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JP2017102065A - イオン濃度センサ、およびイオン濃度測定方法 - Google Patents

イオン濃度センサ、およびイオン濃度測定方法 Download PDF

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JP2017102065A JP2015236962A JP2015236962A JP2017102065A JP 2017102065 A JP2017102065 A JP 2017102065A JP 2015236962 A JP2015236962 A JP 2015236962A JP 2015236962 A JP2015236962 A JP 2015236962A JP 2017102065 A JP2017102065 A JP 2017102065A
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Abstract

【課題】測定対象に含まれるイオンの濃度を測定するイオン濃度センサ、および当該イオン濃度センサを用いたイオン濃度測定においてイオン濃度センサの感度の低下を抑制する方法を提供する。
【解決手段】イオンセンサ100は、信号電荷を蓄積するセンシング部1と、センシング部に蓄積可能な信号電荷量を変化させるイオン感応膜30と、信号電荷を読み出して転送する垂直転送部4と、測定対象の電位を決定するための基準電位を定める参照電極13と、参照電極の電圧を、イオンセンサを動作させるための駆動電圧に連動して変化させる電圧制御部14とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象に含まれるイオンの濃度を測定するイオン濃度センサ、および当該イオン濃度センサを用いたイオン濃度測定方法に関する。
溶液中のイオン濃度を測定するイオン濃度センサとして、上記イオン濃度に対応してポテンシャルが変化するセンシング部に荷電粒子を蓄積し、当該荷電粒子の電荷量を検出するイオン濃度センサが従来技術として知られている。このようなイオン濃度センサにおいて、センシング部に蓄積された電荷は、フローティングディフュージョン部へ移送されて、検出される。しかし、このようなイオン濃度センサにおいては、センシング部からフローティングディフュージョン部への電荷の移送が正常に行われないことで、感度の低下が発生するという問題が生じる。
特許文献1には、「ポテンシャルのこぶ」によってセンシング部に残存した電荷がフローティングディフュージョン部に移送されることによる感度の低下を抑制するため、センシング部に連続する除去井戸を設け、この除去井戸に、センシング部に残存した電荷を一時的に避難させるセンサが記載されている。
WO2006/095903号公報(2006年9月14日公開)
しかしながら、イオン濃度センサの感度の低下は、上述のような「ポテンシャルのこぶ」に起因するものだけではない。例えば、センシング部のポテンシャルが深い場合に、センシング部に蓄積された電荷の一部がフローティングディフュージョン部に移送されず、イオン濃度センサの感度の低下が生じることがある。センシング部のポテンシャルの深さに起因する感度の低下について、特許文献1には何ら記載されていない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、イオン濃度センサの感度の低下を抑制することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るイオン濃度センサは、信号電荷を蓄積するセンシング部と、測定対象のイオン濃度に応じて上記センシング部に蓄積可能な信号電荷量を変化させるイオン感応膜と、上記イオン濃度に応じて上記センシング部に蓄積された信号電荷を読み出して転送する電荷転送部と、上記測定対象の電位を決定するための基準となる電位を定める参照電極と、上記参照電極の電圧を、上記イオン濃度センサを動作させるために入力される駆動電圧に連動して変化させることができる電圧制御部とを備える。
本発明の一態様に係るイオン濃度センサによれば、イオン濃度センサの感度の低下を抑制することができるという効果を奏する。
(a)は本発明の実施形態1〜5に係るイオンセンサの一部を拡大して示す平面図であり、(b)は(a)の平面図におけるA−A線の矢視断面図であり、(c)は(a)の平面図におけるB−B線の矢視断面図である。 本発明の実施形態1および2に係るイオンセンサの構成を示す平面図である。 第1ゲート電極に印加されている電圧と、参照電極電圧との関係を示すタイミングチャートである。 図4の(a)〜(e)は、図3に示した時刻t1〜t5のそれぞれにおける、センシング部および垂直転送部の信号電荷の状態を示す図である。 (a)は、本実施形態のイオンセンサおよび比較例のイオンセンサの、参照電極電圧に対する出力トランジスタの出力の関係を示すグラフであり、(b)は、(a)に示した各データ点の間における、参照電極電圧に対する出力トランジスタの出力の傾き(イオンセンサの感度)を示すグラフである。 実施形態2のイオンセンサの断面図である。 実施形態2のイオンセンサの一部の断面図である。 (a)は、図7のD1−D2線におけるドーパントの濃度プロファイルであり、(b)は、図7のE1−E2線におけるドーパントの濃度プロファイルである。 第1ゲートに印加されている電圧、参照電極電圧、およびN型基板に印加されている電圧の関係を示すタイミングチャートである。 (a)〜(e)は、図9に示した時刻t1〜t5のそれぞれにおける、センシング部および垂直転送部の電荷の状態を示す図である。 (a)は、イオン濃度センサおよび比較例のイオンセンサの、参照電極電圧に対する出力トランジスタの出力の関係を示すグラフであり、(b)は、(a)に示した各データ点の間における、参照電極電圧に対する出力トランジスタの出力の傾き(イオンセンサの感度)を示すグラフである。 (a)は、実施形態1のイオンセンサにおける、参照電極の位置を示す概略図であり、(b)は、本実施形態のイオンセンサにおける参照電極の位置を示す概略図である。 実施形態4のイオン濃度測定方法の処理の流れを示すフローチャートである。 (a)は、参照電極電圧と出力トランジスタにおける出力との関係を示す曲線であるpH特性曲線を示すグラフであり、(b)は、参照電極電圧の決定方法を示すグラフである。 図13に示した各ステップにおける、第1ゲート電極に印加されている電圧と、参照電極電圧との関係を示すタイミングチャートである。 実施形態5のpH値測定方法の概略を説明するための図である。 実施形態5のpH値測定方法のタイミングチャートである。 参照電極電圧と、出力トランジスタの出力との関係を示すグラフである。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1の(a)は、本発明の実施形態1に係るイオンセンサ100(イオン濃度センサ)の一部を拡大して示す平面図である。図1の(b)は、当該平面図におけるA−A線の矢視断面図であり、図1の(c)は当該平面図におけるB−B線の矢視断面図である。図2は、実施形態1および2に係るイオンセンサの構成を示す平面図である。
図2に示すように、本実施形態に係るイオンセンサ100は、測定領域5と、非受光領域101と、オプティカルブラック102とを備えている。イオンセンサ100は、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサを活用したフォトダイオード型のイオン濃度センサである。
測定領域5は、凹部をなしており、当該凹部の底には多数のセンシング構造がマトリクス状に配置されている。イオン濃度を測定する対象(測定対象)となる溶液は、測定領域5に注入される。オプティカルブラック102は、測定領域5の周囲に形成された黒画素の部分であり、水素イオン濃度の測定には使用されない。
非受光領域101は、さらにオプティカルブラック102の周囲に形成されており、受光に寄与しない部分である。この非受光領域101には、後述する水平転送部7などが含まれている。
図1の(a)に示すように、イオンセンサ100は、(i)測定領域5に形成される、センシング部1、第1ゲート電極2a、第2ゲート電極2b、第3ゲート電極2c、第4ゲート電極2dおよび垂直転送部4と、(ii)非受光領域101に形成される、水平転送部7、出力ゲート8、フローティングディフュージョン部9、リセットゲート10、リセットドレイン11および出力トランジスタ12と、(iii)参照電極13および電圧制御部14と、を備えている。また、図1の(b)および(c)に示すように、イオンセンサ100は、N型基板21と、Pウェル22と、電極26と、絶縁膜27と、遮光膜28と、絶縁膜29と、イオン感応膜30とを備えている。
センシング部1は、受けた光を電荷に変換する光電変換部である。このセンシング部1は、例えば、フォトダイオードによって形成されており、変換された電荷の蓄積が可能である。センシング部1は、イオンセンサ100に複数備えられている。イオンセンサ100に備えられるセンシング部1の数は、イオンセンサ100の用途および性能などに応じて決定される。
第1ゲート電極2a〜第4ゲート電極2dは、センシング部1から垂直転送部4に読み出された電荷を垂直方向へ転送するための電極である。また、第1ゲート電極2aは同時に、センシング部1に蓄積された電荷を読み出す制御のためのゲート電極でもある。なお、第1ゲート電極2a〜第4ゲート電極2dは、垂直転送部4上に形成されている。
垂直転送部4(電荷転送部)は、第1ゲート電極2a〜第4ゲート電極2dに印加されるON電圧に応じて、読み出された電荷を垂直方向に転送する。ここで、垂直方向とは、後述する水平転送部7の長手方向に対して垂直な方向である。垂直転送部4は、複数のMOS(Metal Oxide Semiconductor)キャパシタが隣接するように配置されることにより形成されている。
1つのセンシング部1と、当該センシング部1に対応する第1ゲート電極2a〜第4ゲート電極2dと、当該センシング部1に対応する垂直転送部4の部分とにより、セルが構成されている。
水平転送部7(電荷転送部)は、通常のCCD型イメージセンサで使用されている公知の2相CCD構造を成しており、垂直転送部4から出力される電荷を水平方向に転送する。ここで、水平方向とは、水平転送部7の長手方向である。
出力ゲート8は、水平転送部7から転送されてきた電荷をフローティングディフュージョン部9に出力するためのゲート回路であり、ON電圧が印加されたときのみ、電荷を出力する。
