JP2017109323A - 熱転写シート - Google Patents
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Abstract
【課題】保護層に、耐擦過性、耐光性、及び光沢性の機能を同時に付与し、当該保護層を含む転写層を転写することで得られる印画物の耐擦過性、耐光性、及び光沢性を満足させることができる熱転写シートを提供すること。【解決手段】基材1の一方の面上に、転写層10が設けられた熱転写シート100において、転写層10を、基材1側から、保護層2、表面層3がこの順で積層されてなる積層構成とし、保護層2に、(1)紫外線吸収性モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体と、(2)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が30000以下のアクリル系樹脂とを、(1)と(2)との質量比率が3.5:1〜1:2の範囲となるように含有せしめることでかかる課題を解決している。【選択図】図1
Description
本発明は、熱転写シートに関する。
透明性に優れ、中間色の再現性や階調性が高く、従来のフルカラー写真画像と同等の高品質画像が簡易に形成できる点から、昇華転写方式を用いて被転写体上に熱転写画像を形成することが広く行われている。被転写体上に熱転写画像が形成された印画物としては、デジタル写真や、身分証明書、運転免許証、会員証等多くの分野で使用されているIDカードが知られている。
昇華転写方式による熱転写画像の形成には、基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートと、被転写体、例えば、他の基材の一方の面に受容層が設けられた熱転写受像シートが使用される。そして、被転写体と、熱転写シートの染料層とを重ね合わせ、サーマルヘッドにより、熱転写シートの背面側から熱を印加して染料層の染料を移行させることにより、被転写体上に熱転写画像が形成された印画物を得ることができる。このような昇華転写方式は、熱転写シートに印加するエネルギー量によって染料の移行量を制御できるため濃度階調が可能であることから、画像が非常に鮮明であり、且つ透明性、中間調の色再現性、階調性に優れフルカラー写真画像に匹敵する高品質の印画物を形成することができる。
近時、熱転写受像シート以外の任意の被転写体上に、熱転写画像が形成された印画物を得たいとの要求に対応すべく、基材上に受容層が剥離可能に設けられた中間転写媒体が提案されている(例えば、特許文献1)。この中間転写媒体によれば、熱転写シートの染料層の染料を、中間転写媒体の受容層上に転写して熱転写画像を形成し、その後に中間転写媒体の背面側を加熱して、受容層を任意の被転写体上に転写することができ、任意の被転写体上に熱転写画像が形成された印画物を得ることができる。
昇華転写方式により熱転写受像シートの受容層上に熱転写画像を形成することで得られる印画物、或いは、昇華転写方式により中間転写媒体の受容層に熱転写画像を形成し、この受容層を任意の被転写体上に再転写することで得られる印画物は、当該印画物の最表面に、熱転写画像が形成された受容層が位置することとなる。しかしながら、昇華転写方式は、階調性画像の形成に優れるものの、形成された熱転写画像は通常の印刷インキによるものとは異なり、染料が顔料でなく比較的低分子量の染料であり且つビヒクルが存在しないため、耐擦過性等の物理的耐久性に劣るといった欠点を有する。
そこで、近時、熱転写画像が形成された熱転写受像シートの受容層と、保護層を有する保護層転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて保護層を転写させ、熱転写画像が形成された受容層上にさらに保護層を形成する方法が用いられている。このように熱転写画像が形成された受容層上にさらに保護層を形成することで、熱転写画像の耐久性を向上させることができる。中間転写媒体においても同様の試みがなされており、例えば、特許文献2には、基材上に、剥離層、保護層、受容層兼接着層が設けられた中間転写媒体が提案されている。この中間転写媒体によれば、任意の基材上に、熱転写画像が形成された受容層、保護層を転写した時に、熱転写画像が形成された受容層の表面に保護層が位置することから、熱転写画像に耐久性を付与することができる。
上記の如く形成される印画物には、耐擦過性等の物理的な耐久性に加え、高い耐光性が求められている。印画物に耐光性を付与するための保護層転写シートや、中間転写媒体等については種々の検討がなされており、例えば、保護層転写シートの保護層に、紫外線吸収剤を含有させて、保護層が転写された印画物の耐光性を向上させる試み等がなされている。しかしながら、保護層に充分な耐光性を付与するためには、紫外線吸収剤の含有量を多くしていくことが必要となる一方で、紫外線吸収剤の含有量が多くなるにつれ、当該紫外線吸収剤を含有する保護層は脆くなり、保護層の耐擦過性は低くなっていく傾向にある。つまり、保護層の耐光性を満足させることと、保護層の耐擦過性を満足させることはトレードオフの関係にあるといえる。
なお、保護層転写シート等において、保護層に、耐擦過性の機能を付与し、保護層とは異なる層、例えば、接着層や、保護層と接着層との間に設けられる任意の層等に耐光性を付与する試み等もなされているが、前者の場合には、接着層に耐光性を付与することに伴い、接着層に本来的に求められている機能が低下していき、また、後者の場合には、保護層転写シートの層構成が煩雑になり、コストが上昇してしまう等の問題が生ずることとなる。したがって、これらの点を考慮すると、保護層転写シートや、中間転写媒体において、転写層が転写された印画物に充分な耐光性や、耐擦過性を付与するためには、保護層自体が、耐光性と、耐擦過性の双方の機能を備えていることが望ましいといえる。
また、保護層転写シートや、中間転写媒体の保護層には、当該保護層を含む転写層を転写することで得られる印画物に光沢性を付与するべく、高い光沢性が求められているが、耐光性、耐擦過性とともに、光沢性を同時に満足させることができる保護層については知られていないのが現状である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、保護層に、耐擦過性、耐光性、及び光沢性の機能を同時に付与し、当該保護層を含む転写層を転写することで得られる印画物の耐擦過性、耐光性、及び光沢性を満足させることができる熱転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に、転写層が設けられた熱転写シートであって、前記転写層は、前記基材側から、保護層、表面層がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、前記保護層が、(1)紫外線吸収性モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体と、(2)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が30000以下のアクリル系樹脂と、を含有しており、前記(1)と(2)との質量比率が、3.5:1〜1:2の範囲であることを特徴とする。
また、前記(2)の酸価が、5mgKOH/g以上であってもよく、前記保護層は、当該保護層の総質量に対し、タルクを0.5質量%以上5質量%以下の範囲で含有していてもよい。
また、前記(1)紫外線吸収性モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体における、前記紫外線吸収性モノマーの共重合比率がモル比で20%以上50%以下の範囲であり、前記アクリル系モノマーの共重合比率がモル比で50%以上80%以下の範囲であってもよい。また、前記(1)の共重合体が、紫外線吸収性モノマーと、アクリル系モノマーと、光安定剤との共重合体であってもよい。
また、前記基材の一方の面上に、前記転写層と染料層とが面順次に設けられていてもよい。
また、前記表面層が接着層であってもよい。また、前記接着層は、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が50000以下のアクリル系樹脂を含有していてもよい。
また、前記表面層が、受容層であってもよい。
本発明の熱転写シートによれば、保護層に、耐擦過性、耐光性、及び光沢性の機能を同時に付与することができ、これにより、当該保護層を含む転写層を転写することで得られる印画物の耐擦過性、耐光性、及び光沢性を満足させることができる。
<<熱転写シート>>
以下に、本発明の一実施形態の熱転写シート100(以下、一実施形態の熱転写シートと言う)について図面を用いて具体的に説明する。
以下に、本発明の一実施形態の熱転写シート100(以下、一実施形態の熱転写シートと言う)について図面を用いて具体的に説明する。
図1〜図4に示すように、一実施形態の熱転写シート100は、基材1と、基材1上に位置する転写層10とから構成され、転写層10は、基材1側から保護層2、表面層3がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。また、図2に示す形態の熱転写シート100は、基材1の同一面上に、上記の転写層10と染料層7とが面順次に設けられた構成を呈している。また、図3に示す形態の熱転写シート100は、表面層3を接着層3Aとした保護層転写シート100Aであり、図4に示す形態の熱転写シート100は、表面層3を受容層3Bとした中間転写媒体100Bである。なお、基材1、転写層10(保護層2、表面層3を含む)は、一実施形態の熱転写シート100における必須の構成であり、染料層7は任意の構成である。また、一実施形態の熱転写シート100は、図5に示すように、熱転写画像Xを有する画像形成物200の最表面に保護層2が位置する印画物300、或いは、図6(b)に示すように、任意の被転写体150上に、熱転写画像Xが形成された受容層3Bが位置し、当該受容層上に保護層2が位置する印画物300を得るために用いられるものである。以下、各構成について説明する。
(基材)
基材1は、一実施形態の熱転写シート100における必須の構成であり、基材1の一方の面上に位置する転写層10を保持している。基材1の材料について特に限定はないが、転写層10を転写する際に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有するものが好ましい。このような基材1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組合せた積層体として使用してもよい。基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、0.5μm以上50μm以下の範囲が好ましく、1μm以上20μm以下の範囲がより好ましく、1μm以上10μm以下の範囲が特に好ましい。
基材1は、一実施形態の熱転写シート100における必須の構成であり、基材1の一方の面上に位置する転写層10を保持している。基材1の材料について特に限定はないが、転写層10を転写する際に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有するものが好ましい。このような基材1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組合せた積層体として使用してもよい。基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、0.5μm以上50μm以下の範囲が好ましく、1μm以上20μm以下の範囲がより好ましく、1μm以上10μm以下の範囲が特に好ましい。
また、基材1は、転写層10が設けられる面に接着処理が施されていてもよい。接着処理を施すことで、基材1と転写層10との密着性を向上させることができる。
接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を2種以上併用することもできる。
(転写層)
図1〜図4に示すように、基材1の一方の面上(図示する形態では、基材1の上面)には、転写層10が設けられている。転写層10は、少なくとも、保護層2、表面層3を含んでおり、基材1側から、保護層2、表面層3がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。なお、本願明細書で言う「表面層」は、一実施形態の熱転写シート100の最表面に位置する層を意味し、「保護層」は、転写層10を構成する層のうち、基材1から最も近くに位置する層を意味する。詳細は後述するが、一実施形態の熱転写シート100は、転写層10を構成する保護層2が、耐光性、耐擦過性、及び光沢性の機能を有しており、当該保護層2によって、転写層10が転写された印画物に充分な耐光性、耐擦過性、及び光沢性を付与することができる。したがって、転写層10は、保護層2、及び表面層3以外の層を含むものであってもよいが、好ましい形態の熱転写シート100は、転写層10が、保護層2、表面層3から構成される2層構成を呈している。
