JP2017210710A - 摩擦堅牢度の向上方法 - Google Patents
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Abstract
インク組成物を用いるインクジェット捺染における、染色画像の乾摩擦、及び湿摩擦等の摩擦堅牢度の向上方法の提供の提供。
【解決手段】
顔料、水、高分子分散剤、ポリグリセリルエーテル及びC2−C6ジオールを含む水溶性有機溶剤、及びノニオン界面活性剤を含有するインクジェット捺染に用いるインク組成物に、さらにウレタン樹脂を含有させる、該インク組成物により染色された画像の摩擦堅牢度の向上方法を用いることにより、上記の課題を解決できた。
【選択図】なし
Description
顔料、水、高分子分散剤、ポリグリセリルエーテル及びC2−C6ジオールを含む水溶性有機溶剤、及びノニオン界面活性剤を含有するインクジェット捺染に用いるインク組成物に、さらにウレタン樹脂を含有させる、該インク組成物により染色された画像の摩擦堅牢度の向上方法。
2)
上記の高分子分散剤が、重合開始剤として下記式(1)で表される有機テルル化合物と下記式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物、又は下記式(1)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤及び下記式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物のいずれかを用いてリビングラジカル重合法により共重合して得られる、A及びBがそれぞれ異なるモノマーの重合ポリマーであるA−Bブロックポリマーであって、Aブロックを構成するモノマーが下記式(3)で表される1種類以上のモノマーであり、Bブロックを構成するモノマーがベンジルメタクリレート及び/又はベンジルアクリレートである、上記1)に記載のインク組成物により染色された画像の摩擦堅牢度の向上方法。
R1は、C1〜C8のアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。
R2及びR3は、水素原子又はC1〜C8のアルキル基を表す。
R4は、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を表す。)
R5は水素原子又は炭素数4の分岐を有してもよいアルキル基を表し、R6は水素原子またはメチル基を表す。)
3)
上記インク組成物の総質量中における、顔料、高分子分散剤、ウレタン樹脂、水溶性有機溶剤、ノニオン界面活性剤の含有量が、それぞれ1〜15質量%、0.1〜15質量%、1〜20質量%、10〜45質量%、0.01〜5質量%であり、残部が水である、上記1)に記載のインク組成物により染色された画像の摩擦堅牢度の向上方法。
4)
上記ウレタン樹脂がポリカーボネート系ウレタン樹脂である、上記1)又は3)に記載のインク組成物により染色された画像の摩擦堅牢度の向上方法。
5)
25℃において、表面張力が20〜40mN/m、粘度が2〜10mPa・sである、上記1)〜4)のいずれか一項に記載のインク組成物により染色された画像の摩擦堅牢度の向上方法。
上記の顔料としては、特に限定されるものではなく、公知の顔料が使用できる。顔料としては、無機顔料、有機顔料、体質顔料等が知られている。
カーボンブラックには種類があり、例えば、熱分解法により得られるサーマルブラック、アセチレンブラック;不完全燃焼法により得られるオイルファーネスブラック、ガスファーネスブラック、ランプブラック、ガスブラック、及びチャンネルブラック;等が挙げられる。
カーボンブラックの具体例としては、例えば、Raven760ULTRA、Raven780ULTRA、Raven790ULTRA、Raven1060ULTRA、Raven1080ULTRA、Raven1170、Raven1190ULTRA II、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven2500ULTRA、Raven3500、Raven5000ULTRA II、Raven5250、Raven5750、Raven7000(以上、コロンビア・カーボン社製);Monarch700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Regal1330R、Regal1400R、Regal1660R、Mogul L(以上、キャボット社製);Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、 Printex 140U、 Printex 140V、 SpecIal Black 4、SpecIal Black 4A、SpecIal Black 5、Special Black 6(以上、デグサ社製);MA7、MA8、MA100、MA600、MCF−88、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300(以上、三菱化学社製);等が挙げられる。
