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JP2018095858A - 増粘剤、増粘組成物、ゲル化剤及びゲル化組成物 - Google Patents

増粘剤、増粘組成物、ゲル化剤及びゲル化組成物 Download PDF

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JP2018095858A JP2017234130A JP2017234130A JP2018095858A JP 2018095858 A JP2018095858 A JP 2018095858A JP 2017234130 A JP2017234130 A JP 2017234130A JP 2017234130 A JP2017234130 A JP 2017234130A JP 2018095858 A JP2018095858 A JP 2018095858A
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thickening
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渉 藤原
Wataru Fujiwara
渉 藤原
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Abstract

【課題】増粘効果が高い増粘剤を提供する。
【解決手段】キサンタンガム、ローカストビーンガム、タラガム、マンナン、λ−カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びグァーガムからなる群から選ばれる少なくとも一つである多糖類(A)と、サバクヨモギシードガムとを含有する増粘剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、増粘剤、その増粘剤を含有する増粘組成物、ゲル化剤及びそのゲル化剤を含有するゲル化組成物に関する。
従来、飲食品をはじめとする各種増粘対象物を増粘させ、各種ゲル化対象物をゲル化させる目的で、種々の多糖類が用いられている。例えば、多糖類の1つとして、ガラクトマンナンが知られている。各種増粘対象物を増粘させ、各種ゲル化対象物をゲル化させるために、ガラクトマンナンを多量に用いた場合には、増粘対象物又はゲル化対象物の透明性、風味、食感、触感等に影響を与える場合があり、少量のガラクトマンナンを使用することにより、十分に増粘、ゲル化できる技術が確立されれば、その利用価値は非常に高い。
少量のガラクトマンナンを使用して増粘対象物を増粘させ、ゲル化対象物をゲル化させる方法として、ガラクトマンナンとキサンタンガムとを併用する技術が知られている。ガラクトマンナンとキサンタンガムとを併用することによる相乗効果により、増粘性とゲル化能が向上することが知られている。
特許文献1には、(A)キサンタンガムと(B)タラガム若しくはグァーガム又はその両方を含有する糊料組成物に、(C)カラヤガムを配合することを特徴とする高増粘性糊料組成物が開示されている。特許文献2には、キサンタンガムとローカストビーンガムの酵素分解物とを併用した例が開示されている。
しかし、特許文献1、2に開示された技術は、増粘効果とゲル化能が十分満足できるものではないため、増粘効果が高い増粘剤と、ゲル化能が高いゲル化剤の開発が望まれている。
特開2009−278893号公報 特開2001−178379号公報
本発明の目的は、増粘効果が高い増粘剤及びその増粘剤を含有する増粘組成物と、ゲル化能が高いゲル化剤及びそのゲル化剤を含有するゲル化組成物とを提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意検討したところ、以下の発明に想到した。
項1.キサンタンガム、ローカストビーンガム、タラガム、マンナン、λ−カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びグァーガムからなる群から選ばれる少なくとも一つである多糖類(A)と、サバクヨモギシードガムとを含有する増粘剤。
項2.多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとの合計質量に対するサバクヨモギシードガムの割合が5〜99質量%である、項1に記載の増粘剤。
項3.飲食品用、化粧品用、医薬品用、医薬部外品用、家庭用製品用、トイレタリー製品用、農業製品用又は工業製品用である、項1又は2に記載の増粘剤。
項4.項1〜3のいずれか1項に記載の増粘剤を含有する増粘組成物。
項5.増粘組成物が、飲食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、家庭用製品、トイレタリー製品、農業製品又は工業製品である、項4に記載の増粘組成物。
項6.キサンタンガム、ローカストビーンガム、タラガム、マンナン、λ−カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びグァーガムからなる群から選ばれる少なくとも一つである多糖類(A)と、サバクヨモギシードガムとを含有するゲル化剤。
項7.項6に記載のゲル化剤を含有するゲル化組成物。
本発明の増粘剤は、増粘効果が高い。また、本発明のゲル化剤は、ゲル化能が高い。
増粘剤中のサバクヨモギシードガムの割合と増粘剤水溶液の粘度との関係を示すグラフである。