図1〜図4に示すように、基材1の一方の面上(図示する形態では、基材1の上面)には、転写層10が設けられている。転写層10は、少なくとも、保護層2、表面層3を含んでおり、基材1側から、保護層2、表面層3がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。なお、本願明細書で言う「表面層」は、一実施形態の熱転写シート100の最表面に位置する層を意味し、「保護層」は、転写層10を構成する層のうち、基材1から最も近くに位置する層を意味する。詳細は後述するが、一実施形態の熱転写シート100は、転写層10を構成する保護層2が、耐光性、耐擦過性、及び光沢性の機能を有しており、当該保護層2によって、転写層10が転写された印画物に充分な耐光性、耐擦過性、及び光沢性を付与することができる。したがって、転写層10は、保護層2、及び表面層3以外の層を含むものであってもよいが、好ましい形態の熱転写シート100は、転写層10が、保護層2、表面層3から構成される2層構成を呈している。
(保護層)
一実施形態の熱転写シート100は、保護層2が、(1)紫外線吸収性モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体と、(2)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が30000以下のアクリル系樹脂と、を含有しており、保護層2中における、(1)紫外線吸収性モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体と、(2)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が30000以下のアクリル系樹脂との質量比率が、3.5:1〜1:2の範囲であることを特徴としている。なお、本願明細書で言うガラス転移温度(Tg)とは、DSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度を意味し、重量平均分子量(Mw)とは、GPCにより測定したポリスチレン換算による平均分子量を意味する。
一実施形態の熱転写シート100は、保護層2が、(1)紫外線吸収性モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体と、(2)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が30000以下のアクリル系樹脂と、を含有しており、保護層2中における、(1)紫外線吸収性モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体と、(2)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が30000以下のアクリル系樹脂との質量比率が、3.5:1〜1:2の範囲であることを特徴としている。なお、本願明細書で言うガラス転移温度(Tg)とは、DSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度を意味し、重量平均分子量(Mw)とは、GPCにより測定したポリスチレン換算による平均分子量を意味する。
上記特徴の保護層2を有する一実施形態の熱転写シート100によれば、転写層10を構成する保護層2に、耐光性、耐擦過性、光沢性の機能を同時に付与することができ、これにより、当該保護層2を含む転写層10を転写することで得られる印画物の耐光性、耐擦過性、及び光沢性を向上させることができる。以下、(1)紫外線吸収性モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体のことを「特定の共重合体」と言い、(2)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が30000以下のアクリル系樹脂のことを「特定のアクリル系樹脂」と言う場合がある。「特定の共重合体」の重合形態について特に限定はなく、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合、交互共重合等を挙げることができる。中でも、紫外線吸収性モノマーとアクリル系モノマーとが交互共重合されてなる「特定のアクリル系樹脂」は、当該「特定のアクリル系樹脂」を含有する保護層2に海島状の光沢ムラが生じてしまうことを抑制でき、保護層2の光沢性の更なる向上を図ることができる点で好ましい。
<特定の共重合体>
保護層2に含有されている「特定の共重合体」は、主として、保護層2の耐光性を向上させる役割を果たしている。
保護層2に含有されている「特定の共重合体」は、主として、保護層2の耐光性を向上させる役割を果たしている。
「紫外線吸収性モノマー」
「特定の共重合体」をなす紫外線吸収性モノマーについて特に限定はなく、例えば、従来公知の紫外線吸収剤であるサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤に、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入したものを使用することができる。
「特定の共重合体」をなす紫外線吸収性モノマーについて特に限定はなく、例えば、従来公知の紫外線吸収剤であるサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤に、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入したものを使用することができる。
<アクリル系モノマー>
「特定の共重合体」をなすアクリル系モノマーについて特に限定はなく、例えば、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタアクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、ターシャリーブチルメタアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタアクリレート、ラウリルトリデシルアクリレート、ラウリルトリデシルメタアクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタアクリレート、セチルステアリルアクリレート、セチルステアリルメタアクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタアクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ターシャリーブチルアミノエチルアクリレート、ターシャリーブチルアミノエチルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート、エチレンジアクリレート、エチレンジメタアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、デカエチレングリコールジアクリレート、デカエチレングリコールジメタアクリレート、ペンタデカエチレングリコールジアクリレート、ペンタデカエチレングリコールジメタアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジメタアクリレート、ブチレンジアクリレート、ブチレンジメタアクリレート、アリルアクリレート、アリルメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ一ルジメタアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリピロピレングリコールジメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、ネオペンチルグリコールペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールペンタメタアクリレート、ホスファゼンヘキサアクリレート、ホスファゼンヘキサメタアクリレート等を挙げることができる。
「特定の共重合体」をなすアクリル系モノマーについて特に限定はなく、例えば、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタアクリレート、ターシャリーブチルアクリレート、ターシャリーブチルメタアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタアクリレート、ラウリルトリデシルアクリレート、ラウリルトリデシルメタアクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタアクリレート、セチルステアリルアクリレート、セチルステアリルメタアクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタアクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ターシャリーブチルアミノエチルアクリレート、ターシャリーブチルアミノエチルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレート、エチレンジアクリレート、エチレンジメタアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、デカエチレングリコールジアクリレート、デカエチレングリコールジメタアクリレート、ペンタデカエチレングリコールジアクリレート、ペンタデカエチレングリコールジメタアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジメタアクリレート、ブチレンジアクリレート、ブチレンジメタアクリレート、アリルアクリレート、アリルメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ一ルジメタアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリピロピレングリコールジメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、ネオペンチルグリコールペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールペンタメタアクリレート、ホスファゼンヘキサアクリレート、ホスファゼンヘキサメタアクリレート等を挙げることができる。
また、「特定の共重合体」は、紫外線吸収性モノマー、アクリル系モノマーとともに、他の成分が重合されてなる共重合体であってもよい。他の成分としては、例えば、スチレンや、光安定剤(HALS)等を挙げることができる。光安定剤(HALS)としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)等を挙げることができる。好ましい形態の保護層2は、「特定の共重合体」として、紫外線吸収性モノマーと、アクリル系モノマーと、光安定剤(HALS)との共重合体を含有している。当該「特定の共重合体」における光安定剤(HALS)の好ましい共重合比率は、モル比で0.1%以上2%以下の範囲である。好ましい形態の保護層2によれば、保護層2の光沢性の更なる向上を図ることができる。光安定剤(HALS)は、後述する「特定の共重合体」と「特定のアクリル系樹脂」との相溶性の向上に作用するものと推察される。
「特定の共重合体」における、紫外線吸収性モノマーと、アクリル系モノマーの共重合比率について特に限定はないが、更なる耐光性の向上を目的とする場合には、「特定の共重合体」における紫外線吸収性モノマーの共重合比率は、モル比で20%以上50%以下であることが好ましく、25%以上40%以下の範囲であることがより好ましい。また、「特定の共重合体」におけるアクリル系モノマーの共重合比率は、モル比で50%以上80%以下の範囲であることが好ましく、60%以上75%以下の範囲であることがより好ましい。例えば、「特定の共重合体」が、紫外線吸収性モノマーと、アクリル系モノマーのみからなる共重合体である場合には、紫外線吸収性モノマーと、アクリル系モノマーとの共重合比率は、好ましくはモル比で20:80〜50:50であり、より好ましくは、モル比で25:75〜40:60の範囲である。
また、「特定の共重合体」をなす、紫外線吸収性モノマーや、アクリル系モノマーとして、2種以上の紫外線吸収性モノマー、及び/又は2種以上のアクリル系モノマーを用いることもできる。
<特定のアクリル系樹脂>
