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JP2018046593A - 永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置 - Google Patents

永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置 Download PDF

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JP2018046593A JP2016177319A JP2016177319A JP2018046593A JP 2018046593 A JP2018046593 A JP 2018046593A JP 2016177319 A JP2016177319 A JP 2016177319A JP 2016177319 A JP2016177319 A JP 2016177319A JP 2018046593 A JP2018046593 A JP 2018046593A
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Kazumitsu Yoshida
一充 吉田
克英 酒井
Katsuhide Sakai
克英 酒井
友伸 田村
Tomonobu Tamura
友伸 田村
斉 浅野
Hitoshi Asano
斉 浅野
春充 藤森
Harumitsu Fujimori
春充 藤森
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Abstract

【課題】位置指令が与えられない場合であっても、回転子を所望の位置に停止させる。【解決手段】捲線に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機の制御装置は、捲線に電流を流して回転子32を駆動する駆動部と、捲線に流れる電流に基づいて回転子32の磁極位置PSを推定する推定部と、を有し、回転子32を停止させる制御として、回転子32の磁極位置PSを停止位置Pxに引き込んで停止させる磁界ベクトル85を生成する電流を推定された最新の磁極位置PSに基づいて決定し、決定した電流を捲線に流し続けるよう駆動部を制御する。【選択図】図9

Description

本発明は、永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置に関する。
一般に、永久磁石同期電動機(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)は、捲線を有する固定子と永久磁石を用いた回転子とを有し、捲線に交流電流を流して回転磁界を発生させることにより、回転子をそれに同期して回転させる。交流電流をd−q座標系のベクトルの成分として制御を行うベクトル制御によると、効率よく滑らかに回転させることができる。
近年、センサレス型の永久磁石同期電動機が広く用いられている。センサレス型は、磁極位置を検出するための磁気センサやエンコーダを有していない。このため、センサレス型の永久磁石同期電動機のベクトル制御には、回転子の磁極位置および回転速度を捲線の電流または電圧に基づいて推定する方法が用いられる。ただし、回転の開始時および停止時のように回転速度が小さい場合には、磁極位置および回転速度を所定の精度で推定することができないことから、その場合には磁極位置および回転速度を推定することなく所定の磁界を発生させる制御が行われる。
回転子を停止させる制御として、電流の供給を停止して永久磁石同期電動機からエネルギーを取り出すように駆動回路の電流路を短絡させるショートブレーキ制御、および電流の供給を停止するだけのフリーラン制御などがある。
しかし、これらの制御よって回転子を停止させる場合には、負荷または慣性力のばらつきなどの影響により、回転子の停止する位置が一定にならない。このため、停止させた後に回転を再開する際に、停止状態の磁極位置を何らかの方法で推定しなければならず、推定に要する時間だけ回転の開始が遅れる。また、停止時に負荷を所定の停止位置に位置決めする必要のある用途にセンサレス型の永久磁石同期電動機を用いることができない。
センサレス型の永久磁石同期電動機の回転子を所望の位置に停止させるための先行技術として、リニア同期電動機の制御に関する特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、上位制御装置から連続的に与えられる位置指令に対応した連続的に変化するd軸の電気角を生成し、d軸電機子に電流が流れかつq軸電機子に電流が流れないように、電機子に流す電流を制御することが開示されている。
特許第5487105号公報
上に述べた特許文献1の技術は、直進する可動子とその移動範囲の全長にわたる固定子とから構成されるリニア同期電動機を駆動するためのものであり、移動中の可動子の位置を刻々と指定する位置指令が与えられることを前提としている。
したがってこの場合には、可動子の位置を指定する位置指令を連続的に発生させる必要があり、そのための制御が複雑となる。
