JP2017223309A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロックアップクラッチ完全係合制御からスリップ制御に移行する際に、エンジン回転数の吹け上がりやチップアウトショックが発生することを抑制する。【解決手段】ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際に、エンジントルクが所定のトルクより大きく、かつエンジントルク変化量が所定のトルク変化量より大きい場合(加速スリップ制御経由条件が成立している場合)は、完全係合制御から加速スリップ制御に移行し、車両が被駆動状態になってから減速スリップ制御に移行する。【選択図】図4
Description
本発明は、エンジン及びロックアップクラッチなどを備えた車両に適用される制御装置に関する。
車両に設けられたロックアップクラッチの制御としては、当該ロックアップクラッチを完全に係合する完全係合制御や、ロックアップクラッチの実差回転(クラッチ入力回転数とクラッチ出力回転数との回転数差)を目標差回転に制御するスリップ制御が行われている。
また、ロックアップクラッチを備えた車両において、減速走行時はアクセル開度と出力軸回転速度とに基づいて、完全係合制御と減速スリップ制御とロックアップクラッチ完全解放(トルクコンバータ状態)とを切替える制御を行っている(例えば、特許文献1参照)。このような制御では、減速走行中のエンジン回転数を一定値よりも高い値で維持できるので、例えば、フューエルカット復帰回転数よりも高いエンジン回転数を維持するようにすれば、減速走行中におけるフューエルカット実施期間を長くすることができ、燃料消費量(燃費)を抑制することができる。
上記した特許文献1に記載の技術のように、ロックアップクラッチ制御では、減速走行時においてアクセル開度等に基づいて減速スリップ制御を実行している。
ここで、例えば、クラッチトルク容量が大きな多板ロックアップクラッチを備え、広いエンジン運転領域においてロックアップクラッチの完全係合を実施することが可能な車両がある。このような車両にあっては、エンジントルクが高くてもロックアップクラッチを完全係合状態にする場合があり、こうした状況(高エンジントルク状態でのロックアップクラッチ完全係合制御)から減速スリップ制御に移行すると、エンジン回転数の吹け上がりが発生するおそれがある。また、高いエンジントルク状態からのエンジントルク急低下中にロックアップクラッチ完全係合制御を継続した場合、車両が駆動状態から被駆動状態に切替わる際にチップアウトショックが発生するおそれがある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、エンジン及びロックアップクラッチなどを備えた車両において、ロックアップクラッチ完全係合制御からスリップ制御に移行する際に、エンジン回転数の吹け上がりやチップアウトショックが発生することを抑制することが可能な制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、エンジンと、変速機と、前記エンジンと前記変速機との間に設けられたトルクコンバータと、前記トルクコンバータに設けられたロックアップクラッチとを備えた車両に適用される制御装置であって、前記ロックアップクラッチの完全係合制御(以下、ロックアップクラッチ完全係合制御ともいう)、車両が加速状態で前記ロックアップクラッチが任意の差回転になるように制御する加速スリップ制御、及び車両が減速状態で前記ロックアップクラッチが任意の差回転になるように制御する減速スリップ制御の実行が可能なロックアップクラッチ制御手段と、前記エンジンのエンジントルクを取得するエンジントルク取得手段と、前記エンジンのエンジントルク変化量を取得するエンジントルク変化量取得手段と、当該車両の駆動状態と被駆動状態とを判定する判定手段とを備えている。
そして、前記ロックアップクラッチ制御手段は、前記ロックアップクラッチの完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際に、エンジントルクが[エンジントルク>第1トルク]であり、かつエンジントルク変化量が[エンジントルク変化量>第1トルク変化量]である場合は、加速スリップ制御に移行し、車両が被駆動状態になってから減速スリップ制御に移行する。また、前記ロックアップクラッチの完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際に、エンジントルクが[第2トルク<エンジントルク≦第1トルク]であり、かつエンジントルク変化量が[第2トルク変化量<エンジントルク変化量≦第1トルク変化量]である場合は、前記ロックアップクラッチの完全係合制御を継続し、車両が被駆動状態になってから減速スリップ制御に移行する。また、前記ロックアップクラッチの完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際に、エンジントルクが[エンジントルク≦第2トルク]、またはエンジントルク変化量が[エンジントルク変化量≦第2トルク変化量]である場合は、減速スリップ制御に移行するように構成されていることを特徴とする。
次に、本発明の作用について述べる。
まず、上述したように、高エンジントルク状態でのロックアップクラッチ完全係合制御から直ちに減速スリップ制御に移行すると、ロックアップクラッチのトルク容量が不足してエンジン回転数の吹け上がりが発生するおそれがある。また、高いエンジントルク状態からのエンジントルク急低下中にロックアップクラッチ完全係合制御を継続した場合、車両が駆動状態から被駆動状態に切替わる際にチップアウトショックが発生するおそれがある。
