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JP2018090721A - 難燃性ウレタン樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ウレタン樹脂組成物 Download PDF

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JP2018090721A JP2016236203A JP2016236203A JP2018090721A JP 2018090721 A JP2018090721 A JP 2018090721A JP 2016236203 A JP2016236203 A JP 2016236203A JP 2016236203 A JP2016236203 A JP 2016236203A JP 2018090721 A JP2018090721 A JP 2018090721A
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phosphate
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建彦 牛見
Tatsuhiko Ushimi
建彦 牛見
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】難燃性を維持しつつ、ポリウレタンフォームの脆さを改善し、耐腐食性をも有するポリウレタンフォームを提供するための難燃性ウレタン樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ポリイソシアネート、ポリオール、三量化触媒、発泡剤、整泡剤、粉体難燃剤および珪酸アルカリ金属塩を含む難燃性ウレタン樹脂組成物であって、ポリオールとポリイソシアネートとからなるウレタン樹脂100重量部を基準として、珪酸アルカリ金属塩の含有量が0.1〜50重量部であることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性ウレタン樹脂組成物及びポリウレタン発泡体に関する。
マンション等の集合住宅、戸建住宅、学校の各種施設、商業ビル等の外壁等に、建物の強度を高める構造材料として、鉄筋等により補強されたコンクリートが使用されている。
一方、コンクリートは蓄熱性および蓄冷性があるため、夏場に蓄積された熱により建物内部が加熱されたり、冬場の寒い時期にコンクリートが冷却される結果、建物内部が冷却されたりする短所がある。このようなコンクリートを通じて外温が長時間にわたり建物内部に与える影響を軽減するために、通常はコンクリートに対して断熱加工が施される。
そこで断熱層として、火災に対する難燃性を備えた硬質ポリウレタンフォームが用いられている。
特開平11-279398 特開昭52-17598
従来ポリウレタンフォームの難燃化には、粉体の難燃剤を配合する、イソシアヌレートフォームの形成を促進させる等の対策が用いられてきた。しかし、上記施策を実施した場合、ポリウレタンフォームが脆くなってしまい、粉塵が舞う、成型時欠け寸法が出ない等安全上及び性能上の問題が生じてしまう。
また、上記難燃剤やイソシアヌレートの原料であるイソシアネートはハロゲン系化合物を含んでおり、多量に添加した場合金属配管等を断熱する場合腐食してしまうという問題もあった。
本発明の目的は、難燃性を維持しつつ、ポリウレタンフォームの脆さを改善し、耐腐食性をも有するポリウレタンフォームを提供するための難燃性ウレタン樹脂組成物を提供することにある。
本願発明者らは、上記の目的を達成すべく種々検討したところ、粉体難燃剤および所定量の珪酸アルカリ金属塩を含む難燃性ウレタン樹脂組成物であれば上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
項1.ポリイソシアネート、ポリオール、三量化触媒、発泡剤、整泡剤、粉体難燃剤および珪酸アルカリ金属塩を含む難燃性ウレタン樹脂組成物であって、ポリオールとポリイソシアネートとからなるウレタン樹脂100重量部を基準として、珪酸アルカリ金属塩の含有量が0.1〜50重量部であることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物。
項2.前記粉体難燃剤が、赤リン、ホウ素含有難燃剤および針状フィラーからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、項1に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
項3.項1または2に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物が硬化したポリウレタン発泡体。
項4.成形体であることを特徴とする項3に記載のポリウレタン発泡体。
本発明により、難燃性を維持しつつ、フォーム脆さが改善され、耐腐食性をも有するポリウレタンフォームを提供するための難燃性ウレタン樹脂組成物が提供される。
本発明は、(i)ポリイソシアネート、ポリオール、三量化触媒、発泡剤、整泡剤、粉体難燃剤および珪酸アルカリ金属塩を含み、ポリオールとポリイソシアネートとからなるウレタン樹脂100重量部を基準として、珪酸アルカリ金属塩の含有量が0.1〜50重量部であることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物及び(ii)上記難燃性ウレタン樹脂組成物が硬化したポリウレタン発泡を包含する。
本発明の難燃性ウレタン樹脂組成物はポリイソシアネート、ポリオール、三量化触媒、発泡剤、整泡剤、粉体難燃剤および珪酸アルカリ金属塩を含む。
ウレタン樹脂の主剤としてのポリイソシアネートとウレタン樹脂の硬化剤としてのポリオールは、化学反応により硬化して、ウレタン樹脂を形成する。
以下、各成分について説明する。
1.ポリオール
ウレタン樹脂の硬化剤であるポリオールとしては、例えばポリラクトンポリオール、ポリカーポネートポリオール、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、例えば、ポリプロピオラクトングリコール、ポリカプロラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオールなどの水酸基含有化合物と、ジエチレンカーボネート、ジプロピレンカーボネートなどとの脱アルコール反応により得られるポリオール等が挙げられる。
芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
脂環族ポリオールとしては、例えばシクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロへキシルメタンジオール、ジメチルジシクロへキシルメタンジオール等が挙げられる。
脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
ここで多塩基酸としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等が挙げられる。また多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
またヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、例えば、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール等に対し、アクリロニトリル、スチレン、メチルアクリレート、メタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させた重合体、ポリブタジエンポリオール、多価アルコールの変性ポリオールまたは、これらの水素添加物等が挙げられる。
多価アルコールの変性ポリオールとしては、例えば、原料の多価アルコールにアルキレンオキサイドを反応させて変性したもの等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリンおよびトリメチロールプロパン等の三価アルコール;ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクト−ス、メチルグルコシドおよびその誘導体等の四〜八価のアルコール;フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロール、カテコ−ル、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1−ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシピレン等のフェノールポリブタジエンポリオール;ひまし油ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体およびポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)が挙げられる。
多価アルコールの変性方法は特に限定されないが、アルキレンオキサイド(以下、AOと略す)を付加させる方法が好適に用いられる。
AOとしては、炭素数2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも性状や反応性の観点から、PO、EOおよび1,2−ブチレンオキサイドが好ましく、POおよびEOがより好ましい。AOを二種以上使用する場合(例えば、POおよびEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエーテルポリオ−ルとしては、例えば、活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物等の少なくとも一種の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環重合させて得られる重合体が挙げられる。
活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオ−ル等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
本発明に使用するポリオールは、燃焼した際の総発熱量の低減効果が大きいことからポリエステルポリオール、またはポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。
その中でも分子量200〜800のポリエステルポリオールを用いることがより好ましく、分子量300〜500のポリエステルポリオールを用いることがさらに好ましい。
2.ポリイソシアネート化合物
ウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロへキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は一種もしくは二種以上を使用することができる。ウレタン樹脂の主剤は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートが好ましい。
本発明の組成物において、イソシアネートインデックスが250以上であることが好ましく、260以上700以下であることがより好ましく、280以上600以下更に好ましく、300以上500以下であることが最も好ましい。
イソシアネートインデックス(INDEX)は、以下の方法にて算出される。
INDEX=イソシアネートの当量数÷(ポリオールの当量数+水の当量数)×100
ここで、
イソシアネートの当量数=ポリイソシアネートの使用部数×NCO含有率(%)÷100/NCOの分子量、
ポリオールの当量数=OHV×ポリオールの使用部数÷KOHの分子量、OHVはポリオールの水酸基価(mg KOH/g)、
水の当量数=水の使用部数×水のOH基の数/水の分子量
である。なお上記式において、使用部数の単位は重量(g)であり、NCO基の分子量は42、NCO含有率はポリイソシアネート化合物中のNCO基の割合を質量%で表したものであり、上記式の単位換算の都合上KOHの分子量は56100とし、水の分子量は18、水のOH基の数は2とする。
3.触媒
本発明の組成物は、触媒として三量化触媒を含む。
三量化触媒は、ポリウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進する。