保護層2に含有されている「特定のアクリル系樹脂」は、主として、保護層2の耐擦過性を向上させる役割を果たしている。
保護層2に含有されている「特定のアクリル系樹脂」は、主として、保護層2の耐擦過性を向上させる役割を果たしている。
「特定のアクリル系樹脂」は、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が30000以下との条件を満たすものを適宜選択して用いることができ、これ以外の条件について特に限定はない。アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーの重合体、或いはその誘導体、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーの重合体、或いはその誘導体、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体、或いはその誘導体、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体、或いはその誘導体、アクリル酸のモノマーとアクリル酸エステルのモノマーとの共重合体、アクリル酸のモノマーとメタクリル酸エステルのモノマーとの共重合体、メタクリル酸のモノマーとアクリル酸エステルのモノマーとの共重合体、メタクリル酸のモノマーとメタクリル酸エステルのモノマーとの共重合体を挙げることができる。
アクリル酸エステルや、メタクリル酸エステルのモノマーとしては、上記「特定の共重合体」をなすアクリル系モノマーとして例示したもの等を適宜選択して用いることができる。
他のモノマーとしては、例えば、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、アミド基含有化合物、および塩化ビニル等、スチレン、ベンジルスチレン、フェノキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等を挙げることができる。
また、アクリル系樹脂として、アクリル酸アルキルエステルの1種又は2種以上と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の分子中にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの1種又は2種以上と、必要に応じてスチレン等のその他の重合性モノマー1種又は2種以上を共重合させて得られるアクリル系ポリオール樹脂等を用いることもできる。
なお、一実施形態の熱転写シート100では、「特定のアクリル系樹脂」が、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上のアクリル系樹脂であることを条件の1つとしているが、これは、保護層が、「特定のアクリル系樹脂」にかえて、ガラス転移温度(Tg)が100℃未満のアクリル系樹脂を含有している場合には、当該アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)が30000以下であっても、保護層の耐擦過性を満足させることができないことによる。
「特定のアクリル系樹脂」の重量平均分子量(Mw)は30000以下であればよく、下限値について特に限定はないが、10000以上であることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であり、且つ重量平均分子量(Mw)が10000以上の「特定のアクリル系樹脂」を含有する保護層2によれば、当該保護層2を含む転写層10の箔持ちを向上させることができ、転写層の欠片が脱落等することによる印画不良を抑制することができる。「特定のアクリル系樹脂」が、重量平均分子量(Mw)が30000以下のアクリル系樹脂であることを条件としている理由については後述する。
好ましい形態の保護層2は、「特定のアクリル系樹脂」として、酸価が5mgKOH/g以上のアクリル系樹脂を含有している。「特定のアクリル系樹脂」として、酸価がこの範囲のアクリル系樹脂を、保護層2に含有せしめることで、保護層2の耐擦過性の更なる向上を図ることができる。より好ましい形態の保護層2は、「特定のアクリル系樹脂」として酸価が8mgKOH/g以上、特には10mgKOH/g以上のアクリル系樹脂を含有している。「特定のアクリル系樹脂」の酸価の上限値は好ましくは50mgKOH/g、より好ましくは30mgKOH/gである。
また、一実施形態の熱転写シート100は、「特定の共重合体」と、「特定のアクリル系樹脂」との質量比率が3.5:1〜1:2の範囲であることを特徴としている。この特徴の保護層2を有する一実施形態の熱転写シート100によれば、耐光性、耐久性の向上に加え、保護層2に充分な光沢性を付与することができる。「特定の共重合体」と、「特定のアクリル系樹脂」との質量比率が3.5:1〜1:2の範囲とすることで、保護層2の光沢性が向上するメカニズムについては、現在のところ必ずしも明らかとはなっていないが、「特定の共重合体」と、「特定のアクリル系樹脂」との質量比率を、3.5:1〜1:2の範囲とすることで、「特定の共重合体」と、「特定のアクリル系樹脂」との相溶性が向上し、この相溶性の向上が、保護層2の光沢性の向上に寄与しているものと推察される。具体的には、「特定の共重合体」と、「特定のアクリル系樹脂」との相溶性が低い場合には、「特定の共重合体」と、「特定のアクリル系樹脂」とを含有する保護層が海島状に形成されてしまい、これが光沢性の低下を引き起こすものと推察され、一実施形態の熱転写シート100では、「特定の共重合体」と、「特定のアクリル系樹脂」との相溶性を向上させることで、かかる光沢性の低下を抑制できているものと推察される。なお、このメカニズムによらないとしても、「特定の共重合体」と、「特定のアクリル系樹脂」との質量比率を、3.5:1〜1:2の範囲とすることで、保護層2の光沢性を向上させることができることは、後述する実施例、及び比較例の結果からも明らかとなっている。
なお、一実施形態の熱転写シート100は、単に、「特定の共重合体」と、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上のアクリル系樹脂との質量比率を、3.5:1〜1:2の範囲とすることのみならず、アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)の上限値を30000としている点を特徴とし、この特徴を満たすことで、保護層2の光沢性の向上を可能としている。なお、「特定の共重合体」とアクリル系樹脂との質量比率を3.5:1〜1:2の範囲とした場合であっても、当該アクリル系樹脂として、重量平均分子量(Mw)が30000を超えるアクリル系樹脂を採用した場合には、保護層の光沢性を向上させることはできない。
質量比率が3.5:1〜1:2の範囲となるように、保護層2に含有されている「特定の共重合体」と、「特定のアクリル系樹脂」との合計質量について特に限定はなく、少なくとも、「特定の共重合体」や、「特定のアクリル系樹脂」を含有している分、保護層2の耐光性や、耐擦過性を向上させることができる。好ましい形態の保護層2は、当該保護層2の総質量に対し、「特定の共重合体」、及び「特定のアクリル系樹脂」をその合計質量で70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有している。上限値について特に限定なく、100質量%である。
また、保護層の光沢性とともに、保護層の耐光性の更なる向上を目的とする場合には、「特定の共重合体」と、「特定のアクリル系樹脂」との質量比率を、3.5:1〜1:1.5の範囲とすることが好ましく、3.5:1〜1:1.4の範囲とすることがより好ましい。また耐光性とともに、耐擦過性の更なる向上を目的とする場合には、「特定の共重合体」と、「特定のアクリル系樹脂」との質量比率を、3.2:1〜1:1.5の範囲とすることが好ましく、3.2:1〜1:1.4の範囲とすることがより好ましい。
好ましい形態の保護層2は、当該保護層2の総質量に対し、「特定の共重合体」を、33.4質量%以上77.7質量%以下の範囲で含有しており、より好ましい形態の保護層2は、当該保護層2の総質量に対し、「特定の共重合体」を、40質量%以上77.7質量%以下の範囲で含有しており、特に好ましい形態の保護層2は、当該保護層2の総質量に対し、「特定の共重合体」を、50質量%以上77.7質量%以下の範囲で含有している。好ましい形態の保護層2によれば、当該保護層2の耐光性の更なる向上を図ることができる。
また、好ましい形態の保護層2は、当該保護層2の総質量に対し、「特定のアクリル系樹脂」を、22.3質量%以上66.6質量%以下の範囲で含有しており、より好ましい形態の保護層2は、当該保護層2の総質量に対し、「特定のアクリル系樹脂」を、22.3質量%以上60質量%以下の範囲で含有しており、特に好ましい形態の保護層2は、当該保護層2の総質量に対し、「特定の共重合体」を、22.3質量%以上50質量%以下の範囲で含有している。好ましい形態の保護層2によれば、当該保護層2の耐擦過性の更なる向上を図ることができる。
(任意の成分)
保護層2は、「特定の共重合体」、及び「特定のアクリル系樹脂」とともに、他の樹脂成分や、微粒子成分等を含有していてもよい。特に、「特定の共重合体」、「特定のアクリル系樹脂」とともに、タルクを含有する保護層2によれば、保護層2の耐擦過性の更なる向上を図ることができる。これら任意の成分の含有量は、「特定の共重合体」や、「特定のアクリル系樹脂」の含有を妨げない範囲であればよく、好ましい形態の保護層2は、当該保護層2の総質量に対し、タルクを0.5質量%以上5質量%以下の範囲で含有している。
保護層2は、「特定の共重合体」、及び「特定のアクリル系樹脂」とともに、他の樹脂成分や、微粒子成分等を含有していてもよい。特に、「特定の共重合体」、「特定のアクリル系樹脂」とともに、タルクを含有する保護層2によれば、保護層2の耐擦過性の更なる向上を図ることができる。これら任意の成分の含有量は、「特定の共重合体」や、「特定のアクリル系樹脂」の含有を妨げない範囲であればよく、好ましい形態の保護層2は、当該保護層2の総質量に対し、タルクを0.5質量%以上5質量%以下の範囲で含有している。
保護層2の形成方法について特に限定はなく、「特定の共重合体」をなす紫外線吸収性モノマー、及びアクリル系モノマー、並びに「特定のアクリル系樹脂」であるガラス転移温度(Tg)が100℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が30000以下の範囲のアクリル系樹脂、必要に応じて添加される任意の成分を適当な溶媒に分散、或いは溶解した保護層用塗工液を、基材1、或いは基材1上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥することで形成することができる。保護層2の厚みについて特に限定はないが、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。保護層2の厚みを0.5μm以上とすることで、保護層2を含む転写層10を転写することで得られる印画物の耐光性、擦過性、光沢性の更なる向上を図ることができる。保護層2の厚みの上限値についても特に限定はないが、保護層の形成に保護層用塗工液に含まれる溶剤の揮発しやすさや、コスト等の点を考慮すると、5μm以下であることが好ましい。
(表面層)
図1〜図4に示すように、保護層2上には直接的に、或いは間接的に(図示する形態では、直接的に)表面層3が設けられている。表面層3は、転写層10を構成する層であり、一実施形態の熱転写シート100における必須の構成である。
図1〜図4に示すように、保護層2上には直接的に、或いは間接的に(図示する形態では、直接的に)表面層3が設けられている。表面層3は、転写層10を構成する層であり、一実施形態の熱転写シート100における必須の構成である。
一実施形態の熱転写シート100は、図5に示すような、熱転写画像Xを有する画像形成物200上に、接着層3A、保護層2がこの順で積層されてなる印画物300、或いは、図6(b)に示すような、任意の被転写体150上に熱転写画像Xが形成された受容層3B、保護層2がこの順で積層されてなる印画物300を得るためのものであり、一実施形態の熱転写シート100は、表面層3を接着層3Aとした保護層転写シート100A(図2、図3参照)であってもよく、表面層3を受容層3B(受容層兼接着層と称される場合もある)とした中間転写媒体100B(図4参照)であってもよい。一実施形態の熱転写シート100を保護層転写シート100Aとする場合には、図5に示すように、予め準備された画像形成物200上に、保護層2、接着層3Aを含む転写層10を転写することで印画物300を得る。一方、一実施形態の熱転写シート100を中間転写媒体100Bとする場合には、図6(a)に示すように、転写層10を構成する受容層3B上に熱転写画像Xを形成し、次いで、図6(b)に示すように、任意の被転写体150上に、保護層2、熱転写画像が形成された受容層3Bを含む転写層10を転写することで印画物300を得る。
