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JP2017210096A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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竹中 雄一
Yuichi Takenaka
雄一 竹中
張替 紳也
Shinya Harikae
紳也 張替
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Abstract

【課題】高速耐久性及び耐疲労性が優れ、軽量化された空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤはトレッド部のカーカス層のタイヤ径方向の外側にベルト層と、ベルト層のタイヤ径方向の外側に、カバー層を有する。カバー層は、有機繊維コードが設けられており、有機繊維コードは芳香族系オキサジアゾール化合物を含む。芳香族系オキサジアゾール化合物は、耐熱温度が400℃であり、伸びが0〜2%の領域における芳香族系オキサジアゾール化合物の剛性Eoとナイロンの剛性Enの比Eo/Enで表される初期剛性比が4.5以上であり、破断伸びが10%以上であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、芳香族系オキサジアゾール化合物を含む有機繊維コードを用いたカバー層を有する空気入りタイヤに関し、特に、高速耐久性及び耐疲労性が優れた空気入りタイヤに関する。
従来から、乗用車用等の空気入りタイヤにおいて、高弾性特性を有する繊維コードを用いた高弾性ベルトカバー材を用いることにより、タイヤ回転に伴う遠心力によって生ずるクラウン部のせり上がり変形が抑制され、安定な接地形状が得られることが知られている。そして、安定した接地形状が実現されることから、高速耐久性及び高速操縦安定性の改善効果が得られることも知られている。高弾性特性を有する繊維コードとしては、種々のものが検討されている。例えば、特許文献1には、ベルト補強層(ベルトカバー材)に、アラミドとナイロンのハイブリッドコードを用いることが記載されている。
特開2006−193093号公報
カバー層(ベルトカバー材)の繊維コードにナイロンだけを用いた場合、走行時の発熱により、熱ダレを起こし、高速操縦安定性の低下を招く恐れがある。また、カバー層(ベルトカバー材)の繊維コードに、特許文献1に示されているアラミドコードとナイロンコードのハイブリッドコードを用いた場合、上述のナイロンの問題点は改善される。しかしながら、アラミドはナイロンに比して伸びず、十分な耐疲労性が得られない虞がある。タイヤの軽量化を目的として、カバー構造を変更した場合、高速走行時にタイヤにねじりが加わると、カバー層(ベルトカバー材)が繰り返しの圧縮応力を受け、ハイブリッドコードのアラミドコードが破断する可能性がある。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、高速耐久性及び耐疲労性が優れた空気入りタイヤを提供することにある。本発明の他の目的は、更に軽量化された空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、トレッド部のカーカス層のタイヤ径方向の外側にベルト層と、ベルト層のタイヤ径方向の外側に、カバー層を有する空気入りタイヤであって、カバー層は、有機繊維コードが設けられており、有機繊維コードは芳香族系オキサジアゾール化合物を含むことを特徴とする空気入りタイヤを提供するものである。
芳香族系オキサジアゾール化合物は、耐熱温度が400℃であり、伸びが0〜2%の領域における芳香族系オキサジアゾール化合物の剛性Eoとナイロンの剛性Enの比Eo/Enで表される初期剛性比が4.5以上であり、破断伸びが10%以上であることが好ましい。
カバー層の有機繊維コードは、芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーンとナイロンヤーンを少なくとも1本ずつ含み、芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーンとナイロンヤーンが撚り合わされた複合コードであることが好ましい。
また、カバー層の有機繊維コードは、上撚り係数が1200〜1600であることが好ましく、芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーンは、上撚り係数が1200〜1600であることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤによれば、高速耐久性及び耐疲労性が優れた空気入りタイヤを得ることができ、更には軽量化しても、高速耐久性及び耐疲労性が優れた空気入りタイヤを得ることができる。
本発明の実施形態の空気入りタイヤの第1の例の断面形状を示す断面図である。 (a)は本発明の実施形態の空気入りタイヤのカバー層の第1の例を示す模式的断面図であり、(b)は本発明の実施形態の空気入りタイヤのカバー層の第2の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態の空気入りタイヤの第2の例の断面形状を示す断面図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の空気入りタイヤを詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態の空気入りタイヤの第1の例の断面形状を示す断面図である。