本発明の増粘剤は、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タラガム、マンナン、λ−カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下「CMCNa」と記載する)及びグァーガムからなる群から選ばれる少なくとも一つである多糖類(A)(以下、単に「多糖類(A)」と記載する)と、サバクヨモギシードガムとを含有する。
キサンタンガムは、キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)が菌体外に生産する多糖類であり、D−マンノース、D−グルコース、D−グルクロン酸から構成されている。主鎖はβ−1,4結合しているD−グルコースからなり、側鎖は主鎖のD−グルコース残基1つおきに、D−マンノース2分子とD−グルクロン酸とが結合している。側鎖の末端にあるD−マンノースは、ピルビン酸塩になっている場合がある。また、主鎖に結合したD−マンノースのC−6位は、アセチル化されている場合がある。
ローカストビーンガムは、Ceratonia siliquaとして知られている豆科植物の種子から得られる多糖類である。ローカストビーンガムは、β−D−マンノースの主鎖がβ−1,4結合、α−D−ガラクトースの側鎖がα−1,6結合した構造を有し、β−D−マンノースとα−D−ガラクトースとの比率が約4:1である。
タラガムは、豆科植物であるタラ(学名 Caesal pinia Spinosa)の種子の胚乳から得られる、マンノースを構成単位とする主鎖に、ガラクトースが側鎖として結合した、マンノースとガラクトースの組成比が3:1であるガラクトマンナン多糖類である。
マンナンは、コンニャク芋に含まれる多糖類であり、D−グルコースとD−マンノースがほぼ2:3の割合でβ−1,4結合した多糖類である。
λ−カラギナンは、紅藻類海藻から抽出し、精製して得られる多糖類である。λ−カラギナンの分子量は、通常100,000〜1,500,000である。λ−カラギナンの基本構成単位は、以下のA、Bである。A:[β−D−ガラクトピラノース−2−サルフェート(70モル%)、ガラクトピラノース(30モル%)]、B:ガラクトピラノース−2,6−ジサルフェート。
CMCNaとしては、天然パルプを水酸化ナトリウムでアルカリセルロースとし、モノクロロ酢酸でエーテル化したものが挙げられる。CMCNaの平均重合度は、好ましくは100〜500である。CMCNaのエーテル化度は、好ましくは0.5〜1.7である。
グァーガムは、マメ科グァー(Cyamopsis tetragonolobus TAUB.)の種子の胚乳部分を粉砕して得られる中性多糖類である。グァーガムは、β−1,4−D−マンナンの主鎖骨格に、側鎖としてα−D−ガラクトースが1,6結合した構造を有する。グァーガム中のβ−1,4−D−マンナンとα−D−ガラクトースの比率は、約2:1である。
サバクヨモギシードガムは、キク科サバクヨモギ(Artemisia halodendron TURCZ. ex BESS., Artemisia ordosica KRASCHEN., Artemisias sphaerocephala KRASCH)の種子の外皮を、脱脂、乾燥して得られたものである。サバクヨモギシードガムの主成分は、中性多糖類及び酸性多糖類である。
多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとの合計質量に対するサバクヨモギシードガムの割合は、好ましくは5〜99質量%であり、より好ましくは20〜99質量%、特に好ましくは50〜90質量%である。多糖類とサバクヨモギシードガムとの合計質量に対するサバクヨモギシードガムの割合が5〜99質量%であれば、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを併用することによる増粘性の相乗効果が顕著になり、増粘効果が高くなるため好ましい。
本発明の増粘剤の性状に特に制限はなく、液状、粉末状、顆粒状、タブレット状、カプセル剤状等の形状にすることが可能である。これらの性状のうち、増粘対象物に混和させ易いという観点から好ましいのは、液状である。また、増粘剤を液状にする場合、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを溶媒に溶解して液状にすることができる。溶媒としては、水、低級アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数5以下のアルコール等)、多価アルコール[グリセリン、ジグリセリン、グリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等)等]が挙げられる。溶媒は、単独でも2種以上を併用してもよい。
本発明の増粘剤が液状である場合の、増粘剤の質量に対する、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムの合計質量の割合は、好ましくは0.05〜1.0質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。多糖類(A)とサバクヨモギシードガムの合計質量の割合が0.05質量%以上であれば、増粘効果が発現しやすくなるため好ましい。
