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JP2017513040A - パルスモードのレーザ直接描画によるメタライゼーション - Google Patents

パルスモードのレーザ直接描画によるメタライゼーション Download PDF

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Abstract

製造方法には、基板上にパターニングされる物質を含むマトリックス28で基板22を被覆する段階が含まれる。パターン内の物質を完全に焼結することなく、パターンに沿って物質を基板に接着させるべく、パルスエネルギービームを指向させてパターンの軌跡上に衝突させることで、パターンはマトリックス内に固定される。固定されたパターンの外側にある、基板上に残留しているマトリックスが除去される。マトリックス除去後、前記パターン内の前記物質は焼結される。

Description

本発明は概して、回路基板上におけるプリント配線の生成に関し、特に、金属機構の直接描画のための方法及びシステムに関する。
金属インクの直接レーザ焼結は、プリント配線のメタライゼーションのための公知の技術である。例えば、米国特許出願公報2008/0286488は、非導電膜を基板表面上に堆積させることに基づく、導電膜の形成方法を記載している。膜は複数の銅ナノ粒子を含む。膜の少なくとも一部を露光させると、銅ナノ粒子の光焼結又は融合により、露光部分が導電性になる。
Kumpulainenらは、Optics & Laser Technology 43 (2011)、570−576ページの「Low Temperature Nanoparticle Sintering with Continuous Wave and Pulse Lasers」において、直接レーザ焼結技術について記載している。著者らは、基板表面上に印刷されたナノ粒子のインクが、粘度を変化させること、およびインクのナノ粒子を分離することによって優れた印刷特性をもたらす分散剤及び分散媒などの添加物を含む、「プリンタブルエレクトロニクス」について触れている。焼結プロセスにおいて、インク粒子は特定のインク固有の温度まで加熱され、分散媒及び分散剤はインクから蒸発する。蒸発後の追加の加熱により、ナノ粒子は凝集を開始する。レーザ焼結は、焼結時間の短縮と選択的焼結とを可能にすることにより、印刷構造が他の技術で生産された脆弱な能動部品を収容することを可能にすると言われている。この論文は、パルス波及び連続波という2つの異なる種類のレーザを用いたテストについて記載している。
本特許出願の優先日の後、Theodorakosらは、Applied Surface Science 336 (2015)、157−162ページの「Selective Laser Sintering of Ag Nanoparticles Ink for Applications in Flexible Electronics」において、更なるレーザ焼結技術について記載している。著者らは、フレキシブル基板上におけるAgナノ粒子インク層の選択的レーザ焼結の効率的な手段として、532nm及び1064nmで動作する、連続波(CW)レーザ、ナノ秒パルスレーザ、ピコ秒パルスレーザという、3種類の異なるレーザ光源の可能性について調査している。理論的シミュレーションが示すところによると、ピコ秒レーザパルスを用いた場合、熱の影響を受ける部分は、インク層における照射を受けた領域の周囲数マイクロメートルのみに限られる。これらの予測は実験的に確認された。
本発明の複数の実施形態は、基板上への配線のレーザ直接描画のための、改善された方法及びシステムを提供する。
それ故、本発明の一実施形態に係る、製造のための方法が提供されている。方法には、基板上にパターニングされる物質を含むマトリックスで基板を被覆する段階と、パターン内の当該物質を完全に焼結することなく、パターンに沿って当該物質を基板に接着させるべく、パルスエネルギービームを指向してパターンの軌跡に衝突させることによって、マトリックス内のパターンを固定する段階とが含まれる。基板上に残留している、固定されたパターンの外側のマトリックスは除去される。マトリックスの除去後、パターン内の物質は焼結される。
いくつかの実施形態において、パターニングされる物質には、ナノ粒子が含まれる。開示される実施形態において、ナノ粒子内の物質は導電性であり、パルスエネルギービームは、パターン固定後の配線の抵抗率が、マトリックスの除去後にパターン内の物質の完全焼結によって実現される最終的な抵抗率より少なくとも10倍高い抵抗率のままであるように選択されたエネルギーフルエンス及び繰り返し周波数を有する放射のパルスを含む。
通常、パルスエネルギービームを指向させる段階は、エネルギービームのパルスの列を指向させ、基板上の軌跡内の各位置に衝突させる段階を含む。
開示される実施形態において、パルスエネルギービームは、少なくとも1MHz、場合によっては、少なくとも10MHzのパルス繰返し周波数を有する。
通常、マトリックスは、パターニングされる物質に加えて、有機化合物を含み、パルスエネルギービームを指向させる段階は、パターン内の物質を完全に焼結することなく、有機化合物をマトリックスから蒸発させるべく選択されたパルスあたりのフルエンスを有するエネルギービームのパルスの列を指向させる段階を含む。パターンの固定において適用されるパルスあたりのフルエンスは、有機化合物の蒸発による物質のアブレーション又は剥離を起こすことなく、有機化合物が物質内の孔を通って蒸発することを可能にするべく、物質が十分な多孔性を維持するように選択されている。
