JP2018015886A - 加工液再利用処理装置及びそれを用いる加工液再利用処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】工作機械の加工液貯留タンク内に蓄積した切粉、切り屑等を含む液中スラッジを加工液と共に吸引して分離処理を行い、処理後の加工液をタンク内に戻して再利用するための加工液再利用処理装置及びそれを用いる加工液再利用処理方法を提供する。【解決手段】本装置1は、加工液貯留タンク100から液中スラッジを含む加工液を吸い込んで圧送する送液ポンプ2と、送液ポンプ圧送加工液か液中スラッジを分離する液中スラッジ捕捉鋳型4を含む液中スラッジ分離流路3と、液中スラッジ分離処理済加工液を加工液貯留タンクに戻す加工液排水部5、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、工作機械の加工液貯留タンク内に堆積した切粉、切り屑等を含むスラッジを加工液と共に液中スラッジ捕捉鋳型を備えた流路に流すことで、スラッジを選択的に分離して加工液をクリーニングし、処理後の加工液をタンク内に戻して再利用するための加工液再利用処理装置及びそれを用いる加工液再利用処理方法に関する。
従来より、工作機械によるワークの加工時に、工具とワークとの摩擦抵抗の低減や冷却等を目的として、油性切削・研削油、水性切削・研削油等の加工液が使用されている。特に、自動機の場合、高速で加工されることにより熱の発生も多いので、加工液貯留タンクに貯留された大量の加工液をポンプにより循環させて使用している。
また、この加工液には加工の際に発生する切屑や切粉がワークに付着しないように洗い流す目的もある。これらの洗い流された切屑や切粉等のスラッジの多くはチップコンベアやマグネチックセパレータによって自動的に系外に排出されるが、一部は加工液中に残留し、その量は加工液を循環させて使用するうちに次第に多くなり、加工液中に浮遊する液中スラッジとして加工液と共に循環されたり、堆積スラッジとして加工液貯留タンク内に堆積したりする。このタンク内の堆積スラッジは、タンクの許容量以上は貯留できないので、定期的に除去する必要がある。また、加工液は、微生物の混入による腐敗等、長期の循環使用により劣化するので、定期的に廃棄して更新する必要があるとされている。そして、通常、この更新の際に、タンク内の堆積スラッジは、加工液と共にタンクから除去される。
また、この加工液には加工の際に発生する切屑や切粉がワークに付着しないように洗い流す目的もある。これらの洗い流された切屑や切粉等のスラッジの多くはチップコンベアやマグネチックセパレータによって自動的に系外に排出されるが、一部は加工液中に残留し、その量は加工液を循環させて使用するうちに次第に多くなり、加工液中に浮遊する液中スラッジとして加工液と共に循環されたり、堆積スラッジとして加工液貯留タンク内に堆積したりする。このタンク内の堆積スラッジは、タンクの許容量以上は貯留できないので、定期的に除去する必要がある。また、加工液は、微生物の混入による腐敗等、長期の循環使用により劣化するので、定期的に廃棄して更新する必要があるとされている。そして、通常、この更新の際に、タンク内の堆積スラッジは、加工液と共にタンクから除去される。
しかしながら、機械加工に用いられる加工液は、加工されるワークに持ち出されること等により減少するので、その減少量に応じて補充される。そして通常、この補充には、新しい加工液が用いられる。この結果、タンク内の加工液は定期的に更新されていることとなるので、多くの場合廃棄する必要はなく、タンク内の堆積スラッジや液中の液中スラッジを分離することにより再利用することができる。
