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JP2018012473A - 操舵支援装置 - Google Patents

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JP2018012473A
JP2018012473A JP2016144801A JP2016144801A JP2018012473A JP 2018012473 A JP2018012473 A JP 2018012473A JP 2016144801 A JP2016144801 A JP 2016144801A JP 2016144801 A JP2016144801 A JP 2016144801A JP 2018012473 A JP2018012473 A JP 2018012473A
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敏明 應矢
Toshiaki Oya
敏明 應矢
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Abstract

【課題】車両が車線から逸脱するのを回避するように車両を誘導することができ、かつ旋回を維持するための操舵トルクが必要な曲線経路において車両を目標走行ラインに沿って走行させやすくなる、操舵支援装置を提供する。【解決手段】ECU12は、メインレーンキープアシスト電流値Imr*とサブレーンキープアシスト電流値Isr*との総和からなるレーンキープアシスト電流値Ir*を、上限値ULと下限値LLとの間に制限するリミッタ54と、上限値(右方向限界値)ULおよび下限値(左方向限界値)LLを設定する限界値設定部55とを含む。限界値設定部55は、旋回時において、右方向限界値および左方向限界値のうち、旋回内側に向かう方向に対応した限界値の絶対値を、その方向の限界基準値の絶対値よりも大きな値に設定する。【選択図】図2

Description

この発明は、車両の操舵支援装置に関し、特に、走行中の車両が車線を逸脱するのを防止するための操舵支援装置に関する。
車両が高速道路等を走行する際、運転者の不注意や路面状況によって車両が走行車線を逸脱すると、車両が他車両やガイドレールに接触するおそれがある。そこで、車両に搭載されたカメラの撮像画像に基づいて、路面情報や車両と車線との相対位置情報を取得し、車両が車線から逸脱しそうになると、運転者に警告を与える車両用警報装置が開発されている。
特開2013−212839号公報 特許第4292562号公報 特開平11−34774号公報
この発明の目的は、車両が車線から逸脱するのを回避するように車両を誘導することができ、かつ旋回を維持するための操舵トルクが必要な曲線経路において車両を目標走行ラインに沿って走行させやすくなる、操舵支援装置を提供することである。
請求項1に記載の発明は、車両の転舵機構(4)に転舵用駆動力を与えるための電動モータ(18)と、目標走行ラインからの車両の横偏差(y)と、前記横偏差の単位時間当たりの変化率である横偏差変化率(dy/dt)と、目標走行ラインの曲率(ct)に応じた値とを取得する情報取得手段と、操舵アシストトルクの目標値に対応した操舵アシスト電流値を設定する第1電流値設定手段(41)と、前記横偏差および前記横偏差変化率に応じたメインレーンキープアシスト電流値を設定する第2電流値設定手段(51)と、前記曲率に応じた値に応じたサブレーンキープアシスト電流値を設定する第3電流値設定手段(52)と、前記メインレーンキープアシスト電流値と前記サブレーンキープアシスト電流値との総和からなるレーンキープアシスト電流値を、右アシスト方向の電流限界値である右方向限界値と左アシスト方向の電流限界値である左方向限界値との間に制限する制限手段(54)と、前記曲率に応じた値に基づいて、前記右方向限界値および前記左方向限界値を設定する限界値設定手段(55)と、前記操舵アシスト電流値設定手段によって設定される操舵アシスト電流値および前記制限手段による制限処理後のレーンキープアシスト電流値に基づいて、前記電動モータを駆動制御する制御手段(44,45,46)とを含み、前記限界値設定手段は、直進時には、前記右方向限界値および前記左方向限界値をそれぞれ予め設定された右方向限界基準値および左方向限界基準値に設定する第1手段と、旋回時において、前記右方向限界値および前記左方向限界値のうち、旋回内側に向かう方向に対応した限界値の絶対値を、その方向の限界基準値の絶対値よりも大きな値に設定する第2手段とを含む、操舵支援装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
この発明では、横偏差および横偏差変化率に応じたメインレーンキープアシストトルクを発生させることができる。これにより、目標走行ラインに車両が近づくように車両を誘導することができる。また、目標走行ライン付近において、車両の幅方向中心線が目標走行ラインに平行となるように車両を誘導することができる。これにより、車両が車線から逸脱するのを回避するように車両を誘導することができる。
また、この発明では、目標走行ラインの曲率に応じたサブレーンキープアシストトルクを発生させることができる。これにより、旋回を維持するために操舵トルクが必要となる曲線経路走行時において、旋回を維持するための操舵トルクをサブレーンキープアシストトルクとして電動モータから発生させることができる。このため、曲線経路においても、車両を目標走行ラインに沿って走行させやすくなる。
また、この構成では、旋回時には、旋回内側に向かう方向に対応した限界値の絶対値を、その方向の限界基準値の絶対値よりも大きな値に設定できる。言い換えれば、旋回時において、遠心力が作用する方向とは反対方向のトルクを発生させるレーンキープアシスト電流値に対する限界値を拡張することができる。これにより、目標旋回軌道に対して車両が外側に逸脱した場合と内側に逸脱した場合とにおいて、運転者が感じるレーンキープアシストトルクの手応えをほぼ同じにすることができる。これにより、曲線経路での運転者による修正操舵が容易となる。
請求項2に記載の発明は、前記限界値設定手段は、旋回時において、前記右方向限界値および前記左方向限界値のうち、旋回外側に向かう方向に対応した限界値を、その方向の限界基準値と等しい値に設定する第3手段をさらに含む、請求項1に記載の操舵支援装置である。
請求項3に記載の発明は、前記第2手段は、前記右方向限界値および前記左方向限界値のうち、旋回内側に向かう方向に対応した限界値を、曲率に応じた値に応じて変化させるように構成されている、請求項1または2に記載の操舵支援装置である。
請求項4に記載の発明は、前記曲率に応じた値が、目標走行ラインの曲率またはヨーレイトである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の操舵支援装置である。
請求項5に記載の発明は、前記第2電流値設定手段は、前記横偏差および前記横偏差変化率を零に近づけるためのメインレーンキープアシスト電流値を演算するメインレーンキープアシスト電流値演算手段を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の操舵支援装置である。
請求項6に記載の発明は、前記第3電流値設定手段は、前記曲率に応じた値に基づいて、旋回方向と同方向のトルクを発生させるためのサブレーンキープアシスト電流値を設定するように構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の操舵支援装置である。
