JP2017201192A - 減速装置および光学機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の減速装置1は、第1軸線A1を中心として回転する第1回転体10と、前記第1回転体10の周りに配置され、前記第1回転体10の回転によって、前記第1軸線A1を中心として公転するとともに、各々の軸線である第2軸線A2を中心として自転する複数の第2回転体20と、前記第2回転体20における前記第2軸線A2に沿って回転する回転部23A,23Bが挿入される挿入孔301,311が形成された保持部31A,31Bを有し、前記第2回転体20の公転によって、第1軸線A1を中心として回転する第3回転体30と、前記挿入孔301,311の内周と前記回転部23の外周との間に配置され、前記保持部31A,31B及び前記回転部23と異なる線膨張率を有する円筒部材204,314と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明の光学機器は、駆動力を発生するアクチュエータと、前記駆動力をレンズに伝達して駆動する駆動部と、を有し、上述の減速装置を、前記駆動部と前記アクチュエータとの間に備える構成とした。
図1は、実施形態の減速装置1の概略断面図である。図2は図1の領域S1の拡大図である。図3は図1の領域S2の拡大図である。
さらに、減速装置1は、太陽ローラ10および遊星ローラ20の外周を覆う有底円筒形であって、出力軸30が挿通する出力軸挿通孔41が設けられた外殻部40と、外殻部40の上部の開口部42を覆うとともに太陽ローラ10が挿通する太陽ローラ挿通孔58が設けられた蓋部50とを備える。
なお、本明細書において、図1における蓋部50側を上、外殻部40の底部44側を下として説明する。
太陽ローラ10は、上述のように蓋部50の太陽ローラ挿通孔58を挿通している。
太陽ローラ10は、蓋部50の上部における太陽ローラ挿通孔58の外周に取り付けられた第1軸受54によって、太陽軸線A1を中心として回転可能かつ径方向に移動不能に支持されている。
太陽ローラ10の鍔部11は、後述する蓋部50のバネ力によって、回転ロール52を挟持した状態でスラスト方向に加圧され、かつ、回転ロール52によって回転可能となっている。
なお、太陽ローラ10を蓋部50に対して回転可能かつスラスト方向に加圧する構造は、実施形態の回転ロール52に限定されず、たとえば、すべり方式であっても良い。
大径部10aと小径部10bとの間には、径が徐々に変化する斜面(テーパ)が設けられている。この斜面は、図1および図2に示す断面において、太陽軸線A1に対して所定角度で傾いた直線状で、遊星ローラ20と接触する太陽側接触部12となっている。
遊星ローラ20は、図1に示すように断面T字型のT字状部24と、T字状部24の中心軸線に沿って上方向に突出した遊星回転軸上部23Aと、下方向に突出した遊星回転軸下部23Bとが一体になった形状である。
遊星ローラ20のT字状部24は、大環部21と、大環部21の下部に設けられた小環部22とを有する。
円環部材60は、図1に示す断面において、矩形の角部が斜めに切断されたような5角形の形状であり、外周は外殻部40の円筒部43の内周と接触している。
円環部材60の内径側の上方の角部は、図1および図3に示す断面において太陽軸線A1に対して所定角度で傾いた直線状となるよう斜面(テーパ)で、遊星側第2接触部22aと接触する外殻側接触部61となっている。
蓋部50の縁部近傍には、ねじ56を挿入する孔57が設けられ、蓋部50を外殻部40に装着する際には、段部45,55を係合させることにより蓋部50を位置決めし、孔57にねじ56を挿入する。
外殻部40の上部には、ねじ孔46が設けられており、ねじ56をそのねじ孔46に螺合することにより、蓋部50は外殻部40に固定される。
なお、本実施形態では上板部53をバネ部材で製造し、減速装置1の組み上げ時に加圧力が作用する構造としたが、加圧力を発生させる構造はこれに限定されず、遊星ローラ20、遊星ローラ保持部31、若しくは太陽ローラ10にスラスト加圧用コイルばねを設置することで実現してもよい。
いずれの加圧力も、蓋部50を締結することで作用する構造とすることが好ましい。
