JP2017105332A - ハイブリッド車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンから駆動輪への動力伝達経路中にダンパ及び変速機が設けられる構成のハイブリッド車両において、ダンパの捩れ共振に起因するエンジンでの失火誤検出を抑制する。
【解決手段】エンジンの出力がダンパおよび変速機を経由して駆動輪に伝達されるハイブリッド車両において、車両走行中は、エンジンの回転変動量ΔNeが、変速機の複数の変速段毎に別個に設定された判定値P1t〜P4tのうちの、現在の変速段に対応する判定値を超えるとエンジンの失火発生が検出される。ダンパでの捩れ共振の発生が検知されると、変速段毎に別個に設定された補正値ΔP1t〜ΔPt4を加算することによって、それぞれの変速段での判定値がP1t〜P4tからP1t*〜P4t*へ緩和される。
【選択図】図9
【解決手段】エンジンの出力がダンパおよび変速機を経由して駆動輪に伝達されるハイブリッド車両において、車両走行中は、エンジンの回転変動量ΔNeが、変速機の複数の変速段毎に別個に設定された判定値P1t〜P4tのうちの、現在の変速段に対応する判定値を超えるとエンジンの失火発生が検出される。ダンパでの捩れ共振の発生が検知されると、変速段毎に別個に設定された補正値ΔP1t〜ΔPt4を加算することによって、それぞれの変速段での判定値がP1t〜P4tからP1t*〜P4t*へ緩和される。
【選択図】図9
Description
この発明はハイブリッド車両に関し、より特定的には、エンジンから駆動輪への動力伝達機構中にダンパ及び変速機が設けられる構成を有するハイブリッド車両におけるエンジンの失火検出に関する。
特開2005−59423号公報(特許文献1)には、車両走行中にエンジンの失火を検出するための方法が記載されている。特許文献1によれば、失火検出における判断基準を変速機のギヤ段の設定に応じたものとすることにより、アイドリング状態であることを前提とすることなく、車両走行中に失火の発生の有無を検出することができる。
ハイブリッド車両において、エンジンから駆動輪への動力伝達機構中に、回転軸の捩れを吸収するダンパが設けられる場合がある。このような構成においては、内燃機関の回転変動とダンパの捩れ振動とが共振する現象である、捩れ共振が発生する可能性がある。このため、エンジンの回転変動に基づいて失火を検出する場合に、ダンパの捩れ共振により内燃機関の失火を誤検出する虞がある。これは、エンジンの失火以外の原因(たとえば、気筒間の燃料噴射量のバラツキ)により出力トルクに変動が生じた場合に、ダンパの共振により内燃機関の出力軸の回転変動が大きくなることによって、失火が誤検出される可能性があるためである。
また、ハイブリッド車両の上記動力伝達機構中において、ダンパ及び駆動輪の間の経路に変速機がさらに設けられた構成では、変速機のギヤ段が変化するとエンジンの出力軸に対する駆動輪側のイナーシャも変化する。この結果、ダンパに捩れ共振が発生した際のエンジン回転が変動する挙動も変化することになるため、エンジンにおける失火の誤検出が誘発されることが懸念される。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、エンジンから駆動輪への動力伝達経路中にダンパ及び変速機が設けられる構成を有するハイブリッド車両において、ダンパの捩れ共振に起因するエンジンでの失火の誤検出を抑制することである。
この発明のある局面では、ハイブリッド車両は、エンジンと、エンジンの出力軸に設けられた第1の回転検出器と、電動機と、電動機のロータ軸に設けられた第2の回転検出器と、エンジンの出力軸から駆動輪までの動力伝達機構と、制御装置とを備える。動力伝達機構は、エンジンの出力軸と接続されたダンパと、回転軸と、変速機とを含む。回転軸は、ダンパを経由してエンジンの出力軸と機械的に接続されるとともに、電動機とも機械的に接続される。変速機は、複数の変速段を有するとともに、回転軸よりも駆動輪側に配置される。制御装置は、第1および第2の回転検出器の出力を受けて、エンジンの失火を検出するように構成される。さらに、制御装置は、第1の回転検出器の出力から算出されたエンジンの回転変動量が、複数の変速段のそれぞれについて別個に設定された複数の判定値のうちの変速機の現在の変速段に対応する判定値を超えたときにエンジンの失火を検出する。複数の判定値は、第2の回転検出器の出力から算出された電動機の回転速度から推定される回転軸の回転速度と、第1の回転検出器の出力から算出されたエンジンの回転速度との差分が所定値よりも大きいときには、複数の変速段に対応して別個に設定された複数の補正値をそれぞれ加算されて緩和される。
上記ハイブリッド車両によれば、車両走行中におけるエンジンの失火診断のための回転変動量の閾値(判定値)について変速機の複数の変速段にそれぞれ対応して別個に設定するとともに、エンジンおよび回転軸の回転速度の差分から検出されたダンパの捩れ共振の発生時における閾値の緩和量(補正値)についても、変速段毎に別個に設定することができる。したがって、変速機の変速段によるイナーシャの違いによって、ダンパの捩れ共振発生時におけるエンジンの回転変動量の挙動が変速段によって変化する現象を反映して、エンジンの失火診断のための回転変動量の閾値(判定値)を設定することができる。この結果、ダンパの捩れ共振に起因するエンジンでの失火誤検出を抑制することができる。