永久磁石同期電動機の回転子を停止させる場合に、その停止位置は、小刻みに細かく設定可能であることが好ましい。つまり、停止位置の設定における選択肢が、例えば機械角で60度刻みの6個の大まかな位置であるよりも、1度刻みの360個の細かい位置である方がよい。無段階であればさらによい。細かくまたは無段階に設定可能であれば、回転子を所望の位置に必要最小限の時間で停止させることができる。また、停止時に負荷を位置決めする場合において、所望の位置に高い精度で位置決めすることが可能となる。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、永久磁石同期電動機の回転子を所望の位置に停止させることのできる制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る制御装置は、捲線に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機の制御装置であって、前記捲線に電流を流して前記回転子を駆動する駆動部と、前記捲線に流れる電流に基づいて前記回転子の磁極位置を推定する推定部と、推定された前記磁極位置に基づいた前記回転磁界が生成されるよう前記駆動部を制御するとともに、停止指令が入力されると前記回転子が停止するよう前記駆動部を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記回転子を停止させる制御として、前記回転子の磁極位置を停止位置に引き込んで停止させる磁界ベクトルを生成する電流を推定された最新の磁極位置に基づいて決定し、決定した電流を前記捲線に流し続けるよう前記駆動部を制御する。
本発明によると、永久磁石同期電動機の回転子を所望の位置に停止させることのできる制御装置および制御方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るモータ制御装置を備えた画像形成装置の構成の概要を示す図である。 ブラシレスモータの構成を模式的に示す図である。 ブラシレスモータのd−q軸モデルを示す図である。 モータ制御装置の機能的構成の一例を示す図である。 モータ駆動部および電流検出部の構成の例を示す図である。 停止時の駆動シーケンスの例を示す図である。 回転子を停止させるための磁界ベクトルの設定の例を示す図である。 磁界ベクトルに対応する電流ベクトルの例を示す図である。 固定励磁制御により停止するまでの過程における回転子および磁界ベクトルの状態の例を示す図である。 モータ制御装置における速度制御部、記憶部、電流制御部、および出力座標変換部の構成の例を示す図である。 停止時の駆動シーケンスの他の例を示す図である。 モータ制御装置における回転を停止させるための処理の流れを示す図である。 モータ制御装置における回転を停止させるための処理の流れの他の例を示す図である。 固定励磁制御の処理の流れの例を示す図である。
図1には本発明の一実施形態に係るモータ制御装置21を備えた画像形成装置1の構成の概要が、図2にはブラシレスモータ3の構成が模式的に示されている。
図1において、画像形成装置1は、電子写真式のプリンタエンジン1Aを備えたカラープリンタである。プリンタエンジン1Aは4個のイメージングステーション11,12,13,14を有しており、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナー像を並行して形成する。イメージングステーション11,12,13,14のそれぞれは、筒状の感光体、帯電チャージャ、現像器、クリーナ、および露光用の光源などを有している。
4色のトナー像は中間転写ベルト16に一次転写され、用紙カセット10から給紙ローラ15Aによって引き出されてレジストローラ15Bを経て搬送されてきた用紙9に二次転写される。二次転写の後、用紙9は定着器17の内部を通って上部の排紙トレイ18へ送り出される。定着器17を通過するとき、加熱および加圧によってトナー像が用紙9に定着する。
画像形成装置1は、定着器17、中間転写ベルト16、給紙ローラ15A、レジストローラ15B、感光体、および現像器のローラなどの回転体を回転させる駆動源として、ブラシレスモータ3を含む複数のブラシレスモータを用いる。つまり、プリンタエンジン1Aは、これらのブラシレスモータにより回転駆動される回転体を用いて用紙9を搬送しながら用紙9に画像を形成する。
ブラシレスモータ3は、例えばイメージングステーション14の近傍に配置されて、レジストローラ15Bを回転駆動する。このブラシレスモータ3は、モータ制御装置21により制御される。
図2において、ブラシレスモータ3は、センサレス型の永久磁石同期電動機(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)である。ブラシレスモータ3は、回転磁界を発生させる固定子31と、永久磁石を用いた回転子32とを備えている。固定子31は、120度間隔で配置されたU相、V相、W相のコア36,37,38、およびY結線された3つの捲線(コイル)33,34,35を有している。U相、V相およびW相の3相交流電流を捲線33〜35に流してコア36,37,38を順に励磁することによって回転磁界が生じる。回転子32は、この回転磁界に同期して回転する。