いくつかの実施形態において、物質を焼結する段階は、基板に固定されるパターンに対してバルク焼結プロセスを適用する段階を含む。代替的に、物質を焼結する段階は、パルスエネルギービームの更なるパルスを指向させ、基板上に固定されたパターンを焼結させる段階を含む。
開示される実施形態において、基板を被覆する段階は、被覆基板に照射する前に、基板上のマトリックスを乾燥させる段階を含む。追加的又は代替的に、マトリックスを除去する段階は、溶媒を接触させ、基板上に残留している、固定されたパターンの外側にあるマトリックスを除去する段階を含む。
また、本発明の一実施形態に係る、製造のための方法が提供されている。その方法は、基板上にパターニングされる物質を含むマトリックスで基板を被覆する段階と、被覆基板上の点に衝突させるための傾斜した時間プロファイルを含むパルスを有するパルスエネルギービームを指向させる段階であって、当該パルスエネルギービームは、物質を基板に固定させ、物質を当該点上で焼結させるのに十分なフルエンスを含む、指向させる段階とを備える。
開示される実施形態において、マトリックスは、基板に固定される物質に加えて、有機化合物を含み、傾斜した時間プロファイル及びフルエンスは、有機化合物の蒸発による物質のアブレーション又は剥離を起こすことなく、物質の焼結前に、有機化合物をマトリックスから蒸発させるべく選択されている。いくつかの実施形態において、物質にはナノ粒子が含まれ、物質の焼結によって、ナノ粒子が当該点で融合する。開示される実施形態において、パルスの持続時間は20ナノ秒以下である。
いくつかの実施形態において、パルスエネルギービームを指向させる段階は、パルスを指向させ、被覆基板上でパターンを画定する点の列の上に衝突させることによって、基板上で物質のパターンを形成する段階を含む。列内の点は、相互に重複し得ない。通常、この方法は、パターン形成後、基板上に残留している、パターンの軌跡の外側にあるマトリックスを除去する段階を含む。
本発明の一実施形態に係る、製造のためのシステムが追加的に提供されている。当該システムは、基板上にパターニングされる物質を含むマトリックスで基板を被覆するように構成されている、被覆装置を含む。描画装置は、パターン内の物質を完全に焼結することなく、パターンに沿って物質を基板に接着させるべく、パルスエネルギービームを指向させ、パターンの軌跡上に衝突させることで、パターンをマトリックス内に固定するように構成されている。マトリックス除去装置は、基板上に残留している、固定されたパターンの外側にあるマトリックスを除去するように構成されている。焼結装置は、マトリックスの除去後にパターン内の物質を焼結するように構成されている。
本発明の一実施形態に係る、製造のためのシステムが更に提供されている。当該システムは、基板上にパターニングされる物質を含むマトリックスで基板を被覆するように構成されている、被覆装置を含む。描画装置は、物質を基板に固定させ、物質を被覆基板上の点で焼結させるのに十分なフルエンスで、被覆基板上の点に衝突させるための傾斜した時間プロファイルを含むパルスを有するパルスエネルギービームを指向させるように構成されている。
本発明は、図面と併せて、本発明の実施形態に関する以下の詳細な説明から、より完全に理解できるであろう。
本発明の一実施形態に係る、レーザ直接描画のシステム、及び、当該システムの運用における段階を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る、配線のパターンが描画される基板の概略上面図であり、パターンを形成するプロセスの連続的な段階で図示されたものの1つである。 本発明の一実施形態に係る、配線のパターンが描画される基板の概略上面図であり、パターンを形成するプロセスの連続的な段階で図示されたものの1つである。 本発明の一実施形態に係る、配線のパターンが描画される基板の概略上面図であり、パターンを形成するプロセスの連続的な段階で図示されたものの1つである。 本発明の一実施形態に係る、配線のパターンが描画される基板の概略上面図であり、パターンを形成するプロセスの連続的な段階で図示されたものの1つである。 本発明の一実施形態に係る、配線のパターンが描画される基板の概略上面図であり、パターンを形成するプロセスの連続的な段階で図示されたものの1つである。 本発明の一実施形態に係る、配線が描画される基板の概略断面図であり、配線を形成するプロセスの連続的な段階で図示されたものの1つである。 本発明の一実施形態に係る、配線が描画される基板の概略断面図であり、配線を形成するプロセスの連続的な段階で図示されたものの1つである。 本発明の一実施形態に係る、配線が描画される基板の概略断面図であり、配線の固定における連続的な時間で図示したものの1つである。 本発明の一実施形態に係る、配線が描画される基板の概略断面図であり、配線の固定における連続的な時間で図示したものの1つである。 本発明の一実施形態に係る、配線が描画される基板の概略断面図であり、配線の固定における連続的な時間で図示したものの1つである。 本発明の一実施形態に係る、配線が描画される基板の概略断面図であり、配線の固定における連続的な時間で図示したものの1つである。 本発明の一実施形態に係る、配線のアニール後の、図4Aから図4Dの基板及び配線の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る、基板上に描画される配線の固定及び損傷に関するパルスエネルギー閾値の依存性を図示するプロットである。 本発明の一実施形態に係る、さまざまなパルスパラメータを有するパルスビームによって、点のアレイにスポットが描画された基板の概略上面図である。 本発明の一実施形態に係る、点の列にパルスビームを当てることによって基板上に形成されたパターンの概略上面図である。