三量化触媒として、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の窒素含有芳香族化合物;酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩;トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム
塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等を使用することができる。
三量化触媒の配合量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.6重量部〜10重量部の範囲とすることができ、0.6重量部〜8重量部の範囲であることがより好ましく、0.6重量部〜6重量部の範囲であることが更に好ましく、0.6重量部〜3.0重量部の範囲であることが最も好ましい。上記下限値以上の場合はイソシアヌレート環の生成が充分に促進され、上記上限値以下の場合は適切な発泡速度を維持することができ、取り扱いやすい。
三量化触媒は一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明の組成物は、触媒としてさらにウレタン触媒を含んでもよい。ウレタン触媒とは、ポリオール等とイソシアネートとの反応を促進する触媒である。
ウレタン触媒としては、例えば3級アミン、錫化合物、アセチルアセトン金属塩等が挙げられる。
前記3級アミンとしては、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチル−N’N’−ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアザビシクロウンデセン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチルイミダゾール、トリメチルアミノエチルピペラジン、トリプロピルアミン等が挙げられる。
前記錫化合物としては、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。
前記アセチルアセトン金属塩としては、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンベリリウム、アセチルアセトンクロム、アセチルアセトンインジウム、アセチルアセトンマンガン、アセチルアセトンモリブデン、アセチルアセトンチタン、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトンバナジウム、アセチルアセトンジルコニウム等が挙げられる。
本発明の組成物におけるウレタン化触媒の含有量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.01重量部〜1重量部の範囲であることが好ましく、0.05重量部〜1重量部の範囲であることがより好ましく、0.1重量部〜1重量部の範囲であることが更に好ましい。上記下限値以上の場合は2量化反応が十分に起こり、3量化反応を起こすための十分な熱が発生するため、難燃性が向上する。上記上限値以下の場合は発泡開始が十分に遅いため、均一なフォームを形成できる。
ウレタン触媒は一種もしくは二種以上を使用することができる。
4.整泡剤
整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
整泡剤の含有量は、一例を示すとすれば、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部の範囲とすることができる。
整泡剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
5.発泡剤
発泡剤は、ウレタン樹脂の発泡を促進する。発泡剤としては、例えば、水;プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素;ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物;CHF、CH、CHF等のフッ素化合物;トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン、ジクロロモノフルオロエタン、(例えば、HCFC141b (1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)、HCFC22 (クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン))等のハイドロクロロフルオロカーボン化合物;HFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)等のハイドロフルオロカーボン;HFO−1233zd(1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)等のハイドロフルオロオレフィン;ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、あるいはこれらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
発泡剤の含有量は特に限定されないが、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部の範囲とすることができ、0.1重量部〜18重量部の範囲であることがより好ましく、0.5重量部〜18重量部の範囲であることが更に好ましく、1重量部〜10重量部の範囲であることが最も好ましい。
発泡剤の範囲が上記下限値以上の場合は発泡が促進され、得られる成形体の密度を低減することができ、上記上限値以下の場合は、発泡体が発泡せず発泡体が形成されないことを防ぐことができる。
発泡剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
6.珪酸アルカリ金属塩
珪酸アルカリ金属塩としては、オルト珪酸アルカリ金属塩、メタ珪酸アルカリ金属塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
本発明の組成物における珪酸アルカリ金属塩の含有量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部の範囲であり、0.1重量部〜10重量部の範囲であることが好ましく、0.1重量部〜5重量部の範囲であることがより好ましい。上記下限値以上の場合は脆さを改善しつつ腐食性も向上する。上記上限値以下の場合はウレタン発泡の際に悪影響を与えない。