この発明によれば、エンジンから駆動輪への動力伝達機構中にダンパ及び変速機が設けられる構成を有するハイブリッド車両において、ダンパの捩れ共振に起因するエンジンでの失火の誤検出を抑制することができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお以下では、図中の同一又は相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
(車両構成)
図1は、本発明の実施の形態に従うハイブリッド車両の動力伝達システム及びその制御システムの概略構成図である。
図1は、本発明の実施の形態に従うハイブリッド車両の動力伝達システム及びその制御システムの概略構成図である。
図1を参照して、ハイブリッド車両10は、エンジン12と、変速部15と、差動歯車装置42と、駆動輪44とを備える。変速部15は、差動部20と、複数の変速段を有する変速機30とを含む。また、ハイブリッド車両10は、インバータ52と、蓄電装置54と、制御装置60とをさらに備える。
エンジン12は、燃料の燃焼による熱エネルギをピストンやロータなどの運動子の運動エネルギに変換することによって動力を発生する内燃機関である。
差動部20は、エンジン12に連結される。差動部20は、インバータ52によって駆動されるモータジェネレータと、エンジン12の出力を変速機30への伝達部材とモータジェネレータとに分割する動力分割装置とを含む。差動部20は、モータジェネレータの動作点を適宜制御することによって、エンジン12の出力軸の回転速度と、変速機30に接続される伝達部材の回転速度との比(変速比)を連続的に変更可能に構成され、無段変速機として機能する。差動部20の詳細な構成については後述する。
変速機30は、差動部20に連結され、差動部20に接続される伝達部材(変速機30の入力軸)の回転速度と、差動歯車装置42に接続される駆動軸(変速機30の出力軸)の回転速度との比(変速比)を変更可能に構成される。変速機30は、油圧により作動する摩擦係合要素(クラッチ)を係合させることにより所定の態様で動力伝達が可能となる(変速機30が動作可能となる)自動変速機によって構成することができる。たとえば、油圧により作動する複数の摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)を所定の組み合わせで係合又は解放させることにより、変速比を段階的に変更可能な有段式自動変速機によって、変速機30を形成することができる。
変速機30の変速比と、差動部20の変速比とによって、変速部15の変速比(エンジン12の出力軸と駆動軸との間の総合変速比)が決定される。なお、変速機30の詳細な構成についても、差動部20とともに後述する。差動歯車装置42は、変速機30の出力軸に連結され、変速機30から出力される動力を駆動輪44へ伝達する。
インバータ52は、制御装置60によって制御され、差動部20に含まれるモータジェネレータの駆動を制御する。インバータ52は、たとえば、三相分の電力用半導体スイッチング素子を含むブリッジ回路によって構成される。なお、特に図示しないが、インバータ52と蓄電装置54との間に電圧コンバータを設けてもよい。
蓄電装置54は、再充電可能な直流電源であり、代表的には、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池によって構成される。なお、二次電池に代えて電気二重層キャパシタなどの蓄電要素によって蓄電装置54を構成してもよい。
制御装置60は、エンジンECU(Electronic Control Unit)62と、MG−ECU64と、電池ECU66と、ECT−ECU68と、HV−ECU70とを含む。図示は省略するが、各ECUは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置、入出力バッファ等を含み、所定の制御を実行するように構成される。各ECUにより実行される制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(たとえば、電子回路)で処理することも可能である。各ECUは、通信線(バス)71に接続され、相互に信号をやりとりする。
エンジンECU62は、HV−ECU70から受けるエンジントルク指令等に基づいて、エンジン12を駆動するための制御信号を生成し、生成した制御信号をエンジン12へ出力する。MG−ECU64は、インバータ52を駆動するための制御信号を生成し、生成した制御信号をインバータ52へ出力する。
電池ECU66は、蓄電装置54の電圧及び/又は電流に基づいて、蓄電装置54の充電状態(満充電状態に対する現在の蓄電量を百分率で表したSOC(State Of Charge)値によって示される。)を推定し、その推定値をHV−ECU70へ出力する。ECT−ECU68は、HV−ECU70から受けるトルク容量指令等に基づいて、変速機30を制御するための油圧指令を生成し、生成した油圧指令を変速機30へ出力する。