<接着層>
表面層3の一形態である接着層3Aについて特に限定はなく、保護層転写シートの分野で従来公知の接着層を適宜選択して用いることができる。接着層3Aの成分としては、例えば、紫外線吸収剤共重合樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などを挙げることができる。
表面層3の一形態である接着層3Aについて特に限定はなく、保護層転写シートの分野で従来公知の接着層を適宜選択して用いることができる。接着層3Aの成分としては、例えば、紫外線吸収剤共重合樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などを挙げることができる。
なお、一実施形態の熱転写シート100を、図2に示すように、基材1の同一面上に、当該基材側から保護層2、表面層としての接着層3Aが積層されてなる転写層10と、染料層7とを面順次に設けた熱転写シート100(以下、この構成の熱転写シートを一体型の熱転写シートと言う)とすることもできる。このような一体型の熱転写シートにおいては、当該一体型の熱転写シートをロール状に巻き取っていったときに、基材1の一方の面上に設けられた染料層7の染料が、基材1の他方の面側にキックし、当該一体型の熱転写シートを巻き返していったときに、当該キックした染料が、表面層としての接着層3Aに移行し種々の問題を引き起こす。例えば、基材1の他方の面側にキックした染料が、接着層3Aにバックした場合には、転写層10を転写することで得られる印画物の透明性等を低下させることとなる。
したがって、一体型の熱転写シート100においては、基材1の他方の面側にキックした染料が、接着層3A側にバックしない、或いはバックを抑制できるような接着層3Aを用いることが好ましく、好ましい形態の接着層3Aは、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が50000以下の樹脂を含有している。ガラス転移温度(Tg)が90℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が50000以下の樹脂を含有する接着層3Aによれば、一体型の熱転写シート100を巻き取っていったときに基材1の他方の面側にキックした染料が、接着層3Aにバックすることを抑制することができる。
ガラス転移温度(Tg)が90℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が50000以下の樹脂としては、例えば、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が50000以下のアクリル系樹脂や、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等を挙げることができる。
ガラス転移温度(Tg)が90℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が50000以下の樹脂の含有量について特に限定はないが、接着層3Aの総質量に対する、当該樹脂の含有量は90質量%以上であることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)が90℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が50000以下の樹脂を好ましい範囲で含有する接着層3Aによれば、接着層3Aへのバックをさらに効果的に抑制することができる。
特に、本発明では、上記保護層2自体が、耐光性、耐擦過性、及び光沢性を有していることから、表面層3としての接着層3Aに、耐光性を付与するための成分を含有せしめることなく、転写層10が転写された印画物に、耐光性、耐擦過性、及び光沢性を付与することができる。なお、上記で説明した保護層とは異なる保護層、換言すれば、「特定の共重合体」、或いは「特定のアクリル系樹脂」を含有していない保護層を採用した場合には、転写層10が転写された印画物の耐光性、或いは耐擦過性を向上させるために、接着層3Aに耐光性、或いは耐擦過性を向上させるための成分を含有させる必要があり、この場合には、接着層3Aに染料がバックすることを充分に抑制することができない。つまり、本発明によれば、1つの層に、耐光性、耐擦過性、及び光沢性の特性を付与することで、表面層3が含有する成分の選択の自由度を上げることができる。
また、一体型の熱転写シート100における接着層3Aは、他の成分等を含有していてもよい。
上記で説明した好ましい形態の接着層3Aは、熱転写シート100が染料層を有する一体型の熱転写シートである場合における好ましい実施形態であり、染料層を有しない熱転写シート(図3参照)においては、キック自体が生じないことから、従来公知の接着層を適宜選択して用いることができる。
接着層3Aの形成方法について特に限定はなく、上記で例示した成分、例えば、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が50000以下の樹脂等を適当な溶媒に分散、或いは溶解した接着層用塗工液を、保護層2、或いは保護層2上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥することで形成することができる。接着層3Aの厚みについて特に限定はないが、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
一体型の熱転写シート100とする場合における染料層7としては、熱転写シートの分野で従来公知の染料層を適宜選択して用いることができる。染料層は、昇華性染料を含む染料層であってもよく、熱溶融インキを含む染料層であってもよい。また、図示する形態では、基材1の同一面上に、転写層10と単一の染料層が設けられた構成を呈しているが、複数の染料層、例えば、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層、必要に応じてブラック染料層等が面順次に設けられた構成とすることもできる。
<受容層>
表面層3の一形態である受容層3Bについて特に限定はなく、中間転写媒体の分野で従来公知の受容層を適宜選択して用いることができる。受容層3Bに含まれる成分について限定はなく、昇華性染料や、熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。このような樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げることができる。
表面層3の一形態である受容層3Bについて特に限定はなく、中間転写媒体の分野で従来公知の受容層を適宜選択して用いることができる。受容層3Bに含まれる成分について限定はなく、昇華性染料や、熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。このような樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げることができる。
転写層10が転写される被転写体150側に、受容層3Bと被転写体150との密着性を図るための対策が図られている場合には、受容層3B自体は接着性を有していることを必要としないが、受容層3B自体に接着性を付与する場合には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの接着性を有する樹脂材料を用いて受容層3Bを形成することが好ましい。
受容層3Bの形成方法について特に限定はなく、上記で例示した成分を適当な溶媒に分散、或いは溶解した受容層用塗工液を、保護層2、或いは保護層2上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥することで形成することができる。受容層3Bの厚みについて特に限定はないが、一般的に1μm以上10μm以下の範囲である。
(被転写体)
上記で説明した熱転写シート100の転写層10が転写される被転写体としては、例えば、熱転写受像シート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、天然繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等を挙げることができる。
上記で説明した熱転写シート100の転写層10が転写される被転写体としては、例えば、熱転写受像シート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、天然繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等を挙げることができる。
上記では、基材1側から保護層2、表面層3(接着層3A、又は受容層3B)がこの順で積層されてなる2層構成の転写層10を中心に説明を行ったが、保護層2と表面層3との間に、他の任意の層を設けることもできる。なお、上記のとおり、本発明では、保護層2に、耐光性、耐擦過性、光沢性が付与されていることから、保護層2と表面層3との間に他の任意の層を設けることなく、転写層10が転写された印画物に充分な耐光性、耐擦過性、及び光沢性を付与することができ、保護層2と表面層3との間に他の任意の層を設けることを特に要しない。
(離型層)
図1〜図4に示す形態の熱転写シートにおいて、基材1と転写層10との間に、離型層(図示しない)を設けることもできる。離型層を設けることで、転写層10の転写時における基材1からの転写層10の剥離性の向上を見込むことができる。なお、離型層は、転写層10を構成しない層であり、一実施形態の熱転写シート100における任意の構成である。
図1〜図4に示す形態の熱転写シートにおいて、基材1と転写層10との間に、離型層(図示しない)を設けることもできる。離型層を設けることで、転写層10の転写時における基材1からの転写層10の剥離性の向上を見込むことができる。なお、離型層は、転写層10を構成しない層であり、一実施形態の熱転写シート100における任意の構成である。
離型層に含まれる成分について特に限定はなく、従来公知の離型性に優れた樹脂がいずれも使用でき、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂および熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を挙げることができる。これらの離型性樹脂は単独でも混合物としても使用できる。また離型層は、離型性に優れた樹脂に加え、イソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を併用して形成することもできる。離型層の厚みは、0.5μm以上5μm以下の範囲が一般的である。
(プライマー層)
また、図2に示す一体型の熱転写シートにおいて、基材1と染料層7との間に、プライマー層(図示しない)を設けることもできる。プライマー層に含まれる成分について特に限定はなく、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等を挙げることができる。
また、図2に示す一体型の熱転写シートにおいて、基材1と染料層7との間に、プライマー層(図示しない)を設けることもできる。プライマー層に含まれる成分について特に限定はなく、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等を挙げることができる。
また、プライマー層は、コロイド状無機顔料超微粒子を含有しいていてもよい。コロイド状無機顔料超微粒子としては、例えば、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナ或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。特に、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましく用いられる。これらのコロイド状無機顔料超微粒子の大きさは、一次平均粒径で100nm以下、好ましくは50nm以下で用いることが好ましい。
また、上記プライマー層を、転写層10を構成する保護層2と、表面層3との間に設けることもできる。
(背面層)
また、基材1の他方の面に、転写層10を転写する際におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層(図示しない)を設けてもよい。なお、背面層は一実施形態の熱転写シートにおける任意の構成である。