また、加工液の浄化装置として、スラッジを堆積させないようにタンク内の切削液を攪拌し、攪拌させた加工液をサイクロン等の分離手段に連続的に送ることによりスラッジを分離することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、加工液の浄化装置として、スラッジを堆積させないようにタンク内の切削液を攪拌し、攪拌させた加工液をサイクロン等の分離手段に連続的に送ることによりスラッジを分離することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記特許文献1では、工作機械毎に据付けた装置により、タンク内にスラッジを堆積させないために常に攪拌させておかなくてはならず、設備コストやランニングコストの面で問題があった。
一方、加工液の濾過処理用の簡易吸引濾過装置として、ロール状濾紙やバグフィルタ等を用いた装置も市販されているが、大量のスラッジを処理しようとした場合、フィルタの目詰まりが頻発し、その都度装置を停止させてフィルタを交換しなくてはならない等の問題があった。
一方、加工液の濾過処理用の簡易吸引濾過装置として、ロール状濾紙やバグフィルタ等を用いた装置も市販されているが、大量のスラッジを処理しようとした場合、フィルタの目詰まりが頻発し、その都度装置を停止させてフィルタを交換しなくてはならない等の問題があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、工作機械の加工液貯留タンク内に堆積した切粉、切り屑等を含むスラッジを加工液と共に液中スラッジ捕捉鋳型を備えた流路に流し、スラッジを選択的に分離して連続的にクリーニングを行い、処理後の加工液をタンク内に戻して再利用するための加工液再利用処理装置及びそれを用いる加工液再利用処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.工作機械の加工液貯留タンク内に蓄積するスラッジを加工液と共に液中スラッジ捕捉流路に流し、該スラッジを含む加工液から液中スラッジを分離処理し、該処理された加工液を前記加工液貯留タンクに戻して再利用するための加工液再利用処理装置であって、前記加工液貯留タンクから前記スラッジを含む加工液を吸い込んで流路に送り込む送液ポンプと、送液ポンプで送られる加工液から、液体成分と固体成分の流動特性の差を利用して液中スラッジだけを分離する液中スラッジ分離流路と、前記液中スラッジ分離流路により処理された液中スラッジ処理済み加工液を前記加工液貯留タンクに戻す加工液排出部を備えた加工液貯留タンクからなることを特徴とする加工液再利用処理装置。
2.前記液中スラッジ分離流路は、液中スラッジを含む加工液を流すための分離流路、分離流路の途中に設けた液中スラッジ捕捉鋳型と、前期液中スラッジ分離流路に加工液を導入する加工液送液ポンプ及び液中スラッジ処理済み加工液を前記加工液貯留タンクに戻す加工液排出部を有する加工液再利用処理装置。
3.前記液中スラッジ捕捉鋳型は、ダクト、管、樋等のごく一般的な流路に液中スラッジを捕捉するための多孔体を設けたものであって、多孔体は加工液が多孔体表層部に液膜状の流れを形成し、同時に加工液中の液中スラッジを選択的に捕捉する処理装置である。このとき形成される液膜の厚さは、捕捉の対象となる液中スラッジの長さと同等または以下とすることが望ましい。捕捉鋳型には液中スラッジと相似する形状および寸法の微細孔が多数設けられると共に加工液が浸透する性質を持つことが理想的である。したがって前記捕捉鋳型には材質にかかわらず多孔体や繊維加工品の使用が適しているが、加工液が捕捉鋳型表層部に液膜状の流れを形成し、同時に加工液中の液中スラッジを選択的に捕捉するものであれば、これらに限るものではない。
前記液中スラッジ捕捉鋳型を通過した液中スラッジ処理済み加工液は、分離流路の終端に設けた加工液排出部から加工液貯留タンクに自然落下する。加工液排出部出口には、液中スラッジ捕捉鋳型を通過する微細な浮遊性スラッジや沈降性スラッジを蓄積する補助分離流路を設けることもできる。