HV−ECU70は、シフトレバーその他各種センサの信号を受け、ハイブリッド車両10の各機器を制御するための各種指令を生成する。HV−ECU70により実行される代表的な制御として、HV−ECU70は、アクセルペダルの操作量や車速等に基づいて、エンジン12及び変速部15を所望の状態に制御して走行する走行制御を実行する。また、HV−ECU70は、車両の走行状態(アクセル開度や車速等)、シフトレバーのポジション等に基づいて、差動部20及び変速機30を所望の変速状態に制御する変速制御を実行する。この変速制御の詳細については、後述する。
図2は、図1に示した制御装置60に対して入出力される主な信号及び指令を示したブロック図である。
図2を参照して、HV−ECU70は、シフトレンジを検出するシフトレンジセンサ(図示せず)からの信号、エンジン12の回転検出センサ14(図3参照)からの信号を受ける。シフトレンジは、たとえば、前進走行(D)レンジ、後進走行(R)レンジ及びニュートラル(N)レンジを含む。シフトレンジセンサは、たとえば、シフトレバーの位置を検出するものであってもよいし、あるいは、変速機30内に設けられ、シフトレバーの操作に応じて選択されたシフトレンジに対応する位置に移動する部材の位置を検出するセンサ(ニュートラルスタートスイッチ)であってもよい。
さらに、HV−ECU70は、差動部20に含まれるモータジェネレータMG1(後述)の回転速度Nm1を検出するためのMG1回転検出センサ27(図3参照)からの信号、差動部20に含まれるモータジェネレータMG2(後述)の回転速度Nm2を検出するためのMG2回転検出センサ28(図3参照)からの信号、並びに、差動部20及び変速機30の作動油の温度(油温)を検出する油温センサからの信号をさらに受ける。さらに、HV−ECU70は、蓄電装置54のSOC値を示す信号を電池ECU66から受ける。
また、HV−ECU70は、予め定められた変速線図に従って変速機30の変速段を決定し、その変速段を実現するためのトルク容量指令Tcrを生成してECT−ECU68へ出力する。
図3は、変速機の変速線図の一例である。
図3を参照して、変速線図は、車速と要求駆動力(トルク)とをパラメータとする二次元座標上に定められる。図3中の実線はアップシフト線であり、一点鎖線はダウンシフト線である。
図3を参照して、変速線図は、車速と要求駆動力(トルク)とをパラメータとする二次元座標上に定められる。図3中の実線はアップシフト線であり、一点鎖線はダウンシフト線である。
車速及び/又は要求駆動力がアップシフト線を超えて上昇すると、変速段はアップシフトされる。反対に、車速及び/又は要求駆動力がダウンシフト線を超えて低下すると、変速段はダウンシフトされる。
再び図2を参照して、ECT−ECU68は、トルク容量指令Tcrに相当するトルク容量を変速機30が有するように油圧指令(後述する、ブレーキB1,B2及びクラッチC1,C2)を生成して変速機30へ出力する。さらに、ECT−ECU68は、変速機30の出力軸の回転速度(以下、出力軸回転速度と記載する)を検出するための出力軸回転速度センサ37(図3参照)からの信号を受ける。
エンジンECU62は、エンジン12を駆動するためのスロットル信号や点火信号、燃料噴射信号等を生成してエンジン12へ出力する。MG−ECU64は、インバータ52によりモータジェネレータMG1,MG2を駆動するためのMG1電流指令値及びMG2電流指令値を生成し、インバータ52へ出力する。
(動力伝達機構の構成)
図4は、図1に示された差動部20及び変速機30によって構成される動力伝達機構の構成を示す図である。
図4は、図1に示された差動部20及び変速機30によって構成される動力伝達機構の構成を示す図である。
図4を参照して、差動部20は、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割装置24とを含む。このように、動力分割装置24及び変速機30を含むように、エンジン12から駆動輪44(図1)への動力伝達機構が構成される。
モータジェネレータMG1,MG2の各々は、交流電動機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機によって構成される。モータジェネレータMG1,MG2は、インバータ52によって駆動される。
モータジェネレータMG1のロータ軸には、モータジェネレータMG1の回転角度位置を検出するための回転検出センサ27が設けられる。同様に、モータジェネレータMG2のロータ軸には、モータジェネレータMG2の回転角度位置を検出するための回転検出センサ28が設けられる。回転検出センサ27,28は、たとえばレゾルバによって構成される。回転検出センサ27および28によって、モータジェネレータMG1の回転速度Nm1およびモータジェネレータMG2の回転速度Nm2についても検出することができる。すなわち、回転検出センサ27,28は「第2の回転検出器」に相当する。
また、エンジン12の出力軸22には、クランク角度を検出するための回転検出センサ14が設けられる。回転検出センサ14によって、エンジン12の回転速度(エンジン回転速度Ne)についても検出することができる。すなわち、回転検出センサ14は「第1の回転検出器」に相当する。