本発明の増粘剤の製造方法に制限はなく、任意の方法で製造することができる。増粘剤が液状である場合の製造方法の一例として、撹拌下の溶媒に多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを少量ずつ投入して、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを溶媒に溶解する方法が挙げられる。また、多糖類(A)、サバクヨモギシードガムをそれぞれ別の溶媒に溶解させたものを混合して製造する方法が挙げられる。多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを溶媒に溶解する際には、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムの溶媒への溶解速度を高めるために、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムを、60〜95℃に温調した溶媒に投入してもよい。
本発明の増粘剤を添加する増粘対象物としては、増粘剤を混和できるものであれば特に制限はない。増粘対象物の具体例としては、飲食品(飲料、食品、調味料等)、化粧品(化粧水、乳液、化粧下地、ファンデーション、日焼け止め、シャンプー、トリートメント、ヘアカラー等)、医薬品(シロップ剤等)、医薬部外品(薬用化粧品等)、家庭用製品(洗剤、入浴剤等)、トイレタリー製品(ボディソープ、ハンドソープ、芳香剤、消臭剤等)、農業製品(農薬等)、工業製品(塗料製品、土木製品、コンクリート、アスファルト、土質改良剤等)等が挙げられる。
本発明の増粘剤を増粘対象物に添加する際の添加量は、増粘対象物の質量に対して、増粘剤中の多糖類(A)とサバクヨモギシードガムの合計質量換算で、好ましくは0.05〜1.0質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
本発明の増粘組成物は、本発明の増粘剤を含有する。ここで、増粘組成物とは、本発明の増粘剤を含有する増粘対象物を意味する。
本発明の増粘組成物を構成する増粘対象物としては、本発明の増粘剤を添加する増粘対象物として例示されたものと同様のものが挙げられる。
本発明のゲル化剤は、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タラガム、マンナン、λ−カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びグァーガムからなる群から選ばれる少なくとも一つである多糖類(A)と、サバクヨモギシードガムとを含有する。多糖類(A)、サバクヨモギシードガムとしては、本発明の増粘剤を構成する多糖類(A)、サバクヨモギシードガムと同様のものが挙げられる。
多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとの合計質量に対するサバクヨモギシードガムの割合は、好ましくは20〜99質量%であり、より好ましくは40〜99質量%、特に好ましくは60〜99質量%である。多糖類とサバクヨモギシードガムとの合計質量に対するサバクヨモギシードガムの割合が20〜99質量%であれば、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを併用することによるゲル化能の相乗効果が顕著になり、ゲル化能が高くなるため好ましい。
本発明のゲル化剤の性状としては、本発明の増粘剤の性状と同様のものが挙げられる。
本発明のゲル化剤が液状である場合の、ゲル化剤の質量に対する、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムの合計質量の割合は、好ましくは0.5〜3.0質量%であり、より好ましくは1.0〜2.0質量%である。多糖類(A)とサバクヨモギシードガムの合計質量の割合が0.5質量%以上であれば、ゲル化能が発現しやすくなり、3.0質量%以下であれば、ゲル化剤自身の粘度が低くなり、取り扱いが容易になるため好ましい。
本発明のゲル化剤の製造方法に制限はなく、本発明の増粘剤の製造方法として例示したものと同様の方法で製造することができる。
本発明のゲル化剤を添加するゲル化対象物としては、本発明の増粘剤を添加する増粘対象物として例示したものと同様のものが挙げられる。
本発明のゲル化剤をゲル化対象物に添加する際の添加量は、ゲル化対象物の質量に対して、ゲル化剤中の多糖類(A)とサバクヨモギシードガムの合計質量換算で、好ましくは0.5〜3.0質量%、より好ましくは1.0〜2.0質量%である。
本発明のゲル化組成物は、本発明のゲル化剤を含有する。ここで、ゲル化組成物とは、本発明のゲル化剤を含有するゲル化対象物を意味する。
本発明のゲル化組成物を構成するゲル化対象物としては、本発明の増粘剤を添加する増粘対象物として例示されたものと同様のものが挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、文中の「*」は、登録商標であることを意味する。
実験例1 増粘剤水溶液の粘度測定
表1に示す多糖類を、それぞれ80℃に温調した撹拌下のイオン交換水に少量ずつ投入し、イオン交換水に溶解して多糖類の0.3質量%水溶液を作製した。また、同様の方法により、サバクヨモギシードガムの0.3質量%水溶液を作製した。表1に示すサバクヨモギシードガムの割合になるように、多糖類の0.3質量%水溶液とサバクヨモギシードガムの0.3質量%水溶液とを混合し、それをスクリュー管瓶に分注し、20℃の恒温槽に30分間静置した。次いで、B型回転粘度計を用いて、回転数60rpmで1分間経過直後の粘度を測定した。測定結果を表1に示す。また、粘度の測定結果をグラフにしたものを、図1に示す。
(*):多糖類(A)とサバクヨモギシードガムの合計質量に対するサバクヨモギシードガムの割合