酸化チタンの具体例としては、例えば、DUAWHITE TCR−52、TITONE R−32、TIATONE R−7E、TITONE R−21、TITONE R−62N、TITONE R−42(以上、堺化学工業株式会社製);TIPAQUE CR−50、TIPAQUE CR−50−2、TIPAQUE CR−58、TIPAQUE CR−60、TIPAQUE CR−80、TIPAQUE CR−90(以上、石原産業株式会社製);TITANIX JA−600A、TITANIX JR−605(以上、テイカ株式会社製);ST−455、ST−455WB、ST−457SA、ST−457EC(以上、チタン工業株式会社製);等が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、24、55、73、74、75、83、93、94、95、97、98、108、114、128、129、138、139、150、151、154、155、180、185、193、199、202等のイエロー色の顔料;C.I.Pigment Red 5、7、12、48、48:1、57、88、112、122、123、146、149、166、168、177、178、179、184、185、202、206、207、254、255、257、260、264、272等のレッド色の顔料;C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、25、60、66、80等のブルー色の顔料;C.I.Pigment Violet 19、23、29、37、38、50等のバイオレット色の顔料;C.I.Pigment Orange13、16、36、34、43、68、69、71、73等のオレンジ〜ブラウン色の顔料;C.I.Pigment Green7、36、54等のグリーン色の顔料;C.I.Pigment Black 1等のブラック色の顔料;等が挙げられる。
さらに、染色物の色相調整のため、無機顔料及び有機顔料から選択される2種以上の顔料を併用することもできる。ここでいう色相調整は、濃淡をつけた染色物を得ること;染色の色域を広げること;等を目的として行われる。このような目的のためには、数種類の有機顔料を併用し、望みの色相に調整することができる。
高分子分散剤は、重合開始剤として上記式(1)で表される有機テルル化合物と上記式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物、又は上記式(1)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤及び上記式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物のいずれかを用いてリビングラジカル重合法により共重合して得られるA−Bブロックポリマーである。なおA−Bブロックポリマーとは、AポリマーとBポリマーが化学的に結合したポリマーを意味し、A、Bはそれぞれ異なるモノマーの重合ポリマーを意味する。
アリール基としては、フェニル、ナフチル等を挙げることができ、好ましくはフェニルを挙げることができる。
また、置換アリール基としては、置換基を有しているフェニル基、置換基を有しているナフチル基等を挙げることができる。該置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、−CORaで示されるカルボニル含有基(Ra=炭素原子数1乃至炭素原子数8のアルキル基、アリール基、炭素原子数1乃至炭素原子数8のアルコキシ基、アリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができ、好ましくは、トリフルオロメチル置換フェニル基を挙げることができる。これら置換基は、1個又は2個置換しているのが良く、パラ位若しくはオルト位で置換していることが好ましい。
さらに、芳香族へテロ環基としては、ピリジル基、ピロール基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
アシル基としては、ホルミル、アセチル、ベンゾイル等を挙げることができる。
アミド基としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、ベンズアミド、2−フルアミド等のカルボン酸アミド、チオアセトアミド、ヘキサンジチオアミド、チオベンズアミド、メタンチオスルホンアミド等のチオアミド、セレノアセトアミド、ヘキサンジセレノアミド、セレノベンズアミド、メタンセレノスルホンアミド等のセレノアミド、N−メチルアセトアミド、ベンズアニリド、シクロヘキサンカルボキサニリド、2,4’−ジクロロアセトアニリド等のN−置換アミド等を挙げることができる。
またオキシカルボニル基としては、−COORb(Rb=H、炭素原子数1乃至炭素原子数8のアルキル基、アリール基)で示される基を挙げることができ、具体的には、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニル、フェノキシカルボニル等を挙げることができる。このうち好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルを挙げることができる。
特に好ましくは、R1が、炭素原子数1乃至炭素原子数4のアルキル基を示し、R3及びR4が、水素原子又は炭素原子数1乃至炭素原子数4のアルキル基を示し、R5が、フェニル基、置換フェニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基で表される。
好ましくは、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジフェニルジテルリドである。
特に好ましくは、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリドが良い。