フローティングディフュージョン部9は、N型領域からなるキャパシタを有しており、出力ゲート8から出力された荷電粒子の電荷量をキャパシタの容量値に応じた電圧として取り出すことにより、電荷量を電圧として検出する検出部である。
リセットゲート10は、フローティングディフュージョン部9が出力を完了したセルについての電圧を、次のセルについての電圧が出力される前にリセットするための部分である。リセットドレイン11は、フローティングディフュージョン部9のリセット電圧を印加する部分である。リセットゲート10は、フローティングディフュージョン部9が電荷を検出している状態ではオフ状態であるが、リセット動作時にオン状態になる。これにより、フローティングディフュージョン部9がリセットドレイン11に印加される電圧にリセットされる。
出力トランジスタ12は、入力抵抗の非常に高いアンプとして機能する。これにより、出力トランジスタ12は、フローティングディフュージョン部9から出力された電圧を緩衝増幅して、信号電圧として出力する。
なお、出力ゲート8、リセットゲート10、フローティングディフュージョン部9および出力トランジスタ12は、出力部を構成している。この出力部は、1箇所に限らず複数箇所に設けられていてもよい。
参照電極13は、イオン濃度を測定される対象となる溶液の電位を決定するための、基準となる電位を与える。参照電極13は、測定領域5内に注入された上記溶液と接するように配されている。
電圧制御部14は、参照電極13に印加される電圧(参照電極電圧)を制御する。電圧制御部14は、参照電極電圧を高速パルス駆動で変化させることができる駆動電源を備える。また、電圧制御部14は、参照電極電圧を、イオンセンサ100を動作させるために入力される駆動電圧に連動して変化させることができる。参照電極電圧が増加すると、センシング部1のポテンシャルが深くなり、センシング部1に蓄積される電荷量の上限が大きくなる。
N型基板21は、イオンセンサ100を構成する各素子が設けられている基板である。N型基板21は、N型半導体で形成されている。
Pウェル22は、N型基板21上に積層された、P型半導体の層であり、P型の拡散領域である。センシング部1および垂直転送部4は、Pウェル22の、N型基板21から離隔した側に、間隔を置いて形成されている。
電極26は、電源ライン(図示せず)に接続される電極である。電極26は、第1ゲート電極2aに接合して形成されている。電極26は、TiN、またはWといった高融点金属膜またはそのシリサイドによって構成されている。これにより、高温熱処理が可能であるため、界面準位抑制ができ、ノイズが抑えられる。
また、電極26は、材料である高融点金属膜またはそのシリサイドの抵抗が低いことにより信号遅延が減少するので、高速動作が可能となる。しかも、高融点金属膜またはそのシリサイドは、遮光性が高い材料であるので、N型基板21への光ノイズの侵入を防止することができる。なお、イオンセンサ100に含まれる電極26以外の電極や配線についても、電極26と同じ上記の材料で形成されていることが好ましい。
ポリシリコン電極25は、垂直転送部4上に設けられた電極である。ポリシリコン電極25は、電極26と接続されている。ポリシリコン電極25は、第1ゲート電極2a〜第4ゲート電極2dを総称的に表した電極であると理解されてよい。
遮光膜28は、第1ゲート電極2a〜第4ゲート電極2d、および電極26を覆うように形成されている遮光膜である。絶縁膜29は、遮光膜28を覆う絶縁膜である。
絶縁膜27は、センシング部1上に形成されている。絶縁膜27は、イオン感応膜30がセンシング部1と直接接触することによる欠陥の発生を抑制し、特性の劣化を防止する。また、絶縁膜27は、下層の部分への水分の侵入を防ぐ耐水性膜としての機能をも有している。絶縁膜27は、例えばシリコン酸化膜であってよい。
イオン感応膜30は、特定のイオンに接触するとセンシング部1におけるイオン感応膜30近傍の電位をイオン濃度に応じて変化させるイオン感応性を有する。このため、イオン感応膜30に接触する上記特定のイオンの濃度によって、センシング部1に蓄積可能な信号電荷量が変化する。イオン感応膜30は、例えばシリコン窒化膜であってよい。
層間絶縁膜31は、第1ゲート電極2a〜第4ゲート電極2dおよび電極26と、遮光膜28とが、直接接触することを防止する絶縁膜である。
(信号電荷の読み出し)
センシング部1からの信号電荷の読み出しについて説明する。図3は、第1ゲート電極2aに印加されている電圧(駆動電圧)と、参照電極電圧との関係を示すタイミングチャートである。図4の(a)〜(e)は、図3に示した時刻t1〜t5のそれぞれにおける、センシング部1および垂直転送部4の信号電荷の状態を示す図である。
図4の(a)〜(e)において、「X方向(横)」とは、垂直転送部4からセンシング部1へ向かう方向である。また、「Z方向(深さ)」とは、センシング部1からN型基板21へ向かう方向である。
図3に示すように、時刻t1においては、第1ゲート電極2aに印加されている電圧は、センシング部1からの信号電荷の読み出しが行われない電圧VMである。また、参照電極電圧は、センシング部1のポテンシャルが深く、感度が高くなる電圧Vrefhである。この時、図4の(a)に示すように、センシング部1および垂直転送部4のいずれにも電荷は蓄積されていない。