図1に示す空気入りタイヤ(以下、単にタイヤともいう)10は、トレッド部12と、ショルダー部14と、サイドウォール部16と、ビード部18とを主な構成部分として有する。
なお、以下の説明において、図1中に矢印で示すように、タイヤ幅方向とは、タイヤの回転軸(図示せず)と平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、回転軸と直交する方向をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。
更に、タイヤ内側とは、タイヤ径方向において図1中タイヤの下側、すなわちタイヤに所定の内圧を与える空洞領域Rに面するタイヤ内面側をいい、タイヤ外側とは、図1中タイヤの上側、すなわち、タイヤ内周面と反対側の、ユーザが視認できるタイヤ外面側をいう。図1の符号CLは、タイヤ赤道面のことであり、タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ10の回転軸に直交するとともに、空気入りタイヤ10のタイヤ幅の中心を通る平面である。
タイヤ10は、カーカス層20と、ベルト層22と、カバー層24と、ビードコア28と、ビードフィラー30と、トレッド部12を構成するトレッドゴム層32と、サイドウォール部16を構成するサイドウォールゴム層34と、リムクッションゴム層36と、タイヤ内周面に設けられるインナーライナゴム層38とを主に有する。
トレッド部12には、タイヤ外側のトレッド面12aを構成する陸部12bと、トレッド面12aに形成されるトレッド溝12cとが設けられ、陸部12bは、トレッド溝12cによって区画される。トレッド溝12cは、タイヤ周方向に連続して形成される主溝とタイヤ幅方向に延在する複数のラグ溝(図示せず)を有する。トレッド面12aには、トレッド溝12cと陸部12bとによりトレッドパターンが形成される。
タイヤ10のタイヤ幅方向における最大幅Wmは、タイヤサイド39のタイヤ幅方向における最大長さを示す位置である最大幅位置39a間の距離のことである。タイヤの最大幅位置39aを中心としてタイヤ径方向にタイヤ断面高さSHの±30(%)の範囲内にある領域をサイドトレッドという。
ビード部18には、カーカス層20を折り返し、タイヤ10をホイールに固定するために機能する左右一対のビードコア28と、ビードコア28に接するようにビードフィラー30が設けられている。そのため、ビードコア28及びにビードフィラー30は、カーカス層20の本体部20aと折り返し部20bとで挟み込まれている。
カーカス層20は、タイヤ幅方向に、トレッド部12に対応する部分から、ショルダー部14及びサイドウォール部16に対応する部分を経てビード部18まで延在してタイヤ10の骨格をなすものである。
カーカス層20は、補強コードが配列され、コードコーティングゴムで被覆された構成である。カーカス層20は、左右一対のビードコア28にタイヤ内側からタイヤ外側に折り返され、サイドウォール部16の領域で端部Aを成しており、ビードコア28を境とする本体部20aと折り返し部20bとから構成されている。すなわち、本実施形態においては、カーカス層20が1層、左右一対のビード部18間に装架されている。カーカス層20の数は1層に限定されるものではなく、構造及び用途に応じて複数層あってもよい。カーカス層20は、軽量化の観点から1層構造(1プライ)であることが好ましい。
また、カーカス層20は、1つのシート材で構成されても、複数のシート材で構成されてもよい。複数のシート材で構成する場合、カーカス層20は継部(スプライス部)を有することになる。
カーカス層20の有機繊維コードは、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、レーヨン又はナイロン等で形成されるものである。
カーカス層20のコードコーティングゴムとしては、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)から選ばれた1種類又は複数種類のゴムが好ましく用いられる。また、これらのゴムを窒素、酸素、フッ素、塩素、ケイ素、リン、又は硫黄等の元素を含む官能基、例えば、アミン、アミド、ヒドロキシル、エステル、ケトン、シロキシ、若しくはアルキルシリル等により末端変性したもの、又はエポキシにより末端変性したものを用いることができる。
これらゴムに配合するカーボンブラックとしては、例えば、ヨウ素吸着量が20〜100(g/kg)、好ましくは20〜50(g/kg)であり、DBP吸収量が50〜135(cm/100g)、好ましくは50〜100(cm/100g)であり、かつCTAB吸着比表面積が30〜90(m/g)、好ましくは30〜45(m/g)であるものが用いられる。
また、使用する硫黄の量は、例えば、ゴム100質量部に対して1.5〜4.0質量部であり、好ましくは2.0〜3.0質量部である。