図1は、本発明の一実施形態に係る操舵支援装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、ECUの電気的構成を示すブロック図である。 図3は、検出操舵トルクTに対する操舵アシスト電流値Isの設定例を示すグラフである。 図4Aは、情報取得部の動作を説明するための模式図である。 図4Bは、目標走行ラインLsの曲率ctを求める方法の一例を説明するための模式図である。 図5は、メインレーンキープアシスト電流値設定部の電気的構成を示すブロック図である。 図6Aは、横偏差yに対する第1レーンキープアシスト電流値Ir1の関係の一例を示すグラフであり、図6Bは、横偏差yに対する第1レーンキープアシスト電流値Ir1の関係の他の例を示すグラフであり、図6Cは、横偏差yに対する第1レーンキープアシスト電流値Ir1の関係のさらに他の例を示すグラフである。 図7Aは、横偏差変化率dy/dtに対する第2レーンキープアシスト電流値Ir2の関係の一例を示すグラフであり、図7Bは、横偏差変化率dy/dtに対する第2レーンキープアシスト電流値Ir2の関係の他の例を示すグラフである。 図8は、車速Vに対する第1車速ゲインG1の設定例を示すグラフである。 図9は、曲率ctとサブレーンキープアシスト電流値Isrとの関係を示すグラフである。 図10は、限界値設定部の構成を示すブロック図である。 図11は、メインレーンキープアシスト電流値設定部の変形例を示すブロック図である。 図12は、検出操舵トルクTと制御用操舵トルクTsとの関係を示すグラフである。
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る操舵支援装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
電動パワーステアリング装置(EPS:electric power steering)1は、車両を操向するための操舵部材としてのステアリングホイール2と、このステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して相対回転可能に連結されている。
トーションバー10の周囲には、トルクセンサ11が配置されている。トルクセンサ11は、入力軸8および出力軸9の相対回転変位量に基づいて、ステアリングホイール2に与えられた操舵トルクTを検出する。この実施形態では、トルクセンサ11によって検出される操舵トルクTは、たとえば、右方向への操舵のためのトルクが正の値として検出され、左方向への操舵のためのトルクが負の値として検出され、その絶対値が大きいほど操舵トルクの大きさが大きくなるものとする。
転舵機構4は、ピニオン軸13と、転舵軸としてのラック軸14とを含むラックアンドピニオン機構からなる。ラック軸14の各端部には、タイロッド15およびナックルアーム(図示略)を介して転舵輪3が連結されている。ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン16が連結されている。
ラック軸14は、車両の左右方向に沿って直線状に延びている。ラック軸14の軸方向の中間部には、ピニオン16に噛み合うラック17が形成されている。このピニオン16およびラック17によって、ピニオン軸13の回転がラック軸14の軸方向移動に変換される。ラック軸14を軸方向に移動させることによって、転舵輪3を転舵することができる。
ステアリングホイール2が操舵(回転)されると、この回転が、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して、ピニオン軸13に伝達される。そして、ピニオン軸13の回転は、ピニオン16およびラック17によって、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。
操舵補助機構5は、操舵補助力(操舵アシストトルク)を発生させるための操舵補助用の電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを転舵機構4に伝達するための減速機構19とを含む。減速機構19は、ウォーム軸20と、このウォーム軸20と噛み合うウォームホイール21とを含むウォームギヤ機構からなる。減速機構19は、伝達機構ハウジングとしてのギヤハウジング22内に収容されている。
ウォーム軸20は、電動モータ18によって回転駆動される。また、ウォームホイール21は、ステアリングシャフト6とは同方向に回転可能に連結されている。ウォームホイール21は、ウォーム軸20によって回転駆動される。
電動モータ18によってウォーム軸20の回転力が補助されると、ウォームホイール21の回転力が補助され、ステアリングシャフト6の回転力が補助される。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォーム軸20の回転力が補助されることによって、転舵輪3の転舵が補助されるようになっている。つまり、電動モータ18は、転舵輪3の転舵を補助するための転舵用補助力を発生させるためのモータである。
車両には、車速Vを検出するための車速センサ23が設けられているとともに、車両の進行方向前方の道路を撮影するCCD(Charge Coupled Device)カメラ24が搭載されている。
トルクセンサ11によって検出される操舵トルクT、車速センサ23によって検出される車速VおよびCCDカメラ24から出力される画像信号は、ECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)12に入力される。ECU12は、これらの入力信号に基づいて、電動モータ18を制御する。
図2は、ECU12の電気的構成を示すブロック図である。
ECU12は、電動モータ18を制御するためのマイクロコンピュータ31と、マイクロコンピュータ31によって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)32と、電動モータ18に流れるモータ電流(実電流値)Iを検出する電流検出回路33とを含んでいる。
マイクロコンピュータ31は、CPUおよびメモリ(ROM,RAM,不揮発性メモリなど)を備えており、所定のプログラムを実行することにより、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、操舵アシスト電流値設定部(第1電流値設定手段)41と、情報取得部42と、レーンキープアシスト電流値設定部43と、目標電流値演算部44と、電流偏差演算部45と、PI制御部46と、PWM制御部47とが含まれる。
操舵アシスト電流値設定部41は、操舵アシストトルクの目標値に対応したモータ電流値である操舵アシスト電流値Isを設定する。操舵アシスト電流値設定部41は、トルクセンサ11によって検出される操舵トルクTと車速センサ23によって検出される車速Vとに基づいて、操舵アシスト電流値Isを設定する。検出操舵トルクTに対する操舵アシスト電流値Isの設定例は、図3に示されている。検出操舵トルクTは、例えば右方向への操舵のためのトルクが正の値にとられ、左方向への操舵のためのトルクが負の値にとられている。また、操舵アシスト電流値Isは、電動モータ18から右方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには正の値とされ、電動モータ18から左方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには負の値とされる。