上記式(2)で表されるジテルリド化合物を使用する場合、重合開始剤として用いた上記式(1)で表される有機テルル化合物1molに対して好ましくは0.01乃至100mol、より好ましくは0.1乃至10mol、さらに好ましくは0.1乃至5molの割合で使用されることが望ましい。
例えば低温重合(40℃以下)の場合は2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、中温重合(40〜80℃)の場合は2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(MAIB)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、高温重合(80℃以上)の場合は1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)を用いるのが好ましい。
また水系溶剤を用いた反応では4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチルアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]を用いるのが好ましい。
式(3)中、R5は水素原子又は炭素数4の分岐を有してもよいアルキル基を表し、R6は水素原子またはメチル基を表す。また、R5が水素原子であり、R6がメチル基であるモノマー、又はR5がn−ブチル基であり、R6がメチル基であるモノマーである場合が好ましく、これら2種のモノマーが併用される場合が特に好ましい態様である。Bポリマーを構成するモノマーは、ベンジルメタクリレート及びベンジルアクリレートから選択される1種類以上のモノマーであり、より好ましくはベンジルメタクリレートであることが好ましい。
分限比=高分子分散剤/顔料
平均粒径は、例えばレーザ光散乱法を用いて測定することができる。
このような条件で分散を行うことにより、顔料の粒子サイズを小さくすることができ、分散性良好な分散液を得ることができる。また該分散液の調製後に、ろ過及び/又は遠心分離等により、粒子サイズの大きい顔料等の成分を除去することも好ましく行われる。また該分散液の調製時の泡立ち等を抑える目的で、上記のシリコーン系、アセチレングリコール系等の消泡剤を極微量添加しても良い。但し、消泡剤には、分散や微粒子化を阻害するもののあり、分散や分散後の安定性に影響を及ぼさないものを使用するのが好ましい。
上記ウレタン樹脂は、ラテックス(エマルション)の形で販売されていることも多く、容易に購入することができる。その具体例としては、例えば、パーマリンUA−150、200、310、368、
3945、ユーコートUX−320のラテックス(以上、三洋化成(株)製)、ハイドランWLS−
201、210、HW−312Bのラテックス(以上、DIC(株)製)、スーパーフレックス150、170、470(以上、第一工業製薬(株)製)等が挙げられ、その多くは固形分が30〜60%で樹脂を乳化した液体である。
ウレタン樹脂としては、上記に記述したいずれのラテックスも使用することができるが、中でもポリカーボネート系ウレタン樹脂を使用するのが好ましい。そのような樹脂の例としては、例えば、パーマリンUA−310、3945、ユーコートUX−320が挙げられ、ユーコートUX−320が好ましい。ウレタン樹脂は単一のものを使用してもよいし、2〜3種類を併用してもよい。
上記水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1−C4モノオール;エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のC2−C6ジオール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール、トリメチロールプロパン等のC3−C6トリオール;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の直鎖又は環状エーテル;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール等のジ若しくはトリC2−C3アルキレングリコール又はチオグリコール;テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(好ましくは分子量400、800、1540等の分子量が2000以下のもの)、ポリプロピレングリコール等の、繰り返し単位が4以上で、分子量が約20000以下程度のポリC2−C3アルキレングリコール(好ましくは液状のもの);ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン等のポリグリセリルエーテル;ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル等のポリオキシC2−C3アルキレンポリグリセリルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4アルキルエーテル;γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート等の環状エステル又はカーボネート;ジメチルスルホキシド;酢酸;等が挙げられる。
これらの中では、C2−C6ジオール(中では1,2−プロピレングリコール);C3−C6トリオール(中ではグリセリン);ポリグリセリルエーテル(中ではジグリセリン);及び、多価アルコールのC1−C4アルキルエーテル(中ではブチルカルビトール);が好ましい。