4.前記加工液再利用処理装置は、加工液貯留タンクの一部として常設した形で設置することが考えられる。また、前記加工液貯留タンクから前記スラッジを含む加工液を吸い込んで流路に送り込む送液ポンプと、送液ポンプで送られる加工液から、液体成分と固体成分の流動特性の差を利用して液中スラッジだけを分離する液中スラッジ分離流路と、前記液中スラッジ分離流路により処理された液中スラッジ処理済み加工液を前記加工液貯留タンクに戻す加工液排出部を備えた加工液再利用処理装置を独立に構成し、種々の加工液貯留タンクに外付けの形で使用する可搬型加工液再利用処理装置であってもよい。
5.前記加工液貯留タンクから前記スラッジを含む加工液を吸い込んで流路に送り込む送液工程と、送液ポンプで送られる加工液から、液体成分と固体成分の流動特性の差を利用して液中スラッジだけを液中スラッジ捕捉鋳型を利用して分離する工程と、前記液中スラッジ分離流路により処理された液中スラッジ処理済み加工液を液中スラッジ分離流路の加工液排出部から前記加工液貯留タンクに戻す工程と、を含むことを特徴とする加工液再利用処理方法。
1.工作機械の加工液貯留タンク内に蓄積するスラッジを加工液と共に液中スラッジ捕捉流路に流し、該スラッジを含む加工液から液中スラッジを分離処理し、該処理された加工液を前記加工液貯留タンクに戻して再利用するための加工液再利用処理装置であって、前記加工液貯留タンクから前記スラッジを含む加工液を吸い込んで流路に送り込む送液ポンプと、送液ポンプで送られる加工液から、液体成分と固体成分の流動特性の差を利用して液中スラッジだけを分離する液中スラッジ分離流路と、前記液中スラッジ分離流路により処理された液中スラッジ処理済み加工液を前記加工液貯留タンクに戻す加工液排出部を備えた加工液貯留タンクからなることを特徴とする加工液再利用処理装置。
2.前記液中スラッジ分離流路は、液中スラッジを含む加工液を流すための分離流路、分離流路の途中に設けた液中スラッジ捕捉鋳型と、前期液中スラッジ分離流路に加工液を導入する加工液送液ポンプ及び液中スラッジ処理済み加工液を前記加工液貯留タンクに戻す加工液排出部を有する加工液再利用処理装置。
3.前記液中スラッジ捕捉鋳型は、ダクト、管、樋等のごく一般的な流路に液中スラッジを捕捉するための多孔体を設けたものであって、多孔体は加工液が多孔体表層部に液膜状の流れを形成し、同時に加工液中の液中スラッジを選択的に捕捉する処理装置である。このとき形成される液膜の厚さは、捕捉の対象となる液中スラッジの長さと同等または以下とすることが望ましい。捕捉鋳型には液中スラッジと相似する形状および寸法の微細孔が多数設けられると共に加工液が浸透する性質を持つことが理想的である。したがって前記捕捉鋳型には材質にかかわらず多孔体や繊維加工品の使用が適しているが、加工液が捕捉鋳型表層部に液膜状の流れを形成し、同時に加工液中の液中スラッジを選択的に捕捉するものであれば、これらに限るものではない。
前記液中スラッジ捕捉鋳型を通過した液中スラッジ処理済み加工液は、分離流路の終端に設けた加工液排出部から加工液貯留タンクに自然落下する。加工液排出部出口には、液中スラッジ捕捉鋳型を通過する微細な浮遊性スラッジや沈降性スラッジを蓄積する補助分離流路を設けることもできる。
4.前記加工液再利用処理装置は、加工液貯留タンクの一部として常設した形で設置することが考えられる。また、前記加工液貯留タンクから前記スラッジを含む加工液を吸い込んで流路に送り込む送液ポンプと、送液ポンプで送られる加工液から、液体成分と固体成分の流動特性の差を利用して液中スラッジだけを分離する液中スラッジ分離流路と、前記液中スラッジ分離流路により処理された液中スラッジ処理済み加工液を前記加工液貯留タンクに戻す加工液排出部を備えた加工液再利用処理装置を独立に構成し、種々の加工液貯留タンクに外付けの形で使用する可搬型加工液再利用処理装置であってもよい。
5.前記加工液貯留タンクから前記スラッジを含む加工液を吸い込んで流路に送り込む送液工程と、送液ポンプで送られる加工液から、液体成分と固体成分の流動特性の差を利用して液中スラッジだけを液中スラッジ捕捉鋳型を利用して分離する工程と、前記液中スラッジ分離流路により処理された液中スラッジ処理済み加工液を液中スラッジ分離流路の加工液排出部から前記加工液貯留タンクに戻す工程と、を含むことを特徴とする加工液再利用処理方法。