操舵アシスト電流値Isは、検出操舵トルクTの正の値に対しては正をとり、検出操舵トルクTの負の値に対しては負をとる。検出操舵トルクTが−T1〜T1(たとえば、T1=0.4N・m)の範囲(トルク不感帯)の微小な値のときには、操舵アシスト電流値Isは零とされる。そして、検出操舵トルクTが−T1〜T1の範囲外の値である場合には、操舵アシスト電流値Isは、検出操舵トルクTの絶対値が大きくなるほど、その絶対値が大きくなるように設定されている。また、操舵アシスト電流値Isは、車速センサ23によって検出される車速Vが大きいほど、その絶対値が小さくなるように設定されるようになっている。これにより、低速走行時には大きな操舵補助力を発生させることができ、高速走行時には操舵補助力を小さくすることができる。
情報取得部42は、図4Aに示すように、CCDカメラ24によって撮像された画像に基いて、車両100が走行している車線を示す一対の車線境界線(白線)Ll,Lrを認識し、車両100の走行車線を認識する。そして、情報取得部42は、車両100の走行車線内に、車両100の目標走行ラインLsを設定する。この実施形態では、目標走行ラインLsは、走行車線の幅中央に設定される。また、情報取得部42は、目標走行ラインLsからの車両100の横偏差y、横偏差yの単位時間当たりの変化率である横偏差変化率dy/dtおよび目標走行ラインLsの曲率ctを取得する。
車両100の横偏差yは、平面視において、車両100の基準位置Cから目標走行ラインLsまでの距離を表す。車両100の基準位置Cは、車両100の重心位置であってもよく、車両100におけるCCDカメラ24の配置位置であってもよい。この実施形態では、車両100の基準位置Cが、進行方向に向かって、目標走行ラインLsの右側にある場合には、横偏差yの符号は正となり、目標走行ラインLsの左側にある場合には、横偏差yの符号は負となるように、横偏差yは設定される。
横偏差変化率dy/dtは、今回取得した横偏差y(t)と、所定の単位時間Δt前に取得した横偏差y(t-Δt)との偏差(y(t)−y(t-Δt))であってもよい。また、横偏差変化率dy/dtは、所定の単位時間Δt後に予測される横偏差y(t+Δt)と、今回取得した横偏差y(t)との偏差(y(t+Δt)−y(t))であってもよい。横偏差の予測値y(t+Δt)は、車速、ヨー角等を考慮して求められてもよい。
また、横偏差変化率dy/dtは、所定時間Δtx後の時点t1に予測される横偏差y(t+Δtx)と、時点t1から所定の単位時間Δt後の時点t2に予測される横偏差y(t+Δtx+Δt)との偏差(y(t+Δtx+Δt)−y(t+Δtx))であってもよい。前記横偏差の予測値y(t+Δtx)およびy(t+Δtx+Δt)は、車速、ヨー角等を考慮して求められてもよい。車両の進行方向前方の道路を撮像して、車両の横偏差yを演算または予測する手法は、前記特許文献1,2,3等に記載されているように公知なのでその説明を省略する。
目標走行ラインLsの曲率ctは、目標走行ラインLsの曲がり具合を表し、1を目標走行ラインLsの曲率半径で除算した値として定義される。曲線経路のカーブが緩やかになる程、曲率半径は大きくなるから、曲率ctは小さくなる。情報取得部42は、例えば、次のようにして目標走行ラインLsの曲率ctを求める。
情報取得部42は、図4Bに示すように、CCDカメラ24によって撮像された画像に基いて、車両100が走行している車線を示す一対の車線境界線(白線)Ll,Lrを認識し、車両100の走行車線を認識する。情報取得部42は、車両100の基準位置Cを中心とする左右方向(車幅方向)の座標をyとし、車両100の前後方向の位置座標をxとして、例えば、白線Ll上に3つの点Q、QおよびQの座標Q(xc1,yc1)、Q(xc2,yc2)、Q(xc3,yc3)を推定する。この例では、点Qは、現在の車両100の位置に対応した白線Ll上の推定位置を表している。点Qは、点Qに対して所定時間経過後の白線Ll上の推定位置を表している。点Qは、点Qに対して所定時間経過後の白線Ll上の推定位置を表している。
次に、情報取得部42は、点Qと点Qとを結ぶ線分に対する垂直2等分線と、点Qと点Qとを結ぶ線分に対する垂直2等分線とが交わる点の座標をP点座標として求める。そして、情報取得部42は、点Pと点Qとの間の距離を白線Llの曲率半径rとして求める。次に、情報取得部42は、1を曲率半径rで除することにより、白線Llの曲率ctを求める。情報取得部42は、このようして求めた白線Llの曲率ctを、目標走行ラインLsの曲率ctとみなす。
なお、目標走行ラインLsの曲率ctは、他の方法によって求められてもよい。
図2に戻り、レーンキープアシスト電流値設定部43は、横偏差y、横偏差変化率dy/dtおよび曲率ctに基いて、車両100を目標走行ラインLsに沿って走行させるためのレーンキープアシスト電流値Irを設定する。レーンキープアシスト電流値設定部43の動作の詳細については、後述する。
目標電流値演算部44は、操舵アシスト電流値設定部41によって設定された操舵アシスト電流値Isに、レーンキープアシスト電流値設定部43によって設定されたレーンキープアシスト電流値Irを加算することにより、目標電流値Iを演算する。電流偏差演算部45は、目標電流値演算部44によって得られた目標電流値Iと電流検出回路33によって検出された実電流値Iとの偏差(電流偏差ΔI=I−I)を演算する。
PI制御部46は、電流偏差演算部45によって演算された電流偏差ΔIに対するPI演算を行うことにより、電動モータ18に流れる電流Iを目標電流値Iに導くための駆動指令値を生成する。PWM制御部47は、前記駆動指令値に対応するデューティ比のPWM制御信号を生成して、駆動回路32に供給する。これにより、駆動指令値に対応した電力が電動モータ18に供給されることになる。
電流偏差演算部45およびPI制御部46は、電流フィードバック制御手段を構成している。この電流フィードバック制御手段の働きによって、電動モータ18に流れるモータ電流Iが、目標電流値Iに近づくように制御される。
以下、レーンキープアシスト電流値設定部43の構成および動作について詳しく説明する。図2に示すように、レーンキープアシスト電流値設定部43は、メインレーンキープアシスト電流値設定部(第2電流値設定手段)51と、サブレーンキープアシスト電流値設定部(第3電流値設定手段)52と、加算部53と、リミッタ54と、限界値設定部55とを含む。
メインレーンキープアシスト電流値設定部51は、横偏差yおよび横偏差変化率dy/dtに応じたメインレーンキープアシストトルクを発生させるためのメインレーンキープアシスト電流値Imrを設定する。この実施形態では、メインレーンキープアシスト電流値設定部51は、横偏差yおよび横偏差変化率dy/dtを零に近づけるためのメインレーンキープアシストトルクに対応したメインレーンキープアシスト電流値Imrを設定する。
図5は、メインレーンキープアシスト電流値設定部51の電気的構成を示すブロック図である。メインレーンキープアシスト電流値設定部51は、第1電流値演算部61と、第2電流値演算部62と、加算部63と、車速ゲイン設定部64と、乗算部65とを含んでいる。