時刻t1において、イオン濃度の測定が開始されると、センシング部1へ光が照射される。これにより、フォトダイオードで形成されているセンシング部1に、光電変換により生じた電荷が信号電荷として蓄積される。これ以降、センシング部1への光の照射は連続的に行われる。
時刻t2において、図4の(b)に示すように、センシング部1に蓄積される電荷量が飽和する。この時、センシング部1に蓄積される電荷の量(蓄積電荷量)は、測定対象に含まれるイオンの濃度に応じて、イオン感応膜30により変化する。
時刻t3において、図3に示すように、第1ゲート電極2aに印加されている電圧がVMからON電圧であるVreadへ増加し、センシング部1に蓄積された信号電荷の読み出しが開始される。これにより、図4の(c)に示すように、垂直転送部4のポテンシャルが深くなるとともに、垂直転送部4とセンシング部1との間の障壁が低くなる。このため、センシング部1に蓄積されていた信号電荷が垂直転送部4へ読み出される。しかし、この時点ではセンシング部1のポテンシャルが深いため、センシング部1から垂直転送部4への信号電荷の読み出しは不完全な状態である。
時刻t4において、図3に示すように、電圧制御部14は、参照電極電圧を、第1ゲート電極2aに印加されている電圧の増加に連動してVrefhからVref0へ減少するように変化させる。これにより、図4の(d)に示すように、センシング部1のポテンシャルが浅くなる。その結果、センシング部1から垂直転送部4への信号電荷の読み出しが容易になり、センシング部1に蓄積されていた信号電荷が十分に垂直転送部4へ読み出される。
なお、図3に示したタイミングチャートでは、時刻t4は、時刻t3より遅い時刻である。しかし、時刻t4は、時刻t3と同時であってもよい。すなわち、電圧制御部14は、参照電極電圧を、信号電荷のセンシング部1に蓄積された信号電荷の読み出しが開始されるタイミングに連動して減少させる。ただし、参照電極電圧を減少させるタイミングが信号電荷の読み出しが開始されるタイミングより前であると、センシング部1に蓄積される信号電荷の量が減少するため、好ましくない。
その後、図3に示すように、時刻t5において、第1ゲート電極2aに印加されている電圧がVMに戻され、信号電荷の読み出しが終了する。さらに、電圧制御部14は、参照電極電圧を、信号電荷の読み出しが終了し、第1ゲート電極2aに印加されている電圧がVMに戻されるタイミングに連動してVref0からVrefhに増加するように変化させる。これにより、図4の(e)に示すように、センシング部1に蓄積されていた信号電荷が垂直転送部4に読み出され、センシング部1に信号電荷が残っていない状態で、センシング部1および垂直転送部4のポテンシャルが図4の(a)に示した状態に戻る。
なお、垂直転送部4からフローティングディフュージョン部9への信号電荷の転送については、従来のCCDイメージセンサと同じであるため、説明を省略する。
(イオンセンサ100の効果)
図5の(a)は、イオンセンサ100および比較例のイオンセンサの、参照電極電圧に対する出力トランジスタ12の出力の関係を示すグラフである。図5の(b)は、図5の(a)に示した各データ点の間における、参照電極電圧に対する出力トランジスタ12の出力の傾き、すなわち出力の変化率(イオンセンサの感度)を示すグラフである。ここで、比較例のイオンセンサとは、測定時に参照電極13の電圧を調節せず、一定に維持するイオンセンサである。なお、上記の各データ点の間隔を極限まで小さくした場合における出力の変化率の極限値は、参照電極電圧に対する出力トランジスタ12の出力の微分係数であり、図5の(a)に示すグラフの接線の傾きである。
比較例のイオンセンサでは、図5の(a)に破線で示すように、参照電極電圧の増加とともに、出力トランジスタ12における出力電圧(出力)の増加が鈍くなった。また、図5の(b)に破線で示すように、参照電極電圧の増加とともに、イオンセンサの感度も低下した。
これに対し、本実施形態のイオンセンサ100では、図5の(a)に実線で示すように、通常時の参照電極電圧が上昇しても、出力の増加が鈍くならない。また、図5の(b)に実線で示すように、参照電極電圧が上昇しても、イオンセンサ100の感度が上昇していく。すなわち、イオン濃度測定時の参照電極電圧を高くした場合における、イオンセンサ100の感度の低下を抑制することができる。
なお、イオンセンサ100の構成は、上記の例に限定されず、垂直転送部4とセンシング部1とが分離されており、垂直転送部4とセンシング部1との間の障壁を低くすることで信号電荷を読み出すイオンセンサであればよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図6〜図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、N型基板21からセンシング部1へ電子が注入されるイオンセンサ200について説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図6は、本実施形態のイオンセンサ200の断面図である。実施形態1のイオンセンサ100においては、センシング部1に蓄積される信号電荷は、光電変換によって生じた電荷であった。これに対し、本実施形態のイオンセンサ200においては、図6に示すように、N型基板21からセンシング部1へ注入された電子が、信号電荷として蓄積される。