本発明の常設型または可搬型加工液再利用処理装置によると、加工液から液中スラッジを分離処理するために、液中スラッジ捕捉鋳型を備えた液中スラッジ分離流路を設けるようにし、工作機械の加工液貯留タンク内に蓄積した比較的微細な液中スラッジを分離処理する場合であっても、スラッジの詰りを発生させることなく、連続的に、効率よく、短時間で分離処理を実行することができる。また、可搬型にも設計可能であるので、工作機械の加工液貯留タンクの近傍に運搬されて加工液再利用処理を実行し、処理完了後は他の加工液貯留タンクの近傍に運搬されて加工液再利用処理を実行する、というように、複数の工作機械で共用して使用することができる。
また、前記液中スラッジ分離流路は、加工液が前記液中スラッジ捕捉鋳型表層部に、捕捉の対象となる液中スラッジの長さと同等または以下の厚さの液膜状の流れを形成し、捕捉鋳型には液中スラッジと相似する形状および寸法の微細孔を多数有する場合は、分離流路内に導入された加工液から液中スラッジを好適に分離処理できる。その結果、加工液中で簡単には浮きも沈みもしない液中スラッジを処理する場合であっても、装置を停止させることなく連続的に分離処理を実行することができる。また、液中スラッジを分離除去することにより、沈降しやすいスラッジおよび浮上しやすいスラッジの沈降または浮上速度が速くなるため、チップコンベア、マグネチックセパレータ、オイルスキマーといった従来から広く使用されているスラッジ分離装置の分離能力も大幅に向上させることができる。
更に、前記液中スラッジ分離流路で分離される液中スラッジは、加工液の腐敗劣化を促進し悪臭発生の原因とされる微生物の餌となることが知られており、液中スラッジを連続的に分離除去することにより、加工液のサービス寿命を延ばすと共に悪臭レベルを低減させることができる。
本実施形態に係る定置型または可搬型加工液再利用処理装置は、工作機械の加工液貯留タンク内に蓄積するスラッジを加工液と共に吸引し、該スラッジを含む加工液から液中スラッジを分離処理し、該処理された加工液を前記加工液貯留タンクに戻して再利用するための定置型または可搬型加工液再利用処理装置であって、以下に述べる送液ポンプ、液中スラッジ分離流路、液中スラッジ捕捉鋳型及び加工液排出部を備えている。
尚、上記「加工液」は、工作機械による機械加工時に用いられるものである限り特に限定されないが、例えば、水溶性切削油等であることができる。
上記「スラッジ」とは、工作機械による加工時に発生する切粉や切り屑、砥粒等だけでなく、加工液内に混入した異物全般のことをいう。また、このスラッジは、工作機械の切削液貯留タンク内に堆積していたり、切削液中に浮遊していたりしており、スラッジの中でも短時間で沈降も浮上もしないものを液中スラッジと呼ぶ。
また、本実施形態に係る可搬型切削液再利用処理装置を移動させる形態は特に限定されないが、例えば、手押し式台車、自走式台車等の移動手段により移動させる形態を挙げることができる。
上記「スラッジ」とは、工作機械による加工時に発生する切粉や切り屑、砥粒等だけでなく、加工液内に混入した異物全般のことをいう。また、このスラッジは、工作機械の切削液貯留タンク内に堆積していたり、切削液中に浮遊していたりしており、スラッジの中でも短時間で沈降も浮上もしないものを液中スラッジと呼ぶ。
また、本実施形態に係る可搬型切削液再利用処理装置を移動させる形態は特に限定されないが、例えば、手押し式台車、自走式台車等の移動手段により移動させる形態を挙げることができる。
上記「送液ポンプ」は、上記加工液貯留タンクから上記スラッジを含む加工液を吸い込んで圧送する限り、その構造、大きさ、形態等は特に問わない。この送液ポンプとして用いられるポンプの種類としては、例えば、ダイヤフラムポンプ、ギヤポンプ、ベーンポンプ等の容積ポンプ、渦巻きポンプ等の非容積型ポンプ等を挙げることができるが、特に、ダイヤフラムポンプであることが好ましい。その構造上、流路以外のポンプの機構内に搬送流体が侵入することがないので、スラッジの噛み込み等による故障がなく、また、スラッジを多く含んだ高粘度の加工液であっても好適に圧送することができると共に、吸引時に空気を吸い込んだとしても吸引を継続することができるからである。さらに、送液ポンプは動力を持つ必要はなく、加工液を吸い込んで圧送できるサイホン式のカラクリ仕掛けでもよい。