第1電流値演算部61は、横偏差yに基いて、第1レーンキープアシスト電流値Ir1を演算する。第2電流値演算部62は、横偏差変化率dy/dtに基いて、第2レーンキープアシスト電流値Ir2を演算する。加算部63は、第1電流値演算部61によって演算された第1レーンキープアシスト電流値Ir1と、第2電流値演算部62によって演算された第2レーンキープアシスト電流値Ir2とを加算することにより第3レーンキープアシスト電流値Ir3(=Ir1+Ir2)を演算する。車速ゲイン設定部64は、車速Vに応じた第1車速ゲインG1を設定する。乗算部65は、加算部63によって演算された第3レーンキープアシスト電流値Ir3(=Ir1+Ir2)に、車速ゲイン設定部64によって設定された第1車速ゲインG1を乗算することにより、メインレーンキープアシスト電流値Imr(=G1・(Ir1+Ir2))を演算する。このメインレーンキープアシスト電流値Imrは、加算部53に与えられる。
以下、第1電流値演算部61、第2電流値演算部62および車速ゲイン設定部64のそれぞれについて、より具体的に説明する。
第1電流値演算部61は、予め設定された横偏差yに対する第1レーンキープアシスト電流値Ir1の関係を示すマップまたは演算式に基いて、第1レーンキープアシスト電流値Ir1を演算する。第2電流値演算部62は、予め設定された横偏差変化率dy/dtに対する第2レーンキープアシスト電流値Ir2の関係を示すマップまたは演算式に基いて、第2レーンキープアシスト電流値Ir2を演算する。
a1,a2を同符号の定数とし、b1を2以上の自然数からなる次数とし、b2をb1より小さな自然数からなる次数とすると、第1電流値演算部61および第2電流値演算部62は、それぞれ次のようにして、第1レーンキープアシスト電流値Ir1および第2レーンキープアシスト電流値Ir2を演算することが好ましい。
つまり、第1電流値演算部61は、b1が奇数に設定される場合には、Ir1=a1・yb1の関数で表される、yとIr1との関係に基いて、第1レーンキープアシスト電流値Ir1を演算することが好ましい。一方、b1が偶数に設定される場合には、y≧0の範囲では、Ir1=a1・yb1の関数で表され、y<0の範囲では、Ir1=−a1・yb1の関数で表される、yとIr1との関係に基いて、第1レーンキープアシスト電流値Ir1を演算することが好ましい。
また、第2電流値演算部62は、b2が奇数に設定される場合には、Ir2=a2・(dy/dt)b2の関数で表される、dy/dtとIr2との関係に基いて、第2レーンキープアシスト電流値Ir2を演算することが好ましい。一方、b2が偶数に設定される場合には、dy/dt≧0の範囲では、Ir2=a2・(dy/dt)b2の関数で表され、dy/dt<0の範囲では、Ir2=−a2・(dy/dt)b2の関数で表される、dy/dtとIr2との関係に基いて、第2レーンキープアシスト電流値Ir2を演算することが好ましい。
前述したように、この実施形態では、操舵アシスト電流値Isは、電動モータ18から右方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには正の値とされ、電動モータ18から左方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには負の値とされている。そして、車両の基準位置が、進行方向に向かって、目標走行ラインLsの右側にある場合には、横偏差yの符号は正となり、目標走行ラインLsの左側にある場合には、横偏差yの符号は負となるように、横偏差yが設定されている。符号がこのように設定されている場合には、定数a1およびa2は、負の値に設定される。
操舵アシスト電流値Isの符号が前記実施形態とは逆に設定され、かつ横偏差yの符号が前記実施形態とは逆に設定されている場合にも、定数a1およびa2は、負の値に設定される。
一方、操舵アシスト電流値Isの符号が前記実施形態と同様に設定され、かつ横偏差yの符号が前記実施形態とは逆に設定されている場合、または操舵アシスト電流値Isの符号が前記実施形態とは逆に設定され、かつ横偏差yの符号が前記実施形態と同様に設定されている場合には、定数a1およびa2は、正の値に設定される。
第1電流値演算部61および第2電流値演算部62が、前述のようにして、第1レーンキープアシスト電流値Ir1および第2レーンキープアシスト電流値Ir2を演算することが好ましい理由について、説明する。
一般的に、aを定数とすると、f(x)=ax(bは自然数からなる次数)で表される関数においては、xの絶対値が大きくなるほどf(x)の絶対値は大きくなる。また、bの値が2以上である場合には、平均変化率は、xの絶対値が大きくなるほど大きくなる。平均変化率とは、(f(x)の変化量)/(xの変化量)をいう。
前記b1の値が2以上であれば、横偏差yの絶対値が大きくなるほど、第1レーンキープアシスト電流値Ir1の絶対値が大きくなるとともに、横偏差yの絶対値が大きくなるほど平均変化率(第1レーンキープアシスト電流値Ir1の絶対値の増加率)が大きくなる。このため、車両を目標走行ライン側(この実施形態では、走行車線の幅中央側)により迅速に誘導することができるようになる。
また、f(x)=axで表される関数では、bが大きくなるほど、xの絶対値が1未満の範囲における平均変化率は小さくなり、xの絶対値が1以上の範囲における平均変化率は大きくなる。
前記a1が前記a2と等しい場合、前記b1が前記b2より大きいと、横偏差yの絶対値が1未満の範囲での第1レーンキープアシスト電流値Ir1の平均変化率は、横偏差変化率dy/dtの絶対値が1未満の範囲での第2レーンキープアシスト電流値Ir2の平均変化率に比べて小さくなり、横偏差yの絶対値が1より大きな範囲での第1レーンキープアシスト電流値Ir1の平均変化率は、横偏差変化率dy/dtの絶対値が1より大きな範囲での第2レーンキープアシスト電流値Ir2の平均変化率に比べて大きくなる。
したがって、車両の基準位置が目標走行ラインから離れた領域にある場合には、第2レーンキープアシスト電流値Ir2の符号が第1レーンキープアシスト電流値Ir1の符号に対してたとえ逆になったとしても、第1レーンキープアシスト電流値Ir1によって横偏差yを零に近づけようとする働きが、第2レーンキープアシスト電流値Ir2によって横偏差変化率dy/dtを零に近づけようとする働きよりも強くなりやすくなると考えられるため、車両を目標走行ライン側(この実施形態では、走行車線の幅中央側)に誘導させることができるようになる。
また、横偏差yの値にかかわらず、横偏差変化率dy/dtの大きさに応じた第2レーンキープアシスト電流値Ir2が得られるため、車両の基準位置が目標走行ライン付近の領域にある場合においても、車両の幅方向中心線が目標走行ラインに平行となるように、車両を誘導することができるようになる。
この実施形態では、第1電流値演算部61は、図6Aに示されている、横偏差yに対する第1レーンキープアシスト電流値Ir1の関係を記憶したマップまたは当該関係を表す演算式に基いて、第1レーンキープアシスト電流値Ir1を演算する。図6Aの例では、第1レーンキープアシスト電流値Ir1は、a1を負の定数として、Ir1=a1・yの3次関数で表される。つまり、この関数は、前記a1が負でかつ前記b1が3である場合に相当する。