ベルト層22は、タイヤ周方向に貼り付けられ、カーカス層20を補強するための補強層である。ベルト層22はカーカス層20のタイヤ径方向の外側に設けられている。このベルト層22は、トレッド部12に対応する部分に設けられ、内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bを有する。
内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、その補強コードが層間で互いに交差するように配置されている。内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、補強コードが、例えば、スチールコードであり、上述のコードコーティングゴム等で被覆して構成されている。
内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、補強コードのタイヤ周方向に対するコード角度が、例えば、24〜35°であり、好ましくは27〜33°である。これにより、高速耐久性を向上させることができる。
ベルト層22の内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、いずれも補強コードがスチールコードであることに限定されるものではなく、いずれか一方のみにスチールベルトを適用しても良いし、少なくとも一方を、ポリエステル、ナイロン、芳香族ポリアミド等からなる有機繊維コード等からなる従来公知の補強コードとしても良い。
タイヤ10には、ベルト層22の最上層である外側ベルト層22b上に、すなわち、ベルト層22のタイヤ径方向の外側に、ベルト層22の補強を行うカバー層24がタイヤ周方向に配置されている。
カバー層24は、後に詳細に説明するが、補強コードとして、例えば、1本又は複数本の有機繊維コードが引き揃えられ、上述のコードコーティングゴム等で被覆された帯状部材である。カバー層24は、帯状部材をタイヤ周方向に螺旋状に巻き回すことで構成されたタイヤ周方向のカバー層である。カバー層24は、タイヤ周方向に螺旋状に配置されている。
図1に示すカバー層24は、例えば、ベルト層22の端部22eを含め、ベルト層22をタイヤ幅方向に端から端まで覆う構成、いわゆるフルカバーと呼ばれるものである。なお、カバー層24は、フルカバーを複数積層した構成でもよく、すなわち、カバー層24を複数積層した構成でもよい。更には、カバー層24としては、エッジショルダーとフルカバーとを組み合わせた構成でもよい。
カバー層24の有機繊維コードは、以下に説明する芳香族系オキサジアゾール化合物を含む。例えば、有機繊維コードとしては、芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーンを少なくとも1本含む複合コードが用いられる。
次に、カバー層24についてより具体的に説明する。図2(a)は本発明の実施形態の空気入りタイヤのカバー層の第1の例を示す模式的断面図であり、(b)は本発明の実施形態の空気入りタイヤのカバー層の第2の例を示す模式的断面図である。
カバー層24は、ゴム層50と、有機繊維コードとして複数本の複合コード54を有し、複数本の複合コード54が引き揃えて配列されてゴム層50に被覆された帯状部材である。例えば、ゴム層50は上述のコードコーティングゴムで構成される。
複合コード54は、例えば、図2(a)に示すように、1本のナイロン繊維ヤーン56と、1本の芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーン58とを撚り合せた2本撚り構成である。この場合、撚り方は、特に限定されるものではない。2本撚り構成の複合コード54とすることで、耐疲労性を確保することができる。また、カバー層24の薄ゲージ化が可能となり発熱を抑制することもできる。
また、図2(b)に示すように、1本のナイロン繊維ヤーン56と、2本の芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーン58とを撚り合せた3本撚り構成の複合コード55でもよい。この場合も、撚り方は、特に限定されるものではない。3本撚り構成の複合コード55とすることで、複合コードの形態が安定化され、複合コードの耐疲労性をより一層改善することができる。これにより、タイヤ耐久性を高くすることができる。
なお、複合コードの構成は、芳香族系オキサジアゾール化合物を含む構成であればよく、図2(a)、(b)に示す構成に限定されるものではない。
芳香族系オキサジアゾール化合物コードは、上撚り係数Kが1200〜1600であることが好ましい。上撚り係数Kを1200〜1600とすることで、芳香族系オキサジアゾール化合物コードの剛性を確保し、高速耐久性を確保することができ好ましい。
また、複合コード54、55の場合には、芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーン58の上撚り係数Kが1200〜1600であることが好ましい。
上撚り係数Kは、K=N×D1/2で表されるものである。ここで、Nは撚り数(回/10cm)、Dは総繊度(dtex)である。上撚り係数Kの単位は(回・(dtex)1/2)/10cmである。
タイヤ10では、カバー層24の有機繊維コードを、例えば、上述の複合コード54(図2(a)参照)、複合コード55(図2(b)参照)の芳香族系オキサジアゾール化合物を含むものとすることにより、高速耐久性及び耐疲労性が優れる。更にはタイヤ10を軽量化することもできる。