このような点を考慮して、本発明では、ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際に、エンジントルクが第1トルクよりも大きくて、かつエンジントルク変化量が第1トルク変化量よりも大きい場合は、エンジン回転数の吹け上がりやチップアウトショックが発生する可能性があるとして、ロックアップクラッチ完全係合から加速スリップ制御に移行し、車両が被駆動状態になってから減速スリップ制御に移行している。
このように、ロックアップクラッチ完全係合制御から加速スリップ制御を経由して減速スリップ制御に移行することにより、車両が被駆動状態になるまでの間において、加速スリップ制御によってロックアップクラッチのトルク容量を高エンジントルク及びエンジントルク急低下に応じた適切な値(エンジン回転数の吹け上がりやチップアウトショックが発生しないようなトルク容量)に制御することが可能になる。これによって、車両が被駆動状態になってから減速スリップ制御に移行する際に、エンジン回転数の吹け上がり及びチップアウトショックが発生することを抑制することができる。
また、本発明では、ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際に、エンジントルクが第1トルク以下で、かつエンジントルク変化量が第1トルク変化量以下である場合は、エンジン回転数の吹け上がりやチップアウトショックの発生の可能性は小さいとして、ロックアップクラッチ完全係合制御を継続し、車両が被駆動状態になってから減速スリップ制御に移行している。このように、チップアウトショック及びエンジンストールの発生の可能性が小さい場合には、ロックアップクラッチ完全係合制御を継続することにより、燃費及びドライバビリティの最適化をはかることが可能になる。
ただし、ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際のエンジントルク(エンジントルク変化量)が小さい場合、ロックアップクラッチ完全係合制御を継続すると、エンジンストールに至る可能性がある。この点を考慮し、ロックアップクラッチ完全係合制御を継続する場合のエンジントルク及びエンジントルク変化量の下限(エンジントルク>第2トルク、エンジントルク変化量>第2トルク変化量)を設定している。
そして、エンジントルクが第2トルク以下、またはエンジントルク変化量が第2トルク変化量以下である場合は、ロックアップクラッチ完全係合制御から直ちに減速スリップ制御に移行することで、エンジンストールを防いでいる。
本発明によれば、エンジン及びロックアップクラッチなどを備えた車両において、ロックアップクラッチ完全係合制御からスリップ制御に移行する際に、エンジン回転数の吹け上がりやチップアウトショックが発生することを抑制することが可能になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明を適用する車両の一例について図1を参照して説明する。
この例の車両Vは、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型の車両であって、エンジン1、トルクコンバータ2、多板ロックアップクラッチ3、自動変速機(AT)4、デファレンシャル装置5、駆動輪(前輪)6、従動輪(後輪:図示せず)、油圧制御回路100、及び、ECU(Electronic Control Unit)200などを備えている。
これらエンジン1、トルクコンバータ2、多板ロックアップクラッチ3、自動変速機4、油圧制御回路100、及び、ECU200の各部について以下に説明する。
−エンジン−
エンジン1は、走行用の駆動力源であり、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン1は、吸入空気量、燃料噴射量、点火時期などの運転状態を制御可能である。エンジン1の出力軸であるクランクシャフト11はトルクコンバータ2に連結されている。クランクシャフト11の回転数(エンジン回転数Ne)はエンジン回転数センサ201によって検出される。また、エンジン1の吸入空気量はエアフロメータ205によって検出される。
エンジン1は、走行用の駆動力源であり、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン1は、吸入空気量、燃料噴射量、点火時期などの運転状態を制御可能である。エンジン1の出力軸であるクランクシャフト11はトルクコンバータ2に連結されている。クランクシャフト11の回転数(エンジン回転数Ne)はエンジン回転数センサ201によって検出される。また、エンジン1の吸入空気量はエアフロメータ205によって検出される。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータ2は、入力軸側のポンプインペラ21と、出力軸側のタービンランナ22と、トルク増幅機能を発現するステータ23と、ワンウェイクラッチ24とを備え、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体を介して動力伝達を行う。トルクコンバータ2には、当該トルクコンバータ2の入力側と出力側とを直結またはスリップ状態で連結する多板ロックアップクラッチ3が設けられている。トルクコンバータ2のタービンシャフト26の回転数(タービン回転数Nt)はタービン回転数センサ202によって検出される。
トルクコンバータ2は、入力軸側のポンプインペラ21と、出力軸側のタービンランナ22と、トルク増幅機能を発現するステータ23と、ワンウェイクラッチ24とを備え、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体を介して動力伝達を行う。トルクコンバータ2には、当該トルクコンバータ2の入力側と出力側とを直結またはスリップ状態で連結する多板ロックアップクラッチ3が設けられている。トルクコンバータ2のタービンシャフト26の回転数(タービン回転数Nt)はタービン回転数センサ202によって検出される。