表1に示す多糖類の詳細は、以下の通りである。
キサンタンガム:「サンエース*」[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]
ローカストビーンガム:「ビストップ* D−171」[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]
タラガム:「ビストップ* D−2101」[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]
マンナン:「イナゲル* マンナン100A」[伊那食品工業(株)製]
λ−カラギナン:「カラギニン CSL−2(F)」[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]
CMCNa:「セロゲン* F−SB」[第一工業製薬(株)製]
グァーガム:「ビストップ* D−20」[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]
大豆多糖類:「SM−700」[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]
ウェランガム:「ビストップ* W」[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]
タマリンドガム:「ビストップ* D−2032」[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]
HMペクチン:「SM−666」[三栄源エフ・エフ・アイ(株)製]
ヒドロキシエチルセルロース:「SE600」[ダイセルファインケム(株)製]
表1、図1から明らかなように、それぞれ、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タラガム、マンナン、λ−カラギナン、CMCNa、グァーガムと、サバクヨモギシードガムとを含有する増粘剤(実験例1−1〜1−7における、サバクヨモギシードガムの割合が20〜80質量%のもの)は、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タラガム、マンナン、λ−カラギナン、CMCNa、グァーガム、サバクヨモギシードガムをそれぞれ単独で用いた増粘剤(実験例1−1〜1−7における、サバクヨモギシードガムの割合が0、100質量%のもの)と比較して粘度が高い。このことから、本発明の増粘剤は、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを併用することによる増粘性の相乗効果を奏しており、増粘効果が高い。
表1、図1から明らかなように、それぞれ、大豆多糖類、ウェランガム、タマリンドガム、HMペクチン、ヒドロキシエチルセルロースと、サバクヨモギシードガムとを含有する増粘剤(比較例1−1〜1−5における、サバクヨモギシードガムの割合が20〜80質量%のもの)は、大豆多糖類、ウェランガム、タマリンドガム、HMペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、サバクヨモギシードガムをそれぞれ単独で用いた増粘剤(比較例1−1〜1−5における、サバクヨモギシードガムの割合が0、100質量%のもの)と比較して、粘度がほぼ同等レベルである。このことから、多糖類(A)以外の多糖類とサバクヨモギシードガムとを併用しても、増粘性の相乗効果が得られていないことは明らかである。これらの結果から、本願発明における、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを併用することによる増粘性の相乗効果は、極めて特異的であるといえる。
実験例2 ゲル化剤のゲル化能の評価
表2に示す多糖類を、80℃に温調した撹拌下のイオン交換水に少量ずつ投入し、イオン交換水に溶解して多糖類の1質量%水溶液を作製した。得られた多糖類の1質量%水溶液を耐熱プリンカップに充填し、5℃で3日間静置した後、テクスチャーアナライザー「TA−XT plus」(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブ:1cm2、侵入速度:1mm/secの条件で破断強度、破断距離を測定した。結果を表2に示す。破断強度が高いほど、ゲル化能に優れることを意味する。
多糖類の欄の数値は質量%を意味する
表2から明らかなように、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを含有するゲル化剤(実験例2−1〜2−4)は、サバクヨモギシードガムを単独で用いたゲル化剤(比較例2−1)と比較してゲル化能に優れる。このことから、本発明のゲル化剤は、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを併用することによるゲル化能の相乗効果を奏しており、ゲル化能が高い。
実験例3 飲食品(ピザソース)の調製
表3に掲げる処方にて、以下の手順によりピザソースを調製した。
1)水にサラダ油、果糖ぶどう糖液糖、ローカストビーンガム及びサバクヨモギシードガムを添加し、85℃にて10分間撹拌した。
2)残りの全原料を添加し、さらに85℃にて5分間撹拌し、容器に充填した。
3)85℃にて30分間ボイル殺菌した。
4)20℃まで冷却した。
調製されたピザソースについて、B型回転粘度計にて、測定温度20℃、回転数6rpm及び60rpm、1分後の粘度を測定した。結果を表3に示す。