また、基材1の他方の面に、転写層10を転写する際におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層(図示しない)を設けてもよい。なお、背面層は一実施形態の熱転写シートにおける任意の構成である。
背面層は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。中でも、耐熱性等の点から、ポリアミドイミド系樹脂又はそのシリコーン変性物等を好ましく用いることができる。また、これらの樹脂は、硬化剤によって硬化されたものであってもよい。硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤などを挙げることができる。
また、背面層には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
背面層は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加剤を適当な溶媒に分散又は溶解させた背面層用塗工液を、基材1の他方の面上に、塗布・乾燥することにより形成することができる。背面層の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、0.1μm以上5μm以下の範囲が好ましく、0.3μm以上2μm以下の範囲がより好ましい。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。また、以下では、紫外線吸収性モノマーを「UVA」と称し、メチルメタクリレートを「MMA」と称している。以下、Tgとある記載はガラス転移温度を意味し、Mwとある記載は重量平均分子量を意味し、Mnとある記載は数平均分子量を意味する。
(実施例1)
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この基材の一方の面に下記組成の保護層用塗工液1を乾燥時塗布量が1.0g/m2になるように塗布し保護層を形成した。次いで、保護層上に下記組成の接着層用塗工液1を乾燥時塗布量が1.0g/m2になるように塗布し接着層を形成した。また、基材の他方の面に下記組成の背面層用塗工液を乾燥時塗布量が0.5g/m2になるように塗布し背面層を形成することで、基材の一方の面に、保護層、接着層がこの順で積層されてなる転写層が設けられた実施例1の熱転写シートを得た。
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この基材の一方の面に下記組成の保護層用塗工液1を乾燥時塗布量が1.0g/m2になるように塗布し保護層を形成した。次いで、保護層上に下記組成の接着層用塗工液1を乾燥時塗布量が1.0g/m2になるように塗布し接着層を形成した。また、基材の他方の面に下記組成の背面層用塗工液を乾燥時塗布量が0.5g/m2になるように塗布し背面層を形成することで、基材の一方の面に、保護層、接着層がこの順で積層されてなる転写層が設けられた実施例1の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液1>
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 14部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 7部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 14部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 7部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
<接着層用塗工液1>
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:40000) 21部
(BR−83 三菱レイヨン(株))
・メチルエチルケトン 53部
・トルエン 26部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:40000) 21部
(BR−83 三菱レイヨン(株))
・メチルエチルケトン 53部
・トルエン 26部
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 2.5部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.2部
(プライサーフA208N、第一工業製薬(株))
・タルク 0.4部
(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分75%) 5.1部
(バーノックD750、大日本インキ化学工業(株))
・メチルエチルケトン 45.4部
・トルエン 45.4部
・ポリビニルブチラール樹脂 2.5部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.2部
(プライサーフA208N、第一工業製薬(株))
・タルク 0.4部
(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分75%) 5.1部
(バーノックD750、大日本インキ化学工業(株))
・メチルエチルケトン 45.4部
・トルエン 45.4部
(実施例2)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液2に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液2に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液2>
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 16.1部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 4.9部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 16.1部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 4.9部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(実施例3)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液3に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液3に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液3>
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 8.4部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 12.6部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 8.4部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 12.6部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(実施例4)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液4に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液4に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液4>
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 7.35部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 13.65部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 7.35部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 13.65部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(実施例5)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液5に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例5の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液5に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例5の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液5>
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=80:20) 14部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 7部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=80:20) 14部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 7部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(実施例6)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液6に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液6に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液6>
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=60:40) 14部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 7部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=60:40) 14部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 7部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(実施例7)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液7に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液7に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液7>
・MMA/UVA/HALS共重合体 14部
(MMA:UVA:HALS=58.1:40:1.9)
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 7部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA/HALS共重合体 14部
(MMA:UVA:HALS=58.1:40:1.9)
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 7部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(実施例8)
接着層用塗工液1を下記組成の接着層用塗工液2に変更して接着層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例8の熱転写シートを得た。
接着層用塗工液1を下記組成の接着層用塗工液2に変更して接着層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例8の熱転写シートを得た。
<接着層用塗工液2>
・アクリル系樹脂(Tg:35℃、Mw:140000) 21部
(BR−117 三菱レイヨン(株))
・メチルエチルケトン 53部
・トルエン 26部
・アクリル系樹脂(Tg:35℃、Mw:140000) 21部
(BR−117 三菱レイヨン(株))
・メチルエチルケトン 53部
・トルエン 26部