上記送液ポンプにより上記スラッジを含む加工液を吸い込む形態としては、例えば、可撓性ホースの一端側を送液ポンプの吸込口に接続し、他端側に着脱自在に接続された吸込具を上記加工液貯留タンクに挿入して吸い込む形態等を挙げることができる。
上記「可撓性ホース」は、その大きさ、材質等は特に限定されない。
上記「可撓性ホース」は、その大きさ、材質等は特に限定されない。
上記「液中スラッジ分離流路」は、上記送液ポンプ圧送加工液を上記液中スラッジ捕捉鋳型表層部に流して液中スラッジを分離する限り、その構成、大きさ、個数、処理形態等は特に問わない。この液中スラッジ分離流路は、例えば、ダクト、管、樋等のごく一般的な流路本体と、送液ポンプ圧送加工液を該流路本体の内部に導入する導入部と、流路本体に設けられ液中スラッジを捕捉する液中スラッジ捕捉鋳型及び液中スラッジを分離した該流路本体内の加工液を前記加工液貯留タンクに戻して再利用するための加工液排出部から構成される(例えば、図3参照)
上記「液中スラッジ捕捉鋳型」は、液中スラッジを捕捉できれば、その構造、形状、材質等は特に問わないが、ダクト、管、樋等のごく一般的な流路に液中スラッジを捕捉するための多孔体を設けたものであって、多孔体は、流路本体の全幅にわたって敷設され、加工液が多孔体表層部に液膜状の流れを形成し、同時に加工液中の液中スラッジを選択的に捕捉する処理装置であることが望ましい。このとき形成される液膜の厚さは、捕捉の対象となる液中スラッジの長さと同等または以下が望ましく、捕捉鋳型には液中スラッジと相似する形状および寸法の微細孔が多数設けられると共に加工液が浸透する性質を持つことが理想的である。また、液膜の厚さを液中スラッジの長さと同等または以下とするには、液中スラッジ分離流路を傾斜角θ(>0°)を設けて設置することが望ましいが、その構造、形状、材質等は特に問わない(例えば、図4参照)。このように前記捕捉鋳型には材質にかかわらず多孔体や繊維加工品の使用が適しているが、加工液が捕捉鋳型表層部に液膜状の流れを形成し、同時に加工液中の液中スラッジを選択的に捕捉するものであれば、これらに限るものではない。
上記液中スラッジ捕捉鋳型によって、その表層部に導入された液中スラッジを含む加工液が通過することで加工液と液中スラッジとに分離される。また、分離された液中スラッジは液中スラッジ捕捉鋳型の孔内または孔縁等に機械的にトラップされているにすぎないため、処理後に捕捉鋳型を水等で洗浄するだけで簡単に回収でき、洗浄後の液中スラッジ捕捉鋳型はそのまま繰り返し利用ができる。
上記液中スラッジ捕捉鋳型によって、その表層部に導入された液中スラッジを含む加工液が通過することで加工液と液中スラッジとに分離される。また、分離された液中スラッジは液中スラッジ捕捉鋳型の孔内または孔縁等に機械的にトラップされているにすぎないため、処理後に捕捉鋳型を水等で洗浄するだけで簡単に回収でき、洗浄後の液中スラッジ捕捉鋳型はそのまま繰り返し利用ができる。
上記「加工液排出部」は、上記液中スラッジ分離流路本体の終端に設けられ且つ液中スラッジ捕捉鋳型通過済加工液として流路本体内の加工液を排出する限り、その構造、形状、材質等は特に問わない。上記加工液排出部は、例えば、上記流路本体の終端に設けられ且つ流路本体の傾斜を利用して加工液貯留タンクに自然落下する形態を挙げることができる。また、加工液排出部出口には、液中スラッジ捕捉鋳型を通過する微細な浮遊性スラッジや沈降性スラッジを蓄積する補助分離流路を設けることもできる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。尚、本実施例に係る工作機械の加工液貯留タンクの容量は、一般的な工作機械の加工液貯留タンク容量である400リットル程度であり、その加工液貯留タンク内に貯留されている切削液は300リットル程度としている。また、加工液貯留タンク内の加工液は、チップコンベアまたはマグネチックセパレータにより処理された加工液であり、微細なスラッジが多く含まれている。