図2に示す例では回転子32の磁極数は2である。ただし、回転子32の磁極数は2に限らず、4、6またはそれ以上の多極であってもよい。回転子32は、アウター式でもよく、インナー式でもよい。また、固定子31のスロット数は3に限らない。いずれにしても、ブラシレスモータ3に対して、d−q座標系を基本とした制御モデルを用いて磁極位置および回転速度の推定を行うベクトル制御(センサレスベクトル制御)が、モータ制御装置21により行われる。
なお、以下において、回転子32のS極およびN極のうちの黒丸で示すN極の回転角度位置を、回転子32の「磁極位置PS」ということがある。
図3にはブラシレスモータ3のd−q軸モデルが示されている。ブラシレスモータ3のベクトル制御では、ブラシレスモータ3の捲線33〜35に流れる3相の交流電流を、回転子32である永久磁石と同期して回転している2相の捲線に流す直流電流に変換して制御を簡単化する。
永久磁石の磁束方向(N極の方向)をd軸とし、d軸から電気角でπ/2[rad](90°)進んだ方向をq軸とする。d軸およびq軸はモデル軸である。U相の捲線33を基準とし、これに対するd軸の進み角をθと定義する。この角度θは、U相の捲線33に対する磁極の角度位置(磁極位置PS)を示す。d−q座標系は、U相の捲線33を基準としてこれより角度θだけ進んだ位置にある。
ブラシレスモータ3は回転子32の角度位置(磁極位置)を検出する位置センサを有していないので、モータ制御装置21において回転子32の磁極位置PSを推定する必要がある。その推定した磁極位置を示す推定角度θmに対応してγ軸を定め、γ軸よりも電気角でπ/2進んだ位置をδ軸に定める。γ−δ座標系は、U相の捲線33を基準としてこれより推定角度θmだけ進んだ位置にある。角度θに対する推定角度θmの遅れを、Δθと定義する。
図4にはモータ制御装置21の機能的構成の一例が、図5にはモータ制御装置21におけるモータ駆動部26および電流検出部27の構成の例が、それぞれ示されている。
図4に示すように、モータ制御装置21は、モータ駆動部26、電流検出部27、ベクトル制御部24、速度・位置推定部25、および記憶部28などを有している。
モータ駆動部26は、ブラシレスモータ3の捲線33〜35に電流を流して回転子32を駆動するためのインバータ回路である。図6のように、モータ駆動部26は、3つのデュアル素子261,262,263、およびプリドライブ回路265などを有する。
各デュアル素子261〜263は、特性の揃った2つのトランジスタ(例えば、電界効果トランジスタ:FET)を直列接続してパッケージに収めた回路部品である。
デュアル素子261のトランジスタQ1,Q2によって、捲線33を流れる電流Iuが制御され、デュアル素子262のトランジスタQ3,Q4によって、捲線34を流れる電流Ivが制御される。そして、デュアル素子263のトランジスタQ5,Q6によって、捲線35を流れる電流Iwが制御される。
図5において、プリドライブ回路265は、ベクトル制御部24から入力される制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−を、各トランジスタQ1〜Q6に適した電圧レベルに変換する。変換後の制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−が、トランジスタQ1〜Q6の制御端子(ゲート)に入力される。
電流検出部27は、U相電流検出部271およびV相電流検出部272を有し、捲線33,34に流れる電流Iu,Ivを検出する。Iu+Iv+Iw=0であるので、検出した電流Iu,Ivの値から計算によって電流Iwを求めることができる。
U相電流検出部271およびV相電流検出部272は、電流Iu,Ivの流路に挿入されている抵抗値が小さい値(1/10Ωオーダー)のシャント抵抗による電圧降下を増幅してA/D変換し、電流Iu,Ivの検出値として出力する。すなわち、2シャント方式の検出を行う。
なお、モータ駆動部26と電流検出部27とを一体化した回路部品を用いてモータ制御装置21を構成することができる。
図4に戻って、ベクトル制御部24は、上位制御部20からの速度指令S1の示す速度指令値ω*に応じて、モータ駆動部26を制御する。上位制御部20は、画像形成装置1の全体の制御を受け持つコントローラであり、画像形成装置1をウォームアップするとき、プリントジョブを実行するとき、節電モードに移行するときなどに速度指令S1を発する。回転駆動の停止を指令する場合に、上位制御部20は、速度指令値ω*を「0」とした速度指令S1をベクトル制御部24に与える。つまり、この場合の速度指令S1は、停止指令S1sとなる。
ベクトル制御部24は、推定された磁極位置に基づいた回転磁界が生成されるようモータ駆動部26を制御するとともに、停止指令S1sが入力されると回転子32が停止するようモータ駆動部26を制御する。
回転子を停止させる制御として、ベクトル制御部24は、回転子32の磁極位置PSを停止位置に引き込んで停止させる磁界ベクトルを生成する電流を、推定された最新の磁極位置PSに基づいて決定し、決定した電流を捲線33〜35に流し続けるよう、モータ駆動部26を制御する。詳しくは次の通りである。
ベクトル制御部24は、速度制御部41、電流制御部42、出力座標変換部43、PWM変換部44、および入力座標変換部45を有する。これらの各部は、上位制御部20からの速度指令S1が停止指令S1sではない場合において、すなわち、速度推定値ωmが「0」ではない場合において、次の処理を行う。