図2に示すように、トルクコンバータ2の内部には作動油循環用のコンバータ油室25が形成されている。コンバータ油室25には、作動油を導入するためのT/C入力ポート25a及び作動油を排出するためのT/C出力ポート25bが設けられている。
−多板ロックアップクラッチ−
図2に示すように、多板ロックアップクラッチ3は、クラッチプレート(摩擦係合板)31,32、及び、それらクラッチプレート31とクラッチプレート32とを押圧可能なロックアップピストン33を備えている。クラッチプレート31はトルクコンバータ2のフロントカバー2aに固定されたクラッチハブに軸方向に摺動自在に支持されており、クラッチプレート32はタービンランナ22に接続されたクラッチハブに軸方向に摺動自在に支持されている。ロックアップピストン33は、トルクコンバータ2の内部に軸方向に摺動自在に設けられている。ロックアップピストン33の背面側(フロントカバー2aとは反対側)にロックアップ油室34が形成されている。ロックアップ油室34には、作動油を導入(油圧を導入)したり、作動油を排出したりするためのL/U圧入力ポート34aが設けられている。
図2に示すように、多板ロックアップクラッチ3は、クラッチプレート(摩擦係合板)31,32、及び、それらクラッチプレート31とクラッチプレート32とを押圧可能なロックアップピストン33を備えている。クラッチプレート31はトルクコンバータ2のフロントカバー2aに固定されたクラッチハブに軸方向に摺動自在に支持されており、クラッチプレート32はタービンランナ22に接続されたクラッチハブに軸方向に摺動自在に支持されている。ロックアップピストン33は、トルクコンバータ2の内部に軸方向に摺動自在に設けられている。ロックアップピストン33の背面側(フロントカバー2aとは反対側)にロックアップ油室34が形成されている。ロックアップ油室34には、作動油を導入(油圧を導入)したり、作動油を排出したりするためのL/U圧入力ポート34aが設けられている。
そして、このような構造の多板ロックアップクラッチ3において、ロックアップ油室34に油圧が供給されると、クラッチプレート31とクラッチプレート32とが係合して多板ロックアップクラッチ3が係合状態(完全係合状態またはスリップ状態)になる。一方、ロックアップ油室34に油圧が供給されなくなると、リターンスプリング(図示せず)による弾性力でロックアップピストン33が解放側へ作動して多板ロックアップクラッチ3が解放状態になる。
−自動変速機−
自動変速機4は、有段式の変速機であり、複数の油圧式の摩擦係合要素及び遊星歯車装置を含んでいる。自動変速機4では、複数の摩擦係合要素が選択的に係合されることにより、複数のギヤ段(変速段)を選択的に成立させることが可能である。図1に示すように、自動変速機4の入力軸41はトルクコンバータ2のタービンシャフト26に連結されている。自動変速機4の出力ギヤ42はデファレンシャル装置5等を介して駆動輪6に連結されている。
自動変速機4は、有段式の変速機であり、複数の油圧式の摩擦係合要素及び遊星歯車装置を含んでいる。自動変速機4では、複数の摩擦係合要素が選択的に係合されることにより、複数のギヤ段(変速段)を選択的に成立させることが可能である。図1に示すように、自動変速機4の入力軸41はトルクコンバータ2のタービンシャフト26に連結されている。自動変速機4の出力ギヤ42はデファレンシャル装置5等を介して駆動輪6に連結されている。
−油圧制御回路−
次に、油圧制御回路100について図2を参照して説明する。なお、図2にはトルクコンバータ2及び多板ロックアップクラッチ3の油圧回路構成のみを示している。
次に、油圧制御回路100について図2を参照して説明する。なお、図2にはトルクコンバータ2及び多板ロックアップクラッチ3の油圧回路構成のみを示している。
まず、この例の油圧制御回路100は、図示はしないが、エンジン1の駆動力により駆動されるオイルポンプ(電動オイルポンプを含む場合もある)、プライマリレギュレータバルブ、及び、セカンダリレギュレータバルブなどを備えており、オイルポンプが発生した油圧はプライマリレギュレータバルブにより調圧されてライン圧PLが生成される。そのライン圧PLを元圧としてセカンダリレギュレータバルブによってセカンダリ圧Psecが調圧される。
図2に示す油圧制御回路100は、リニアソレノイドバルブ(SLU)101、ソレノイドバルブ(SL)102、ロックアップリレーバルブ103、及び、サーキュレーションモジュレータバルブ104(以下、Cir-MODバルブ104という)などを備えている。
リニアソレノイドバルブ(SLU)101は、ECU200からの指令(ロックアップクラッチ指示油圧)に応じて、入力ポート101aに供給されているライン圧PLを調圧した制御油圧を出力ポート101bから出力する。
ソレノイドバルブ(SL)102は、ECU200からの指令によりON制御されると信号圧を出力する。Cir-MODバルブ104は、ライン圧PLを調圧した循環モジュレータ圧(以下、Cir-MOD圧という)を出力する。ロックアップリレーバルブ103は、ソレノイドバルブ(SL)102からの信号圧により作動して油圧の給排経路を切替える切替バルブである。
そして、ロックアップリレーバルブ103は、ソレノイドバルブ(SL)102からの信号圧が信号圧入力ポート103aに入力されていないときには(ロックアップOFFの状態のときには)、スプリング132の付勢力によりスプール131が図2の上側位置(スプール131が図2中の左側に示す位置)に配置される。これにより、セカンダリ圧Psecがロックアップリレーバルブ103(ポート103c,103f)を介してトルクコンバータ2のT/C入力ポート25a(コンバータ油室25)に供給される。
