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JP2017134907A - 車両用灯具 - Google Patents

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JP2017134907A
JP2017134907A JP2016011546A JP2016011546A JP2017134907A JP 2017134907 A JP2017134907 A JP 2017134907A JP 2016011546 A JP2016011546 A JP 2016011546A JP 2016011546 A JP2016011546 A JP 2016011546A JP 2017134907 A JP2017134907 A JP 2017134907A
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真也 星野
Shinya Hoshino
真也 星野
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Abstract

【課題】 適切な範囲をマスクすることができる車両用灯具を提供する。
【解決手段】 車両用灯具10は、第1灯具ユニット11、第2灯具ユニット12を備える。第1灯具ユニット11の上励起光源21から照射されたレーザ光は、仮想鉛直スクリーンSの第1走査範囲SR1で走査される。仮想鉛直スクリーンSは、全部で160個のブロックに分割されており、各ブロックのサイズは、上励起光源21から照射されたレーザ光のマスク可能なブロックのサイズである。第2灯具ユニット12の上励起光源41から照射されたレーザ光は、仮想鉛直スクリーンSの第3走査範囲SR3で走査される。上励起光源41から照射されたレーザ光のブロックは、上励起光源21から照射されたレーザ光のブロックの1/4のサイズであり、ブロックの1/4のサイズの小ブロック毎に点灯/消灯が制御される。
【選択図】 図9

Description

本発明は、光を走査する光偏向器を備える車両用灯具に関する。
車両に搭載される車両用灯具として、レーザ等の光源からの光をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の光偏向器によって走査して、蛍光板に二次元像を描画し、この二次元像を配光パターンとして前方に投影するものがある。
例えば、特許文献1に記載の照明装置では、光源から光を照射し、光偏向ミラーを回転して光を走査することで、照射領域を変更している。また、特許文献1の照明装置では、カメラと、カメラによって撮影された動画像を解析して、動画像中の物体を検出する物体検出部とを備え、物体検出部で物体が検出された領域をマスクして光源からの光が照射されないようにしている。
特開2014−017094号公報
しかしながら、特許文献1の照明装置では、予め決められた領域のブロック毎に点灯及びマスク制御しているため、ブロックが大きい場合には、不必要な領域までマスクすることになる。
ブロックを小さくする場合はその分、光源の点灯制御を細かく行う必要がある。この場合、光偏向ミラーの回転速度に対し、光源のON・OFF制御が追従できない懸念が生じる。また、走査速度を遅くするためには周波数を下げる必要があるが、動作のし易さ等に影響を与える懸念が生じる。
本発明は、適切な範囲をマスクすることができる車両用灯具を提供することを目的とする。
本発明の車両用灯具は、所定配光パターンを形成する車両用灯具であって、光を照射する複数の光源と、前記複数の光源から照射された複数の光を走査する複数の光偏向器と、前記複数の光偏向器により走査された複数の光により前記所定配光パターンを形成する光学系と、前記複数の光源から照射された複数の光を異なる走査範囲で走査するように前記複数の光偏向器の駆動を制御する走査範囲制御手段と、前記走査範囲の異なる複数の光において、マスクにより消灯可能なブロックのサイズが異なるように前記複数の光偏向器の駆動を制御するブロック制御手段と、外部からの情報に基づいて、前記所定配光パターンを設定する設定部と、前記設定部により設定された前記所定配光パターンにマスク範囲が含まれる場合に、前記ブロック毎に前記複数の光をマスクして前記所定の配光パターンを形成するマスク手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数の光源から照射された複数の光は異なる走査範囲で走査され、走査範囲の異なる複数の光において、マスクにより消灯可能なブロックのサイズは異なり、所定配光パターンにマスク範囲が含まれる場合に、ブロック毎に複数の光をマスクして所定の配光パターンを形成するので、同じブロックの光により所定配光パターンを形成するものに比べて、より細かなマスク処理を行うことができる。