第1電流値演算部61は、たとえば、図6Bに示されている、横偏差yに対する第1レーンキープアシスト電流値Ir1の関係を記憶したマップまたは当該関係を表す演算式に基いて、第1レーンキープアシスト電流値Ir1を演算してもよい。図6Bに示されている曲線は、図6AにおけるIr1が零以上の領域の曲線を横軸方向に−A(A>0)だけ移動させ、図6AにおけるIr1が零未満の領域の曲線を横軸方向に+Aだけ移動させることによって作成されている。図6Bの曲線では、第1レーンキープアシスト電流値Ir1が−A(A>0)〜Aまでの範囲において、第1レーンキープアシスト電流値Ir1が零となる不感帯が設定されている。
第1電流値演算部61は、たとえば、図6Cに示されている、横偏差yに対する第1レーンキープアシスト電流値Ir1の関係を記憶したマップまたは当該関係を表す演算式に基いて、第1レーンキープアシスト電流値Ir1を演算してもよい。図6Cの例では、第1レーンキープアシスト電流値Ir1は、a1を負の定数とすると、y≧0の範囲では、Ir1=a1・yという2次関数で表され、y<0の範囲では、Ir1=−a1・yという2次関数で表される。この関数は、前記a1が負でかつ前記b1が2である場合に相当する。
この実施形態では、第2電流値演算部62は、図7Aに示されている、横偏差変化率dy/dtに対する第2レーンキープアシスト電流値Ir2の関係を記憶したマップまたは当該関係を表す演算式に基いて、第2レーンキープアシスト電流値Ir2を演算する。図7Aの例では、第2レーンキープアシスト電流値Ir2は、a2を負の定数として、Ir2=a2・dy/dtの1次関数で表される。つまり、この関数は、前記a2が負でかつ前記b2が1である場合に相当する。なお、横偏差変化率dy/dtの絶対値が零付近において、第2レーンキープアシスト電流値Ir2が零となる不感帯を設けてもよい。
第2電流値演算部62は、たとえば、図7Bに示されている、横偏差変化率dy/dtに対する第2レーンキープアシスト電流値Ir2の関係を記憶したマップまたは当該関係を表す演算式に基いて、第2レーンキープアシスト電流値Ir2を演算してもよい。図7Bの例では、第2レーンキープアシスト電流値Ir2は、a2を負の定数とすると、dy/dt≧0の範囲では、Ir2=a2・(dy/dt)という2次関数で表され、dy/dt<0の範囲では、Ir2=−a2・(dy/dt)という2次関数で表される。この関数は、前記a2が負でかつ前記b2が2である場合に相当する。
図5に戻り、車速ゲイン設定部64は、車速センサ23によって検出された車速Vに基いて、第1車速ゲインG1を設定する。車速Vに対する第1車速ゲインG1の設定例は、図8に示されている。図8の例では、第1車速ゲインG1は、車速Vが零付近の範囲では、0に固定され、車速Vが所定値を超えると、1に固定される。第1車速ゲインG1は、車速Vが中間範囲内の値であるときには、車速Vに応じて0から1まで増加する特性にしたがって設定される。
メインレーンキープアシスト電流値設定部51によって設定されたメインレーンキープアシスト電流値Imrは、加算部53(図2参照)に与えられる。
図2に戻り、サブレーンキープアシスト電流値設定部52は、目標走行ラインLsの曲率ctに応じたサブレーンキープアシストトルクを発生させるためのサブレーンキープアシスト電流値Isrを設定する。曲線経路走行時においては、旋回を維持するためには操舵トルクが必要となる。サブレーンキープアシスト電流値Isrは、曲線経路走行時において、旋回を維持するために必要な操舵トルクをサブレーンキープアシストトルクとして電動モータ18から発生させるための電流値である。
目標走行ラインLsの曲率ctに対するサブレーンキープアシスト電流値Isrの設定例は、図9に示されている。曲率ctは、目標走行ラインLsが車両の進行方向に向かって右旋回方向に曲がっている曲線経路である場合には正の値にとられ、目標走行ラインLsが車両の進行方向に向かって左旋回方向に曲がっている曲線経路である場合には負の値にとられている。サブレーンキープアシスト電流値Isrは、曲率ctが零のときには零とされる。サブレーンキープアシスト電流値Isrは、曲率ctの正の値に対しては正をとり、曲率ctの負の値に対して負をとる。サブレーンキープアシスト電流値Isrは、曲率ctの絶対値が大きくなるほどその絶対値が大きくなるように設定されている。サブレーンキープアシスト電流値設定部52によって設定されたサブレーンキープアシスト電流値Isrは、加算部53に与えられる。
加算部53は、メインレーンキープアシスト電流値Imrとサブレーンキープアシスト電流値Isrとを加算することにより、レーンキープアシスト電流値Irを演算する。
このレーンキープアシスト電流値Irは、リミッタ54に与えられる。リミッタ54は、レーンキープアシスト電流値Irを、上限値ULと下限値LLとの間に制限する。リミッタ54は、レーンキープアシストトルクが大きくなりすぎて、運転者の意思による操舵が行いにくくなるのを抑制するために設けられている。この実施形態では、上限値ULは、進行方向に向かって右方向のトルクを発生させるためのレーンキープアシスト電流値Irに対する限界値(右方向限界値)となる。また、この実施形態では、下限値LLは、進行方向に向かって左方向のトルクを発生させるためのレーンキープアシスト電流値Irに対する限界値(左方向限界値)となる。上限値ULおよび下限値LLは、限界値設定部55によって設定される。
図10は、限界値設定部55の構成を示すブロック図である。
限界値設定部55は、ゲイン乗算部71と、ゲイン乗算部71の上限値設定部72と、下限値設定部73とを含む。ゲイン乗算部71は、車速Vに基づいて第2車速ゲインG2を設定し、サブレーンキープアシスト電流値設定部52によって設定されたサブレーンキープアシスト電流値Isrに第2車速ゲインG2を乗算する。第2車速ゲインG2は、車速Vが大きいほど大きな値に設定される。ゲイン乗算部71は、サブレーンキープアシスト電流値Isrの代わりに曲率ctを用い、曲率ctに第2車速ゲインG2を乗算するようにしてもよい。
上限値設定部72は、ゲイン乗算部71の出力値G2・Isrに基づいて、上限値ULを演算して、リミッタ54に設定する。下限値設定部73は、ゲイン乗算部71の出力値G2・Isrに基づいて、下限値LLを演算して、リミッタ54に設定する。
上限値設定部72は、上限値拡張量設定部72Aと加算部72Bとを含む。上限値拡張量設定部72Aは、ゲイン乗算部71の出力値G2・Isrに応じた上限値拡張量ΔULを設定する。出力値G2・Isrに対する上限値拡張量ΔULの設定例は、図10のブロック72A内に示されている。図10に示すように、出力値G2・Isrが負である場合(サブレーンキープアシスト電流値Isrが左方向のトルクを発生させる電流値である場合)には、上限値拡張量ΔULは零に設定される。出力値G2・Isrが正である場合(サブレーンキープアシスト電流値Isrが右方向のトルクを発生させる電流値である場合)には、上限値拡張量ΔULは正の値に設定される。
出力値G2・Isrが正の所定値B以上である場合には、上限値拡張量ΔULは最大値ΔULmaxに設定される。出力値G2・Isrが零から所定値Bまでの間の値である場合には、上限値拡張量ΔULは、零から最大値ΔULmaxまで、出力値G2・Isrが大きくなるほど大きくなる特性にしたがって設定される。
加算部72Bは、上限値拡張量設定部72Aによって設定された上限値拡張量ΔULに、直進時の上限値である上限基準値ULo(>0)を加算することにより、上限値UL(=ULo+ΔUL)を演算する。加算部72Bによって演算された上限値UL(=ULo+ΔUL)が、上限値としてリミッタ54に設定される。