1.加工液再利用処理装置の構成
本実施例に係る加工液再利用処理装置1(以下、単に本装置ともいう)は、工作機械の加工液貯留タンク100内に蓄積したスラッジを加工液と共に吸引し、該スラッジを含む加工液から液中スラッジ42を分離処理し、該処理された加工液を加工液貯留タンク100に戻して再利用するための定置型または可搬型の加工液再利用処理装置であって、図1及び2に示すように、送液ポンプ2と、液中スラッジ分離流路3と、液中スラッジ捕捉鋳型4と、加工液排出部5、を備えており、可搬型の場合これらは移動手段である台車10上に搭載されている。
本実施例に係る加工液再利用処理装置1(以下、単に本装置ともいう)は、工作機械の加工液貯留タンク100内に蓄積したスラッジを加工液と共に吸引し、該スラッジを含む加工液から液中スラッジ42を分離処理し、該処理された加工液を加工液貯留タンク100に戻して再利用するための定置型または可搬型の加工液再利用処理装置であって、図1及び2に示すように、送液ポンプ2と、液中スラッジ分離流路3と、液中スラッジ捕捉鋳型4と、加工液排出部5、を備えており、可搬型の場合これらは移動手段である台車10上に搭載されている。
送液ポンプ2の吸込口には可撓性ホース21の一端側が接続されており、可撓性ホース21の他端側には、工作機械の加工液貯留タンク100から加工液及びスラッジを吸引するための吸込具22が着脱自在に接続される。また、送液ポンプ2の吐出口は、液中スラッジ分離流路3の導入部と配管により接続されている。
液中スラッジ分離流路3は、図3に示すように、ダクト、管、樋等のごく一般的な流路本体と、送液ポンプ圧送加工液を該流路本体の内部に導入する導入部と、流路本体に設けられ液中スラッジを捕捉する液中スラッジ捕捉鋳型4及び液中スラッジを分離した該流路本体内の加工液を前記加工液貯留タンクに戻して再利用するための加工液排出部5から構成される。
液中スラッジ捕捉鋳型4は、図4(A)及び(B)に示すように、ダクト、管、樋等のごく一般的な流路の途中に設けた液中スラッジを捕捉するための多孔体であって、多孔体は、流路本体の全幅にわたって敷設されている。多孔体には液中スラッジと相似する形状および寸法の微細孔41が多数設けられている。また、捕捉鋳型による液中スラッジの分離能を高めるために、多孔体表層部に液中スラッジの長さと同程度の厚さの液膜状の流れが形成することが望ましく、液中スラッジ分離流路を傾斜角θ(>0°)を設けて設置している。これにより、送液ポンプ2により液中スラッジ分離流路3に導入された加工液が捕捉鋳型表層部を通過することで、加工液中の液中スラッジが選択的に捕捉鋳型4に捕捉される。
液中スラッジ分離流路の終端は、加工液排出部5と接続され、液中スラッジ捕捉鋳型通過済加工液を流路本体の傾斜を利用して加工液貯留タンクに自然落下させる形態となっている。また、加工液排出部出口には、液中スラッジ捕捉鋳型を通過する微細な浮遊性スラッジ62や沈降性スラッジ63を蓄積する、簡単な仕切り61を備えた補助分離流路6を設けることもできる。
2.加工液再利用処理。
次に、本実施例に係る加工液再利用処理装置1を用いる加工液再利用処理について説明する。
次に、本実施例に係る加工液再利用処理装置1を用いる加工液再利用処理について説明する。
最初に、図1および図2に示すように、スラッジが蓄積した工作機械の加工液貯留タンク100近傍に本装置1を設置または運搬する。そして、送液ポンプ2の可撓性ホース21を延ばして吸込具を加工液貯留タンク100に差し込む。この状態で、送液ポンプ2を駆動させる。これにより、工作機械の加工液貯留タンク100内の液中スラッジを含む加工液が吸引される。吸引された液中スラッジと加工液との混合流体は液中スラッジ分離流路3へ圧送される。