本発明において、前記ブロック制御手段は、前記走査範囲の異なる複数の光のうち、広い走査範囲で走査される光の前記ブロックのサイズが、狭い走査範囲で走査される光の前記ブロックより大きくなるように制御することが好ましい。
この構成によれば、ブロック制御手段により、複数の光のブロックのサイズを異ならせることができる。
本発明において、前記光学系は、前記複数の光偏向器に対応して複数設けられ、前記複数の光学系は、拡大率が異なることが好ましい。
複数の光偏向器に対応して複数設けられた複数の光学系は、拡大率が異なるので、複数の光のブロックを異ならせる際に有効である。
本発明において、前記複数の光の走査範囲は、少なくとも一部が重複していることが好ましい。
複数の光の走査範囲は、少なくとも一部が重複しているので、重複している範囲は、異なるブロックのうちの小さいブロック毎にマスクすることができる。
本実施形態の車両用灯具を示す斜視図。 第1灯具ユニットを示す断面図。 第2灯具ユニットを示す断面図。 車両用灯具の構成を示すブロック図。 上光偏向器を示す斜視図。 ミアンダ構造を有する圧電アクチュエータの動作を説明する図。 仮想鉛直スクリーンSにおける第1,第2走査範囲を示す概略図。 仮想鉛直スクリーンSにおける第3,第4走査範囲を示す概略図。 仮想鉛直スクリーンSにおける第1〜第4走査範囲を示す概略図。 撮影画像を示す概略図。 第1,第2走査範囲を示す概略図。 第3,第4走査範囲を示す概略図。 第1〜第4走査範囲を示す概略図。
図1に示すように、車両用灯具10は、第1灯具ユニット11と、第2灯具ユニット12とを備える。第1灯具ユニット11及び第2灯具ユニット12は、ケース(図示せず)に収納されている。本実施形態では、車両用灯具10は、例えば車両のヘッドライトとして用いられる。
第1灯具ユニット11は、投影レンズ16と、投影レンズ16を保持するレンズホルダ17と、レンズホルダ17の後端部に取り付けられた本体筒18と、本体筒18の後側の開口を塞ぐ底蓋19とを備える。
図2に示すように、第1灯具ユニット11は、上励起光源21と、下励起光源22と、上励起光源21からの励起光を二次元的(水平方向及び垂直方向)に走査する上光偏向器23と、下励起光源22からの励起光を二次元的(水平方向及び垂直方向)に走査する下光偏向器24とを備える。なお、以下では、上励起光源21と、下励起光源22とをまとめて、上下励起光源21,22といい、上光偏向器23と、下光偏向器24とをまとめて、上下光偏向器23,24という。上下励起光源21,22及び上下光偏向器23,24は、詳しくは後述する制御装置25(図4参照)により駆動が制御される。
また、第1灯具ユニット11は、上下光偏向器23,24により走査された光により所定配光パターンに対応する二次元像が描画される蛍光体27(投影体)を備える。蛍光体27に描画された二次元像は、投影レンズ16により前方に投影される。
上下励起光源21,22、上下光偏向器23,24、及び蛍光体27は、本体筒18の内部に配置され、固定部材(図示せず)により固定されている。なお、本体筒18の外周面に放熱用のフィンを設けてもよい。
上励起光源21は、例えば、励起光として青色域(例えば、発光波長が450nm)のレーザ光を放出するレーザダイオード(LD)等の半導体発光素子21aと、半導体発光素子21aからの光を集光(例えばコリメート)する集光レンズ21bとを備える。
下励起光源22は、上励起光源21と同様に、半導体発光素子22aと、集光レンズ22bとを備える。なお、各半導体発光素子21a,22aは、近紫外域(例えば、発光波長が405nm)のレーザ光を放出するレーザダイオード等の半導体発光素子であってもよい。また、各半導体発光素子21a,22aは、LEDであってもよい。さらに、RGBで混色させたレーザ光を照射するレーザ照射器でもよい。
上励起光源21及び下励起光源22は、詳しくは後述する上光偏向器23及び下光偏向器24の光偏向ミラー70の回転中心に向けてレーザ光を照射する。