本実施形態において、N型基板21には、N型基板21からセンシング部1への電子の注入を制御するための電圧を印加する電源(不図示)が接続されている。N型基板21からセンシング部1への電子の注入を行わない時には、N型基板21には、N型基板21からセンシング部1への電子の注入が起きないように、所定の電圧(抑圧電圧)以上の電圧が印加される。
一方、N型基板21からセンシング部1への電子の注入を行う時には、N型基板21には、上記の抑圧電圧より低い電圧が印加される。センシング部1への電子の注入が完了した後は、イオンセンサ100と同様、センシング部1からの信号電荷の読み出し、および当該読み出しに連動しての、参照電極電圧のパルス的制御が行われる。
また、イオンセンサ200においては、Pウェル22における、センシング部1が形成された部分と、それ以外の部分とのドーパント濃度が異なっている。これにより、Pウェル22に形成されたセンシング部1以外のN型の領域(垂直転送部4、水平転送部7など)における、電荷の注入が抑制される。
図7は、イオンセンサ200の一部の断面図である。図8の(a)は、図7のD1−D2線におけるドーパントの濃度プロファイルである。図8の(a)の濃度プロファイルにおいては、左側のN型領域がN型のセンシング部1を表しており、中央のP型領域がPウェル22を表しており、右側のN型領域がN型基板21を表している。また、図8の(b)は、図7のE1−E2線におけるドーパントの濃度プロファイルである。図8の(b)の濃度プロファイルにおいては、左側のN型領域が垂直転送部4を表しており、中央のP型領域がPウェル22を表しており、右側のN型領域がN型基板21を表している。
図7におけるD1−D2線上、すなわちセンシング部1の近傍では、図8の(a)に示すように、Pウェル22のP型ピーク濃度はCp1である。これに対し、図7におけるE1−E2線上、すなわち垂直転送部4の近傍では、図8の(b)に示すように、Pウェル22のP型ピーク濃度は、Cp1より高いCp2である。具体的には、Cp2は、Cp1と比較して1桁以上高い。このため、N型基板21から注入される電荷は、センシング部1へは注入されやすく、かつ垂直転送部4ヘは注入されにくい。
(信号電荷の読み出し)
本実施形態における、センシング部1からの信号電荷の読み出しについて説明する。図9は、第1ゲート電極2aに印加されている電圧、参照電極電圧、およびN型基板21に印加されている電圧の関係を示すタイミングチャートである。図10の(a)〜(e)は、図9に示した時刻t1〜t5のそれぞれにおける、センシング部1および垂直転送部4の電荷の状態を示す図である。図10の(a)〜(e)において、「X方向(横)」および「Z方向(深さ)」の定義は、それぞれ図4の(a)〜(e)における定義と同じである。
時刻t1においては、図9に示すように、第1ゲート電極2aに印加されている電圧はVMであり、参照電極電圧はVrefhであり、N型基板21に印加されている電圧はVsである。この時、図10の(a)に示すように、センシング部1および垂直転送部4のいずれにも電荷が蓄積されていない。また、この時のセンシング部1のポテンシャルは、測定対象の溶液のpH値(水素イオン濃度)と、参照電極電圧とによって決定される。
時刻t1の後、N型基板21に印加されている電圧が抑圧電圧VsからViに低下すると、N型基板21からセンシング部1に電荷が注入され、蓄積される。時刻t2において、図10の(b)に示すように、センシング部1に蓄積される信号電荷が飽和する。その後、N型基板21に印加されている電圧は、ViからVsへ戻され、再度センシング部1に電荷を注入する時まではVsに維持される。
時刻t3において、図9に示すように、第1ゲート電極2aに印加されている電圧がVMからVreadへ増加し、センシング部1に蓄積された電荷の読み出しが開始される。これにより、図10の(c)に示すように、垂直転送部4のポテンシャルが深くなるとともに、垂直転送部4とセンシング部1との間の障壁が低くなる。このため、センシング部1に蓄積されていた信号電荷が垂直転送部4へ読み出される。しかし、この時点ではセンシング部1のポテンシャルが深いため、センシング部1からの信号電荷の読み出しは不完全である。
時刻t4において、図9に示すように、電圧制御部14が、参照電極電圧をVrefhからVref0へ減少させる。これにより、図10の(d)に示すように、センシング部1のポテンシャルが浅くなる。その結果、センシング部1に蓄積されていた信号電荷が、十分に垂直転送部4へ読み出される。
その後、図9に示すように、時刻t5において、第1ゲート電極2aに印加されている電圧がVMに戻され、参照電極電圧がVrefhに戻される。これにより、図10の(e)に示すように、センシング部1に蓄積されていた信号電荷が垂直転送部4に読み出され、センシング部1に信号電荷が残っていない状態で、センシング部1および垂直転送部4のポテンシャルが図10の(a)に示した状態に戻る。
電圧制御部14は、N型基板21に印加されている電圧がViである場合には、参照電極電圧をVrefhにしておく必要がある。また、電圧制御部14が参照電極電圧をVref0にするタイミングは、実施形態1と同じでよい。