速度制御部41は、上位制御部20からの速度指令値ω*と速度・位置推定部25からの速度推定値ωmとに基づいて、速度推定値ωmが速度指令値ω*に近づくようにγ−δ座標系の電流指令値Iγ*,Iδ*を決定する。
電流制御部42は、電流指令値Iγ*,Iδ*に基づいて、γ−δ座標系の電圧指令値Vγ*,Vδ*を決定する。
出力座標変換部43は、速度・位置推定部25からの推定角度θmに基づいて、電圧指令値Vγ*,Vδ*をU相、V相、およびW相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換する。
PWM変換部44は、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいて制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−を生成し、モータ駆動部26へ出力する。制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−は、ブラシレスモータ3に供給する3相交流電力の周波数および振幅をパルス幅変調(PWM: Pulse Width Modulation )により制御するための信号である。
入力座標変換部45は、電流検出部27により検出されたU相の電流IuおよびV相の電流Ivの各値からW相の電流Iwの値を算出する。そして、速度・位置推定部25からの推定角度θmと3相の電流Iu,Iv,Iwの値とに基づいて、γ−δ座標系の推定電流値Iγ,Iδを算出する。つまり、電流について3相から2相への変換を行う。
速度・位置推定部25は、入力座標変換部45からの推定電流値Iγ,Iδと電流制御部42からの電圧指令値Vγ*,Vδ*とに基づいて、いわゆる電圧電流方程式に従って速度推定値ωmおよび推定角度θmを求める。速度推定値ωmは、回転子32の回転速度の推定値の例であり、推定角度θmは、回転子32の磁極位置PSの推定値の例である。また、推定電流値Iγ,Iδは、電流検出部27により検出された電流Iu,Ivの値の例である。
求められた速度推定値ωmは、速度制御部41に入力され、求められた推定角度θmは、速度制御部41、出力座標変換部43、および入力座標変換部45に入力される。
このようなベクトル制御部24の各部および速度・位置推定部25により、モータ駆動部26が制御されてブラシレスモータ3が回転駆動される。
さて、本実施形態のモータ制御装置21は、ブラシレスモータ3の回転子32を所望の停止位置に停止させる機能を有している。以下、この機能を中心にモータ制御装置21の構成および動作をさらに説明する。
図6には停止時の駆動シーケンスの例が、図7には回転子32を停止させるための磁界ベクトル85の設定の例が、図8には磁界ベクトル85に対応する電流ベクトル95の例が、それぞれ示されている。また図9には固定励磁制御により停止するまでの過程における回転子32および磁界ベクトル85の状態の例が示されている。
図6において、時刻t1に上位制御部20からモータ制御装置21に停止指令S1sが入力される。時刻t1以前では、ベクトル制御が行われて回転速度ωが一定に保たれているものとする。ただし、加速しまたは減速していてもよい。
モータ制御装置21は、停止指令S1sが入力されると、減速制御を開始する。減速制御として、例えば回転速度ωが次第に低減するよう回転磁界の回転(周波数)を制御する。ただし、これに限らず、いわゆる3相短絡式のショートブレーキ制御またはフリーラン制御を行ってもよい。ショートブレーキ制御を行う場合には、モータ駆動部26のトランジスタQ1,Q3,Q5をすべてオフ状態としかつトランジスタQ2,Q4,Q6をすべてオン状態とする。フリーラン制御を行う場合には、トランジスタQ1〜Q6をすべてオフ状態とする。
減速制御は、回転速度ωが下限速度ω1以上のあらかじめ設定された制御切替速度ω2に低下するまで続けられる。下限速度ω1とは、電流Iu,Ivに基づく速度・位置推定部25による磁極位置PSの推定が可能な最低の回転速度ωである。
回転速度ωが制御切替速度ω2に低下すると(時点t2)、モータ制御装置21は、実行する制御を減速制御から固定励磁制御へ切り替える。
固定励磁制御は、回転子32を停止させるために、回転子32の磁極を所定の停止位置に引き込む磁界が生じるよう捲線33〜35に電流を流し続ける制御である。図6では時刻t3で回転子32が停止する。
固定励磁制御には、速度・位置推定部25による推定角度θmを用いる。このため、上に述べた制御切替速度ω2は、減速制御から固定励磁制御への切替えのタイミングが速度・位置推定部25による推定が可能である期間内となるよう定められている。
以下、固定励磁制御について詳述する。
図7〜図9では、回転子32を停止させたい位置(狙いの位置)である停止位置Pxを二重丸で示している。
なお、図7および図9において、永久磁石の磁束方向を示すd軸は、推定角度θmによって決定されるγ軸とほぼ同じであるので、d軸およびq軸を、γ軸およびδ軸と等しいものとして扱う。また、d軸およびq軸は、永久磁石の磁束方向を理想的に示す軸であるが、実際に推定角度θmを経て推定されまたは検知されるのはγ軸およびδ軸であるので、実際の制御においてはγ軸およびδ軸を用いてよい。つまり、本発明において、d−q軸に代えてγ軸−δ軸を用いることができ、また、Id、Iq、θなどについてもこれに代えてIγ、Iδ、θmを用いることができる。