一方、ECU200からの指令により、リニアソレノイドバルブ(SLU)101及びソレノイドバルブ(SL)102がともにONとなり、ソレノイドバルブ(SL)102からの信号圧がロックアップリレーバルブ103の信号圧入力ポート103aに入力されると(ロックアップONの状態になると)、スプール131がスプリング132の付勢力に抗して下側に移動して、図2の下側の位置(スプール131が図2中の右側に示す位置)に配置される。これにより、Cir-MODバルブ104からのCir-MOD圧がロックアップリレーバルブ103(ポート103d,103f)を介してトルクコンバータ2のT/C入力ポート25a(コンバータ油室25)に供給される。さらに、リニアソレノイドバルブ(SLU)101が出力する制御油圧がロックアップリレーバルブ103(ポート103b,103e)を介して多板ロックアップクラッチ3のL/U圧入力ポート34a(ロックアップ油室34)に供給される。これによって多板ロックアップクラッチ3が係合状態(完全係合状態またはスリップ状態)になる。
ここで、多板ロックアップクラッチ3は、クラッチトルク容量を大きくすることが可能であるので、ロックアップクラッチ制御(ロックアップクラッチ完全係合制御またはスリップ制御)の実施領域(エンジン運転領域)を拡大することが可能である。
−ECU−
ECU200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びバックアップRAMなどを備えている。
ECU200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びバックアップRAMなどを備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはエンジン1の停止時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU200には、図3に示すように、エンジン回転数センサ201、タービン回転数センサ202、スロットルバルブ(図示せず)のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ203、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサ204、エンジン1の吸入空気量を検出するエアフロメータ205、並びに車両Vの車速に応じた信号を出力する車速センサ206などの各種のセンサが接続されており、これらの各センサ(スイッチ類も含む)からの信号がECU200に入力される。
そして、ECU200は、各種センサの検出結果などに基づいて、スロットル開度、燃料噴射量、及び点火時期などを制御することにより、エンジン1の運転状態を制御可能に構成されている。また、ECU200はエンジントルクTe及びエンジントルク変化量ΔTeを算出する。
さらに、ECU200は、油圧制御回路100を制御することにより、自動変速機4の変速制御(油圧制御)、トルクコンバータ2の油圧制御及び多板ロックアップクラッチ3の係合制御(ロックアップクラッチ制御ともいう)を実行する。さらに、ECU200は、後述するロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際の移行制御を実行する。
−エンジントルク・エンジントルク変化量−
ECU200はエンジントルクTeを算出する。具体的には、ECU200は、例えば、エアフロメータ205の出力信号から得られる吸入空気量、エンジン回転数センサ201の出力信号から得られるエンジン回転数Ne、及びエンジン1の点火時期などに基づいてエンジントルクTeを算出する。また、ECU200はエンジントルクTeの単位時間当たり(例えば16msec当たり)の変化量(以下、エンジントルク変化量ΔTeともいう)も算出する。なお、エンジントルクTe及びエンジントルク変化量ΔTeについては、エンジン1のクランクシャフト11にトルクセンサを設け、そのトルクセンサの出力信号から算出するようにしてもよい。
ECU200はエンジントルクTeを算出する。具体的には、ECU200は、例えば、エアフロメータ205の出力信号から得られる吸入空気量、エンジン回転数センサ201の出力信号から得られるエンジン回転数Ne、及びエンジン1の点火時期などに基づいてエンジントルクTeを算出する。また、ECU200はエンジントルクTeの単位時間当たり(例えば16msec当たり)の変化量(以下、エンジントルク変化量ΔTeともいう)も算出する。なお、エンジントルクTe及びエンジントルク変化量ΔTeについては、エンジン1のクランクシャフト11にトルクセンサを設け、そのトルクセンサの出力信号から算出するようにしてもよい。
なお、ECU200において実行されるエンジントルクTeの算出処理が本発明の「エンジントルク取得手段」としての処理に相当し、エンジントルク変化量ΔTeの算出処理が本発明の「エンジントルク変化量取得手段」としての処理に相当する。
−ロックアップクラッチ制御−
次に、ECU200が実行するロックアップクラッチ制御について説明する。
次に、ECU200が実行するロックアップクラッチ制御について説明する。
ロックアップクラッチ制御にあっては、多板ロックアップクラッチ3を完全に係合するロックアップクラッチ完全係合制御と、ロックアップクラッチスリップ制御(差回転制御)とが行われている。
ロックアップクラッチスリップ制御においては、エンジン回転数センサ201の出力信号から得られるエンジン回転数Neと、タービン回転数センサ202の出力信号から得られるタービン回転数Ntとの実差回転(Ne−Nt:ロックアップクラッチ3の差回転)を算出し、その実差回転が目標差回転となるようにロックアップクラッチ油圧(指示油圧)をフィードバック制御している。