動力分割装置24は、シングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成され、サンギヤS0と、ピニオンギヤP0と、キャリアCA0と、リングギヤR0とを含む。キャリアCA0は、ピニオンギヤP0を自転及び公転可能に支持するように構成される。キャリアCA0と一体的に回転するキャリア軸25は、ダンパ17を経由して、エンジン12の出力軸(クランク軸)22と連結される。ダンパ17は、クランク軸22に生じる捩れトルクを弾性部材等を用いて吸収することによってトルク変動を緩和するように構成される。
遊星歯車機構のサンギヤS0は、モータジェネレータMG1の回転軸と連結される。リングギヤR0は、伝達部材26に連結されるとともに、ピニオンギヤP0を介してサンギヤS0と噛み合うように構成される。伝達部材26には、モータジェネレータMG2の回転軸が連結される。すなわち、リングギヤR0は、モータジェネレータMG2の回転軸とも連結される。このように、キャリア軸25は、ダンパ17を経由してクランク軸22と機械的に接続されるとともに、モータジェネレータMG1,MG2とも遊星歯車機構を経由して機械的に接続される。
動力分割装置24は、サンギヤS0、キャリアCA0及びリングギヤR0が相対的に回転することによって差動装置として機能する。サンギヤS0、キャリアCA0及びリングギヤR0の各回転速度は、後述する共線図(図6)において直線で結ばれる関係になる。
すなわち、プラネタリギヤにおける3つ回転要素(サンギヤS0、キャリアCA0及びリングギヤR0)のうちのいずれか2つの回転速度が定まると残り1つの回転速度が定まる関係になる。したがって、キャリア軸25の回転速度は、モータジェネレータMG1,MG2の回転速度から算出することができる。
動力分割装置24の差動機能により、エンジン12から出力される動力がサンギヤS0とリングギヤR0とに分配される。サンギヤS0に分配された動力によってモータジェネレータMG1が発電機として作動し、モータジェネレータMG1により発電された電力は、モータジェネレータMG2に供給されたり、蓄電装置54(図1)に蓄えられたりする。動力分割装置24により分割された動力を用いてモータジェネレータMG1が発電したり、モータジェネレータMG1により発電された電力を用いてモータジェネレータMG2を駆動したりすることによって、差動部20は変速機能を実現することができる。
変速機30は、シングルピニオン型の遊星歯車機構32,34と、クラッチC1,C2と、ブレーキB1,B2と、ワンウェイクラッチF1とを含む。遊星歯車機構32は、サンギヤS1と、ピニオンギヤP1と、キャリアCA1と、リングギヤR1とを含む。遊星歯車機構34は、サンギヤS2と、ピニオンギヤP2と、キャリアCA2と、リングギヤR2とを含む。
クラッチC1,C2及びブレーキB1,B2の各々は、油圧により作動する摩擦係合装置であり、重ねられた複数枚の摩擦板が油圧により押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻付けられたバンドの一端が油圧によって引き締められるバンドブレーキ等によって構成される。ワンウェイクラッチF1は、互いに連結されるキャリアCA1及びリングギヤR2を一方向に回転可能とし、かつ、他方向に回転不能に支持する。
図5は、変速機の各変速段(ギヤ段)を形成するための係合作動表を示す図である。
図5を参照して、変速機30においては、クラッチC1,C2及びブレーキB1,B2、並びにワンウェイクラッチF1の各係合装置が、図5に示される係合作動表に従って係合されることにより、1速ギヤ段〜4速ギヤ段及び後進ギヤ段が択一的に形成される。
図5を参照して、変速機30においては、クラッチC1,C2及びブレーキB1,B2、並びにワンウェイクラッチF1の各係合装置が、図5に示される係合作動表に従って係合されることにより、1速ギヤ段〜4速ギヤ段及び後進ギヤ段が択一的に形成される。
なお、図5において、「○」は係合状態であることを示し、「△」は駆動時にのみ係合されることを示し、空欄は解放状態であることを示す。また、本実施の形態においては、シフトレンジとしてNレンジが選択されており、かつ、蓄電装置54の充電が実施されない場合には、変速機30においては、1速ギヤ段と同様に、クラッチC1及びブレーキB1が係合状態にされるとともに、モータジェネレータMG1,MG2のトルク出力が停止された状態になる。モータジェネレータMG1,MG2のトルク出力が停止された状態になることにより、ニュートラル状態(動力遮断状態)が形成される。
一方、シフトレンジとしてNレンジが選択されており、かつ、蓄電装置54の充電が実施される場合には、変速機30においては、クラッチC1を解放状態にすることにより、ニュートラル状態(動力伝達遮断状態)が形成される。蓄電装置54の充電が実施される場合には、エンジン12が作動状態になるとともに、モータジェネレータMG1,MG2において負トルクを発生させることにより発電動作が行なわれる。なお、このとき、ブレーキB2の係合状態が維持される。
再び図4を参照して、差動部20と変速機30とは、リングギヤR0と一体的に回転するリングギヤ軸によって構成される伝達部材26により連結される。そして、遊星歯車機構34のキャリアCA2に連結される出力軸36が差動歯車装置42(図1)に連結される。変速機30の出力軸36には、出力軸回転速度Noを検出する出力軸回転速度センサ37が設けられる。