蛍光体27は、上下光偏向器23,24により二次元的に走査されたレーザ光を受けて、当該レーザ光の少なくとも一部を異なる波長の光に変換するものであり、外形が矩形形状の板状(又は層状)で形成されている。蛍光体27は、投影レンズ16の焦点近傍に配置されている。なお、図2では、蛍光体27の厚みを誇張して描いている。
例えば、上下励起光源21,22の半導体発光素子21a,22aとして、青色域のレーザ光を放出するレーザダイオード(LD)を用いる場合、蛍光体27としては、青色域のレーザ光によって励起されて黄色光を発光するものが用いられる。蛍光体27には、上光偏向器23により二次元的に走査された青色域のレーザ光により、所定配光パターンに対応する二次元像が白色の像として描画される。二次元像が白色の像として描画されるのは、青色域のレーザ光が照射された場合、蛍光体27は、これを透過(通過)する青色域のレーザ光と青色域のレーザ光による発光(黄色光)との混色による白色光(疑似白色光)を放出することによるものである。
一方、半導体発光素子21a,22aとして、近紫外域のレーザ光を放出するレーザダイオード(LD)を用いる場合、蛍光体27としては、近紫外域のレーザ光によって励起されて赤、緑、青の3色の光を発光するものが用いられる。蛍光体27には、上光偏向器23により二次元的に走査され近紫外域のレーザ光により、所定配光パターンに対応する二次元像が白色の像として描画される。二次元像が白色の像として描画されるのは、近紫外域のレーザ光が照射された場合、蛍光体27は、近紫外域のレーザ光による発光(赤、緑、青の3色の光)の混色による白色光(疑似白色光)を放出することによるものである。なお、近紫外のレーザ光により、青色の蛍光体と黄色の蛍光体とを励起させて白色光を放出させてもよい。
投影レンズ16は、4枚のレンズ16a〜16dからなり、各レンズ16a〜16dは、レンズホルダ17に保持されている。各レンズ16a〜16dは、像面が平面になるように収差(像面湾曲)が補正され、且つ色収差が補正されている。この場合、蛍光体27は、平板形状のものが用いられ、像面(平面)に沿って配置される。
投影レンズ16の焦点は、蛍光体27近傍に位置している。この投影レンズ16により、一枚の凸レンズを用いる場合と比べ、所定配光パターンに対する収差の影響を除去することができる。また、蛍光体27が平板形状であるため、蛍光体27が曲面形状である場合と比べ、その製造が容易となる。さらに、蛍光体27が平板形状であるため、蛍光体27が曲面形状である場合と比べ、二次元像の描画が容易となる。
なお、投影レンズ16は、像面が平面になるように収差(像面湾曲)が補正されていない1枚の非球面レンズからなる投影レンズとして構成されていてもよい。この場合、蛍光体27は、像面湾曲に対応して湾曲した形状のものが用いられ、像面湾曲に沿って配置される。
投影レンズ16は、蛍光体27に描画された二次元像を前方に投影して、車両用灯具10に正対した仮想鉛直スクリーンS(車両用灯具10の前方約25mの位置に配置されている)上に、所定配光パターンとして、例えばロービーム用配光パターンを形成する。
上下光偏向器23,24は、上下励起光源21,22の集光レンズ21b,22bで集光された励起光を水平方向及び垂直方向に走査する。
図3に示すように、第2灯具ユニット12は、第1灯具ユニット11と同様に、投影レンズ31と、レンズホルダ32と、本体筒33と、底蓋34とを備える。
投影レンズ31は、投影レンズ16と同様に、4枚のレンズ31a〜31dからなり、各レンズ31a〜31dは、レンズホルダ32に保持されている。各レンズ31a〜31dは、像面が平面になるように収差(像面湾曲)が補正され、且つ色収差が補正されている。この場合、後述する蛍光体47は、平板形状のものが用いられ、像面(平面)に沿って配置される。
投影レンズ31の各レンズ31a〜31dは、投影レンズ16の各レンズ16a〜16dより小型に形成されており、拡大率も小さい。これにより、詳しくは後述するように、投影レンズ31の各レンズ31a〜31dから照射された光のマスク可能なブロックは、投影レンズ16の各レンズ16a〜16dから照射された光のマスク可能なブロックより小さくなる。