[概要]
上記のPCT特許出願PCT/IL2014/000014で説明されているように、金属インク及び他のナノ粒子易焼結性インクの1段階の直接レーザ焼結は、十分に均一な結果をもたらさないことが多い。(本明細書及び特許請求の範囲で使用される「ナノ粒子」という用語は、少なくとも1つの寸法で100nmより小さい微粒子を意味する。)この問題の原因の少なくとも一部は、局所的な焼結プロセス中に発生する熱の伝導に由来する。これらの条件下における不均一な熱の拡散は、熱の変動を引き起こし、その結果、一貫性の無い焼結を引き起こす。この影響は、数ミクロンのオーダーの小さい金属機構の高分解能パターニングに対応する場合に、もっとも顕著となる。同時に、金属インクの直接焼結には、数十から数百J/cmのオーダーの高いレーザフルエンスが必要であり、従って、領域が大きいパターンに対応する場合、このプロセスは遅く、非効率である。
本発明の一部の実施形態において、描画の段階と焼結の段階とは、結果として生じる配線の均一性及び信頼性を向上させる方法で分離されている。基板は適切なマトリックスで被覆され、被覆後に余分な溶媒を除去すべく乾燥させられ得る。(そのようなマトリックスは通常、ナノ粒子を含むインク、ペースト、又は懸濁液を有し、本明細書では総称的に、便宜上の理由から、単に「NPインク」と称される)。次に、レーザなどのパルスエネルギービーム光源は、ナノ粒子を完全に焼結することなく、基板上を走査して、所望のパターンを描画する。本明細書及び特許請求の範囲で使用される、「完全に焼結することなく」という用語は、マトリックスのバルクにおけるナノ粒子が、実質的に、互いに分離した状態を維持し、従って、金属ナノ粒子の場合には、この段階における配線の抵抗率は依然として、完全焼結された後に実現される最終的な抵抗率と比較して、少なくとも10倍高いことを意味する。
エネルギービームがパターンを描画する、プロセスのこの段階は、本明細書において、マトリックス内におけるパターンの「固定」と称される。いくつかの実施形態において、ビームは、基板上に描画されるパターンの軌跡上をパルスの列(又は「バースト」)で走査する。パルスは、パターンに沿って物質を基板に接着させるのに十分だが、完全焼結の閾値より大幅に低いフルエンスを有する。この固定段階では、照射されたマトリックスが後に除去されないように、照射されていないマトリックスに対して相対的に安定化する。この段階におけるパルス照射の使用は、マトリックス内に閉じ込められた気体の急速な膨張に起因する損傷の可能性を低減することによって、パターンの配線の品質を向上させる。
この固定段階の間、ナノ粒子物質が完全に焼結される前まで、物質は、マトリックス内の有機化合物が物質内の孔を通って蒸発することを可能にするのに十分な多孔性を維持し、これにより、そうでなければ有機化合物の非常に急速な蒸発によって引き起こされ得る、物質のアブレーション又は剥離を防止する。この種の制御された蒸発を確実にするべく、レーザ(又は他のエネルギー源)は通常、パターン内の各位置において、高い繰り返し周波数、例えば少なくとも1MHz、場合によっては10MHzより高い周波数で衝突するように、パルスの列を指向させる。パルスあたりのフルエンスは、固定が完了するまで、マトリックスの所望される多孔性が維持されるように選択される。
この方法でパターンが固定された後、マトリックスはすべての非固定領域から除去され、その結果、安定化されたパターンのみが残る。このような除去は、例えば、化学溶媒を適用することで、又は、放射状のアブレーションによって達成され得る。通常、基板は次に、残ったパターン内においてナノ粒子を焼結するべく、バルク焼結プロセスで均一に加熱される。このアプローチは、直接レーザ焼結が使用された場合に遭遇することが多い不均一性とは対照的に、均一なメタライゼーションを実現する。また、このアプローチは、特に太いラインを印刷するのに有用である。なぜなら、レーザ固定段階は、完全なレーザ焼結よりも太さに対して敏感でない一方で、バルク焼結は、例えば炉において、太いインクの配線でうまく機能するからである。
従って、これらの実施形態は、従来の方法より少ない段階で、単純かつ高速なメタライゼーションのプロセスを提供する。プロセスの第1段階では、比較的低いレーザ出力のみを伴う。その後、熱源又はライトストリップ照明などの大きいカバー領域を有する高出力源を使用して、高出力のフラッシュランプ、又は、高出力レーザもしくはレーザアレイにより、高いフルエンスを必要とする実際のメタライゼーション段階(バルク焼結プロセス)が実行され得る。これらの実施形態は、1段階の直接レーザ焼結に関連する局所的に高い温度を回避するので、プラスチック及び箔などの繊細なフレキシブル基板のパターニングに使用することに適切である。
他の実施形態において、パルスレーザ又は他のエネルギービームが、焼結及び固定に使用される。この場合、発明者は、継時的な強度がほぼ均一である従来のパルス(方形波パルスなど)と比較して、傾斜した時間プロファイルを有するパルスは、大幅に優れた結果を実現することを発見した。傾斜した時間プロファイルは、ナノ粒子物質を焼結、従って融合する前に、基板上に被覆されたマトリックスから有機化合物を蒸発させるという点で有益である。パルスの傾斜した時間プロファイル及びフルエンスは、この効果を向上させ、従って、有機化合物の蒸発に起因する、パターニングされた物質のアブレーション又は剥離を回避するべく選択される。これらの1段階の実施形態は特に、基板上で個別に焼結されるスポット、又は、上記スポットから構築されるパターンを形成するのに適切である(ただしそれ以外にも使用できる)。