(イオンセンサ200の効果)
図11の(a)は、イオンセンサ200および比較例のイオンセンサの、参照電極電圧に対する出力トランジスタ12の出力の関係を示すグラフである。図11の(b)は、図11の(a)に示した各データ点の間における、参照電極13の印加電圧に対する出力トランジスタ12の出力の傾き(イオンセンサの感度)を示すグラフである。ここで、比較例のイオンセンサとは、測定時に参照電極13の電圧を調節しないイオンセンサである。
図11の(a)および(b)において、イオンセンサ200の出力および感度は実線で示され、比較例のイオンセンサの出力および感度は破線で示されている。イオンセンサ200は、イオンセンサ100と同様、参照電極13に印加される電圧の上昇に伴う出力の鈍化がなくなり、感度の低下が見られなくなる。さらに、イオンセンサ200は、センシング部1に電子を注入するための照明系が不要となるため、装置の小型化を図ることができる。
また、イオンセンサ200は、センシング部1への電子注入のために光照射を必要としないため、暗状態で測定を行うことが可能である。暗状態での測定を想定する場合には、遮光膜28は不要である。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態のイオンセンサ300は、参照電極13の代わりに、非受光領域101に組み込まれた参照電極13Aを備える。図12の(a)は、実施形態1で説明したイオンセンサ100における、参照電極13の位置を示す概略図である。図12の(b)は、本実施形態のイオンセンサ300における参照電極13Aの位置を示す概略図である。
図12の(a)に示すように、イオンセンサ100における参照電極13は、測定領域5に注入された溶液に対して上側から接触していた。また、イオンセンサ200においても同様である。これに対し、本実施形態に係るイオンセンサ300が備える参照電極13Aは、図12の(b)に示すように、イオン濃度の測定対象に接触し、かつ受光に寄与しない非受光領域101に組み込まれている。具体的には、参照電極13Aは、公知の半導体プロセス材料を用いて非受光領域101に形成されている。参照電極13Aとして利用する金属材料は、半導体プロセスにおいて実際に使用されているものが好ましい。参照電極13Aとして利用する金属材料の具体的な例として、例えばアルミニウム、タングステン、白金、銅、または銀などが挙げられる。
測定対象である溶液は、非受光領域101などの、測定領域5以外の領域に接しても問題ない。このため、参照電極として本実施形態の参照電極13Aを用いることで、イオンセンサ300の小型化を図ることができる。なお、参照電極13Aの設置位置は、特に限定されず、上述した非受光領域101の他、イオンセンサ300の最表面に設けられる最終保護膜(不図示)上、または最終保護膜内に設けられていてもよい。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図13〜図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。測定対象である溶液中の、pH値またはタンパク質の濃度の微小な差異などを検出する場合に、ノイズ成分を抑制してpH分解能を向上させる方法として、信号電荷の読み出しを累積的に行う手法が有効であることが知られている。本実施形態では、電圧制御部14が参照電極電圧をパルス的に制御可能であることを利用して、上記の手法を有効に機能させることが可能な測定方法について説明する。
図13は、本実施形態のイオン濃度測定方法の処理の流れを示すフローチャートである。図14の(a)は、溶液のpH値毎の、参照電極電圧と出力トランジスタ12における出力との関係を示す曲線であるpH特性曲線を示すグラフである。図14の(b)は、参照電極電圧の決定方法を示すグラフである。図15は、図13に示した各ステップにおける、第1ゲート電極2aに印加されている電圧と、参照電極電圧との関係を示すタイミングチャートである。
以下に、本実施形態のイオン濃度測定方法について、イオンセンサ100を用いて説明する。なお、以下に説明するイオン濃度測定方法を、イオンセンサ200または300により行ってもよい。まず、参照電極13に所定の電圧Vref1が印加された状態で、測定対象の溶液に対して、センシング部1に蓄積された電荷の読み出し測定を1回だけ行い、出力を得る(ステップS1、pH値測定ステップ)。
次に、ステップS1で得た出力と、予め作成されているpH特性曲線とから、上記溶液のおおよそのpH値を判定する(ステップS2、pH値判定ステップ)。図14の(a)には、A〜Cの3種類のpH値に対応するpH特性曲線が示されている。上記した所定の電圧Vref1は、図14の(a)に示すように、A〜CのそれぞれのpH値において、出力に大きな差が生じる値が選択される。なお、予め作成されているpH特性曲線の数は、3通りに限定されない。