なお、タイヤ10は、加硫工程を含む一般的な製造方法で製造することができる。
次に、空気入りタイヤの第2の例について説明する。
図3は本発明の実施形態の空気入りタイヤの第2の例の断面形状を示す断面図である。
図3において、図1に示す空気入りタイヤ10並びに図2(a)及び(c)に示すカバー層24と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図3の空気入りタイヤ10a(以下、単にタイヤ10aという)は、カバー層60の構成が異なる以外、図1に示す空気入りタイヤ10と同じ構成である。
図3のタイヤ10aは、カバー層60が、フルカバー層60aとエッジカバー層60bを有するものである。
フルカバー層60aは上述のカバー層24と同じ構成である。エッジカバー層60bは、カバー層24と同じである。エッジカバー層60bは、ベルト層22全域ではなく、ベルト層22の両方の端部22eを含む領域だけを覆うものである。エッジカバー層60bは、カバー層24と配置形態が異なるだけで、構成はカバー層24と同じである。
図3に示すタイヤ10aは、上述の図1に示すタイヤ10と同様に、高速耐久性及び耐疲労性が優れ、かつタイヤ10aを軽量化することもできる。なお、タイヤ10aは、加硫工程を含む一般的な製造方法で製造することができる。
次に、芳香族系オキサジアゾール化合物コードについて説明する。芳香族系オキサジアゾール化合物コードには、芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーンも含まれる。
芳香族系オキサジアゾール化合物コードは、下記に示す一般構造式で表されるオキサジアゾール芳香族で構成される。
芳香族系オキサジアゾール化合物コードは、耐熱温度が400℃であることが好ましい。耐熱温度が400℃であれば、十分な耐熱性が得られ、高速走行時のタイヤの発熱による剛性低下が抑制されるため好ましい。
芳香族系オキサジアゾール化合物コードは、温度120℃での剛性E(120℃)と温度25℃での剛性E(25℃)の剛性比E(120℃)/E(25℃)が0.7〜0.9であることが好ましい。剛性比E(120℃)/E(25℃)を0.7〜0.9とすることにより、高速走行時の操縦安定性を確保することができる。
温度120℃での剛性E(120℃)と温度25℃での剛性E(25℃)は、温度以外は同じ測定条件で、芳香族系オキサジアゾール化合物コードについて強度(cN/dtex)と伸びの関係を求めることで得ることができる。芳香族系オキサジアゾール化合物コードの強度(cN/dtex)と伸びの関係に基づき、温度25℃での最大の強度を剛性E(25℃)とし、温度120℃での最大の強度を剛性E(120℃)とする。
芳香族系オキサジアゾール化合物コードは、破断伸びが10%以上であることが好ましい。破断伸びが10%以上であれば、耐疲労性を確保することができる。一方、破断伸びが10%未満であると耐疲労性が悪化する虞がある。
なお、アラミド繊維は破断伸びが3%程度である。
破断伸びについては、温度20℃で、芳香族系オキサジアゾール化合物コードについて強度(cN/dtex)と伸びの関係を求める際に、芳香族系オキサジアゾール化合物コードが破断する迄の強度を求めることにより、破断伸びを得ることができる。
伸びが0〜2%の領域における芳香族系オキサジアゾール化合物の剛性Eoとナイロンの剛性Enの比Eo/Enで表される初期剛性比が4.5以上であることが好ましい。初期剛性比を4.5以上とすることで、高速耐久性を確保することができる。
初期剛性比は、芳香族系オキサジアゾール化合物コード及びナイロンコードについて、それぞれ同じ測定条件で強度(cN/dtex)と伸びの関係を求める。芳香族系オキサジアゾール化合物コード及びナイロンコードの各強度(cN/dtex)と伸びの関係を用いて、伸びが0〜2%の領域における、芳香族系オキサジアゾール化合物の剛性Eoとナイロンの剛性Enを求める。剛性Eoと剛性Enは、伸びが0〜2%の領域における強度(cN/dtex)に相当する。なお、ナイロンコードは、ナイロン66で構成されたものである。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明の空気入りタイヤの実施例について、具体的に説明する。
本実施例においては、複数本の有機繊維コードが配置されたカバー層を有する、下記表1に示す構成の実施例1〜実施例4、並びに基準例、比較例1及び比較例2の空気入りタイヤ(以下、単にタイヤという)を作製し、各タイヤについて、タイヤ質量、コード疲労性及び高速耐久性を評価した。タイヤ質量、コード疲労性及び高速耐久性の評価結果を下記表1に示す。
なお、実施例1〜実施例4、並びに基準例、比較例1及び比較例2では、タイヤサイズを285/35R18 97Yとし、カバー層の有機繊維コードの配置は全て同じにした。
下記表1の「有機繊維コード材質」の欄にカバー層の有機繊維コードの素材を示す。芳香族系オキサジアゾール化合物の耐熱温度は400℃である。
下記表1の「有機繊維コード構造」の欄において、「/1」は単糸を示し、「/2」は2本撚ったものであることを示す。「/1」と「/2」が記載されているものは、その合計数3本撚ったものであることを示す。
下記表1の「カバー構造」の欄において、「JF」はカバー層が図1に示すフルカバーの構成であることを示し、「JEF」はカバー層が図3に示すフルカバーとエッジカバーを有する構成であることを示す。