本発明の複数の実施形態において、パルスレーザを直接描画に(固定又は直接焼結のいずれかに)使用することにより、デジタル画像技術で用いられるような適応的レジストレーションの可能性と共に、高分解能を実現する。開示された技術によって形成される金属のライン、及び他の機構は、わずか数ミクロンの小さい幅に達し得る。分解能は、概して1〜2μmの範囲、又はそれより一層小さい範囲まで収束させることができる、レーザのスポットサイズのみによって制限される。線幅精度に関する分解能及び品質は、走査中にレーザのパラメータを調整することによって改善できる。このようにして、場合によってはコンピュータ支援設計及びコンピュータ支援製造(CAD/CAM)データから直接的に作動させながら、任意のパターンが描画され得る。
いくつかの実施形態において、描画及び焼結の全体サイクルは、基板に接触することなく実行される。この特徴は、特に太陽光発電電池及びプラスチック製エレクトロニクス箔の生産などの用途に有益である。
本明細書に記載されている技術の考えられる他の用途には、例えば、液晶及び有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイのディスプレイ後部のメタライゼーション、タッチスクリーンのメタライゼーション、OLED照明装置の分流線(shunting lines)、プラスチック箔上のプリント電子回路及びデバイスが含まれる。本明細書に記載された技術は、必要な変更を加えて、各種NP物質(金属だけでなく半導体及び誘電体粒子(セラミック粒子など)も含む)による、各種誘電体、セラミック、半導体、ポリマー、紙、金属の基板上での描画パターンにおいて、同様に適用され得る。
本明細書で開示されている実施形態は、簡潔にするために、特に、単一のメタライゼーション層の形成に言及するが、代替的な実施形態において、本技術の適切な反復によって、各層に同一のインク、又は異なるインクを使用して、配線が複数の層に描画され得る。
[システムの説明]
ここでは、本発明の一実施形態に係る、システム20、及び、レーザ直接描画のプロセスを概略的に図示する、図1及び図2A−2Eを参照する。図1は、構成要素である装置、及び、システム20によって実行されるプロセスにおける段階を図示している。図2A−2Eは、システム20内で配線のパターンが描画される基板22の概略上面図であり、プロセスの連続的な段階別に図示されている。上記のように、基板22は、例えば、ガラスもしくは他の誘電体、セラミック、半導体、プラスチック箔もしくは他のポリマー物質、紙、又は金属を含み得る。
最初に被覆装置24は、基板22(図2A)を、金属ナノ粒子(NP)インク、金属NPペースト、又は金属複合体インクもしくはペーストなど、厚さが均一であるマトリックス28の層(図2B)で被覆する。そのようなインク又はペーストは、例えば、銀、銅、ニッケル、パラジウム、及び/又は、金のナノ粒子、並びに、そのような金属の合金、又は、場合によっては、シリコンもしくはセラミックナノ粒子など非金属ナノ粒子を含み得る。マトリックス28の層の厚さは、要求される最終的な結果に応じて、約0.2μmから、10μmを超える範囲まで変動し得る。被覆装置24は、スクリーン印刷、スロットダイもしくはバー被覆、スプレー被覆、グラビア印刷、又はスピンコーティングなど、当技術分野において公知の何れかの適切な領域被覆技術を適用し得る。
任意で、乾燥装置26は、基板22に塗布されたマトリックスを乾燥させる。被覆装置24によって塗布されたインク又はペーストは、通常、大量の溶媒を含むが、一方で、この段階における金属の体積含有率は40%以下である。したがって、マトリックスの安定性を向上させ、溶媒に対するレーザエネルギーの損失を減少させるべく、レーザ走査段階前にマトリックスを乾燥させることは、必須ではないが、有益であり得る。あり得る乾燥方法には、(対流又は放射による)低温焼成、気流、真空乾燥、又は、これらの技術の組み合わせが含まれる。
レーザ描画装置30は、図2Cで図示されているように、マトリックス28内に配線42のパターンを固定する。通常の実装において、マトリックス28で被覆された基板22は、適切なテーブル34の上に載せられ、ビームスキャナ36が、基板上でパルスレーザ32(又は他の適切なパルスエネルギー源)のビームを走査する。
レーザ32は、膜上の予め決められた位置で、複数のレーザパルスからなる輪郭のはっきりした列にマトリックスを露光させることによって、マトリックス内に所望のパターンを「描画」する。パターンは、通常、メモリ40に格納されている適切なCAD/CAMデータに基づいて、コントローラ38によって決定される。本明細書で更に後述するように、パターンの品質を最適化するべく、波長、スポットサイズ、フルエンス、持続時間、パルス形状、走査速度、および繰り返し周波数を含むパルスパラメータが選択される。高いスループットを実現するべく、(複数のレーザを用いた、又は、図1で図示するように、単一の高出力パルスレーザビームをサブビームに分割することで生成された)複数のレーザビームが、基板の異なる領域上で同時に走査され得る。各ビームは個別に制御され得る。
様々な種類のレーザ及びレーザシステムが、レーザ描画装置30で使用され得る。いくつかの実施形態において、1ナノ秒から数十ナノ秒という時間スケールで、所望の形状のパルスを放出するべく、レーザのダイオード光源が高速で直接変調される。これらの実施形態の一部において、(本明細書で更に後述するように)パルス形状は傾斜しており、配線の厚さに適合するように調整された傾斜時間を有する。また、パルスパラメータは、配線の幅に従って調整され得る。非常に細いラインが要求される場合、より短いパルスが使用される。また、パルスパラメータの選択は、装置30がバルク焼結前の固定のみに使用されるかどうか、又は、レーザ32が、配線を完全に焼結するのに使用されるかどうかに依存する。