7.難燃剤
本発明の組成物は、得られる発泡体に難燃性を付与するために、粉体難燃剤を含む。
粉体難燃剤としては、赤リン、針状フィラー、ホウ素含有難燃剤、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、金属水酸化物などが例示される。粉体難燃剤は、赤リン、ホウ素含有難燃剤および針状フィラーからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。粉体難燃剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する赤リンに限定はなく、市販品を適宜選択して使用することができる。
また本発明に使用する赤リンの含有量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部〜52重量部の範囲とすることができ、1.5重量部〜20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部〜15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部〜10重量部の範囲であることが最も好ましい。
前記赤リンの範囲が上記下限値以上の場合は、発泡体の自己消火性が保持され、また上記上限値以下の場合には難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
針状フィラーは有機系フィラーであっても無機系フィラーであってもよいが、好ましくは無機系フィラーである。針状フィラーのアスペクト比は5〜50であり、好ましくは8〜40であり、より好ましくは10〜40であり、更に好ましくは10〜35であり、8〜25が最も好ましい。ここで、本明細書でいうフィラーのアスペクト比とは、針状フィラーを走査型電子顕微鏡で観察して得られる画像にて確認されるフィラーの最大長さの最小厚さ(最大長さに対し垂直方向)に対する比(直径/厚さ比とも言う)であり、十分な数のフィラー、250個以上の平均である。
針状フィラーの平均粒径は0.1μm以上15μm未満であり、好ましくは0.1μm以上14μm以下、より好ましくは0.3〜10μmである。平均粒径はX線透過式沈降法粒度分布測定装置により求められる。針状フィラーの融点は750℃以上であり、好ましくは800℃以上、より好ましくは1,000℃以上である。
針状の無機フィラーとしては、塩基性硫酸マグネシウム、硼酸アルミニウム、ウォラストナイト(珪灰石)、ゾノトライト、ドーソナイト、エレスタダイト、ベーマイト、棒状ヒドロキシアパタイト、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、マグネシウム系ウィスカー、珪素系ウィスカー、針状アルミナ、針状セラミック、アスベスト、針状炭酸カルシウム、石膏繊維、ガラス繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、炭素繊維(カーボンナノチューブ等の繊維状、針状又はフラーレン等の球状のニューカーボンを含む)、グラファイト繊維、窒化硼素繊維、硼素繊維、金属繊維等が例示される。
針状フィラーは、収縮及び変形のうちの少なくとも一方を防止する。本明細書で「収縮」とは、長さ方向の長さ、幅方向の長さ、及び厚み方向の長さを含む、長さの変化を指し、「変形」とは、反り等の形状の変化、特には厚み方向の形状の変化を指す。針状とは、長径が短径の3倍以上をしたものをいい、所謂針形状だけでなく、紡錘形状、円柱形状のもの等も含む。
一実施形態では、針状フィラーはアスペクト比が5〜50、平均粒径が0.1μm以上15μm未満の針状無機フィラーである。好ましい針状フィラーはウォラストナイト又はチタン酸カリウムウィスカーである。
針状フィラーの含有量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、1〜30重量部であることが好ましく、1重量部〜25重量部であることがより好ましく、2重量部〜18重量部であることが更に好ましい。
ホウ素含有難燃剤としては、ホウ砂、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸塩等が挙げられる。
酸化ホウ素としては、例えば、三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素、二酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素等が挙げられる。
ホウ酸塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族、第12族、第13族の元素およびアンモニウムのホウ酸塩等が挙げられる。
具体的には、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム等のホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム等のホウ酸アルカリ土類金属塩、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。
本発明に使用するホウ素含有難燃剤は、ホウ酸塩であることが好ましい。
ホウ素含有難燃剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用するホウ素含有難燃剤の含有量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部〜52重量部の範囲とすることができ、1.5重量部〜20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部〜15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部〜10重量部の範囲であることが最も好ましい。
また本発明に使用するリン酸塩含有難燃剤はリン酸塩を含むものである。リン酸塩含有難燃剤に使用されるリン酸は特に限定はないが、モノリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、およびそれらの組み合わせ等の各種リン酸が挙げられる。
リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、各種リン酸と周期律表IA族〜IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンから選ばれる少なくとも一種の金属または化合物との塩からなるリン酸塩を挙げることができる。周期律表IA族〜IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。
また脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。
また芳香族アミンとして、ピリジン、トリアジン、メラミン、アンモニウム等が挙げられる。
なお、上記のリン酸塩含有難燃剤は、シランカップリング剤処理、メラミン樹脂で被覆する等の公知の耐水性向上処理を加えてもよく、メラミン、ペンタエリスリトール等の公知の発泡助剤を加えても良い。
リン酸塩含有難燃剤の具体例としては、例えば、モノリン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。
モノリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等のアンモニウム塩、リン酸−ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸−ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム塩、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜リン酸二カリウム、次亜リン酸カリウム等のカリウム塩、リン酸−リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リチウム、亜リン酸−リチウム、亜リン酸二リチウム、次亜リン酸リチウム等のリチウム塩、リン酸二水素バリウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リン酸バリウム等のバリウム塩、リン酸一水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、次亜リン酸マグネシウム等のマグネシウム塩、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、次亜リン酸カルシウム等のカルシウム塩、等が挙げられる。
またポリリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムアミド、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。
これらの中でも、リン酸塩含有難燃剤の自己消火性が向上するため、モノリン酸塩を使用することが好ましく、リン酸二水素アンモニウムを使用することがより好ましい。
リン酸塩含有難燃剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用するリン酸塩含有難燃剤の含有量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部〜52重量部の範囲とすることができ、1.5重量部〜20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部〜15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部〜10重量部の範囲であることが最も好ましい。
また本発明に使用する臭素含有難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有する化合物であれば特に限定はないが、例えば、芳香族臭素化化合物等を挙げることができる。
芳香族臭素化化合物の具体例としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフエノキシ)エタン、エチレンービス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA等のモノマー有機臭素化合物;臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、ポリカ−ボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート;臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物;ポリ(臭素化ベンジルアクリレート);臭素化ポリフェニレンエーテル;臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌールおよび臭素化フェノールの縮合物;臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレン等の臭素化ポリスチレン;架橋または非架橋臭素化ポリ(−メチルスチレン)等のハロゲン化された臭素化合物ポリマーが挙げられる。
燃焼初期の発熱量を制御する観点から、臭素化ポリスチレン、ヘキサブロモベンゼン等が好ましく、ヘキサブロモベンゼンがより好ましい。
臭素含有難燃剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する臭素含有難燃剤の含有量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部〜52重量部の範囲とすることができ、1.5重量部〜20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部〜15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部〜10重量部の範囲であることが最も好ましい。
また本発明に使用するアンチモン含有難燃剤としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等が挙げられる。
酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