さて、固定励磁制御に切り替わると、モータ制御装置21は、図7(A)に示すように、回転子32の回転中心から停止位置Pxへ向かう磁界ベクトル85を定める。磁界ベクトル85は、回転子32を停止位置Pxに引き込む磁界を表わす。
磁界ベクトル85の向きを定める停止位置Pxは、磁極位置PSに対する進み方向および遅れ方向のそれぞれのずれ量が電気角で最大180度である範囲Λ1,Λ2内の位置である。すなわち、磁極位置PSに対して、電気角で0〜+180度ずれる進み方向の範囲Λ1内の任意の位置、または電気角で0〜−180度ずれる遅れ方向の範囲Λ2内の任意の位置が停止位置Pxとされる。
なお、ここに示したブラシレスモータ3の極数は2であって電気角と機械角とが等しいので、磁極位置PSに対して機械角で0〜±180度ずれる範囲、つまり全周(360度の範囲)の任意の位置が停止位置Pxになり得る。
停止位置Pxは、そのときの磁極位置PSを基準に決定する相対的な位置であってよいし、あらかじめ定められる固定の位置(絶対的な位置)であってもよい。
停止位置Pxを相対的な位置とする場合には、図7(B)に示す磁極位置PSから停止位置Pxまでの角度dθが、あらかじめ定められる。この角度dθは、上に述べた通り、電気角で−180度〜+180度の範囲内の角度である。停止位置Pxは、例えばU相のコア36の角度位置から停止位置Pxまでの角度θxで特定される。角度θxは、推定角度θmと角度dθとの和に相当する角度となる。
停止位置Pxを固定の位置とする場合には、図7(C)に示すように停止位置Pxを特定する角度θxが、あらかじめ定められる。この場合には、磁極位置PSから停止位置Pxまでの角度dθは、磁極位置PSに応じて変わる。
ところで、磁界ベクトル85を定めることは、図8(A)に示すように、磁界ベクトル85と同じ向きの電流ベクトル95を定めることに相当する。電流ベクトル95は、回転子32を停止位置Pxに引き込む磁界を生成するために捲線33〜35に流すべき電流を表わす。
電流ベクトル95を定めることは、モータ駆動部26を制御するための実際の処理の上では、電流ベクトル95の向きと大きさとを設定することである。電流ベクトル95の向きとして、d軸の角度位置を示す角度θmを設定する。そして、電流ベクトル95の大きさとして、電流ベクトル95のd軸成分Idおよびq軸成分Iqを設定する。
図8(B)に示すように、電流ベクトル95の大きさは、磁極位置PSから停止位置Pxまでの角度dθに応じて、角度dθが大きいほど大きくなるようにする。つまり、磁極位置PSが停止位置Pxに到着しなかったり停止位置Pxを通り過ぎて回転を続けたりすることなく、磁極位置PSが停止位置Pxに引き込まれて停止するようにする。
例えば、図7(A)に示した範囲Λ1および範囲Λ2をそれぞれ複数の角度範囲に区分し、各角度範囲ごとに電流ベクトル95の大きさの値をあらかじめ実験または理論計算の結果に基づいて決めておくことができる。範囲Λ1についての値(それまでの回転と同じ方向に回転子32を回転させて停止位置Pxへ引き込む場合の値)と、範囲Λ2についての値(それまでの回転と反対の方向に回転させて引き込む場合の値)とを、個別に決めておいてよい。決めた値をテーブルにまとめて制御用データとして記憶しておく。
電流ベクトル95の大きさをIとすると、d軸成分Idおよびq軸成分Iqは、次の式で表わされる。
Id=I×cos(dθ)
Iq=I×sin(dθ)
以上のように電流ベクトル95を定めてモータ駆動部26を制御することにより、図9(A)に示す状態が(B)に示す状態を経て(C)に示す状態になる。すなわち、磁極位置PSが停止位置Pxに近づく方向に回転子32が回転し、磁極位置PSが停止位置Pxとなる状態で停止する。回転子32は回転するが、磁界ベクトル85の向きも大きさも変わらない。つまり、捲線33〜35に流す電流は一定であり、固定されている。
なお、電流ベクトル95を定めた後においては、推定角度θmを推定しないので、d−q軸モデルを用いるベクトル制御は行わない。しかしながら、ここで、回転子32の回転に同期して回転するd−q座標系を仮想し、捲線33〜35に流す電流をd軸電流とq軸電流との合成電流であると仮定する。この仮定において、「d軸電流は、磁極位置PSが停止位置Pxに近づくにつれて初期値(設定したd軸成分Idの値)から増大して最終的にIとなる」と考えられる。「q軸電流は、磁極位置PSが停止位置Pxに近づくにつれて初期値(設定したq軸成分Iqの値)から減少して最終的に0となる」と言うことができる。
図10にはモータ制御装置21における速度制御部41、記憶部28、電流制御部42、および出力座標変換部43の構成の例が示されている。
図10において、速度制御部41は、回転指令部410、制御切換部412、停止指令部414、および不揮発性メモリ416を有する。これらの要素のうち、制御切換部412、停止指令部414、および不揮発性メモリ416が、ブラシレスモータ3を停止させるための処理に関わる。
回転指令部410は、速度指令値ω*と速度推定値ωmとに基づいて電流指令値Iγ*,Iδ*を決定する。すなわち、回転指令部410は、ブラシレスモータ3を回転駆動するための処理に関わる。