(実施例9)
接着層用塗工液1を下記組成の接着層用塗工液3に変更して接着層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例9の熱転写シートを得た。
接着層用塗工液1を下記組成の接着層用塗工液3に変更して接着層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例9の熱転写シートを得た。
<接着層用塗工液3>
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:95000) 21部
(BR−80 三菱レイヨン(株))
・メチルエチルケトン 53部
・トルエン 26部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:95000) 21部
(BR−80 三菱レイヨン(株))
・メチルエチルケトン 53部
・トルエン 26部
(実施例10)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液8に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例10の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液8に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例10の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液8>
・MMA/UVA/HALS共重合体 13.4部
(MMA:UVA:HALS=58.1:40:1.9)
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 6.6部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・タルク 1.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA/HALS共重合体 13.4部
(MMA:UVA:HALS=58.1:40:1.9)
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 6.6部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・タルク 1.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(実施例11)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液9に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例11の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液9に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例11の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液9>
・MMA/UVA/HALS共重合体 13.9部
(MMA:UVA:HALS=58.1:40:1.9)
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 6.99部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・タルク 0.11部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA/HALS共重合体 13.9部
(MMA:UVA:HALS=58.1:40:1.9)
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 6.99部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・タルク 0.11部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(実施例12)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液10に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例12の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液10に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例12の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液10>
・MMA/UVA/HALS共重合体 13.2部
(MMA:UVA:HALS=58.1:40:1.9)
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 6.6部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・タルク 1.2部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA/HALS共重合体 13.2部
(MMA:UVA:HALS=58.1:40:1.9)
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 6.6部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・タルク 1.2部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(実施例13)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液11に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例13の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液11に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例13の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液11>
・MMA/UVA/HALS共重合体 13.95部
(MMA:UVA:HALS=58.1:40:1.9)
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 6.98部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・タルク 0.07部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA/HALS共重合体 13.95部
(MMA:UVA:HALS=58.1:40:1.9)
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 6.98部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・タルク 0.07部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(比較例1)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Aに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Aに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液A>
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 16.8部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 4.2部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 16.8部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 4.2部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(比較例2)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Bに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Bに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液B>
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 14部
・アクリル系樹脂(Tg:80℃、Mw:65000) 7部
(BR−77(酸価18.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 14部
・アクリル系樹脂(Tg:80℃、Mw:65000) 7部
(BR−77(酸価18.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(比較例3)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Cに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Cに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液C>
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 14部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:40000) 7部
(BR−83(酸価2mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 14部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:40000) 7部
(BR−83(酸価2mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(比較例4)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Dに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例4の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Dに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例4の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液D>
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 21部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 21部
(BR−87(酸価10.5mgKOH/g) 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(比較例5)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Eに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例5の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Eに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例5の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液E>
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 21部
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 21部