次に、タイヤ質量、コード疲労性及び高速耐久性について説明する。
タイヤ質量は、以下のようにして測定して、評価した。
タイヤ質量については、実施例1〜実施例4、並びに基準例、比較例1及び比較例2の各タイヤの質量を測定した。タイヤ質量は、基準例のタイヤの質量を100として、実施例1〜実施例4、並びに基準例、比較例1及び比較例2の各タイヤの質量を表した指数である。下記表1の「タイヤ質量」は数値が小さい程、軽いことを示す。
コード疲労性は、以下のようにして測定して、評価した。
コード疲労性については、まず、高速耐久性を評価した後、タイヤから有機繊維コードを取り出し、引張試験を行い強度を求めた。新品の有機繊維コードについても、高速耐久性を評価した有機繊維コードと同じ条件で引張試験を行い強度を求めた。高速耐久性を評価した有機繊維コードの強度と新品の有機繊維コードの強度の比を求め、強力保持率を得た。この強力保持率に基づいてコード疲労性を評価した。
コード疲労性については、基準例の強力保持率を100として指数表示した。下記表1の「コード疲労性」は数値が大きい程、強力保持率が高く、高速耐久性に優れることを示す。
高速耐久性は、以下のようにして測定して、評価した。
高速耐久性は、実施例1〜実施例4、並びに基準例、比較例1及び比較例2の各タイヤを、サイズが18×10Jのリムに組み込み、試験内圧220kPaでインフレートさせる。その後、ドラム表面が平滑な鋼性でかつ直径1707mmのドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、各タイヤについて、走行速度120km/h、荷重JATMA最大荷重の88%条件下で20分間走行させる。完走したら引き続き速度を10km/h上げて20分間走行させる。このようにして速度上昇と20分間走行を中断することなく繰返して,タイヤが破壊するまで試験を続ける。高速耐久性については、破壊までの総走行距離を、基準例を100として指数表示した。下記表1の「高速耐久性」は数値が大きい程、高速耐久性に優れることを示す。
上記表1に示す実施例1〜実施例4の各タイヤは、タイヤ質量、コード疲労性及び高速耐久性について良好な結果が得られた。特にコード疲労性が高い。構造が同じ実施例2、3では、上撚り係数が適正な値である実施例3の方が高速耐久性がより優れていた。実施例4は1本のナイロン66繊維ヤーンと2本の芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーンを用いた3本撚りの複合コードである。実施例4は、コード疲労性及び高速耐久性がより優れていた。
基準例は、ナイロン66繊維ヤーンとアラミド繊維ヤーンの2本撚りの複合コードを用いたものである。
比較例1は、ナイロン66繊維ヤーンとアラミド繊維ヤーンの2本撚りの複合コードである。比較例1はコード疲労性が劣った。
比較例2は、ナイロン66繊維だけを用いたものであり、高速耐久性が劣った。
10、10a 空気入りタイヤ(タイヤ)
12 トレッド部
14 ショルダー部
16 サイドウォール部
18 ビード部
20 カーカス層
22 ベルト層
22a 内側ベルト層
22b 外側ベルト層
24 カバー層
28 ビードコア
30 ビードフィラー
32 トレッドゴム層
34 サイドウォールゴム層
36 リムクッションゴム層
38 インナーライナゴム層
50 ゴム層
54、55 複合コード
56 ナイロン繊維ヤーン
58 芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーン

Claims (5)

  1. トレッド部のカーカス層のタイヤ径方向の外側にベルト層と、前記ベルト層の前記タイヤ径方向の外側に、カバー層を有する空気入りタイヤであって、
    前記カバー層は、有機繊維コードが設けられており、
    前記有機繊維コードは芳香族系オキサジアゾール化合物を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記芳香族系オキサジアゾール化合物は、耐熱温度が400℃であり、伸びが0〜2%の領域における前記芳香族系オキサジアゾール化合物の剛性Eoとナイロンの剛性Enの比Eo/Enで表される初期剛性比が4.5以上であり、破断伸びが10%以上である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カバー層の前記有機繊維コードは、芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーンとナイロンヤーンを少なくとも1本ずつ含み、前記芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーンと前記ナイロンヤーンが撚り合わされた複合コードである請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記カバー層の前記有機繊維コードは、上撚り係数が1200〜1600である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記芳香族系オキサジアゾール化合物ヤーンは、上撚り係数が1200〜1600である請求項3に記載の空気入りタイヤ。
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