アンチモン酸塩としては、例えば、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等が挙げられる。
ピロアンチモン酸塩としては、例えば、ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチモン酸カリウム等が挙げられる。
本発明に使用するアンチモン含有難燃剤は、酸化アンチモンであることが好ましい。
アンチモン含有難燃剤は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
アンチモン含有難燃剤の含有量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部〜52重量部の範囲とすることができ、1.5重量部〜20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部〜15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部〜10重量部の範囲であることが最も好ましい。
また本発明に使用する金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化ジルコニウム、水酸化チタン、水酸化銅、水酸化バナジウム、水酸化スズ等があげられる。
金属水酸化物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
金属水酸化物の含有量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部〜52重量部の範囲とすることができ、1.5重量部〜20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部〜15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部〜10重量部の範囲であることが最も好ましい。
本発明に使用する粉体難燃剤の合計含有量は、ウレタン樹脂100重量部に対して4.5重量部〜70重量部の範囲とすることができ、4.5重量部〜40重量部の範囲であることがより好ましく、4.5重量部〜30重量部の範囲であることが更に好ましい。
粉体難燃剤の範囲が上記下限値以上の場合には難燃性樹脂組成物からなる成形品が火災の熱により形成される緻密残渣が割れることを防止でき、上記上限値以下の場合には難燃性樹脂組成物の発泡が阻害されない。
本発明において、粉体難燃剤以外の難燃剤も使用することができる。
このような難燃剤として、リン酸エステルが例示される。
本発明に使用するリン酸エステルは特に限定されないが、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等を使用することが好ましい。
モノリン酸エステルとしては、特に限定はないが、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレ二ルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレ二ルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル、レジルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ホスフアフエナンスレン、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート等が挙げられる。
縮合リン酸エステルとしては、特に限定はないが、例えば、トリアルキルポリホスフェート、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート(大八化学工業社製、商品名PX−200)、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェートならびにこれらの縮合物等の縮合リン酸エステルを挙げられる。
市販の縮合リン酸エステルとしては、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(商品名CR−733S)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名CR−741)、芳香族縮合リン酸エステル(商品名CR747)、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(ADEKA社製、商品名アデカスタブPFR)、ビスフェノールAポリクレジルホスフエ−ト(商品名FP−600、FP−700)等を挙げることができる。
上記の中でも、硬化前の組成物中の粘度の低下させる効果と初期の発熱量を低減させる効果が高いためモノリン酸エステルを使用することが好ましく、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェートを使用することがより好ましい。
リン酸エステルは一種もしくは二種以上を使用することができる。
リン酸エステルの含有量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、1.5重量部〜52重量部の範囲とすることができ、1.5重量部〜20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部〜15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0重量部〜10重量部の範囲であることが最も好ましい。
リン酸エステルの範囲が上記下限値以上の場合には難燃性樹脂組成物からなる成形品が火災の熟により形成される緻密残渣が割れることを防止でき、上記上限値以下の場合には難燃性樹脂組成物の発泡が阻害されない。
8.その他の成分
本発明の組成物は、さらに無機充填材を含んでもよい。無機充填材としては、特に限定はないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカパルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素パルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムポレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