代替的に、CWファイバレーザなど、CWレーザ光源が、所望のパルスビームを提供するのに必要な高い繰り返し周波数で変調され得る。電気光学又は音響光学変調器などの外付け高速変調器がこの目的に使用され得る。
図3Aは、本発明の一実施形態に係る、描画装置30によってマトリックス28内に固定された配線42の1つを示す、概略断面図である。配線42は通常、この段階では、焼結された金属を大量に含まないが、レーザへの露光に起因して(光子効果又は熱的効果の結果として)、周囲のマトリックス28と比較して、基板22への接着性がより高く、かつ、基板22から除去されにくい安定な物質の状態となっている。上記の通り、描画装置30のレーザパラメータは、マトリックスの特性に、必要な局所的変化をもたらすべく選択されている。最適なパラメータは、マトリックスの正確な材質及び寸法、ならびに、選択された描画方法に応じて異なり、各場合において、経験的なテストおよび評価によって決定される。何れの場合においても、この段階で適用される出力は、マトリックス内のナノ粒子の完全焼結に必要とされる出力より、大幅に小さい。
照射後、マトリックス除去装置44は、固定されていないマトリックス28を、基板22の領域全体から除去し、配線42のみを残す(図2D)。装置44は、例えば、基板を浸して、パターンの外側にあるマトリックスを洗い流すための溶媒槽を備え得る。代替的に、又は追加的に、装置44は、固定されていないマトリックスの化学的又は物理的なアブレーションなど、他の種類の除去技術を適用し得る。
図3Bは、装置44によってマトリックス28を除去した後に基板22上に残留している配線42の概略断面図である。
最後に、マトリックスの除去後に基板22上に残留している配線42は、焼結装置46内で焼結され、図2Eで示されているような、焼結された配線50を提供する。焼結装置46は、(例えば、ガラス基板の場合に概して当てはまるように)基板22が従来の焼結炉での処理に適切である場合に、従来の焼結炉を備え得る。代替的に、焼結装置46は、概してプラスチック箔などの繊細な基板により適した光焼結を使用し得る。更に代替的に、例えばプラズマ焼結、又はマイクロ波焼結など、他の焼結方法が、繊細な基板に適切であり得る。これら両方の方法により、下にあるプラスチック基板を損傷することなく、金属インクのパターンを焼結することができる。
概して、光焼結(又はマイクロ波もしくはプラズマ焼結)は、容易に酸化する銅の性質により、周囲大気中において銅インクを扱う場合、及び、酸化しやすい他の金属を含むインクを扱う場合に、炉焼結より優先される。適切な大気中(つまり、非酸化性の大気及び/又は還元性の大気)では、銅インクの炉焼結も使用され得る。
図1で示されている焼結装置46は、基板22の表面上を走査する高強度光源48による光焼結を使用する。光源48は、例えば、列状に、又は積み重ねて配置されたレーザダイオードの組を有し、従って、一層広い領域上で必要なフルエンスを提供し得る。Oclaro Inc.(San Jose, カリフォルニア州)、Coherent Inc.(Santa Clara, カリフォルニア州)、又はJenoptik (Jena, ドイツ)によって生産されているものなど、近赤外線範囲(およそ800−1000nm)の市販のレーザダイオードバーを使用することで、数キロワットのオーダーの平均出力を達成可能である。
本明細書の次の項では、マトリックス28内に所望のパターンを固定するべく、描画装置30によって適用され得る方法について記載する。図6A及び6Bで図示されているような、代替的な実施形態において、描画装置30は、パターンを画定する、基板上の標的点に対して、十分なエネルギーを与えることによって、焼結を実行し得る。この後者の場合、別の焼結装置46は必要ではない。本明細書で記載されている技術は、上記のPCT特許出願PCT/IL2014/000014に記載されている物質及び方法、並びに、当技術分野において公知である他の適切な物質及び方法と併せて適用され得る。
[パルスレーザによるパターンの固定]
ここでは、本発明の一実施形態に係る、基板上に配線52を描画する連続的な段階における基板22の概略断面図である図4A−4Eを参照する。図4A−4Dは、配線の固定中の連続的な時間におけるマトリックス28を示している。一方、図4Eは、アニール後の配線52を示している。
具体的には、図4A−4Dは、マトリックス28内の所与の位置に対してレーザ32によって指向されたパルスのバーストの累積的効果を示す。プロセスの開始時、ナノ粒子50は、マトリックス28の大量の揮発性有機化合物成分中に懸濁されている。連続的な各レーザパルスは、マトリックスを加熱し、より多くの量の有機化合物成分を蒸発させ、その結果、パルスが衝突するたびに、マトリックス28内のナノ粒子50の密度が増加する。しかしながら、マトリックス及び基板内における熱の拡散により、マトリックスの体積全体で、密度の増加はほぼ均一になる。従って、図4Dで示されているように、マトリックス28内のナノ粒子50の間に孔が残る。ほぼ全部の有機物質がマトリックスから排出された後でさえ、蒸発物質は、その孔を通って逃げることができる。ナノ粒子は共に融合して、その後の焼結段階の間のみ、図4Eで示されているような配線52を形成する。