このようなロックアップクラッチスリップ制御(以下、スリップ制御ともいう)としては、車両Vが駆動状態である場合(Ne>Ntである場合)の加速スリップ制御と、車両Vが被駆動状態である場合(Ne<Ntである場合)の減速スリップ制御とがある。そして、ECU200は、これら加速スリップ制御、減速スリップ制御、及び上記ロックアップクラッチ完全係合制御を実行することが可能である。
なお、ECU200において実行される、ロックアップクラッチ完全係合制御、加速スリップ制御及び減速スリップ制御が、本発明の「ロックアップクラッチ制御手段」の処理の一部に相当する。
次に、ECU200が実行するロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際の移行制御について説明する。
まず、多板ロックアップクラッチ3を備えた車両Vにあっては、広いエンジン運転領域においてロックアップクラッチの完全係合を実施することが可能である。このため、エンジントルクが高くても、多板ロックアップクラッチ3を完全係合状態にする場合がある。こうした状況(高エンジントルク状態でのロックアップクラッチ完全係合制御)から直ちに減速スリップ制御に移行すると、多板ロックアップクラッチ3のトルク容量が不足してエンジン回転数の吹け上がりが発生するおそれがある。また、高いエンジントルク状態からのエンジントルク急低下中にロックアップクラッチ完全係合制御を継続した場合、車両Vが駆動状態から被駆動状態に切替わる際にチップアウトショックが発生するおそれがある。
なお、チップアウトショックとは、車両Vが駆動状態から被駆動状態に切替わる際に、車両Vの動力伝達経路に存在するバックラッシのがた詰め等により発生するショックのことである。
以上のような問題を解消するため、本実施形態では、エンジン1及び多板ロックアップクラッチ3などを備えた車両Vにおいて、ロックアップクラッチ完全係合制御からスリップ制御に移行する際に、エンジン回転数の吹け上がりやチップアウトショックの発生を抑制することが可能な制御を実現する。
その制御(ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際の移行制御)の一例について図4のフローチャートを参照して説明する。図4の制御ルーチンはECU200において所定時間(例えば4msec)ごとに繰り返して実行される。
なお、この移行制御において、ECU200は、エンジン回転数センサ201及びタービン回転数センサ202の各出力信号からエンジン回転数Ne及びタービン回転数Ntを算出しており、さらに、実差回転(Ne−Nt)を算出している。また、エンジントルクTe及びエンジントルク変化量ΔTeについても上記処理にて算出している。
図4の制御ルーチンが開始されると、まずはステップST101において、アクセルオンでのロックアップクラッチ完全係合制御(駆動状態)の実行中であるか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合はリターンする。ステップST101の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST102に進む。
ステップST102では、アクセル開度センサ204の出力信号に基づいて、アクセルオンからアクセルオフに切替わったか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合はリターンする。ステップST102の判定結果が肯定判定(YES)である場合は、減速スリップ制御への移行であると判定してステップST103に進む。
ステップST103では、下記の加速スリップ制御経由条件の全てが成立しているか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合はステップST107に進む。なお、ステップST107の処理については後述する。ステップST103の判定結果が肯定判定(YES)である場合は、ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行した際に、エンジン回転数の吹け上がりやチップアウトショックが発生する可能性があるとして、ステップST104に進む。
<加速スリップ制御経由条件>
・エンジントルクTe>第1トルクA1
・エンジントルク変化量ΔTe>第1トルク変化量B1
ここで、ステップST103の判定に用いる第1トルクA1については、例えば、ロックアップクラッチ完全係合制御(駆動状態)から直ちに減速スリップ制御(被駆動状態)に移行した場合にエンジン回転数の吹け上がりが発生するエンジントルクTeの下限値、及び、ロックアップクラッチ完全係合制御実行中に駆動状態から被駆動状態に切替った場合にチップアウトショックが発生するエンジントルクTeの下限値を、予め実験またはシミュレーションによって求め、その結果に基づいて、エンジン回転数の吹け上がり及びチップアップショックが発生しないようなエンジントルク(許容値)を第1トルクA1として設定する。
・エンジントルクTe>第1トルクA1
・エンジントルク変化量ΔTe>第1トルク変化量B1
ここで、ステップST103の判定に用いる第1トルクA1については、例えば、ロックアップクラッチ完全係合制御(駆動状態)から直ちに減速スリップ制御(被駆動状態)に移行した場合にエンジン回転数の吹け上がりが発生するエンジントルクTeの下限値、及び、ロックアップクラッチ完全係合制御実行中に駆動状態から被駆動状態に切替った場合にチップアウトショックが発生するエンジントルクTeの下限値を、予め実験またはシミュレーションによって求め、その結果に基づいて、エンジン回転数の吹け上がり及びチップアップショックが発生しないようなエンジントルク(許容値)を第1トルクA1として設定する。