第2灯具ユニット12は、第1灯具ユニット11と同様に、上励起光源41と、下励起光源42と、上励起光源41からの励起光を二次元的(水平方向及び垂直方向)に走査する上光偏向器43と、下励起光源42からの励起光を二次元的(水平方向及び垂直方向)に走査する下光偏向器44とを備える。なお、以下では、上励起光源41と、下励起光源42とをまとめて、上下励起光源41,42といい、上光偏向器43と、下光偏向器44とをまとめて、上下光偏向器43,44という。上下励起光源41,42及び上下光偏向器43,44は、制御装置25(図4参照)により駆動が制御される。
また、第2灯具ユニット12は、上下光偏向器43,44により走査された光により所定配光パターンに対応する二次元像が描画される蛍光体47(投影体)を備える。蛍光体47に描画された二次元像は、投影レンズ31により前方に投影される。
上下励起光源41,42は、第1灯具ユニット11の上下励起光源21,22と同様に、半導体発光素子41a,42aと、集光レンズ41b,42bとを備える。上下励起光源41,42の半導体発光素子41a,42a及び集光レンズ41b,42bは、上下励起光源21,22の半導体発光素子21a,22a及び集光レンズ21b,22bと同様に構成されており、その詳細な説明を省略する。なお、励起光源の数は、4個に限らず適宜変更可能である。
上下光偏向器43,44は、上下励起光源41,42の集光レンズ41b,42bで集光された励起光を水平方向及び垂直方向に走査する。
図4に示すように、上下励起光源21,22、上下光偏向器23,24、上下励起光源41,42、及び上下光偏向器43,44は、車両用灯具10を統括的に制御する制御装置25に接続され、制御装置25により駆動が制御される。
制御装置25は、第1灯具ユニット11の上下励起光源21,22、及び第2灯具ユニット12の上下励起光源41,42を駆動する光源駆動部51〜54と、第1灯具ユニット11の上下光偏向器23,24、及び第2灯具ユニット12の上下光偏向器43,44を駆動するMEMS駆動部55〜58とを備える。また、制御装置25は、照射範囲を設定する照射範囲設定部59と、光源駆動部51〜54及びMEMS駆動部55〜58を制御する点灯制御部60とを備える。
車両用灯具10が搭載される車両には、車両の前方を撮影するカメラ61と、カメラ61の画像に基づいて前方の車両を検出する車両検出部62とを備える。車両検出部62は、制御装置25に接続されている。
カメラ61は、車両走行時に車両の前方を撮影し、撮影した画像を車両検出部62に送信する。車両検出部62は、カメラ61からの画像に基づいて、前方の車両の位置及びサイズを検出し、検出した車両の位置及びサイズのデータ(以下、検出車両データと称する)を制御装置25に送信する。制御装置25は、詳しくは後述するように、検出車両データに基づいて、車両用灯具10の駆動を制御する。
なお、車両に搭載されたレーダーやセンサ等により、前方の車両の位置及びサイズを検出し、その検出車両データを制御装置25に送信するようにしてもよい。また、詳しくは後述する光偏向ミラー70の回転を検出するセンサを設け、制御装置25はセンサの検出結果に基づいて車両用灯具10の駆動をフィードバック制御するようにしてもよい。
上光偏向器23は、例えば、MEMSスキャナである。光偏光器の駆動方式には大別して圧電方式、静電方式、電磁方式があるが、いずれの方式であってもよい。本実施形態では、圧電方式の光偏光器を代表して説明する。
図5に示すように、上光偏向器23は、2軸型光偏向器であり、半導体プロセスやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用して作製され、一定の方向から入射する光を回転するマイクロミラーとしての光偏向ミラー70で反射し、反射光(レーザ光)として出射する。
上光偏向器23は第1支持部71を備え、この第1支持部71は、光偏向ミラー70、半環状圧電アクチュエータ73a,73b、及びトーションバー74a,74b等からなる。上励起光源21からのレーザ光は光偏向ミラー70で反射され、反射光(レーザ光)が蛍光体27及び投影レンズ16を介して仮想鉛直スクリーンS上を走査する。
このとき、制御装置25は、上光偏向器23及び上励起光源21に制御信号を送信する。当該制御信号により上光偏向器23の半環状圧電アクチュエータ73a,73bが駆動され、半環状圧電アクチュエータ73a,73bと結合したトーションバー74a,74bがねじれることで、光偏向ミラー70を回動させる。また、当該制御信号により、上励起光源21において、レーザ光のオン・オフ及び輝度が制御される。