表3から明らかなように、ローカストビーンガムとサバクヨモギシードガムを含有するピザソース(実施例3−1)は、ローカストビーンガム又はサバクヨモギシードガムを単独で含有するピザソース(比較例3−1及び3−2)と比較して粘度が高い。このことから、本発明の増粘剤は、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを併用することによる増粘性の相乗効果を奏しており、増粘効果が高い。
実験例4 飲食品(マヨネーズ風調味料)の調製
表4に掲げる処方にて、以下の手順によりマヨネーズ風調味料を調製した。
1)水に食塩及び醸造酢(酸度10%)を添加して撹拌後、キサンタンガム及びサバクヨモギシードガムを添加し、20℃にて10分間撹拌した。
2)L−グルタミン酸ナトリウム及びグラニュー糖を添加し、さらに3分間撹拌した。
3)加糖卵黄(砂糖20%)を添加した後、サラダ油を少しずつ添加し、さらに5分間撹拌した。
4)コロイドミルにて乳化処理を行った(スリット幅200μm、回転数7000rpm)。
調製されたマヨネーズ風調味料について、B型回転粘度計にて、測定温度20℃、回転数6rpm、12rpm、30rpm及び60rpm、1分後の粘度を測定した。結果を表4に示す。
表4から明らかなように、キサンタンガムとサバクヨモギシードガムを含有するマヨネーズ風調味料(実施例4−1及び4−2)は、キサンタンガム又はサバクヨモギシードガムを単独で含有するマヨネーズ風調味料(比較例4−1及び4−2)と比較して粘度が高い。このことから、本発明の増粘剤は、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを併用することによる増粘性の相乗効果を奏しており、増粘効果が高い。
実験例5 飲食品(ラクトアイス)の調製
表5及び6に掲げる処方にて、以下の手順によりラクトアイスを調製した。
1)水あめ及び水を撹拌しながら、予め粉体混合した砂糖、脱脂粉乳、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グァーガム、サバクヨモギシードガム及び乳化剤を添加して加熱撹拌した。
2)80℃達温後、ヤシ油を添加し、温度を保持したまま10分間撹拌溶解した。
3)ホモジナイザーにて均質化(第一段10MPa、第二段5MPa)した。
4)5℃以下まで冷却後、一晩エージングし、香料を添加した。
5)バッチ式フリーザーにてフリージングを行った。
6)カップに充填して−40℃で急速凍結した。
均質化後の冷菓ミックスについて、B型回転粘度計にて、測定温度5℃、回転数6rpm、12rpm、30rpm及び60rpm、1分後の粘度を測定した。結果を表6に示す。
表6から明らかなように、ローカストビーンガムとサバクヨモギシードガムを含有する均質化後の冷菓ミックス(実施例5−1)は、ローカストビーンガム又はサバクヨモギシードガムを単独で含有する均質化後の冷菓ミックス(比較例5−1及び5−4)と比較して粘度が高い。同様に、キサンタンガムとサバクヨモギシードガムを含有する均質化後の冷菓ミックス(実施例5−2)は、キサンタンガム又はサバクヨモギシードガムを単独で含有する均質化後の冷菓ミックス(比較例5−2及び5−4)と比較して粘度が高く、グァーガムとサバクヨモギシードガムを含有する均質化後の冷菓ミックス(実施例5−3)は、グァーガム又はサバクヨモギシードガムを単独で含有する均質化後の冷菓ミックス(比較例5−3及び5−4)と比較して粘度が高い。このことから、本発明の増粘剤は、多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとを併用することによる増粘性の相乗効果を奏しており、増粘効果が高い。

Claims (7)

  1. キサンタンガム、ローカストビーンガム、タラガム、マンナン、λ−カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びグァーガムからなる群から選ばれる少なくとも一つである多糖類(A)と、サバクヨモギシードガムとを含有する増粘剤。
  2. 多糖類(A)とサバクヨモギシードガムとの合計質量に対するサバクヨモギシードガムの割合が5〜99質量%である、請求項1に記載の増粘剤。
  3. 飲食品用、化粧品用、医薬品用、医薬部外品用、家庭用製品用、トイレタリー製品用、農業製品用又は工業製品用である、請求項1又は2に記載の増粘剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の増粘剤を含有する増粘組成物。
  5. 増粘組成物が、飲食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、家庭用製品、トイレタリー製品、農業製品又は工業製品である、請求項4に記載の増粘組成物。
  6. キサンタンガム、ローカストビーンガム、タラガム、マンナン、λ−カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びグァーガムからなる群から選ばれる少なくとも一つである多糖類(A)と、サバクヨモギシードガムとを含有するゲル化剤。
  7. 請求項6に記載のゲル化剤を含有するゲル化組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113813442A (zh) * 2021-09-29 2021-12-21 王旺盛 一种沙蒿胶抑菌凝胶配方

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