図6は、差動部20及び変速機30によって構成される変速部15の共線図である。
図6及び図3を参照して、差動部20に対応する共線図の縦線Y1は、動力分割装置24のサンギヤS0の回転速度を示し、すなわちモータジェネレータMG1の回転速度を示す。縦線Y2は、動力分割装置24のキャリアCA0(キャリア軸25)の回転速度を示す。
図6及び図3を参照して、差動部20に対応する共線図の縦線Y1は、動力分割装置24のサンギヤS0の回転速度を示し、すなわちモータジェネレータMG1の回転速度を示す。縦線Y2は、動力分割装置24のキャリアCA0(キャリア軸25)の回転速度を示す。
キャリアCA0(キャリア軸25)の回転速度は、通常、エンジン12の回転速度と同じである。縦線Y3は、動力分割装置24のリングギヤR0の回転速度を示し、すなわちモータジェネレータMG2の回転速度を示している。なお、縦線Y1〜Y3の間隔は、動力分割装置24のギヤ比(1:ρ)に対応している。
図6中のギヤ比ρに従えば、モータジェネレータMG1の回転速度Nm1(サンギヤS0の回転速度)と、モータジェネレータMG2の回転速度Nm2(リングギヤR0の回転速度)と、キャリア軸25の回転速度Ncとの間には、下記式(1)の関係が成立する。
ρ・Nm1=Nc・(1+ρ)−Nm2… (1)
変速機30に対応する共線図の縦線Y4は、遊星歯車機構34のサンギヤS2の回転速度を示し、縦線Y5は、互いに連結された遊星歯車機構34のキャリアCA2及び遊星歯車機構32のリングギヤR1の回転速度を示す。また、縦線Y6は、互いに連結された遊星歯車機構34のリングギヤR2及び遊星歯車機構32のキャリアCA1の回転速度を示し、縦線Y7は、遊星歯車機構32のサンギヤS1の回転速度を示す。そして、縦線Y4〜Y7の間隔は、遊星歯車機構32,34のギヤ比に応じて定められている。
変速機30に対応する共線図の縦線Y4は、遊星歯車機構34のサンギヤS2の回転速度を示し、縦線Y5は、互いに連結された遊星歯車機構34のキャリアCA2及び遊星歯車機構32のリングギヤR1の回転速度を示す。また、縦線Y6は、互いに連結された遊星歯車機構34のリングギヤR2及び遊星歯車機構32のキャリアCA1の回転速度を示し、縦線Y7は、遊星歯車機構32のサンギヤS1の回転速度を示す。そして、縦線Y4〜Y7の間隔は、遊星歯車機構32,34のギヤ比に応じて定められている。
クラッチC1が係合すると、差動部20のリングギヤR0に遊星歯車機構34のサンギヤS2が連結され、サンギヤS2がリングギヤR0と同じ速度で回転する。クラッチC2が係合すると、リングギヤR0に遊星歯車機構32のキャリアCA1及び遊星歯車機構34のリングギヤR2が連結され、キャリアCA1及びリングギヤR2がリングギヤR0と同じ速度で回転する。ブレーキB1が係合するとサンギヤS1の回転が停止し、ブレーキB2が係合するとキャリアCA1及びリングギヤR2の回転が停止する。
たとえば、図6の係合作動表に示したように、クラッチC1及びブレーキB1を係合し、その他のクラッチ及びブレーキを解放すると、変速機30の共線図は「2nd」で示される直線のようになる。遊星歯車機構34のキャリアCA2の回転速度を示す縦線Y5が、変速機30の出力回転速度(出力軸36の回転速度)を示す。このように、変速機30において、クラッチC1,C2及びブレーキB1,B2を図4の係合作動表に従って係合又は解放させることにより、複数の変速段、すなわち、1速ギヤ段〜4速ギヤ段、後進ギヤ段、及びニュートラル状態を選択的に形成することができる。
一方、差動部20においては、モータジェネレータMG1,MG2を適宜回転制御することにより、キャリアCA0に連結されるエンジン12の回転速度に対して、リングギヤR0の回転速度すなわち伝達部材26の回転速度を連続的に変更可能な無段変速が実現される。このように、差動部20に、伝達部材26と出力軸36との間の変速比を変更可能な変速機30を連結することによって、差動部20による無段変速機能を有しつつ、差動部20の変速比を小さくすることができ、モータジェネレータMG1,MG2の損失を小さくすることが可能となる。
(エンジンの失火診断)
以上のような構成を有するハイブリッド車両10に搭載されるエンジン12において、たとえば、点火プラグにカーボン、オイルあるいは燃料が付着するなどの種々の原因によって失火が発生する場合がある。エンジン12において失火が発生すると、トルク変動が生じることに加えて未燃焼の燃料が外部に排出される可能性があるため、失火の発生を早期に検出する必要がある。そのため、制御装置60は、エンジン12において失火が発生しているか否かの診断(失火診断)を実施する。
以上のような構成を有するハイブリッド車両10に搭載されるエンジン12において、たとえば、点火プラグにカーボン、オイルあるいは燃料が付着するなどの種々の原因によって失火が発生する場合がある。エンジン12において失火が発生すると、トルク変動が生じることに加えて未燃焼の燃料が外部に排出される可能性があるため、失火の発生を早期に検出する必要がある。そのため、制御装置60は、エンジン12において失火が発生しているか否かの診断(失火診断)を実施する。