対照的に、発明者らは、CWレーザがパターン固定に使用される場合、ナノ粒子の密度は特にマトリックスの上層で増加する傾向があり、その結果、有機物質はその下に閉じ込められることを発見した。これらの閉じ込められた有機物質を加熱すると、急速な爆発的蒸発につながり、周囲のナノ粒子物質のアブレーション又は剥離の原因となり、従って、基板上に形成された配線の品質が低下する。
対照的に、放射パルスが固定のために使用される場合、パルスのバーストの過程にわたって、マトリックス28の有機化合物成分の漸進的な蒸発を促進する一方、ナノ粒子50の上層の凝固を回避するべく、パルスパラメータが選択される。発明者らは、パルス幅の範囲が約1ナノ秒から数十ナノ秒である、短いパルスが最良の結果をもたらすことを発見した。配線の急速な固定、従って、プロセスの高スループットを実現するべく、(少なくとも1MHz、場合によっては10MHzを超える)高い繰り返し周波数が望ましい。通常、配線に損傷を与えない範囲で、可能な限りスループットを最大化するべく、パルスのフルエンス及び他のパラメータが選択される。
図5は、本発明の一実施形態に係る、レーザパルスによる配線固定に関する有効範囲を図示するプロットである。プロット内のデータ点は、横座標が、基板22上の所与の点に当てられたパルス数を示し、縦座標が、パルスあたりのエネルギーフルエンスを示す。下の曲線60は、任意の所与の数のパルスについて、マトリックス内のパターンを固定するのに必要な最小のフルエンスを示す。言い換えると、所与の点におけるパルスが少なくとも、この最小のフルエンスを、指定された数のパルスにわたって有する限り、固定段階の後、マトリックスはこの点から洗い流されない。上の曲線62は、所与の数のパルスについて、配線に損傷を与えることなく使用できる最大フルエンスを示している。このフルエンスのレベルを超えると、マトリックスの急速な加熱によって、アブレーション及び/又は剥離を起こしやすくなる。
従って、曲線60及び62は、マトリックス28のパルス固定に関する有効範囲を画定している。図5から分かるように、低フルエンスのパルス数が大きくなるにつれて、有効範囲が増加し、従って、プロセス公差の範囲が大きくなる。これらの境界内において、各位置に適用される、パルスのフルエンス及びパルスの数は、所望の堅実性を伴う固定を実現する一方、プロセスのスループットを最大化するべく選択され得る。最適な選択は、マトリックス28の厚さ及び組成、並びにレーザの波長及びスポットサイズなど他のプロセスパラメータにも依存するであろう。曲線60及び62は、厚さ460nmのマトリックス膜上で、980nm波長で動作するダイオードレーザを使用して生成された。代替的に、紫外線、可視光、又は、赤外線範囲の他の部分におけるパルスレーザが使用され得る。パターンを固定するのに必要な(曲線60に反映されているような)パルスの数は、膜の厚さと共に指数的に変化する傾向がある。
[パルスレーザ焼結]
図6Aは、本発明の一実施形態に係る、様々なパルスパラメータを有するパルスビームによって、スポット74及び78が点のアレイに描画された基板の概略上面図である。この実施形態において、基板はナノ粒子物質を含むマトリックスで被覆されている。物質を基板に固定し、かつ、物質をその点で焼結するのに十分なフルエンスで、アレイ内の各点において基板上に衝突するようにパルスレーザビームが指向された。この場合も、レーザビームは、パルスモードにおいて980nm波長で動作するダイオードレーザであった。スポット74及び78を形成する際に当てられたレーザパルスのピーク出力は、図6Aで示されているアレイの下から上の順に増加させた。一方、パルス持続時間は、左から右の順に増加しており、最長パルス持続時間は約20ナノ秒に設定された。同様の結果が他の波長で得られた。
図6Aで示されているスポットを焼結するのに、2つの異なるパルス波形が使用された。方形のパルス波形70が、スポット74の焼結に使用された一方、傾斜したパルス波形72が、スポット78の焼結に使用された。波形72は、パルスの瞬間的出力が、パルス持続時間にわたって漸進的に増加するという意味で「傾斜」しており、最大出力は、パルスの終端付近で発生する。傾斜した時間プロファイル、及び、傾斜したパルスのフルエンスは、有機化合物の爆発的蒸発に起因する、物質のアブレーション又は剥離を発生させることなく、ナノ粒子物質を焼結する前に、マトリックスから有機化合物を蒸発させるべく選択されている。スポット78によって図示されているように、傾斜した波形が有するこの有益な効果は、幅広いピーク出力及びパルス持続時間の範囲にわたって見られる。対照的に、波形70を使用して形成されたスポット74は、ナノ粒子物質のアブレーション及び剥離に起因する損傷を受けた、領域76を示している。
傾斜した波形72は、基板上に単一の焼結されたスポットを形成する上で特に有用である。これらのスポットは通常、マトリックスの近隣の領域上におけるビームエネルギーの横方向の熱拡散により、レーザビーム自体より大きい直径を有する。(傾斜したビーム波形は概して、線形走査において、そこまで重要ではない。なぜなら、最初の点を除くライン内の他の各点は、先行する点が焼結される際に予熱されるからである。)この種の単一スポットは、被覆基板上にパターンを画定する点の列の上に衝突するようにレーザパルスを指向させることによって、基板上にパターンを形成するのに使用できる。この列内の点は、相互に重複していなくてよい。つまり、隣接するスポットを形成するのに使用されるレーザパルスのビーム領域は、それ自体重複する必要がない。なぜなら、各スポットは、スポットの固定及び焼結に使用されるレーザビームより大きい領域を有するからである。このようにしてパターンを形成した後、基板上に残留している、パターンの軌跡の外側にあるマトリックスは、上記の実施形態のように除去される。