出力部32は、太陽ローラ10に連結された不図示のアクチュエータからの回転駆動力を伝達する伝達機構に連結される。伝達機構は、回転駆動力を直進駆動力として伝達し、たとえばレンズ群を直進駆動することに用いられる。
なお、遊星ローラ20、連結円柱部材305は4つ以上設けてもよい。例えば、遊星ローラ20または連結円柱部材305をn個設ける場合、軸線A1周りの配置間隔は(360°/n)の角度で均等に配置することができる。対応して設けられる遊星回転軸上部挿通孔301、連結円柱上部挿通孔303も同様である。
ここで第1円筒部材304は滑り軸受けであり、第1円筒部材304の内面と遊星回転軸上部23Aの外面との間の摩擦係数は小さい。したがって遊星ローラ20は、第1円筒部材304によって径方向の移動は制限されるが、第1円筒部材304の内部の回転は滑らかに行われる。
また、遊星回転軸上部23Aにおける遊星回転軸上部挿通孔301に挿通される部分から下方に向かって、径が増加し、第1円筒部材304が下方に落下しないようになっている。
この場合、第1円筒部材304が外挿された状態の遊星ローラ20の径方向の移動は、遊星回転軸上部挿通孔301の内面によって制限されるが、遊星回転軸上部挿通孔301の内部での第1円筒部材304が外挿された状態の遊星ローラ20の回転は滑らかに行われる。
遊星回転軸下部挿通孔311は、出力軸線A3の周りに120°の間隔で均等に3つ設けられている。連結円柱下部挿通孔313は、軸線A1の周りに120°の間隔で、遊星回転軸下部挿通孔311の間に均等に3つ設けられている。
遊星回転軸下部挿通孔311の内面と、遊星回転軸下部23Bの外面との間には、第2円筒部材314(ブッシュライナー)が配置されている。
ここで、第2円筒部材314は滑り軸受けであり、第2円筒部材314の内面と遊星回転軸下部23Bの外面との間の摩擦係数は小さい。したがって遊星ローラ20は、第2円筒部材314によって径方向の移動は制限されるが、第2円筒部材314の内部の回転は滑らかに行われる。
なお、例えば第2円筒部材314の下部を保持する突起を遊星回転軸下部23Bに設ける等の、第2円筒部材314が下部遊星ローラ保持部31Bの遊星回転軸下部挿通孔311から下方に落下しないような機構が設けられていることが好ましい。
そして、遊星ローラ20が太陽ローラ10に対して接する接触部(遊星側第1接触部21a)において、その接触部に接する接線L1は、太陽側接触部12に沿うので、接線L1は太陽軸線A1に対して傾くことになる。
また、遊星ローラ20の大環部21の遊星側第1接触部21aの曲率は、バネ部によるたわみ半径相当のr12(図1に図示)より小さいことが好ましい。これにより、r12相当部分で生じるたわみのため、遊星側第1接触部21aおよび太陽側接触部12の位置がずれることで生じる減速比のドリフトや周期内変動を抑えやすくなる。
さらに、この遊星ローラ20の大環部21の遊星側第1接触部21aにおいて接する接線の方向が、相手側の太陽ローラ10の太陽側接触部12と平行になることが好ましい。
そして、遊星ローラ20の円環部材60に対する接触部(遊星側第2接触部22a)において、その接触部と接する接線L2は、外殻側折衝部61に沿うので、太陽軸線A1に対して傾いている。
また、遊星ローラ20の内歯相当ローラ部の、遊星ローラ20の小環部22の遊星側第2接触部22aの曲率が、バネ部によるたわみ半径相当のr24(図1に図示)より小さいことが好ましい。これにより、r24相当部分で生じるたわみのため、遊星側第2接触部22aおよび小環部22の位置がずれることで生じる減速比のドリフトや周期内変動を抑えやすくなる。
また、この遊星ローラ20の小環部22の遊星側第2接触部22aにおいて接する接線の方向が、相手側の円環部材60の外殻側接触部61と平行になることが好ましい。
r1:太陽ローラ10の太陽側接触部12の太陽軸線A1からの距離
r2:遊星ローラ20の遊星側第1接触部21aの遊星軸線A2からの距離
r2’:遊星ローラ20の遊星側第2接触部22aの遊星軸線A2からの距離
r4:遊星ローラ20の外殻側接触部61の太陽軸線A1からの距離
θ1:太陽ローラ10の太陽軸線A1を中心とした自転回転角度
θ2:遊星ローラ20の遊星軸線A2を中心とした自転回転角度