一般的に、エンジン12で失火が発生すると、エンジン12の出力トルクに変動が生じることによりエンジン12の回転速度に変動が生じる。したがって、特許文献1にも記載されるように、エンジン12の回転速度変動量が大きくなったときに、エンジン12の失火を検出することができる。
しかしながら、本実施の形態に従うハイブリッド車両10では、ダンパ17を経由してエンジン12の出力トルクが伝達されるので、エンジントルクにダンパ17の機械的な固有振動周波数に相当する周波数の変動が生じた場合には、ダンパ17での共振現象(所謂、ダンパの捩れ共振)の発生によって、クランク軸22の回転速度、すなわち、エンジン12の回転速度の変動量が大きくなる可能性がある。この結果、エンジン12での燃料燃焼が正常であっても、エンジン回転変動量の増加に基づいて、エンジン12の失火を誤検出する虞がある。
さらに、実施の形態に従うハイブリッド車両10では、動力伝達機構が変速機を含むため、変速機でのギヤ段(変速段)が変化すると、エンジンのクランク軸22に対して付加される駆動輪側のイナーシャが変化することになる。このため、ダンパ17に捩れ共振が発生したときに、エンジン12の回転速度変動の挙動が、変速機30でのギヤ段に依存して変化することが懸念される。すなわち、ダンパ17の捩れ共振発生時において、変速機30のギヤ段の変化を考慮せずに失火診断を行うと、エンジン12の失火を誤検出することが懸念される。したがって、本実施の形態に従うハイブリッド車両10では、以下のように、エンジン12の失火診断を実行する。
図7は、本発明の実施の形態に従うハイブリッド車両におけるエンジン失火診断の制御処理を説明するフローチャートである。たとえば、図7に示された制御処理は、制御装置60(より特定的には、エンジンECU62)によって、エンジン12の作動期間中に繰り返し実行することができる。
図7を参照して、制御装置60は、ステップS100により、失火診断の実行を許可するための条件が成立しているかどうかを判定する。たとえば、ステップS100では、エンジン12の状態が失火診断に適した(適切な精度で判定可能な)状態であるか否かが判定される。代表的には、現在のエンジン回転速度Neとエンジン負荷率(または吸入空気量)とが予め設定された所定領域内であるときに、失火診断許可条件が成立していると判断して、S100をYES判定とすることができる。この場合の所定領域は、実機実験等により適合することができる。
制御装置60は、失火診断許可条件の非成立時(S100のNO判定時)には、失火診断を実行することなく処理を終了する。
一方で、制御装置60は、失火診断許可条件の成立時(S100のYES判定時)には、ステップS110に処理を進めて、エンジン回転変動量ΔNeを算出する。たとえば、回転変動量ΔNeは、特許文献1に示されるように、回転検出センサ14を用いて検出されたエンジン回転速度が、目標回転速度に対して正負いずれにどの程度ずれているかを表わす数値とすることができる。
あるいは、複数の気筒を有するエンジンでは、回転検出センサ14によって検出されるクランク角度に基づいて、各気筒が基準角度(たとえば、TDC(Top Dead Center)あるいはBDC(Bottom Dead Center))から所定の回転角度量だけ進むのに要する時間(回転所要時間)を逐次算出し、気筒間での点火順序に従って、連続する回転所要時間の差分を回転変動量ΔNeとすることも可能である。
このように、ステップS110で算出される回転変動量ΔNeについては、エンジン12での正常燃料時にはほぼゼロとなる一方で失火時には大きくなるものであれば、エンジン12の回転挙動を示す定量値として、任意に定義することができる。
次に制御装置60は、ステップS120により、ハイブリッド車両10の車速に応じて、停車中であるかどうかを判定する。制御装置60は、停車中(S120のYES判定時)には、ステップS130に処理を進めて、各ギヤ段に共通の判定値を設定する(パターン1)。
図8には、停車中(パターン1)による失火診断の概念図が示される。
図8を参照して、停車中における失火診断では、変速機30の各ギヤ段、すなわち、1速ギヤ段(1st)、2速ギヤ段(2nd)、3速ギヤ段(3rd)および4速ギヤ段(4th)に対して、共通の判定値Ptが設定される。回転変動量ΔNeが判定値Ptを超えない範囲内に収まっているか否かによって、エンジン12での失火の有無が判別される。したがって、停車時には、それぞれのギヤ段における回転変動量ΔNeの許容分布範囲601〜604は共通となる。このように、ステップS130では、ギヤ段によらず共通の判定値Ptが設定される。
図8を参照して、停車中における失火診断では、変速機30の各ギヤ段、すなわち、1速ギヤ段(1st)、2速ギヤ段(2nd)、3速ギヤ段(3rd)および4速ギヤ段(4th)に対して、共通の判定値Ptが設定される。回転変動量ΔNeが判定値Ptを超えない範囲内に収まっているか否かによって、エンジン12での失火の有無が判別される。したがって、停車時には、それぞれのギヤ段における回転変動量ΔNeの許容分布範囲601〜604は共通となる。このように、ステップS130では、ギヤ段によらず共通の判定値Ptが設定される。