次に、ステップS2で判定した上記溶液のおおよそのpH値に基づき、電圧制御部14が、参照電極電圧を上記溶液に対する累積読み出し測定の回数を最大にできる電圧に調整する(ステップS3、参照電極電圧調整ステップ)。累積読み出し測定の回数は、1回の測定でセンシング部1から垂直転送部4へ読み出される電荷量と、垂直転送部4に蓄積できる電荷量とで決定される。具体的には、累積読み出し測定の回数は、(1回の測定で読み出される電荷量)×(累積読み出し測定の回数)≦(垂直転送部4に蓄積できる電荷量)という不等式を満たす必要がある。センシング部1のポテンシャルの深さはイオン濃度に依存する。このため、溶液のpH値が小さい、すなわち水素イオン濃度が高いほど、1回の測定で読み出される電荷量が大きくなる。
累積読み出し測定でのpH分解能を最大化するためには、参照電極電圧を、出力が小さく、かつpH値に対する感度が大きくなる値に設定することが好ましい。そのような参照電極電圧の好ましい値を、図14の(b)においては、Vacとして示している。例えば、上記溶液のpH値がAであった場合、出力がVacとなる参照電極電圧はVrefAである。同様に、上記溶液のpH値がBまたはCであった場合、出力がVacとなる参照電極電圧は、それぞれVrefBまたはVrefCである。ステップS2で判定されたpH値に応じたVrefA、VrefB、またはVrefCの値が、図15におけるVrefh2の値として設定される。
その後、ステップS3において調整されたVrefh2を用いて、上記溶液に対して、所定の回数累積読み出し測定を行う(ステップS4、累積読み出し測定ステップ)。これにより、出力の微小な変化を伴う測定対象の累積読み出し測定を行うことができる。
従来のイオンセンサを用いて累積読み出し測定を行う場合、ステップS3の後、ステップS4を実行する前に、参照電極電圧を手動で設定する必要があった。すなわち、ステップS1〜S4を一連の処理として行うことはできなかった。イオンセンサ100〜300を用いた本実施形態の測定方法によれば、ステップS1〜S4を一連の処理として行うことができるため、測定にかかる時刻および手間を削減することができる。
〔実施形態5〕
本発明の他の実施形態について、図16〜図18に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、測定対処の溶液の実像を取得する測定方法について説明する。図16は、本実施形態のpH値測定方法の概略を説明するための図である。図17は、本実施形態のpH値測定方法のタイミングチャートである。図18は、参照電極電圧を決定する方法を説明するためのグラフである。
イオンセンサ100〜300によれば、細胞などの生体から分泌されるイオンなどによって変化する、溶液のpH値の分布についても測定すること(pHイメージング)ができる。このような測定を行う場合、図16に示すように、pH分布だけでなく、測定対象の実像(光学画像)についても取得(実像イメージング)し、pH分布と実像とを対比することが重要である。
上述した通り、イオンセンサ100〜300は、CCD型イメージセンサを活用したセンサである。このため、イオンセンサ100〜300によれば、pHイメージングだけでなく、実像イメージングも可能である。
しかし、pHイメージングを行う場合と、実像イメージングを行う場合とでは、参照電極電圧の適切な値は通常異なる。pHイメージングにおいては、累積読み出し測定のため、読み出し1回あたりの出力を小さくする必要がある。このため、pHイメージングを行う時には、参照電極電圧を小さくすることが好ましい。一方、実像イメージングにおいて、鮮明な実像を得るためには、センサの出力が大きいこと、すなわちセンシング部1のポテンシャルが深いことが好ましい。このため、実像イメージングを行う時には、参照電極電圧を大きくすることが好ましい。
図17は、本実施形態に係る測定方法を説明するためのタイミングチャートである。図17において、時刻t51から時刻t52までの期間は、pHイメージングを行う期間(pHイメージングステップ)である。したがって、時刻t51から時刻t52までの期間においては、信号電荷の読み出し時以外における参照電極電圧を、累積読み出し測定が可能な電圧であるVref1とする。そして、センシング部1に蓄積された信号電荷を読み出す時には、実施形態1などで説明した通り、参照電極電圧をVref0とする。
一方、時刻t52から時刻t53までの期間は、光による実像イメージングを行う期間(実像イメージングステップ)である。このとき、信号電荷の読み出し時以外の参照電極電圧がVref1のままであると、センシング部1のポテンシャルが浅いため、光の照射によってセンシング部1に蓄積される信号電荷が容易に飽和し、実像を得ることができない。
そこで、時刻t52から時刻t53までの期間においては、信号電荷の読み出し時以外における参照電極電圧をVref2とする。ここで、Vref2は、Vref1より高い値である。これにより、センシング部1のポテンシャルが深くなり、適切な量の信号電荷が蓄積されるようになる。そして、センシング部1に蓄積された信号電荷を読み出す時には、pHイメージングを行う場合と同様、参照電極電圧をVref0とする。
図18は、参照電極電圧と、出力トランジスタ12の出力との関係を示すグラフである。図18においては、参照電極電圧を3つの領域R1〜R3に分けている。参照電極電圧が低い領域R1においては、参照電極電圧の増加に伴う出力の変化が鈍い。領域R1より参照電極電圧が高い領域R2においては、参照電極電圧の増加に伴って、出力が急激に大きくなる。領域R2よりさらに参照電極電圧が高い領域R3においては、参照電極電圧の増加に伴う出力の変化が再び鈍くなる。