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(比較例6)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Fに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例6の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Fに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例6の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液F>
・フェノキシ樹脂(Mw:25000) 21部
(PKHA 巴工業(株))
・メチルエチルケトン 53部
・トルエン 26部
・フェノキシ樹脂(Mw:25000) 21部
(PKHA 巴工業(株))
・メチルエチルケトン 53部
・トルエン 26部
(比較例7)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Gに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例7の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Gに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例7の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液G>
・塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(Mn:12000、Tg:76℃) 21部
(ソルバインCNL 日信化学(株))
・メチルエチルケトン 53部
・トルエン 26部
・塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(Mn:12000、Tg:76℃) 21部
(ソルバインCNL 日信化学(株))
・メチルエチルケトン 53部
・トルエン 26部
(比較例8)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Hに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例8の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Hに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例8の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液H>
・ポリエステルウレタン樹脂(Mn:25000、Tg:106℃) 21部
(UR−4800 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 53部
・トルエン 26部
・ポリエステルウレタン樹脂(Mn:25000、Tg:106℃) 21部
(UR−4800 東洋紡(株))
・メチルエチルケトン 53部
・トルエン 26部
(比較例9)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Iに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例9の熱転写シートを得た。
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Iに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例9の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液I>
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 5.25部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 15.75部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
・MMA/UVA共重合体(MMA:UVA=72:28) 5.25部
・アクリル系樹脂(Tg:105℃、Mw:25000) 15.75部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・酢酸エチル 53部
・酢酸プロピル 26部
(熱転写画像の形成)
昇華型転写プリンタ(株式会社DNPフォトルシオ製 DS40)を用い、デフォルト条件にて、下記の方法で作成した熱転写受像シートの受容層上に、イエロー、マゼンタ、シアンの染料からなる黒ベタ画像を印画し、熱転写画像を得た。イエロー、マゼンタ、シアンの染料としては、下記の方法で作成した昇華型熱転写シートを用いた。
昇華型転写プリンタ(株式会社DNPフォトルシオ製 DS40)を用い、デフォルト条件にて、下記の方法で作成した熱転写受像シートの受容層上に、イエロー、マゼンタ、シアンの染料からなる黒ベタ画像を印画し、熱転写画像を得た。イエロー、マゼンタ、シアンの染料としては、下記の方法で作成した昇華型熱転写シートを用いた。
(熱転写受像シートの作成)
多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株)厚さ35μm)からなる多孔質フィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗布、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗布、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5g/m2であった。
多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株)厚さ35μm)からなる多孔質フィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗布、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗布、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5g/m2であった。
<中間層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
<受容層用塗工液組成>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
<接着層用塗工液>
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株))
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株))
・酢酸エチル 100部
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株))
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株))
・酢酸エチル 100部
(昇華型熱転写シートの作成)
基材として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液を乾燥時0.8g/m2になるように塗工し、耐熱滑性層を形成した。次いで、基材の他方の面に、イエロー染料層用塗工液、マゼンタ染料層用塗工液、シアン染料層用塗工液をそれぞれ、乾燥時塗工量が0.6g/m2となるように面順次に塗工して、染料層を形成し、昇華型熱転写シートを得た。
基材として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液を乾燥時0.8g/m2になるように塗工し、耐熱滑性層を形成した。次いで、基材の他方の面に、イエロー染料層用塗工液、マゼンタ染料層用塗工液、シアン染料層用塗工液をそれぞれ、乾燥時塗工量が0.6g/m2となるように面順次に塗工して、染料層を形成し、昇華型熱転写シートを得た。
(耐熱滑性層用塗工液)
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 60.8部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 4.2部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株))
・フィラー(ステアリルリン酸亜鉛) 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株))
・フィラー(ステアリン酸亜鉛) 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・フィラー(ポリエチレンワックス) 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株))
・フィラー(エトキシ化アルコール変性ワックス) 7部
(ユニトックス750 東洋アドレ(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 100部
・ポリビニルアセタール樹脂(水酸基価12質量%) 60.8部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート(NCO=17.3質量%) 4.2部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株))
・フィラー(ステアリルリン酸亜鉛) 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株))
・フィラー(ステアリン酸亜鉛) 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・フィラー(ポリエチレンワックス) 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株))
・フィラー(エトキシ化アルコール変性ワックス) 7部
(ユニトックス750 東洋アドレ(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 100部
(イエロー染料層用塗工液)
・Disperse Yellow 201 4.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
・Disperse Yellow 201 4.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
(マゼンタ染料層用塗工液)
・Disperse Red 60 1.5部
・Disperse Violet 26 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
・Disperse Red 60 1.5部
・Disperse Violet 26 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
(シアン染料層用塗工液)
・Solvent Blue 63 2.0部
・Disperse Blue 354 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
・Solvent Blue 63 2.0部
・Disperse Blue 354 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
(印画物の作成)
昇華型転写プリンタ(株式会社DNPフォトルシオ製 DS40)の純正リボンの保護層領域を、各実施例、及び比較例の熱転写シートに入れ替え、該プリンタのデフォルト条件にて、上記で作成した熱転写画像上に各実施例、及び比較例の熱転写シートの保護層を転写し、各実施例、及び比較例の印画物を得た。
下記測色機で測色した結果、O.D.(OPTICAL DENSITY)≒2であった。
測色器:分光測定器Spect roLino(Gretag Macbeth社製)
光源:D65
視野角:2°
濃度測定用フィルター:ANSI Status A
昇華型転写プリンタ(株式会社DNPフォトルシオ製 DS40)の純正リボンの保護層領域を、各実施例、及び比較例の熱転写シートに入れ替え、該プリンタのデフォルト条件にて、上記で作成した熱転写画像上に各実施例、及び比較例の熱転写シートの保護層を転写し、各実施例、及び比較例の印画物を得た。
下記測色機で測色した結果、O.D.(OPTICAL DENSITY)≒2であった。