再び図7を参照して、制御装置60は、走行中(S120のNO判定時)には、ステップS140に処理を進めて、変速機30の複数のギヤ段毎に別個の判定値を設定する(パターン2)。さらに、制御装置60は、ステップS150に処理を進めて、ダンパ17に捩れ共振が発生しているかどうかを診断する共振検出処理を実行する。
制御装置60は、ステップS150では、回転検出センサ27,28の検出値から算出されたモータジェネレータMG1,MG2の回転速度から推定されるキャリア軸25の回転速度と、回転検出センサ14の検出値から算出されたエンジン回転速度Neとの差分が算出される。
キャリア軸25の推定回転速度Nc♯は、図6の共線図に従う上記式(1)を変形した、下記の式(2)を用いて算出することができる。
Nc♯=(ρ・Nm1−Nm2)/(1+ρ)… (2)
制御装置60は、ステップS160では、キャリア軸25の推定回転速度Nc♯およびエンジン回転速度Neの差分|Ne−Nc♯|を所定の判定値Ntと比較する。判定値Ntは、一定値であってもよく、予め設定されたマップ等に従ってエンジン12の状態に応じて可変に設定されてもよい。
制御装置60は、ステップS160では、キャリア軸25の推定回転速度Nc♯およびエンジン回転速度Neの差分|Ne−Nc♯|を所定の判定値Ntと比較する。判定値Ntは、一定値であってもよく、予め設定されたマップ等に従ってエンジン12の状態に応じて可変に設定されてもよい。
制御装置60は、|Ne−Nc♯|>Ntのときには、ダンパ17における捩れ共振の発生を検出する(S160がYES判定)。一方で、|Ne−Nc♯|≦Ntのときには、ダンパ17における捩れ共振の発生は検出されない(S160がNOS判定)。
制御装置60は、ダンパ17における捩れ共振の検出時(S160のYES判定時)には、ステップS170により、それぞれのギヤ段における判定値を緩和するための補正計算を実行する(パターン3)。
一方で、制御装置60は、ダンパ17における捩れ共振の非検出時(S160のNO判定時)には、制御装置60は、ステップS180に処理を進めて、ステップS140によって設定されたギヤ段毎の判定値(パターン2)を維持する。
図9には、走行中(パターン2,3)におけるエンジン失火診断の概念図が示される。
図9を参照して、パターン2(走行中の捩れ共振非発生時)では、変速機30の複数の変速段である、1速ギヤ段(1st)、2速ギヤ段(2nd)、3速ギヤ段(3rd)および4速ギヤ段(4th)のそれぞれに対応して、判定値P1t、P2t、P3tおよびP4tが別個に設定される。これにより、失火診断は、それぞれのギヤ段における回転変動量ΔNeの分布が、−P1t〜P1t、−P2t〜P2t,−P3t〜P3t,−P4t〜P4tの範囲内に収まっているか否かによって実行される。すなわち、それぞれのギヤ段における回転変動量ΔNeの許容分布範囲601〜604を別個に設定できる。
図9を参照して、パターン2(走行中の捩れ共振非発生時)では、変速機30の複数の変速段である、1速ギヤ段(1st)、2速ギヤ段(2nd)、3速ギヤ段(3rd)および4速ギヤ段(4th)のそれぞれに対応して、判定値P1t、P2t、P3tおよびP4tが別個に設定される。これにより、失火診断は、それぞれのギヤ段における回転変動量ΔNeの分布が、−P1t〜P1t、−P2t〜P2t,−P3t〜P3t,−P4t〜P4tの範囲内に収まっているか否かによって実行される。すなわち、それぞれのギヤ段における回転変動量ΔNeの許容分布範囲601〜604を別個に設定できる。
さらに、パターン3(走行中の捩れ共振発生時)では、エンジンの失火診断のための回転変動量の閾値は、判定値P1t〜P4tから判定値P1t*〜P4t*へ緩和される。すなわち、P1t*>P1t、P2t*>P2t、P3t*>P3t、かつ、P4t*>P4tに設定されて、それぞれのギヤ段における回転変動量(ΔNe)の許容分布範囲601〜604は、−P1t*〜P1t*、−P2t*〜P2t*,−P3t*〜P3t*,−P4t*〜P4t*の範囲にそれぞれ設定される。
ここで、判定値P1t〜P4tを緩和するための補正量ΔP1t〜ΔP4tについても、変速機30の複数のギヤ段毎に別個に設定される。なお、図示されるように、補正量ΔP1t〜ΔP4tは、ΔP1t=P1t*−P1t、ΔP2t=P2t*−P2t、ΔP3t=P3t*−P3t、および、ΔP4t=P4t*−P4tで定義される。
再び図7を参照して、制御装置60は、ステップS190により、変速機30の現在のギヤ段を特定する。たとえば、ステップS190では、HV−ECU70からECT−ECU68への制御指令に基づいて、変速機30の現在のギヤ段を特定することができる。あるいは、ハイブリッド車両10でのアクセル開度、車速や要求駆動力に基づく、図3の変速線図のデータと対応させて、現在のギヤ段を推定することも可能である。または、回転変動量ΔNeのレベル(最大値、最小値および平均値等)のモニタリングに基づいて、予め求められた統計データとの比較から変速機30の現在のギヤ段が特定されてもよい。
制御装置60は、ステップS200により、ステップS190で特定された現在のギヤ段に従って、パターン2またはパターン3に従う判定値P1t〜P4tまたはP1t*〜P4t*から、現在のギヤ段に対応する判定値を抽出する。上述のように、停車時には、各ギヤ段に共通の判定値Ptが設定されるので、現在のギヤ段に対応させて判定値を抽出する処理(S190,S200)は不要である。