また、第1トルク変化量B1については、例えば、高エンジントルク状態からのエンジントルク急低下中にロックアップクラッチ完全係合制御を継続した場合にチップアウトショックが発生するエンジントルク変化量ΔTeの下限値を、予め実験またはシミュレーションによって求め、その結果に基づいて、チップアップショックが発生しないようなエンジントルク変化量(許容値)を第1トルク変化量B1として設定する。
ステップST104では、エンジン回転数の吹け上がりを許容できる範囲内で加速スリップ制御に移行する。ステップST105では、加速スリップ制御の実行中に、エンジントルク変化により車両Vが被駆動状態になったか否かを判定し、その判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST106に進む。具体的には、エンジントルクTeが正(Te>0)から負(Te<0)に切替わったときに車両Vが被駆動状態になった判定(ステップST105がYES判定)してステップST106に進む。ステップST105の判定結果が否定判定(NO)である場合は、加速スリップ制御を継続する。
なお、被駆動の判定については、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの関係が被駆動状態(Ne<Nt)に切替わったと判定するようにしてもよい、
そして、ステップST106では加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する。
そして、ステップST106では加速スリップ制御から減速スリップ制御に移行する。
次に、上記ステップST103の判定結果が否定判定(NO)である場合、つまりエンジン回転数の吹け上がりやチップアウトショックの発生の可能性が小さい場合はステップST07に進む。
ステップST107では、下記の完全係合制御継続条件の全てが成立しているか否かを判定し、その判定結果が肯定判定(YES)である場合は、ロックアップクラッチ完全係合制御を継続してもエンジンストールの可能性が小さいとして、ステップST108に進む。
<完全係合制御継続条件>
・第2トルクA2<エンジントルクTe≦第1トルクA1
・第2トルク変化量B2<エンジントルク変化量ΔTe≦第1トルク変化量B1
ここで、ステップST107の判定に用いる第2トルクA2については、アクセルオフの状態でロックアップクラッチ完全係合制御を実行(継続)した場合に、エンジンストールに至るエンジントルクTeを、予め実験またはシミュレーションによって求め、その結果に基づいて設定する。また、第2トルク変化量B2についても、同様に、アクセルオフの状態でロックアップクラッチ完全係合制御を継続した場合に、エンジンストールに至るエンジントルク変化量ΔTeを予め実験またはシミュレーションによって求め、その結果に基づいて設定する。
・第2トルクA2<エンジントルクTe≦第1トルクA1
・第2トルク変化量B2<エンジントルク変化量ΔTe≦第1トルク変化量B1
ここで、ステップST107の判定に用いる第2トルクA2については、アクセルオフの状態でロックアップクラッチ完全係合制御を実行(継続)した場合に、エンジンストールに至るエンジントルクTeを、予め実験またはシミュレーションによって求め、その結果に基づいて設定する。また、第2トルク変化量B2についても、同様に、アクセルオフの状態でロックアップクラッチ完全係合制御を継続した場合に、エンジンストールに至るエンジントルク変化量ΔTeを予め実験またはシミュレーションによって求め、その結果に基づいて設定する。
ステップST108ではロックアップクラッチ完全係合制御を継続する。ステップST109では、ロックアップクラッチ完全係合制御の継続中に、エンジントルク変化により車両Vが被駆動状態になったか否かを判定し、その判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST106に進む。具体的には、エンジントルクTeが正(Te>0)から負(Te<0)に変化したときに車両Vが被駆動状態になったと判定(ステップST109がYES判定)して、ステップST106に進み、ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する。
一方、ステップST107の判定結果が否定判定(NO)である場合、つまり上記完全係合制御継続条件が成立しない場合(アクセルオフに切替わったときのエンジントルクTeが[エンジントルクTe≦第2トルクA2]、またはエンジントルク変化量ΔTeが[エンジントルク変化量ΔTe≦第2トルク変化量B2]である場合は、エンジンストールに至る可能性があるとして減速スリップ制御に移行する(ステップST106)。
なお、上記ステップST105及びステップST109がECU200によって実行されることにより、本発明の「車両の駆動状態と被駆動状態とを判定する判定手段」が実現される。
また、上記ステップST101〜ステップST109がECU200によって実行されることにより、本発明の「ロックアップクラッチ制御手段」が実現される。
<移行制御(1)>
次に、ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際の移行制御の一例について、図5のタイミングチャートを参照して説明する。
次に、ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際の移行制御の一例について、図5のタイミングチャートを参照して説明する。
この図5の例は、図4の制御ルーチンのステップST103の判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまりロックアップクラッチ完全係合制御から加速スリップ制御を経由して減速スリップ制御に移行する場合の制御の例を示している。