本実施形態では、2軸直交座標系において、円形の光偏向ミラー70の中心を通る水平方向の回転軸をX軸、垂直方向の回転軸をY軸と定義する。また、図5においては、X軸を左右方向、Y軸を上下方向、光偏向ミラー70の厚み方向を前後方向としている。
上光偏向器23は矩形環状の第2支持部72を備え、この第2支持部72の中央に第1支持部71が配設されている。また、第1支持部71の中心を通るY軸に対して線対称に、蛇腹状の圧電アクチュエータ81a,81bが配設され、第1支持部71の辺部下端及び第2支持部72と結合している。なお、図4では、第1,第2支持部71,72、半環状圧電アクチュエータ73a,73b、トーションバー74a,74b及び圧電アクチュエータ81a,81bをまとめてMEMSと称している。
圧電アクチュエータ81a,81bは、複数のカンチレバーを長手方向が隣り合う向きに並べて、上下方向端部で折り返して直列結合したミアンダ構造に形成されている。詳細は後述するが、上記制御信号により圧電アクチュエータ81a,81bを駆動させることで、第1支持部71が水平方向、すなわち、図中の光偏向ミラー70の中心を通るX軸線回りを往復回動する。
また、上述したように、半環状圧電アクチュエータ73a,73bを駆動させることにより、光偏向ミラー70の回転軸がトーションバー74a,74bの軸と一致し、図中の光偏向ミラー70の中心を通るY軸線回りを光偏向ミラー70が往復回動する。固有振動数の周波数を持つサインカーブの信号で駆動することでY軸線回りには共振振動させることが可能である。
この結果、上光偏向器23は、レーザ光を光偏向ミラー70で反射する際、光を上光偏向器23の前方に出射して、さらにX軸方向とY軸方向の2方向に走査することができる。
第2支持部72の下方には、電極パッド82a〜82e(以下、電極パッド82という)と、電極パッド83a〜83e(以下、電極パッド83という)とが配設されている。電極パッド82,83は、圧電アクチュエータ81a,81b及び半環状圧電アクチュエータ73a,73bの各電極に駆動電圧を印加できるように電気的に接続されている。
なお、圧電アクチュエータ81a,81bの部分がなくても光偏向器として機能させることができる。この場合、第1支持部71の部分が支持体の役割を果たし、光偏向ミラー70がY軸線回りを往復回動する1軸型光偏向器を構成する。
次に、図6を参照して、圧電アクチュエータ81aを例に動作を説明する。上述したように、上光偏向器23は、圧電アクチュエータ81a,81bを動作させることにより、光偏向ミラー70のX軸線回りの往復回動を可能としている。
図6Aは、上光偏向器23を表側から見たとき、左側に配設される圧電アクチュエータ81aを切り出した図である。圧電アクチュエータ81aは、圧電カンチレバーを4つ並べた形状であり、第1支持部71から離れた方より順に、圧電カンチレバー81a(1)、81a(2)、81a(3)、81a(4)である。
例えば、圧電アクチュエータ81aにおいて、奇数番目の圧電カンチレバー81a(1)、81a(3)に第1の電圧を印加する。また、偶数番目の圧電カンチレバー81a(2)、81a(4)に、第1の電圧とは逆位相の第2の電圧を印加する。
このように電圧を印加することで、図6Bに示すように、奇数番目の圧電カンチレバー81a(1)、81a(3)を図6B中の上方向に屈曲変位させ、偶数番目の圧電カンチレバー81a(2)、81a(4)を図6B中の下方向に屈曲変位させることができる。
圧電アクチュエータ81bは、圧電アクチュエータ81aと同様に4個の圧電カンチレバーから構成され、第1支持部71に近い方より順に、1番目,2番目,3番目,4番目の圧電カンチレバーであり、奇数番目の2個の圧電カンチレバーを図5中の後側に屈曲変位させ、偶数番目の2個の圧電カンチレバーを図5中の前側に屈曲変位させることができる。
これにより、光偏向ミラー70の図5中の上側(トーションバー74a側)より光偏向ミラー70の図5中の下側(トーションバー74b側)が図5中の前側になる(上側が図6中のU方向に動く)ように、光偏向ミラー70を変位させることができる。
また、奇数番目の圧電カンチレバー81a(1)、81a(3)に第2の電圧を印加し、偶数番目の圧電カンチレバー81a(2)、81a(4)に、第1の電圧を印加することで、光偏向ミラー70の図5中の下側(トーションバー74b側)より光偏向ミラー70の図5中の上側(トーションバー74a側)が図5中の前側になるように、光偏向ミラー70を変位させることができる。これらの制御を連続して行うことで、光偏向ミラー70をX軸線回りに回動(揺動)させることができる。