制御装置60は、ステップS210により、ステップS110で検出されたエンジン回転変動量ΔNeの絶対値(|ΔNe|)と、変速機30の現在のギヤ段に対応する判定値とを比較する。上述のように、判定値は、パターン1〜3のいずれかに従って、ステップS130またはS200により設定される。そして、制御装置60は、|ΔNe|が判定値よりも大きい場合には(S210のYES判定時)、ステップS220に処理を進めて、エンジン12の失火を検出する。これにより、たとえば車室内の警告灯がオンされる。
一方で、制御装置60は、|ΔNe|が判定値を越えていないとき(S210のNO判定時)には制御装置60は、ステップS220の処理をスキップして、エンジン12の失火を検出しない。
このように、本発明の実施の形態に従うハイブリッド車両によれば、エンジンから駆動輪への動力伝達経路中にダンパ及び変速機が設けられる構成を有するハイブリッド車両において、エンジンの失火診断のための回転変動量の閾値(判定値)について、走行中には変速機のギヤ段毎に異なる値に設定するとともに、ダンパの捩れ共振検出時における閾値の緩和量(補正値)についても、ギヤ段毎に別個に設定することができる。
したがって、変速機のギヤ段によるイナーシャの違いによって、ダンパの捩れ共振発生時におけるエンジンの回転変動量の挙動がギヤ段によって変化する現象を反映して、エンジンの失火診断のための回転変動量の閾値(判定値)を設定することができる。この結果、ダンパの捩れ共振に起因するエンジンでの失火誤検出を抑制することができる。
なお、図1に示されたハイブリッド車両の動力伝達の構成は例示に過ぎず、エンジンから駆動輪への動力伝達経路中にダンパ及び複数の変速段を有する変速機が設けられる構成であれば、電動機(モータジェネレータ)の個数およびについて接続態様についても限定することなく、本発明を適用することができる。すなわち、本実施の形態と同様に、走行中におけるダンパ捩れ共振の発生時および非発生時のそれぞれにおける、エンジンの失火診断のための回転変動量の閾値(判定値)を設定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 ハイブリッド車両、12 エンジン、14 回転検出センサ(エンジン)、15 変速部、17 ダンパ、20 差動部、22 出力軸(エンジン)、24 動力分割装置、25 キャリア軸、26 伝達部材、27,28 回転検出センサ(MG1,MG2)、30 変速機、32,34 遊星歯車機構、36 出力軸(変速機)、37 出力軸回転速度センサ、42 差動歯車装置、44 駆動輪、52 インバータ、54 蓄電装置、60 制御装置、62 エンジンECU、64 MG−ECU、66 電池ECU、68 ECT−ECU、70 HV−ECU、71 通信線、110 点火プラグ、601〜604 分布(エンジン回転変動量)、B1,B2 ブレーキ、C1,C2 クラッチ、CA0〜CA2 キャリア、F1 ワンウェイクラッチ、MG1,MG2 モータジェネレータ、Nc 回転速度(キャリア軸)、Ne エンジン回転速度、m1 回転速度(MG1)、Nm2 回転速度(MG2)、No 出力軸回転速度、P0〜P2 ピニオンギヤ、P1t〜P4t,P1t*〜P4t*,Pt 判定値(失火検出)、R0,R1,R2 リングギヤ、S0,S1,S2 サンギヤ、Tcr トルク容量指令。
Claims (1)
- エンジンと、
前記エンジンの出力軸に設けられた第1の回転検出器と、
電動機と、
前記電動機のロータ軸に設けられた第2の回転検出器と、
前記エンジンの出力軸から駆動輪までの動力伝達機構とを備え、
前記動力伝達機構は、
前記エンジンの出力軸と接続されたダンパと、
前記ダンパを経由してエンジンの出力軸と機械的に接続されるとともに、前記電動機とも機械的に接続された回転軸と、
前記回転軸よりも前記駆動輪側に配置された、複数の変速段を有する変速機とを含み、
前記第1および第2の回転検出器の出力を受けて、前記エンジンの失火を検出するように構成された制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
車両走行中において、前記第1の回転検出器の出力から算出された前記エンジンの回転変動量が、前記複数の変速段のそれぞれについて別個に設定された複数の判定値のうちの前記変速機の現在の変速段に対応する判定値を超えたときに前記エンジンの失火を検出し、
前記複数の判定値は、前記第2の回転検出器の出力から算出された電動機の回転速度から推定される前記回転軸の回転速度と、前記第1の回転検出器の出力から算出された前記エンジンの回転速度との差分が所定値よりも大きいときには、前記複数の変速段に対応して別個に設定された複数の補正値をそれぞれ加算されて緩和される、ハイブリッド車両。
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-
2015
- 2015-12-10 JP JP2015241013A patent/JP2017105332A/ja active Pending
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