まず、アクセルオンでのロックアップクラッチ完全係合制御(駆動状態)の実行中において、アクセルオフされると、その時点t11でのエンジントルクTeが[エンジントルクTe>第1トルクA1]であり、かつアクセルオフに切替わった後のエンジントルク変化量ΔTeが[エンジントルク変化量ΔTe>第1トルク変化量B1]である場合(エンジントルクTeが急低下する場合)、ロックアップクラッチ完全係合制御から加速スリップ制御に切替える。
その加速スリップ制御におけるロックアップクラッチ指示油圧(図5の実線)は、ロックアップクラッチ完全係合制御の場合のロックアップクラッチ指示油圧(図5の破線)よりも低い油圧に設定する。これによりチップアウトショックを抑制することができる。また、加速スリップ制御におけるロックアップクラッチ指示油圧は、ロックアップクラッチ完全係合制御から加速スリップ制御に移行した際に、エンジン回転数の吹け上がりを許容できる許容範囲内となるような油圧に設定する。
そして、エンジントルクTeが変化(Te>0→Te<0)して車両Vが被駆動状態に切替わった時点T12で減速スリップ制御に移行する。減速スリップ制御では、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの実差回転(Ne−Nt)が目標実差回転となるようにロックアップクラッチ指示油圧を制御する。
以上のように、この例では、ロックアップクラッチ完全係合制御(駆動状態)の実行中においてエンジントルクTeが高く、かつエンジントルク変化量ΔTeが大きくて、エンジン回転数の吹け上がりやチップアウトショックが発生する可能性がある場合は、ロックアップクラッチ完全係合から加速スリップ制御に移行し、車両Vが駆動状態から被駆動状態に切替った後に減速スリップ制御に移行している。
このように、ロックアップクラッチ完全係合制御から加速スリップ制御を経由して減速スリップ制御に移行することにより、車両Vが被駆動状態になるまでの間において、加速スリップ制御によって多板ロックアップクラッチ3のトルク容量を高エンジントルク及びエンジントルク急低下に応じた適切な値(エンジン回転数の吹け上がりやチップアウトショックが発生しないようなトルク容量)に制御することが可能になる。これによって、車両Vが被駆動状態になってから減速スリップ制御に移行する際に、エンジン回転数の吹け上がり及びチップアウトショックが発生することを抑制することができる。
<移行制御(2)>
次に、ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際の移行制御の他の例について、図6のタイミングチャートを参照して説明する。
次に、ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際の移行制御の他の例について、図6のタイミングチャートを参照して説明する。
この図6の例は、図6の制御ルーチンのステップST107の判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまりロックアップクラッチ完全係合制御実行中にアクセルオフに切替わっても、ロックアップクラッチ完全係合制御を継続し、車両Vが被駆動状態になってから減速スリップ制御に移行する場合の制御の例を示している。
まず、アクセルオンでのロックアップクラッチ完全係合制御の実行中において、アクセルオフされると、その時点t21でのエンジントルクTeが[第2トルクA2<エンジントルクTe≦第1トルクA1]であり、かつエンジントルク変化量ΔTeが[第2トルク変化量B2<エンジントルク変化量ΔTe≦第1トルク変化量B1]である場合(チップアウトショック及びエンジンストールの発生の可能性が小さい場合)は、ロックアップクラッチ完全係合制御を継続する。
そして、エンジントルクTeが変化(Te>0→Te<0)して、車両Vが被駆動状態に切替わった時点T22で減速スリップ制御に移行する。減速スリップ制御では、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの実差回転(Ne−Nt)が目標実差回転となるようにロックアップクラッチクラッチ指示油圧を制御する。
以上のように、この例では、ロックアップクラッチ完全係合制御(駆動状態)の実行中にアクセルオフになった際に、チップアウトショック及びエンジンストールの発生の可能性が小さい場合にはロックアップクラッチ完全係合制御を継続し、車両Vが駆動状態から被駆動状態に切替った後に減速スリップ制御に移行している。このように、チップアウトショック及びエンジンストールの発生の可能性が小さい場合には、ロックアップクラッチ完全係合制御を継続することにより、燃費及びドライバビリティの最適化をはかることが可能になる。
<移行制御(3)>
次に、ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際の移行制御の別の例について、図7のタイミングチャートを参照して説明する。
次に、ロックアップクラッチ完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際の移行制御の別の例について、図7のタイミングチャートを参照して説明する。
この図7の例は、図4の制御ルーチンのステップST103及びステップST107の判定結果がともに否定判定(NO)である場合、つまりロックアップクラッチ完全係合制御から加速スリップ制御を経由せずに減速スリップ制御に移行する場合の制御の例を示している。
この例では、アクセルオンでのロックアップクラッチ完全係合制御の実行中において、アクセルオフされた時点t31でのエンジントルクTeが[エンジントルクTe≦第2トルクA2]、またはエンジントルク変化量ΔTeが[エンジントルク変化量ΔTe≦第2トルク変化量B2]である場合に、ロックアップクラッチ完全係合制御(図7の破線)を継続すると、エンジンストールに至る可能性があるので、アクセルオフに切替わった時点t31で減速スリップ制御に移行している。