無機充填材は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明の組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、熱安定剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等の補助成分、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
上記の1.〜8.の成分は混合されて難燃性ウレタン樹脂組成物は反応して硬化するため、その粘度は時間の経過と共に変化する。そこで難燃性ウレタン樹脂組成物を使用する前に、難燃性ウレタン樹脂組成物を二以上に分割して、難燃性ウレタン樹脂組成物が反応して硬化することを防止する(発泡性ポリウレタンプレミックス組成物)。そして難燃性ウレタン樹脂組成物を使用する際に、二以上に分割しておいた難燃性ウレタン樹脂組成物を混合し一つにまとめることにより、難燃性ウレタン樹脂組成物が得られる。
なお難燃性ウレタン樹脂組成物を二以上に分割するときは、二以上に分割された難燃性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分単独は硬化が始まらず、難燃性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分を混合した後に硬化反応が始まるようにそれぞれの成分を分割すればよい。
難燃性ウレタン樹脂組成物の硬化は混合および常温で行なってもよいが、各成分を予め加熱しておいてもよい。
上記の三量化触媒、整泡剤、発泡剤、難燃剤及び珪酸アルカリ金属塩は、ポリオールまたはポリイソシアネートのいずれと混合されてもよいし、ポリオールおよびポリイソシアネートとは別に提供されてもよいが、好ましくは三量化触媒、整泡剤、発泡剤、難燃剤及び珪酸アルカリ金属塩は、ポリオールとこれらの成分とを含むポリオールプレミックスとして提供される(ポリイソシアネート化合物と反応させてポリウレタン発泡体を得るためのポリオール溶液組成物)。また、上記の8.のその他の成分もポリオールまたはポリイソシアネートのいずれと混合されてもよいし、ポリオールおよびポリイソシアネートとは別に提供されてもよいが、好ましくはポリオールプレミックスに含まれる。
難燃性ウレタン樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、難燃性ウレタン樹脂組成物の各成分を混合する方法、難燃性ウレタン樹脂組成物を有機溶剤に懸濁させたり、加温して溶融させたりして塗料状とする方法、溶剤に分散してスラリーを調製する等の方法、また難燃性ウレタン樹脂組成物に含まれる反応硬化性樹脂成分に常温(約25℃)の温度において固体である成分が含まれる場合には、難燃性ウレタン樹脂組成物を加熱下に溶融させる等の方法により難燃性ウレタン樹脂組成物を得ることができる。
難燃性ウレタン樹脂組成物は、難燃性ウレタン樹脂組成物の各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拝機等公知の装置を用いて混練することにより得ることができる。
また、ウレタン樹脂の主剤と硬化剤とをそれぞれ別々に充填材等と共に混練しておき、注入直前にスタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混練して得ることもできる。
さらに触媒を除く難燃性ウレタン樹脂組成物の成分と、触媒とを注入直前に同様に混練して得ることもできる。以上説明した方法により難燃性ウレタン樹脂組成物を得ることができる。
次に本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の硬化方法について説明する。
前記難燃性ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分を混合すると反応が始まり時間の経過と共に粘度が上昇し、流動性を失う。
例えば、前記難燃性ウレタン樹脂組成物を、金型、枠材等の容器へ注入して硬化させることにより、前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を発泡体として得ることができる。あるいは、前記難燃性ウレタン樹脂組成物を、被塗構造物に吹き付けて硬化させることにより、前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を発泡体として得ることができる。
前記難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体を得る際には、熱を加えたり、圧力を加えたりすることができる。
本発明の成形体の厚みは特に限定されないが、例えば1〜50mmである。特に20mm以上の場合に、発熱性試験時の変形の抑制効果が発揮され有利である。一実施形態において、本発明の成形体は、100mm×100mm×20mm(長さ方向×幅方向×厚み方向)の前記成形体をISO−5660試験方法に従って輻射熱強度50kW/m2にて20分間加熱したときの加熱前に対する加熱後の成形体の長さ方向及び幅方向の寸法が95mmよりも大きく、厚み方向の変形が10mm未満である。
本発明の難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体は、比重が0.020〜0.130の範囲であることが取り扱いやすいことから好ましく、0.020〜0.100の範囲であることがより好ましく、0.030〜0.080の範囲であることがさらに好ましく、0.030〜0.060の範囲であることが最も好ましい。
本発明の難燃性ウレタン樹脂組成物からなる成形体は、好ましくは、温度条件を30℃から900℃まで10℃/分の割合で昇温し、測定雰囲気を流量100mL/分の空気流とした場合の、空気条件下でのTG/DTA測定における重量減少率(1−加熱後のサンプル重量/加熱前のサンプル重量)×100(%))が5%以下である。このため成形体は加熱後も高い形状保持性を保持できる。
次に本発明に係る難燃性ウレタン樹脂組成物の応用例について説明する。