θ4:遊星ローラ20の太陽軸線A1を中心とした公転回転角度
である。
r1=0.2mm、r2=0.8mm、r2’=0.2mm、r4=1.2mm のとき、減速比:θ4/θ1=0.2/0.8*0.2/1.2=1/24となる。
r1=0.4mm、r2=1.2mm、r2’=0.2mm、r4=1.8mm のとき、減速比:θ4/θ1=0.4/1.2*0.2/1.8=1/3*1/9=1/27となる。
r1=0.6mm、r2=1.8mm、r2’=0.4mm、r4=2.8mm のとき、減速比:θ4/θ1=0.6/1.8*0.4/2.8=1/3*1/7=1/21となる。
r1=0.4mm、r2=1.6mm、r2’=0.4mm、r4=2.4mm のとき、減速比:θ4/θ1=1/24となる。
(1)まず、下部遊星ローラ保持部31Bに設けられた遊星回転軸下部挿通孔311に、遊星ローラ20の遊星回転軸下部23Bを挿入する。その際、遊星回転軸下部挿通孔311の内面と遊星回転軸下部23Bの外面との間に、第2円筒部材314が配置されている。
ここで、遊星回転軸上部挿通孔301の内面と、遊星回転軸上部23Aの外面との間には、第1円筒部材304が配置されている。
そうすると、遊星ローラ20の遊星側第2接触部22aは、円環部材60の外殻側接触部61と接触する。
出力軸30は第2軸受47によって、外殻部40の底部44に回転可能に支持され、出力軸30の出力軸線A3は外殻部40の中心に配置される。
このとき、外殻側接触部61は、太陽軸線A1に対して所定角度で傾いた直線状となる斜面であり、遊星側第2接触部22aは、断面が真円、楕円の円弧状等の曲線状に形成されているので、外殻側接触部61と遊星側第2接触部22aとは面接触せず、点接触する。
太陽ローラ10は、第1軸受54によって、蓋部50に回転可能に保持される。また、太陽ローラ10の鍔部11と蓋部50とは、回転ロール52を挟んで対向配置される。
なお、本実施形態では、外殻部40および蓋部50の内側に段部45,55を設けたが、これに限定されず、たとえば外側に端部を設けても良い。
このとき、太陽側接触部12は、太陽軸線A1に対して所定角度で傾いた直線状となる斜面であり、遊星側第1接触部21aは、断面が真円、楕円の円弧状等の曲線状に形成されているので、太陽側接触部12と遊星側第1接触部21aとは面接触せず、点接触する。
太陽ローラ10が図示しない駆動装置により回転すると、この回転力は、遊星ローラ20に伝達される。
遊星ローラ20は、上部遊星ローラ保持部31A及び下部遊星ローラ保持部31Bに各自の遊星軸線A2を中心として自転しつつ、太陽ローラ10の太陽軸線A1を中心として公転する。
この際、遊星ローラ20は、遊星回転軸上部挿通孔301及び、遊星回転軸下部挿通孔311の中を自転しつつ、上部遊星ローラ保持部31A及び下部遊星ローラ保持部31Bとともに公転する。
(1)本実施形態によると、例えば、低温時において、樹脂性の上部遊星ローラ保持部31A及び下部遊星ローラ保持部31Bは収縮する。そうすると、上部遊星ローラ保持部31A及び下部遊星ローラ保持部31Bの遊星回転軸上部挿通孔301及び遊星回転軸下部挿通孔311は径が小さくなる。
例えば、組み立て時において、下部遊星ローラ保持部31Bの遊星回転軸下部挿通孔311に、遊星ローラ20の遊星回転軸下部23Bを挿入し、遊星回転軸下部23Bに下部遊星ローラ保持部31Bを取り付ける場合等において、全てが金属部材の場合、はめあい精度が厳しい場合には、接触摩擦力や部材干渉により組み立てられない可能性がある。
しかし、第1円筒部材304及び第2円筒部材314が薄型の樹脂製部材の場合、樹脂は金属に比べて弾性率が小さいので、はめあい精度が厳しい場合でも組み立て可能である。すなわち、はめあい精度が厳しい場合でも接触摩擦力や部品干渉を薄型の樹脂製部材の弾性変形により緩和させることで組立不良を減らすことが出来る。
したがって、下方への加圧力は、遊星ローラ20を太陽軸線A1および遊星軸線A2に対して垂直な方向に押す分力を生じる。
これによって、太陽ローラ10が回転したときに、摩擦力によって遊星ローラ20を回転することができる。
垂直方向の加圧力を調整することで、遊星ローラ20を回転するための加圧力を調整することができるので、遊星ローラ20を回転するための加圧力を付与する構成をコンパクト化することができる。