以上のように、この例では、ロックアップクラッチ完全係合制御(駆動状態)の実行中にアクセルオフになった際のエンジントルクTe(またはエンジントルク変化量ΔTe)が小さくい場合には、直ちに減速スリップ制御に移行しているので、エンジンストールを防ぐことが可能になる。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、以上の実施形態では、図4の制御ルーチンのステップST105及びステップST109の判定に用いるエンジントルクTe及びエンジントルク変化量ΔTeを、吸入空気量、エンジン回転数Ne及び点火時期などに基づいて算出(またはトルクセンサの出力信号に基づいて算出)しているが、これに限られない。例えば、エンジン1にトルクデマンド制御が適用される場合、目標エンジントルク及びその目標エンジントルク変化量を用いて、図4の制御ルーチンのステップST105及びステップST109の判定を行うようにしてもよい。また、エンジントルク変化量ΔTeについては、アクセル開度センサ204の出力信号から得られるアクセル開度の変化量を代用してもよい。
以上の実施形態では、クラッチ及びブレーキ等の摩擦係合装置と遊星歯車装置とを用いてギヤ段を設定する有段式(遊星歯車式)の自動変速機(AT)を備えた車両に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限られることなく、変速比を無段階に調整する無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)を備えた車両にも適用できる。
以上の実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両に本発明の制御装置を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式の車両や、4輪駆動方式の車両にも適用できる。
ここで、本発明において、ロックアップクラッチの完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際に、エンジントルクが[エンジントルク>第1トルクA1]であり、かつエンジントルク変化量が[エンジントルク変化量>第1トルク変化量B1]である場合は、加速スリップ制御に移行し、車両が被駆動状態になってから減速スリップ制御に移行する移行制御(図4の制御ルーチンのステップST103〜ステップST106の制御)と、エンジントルクが[エンジントルク≦第2トルクA2]、またはエンジントルク変化量が[エンジントルク変化量≦第2トルク変化量B2]である場合は、減速スリップ制御に直ちに移行する移行制御(図4の制御ルーチンのステップST107〜ステップST106の制御)との2通りの制御を同一システムで実行するようにしてもよい。
本発明は、エンジン及びロックアップクラッチなどを備えた車両において、ロックアップクラッチの制御に有効に利用することができる。
V 車両
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 多板ロックアップクラッチ
4 自動変速機(変速機)
100 油圧制御回路
200 ECU
201 エンジン回転数センサ
202 タービン回転数センサ
203 スロットル開度センサ
204 アクセル開度センサ
205 エアフロメータ
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 多板ロックアップクラッチ
4 自動変速機(変速機)
100 油圧制御回路
200 ECU
201 エンジン回転数センサ
202 タービン回転数センサ
203 スロットル開度センサ
204 アクセル開度センサ
205 エアフロメータ
Claims (1)
- エンジンと、変速機と、前記エンジンと前記変速機との間に設けられたトルクコンバータと、前記トルクコンバータに設けられたロックアップクラッチとを備えた車両に適用される制御装置であって、
前記ロックアップクラッチの完全係合制御、車両が加速状態で前記ロックアップクラッチが任意の差回転になるように制御する加速スリップ制御、及び車両が減速状態で前記ロックアップクラッチが任意の差回転になるように制御する減速スリップ制御の実行が可能なロックアップクラッチ制御手段と、
前記エンジンのエンジントルクを取得するエンジントルク取得手段と、
前記エンジンのエンジントルク変化量を取得するエンジントルク変化量取得手段と、
当該車両の駆動状態と被駆動状態とを判定する判定手段と、を備え、
前記ロックアップクラッチ制御手段は、
前記ロックアップクラッチの完全係合制御から減速スリップ制御に移行する際に、
エンジントルクが[エンジントルク>第1トルク]であり、かつエンジントルク変化量が[エンジントルク変化量>第1トルク変化量]である場合は、加速スリップ制御に移行し、車両が被駆動状態になってから減速スリップ制御に移行し、
エンジントルクが[第2トルク<エンジントルク≦第1トルク]であり、かつエンジントルク変化量が[第2トルク変化量<エンジントルク変化量≦第1トルク変化量]である場合は、前記ロックアップクラッチの完全係合制御を継続し、車両が被駆動状態になってから減速スリップ制御に移行し、
エンジントルクが[エンジントルク≦第2トルク]、またはエンジントルク変化量が[エンジントルク変化量≦第2トルク変化量]である場合は、減速スリップ制御に移行するように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。
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2017
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