制御切換部412は、上位制御部20から停止指令S1sが入力された後の所定の時点で、モータ制御装置24による制御を減速制御から固定励磁制御へ切り替える。切替える時点は、固定励磁制御により所望の停止位置Pxに回転子32を停止させることができる期間内の時点であればよい。一例として、ブラシレスモータ3の回転速度ωとして入力される速度推定値ωmが上に述べた所定の制御切替速度ω2に低下した時点がある。他の例として、停止指令S1sが入力されてから所定の時間が経過した時点、および後に述べるように磁極位置PSを推定することができなくなった時点などがある。
制御切換部412は、制御を切り替えると、固定励磁制御を行うモードであることを示す固定励磁モード信号S2を出力する。固定励磁モード信号S2は、固定励磁制御が行われる間、停止指令部414、電流制御部42、および出力座標変換部42に入力され続ける。
停止指令部414は、固定励磁モード信号S2が入力されると、不揮発性メモリ416からそれに記憶されている角度dθまたは角度θxを取得するとともに、速度・位置推定部25(図4参照)から磁極位置PSを示す最新の推定角度θmを取得する。
停止位置PSを相対的な位置とする場合においては、停止指令部414は、取得した角度dθに応じて電流ベクトル95の大きさ(I)を決定し、d軸成分Idおよびq軸成分電流ベクトル95のd軸成分Idおよびq軸成分Iqを算出する。そして、d軸成分Idを電流指令値Id*として、q軸成分Iqを電流指令値Iq*として、記憶部28における指令記憶部282に記憶させる。また、取得した推定角度θmを、磁極位置PSを示す情報として記憶部28における位置記憶部281に記憶させる。
停止位置PSを固定の位置とする場合においては、停止指令部414は、取得した角度θxと推定角度θmとに基づいて角度dθを算出する。算出した角度dθに応じて電流ベクトル95の大きさ(I)を決定し、電流ベクトル95のd軸成分Idおよびq軸成分Iqを算出し、電流指令値Id*、Iq*として指令記憶部282に記憶させる。また、取得した推定角度θmを位置記憶部281に記憶させる。
記憶部28は、新たな記憶の要求があるまで、推定角度θm、電流指令値Id*、および電流指令値Iq*を記憶する。指令記憶部282により記憶されている電流指令値Id*,Iq*は、電流制御部42に入力され、位置記憶部281により記憶されている推定角度θmは、出力座標変換部43に入力される。
電流制御部42は、入力切替部421と変換処理部420とを有する。
入力切替部421は、固定励磁モード信号S2が入力されていないときには、速度制御部41からの電流指令値Iγ*,Iδ*を電流・電圧変換部420に入力する。これに対して、固定励磁モード信号S2が入力されているときには、指令記憶部282からの電流指令値Id*,Iq*を変換処理部420に入力する。
変換処理部420は、入力切替部421から入力される電流指令値Iγ*,Iδ*または電流指令値Id*,Iq*に基づいて、電圧指令値Vγ*,Vδ*を決定する。固定励磁制御では入力される電流指令値Id*,Iq*が一定のままであるので、最初に決定した電圧指令値Vγ*,Vδ*を出力し続けることになる。
出力座標変換部43は、入力切替部431と2相3相変換部430とを有する。
入力切替部431は、固定励磁モード信号S2が入力されていないときには、速度・位置推定部25(図4参照)からの推定角度θmを2相3相変換部430に入力する。これに対して、固定励磁モード信号S2が入力されているときには、位置記憶部281からの推定角度θmを2相3相変換部430に入力する。
2相3相変換部430は、入力切替部421から入力される推定角度θmに基づいて、電圧指令値Vγ*,Vδ*をU相、V相、およびW相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換する。固定励磁制御では入力される電圧指令値Vγ*,Vδ*が一定のままであるので、最初に決定した電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を出力し続けることになる。
以上の構成によると、固定励磁モード信号S2が出力されている間において、電流指令値Id*,Iq*と推定角度θmとに基づいて生成された3相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*がPWM変換部44に与えられる。電流指令値Id*,Iq*および推定角度θmの値は一定に保たれるので、モータ駆動部26を介して一定の値の電流がブラシレスモータ3の捲線33〜35に供給される。これにより、図9に示すように、磁極位置PSを停止位置Pxに引き込んで回転子32を停止させることができる。
図11には停止時の駆動シーケンスの他の例が示されている。
図6に示した駆動シーケンスは、回転速度ωが制御切替速度ω2まで低下したときに減速制御から固定励磁制御へ切り替えるものであった。図11に示す駆動シーケンスでは、磁極位置PSおよび回転速度ωを推定することができなくなったときに減速制御から固定励磁制御へ切り替える。詳しくは、次の通りである。
停止指令S1sが入力された時刻t1から減速制御を開始し、減速制御中に電流検出部27、入力座標変換部45、および速度・位置推定部25により周期的に推定角度θmを取得する。減速制御としてフリーラン制御を行う場合には、断続的にショートブレーキ制御を行って電流Iu,Ivを検出して推定角度θmを取得する。