測色器:分光測定器Spect roLino(Gretag Macbeth社製)
光源:D65
視野角:2°
濃度測定用フィルター:ANSI Status A
(耐光性評価)
上記で得られた各実施例、及び比較例の印画物に対し、キセノンウエザオメタ−(アトラス社製、Ci4000:ブラックパネル温度450C5フィルター:内側:CIRA,外側:ソーダライム、試験機内30℃、30%、照射制御420nmの紫外線を1.2W/m2に固定)にて96時間照射(400kJ)を行い、照射前後の濃度変化(濃度残存率(%)=試験後濃度/初期濃度XIOO)を求めた。濃度は、照射前OD=1付近のΔE*=((対向前後のL*値の差)2+(対向前後のa*値の差)2+(対向前後のb*値の差)2)1/2で確認した。
なお、L*a*b*は、CIE1976、L*a*b*表色系(JIS Z8729 1980)に規定されているL*a*b*を意味する。
上記で得られた各実施例、及び比較例の印画物に対し、キセノンウエザオメタ−(アトラス社製、Ci4000:ブラックパネル温度450C5フィルター:内側:CIRA,外側:ソーダライム、試験機内30℃、30%、照射制御420nmの紫外線を1.2W/m2に固定)にて96時間照射(400kJ)を行い、照射前後の濃度変化(濃度残存率(%)=試験後濃度/初期濃度XIOO)を求めた。濃度は、照射前OD=1付近のΔE*=((対向前後のL*値の差)2+(対向前後のa*値の差)2+(対向前後のb*値の差)2)1/2で確認した。
なお、L*a*b*は、CIE1976、L*a*b*表色系(JIS Z8729 1980)に規定されているL*a*b*を意味する。
<評価基準>
◎+・・・ΔE*が9未満である。
◎・・・ΔE*が9以上10未満である。
○・・・ΔE*が10以上12未満である。
△・・・ΔE*が12以上14未満である。
×・・・ΔE*が14以上である。
◎+・・・ΔE*が9未満である。
◎・・・ΔE*が9以上10未満である。
○・・・ΔE*が10以上12未満である。
△・・・ΔE*が12以上14未満である。
×・・・ΔE*が14以上である。
(耐擦過性評価)
上記で得られた各実施例、及び比較例の印画物の保護層面と、紙やすり(番手#1200)を重ね合わせ、その上から5gf/cm2の荷重をかけた状態で、紙やすりを4000mm/minで引っ張り、その後の画像形成物の保護層の表面状態を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて耐キズ性評価を行った。評価結果を表1に示す。
上記で得られた各実施例、及び比較例の印画物の保護層面と、紙やすり(番手#1200)を重ね合わせ、その上から5gf/cm2の荷重をかけた状態で、紙やすりを4000mm/minで引っ張り、その後の画像形成物の保護層の表面状態を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて耐キズ性評価を行った。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
◎+・・・キズが目立たない。
◎・・・キズがほぼ目立たない。
○・・・細かいキズが入る。
△・・・細かいキズに加えて少し太いキズが入るが、使用上問題ないレベルである。
×・・・鋭いキズが目立ち、使用上問題となるレベルである。
◎+・・・キズが目立たない。
◎・・・キズがほぼ目立たない。
○・・・細かいキズが入る。
△・・・細かいキズに加えて少し太いキズが入るが、使用上問題ないレベルである。
×・・・鋭いキズが目立ち、使用上問題となるレベルである。
(光沢性評価)
上記で得られた各実施例、及び比較例の印画物の光沢度を、Gloss Meter VG7000(日本電色社製)を用いて、反射角20°で測定し、以下の評価基準に基づいて光沢性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
上記で得られた各実施例、及び比較例の印画物の光沢度を、Gloss Meter VG7000(日本電色社製)を用いて、反射角20°で測定し、以下の評価基準に基づいて光沢性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
◎・・・光沢度が50°以上である。
○・・・光沢度が45°以上50°未満である。
△・・・光沢度が40°以上45°未満である。(商品性最低限レベル)
×・・・光沢度が35°未満である。
◎・・・光沢度が50°以上である。
○・・・光沢度が45°以上50°未満である。
△・・・光沢度が40°以上45°未満である。(商品性最低限レベル)
×・・・光沢度が35°未満である。
(相溶性評価)
各実施例、及び比較例の熱転写シートの作成に用いた各保護層用塗工液を、透明のガラス瓶(スクリュー管)に入れ、10分間の振とう後に目視確認し、以下の評価基準に基づいて光沢性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
各実施例、及び比較例の熱転写シートの作成に用いた各保護層用塗工液を、透明のガラス瓶(スクリュー管)に入れ、10分間の振とう後に目視確認し、以下の評価基準に基づいて光沢性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<評価基準>
◎・・・透明である。
△・・・白濁していないが少し濁っている。
×・・・白濁している。
◎・・・透明である。
△・・・白濁していないが少し濁っている。
×・・・白濁している。
(保存性評価(バック評価))
昇華型転写プリンター(株式会社DNPフォトルシオ製 DS40)の純正リボンのマゼンタ部分と、背面層とを対向させ、20kgf/cm2の荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で96時間保管し、各実施例の熱転写シートの背面層に染料を移行(キック)させた。なお、染料のキックに用いた背面層は、上記各実施例の熱転写シートシートの背面層と同一組成のものを用いた。
昇華型転写プリンター(株式会社DNPフォトルシオ製 DS40)の純正リボンのマゼンタ部分と、背面層とを対向させ、20kgf/cm2の荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で96時間保管し、各実施例の熱転写シートの背面層に染料を移行(キック)させた。なお、染料のキックに用いた背面層は、上記各実施例の熱転写シートシートの背面層と同一組成のものを用いた。
上記方法にて染料をキックさせた背面層と、各実施例及び比較例の熱転写シートの接着層とを重ね合わせ、定荷重圧縮試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、20kgf/cm2の荷重をかけ、50℃、湿度20%RHの環境下で24時間保管し、強制的に染料を再移行(バック)させた。その後、染料が再移行(バック)した接着層と昇華型転写プリンター(株式会社DNPフォトルシオ製 DS40)の純正受像紙の受像面とを重ね合わせ、ラミネート試験機(ラミパッカーLPD2305PRO、フジプラ(株)製)を用いて、処理温度が110℃、処理速度が1m/分にて転写層の転写を行った。次いで、受像紙から転写層を剥がし、転写部の色相をグレタグ社製GRETAG Spectrolino(D65光源、視野角2°)を用いて測定し、下記基準に基づき評価した。なお、保存性の評価は、実施例の熱転写シートについてのみ行った。
(色差計算式)
ΔE*=((対向前後のL*値の差)2+(対向前後のa*値の差)2+(対向前後のb*値の差)2)1/2
なお、L*a*b*は、CIE1976、L*a*b*表色系(JIS Z8729 1980)に規定されているL*a*b*を意味する。
ΔE*=((対向前後のL*値の差)2+(対向前後のa*値の差)2+(対向前後のb*値の差)2)1/2
なお、L*a*b*は、CIE1976、L*a*b*表色系(JIS Z8729 1980)に規定されているL*a*b*を意味する。
(評価基準)
○:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた転写層を転写した転写物の色差ΔE*が2.0未満である。
△:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた転写性保護層を転写した転写物の色差ΔE*が2.0以上3.0未満である。
×:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた転写性保護層を転写した転写物の色差ΔE*が3.0以上である。
○:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた転写層を転写した転写物の色差ΔE*が2.0未満である。
△:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた転写性保護層を転写した転写物の色差ΔE*が2.0以上3.0未満である。
×:未保存の保護層を転写した転写物と、バックさせた転写性保護層を転写した転写物の色差ΔE*が3.0以上である。
1…基材
2…保護層
3…表面層
3A…接着層
3B…受容層
7…染料層
10…転写層
100…熱転写シート
100A…保護層転写シート
100B…中間転写媒体
150…被転写体
200…画像形成物
300…印画物
2…保護層
3…表面層
3A…接着層
3B…受容層
7…染料層
10…転写層
100…熱転写シート
100A…保護層転写シート
100B…中間転写媒体
150…被転写体
200…画像形成物
300…印画物
Claims (9)
- 基材の一方の面上に、転写層が設けられた熱転写シートであって、
前記転写層は、前記基材側から、保護層、表面層がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、
前記保護層が、(1)紫外線吸収性モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体と、(2)ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が30000以下のアクリル系樹脂と、を含有しており、
前記(1)と(2)との質量比率が、3.5:1〜1:2の範囲であることを特徴とする熱転写シート。 - 前記(2)の酸価が、5mgKOH/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記保護層は、当該保護層の総質量に対し、タルクを0.5質量%以上5質量%以下の範囲で含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
- 前記(1)紫外線吸収性モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体における、前記紫外線吸収性モノマーの共重合比率がモル比で20%以上50%以下の範囲であり、前記アクリル系モノマーの共重合比率がモル比で50%以上80%以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱転写シート。
- 前記(1)の共重合体が、紫外線吸収性モノマーと、アクリル系モノマーと、光安定剤との共重合体であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱転写シート。
- 前記基材の一方の面上に、前記転写層と染料層とが面順次に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の熱転写シート。
- 前記表面層が接着層であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の熱転写シート。
- 前記接着層は、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上であって、且つ重量平均分子量(Mw)が50000以下のアクリル系樹脂を含有していることを特徴とする請求項7に記載の熱転写シート。
- 前記表面層が、受容層であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の熱転写シート。
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Cited By (3)
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JP2018130906A (ja) * | 2017-02-16 | 2018-08-23 | 凸版印刷株式会社 | 保護層付き熱転写シート及び保護層付き印画物 |
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