液中スラッジ分離流路3では、導入された液中スラッジを含む加工液は、流路に設けた傾斜角により自重で液中スラッジ捕捉鋳型4の表層面へ移動する。捕捉鋳型表層部に達した加工液は、液中スラッジの長さと同程度の液膜を形成し下流に流れていく。このとき、捕捉鋳型表面では、鋳型内の細孔41に近い形状及び寸法を持つ液中スラッジが細孔内に機械的にトラップされ分離される。液中スラッジ捕捉鋳型を通過した加工液は液中スラッジ分離流路終端に接続された加工液排出部5から工作機械の加工液貯留タンク100に自然落下によって戻される。また、加工液排出部出口に、液中スラッジ捕捉鋳型を通過する微細な浮遊性スラッジや沈降性スラッジを蓄積する、簡単な仕切りを備えた補助分離流路を設け、分離流路を通過させた後に加工液を加工液貯留タンクに戻してもよい。
上述のようにして分離処理が実行されると、図6に示すように、加工液から短時間では沈降も浮上もしない液中スラッジが分離除去されると共に、沈降しやすいスラッジおよび浮上しやすいスラッジの沈降または浮上速度が速くなるため、チップコンベア、マグネチックセパレータ、オイルスキマーといった従来から広く使用されているスラッジ分離装置の分離能力も大幅に向上する。更に、液中スラッジは、加工液の腐敗劣化を促進し悪臭発生の原因とされる微生物の餌となることが知られており、液中スラッジを連続的に分離除去することにより、加工液のサービス寿命を延ばすと共に悪臭レベルを低減させることができる。なお、液中スラッジ捕捉鋳型を通過する微細な浮遊性スラッジや沈降性スラッジは、加工液排出部5に補助分離流路6を設けることで補助分離流路内に蓄積することができる。
3.実施例の効果
3.実施例の効果
以上より、本実施例の加工液再利用処理装置1によると、加工液から液中スラッジを分離処理するために、液中スラッジ分離流路3と、液中スラッジ捕捉鋳型4と、を設けるようにし、工作機械の加工液貯留タンク100内に蓄積した多量の液中スラッジを分離処理する場合であっても、スラッジの詰りを発生させることなく、連続的に、効率よく、短時間で分離処理を実行することができる。また、可搬型にすることもできるため、工作機械の加工液貯留タンク100の近傍に運搬されて加工液再利用処理を実行し、処理完了後は他の加工液貯留タンク100の近傍に運搬されて加工液再利用処理を実行する、というように、複数の工作機械で共用して使用することができる。
また、上記液中スラッジ捕捉鋳型4によって分離された液中スラッジは液中スラッジ捕捉鋳型の孔内または孔縁等に機械的にトラップされているにすぎないため、処理後に捕捉鋳型を水等で洗浄するだけで簡単に回収でき、洗浄後の液中スラッジ捕捉鋳型はそのまま繰り返し利用ができる。
更に、本実施例の加工液再利用処理装置1は、送液ポンプ2を除いて、ヘッド差を利用、すなわち、無動力で加工液を流すカラクリ仕掛けであり、省エネルギー型の装置で、その構成も液中スラッジ処理流路3及び液中スラッジ捕捉鋳型4が主要要素であることから、省スペース型に設計することも可能で、可搬型にした場合、工作機械が設置されている工場等の一般的な幅の作業用通路上を自在に移動させることができる。
1;加工液再利用処理装置、2;送液ポンプ、21;可撓性ホース、22;吸込具、3;液中スラッジ分離流路本体、4;液中スラッジ捕捉鋳型、41;微細孔、42;液中スラッジ、5;加工液排出部、6;補助分離流路、61;仕切り、62;浮遊性スラッジ、63;沈降性スラッジ、10;台車、21;可撓性ホース、22;吸込口、100;加工液貯留タンク。
Claims (4)
- 工作機械の加工液貯留タンク内に蓄積した液中スラッジを加工液と共に吸引し、該スラッジを含む加工液から液中スラッジを分離処理し、該処理された加工液を前記加工液貯留タンクに戻して再利用するための定置型または可搬型の加工液再利用処理装置であって、前記加工液貯留タンクから前記液中スラッジを含む加工液を吸い込んで圧送する送液ポンプと、前記送液ポンプから圧送される圧送加工液から液中スラッジを分離する液中スラッジ捕捉鋳型を含む液中スラッジ分離流路と、液中スラッジ分離処理済加工液を前記加工液貯留タンクに戻す加工液排出部、を備えることを特徴とする定置型または可搬型切削液再利用処理装置及び加工液再利用処理方法。