推定角度θmを取得することができた場合には減速制御を続ける。推定角度θmを取得することができなかったとき、すなわち磁極位置PSを推定することができなくなった時点t21で、ブラシレスモータ3の制御を減速制御から固定励磁制御へ切り替える。
固定励磁制御では、固定励磁制御に切り替える以前の最後に取得した推定角度θmを用いて電流指令値Id*,Iq*を得る。その他の処理は図6の駆動シーケンスを行う場合と同様である。固定励磁制御により、図11では時刻t31で回転子32が停止する。
図12にはモータ制御装置24における回転を停止させるための処理の流れが、図13にはモータ制御装置24における回転を停止させるための処理の流れの他の例が、図14には固定励磁制御の処理の流れの例が、それぞれ示されている。
図12に示すように、停止指令S1sが上位制御部20から与えられるのを待つ(#101)。停止指令S1sが与えられると(#101でYES)、制御切替速度ω2を制御用のレジスタにセットし(#102)、減速制御を開始する(#103)。
速度推定値ωmとして取得する回転速度ωが制御切替速度ω2まで低下すると(#104でYES)、減速制御から固定励磁制御への制御の切替を行い(#105)、固定励磁制御を行ってブラシレスモータ3の回転を停止させる(#106)。
または、図13に示す処理を行う。すなわち、停止指令S1sが与えられると(#201でYES)、減速制御を開始する(#202)。その後、磁極位置PSの推定を周期的に行う(#203、#204)。磁極位置PSの推定ができなくなると(#204でNO)、減速制御から固定励磁制御へ制御を切替えて(#205)、固定励磁制御を行う(#206)。
図14に示すように、固定励磁制御においては、停止位置Pxを特定する角度θxを決定する(#501)。磁極位置PSと停止位置Pxとのずれの角度dθに応じて、励磁の電流量に相当する電流ベクトル95の大きさ(I)を決定し(#502)、電流ベクトル95のd軸成分Idおよびq軸成分Iqを求めて電流指令値Id*,Iq*を決定する(#503)。
そして、電流指令値Id*,Iq*および最新の磁極位置PSに対応する推定角度θmを用いて制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−を生成してモータ駆動部26に与える(#504)。つまり、磁界ベクトル85に対応する電流をブラシレスモータ3に供給するようモータ駆動部26を制御する。
以上の実施形態によると、U相、V相、およびW相の各電流の値をアナログ的に設定して回転子32を停止させるための磁界を生じさせることができる。したがって、各相の電流のオン、オフ、および向きの組合わせで決まる6パターンの磁界のいずれかを生じさせる場合とは違って、停止位置Pxを無段階に設定することができる。すなわち、磁界の印加により停止するまでの回転角度量を無段階に設定することができる。このことから、実際に停止する位置が狙った通りの位置となる安定した停止、および停止間際の振動の少ない穏やかな停止の実現が容易となる。また、負荷を位置決めする場合には、停止位置をきめ細かに決めることのできる自由度の大きい位置決めが可能になる。
上に述べた実施形態によると、永久磁石同期電動機の回転子を所望の位置に停止させることのできる制御装置および制御方法を提供することができる。例えば、上位制御部20から刻々と回転角度位置を指定する位置指令が与えられない場合であっても、回転子を所望の位置に停止させることができる。
上に述べた実施形態によると、3相の交流電流を2相の捲線に直流を流すと見做すd−q座標系を基本とした制御モデルによる制御方法を利用して固定励磁制御を行うので、3相の各電流の値を他の方法により計算する場合よりも、処理が簡単になる。回転駆動のためのベクトル制御に用いる構成要素の大部分を固定励磁制御に流用することができるので、流用しない場合と比べてモータ制御装置21の構成を簡素化することができる。
上に述べた実施形態においては、電流指令値Id*,Iq*および推定角度θmを記憶して固定の励磁を行うようにしたが、これに限らない。電流指令値Id*,Iq*および推定角度θmに基づいて決定または生成した指令値または制御信号の値を記憶するようにしてもよい。すなわち、2相の電圧指令値Vγ*,Vδ*、3相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*、または捲線の電流Iu,Iv,Iwを記憶すれば、捲線33〜35に一定の電流を流し続けるようにモータ駆動部26を制御して回転子32を停止させることができる。
上に述べた実施形態において、ブラシレスモータ3の機械角が電気角よりも小さい場合(磁極数が2より大きい場合)であっても、あらかじめ決められた固定の停止位置Px(絶対的な位置)に磁極を引き込んで停止させることができる。決められた停止位置Pxが磁極位置PSに対して電気角で±180度の範囲内であるという条件を満たすときに、固定励磁制御に切り替えればよい。つまり、条件を満たさないときには、条件を満たす位置まで磁極位置PSが回転移動するのを待って固定励磁制御に切り替えればよい。条件を満たすまでに磁極位置PSの推定ができない速度にならないように、減速制御の開始からの時間で決めるなどの適切なタイミングで、条件を満たすか否かの判断を行えばよい。