前記難燃性ウレタン樹脂組成物を、薄厚のパネルに成形し、建築物、家具、自動車、電車、船等の構造物に配置することができる。あるいは、前記難燃性ウレタン樹脂組成物を上記構造物に吹き付けることにより、前記構造物の表面に難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡体層を形成することができる。
本発明の発泡ウレタン組成物およびポリウレタン発泡体の耐火性は、ISO−5660の試験方法に準拠したコーンカロリーメーター試験により評価することができる。具体的には、この耐火試験では、難燃性樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を縦10cm、横10cmおよび厚み5cmに切断して、コーンカロリーメーター試験用サンプルを準備する。次に、コーンカロリーメーター試験用サンプル用いて、ISO−5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/m2にて20分間加熱したときの総発熱量をコーンカロリーメーターにより測定する。
本明細書において「難燃性」とは、(1)放射熱強度50kW/m2にて加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下である、(2)加熱開始後20分間に200kW/mを超える発熱速度が10秒を超えて継続しない、(3)加熱開始後20分間に防火上有害な亀裂または穴等の変形が生じない、という(1)〜(3)の条件を全て具備するものをいう。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.難燃性ウレタン樹脂組成物からなる発泡成形体の製造
表1に示した配合により、実施例1〜3及び比較例1〜2に係る難燃性ウレタン樹脂組成物をそれぞれ準備した。表中の各成分の詳細は次の通りである。
(1)ポリオール組成物
(A−1)p−フタル酸ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRFK−505、水酸基価=250mgKOH/g)。
(2)整泡剤
(B−1)ポリアルキレングリコール系整泡剤(東レダウコーニング社製、製品名:SH−193)。
(3)三量化触媒
(C−1)2−エチルヘキサン酸カリウム(MOMENTIVE社製、製品名:K−zeroG)、
(C−2)3量化触媒(東ソー社製、製品名:TOYOCAT−TRX)。
(4)ウレタン化触媒
(D−1)ペンタメチルジエチレントリアミン(東ソー社製、製品名:TOYOCAT−DT)。
(5)珪酸アルカリ金属塩
(E−1)メタ珪酸ナトリウム1種(富士化学社製)。
(6)発泡剤

HFC:HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、セントラル硝子社製)、HFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、日本ソルベイ社製)混合比率 HFC−365fa:HFC−245fa = 7:3(以下「HFC」という)。
(7)ポリイソシアネート
(F−1)MDI(日本ウレタン工業社製、製品名:ミリオネートMR−200)粘度:167mPa・s。
(8)添加剤
(G−1)赤リン(燐化学工業社製、製品名:ノーバエクセル140)
(G−2)トリス(β―クロロプロピル)ホスフェート(大八化学社製、製品名:TMCPP、以下「TMCPP」という)。
下記の表1の配合に従い、ポリオール化合物、整泡剤、各種触媒、発泡剤、及び添加剤を1000mLポリプロピレンビーカーに計りとり、25℃、10秒間ハンドミキサーで撹拝した(B液)。撹拝後の混練物に対してポリイソシアネート化合物(A液)を加え、ハンドミキサーで約10秒間攪拌し、発泡体を作成した。得られた難燃性ウレタン樹脂組成物は時間の経過と共に流動性を失い、実施例1〜3及び比較例1〜2の難燃性ウレタン樹脂組成物の発泡成形体を得た。
2.成形体の評価
以下の方法により実施例1〜3及び比較例1〜2の難燃性ウレタン樹脂組成物及びその発泡成形体の性能を評価した。結果を表1に示す。
(1)総発熱量
ISO−5660の試験方法に準拠したコーンカロリーメーター試験により評価した。具体的には、難燃性樹脂組成物のポリウレタン発泡体を縦10cm、横10cmおよび厚み5cmに切断して、コーンカロリーメーター試験用サンプルを準備した。次に、コーンカロリーメーター試験用サンプル用いて、ISO−5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/m2にて20分間加熱したときの総発熱量をコーンカロリーメーターにより測定した。
総発熱量が8MJ/m以下であれば難燃性を有すると評価した。
(2)圧縮強度
脆さを評価するために、ポリウレタン発泡体の圧縮強度を測定した。圧縮強度の測定は、JIS K 7220に準拠した。
ポリウレタン発泡体の圧縮強度が20N/cm以上であれば○(フォーム脆さが改善されている)と評価し、20N/cm未満であれば×(フォーム脆さが改善されていない)と評価した。
(3)腐食性
ASTMC795に準拠して腐食性を評価した。
この規格は金属の腐食が水溶性の塩素イオン及びフッ素イオンによって促進され、珪酸イオン及びナトリウムイオンによって抑制されるという考えを基にしている。水溶性の塩素イオン、フッ素イオン、珪酸イオン、及びナトリウムイオンの量を測定し、珪酸イオン及びナトリウムイオンの合計量によって決まる塩素イオン及びフッ素イオンの合計許容量を下回っていたら○、超えていたら×とした。

Claims (4)

  1. ポリイソシアネート、ポリオール、三量化触媒、発泡剤、整泡剤、粉体難燃剤および珪酸アルカリ金属塩を含む難燃性ウレタン樹脂組成物であって、ポリオールとポリイソシアネートとからなるウレタン樹脂100重量部を基準として、珪酸アルカリ金属塩の含有量が0.1〜50重量部であることを特徴とする、難燃性ウレタン樹脂組成物。
  2. 前記粉体難燃剤が、赤リン、ホウ素含有難燃剤および針状フィラーからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の難燃性ウレタン樹脂組成物が硬化したポリウレタン発泡体。
  4. 成形体であることを特徴とする請求項3に記載のポリウレタン発泡体。
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