図6Bは、本発明の一実施形態に係る、点82の列にパルスビームを当てることによって基板上に形成されたパターン80の概略上面図である。この例において、点82自体は重複していないが、パターン80は、スポット78の重複によって形成されたラインから構成される。実質的に如何なる所望の形状のパターンでも、このようにして、効率的に形成され得る。
上述の実施形態は、例として挙げられたものであり、本発明は、具体的に本明細書でこれまで示され説明されてきた形態に限定されるものではないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書で上述した各種特徴の組み合わせ及び副次的な組み合わせを両方含み、上述の説明を読んだ当業者が想到し得る、先行技術で開示されていないそれらの変更及び修正も含む。

Claims (38)

  1. 基板上にパターニングされる物質を含むマトリックスで基板を被覆する段階と、
    パルスエネルギービームを指向させて、前記マトリックス内のパターンの軌跡上に衝突させることによって前記マトリックス内に前記パターンを固定させ、それにより、前記パターン内の前記物質を完全に焼結することなく、前記パターンに沿って、前記物質を前記基板に接着させる段階と、
    固定された前記パターンの外側にある、前記基板上に残留している前記マトリックスを除去する段階と、
    前記マトリックスを除去後、前記パターン内の前記物質を焼結する段階と
    を備える、製造する方法。
  2. パターニングされる前記物質は、複数のナノ粒子を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数のナノ粒子内の前記物質が導電性であり、
    前記パターンの固定後の配線の抵抗率は、前記マトリックスの除去後に前記パターン内の前記物質の完全焼結によって実現される最終的な抵抗率より少なくとも10倍高い値のままであるように選択されたエネルギーフルエンス及び繰り返し周波数を有する放射のパルスを前記パルスエネルギービームが有する、
    請求項2に記載の方法。
  4. 前記パルスエネルギービームを指向させる段階が、前記エネルギービームの複数パルスの列を指向させ、前記基板上の前記軌跡内の各位置で衝突させる段階を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記パルスエネルギービームは、少なくとも1MHzのパルス繰返し周波数を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記パルス繰返し周波数は、少なくとも10MHzである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記マトリックスは、パターニングされる前記物質に加えて、有機化合物を有し、
    前記パルスエネルギービームを指向させる段階が、前記パターン内の前記物質を完全に焼結することなく、前記マトリックスから前記有機化合物を蒸発させるように選択されたパルスあたりのフルエンスを有する前記エネルギービームの複数パルスの列を指向させる段階を備える、
    請求項1に記載の方法。
  8. 前記パターンの固定において適用される前記パルスあたりのフルエンスは、前記有機化合物の前記蒸発による前記物質のアブレーション又は剥離を発生させることなく、前記物質内の複数の孔を通して、前記有機化合物が蒸発することを可能とするべく、前記物質が十分に多孔性のままであるように選択されている、請求項7に記載の方法。
  9. 前記物質を焼結する段階は、前記基板上に固定された前記パターンに対し、バルク焼結プロセスを適用する段階を有する、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
  10. 前記物質を焼結する段階は、前記パルスエネルギービームの更なる複数のパルスを指向させて、前記基板上に固定された前記パターンを焼結する段階を有する、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
  11. 前記基板を被覆する段階は、被覆された前記基板の照射前に前記基板上で前記マトリックスを乾燥させる段階を有する、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
  12. 前記マトリックスを除去する段階は、溶媒に接触させて、固定された前記パターンの外側にある、前記基板上に残留している前記マトリックスを除去する段階を有する、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
  13. 基板上にパターニングされる物質を含むマトリックスで前記基板を被覆する段階と、
    傾斜した時間プロファイルを含む複数のパルスを有するパルスエネルギービームを指向させ、被覆された前記基板上の点に衝突させる段階であって、前記パルスエネルギービームが、被覆された前記基板上の点において、前記物質を被覆された前記基板に固定し、前記物質を焼結するのに十分なフルエンスを有する、衝突させる段階と
    を備える製造のための方法。
  14. 前記マトリックスは、前記基板に固定される前記物質に加えて、有機化合物を有し、
    前記傾斜した時間プロファイル及び前記フルエンスは、前記有機化合物の蒸発による前記物質のアブレーション又は剥離を引き起こすことなく、前記物質を焼結する前に、前記有機化合物を前記マトリックスから蒸発させるように選択される、
    請求項13に記載の方法。
  15. 前記物質は複数のナノ粒子を有し、
    前記物質の焼結が前記点で前記複数のナノ粒子の融合を引き起こす、