検出した電流Iu,Ivの値に基づいて磁極位置PSを推定したが、電流Iu,Ivの周波数、電流Iu,Ivに対応する電圧の値または周波数に基づいて磁極位置PSを推定してもよい。
その他、画像形成装置1およびモータ制御装置21のそれぞれの全体または各部の構成、処理の内容、順序、またはタイミングなどは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
1 画像形成装置
1A プリンタエンジン(プリント部)
3 ブラシレスモータ(永久磁石同期電動機)
9 用紙
15B レジストローラ(回転体)
21 モータ制御装置(制御装置)
24 ベクトル制御部(制御部)
25 速度・位置推定部(推定部)
26 モータ駆動部(駆動部)
32 回転子
33,34,35 捲線
85 磁界ベクトル
95 電流ベクトル
281 位置記憶部(磁極位置記憶部)
282 指令記憶部(dq軸成分記憶部)
dθ ずれ
I 電流ベクトルの大きさ
Id d軸成分
Iq q軸成分
Iu,Iv,Iw 電流
S1s 停止指令
PS 磁極位置
Px 停止位置
Λ1,Λ2 範囲
θm 推定角度(推定された磁極位置)
ω 回転速度
ωm 速度推定値(推定された回転速度)
ω2 制御切替速度(設定された値)

Claims (8)

  1. 捲線に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機の制御装置であって、
    前記捲線に電流を流して前記回転子を駆動する駆動部と、
    前記捲線に流れる電流に基づいて前記回転子の磁極位置を推定する推定部と、
    推定された前記磁極位置に基づいた前記回転磁界が生成されるよう前記駆動部を制御するとともに、停止指令が入力されると前記回転子が停止するよう前記駆動部を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記回転子を停止させる制御として、前記回転子の磁極位置を停止位置に引き込んで停止させる磁界ベクトルを生成する電流を、推定された最新の磁極位置に基づいて決定し、決定した電流を前記捲線に流し続けるよう前記駆動部を制御する、
    ことを特徴とする永久磁石同期電動機の制御装置。
  2. 前記停止位置は、前記最新の磁極位置に対して電気角で180度遅れた位置から180度進んだ位置までの範囲内の位置である、
    請求項1記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  3. 前記制御部は、前記停止位置の前記磁界ベクトルに対応するd−q座標系における電流ベクトルのd軸成分およびq軸成分を用いて前記電流を決定する、
    請求項1または2記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  4. 前記制御部は、
    前記最新の磁極位置を記憶する磁極位置記憶部と、
    前記停止位置の前記磁界ベクトルに対応するd−q座標系における電流ベクトルのd軸成分およびq軸成分を記憶するdq軸成分記憶部と、を有し、
    記憶した前記磁極位置、前記d軸成分、および前記q軸成分を用いて、前記捲線に電流を流し続けるよう前記駆動部を制御する、
    請求項1または2記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  5. 前記制御部は、前記最新の磁極位置と前記停止位置とのずれの大きさに応じて、当該ずれが大きいほど前記電流ベクトルが大きくなるようにする、
    請求項3または4記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  6. 前記推定部は、前記磁極位置を推定するとともに、前記捲線に流れる電流に基づいて前記回転子の回転速度を推定し、
    前記制御部は、前記停止指令が入力されると、前記駆動部に対して前記回転速度を低下させるための減速制御を開始し、推定された回転速度があらかじめ設定された値まで低下したときに、前記減速制御から前記回転子を停止させる前記制御に切り替えて前記駆動部を制御する、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の永久磁石同期電動機の制御装置と、
    前記永久磁石同期電動機により回転駆動される回転体を用いて用紙を搬送しながら当該用紙に画像を形成するプリンタ部と、を有する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 捲線に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機の制御方法であって、
    前記回転子を停止させる制御として、前記回転子の磁極位置を停止位置に引き込んで停止させる磁界ベクトルを生成する電流をそのときの前記磁極位置に基づいて決定し、決定した電流を前記捲線に流し続ける固定励磁制御を行う、
    ことを特徴とする永久磁石同期電動機の制御方法。
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