- 上記液中スラッジ分離流路は、ダクト、管、樋等のごく−般的な流路本体と、送液ポンプ圧送加工液を該流路本体の内部に導入する導入部と、流路本体に設けられ液中スラッジを捕捉する液中スラッジ捕捉鋳型及び液中スラッジを分離した該流路本体内の加工液を前記加工液貯留タンクに戻して再利用するための加工液排出部から構成される、ことを特徴とする流路を有する請求項1記載の定置型または可搬型加工液再利用処理装置及び加工液再利用処理方法。
- 上記液中スラッジ捕捉鋳型は、ダクト、管、樋等のごく一般的な流路に液中スラッジを捕捉するための多孔体を設けたものであって、多孔体は、流路本体の全幅にわたって敷設され、加工液が多孔体表層部に液膜状の流れを形成し、同時に加工液中の液中スラッジを選択的に捕捉する処理装置である、ことを特徴とする捕捉鋳型を有する請求項1記載の定置型または可搬型加工液再利用処理装置及び加工液再利用処理方法。
- 上記液中スラッジ捕捉鋳型は、捕捉鋳型表層に形成される液膜の厚さは、捕捉の対象となる液中スラッジの長さと同等または以下とし、捕捉鋳型には液中スラッジと相似する形状および寸法の微細孔が多数設けられると共に加工液が浸透する性質を持ち、液膜の厚さを液中スラッジの長さと同等または以下とするために、液中スラッジ分離流路を傾斜角θ(>0°)を設けて設置すること、を特徴とする液中スラッジ分離流路を有する請求項1記載の定置型または可搬型加工液再利用処理装置及び加工液再利用処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016177103A JP2018015886A (ja) | 2016-07-29 | 2016-07-29 | 加工液再利用処理装置及びそれを用いる加工液再利用処理方法 |
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JP2016177103A JP2018015886A (ja) | 2016-07-29 | 2016-07-29 | 加工液再利用処理装置及びそれを用いる加工液再利用処理方法 |
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JP2016177103A Pending JP2018015886A (ja) | 2016-07-29 | 2016-07-29 | 加工液再利用処理装置及びそれを用いる加工液再利用処理方法 |
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JP (1) | JP2018015886A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020163243A (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-08 | 清水建設株式会社 | 移動式供給・回収装置および液循環供給リサイクルシステム |
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2016
- 2016-07-29 JP JP2016177103A patent/JP2018015886A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020163243A (ja) * | 2019-03-28 | 2020-10-08 | 清水建設株式会社 | 移動式供給・回収装置および液循環供給リサイクルシステム |
JP7245700B2 (ja) | 2019-03-28 | 2023-03-24 | 清水建設株式会社 | 移動式供給・回収装置および液循環供給リサイクルシステム |
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