これらの水溶性有機溶剤は1種類を使用してもよく、また複数を併用してもよい。これらの中では、ポリグリセリルエーテル(好ましくはグリセリン及び/又はジグリセリン)と、C2−C6ジオール(好ましくはエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、より好ましくはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール)とを含有するのが好ましい。
上記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;日信化学社製 商品名サーフィノール104、105PG50、82、420、440、465、485、DF−110D、オルフィンSTG;ポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA−ALDRICH社製のTergItol15−S−7等);等が挙げられる。上記ノニオン界面活性剤は、単独又は混合して用いることができ、好ましくはサーフィノール系、より好ましくはサーフィノール420である。
顔料:通常1〜15%、好ましくは1〜10%、より好ましくは1〜7%。
高分子分散剤:通常0.1〜15%、好ましくは0.1〜9%、より好ましくは0.2〜6%。
ウレタン樹脂:通常1〜20%、好ましくは3〜15%、より好ましくは3〜12%。
水溶性有機溶剤:通常10〜45%、好ましくは15〜38%、より好ましくは20〜35%。
ノニオン界面活性剤:通常0.01〜5%、好ましくは0.05〜3%、より好ましくは0.1〜2.5%。
なお、上記以外の残部は水である。
有機ハロゲン系化合物の具体例としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。ピリジンオキシド系化合物の具体例としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。イソチアゾリン系化合物の具体例としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤の具体例としては、無水酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アーチケミカル社製、商品名プロクセルGXL(S)やプロクセルXL−2(S)等が挙げられる。
他の具体例としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有機酸のアルカリ金属塩;リン酸二ナトリウム等のリン酸塩;等が挙げられる。
ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする繊維が挙げられる。
セルロース繊維としては、綿、木綿、レーヨン、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維等が挙げられる。
ポリアミド繊維としては、ナイロン繊維等が挙げられる。
天然繊維としては、絹、羊毛等が挙げられる。
上記の繊維は単一素材の繊維であっても、これらの混紡繊維であってもよい。また、これらの繊維にインク受容層(滲み防止層)を設けたものでもよい。この繊維へのインク受容層の形成方法は公知公用の技術であり、インク受容層を有する繊維は市場から入手できる。また、公知公用の技術から適宜構成成分、形成方法等を選定し、該繊維にインク受容層を設けることもできる。該インク受容層はその機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。
スチーミング処理としては、例えば、高温スチーマーでは通常80〜250℃、好ましくは170〜180℃、通常10秒〜30分、好ましくは10分程度の処理で染着させることができる。この方法は、湿熱固着等と呼ばれることもある。
また、ベーキング(サーモゾル)処理としては、通常80〜250℃、好ましくは190〜210℃、通常10秒〜30分、好ましくは60〜180秒程度の処理で染着させることができる。この方法は、乾熱固着等と呼ばれることもある。
このようにして、上記インクジェット染色方法により染色された染色物が得られる。なお、染色物とは、上記インクジェット染色方法により染色された被記録材を意味する。
上記インクジェット捺染方法は、上記インク組成物中に含有する顔料の種類を選択してインクセットとして使用し、フルカラー捺染を行うことができる。例えば、上記イエロー、レッド、ブルー、及びブラックの4色のインクセットとして使用してもよいし、必要に応じて、グリーン、バイオレット、オレンジ〜ブラウン等の各色の顔料から適宜選択し、4色以上のインクセットとして使用することもできる。
また、貯蔵時の保存安定性が良好であり、仮にインク組成物中の水分等を失って、インク組成物を乾燥させてしまったときであっても、再分散性が極めて良好である。
また、繊維の染色において、滲みがなく高発色であり、フルカラー捺染において隣接した色が混ざらず高品質である。
また、染着後の各種の堅牢性、例えば汗等の各種の耐光性、耐水性、各種の洗濯堅牢性等にも優れる。
窒素置換したグローブボックス内で、攪拌機を備えたフラスコにメタクリル酸ベンジル(東京化成社製) 90g(511mmol)、BTEE 2.00g(6.67mmol)、DBDT 1.22g(3.33mmol)、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(商品名:AIBN、大塚化学社製、以下「AIBN」という) 0.33g(2.00mmol)及びメトキシプロパノール 90gを仕込み、60℃で16時間反応させた。重合率は99.6%、Mwは16,200、PDIは1.41であった。