下限値設定部73は、下限値拡張量設定部73Aと加算部73Bとを含む。下限値拡張量設定部73Aは、ゲイン乗算部71の出力値G2・Isrに応じた下限値拡張量ΔLLを設定する。出力値G2・Isrに対する下限値拡張量ΔLLの設定例は、図10のブロック73A内に示されている。図10に示すように、出力値G2・Isrが正である場合(サブレーンキープアシスト電流値Isrが右方向のトルクを発生させる電流値である場合)には、下限値拡張量ΔLLは零に設定される。出力値G2・Isrが負である場合(サブレーンキープアシスト電流値Isrが左方向のトルクを発生させる電流値である場合)には、下限値拡張量ΔLLは負の値に設定される。
出力値G2・Isrが−B以下である場合には、下限値拡張量ΔLLは最小値ΔLLminに設定される。この実施形態では、ΔLLmin=−ΔULmaxである。出力値G2・Isrが零から−Bまでの間の値である場合には、下限値拡張量ΔLLは、零から最小値ΔLLminまで、出力値G2・Isrが小さくなるほど小さな値となる特性にしたがって設定される。
加算部73Bは、下限値拡張量設定部73Aによって設定された下限値拡張量ΔLLに、直進時の下限値である下限基準値LLo(<0)を加算することにより、下限値LL(=LLo+ΔLL)を演算する。この実施形態では、LLo=−ULoである。加算部73Bによって演算された下限値LL(=LLo+ΔLL)が、上限値としてリミッタ54に設定される。
リミッタ54は、レーンキープアシスト電流値Irを、上限値ULと下限値LLとの間に制限する。つまり、リミッタ54は、レーンキープアシスト電流値Irが上限値UL以上でかつ下限値LL以下の範囲内の値であるときには、当該レーンキープアシスト電流値Irを、制限処理後のレーンキープアシスト電流値Irとして出力する。レーンキープアシスト電流値Irが上限値ULよりも大きいときには、リミッタ54は、上限値ULを制限処理後のレーンキープアシスト電流値Irとして出力する。レーンキープアシスト電流値Irが下限値LLよりも小さいときには、リミッタ54は、下限値LLを制限処理後のレーンキープアシスト電流値Irとして出力する。リミッタ54から出力される制限処理後のレーンキープアシスト電流値Irが目標電流値演算部44に与えられる。
旋回時には、旋回軌道に対して外向きの遠心力が車両に作用する。このため、旋回時において、直線時と同様な上限値(上限基準値)および下限値(下限基準値)を用いて、レーンキープアシスト電流値Irに対して制限を加えた場合には、次のような問題が生じるおそれがある。旋回時において、目標走行ライン(目標旋回軌道)に対して、車両が外側に逸脱した場合を想定する。この場合には、目標旋回軌道に対して内向きのレーンキープアシストトルクを発生させるためのレーンキープアシスト電流値Irが生成される。このようなレーンキープアシスト電流値Irに対して制限が加えられると、レーンキープアシストトルクの方向とは反対方向に遠心力が車両に作用するため、目標旋回軌道に対して車両が内側に逸脱した場合に比べて運転者が感じるレーンキープアシストトルクの手応えが弱くなるとともに、目標旋回軌道に戻るまでの時間が長くかかる。
そこで、この実施形態では、前記問題を解消するために、旋回時において、旋回内側に向かう方向に対応した限界値(上限値または下限値)を拡張している。たとえば、車両が右旋回している場合には、旋回内側に向かう方向は右方向となる。この場合には、右旋回なのでゲイン乗算部71の出力値G2・Isrは正の値となるため、右方向に対応した限界値である上限値(右方向限界値)ULが拡張される。ただし、限界値の絶対値をあまりにも大きくすると、運転者による操舵が困難になってしまうため、この場合でもある一定の限界値を設けている。なお、この場合、左方向に対応した限界値である下限値(左方向限界値)LLは拡張されない。つまり、下限値(左方向限界値)LLは、直進時の下限値である下限基準値LLoとなる。
一方、車両が左旋回している場合には、旋回内側に向かう方向は左方向となる。この場合には、左旋回なのでゲイン乗算部71の出力値G2・Isrは負の値となるため、左方向に対応した限界値である下限値(左方向限界値)LLが拡張されることになる。なお、この場合、右方向に対応した限界値である上限値(右方向限界値)ULは拡張されない。つまり、上限値(右方向限界値)ULは、直進時の下限値である上限基準値ULoとなる。
前記実施形態では、メインレーンキープアシスト電流値設定部51によって、横偏差yおよび横偏差変化率dy/dtを零に近づけるためのメインレーンキープアシストトルクを発生させるためのメインレーンキープアシスト電流値Imrが設定される。サブレーンキープアシスト電流値設定部52によって、曲線経路において旋回を維持するために必要なサブレーンキープアシストトルクを発生させるためのサブレーンキープアシスト電流値Isrが設定される。メインレーンキープアシスト電流値Imrとサブレーンキープアシスト電流値Isrとが加算されることにより、レーンキープアシスト電流値Irが演算される。
このレーンキープアシスト電流値Irに対してリミッタ54により制限が加えられる。リミッタ54による制限処理後のレーンキープアシスト電流値Irが操舵アシスト電流値Isに加算されることにより、目標電流値Iが演算される。そして、電動モータ18に流れるモータ電流Iが、目標電流値Iに近づくように制御される。
したがって、この実施形態では、次の(1)〜(6)のような効果が得られる。
(1)横偏差yおよび横偏差変化率dy/dtを零に近づけるためのメインレーンキープアシストトルクを発生させることができる。これにより、横偏差yが零に近づくように車両が誘導されるので、目標走行ライン(この実施形態では、走行車線の幅中央)に車両が近づくように車両を誘導することができる。また、横偏差yの値にかかわらず、横偏差変化率dy/dtの大きさに応じた第2レーンキープアシスト電流値Ir2が得られるため、車両の基準位置が目標走行ライン付近の領域にある場合においても、車両の幅方向中心線が目標走行ラインに平行となるように、車両を誘導することができる。これにより、車両が車線から逸脱するのを回避するように車両を誘導することができる。
(2)横偏差yに対する第1レーンキープアシスト電流値Ir1の関係は、Ir1=a1・yの関数で表されている。一方、横偏差変化率dy/dtに対する第2レーンキープアシスト電流値Ir2の関係は、Ir2=a2・(dy/dt)の関数で表されている。つまり、前記b1の値が2以上であり、かつ前記b1は前記b2より大きい。したがって、車両の基準位置が目標走行ラインから離れた領域にある場合には、第2レーンキープアシスト電流値Ir2の符号が第1レーンキープアシスト電流値Ir1の符号に対してたとえ逆になったとしても、第1レーンキープアシスト電流値Ir1によって横偏差yを零に近づけようとする働きが、第2レーンキープアシスト電流値Ir2によって横偏差変化率dy/dtを零に近づけようとする働きよりも強くなりやすくなると考えられる。このため、第2レーンキープアシスト電流値Ir2の符号が第1レーンキープアシスト電流値Ir1の符号に対してたとえ逆になったとしても、車両を目標走行ライン側(この実施形態では、走行車線の幅中央側)に誘導させることができる。
(3)第3レーンキープアシスト電流値Ir3(=Ir1+Ir2)に、車速Vに応じた第1車速ゲインG1が乗算されることにより、メインレーンキープアシスト電流値Imrが演算されている。これにより、車速Vに応じた適切なメインレーンキープアシスト電流値Imrを設定することができる。たとえば、強い補正力が求められる高速時には、低速時に比べて、メインレーンキープアシスト電流値Imrを大きくすることができる。また、車速Vが零付近の範囲では第1車速ゲインG1が0に固定されるので、車両がほぼ停止状態であるときに、第1レーンキープアシスト電流値Ir1や第2レーンキープアシスト電流値Ir2に基いて転舵輪3が転舵されるのを防止できる。