下光偏向器24、及び上下光偏向器43,44は、上光偏向器23と同様に構成されており、その詳細な説明を省略する。
第1の電圧、第2の電圧の印加方法として、サインカーブや櫛歯上に変化する逆位相の電圧を、奇数番目の圧電カンチレバーと、偶数番目の圧電カンチレバーに印加する方法がある。また、カンチレバーを上下方向に交互に屈曲させる場合に限らず、上下のいずれかの屈曲と屈曲しない状態とを交互に繰り返してもよい。
車両用灯具10を駆動して、仮想鉛直スクリーンS上にロービーム用配光パターンを形成する場合、先ず、制御装置25の光源駆動部51〜54及びMEMS駆動部55〜58は、各励起光源21,22,41,42、及び各光偏向器23,24,43,44に向けて制御信号を送信する。
制御信号により、上励起光源21からレーザ光が出力され、且つ、上光偏向器23が駆動して光偏向ミラー70が、X軸周り及びY軸周りに回動する。
図2に示すように、上励起光源21から出力されたレーザ光は、上光偏向器23の光偏向ミラー70の回転中心に入射して、回動する光偏向ミラー70により水平方向及び垂直方向に走査される。
図7Aに示すように、上励起光源21から照射されたレーザ光は、上光偏向器23、蛍光体27及び投影レンズ16を介して仮想鉛直スクリーンSの第1走査範囲SR1で走査される(二次元像が投影される)。本実施形態では、制御装置25は、仮想鉛直スクリーンSを、上下方向においてA〜Hの8個、左右方向において1〜20の20個、全部で160個のブロックに分割し、その分割した領域ごとに制御している。第1走査範囲SR1は、上下方向でA〜H、左右方向で1〜20の範囲となる。各ブロックのサイズは、上励起光源21から照射されたレーザ光において、マスクにより消灯可能なサイズであり、ブロック毎に点灯/消灯が制御される。
図7Bに示すように、下励起光源22から照射されたレーザ光は、下光偏向器24、蛍光体27及び投影レンズ16を介して仮想鉛直スクリーンSの第2走査範囲SR2で走査される。下光偏向器24は、上光偏向器23と略同一の周波数で光を走査するように駆動する。本実施形態では、第2走査範囲SR2は、上下方向でB〜F、左右方向で5〜16の範囲となる。本実施形態においては、制御装置25が第2走査範囲SR2を制御する際のブロックのサイズは、第1走査範囲SR1のものと同一とした。
図8Aに示すように、上励起光源41から照射されたレーザ光は、上光偏向器43、蛍光体47及び投影レンズ31を介して仮想鉛直スクリーンSの第3走査範囲SR3で走査される。本実施形態では、第3走査範囲SR3は、上下方向でC〜E、左右方向で7〜14の範囲となる。上光偏向器43は、上光偏向器23と略同一の周波数で光を走査するように駆動する。第3走査範囲SR3は、第1走査範囲SR1に比べて走査範囲が狭いため、同一の周波数であっても走査速度は第1走査範囲SR1の走査速度より遅くなる。これにより、上光偏向器43により第3走査範囲SR3で走査されるレーザ光のマスクにより消灯可能なブロックのサイズが、第1走査範囲SR1でのブロックサイズより小さくても、光源のON・OFF駆動が追従できるようになる。
本実施形態では、上光偏向器43により第3走査範囲SR3で走査されるレーザ光のマスクにより消灯可能なブロックのサイズは、上光偏向器23により第1走査範囲SR1で走査されるレーザ光のマスクにより消灯可能なブロックのサイズの略1/4となる。ブロックのサイズが小さくなることで、各ブロックは、4個の小ブロックに分割される。例えば、C7のブロックは、C7−1〜C7−4の4個の小ブロックに分割され、小ブロック毎に点灯/消灯(マスク)が制御される。
図8Bに示すように、下励起光源42から照射されたレーザ光は、下光偏向器44、蛍光体47及び投影レンズ31を介して仮想鉛直スクリーンSの第4走査範囲SR4で走査される。本実施形態では、第4走査範囲SR4は、上下方向でD、左右方向で9〜12の範囲となる。下光偏向器44は、上光偏向器23と略同一の周波数で光を走査するように駆動する。第4走査範囲SR4は、第1走査範囲SR1に比べて走査範囲が狭いため、同一の周波数であっても走査速度は第1走査範囲SR1の走査速度より遅くなる。これにより、下光偏向器44により第4走査範囲SR4で走査されるレーザ光のマスクにより消灯可能なブロックのサイズが、第1走査範囲SR1でのブロックサイズより小さくても、光源のON・OFF駆動が追従できるようになる。
