5重量%用い、接結糸4としての中空ポリエステルマルチフィラメントには太さ100d/36fのものを20.0重量%用い、このとき編地1全体としての目付は210g/m2であった。
上記内層2には綿100%で番手32/1の単糸を31.5重量%用い、また外層3としてのポリエステルマルチフィラメントには太さ100d/36fのものを48.5重量%用い、接結糸4としての中空ポリエステルマルチフィラメントには太さ100d/36fのものを20.0重量%用い、このとき編地1全体としての目付は210g/m2であった。
実施例2にかかる編地1は、内層2を吸湿性繊維からなる紡績糸としてのレーヨンによって構成した以外は、上記実施例1の編地1と同様の構成とした。また実施例2にかかる編地1全体としての目付は223g/m2であった。
比較例1にかかる編地1は、内層2を綿糸によって構成し、外層3をポリエステルマルチフィラメントからなる糸によって構成した点においては、上記実施例1と同様であるが、接結糸4には外層3と同じポリエステルマルチフィラメントを用いた。また比較例1にかかる編地1全体としての目付は220g/m2であった。
比較例2にかかる編地1は、内層2が綿糸、外層3がポリエステルからなる紡績糸によって構成された2層構造の編地1となっており、比較例2にかかる編地1全体としての目付は140g/m2であった。
上記表1に示す実験結果について、編地1の保温性については以下のように評価できる。
まず実施例1、2の編地1については、それぞれ保温率が26.5%以上、熱伝導率が6.0×10−4W/cm・℃以下という結果が得られた。これは、接結糸4に中空ポリエステルを用いたことで、当該中空ポリエステルの内部空間による断熱効果によって内層2で生じた熱が外層3へと伝わりにくくなっており、これにより高い保温性が得られたものと推察される。
これに対し、比較例1にかかる編地1の保温性は、保温率が26.5%未満であり、特に熱伝導率が6.0×10−4W/cm・℃を大きく上回っていることから、比較例1では内層2で発生した熱が接結糸4を介して外層3へと伝導されるものと推察され、その結果実施例1、2に比べて保温性が劣るという結果になった。
また比較例2にかかる編地1の保温性については、熱伝導率については6.0×10−4W/cm・℃以下であったものの、保温率が26.5%を下回っており、実施例1、2に比べて保温性が劣っていることが理解できる。
まず実施例1、2の編地1については、それぞれ保温率が26.5%以上、熱伝導率が6.0×10−4W/cm・℃以下という結果が得られた。これは、接結糸4に中空ポリエステルを用いたことで、当該中空ポリエステルの内部空間による断熱効果によって内層2で生じた熱が外層3へと伝わりにくくなっており、これにより高い保温性が得られたものと推察される。
これに対し、比較例1にかかる編地1の保温性は、保温率が26.5%未満であり、特に熱伝導率が6.0×10−4W/cm・℃を大きく上回っていることから、比較例1では内層2で発生した熱が接結糸4を介して外層3へと伝導されるものと推察され、その結果実施例1、2に比べて保温性が劣るという結果になった。
また比較例2にかかる編地1の保温性については、熱伝導率については6.0×10−4W/cm・℃以下であったものの、保温率が26.5%を下回っており、実施例1、2に比べて保温性が劣っていることが理解できる。
次に、編地1の吸放湿性については以下のように評価できる。
まず実施例1、2の編地1については、それぞれ吸湿速度比が0.4以上、かつ放湿速度比が0.45以上という結果が得られた。これは、外層3および接結糸4をマルチフィラメントとしたことで、時間経過による吸放湿速度の低下が抑制されたからであると推察される。
これに対し、比較例1にかかる編地1は、吸湿速度比が0.4以上、かつ放湿速度比が0.45以上であり、吸放湿性については実施例1、2と同等の性能を有しているものといえる。しかしながら、上述した様に比較例1に係る編地1は保温性に劣るものとなっている。
また比較例2にかかる編地1は、吸湿速度比が0.4未満、かつ放湿速度比が0.45未満であり、時間の経過に伴って吸放湿性が低下することを示すことから、当該比較例2にかかる編地1を肌着として着用した場合には、長時間の着用によって汗によるべたつきが発生するものと推察される。
まず実施例1、2の編地1については、それぞれ吸湿速度比が0.4以上、かつ放湿速度比が0.45以上という結果が得られた。これは、外層3および接結糸4をマルチフィラメントとしたことで、時間経過による吸放湿速度の低下が抑制されたからであると推察される。
これに対し、比較例1にかかる編地1は、吸湿速度比が0.4以上、かつ放湿速度比が0.45以上であり、吸放湿性については実施例1、2と同等の性能を有しているものといえる。しかしながら、上述した様に比較例1に係る編地1は保温性に劣るものとなっている。
また比較例2にかかる編地1は、吸湿速度比が0.4未満、かつ放湿速度比が0.45未満であり、時間の経過に伴って吸放湿性が低下することを示すことから、当該比較例2にかかる編地1を肌着として着用した場合には、長時間の着用によって汗によるべたつきが発生するものと推察される。
1 編地 2 内層
3 外層 4 接結糸
3 外層 4 接結糸
Claims (6)
- 肌側となる内層と、外側となる外層と、当該内層と外層とを連結する接結糸とから構成された編地において、
上記内層は吸湿性繊維からなる紡績糸によって構成され、上記外層は疎水性繊維からなるマルチフィラメントによって構成され、上記接結糸は中空の疎水性繊維からなるマルチフィラメントによって構成されたことを特徴とする編地。 - 保温率が26.5%以上、熱伝導率が6.0×10−4W/cm・℃以下であり、
さらに、1分後の吸湿量と5分後の吸湿量とによる吸湿速度比が0.4以上、かつ1分後の放湿量と5分後の放湿量とによる放湿速度比が0.45以上であることを特徴とする請求項1に記載の編地。 - 上記接結糸を構成する中空の疎水性繊維は中空ポリエステルであって、かつ中空率が10〜30%であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の編地。
- 上記接結糸が編地に占める割合が10〜25重量%の範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の編地。
- 上記内層を構成する吸湿性繊維からなる紡績糸を綿またはレーヨンといったセルロース系繊維によって構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の編地。
- 上記外層を構成する疎水性繊維をポリエステルとしたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の編地。
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