得られた溶液に、メタクリル酸ブチル(東京化成社製) 45g(317mmol)、メタクリル酸(東京化成社製) 25g(290mmol)、AIBN 0.22g(1.33mmol)及びメトキシプロパノール 70gを加え、60℃で22時間反応させた。重合率は99.1%であった。
反応終了後、反応溶液をヘプタン 5L中に注ぎ、沈殿物を吸引ろ過、乾燥することにより、白色粉末状のブロック共重合体A 138.2g(収率86%)を得た。酸価は104であった。Mw及びPDIはブロック共重合体中のカルボン酸成分をメチルエステル化した後に測定し、Mwは24,300、PDIは1.49であった。
[調製例1]
合成例1で得た高分子分散剤(7部)を、2−ブタノン(20部)に溶解した。この溶液に、0.4部の水酸化ナトリウムをイオン交換水(50部)に溶解させた液を加え、1時間撹拌することにより乳化液を得た。得られた液にC.I.Pigment Red 122(クラリアント社製、Inkjet Magenta E02VP2621、22部)を加え、サンドグラインダーで1500rpmの条件下、15時間分散処理を行った。得られた液をイオン交換水で希釈し、分散用ビーズを濾別した。得られた母液中の2−ブタノン及び水の一部を、エバポレータで減圧留去して濃縮することにより、固形分12.0%の分散液を得た。これを「分散液1」とする。なお、水溶液中の固形分は、株式会社エイ・アンド・デイ社製、MS−70を用いて乾燥重量法により求めた。分散液1に含まれる顔料の平均粒子径は122nm、分散液の25℃における粘度は4.5mPa・sであった。
下記表1に記載の各成分を混合し、3μmのメンブランフィルタで夾雑物を濾別することにより、評価試験に用いる実施例1のインクを得た。インク中の樹脂の含有量は6%になるように調整した。
実施例で用いたウレタン樹脂の代わりに、スチレン−ブタジエン樹脂ラテックスであるJSR0568[JSR(株)製]を使用し、下記表1の各成分を混合することにより、評価試験に用いる比較例1のインクを調製した。インク中の樹脂の含有量は6%になるように調整した。
産業用のインクジェット捺染プリンタを用い、下記3種類の布帛に対して10秒間、実施例及び比較例のインク組成物をインクジェット捺染した。得られた布帛を180℃、35秒間の条件で熱プレス乾燥させることにより、試験布を調製した。
布帛1:
PETトロマット:ポリエステルの厚手の生地でハトメ穴加工、袋縫い加工が施されている布。
布帛2:
T/C混:ポリエステルと綿とを混紡した布。
布帛3:
綿ブロート(:綿生地の密度が高く、光沢がある平織り布。
上記のようにして得られた各試験布に対して、JIS L0849に規定の方法に従い、II型(学振型)試験機を用いて摩擦に対する染色堅牢度試験を実施した。乾摩擦はJIS L0849に規定される乾燥試験、湿摩擦はJIS L0849に規定される湿潤試験に則って試験し、汚染グレースケールを用いて評価した。
Claims (5)
- 顔料、水、高分子分散剤、ポリグリセリルエーテル及びC2−C6ジオールを含む水溶性有機溶剤、及びノニオン界面活性剤を含有するインクジェット捺染に用いるインク組成物に、さらにウレタン樹脂を含有させる、該インク組成物により染色された画像の摩擦堅牢度の向上方法。
- 上記の高分子分散剤が、重合開始剤として下記式(1)で表される有機テルル化合物と下記式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物、又は下記式(1)で表される有機テルル化合物、アゾ系重合開始剤及び下記式(2)で表される有機ジテルル化合物の混合物のいずれかを用いてリビングラジカル重合法により共重合して得られる、A及びBがそれぞれ異なるモノマーの重合ポリマーであるA−Bブロックポリマーであって、Aブロックを構成するモノマーが下記式(3)で表される1種類以上のモノマーであり、Bブロックを構成するモノマーがベンジルメタクリレート及び/又はベンジルアクリレートである、請求項1に記載のインク組成物により染色された画像の摩擦堅牢度の向上方法。
R1は、C1〜C8のアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。
R2及びR3は、水素原子又はC1〜C8のアルキル基を表す。
R4は、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を表す。)
R5は水素原子又は炭素数4の分岐を有してもよいアルキル基を表し、R6は水素原子またはメチル基を表す。) - 上記インク組成物の総質量中における、顔料、高分子分散剤、ウレタン樹脂、水溶性有機溶剤、ノニオン界面活性剤の含有量が、それぞれ1〜15質量%、0.1〜15質量%、1〜20質量%、10〜45質量%、0.01〜5質量%であり、残部が水である、請求項1に記載のインク組成物のにより染色された画像の摩擦堅牢度の向上方法。
- 上記ウレタン樹脂がポリカーボネート系ウレタン樹脂である、請求項1又は3に記載のインク組成物により染色された画像の摩擦堅牢度の向上方法。
- 25℃において、表面張力が20〜40mN/m、粘度が2〜10mPa・sである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物により染色された画像の摩擦堅牢度の向上方法。
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