本実施形態では、下光偏向器44により第4走査範囲SR4で走査されるレーザ光のマスクにより消灯可能なブロックのサイズは、上光偏向器23により第1走査範囲SR1で走査されるレーザ光のマスクにより消灯可能なブロックのサイズの略1/4となる。ブロックのサイズが小さくなることで、各ブロックは、4個の小ブロックに分割される。例えば、D9のブロックは、D9−1〜D9−4の4個の小ブロックに分割され、小ブロック毎に点灯/消灯が制御される。
図9に示すように、第1〜第4走査範囲SR1〜SR4は、仮想鉛直スクリーンS上で重なっている。なお、第1〜第4走査範囲SR1〜SR4の各範囲は適宜変更可能である。また、第1〜第4走査範囲SR1〜SR4が重ならないようにしてもよい。
次に、車両に搭載した車両用灯具10を駆動する際の処理の流れについて説明する。
図10に示すように、車両に搭載されたカメラ61は、車両走行時に車両の前方を撮影し、撮影画像PIを車両検出部62に送信する。本実施形態では、撮影画像PIは、車両用灯具10の前方約25mの位置に配置されている仮想鉛直スクリーンSと略同サイズとなっている。
車両検出部62は、撮影画像PIに基づいて、自車の前方で同方向に走行する前方車両、及び対向車両の位置及びサイズを周知の検出方法により検出し、検出車両データを制御装置25に送信する。
制御装置25の照射範囲設定部59は、受信した検出車両データに基づいて、前方車両のリアガラスと、対向車両のフロントガラスとに光が照射されないように、照射範囲を設定する。この照射範囲は、上下励起光源21,22及び上下励起光源41,42毎に設定される。
点灯制御部60は、照射範囲設定部59で設定された照射範囲に基づいて、光源駆動部51〜54及びMEMS駆動部55〜58に駆動制御信号を送信する。
図11Aに示すように、光源駆動部51及びMEMS駆動部55は、駆動制御信号に基づいて、第1走査範囲SR1において、前方車両のリアガラスが含まれるD10,D11,E10,E11の各ブロックと、対向車両のフロントガラスが含まれるE17〜E19,F17〜F19の各ブロックとを、光が照射されないようにマスクする。具体的には、マスクするブロックを走査する際に上励起光源21から光を照射しないように制御する。なお、図11〜図13の第1〜第4走査範囲SR1〜SR4において、ハッチングされた部分が光照射範囲で、ハッチングされていない部分がマスクされた範囲である。
図11Bに示すように、光源駆動部52及びMEMS駆動部56は、駆動制御信号に基づいて、第2走査範囲SR2において、前方車両のリアガラスが含まれるD10,D11,E10,E11の各ブロックをマスクする。なお、対向車両のフロントガラスは第2走査範囲SR2に含まれていないため、対向車両のフロントガラスに対するマスク処理は行われない。
図12Aに示すように、光源駆動部53及びMEMS駆動部57は、駆動制御信号に基づいて、第3走査範囲SR3において、前方車両のリアガラスが含まれるD10−3,D10−4,D11−3,D11−4,E10−1,E10−2,E11−1,E11−2の各小ブロックをマスクする。なお、対向車両のフロントガラスは第3走査範囲SR3に含まれていないため、対向車両のフロントガラスに対するマスク処理は行われない。
図12Bに示すように、光源駆動部54及びMEMS駆動部58は、駆動制御信号に基づいて、第4走査範囲SR4において、前方車両のリアガラスが含まれるD10−3,D10−4,D11−3,D11−4の各小ブロックをマスクする。なお、対向車両のフロントガラスは第4走査範囲SR4に含まれていないため、対向車両のフロントガラスに対するマスク処理は行われない。
図13に示すように、マスク処理された第1〜第4走査範囲SR1〜SR4を重ねた光が車両用灯具10から前方に照射される。
第1走査範囲SR1及び第2走査範囲SR2においてマスク処理されたD10,D11,E10,E11の各ブロックで、第3走査範囲SR3のD10−1,D10−2,D11−1,D11−2,E10−3,E10−4,E11−3,E11−4、及び、第4走査範囲SR4のD10−1,D10−2,D11−1,D11−2は、マスク処理されずに光が照射される。これにより、車両用灯具10により前方に照射される光は、マスク処理された第1走査範囲SR1より照射範囲が広くなる。