(4)第1レーンキープアシスト電流値Ir1は横偏差yの関数であるので、横偏差yと第1レーンキープアシスト電流値Ir1との関係を設定することが容易である。同様に、第2レーンキープアシスト電流値Ir2は横偏差変化率dy/dtの関数であるので、横偏差変化率dy/dtと第2レーンキープアシスト電流値Ir2の関係を設定することが容易である。
(5)旋回を維持するために操舵トルクが必要となる曲線経路走行時において、旋回を維持するための操舵トルクをサブレーンキープアシストトルクとして電動モータ18から発生させることができる。このため、曲線経路においても、車両を目標走行ラインに沿って走行させやすくなる。
(6)旋回時において、旋回内側に向かう方向に対応した限界値(上限値または下限値)を拡張することができる。言い換えれば、旋回時において、遠心力が作用する方向とは反対方向のトルクを発生させるレーンキープアシスト電流値に対する限界値を拡張することができる。これにより、目標旋回軌道に対して車両が外側に逸脱した場合と内側に逸脱した場合とにおいて、運転者が感じるレーンキープアシストトルクの手応えをほぼ同じにすることができる。これにより、曲線経路での運転者による修正操舵が容易となる。
図11は、メインレーンキープアシスト電流値設定部51の変形例を示すブロック図である。
メインレーンキープアシスト電流値設定部51は、第1電流値演算部61と、第2電流値演算部62と、加算部63と、車速ゲイン設定部64と、乗算部65と、制御用操舵トルク設定部66と、切替部67とを含む。
第1電流値演算部61は、図5の第1電流値演算部61と同様な動作により、第1レーンキープアシスト電流値Ir1を演算する。第2電流値演算部62は、図5の第2電流値演算部62と同様な動作により、第2レーンキープアシスト電流値Ir2を演算する。加算部63は、第1レーンキープアシスト電流値Ir1と第2レーンキープアシスト電流値Ir2とを加算することにより第3レーンキープアシスト電流値Ir3(=Ir1+Ir2)を演算する。
車速ゲイン設定部64は、図5の車速ゲイン設定部64と同様な動作により、車速Vに応じた第1車速ゲインG1を設定する。乗算部65は、第3レーンキープアシスト電流値Ir3(=Ir1+Ir2)に、第1車速ゲインG1を乗算することにより、第4レーンキープアシスト電流値Ir4(=G1・(Ir1+Ir2))を演算する。
制御用操舵トルク設定部66は、トルクセンサ11によって検出された検出操舵トルクTに基づいて制御用操舵トルクTsを設定する。検出操舵トルクTに対する制御用操舵トルクTsの設定例は図12に示されている。検出操舵トルクTの絶対値が所定値T2(たとえば、T2=0.4N・m)以下の領域には、制御用操舵トルクTsが零となる不感帯が設定されている。検出操舵トルクTがT2より大きい領域および検出操舵トルクTが−T2より小さい領域では、制御用操舵トルクTsは検出操舵トルクTと同じ値となるように設定されている。
乗算部65によって演算された第4レーンキープアシスト電流値Ir4は、切替部67の第1入力端子に入力する。切替部67の第2入力端子には、零が入力する。切替部67には、制御用操舵トルク設定部66によって演算された制御用操舵トルクTsと、乗算部65によって演算された第4レーンキープアシスト電流値Ir4とが、切替制御信号として与えられる。切替部67は、制御用操舵トルクTsの符号と第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号とに基づいて、第1入力端子に入力する第4レーンキープアシスト電流値Ir4および第2入力端子に入力する零のうちのいずれか一方を最終的なメインレーンキープアシスト電流値Imrとして選択して出力する。
制御用操舵トルクTsの符号は、運転者の操舵方向を表す。第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号は、第4レーンキープアシスト電流値Ir4(レーンキープアシストトルク)に対応した転舵方向を表す。制御用操舵トルクTsの符号によって示される操舵方向と、第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号によって示される転舵方向とが異なる場合には、切替部67は、第1入力端子に入力する第4レーンキープアシスト電流値Ir4を最終的なメインレーンキープアシスト電流値Imrとして選択して出力する。
一方、制御用操舵トルクTsの符号によって示される操舵方向と、第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号によって示される転舵方向とが同じ場合には、切替部67は、第2入力端子に入力する零を最終的なメインレーンキープアシスト電流値Imrとして選択して出力する。これは、制御用操舵トルクTsの符号によって示される操舵方向と第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号によって示される転舵方向とが同じである場合には、運転者が車両を目標走行ラインに近づけるように操舵していると考えられるからである。前述したように、検出操舵トルクTの絶対値が所定値T2以下である領域には制御用操舵トルクTsが零となる不感帯が設けられているので、検出操舵トルクTが小さい領域において、制御用操舵トルクTsの符号が小刻みに反転するのを抑制できる。これにより、第4レーンキープアシスト電流値Ir4と零とが小刻みに切り替えられるのを抑制できるから、電動モータ18から発生するモータトルクが小刻みに変動するのを抑制できる。
この変形例では、制御用操舵トルクTsの符号と第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号とが不一致である場合には、切替部67は、第4レーンキープアシスト電流値Ir4を最終的なメインレーンキープアシスト電流値Imrとして選択して出力する。切替部67は、例えば、制御用操舵トルクTsと第4レーンキープアシスト電流値Ir4との積が零以下(零また負の値)のときに、制御用操舵トルクTsの符号と第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号とが不一致であると判定してもよい。
一方、制御用操舵トルクTsの符号と第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号とが一致している場合には、切替部67は、零を最終的なメインレーンキープアシスト電流値Irとして選択して出力する。切替部67は、例えば、制御用操舵トルクTsと第4レーンキープアシスト電流値Ir4との積が零よりも大きい(正の値)ときに、制御用操舵トルクTsの符号と第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号とが一致していると判定してもよい。