面接触の場合、圧力が小さくなるので、滑り等により回転力がうまく伝わらない可能性があるが、本実施形態によると点接触であるので、加圧力が集中し、面圧が大きくなるので、力が伝達しやすい。
図7は第2実施形態の減速装置100を示す図である。減速装置100が減速装置1と異なる点は、太陽ローラ101にコイルばね102が配置されている点である。その他の構成については第1実施形態の減速装置1と同様であるので説明を省略する。
例えば、本実施形態では、太陽ローラ10及び遊星ローラ20とを用いた構成について説明したが、これに限らず太陽ギア及び遊星ギアとを用いた構成であってもよい。
カメラ201は、撮像素子202を有するカメラボディ203と、レンズ群を有するレンズ鏡筒204とを備えている。
モータ208は、超音波モータやステッピングモータ等のアクチュエータが用いられ、カメラ201の焦点調節動作時にレンズ保持枠205を駆動する駆動源として用いられる。モータ208の回転軸は減速装置1の太陽ローラ10に連結されており、減速装置1の出力軸30にはギア207が取り付けられている。ギア207は、カム筒206の外周に設けられた外歯ギアに噛み合っている。
以上のような構成により、モータ208から得られた回転駆動力は、減速装置1、ギア207を介してカム筒206に伝えられ、カム筒206が回転することによりレンズ保持枠205が矢印O方向に移動する。このようにして、レンズ群205aも矢印O方向に移動し、焦点調節動作がなされる。
Claims (5)
- 第1軸線を中心として回転する第1回転体と、
前記第1回転体の周りに配置され、前記第1回転体の回転によって、前記第1軸線を中心として公転するとともに、各々の軸線である第2軸線を中心として自転する複数の第2回転体と、
前記第2回転体における前記第2軸線に沿って回転する回転部が挿入される挿入孔が設けられた保持部を有し、前記第2回転体の公転によって、第1軸線を中心として回転する第3回転体と、
前記挿入孔の内周と前記回転部の外周との間に配置され、前記保持部及び前記回転部と異なる線膨張率を有する円筒部材と、
を備える減速装置。 - 請求項1に記載の減速装置において、
前記円筒部材の線膨張率は、前記保持部及び前記回転部の線膨張率より小さい減速装置。 - 請求項2に記載の減速装置において、
前記円筒部材は金属であり、前記保持部及び前記回転部は樹脂である減速装置。 - 請求項1に記載の減速装置において、
前記円筒部材の弾性率は、前記保持部及び前記回転部の弾性率より大きい減速装置。 - 駆動力を発生するアクチュエータと、
前記駆動力をレンズに伝達して駆動する駆動部と、を有し、
請求項1から4のいずれか1項に記載の減速装置を、前記駆動部と前記アクチュエータとの間に備える光学機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016093136A JP2017201192A (ja) | 2016-05-06 | 2016-05-06 | 減速装置および光学機器 |
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JP2016093136A JP2017201192A (ja) | 2016-05-06 | 2016-05-06 | 減速装置および光学機器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20190119379A (ko) * | 2018-04-12 | 2019-10-22 | 엘지이노텍 주식회사 | 렌즈 어셈블리 |
WO2020144969A1 (ja) * | 2019-01-08 | 2020-07-16 | ソニー株式会社 | 制御装置、レンズ鏡筒、および撮像装置 |
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2016
- 2016-05-06 JP JP2016093136A patent/JP2017201192A/ja active Pending
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