このように、上励起光源41から照射されて第3走査範囲SR3を構成するレーザ光のブロック、及び、下励起光源42から照射されて第4走査範囲SR4を構成するレーザ光のブロックは、上下励起光源21,22から照射されて第1,第2走査範囲SR1,SR2を構成するレーザ光のブロックより小さいので、上励起光源21から照射されたレーザ光のみを用いたもの(図11A参照)や、下励起光源22から照射されたレーザ光のみを用いたもの(図11B参照)に比べて、細かい範囲でのマスク処理を行うことができる。これにより、不必要な範囲をマスクすることがなくなり、前方の視認性を向上することができる。
なお、第1灯具ユニット11に、上下励起光源41,42及び上下光偏向器43,44を設けるようにしてもよい。この場合、投影レンズ31を含む第2灯具ユニット12は不要となり、1個の灯具ユニットにより車両用灯具を構成することができる。また、光偏向器と同じ数の投影レンズを設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、励起光源を用いているが、光源の色そのものを照射するような光源を用いてもよい。この場合、蛍光体(投影体)は不要となり、光源からの光がそのまま照射される。また、蛍光体に代えて、透光性の拡散板を用いてもよい。さらに、光源は、1つのまとまった光線を照射すればよく、例えば、ファイバで光を導くようにしてもよい。ファイバに導く光は、RGBで混色された白色光でもよい。
さらに、上記実施形態では、矩形状の蛍光体を用いているが、これに限らず、例えば楕円形でもよい。
また、上記実施形態では、第2灯具ユニット12の投影レンズ31は、第1灯具ユニット11の投影レンズ16より小型のものを用いているが、これに限らず、拡大率が小さくなればどのようなレンズを用いてもよい。例えば、材質を変えることで、投影レンズ31の焦点距離を、投影レンズ16の焦点距離より長くして拡大率を小さくするようにしてもよい。
10…車両用灯具、11…第1灯具ユニット、12…第2灯具ユニット、16,31…投影レンズ、17,32…レンズホルダ、18,33…本体筒、19,34…底蓋、21,41…上励起光源、22,42…下励起光源、23,43…上光偏向器、24,44…下光偏向器、25…制御装置、27,47…蛍光体、25…制御装置、51〜54…光源駆動部、55〜58…MEMS駆動部、59…照射範囲設定部、60…点灯制御部、61…カメラ、62…車両検出部、70…光偏向ミラー、71,72…第1,第2支持部、73a,73b…半環状圧電アクチュエータ、74a、74b…トーションバー、81a,81b…圧電アクチュエータ、82a〜82e…電極パッド、83a〜83e…電極パッド、

Claims (4)

  1. 所定配光パターンを形成する車両用灯具であって、
    光を照射する複数の光源と、
    前記複数の光源から照射された複数の光を走査する複数の光偏向器と、
    前記複数の光偏向器により走査された複数の光により前記所定配光パターンを形成する光学系と、
    前記複数の光源から照射された複数の光を異なる走査範囲で走査するように前記複数の光偏向器の駆動を制御する走査範囲制御手段と、
    前記走査範囲の異なる複数の光において、マスクにより消灯可能なブロックのサイズが異なるように前記複数の光偏向器の駆動を制御するブロック制御手段と、
    外部からの情報に基づいて、前記所定配光パターンを設定する設定部と、
    前記設定部により設定された前記所定配光パターンにマスク範囲が含まれる場合に、前記ブロック毎に前記複数の光をマスクして前記所定の配光パターンを形成するマスク手段と、
    を備えることを特徴とする車両用灯具。
  2. 請求項1に記載の車両用灯具において、
    前記ブロック制御手段は、前記走査範囲の異なる複数の光のうち、広い走査範囲で走査される光の前記ブロックのサイズが、狭い走査範囲で走査される光の前記ブロックより大きくなるように制御することを特徴とする車両用灯具。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用灯具において、
    前記光学系は、前記複数の光偏向器に対応して複数設けられ、
    前記複数の光学系は、拡大率が異なることを特徴とする車両用灯具。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具において、
    前記複数の光の走査範囲は、少なくとも一部が重複していることを特徴とする車両用灯具。
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