制御用操舵トルクTsの符号によって示される操舵方向と第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号によって示される転舵方向とが同じ場合には、運転者が車両を目標走行ラインに近づけるように操舵していると考えられる。運転者が車両を目標走行ラインに近づけるように操舵しているにもかからず、メインレーンキープアシストトルクを発生させると、操舵の手応え(操舵反力)が著しく低下して、操舵感が悪化したり、車両が目標走行ラインに向かって戻りすぎたりするおそれがある。この変形例では、制御用操舵トルクTsの符号によって示される操舵方向と第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号によって示される転舵方向とが同じ場合には、最終的なメインレーンキープアシスト電流値Imrは零とされる。これにより、運転者が車両を目標走行ラインに近づけるように操舵しているときに、操舵の手応え感を運転者に適切に与えることができるので、操舵感を向上させることができる。また、車両が目標走行ラインに向かって戻りすぎるのを抑制できる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。例えば、前述の実施形態では、限界値設定部55は、ゲイン乗算部71(図10参照)を含んでいるが、ゲイン乗算部71を省略してもよい。この場合には、サブレーンキープアシスト電流値設定部52によって設定されたサブレーンキープアシスト電流値Isrまたは曲率ctが、上限値設定部72および下限値設定部73に与えられる。
また、前述の実施形態では、上限値設定部72および下限値設定部73は、それぞれ目標走行ラインの曲率ct(サブレーンキープアシスト電流値Isr)に基づいて上限値および下限値を設定しているが、ヨーレイト、横加速度、車両のロール角、サスペンションストロークの左右差、タイヤの接地面荷重の左右差等の目標走行ラインの曲率ctに応じた値に基づいて、上限値および下限値を設定してもよい。
また、前述の実施形態では、乗算部65(図5,図11参照)が設けられているが、乗算部65を省略してもよい。乗算部65を省略する場合には、車速ゲイン設定部64は不要である。
また、前述の実施形態では、操舵アシスト電流値設定部41は、操舵トルクTを用いて(具体的には操舵トルクTおよび車速Vに基づいて)、操舵アシスト電流値Isを設定しているが、操舵角を用いて操舵アシスト電流値Isを設定してもよい。
また、前述の変形例では、制御用操舵トルク設定部66が設けられているが、制御用操舵トルク設定部66を省略してもよい。制御用操舵トルク設定部66を省略する場合には、制御用操舵トルクTsの代わりに、トルクセンサ11によって検出される検出操舵トルクTが切替部67に与えられる。この場合には、検出操舵トルクTの符号によって示される操舵方向と、第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号によって示される転舵方向とが異なる場合には、切替部67は、第1入力端子に入力する第4レーンキープアシスト電流値Ir4を最終的なメインレーンキープアシスト電流値Imrとして選択して出力する。一方、検出操舵トルクTの符号によって示される運転者の操舵方向と、第4レーンキープアシスト電流値Ir4の符号によって示される転舵方向とが同じ場合には、切替部67は、第2入力端子に入力する零を最終的なメインレーンキープアシスト電流値Imrとして選択して出力する。
また、前述の実施形態では、電動パワーステアリング装置にこの発明が適用された例について説明したが、この発明は、ステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムその他の車両用操舵装置に適用できる。
また、この発明は、ステアリングホイール2が操舵されない自動運転モードにおいても、適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…電動パワーステアリング装置、18…電動モータ、11…トルクセンサ、23…車速センサ、42…情報取得部、43…レーンキープアシスト電流値設定部、44…目標電流値演算部、45…電流偏差演算部、46…PI制御部、51…メインレーンキープアシスト電流値設定部、52…サブレーンキープアシスト電流値設定部、53…加算部、54…リミッタ、55…限界値設定部、61…第1電流値演算部、62…第2電流値演算部、63…加算部、64…車速ゲイン設定部、65…乗算部、71…ゲイン乗算部、72…上限値設定部、73…下限値設定部

Claims (6)

  1. 車両の転舵機構に転舵用駆動力を与えるための電動モータと、
    目標走行ラインからの車両の横偏差と、前記横偏差の単位時間当たりの変化率である横偏差変化率と、目標走行ラインの曲率に応じた値とを取得する情報取得手段と、
    操舵アシストトルクの目標値に対応した操舵アシスト電流値を設定する第1電流値設定手段と、
    前記横偏差および前記横偏差変化率に応じたメインレーンキープアシスト電流値を設定する第2電流値設定手段と、
    前記曲率に応じた値に応じたサブレーンキープアシスト電流値を設定する第3電流値設定手段と、
    前記メインレーンキープアシスト電流値と前記サブレーンキープアシスト電流値との総和からなるレーンキープアシスト電流値を、右アシスト方向の電流限界値である右方向限界値と左アシスト方向の電流限界値である左方向限界値との間に制限する制限手段と、
    前記曲率に応じた値に基いて、前記右方向限界値および前記左方向限界値を設定する限界値設定手段と、
    前記操舵アシスト電流値設定手段によって設定される操舵アシスト電流値および前記制限手段による制限処理後のレーンキープアシスト電流値に基づいて、前記電動モータを駆動制御する制御手段とを含み、
    前記限界値設定手段は、
    直進時には、前記右方向限界値および前記左方向限界値をそれぞれ予め設定された右方向限界基準値および左ア方向限界基準値に設定する第1手段と、
    旋回時において、前記右方向限界値および前記左方向限界値のうち、旋回内側に向かう方向に対応した限界値の絶対値を、その方向の限界基準値の絶対値よりも大きな値に設定する第2手段とを含む、操舵支援装置。
  2. 前記限界値設定手段は、
    旋回時において、前記右方向限界値および前記左方向限界値のうち、旋回外側に向かう方向に対応した限界値を、その方向の限界基準値と等しい値に設定する第3手段をさらに含む、請求項1に記載の操舵支援装置。
  3. 前記第2手段は、前記右方向限界値および前記左方向限界値のうち、旋回内側に向かう方向に対応した限界値を、曲率に応じた値に応じて変化させるように構成されている、請求項1または2に記載の操舵支援装置。
  4. 前記曲率に応じた値が、目標走行ラインの曲率またはヨーレイトである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の操舵支援装置。
  5. 前記第2電流値設定手段は、前記横偏差および前記横偏差変化率を零に近づけるためのメインレーンキープアシスト電流値を演算するメインレーンキープアシスト電流値演算手段を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の操舵支援装置。
  6. 前記第3電流値設定手段は、前記曲率に応じた値に基づいて、旋回方向と同方向のトルクを発生させるためのサブレーンキープアシスト電流値を設定するように構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の操舵支援装置。
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