    請求項13に記載の方法。
  16. 前記パルスの持続時間が20ナノ秒以下である、請求項13に記載の方法。
  17. 前記パルスエネルギービームを指向させる段階が、前記パルスを指向させ、被覆された前記基板上でパターンを画定する複数の点の列に衝突させることによって、前記基板上で前記物質の前記パターンを形成する段階を有する、請求項13から16の何れか一項に記載の方法。
  18. 前記列における前記複数の点が、相互に重複しない、請求項17に記載の方法。
  19. 前記パターンの形成後、前記パターンの軌跡の外側にある、前記基板に残留している前記マトリックスを除去する段階を備える、請求項17に記載の方法。
  20. 基板上にパターニングされる物質を含むマトリックスで前記基板を被覆する被覆装置と、
    パターン内の前記物質を完全に焼結することなく、前記パターンに沿って、前記物質を前記基板に接着させるべく、パルスエネルギービームを指向させて前記パターンの軌跡に衝突させることで、前記パターンを前記マトリックスに固定する描画装置と、
    固定された前記パターンの外側にある、前記基板上に残留している前記マトリックスを除去するマトリックス除去装置と、
    前記マトリックスの除去後に前記パターン内の前記物質を焼結する焼結装置と
    を備える、製造のためのシステム。
  21. パターニングされる前記物質は、複数のナノ粒子を有する、請求項20に記載のシステム。
  22. 前記複数のナノ粒子内の前記物質は、導電性であり、前記パルスエネルギービームが複数の放射パルスを有し、前記複数の放射パルスのエネルギーフルエンス及び繰り返し周波数は、前記パターンの固定後の配線の抵抗率が、前記マトリックスの除去後の前記パターン内の前記物質の完全焼結によって実現される最終的な抵抗率より少なくとも10倍高い抵抗率のままであるように選択されている、請求項21に記載のシステム。
  23. 前記描画装置は、前記エネルギービームの複数パルスの列を指向させ、前記基板の前記軌跡内の各位置に衝突させる、請求項20に記載のシステム。
  24. 前記パルスエネルギービームは少なくとも1MHzのパルス繰返し周波数を有する、請求項20に記載のシステム。
  25. 前記パルス繰返し周波数は、少なくとも10MHzである、請求項24に記載のシステム。
  26. 前記マトリックスは、パターニングされる前記物質に加えて、有機化合物を有し、
    前記描画装置は、前記パターン内の前記物質を完全に焼結させることなく前記マトリックスから前記有機化合物を蒸発させるべく選択されたパルスあたりのフルエンスを有する前記エネルギービームの複数パルスの列を指向させる、請求項20に記載のシステム。
  27. 前記パターンの固定において当てられる前記パルスあたりのフルエンスは、前記有機化合物の蒸発に起因する、前記物質のアブレーション又は剥離を発生させることなく、前記物質内の複数の孔を通って前記有機化合物が蒸発することを可能とするべく前記物質は十分な多孔性のままであるするように選択されている、請求項26に記載のシステム。
  28. 前記焼結装置は、前記基板上に固定された前記パターンに対し、バルク焼結プロセスを適用する、請求項20から27の何れか一項に記載のシステム。
  29. 前記焼結装置は、前記パルスエネルギービームの更なる複数のパルスを当て、前記基板上に固定された前記パターンを焼結する、請求項20から27の何れか一項に記載のシステム。
  30. 被覆された前記基板に照射する前に、前記基板上の前記マトリックスを乾燥させる乾燥装置を備える、請求項20から27の何れか一項に記載のシステム。
  31. 前記マトリックス除去装置は、固定された前記パターンの外側にある前記基板上に残留している前記マトリックスを除去するべく、溶媒を接触させる、請求項20から27の何れか一項に記載のシステム。
  32. 基板上にパターニングされる物質を含むマトリックスで前記基板を被覆する被覆装置と、
    被覆された前記基板に対して前記物質を固定させ、被覆された前記基板上の点において前記物質を焼結させるのに十分なフルエンスで、傾斜した時間プロファイルを含む複数のパルスを有するパルスエネルギービームを指向させ、被覆された前記基板上の前記点で衝突させる描画装置と
    を備える、製造のためのシステム。
  33. 前記マトリックスは、前記基板に固定される前記物質に加えて、有機化合物を有し、
    前記有機化合物の蒸発に起因する前記物質のアブレーション又は剥離を発生させることなく、前記物質を焼結する前に、前記マトリックスから前記有機化合物を蒸発させるように、前記傾斜した時間プロファイル及び前記フルエンスが選択される、
    請求項32に記載のシステム。
  34. 前記物質は、複数のナノ粒子を有し、
    前記物質を焼結すると、前記点で前記複数のナノ粒子が融合する、
    請求項32に記載のシステム。
  35. 前記複数のパルスの持続時間が、20ナノ秒以下である、請求項32に記載のシステム。
  36. 前記描画装置は、前記複数のパルスを指向させ、被覆された前記基板上にパターンを画定する複数の点の列の上に衝突させることで、前記基板上に前記物質の前記パターンを作成する、請求項32から35の何れか一項に記載のシステム。
  37. 前記列内の前記複数の点は、相互に重複していない、請求項36に記載のシステム。
  38. 前記パターンの軌跡の外側にある前記基板上に残留している前記マトリックスを除去する、マトリックス除去装置を備える請求項36に記載のシステム。
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