上記したVref1の値は、実施形態4と同様、累積読み出し測定を行うための参照電極電圧であるため、図18に示すように、領域R2に含まれることが好ましい。一方、上記したVref2の値は、実像イメージング時に弱い入射光でセンシング部1を飽和させないために、図18に示すように、領域R3に含まれることが好ましい。
従来、pHイメージングと実像イメージングとを、それぞれ鮮明に行うためには、それぞれ個別に観測する必要があった。本実施例に係る測定方法によれば、pHイメージングを行う時と実像イメージングを行う時とで、参照電極電圧を高速で切り換えることにより、pHイメージングと実像イメージングとを略同時に行うことができる。例えば1フレームごとにpHイメージングと実像イメージングとを切り換えることによって、pHイメージングにより可視化される細胞の働きと、実像イメージングによって得られる実像とを容易に対比し、細胞内の各部位の活動状況を詳細に把握することが可能となる。なお、1フレームの時間の長さは、センシング部1に電荷を蓄積するための時間と、センシング部1から垂直転送部4への電荷の読み出しを完了するために必要な時間と、垂直転送部4に読み出された電荷が水平転送部7を経由して出力部へ転送されるのに要する時間と、を含む、繰り返して行われる一連の動作の周期に対応する。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るイオン濃度センサ(イオンセンサ100)は、信号電荷を蓄積するセンシング部(1)と、測定対象のイオン濃度に応じて上記センシング部に蓄積可能な信号電荷量を変化させるイオン感応膜(30)と、上記イオン濃度に応じて上記センシング部に蓄積された信号電荷を読み出して転送する電荷転送部(垂直転送部4)と、上記測定対象の電位を決定するための基準となる電位を定める参照電極(13)と、上記参照電極に印加される参照電極電圧を、上記イオン濃度センサを動作させるために入力される駆動電圧に連動して変化させることができる電圧制御部(14)とを備える。
上記の構成によれば、電荷転送部は、センシング部に蓄積された信号電荷を読み出して転送する。センシング部に蓄積可能な信号電荷は、イオン感応膜に接する測定対象のイオン濃度および電位により変化する。参照電極は、測定対象の電位を決定するための基準となる電位を定める電圧制御部は、参照電極電圧を、上記イオン濃度センサを動作させるために入力される駆動電圧に連動して変化させることができる。
このため、信号電荷の読み出し時にセンシング部のポテンシャルが浅くなり、センシング部に蓄積された信号電荷が十分に電荷転送部へ読み出される。したがって、イオン濃度センサの感度の低下を抑制することができる。
本発明の態様2に係るイオン濃度センサは、上記態様1において、上記センシング部は、光電変換により生じる電荷を上記信号電荷として蓄積してもよい。
上記の構成によれば、イオン濃度センサに光を照射することで、センシング部に信号電荷を蓄積させることができる。
本発明の態様3に係るイオン濃度センサは、上記態様1または2において、上記イオン濃度に基づくpHイメージング、および実像イメージングが可能であり、少なくとも1フレームごとに上記pHイメージングと上記実像イメージングとを切り換えて行ってもよい。
上記の構成によれば、少なくとも1フレームごとにpHイメージングと実像イメージングとを切り換えることによって、pHイメージングにより可視化される細胞の働きと、実像イメージングによって得られる実像とを容易に対比し、細胞内の各部位の活動状況を詳細に把握することが可能となる。
本発明の態様4に係るイオン濃度センサは、上記態様1において、上記センシング部が設けられる基板(N型基板21)をさらに備え、上記センシング部は、上記基板から注入される電荷を上記信号電荷として蓄積してもよい。
上記の構成によれば、基板の電位を変化させることで、センシング部に信号電荷を蓄積させることができる。
本発明の態様5に係るイオン濃度センサは、上記態様1から4のいずれかにおいて、上記センシング部の周囲に、イオン濃度の測定対象に接触し、かつ受光に寄与しない非受光領域(101)が形成され、上記参照電極は、上記非受光領域に組み込まれていることが好ましい。
上記の構成によれば、イオン濃度センサを小型化することができる。
本発明の態様6に係るイオン濃度センサは、上記態様1から5のいずれかのイオン濃度センサによるイオン濃度測定方法であって、上記測定対象のpH値を判定するpH値判定ステップと、上記pH値に基づいて上記電圧制御部が上記参照電極電圧を調整する参照電極電圧調整ステップと、上記参照電極電圧調整ステップにおいて調整された上記参照電極電圧を用いて、上記測定対象に対して所定の回数累積読み出し測定を行う累積読み出し測定ステップとを含む。
上記の構成によれば、pH値判定ステップと、参照電極電圧調整ステップと、累積読み出し測定ステップとを一連の処理として行うことができる。したがって、測定に要する時間および手間を削減することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 センシング部
4 垂直転送部
13、13A 参照電極
14 電圧制御部
21 N型基板
30 イオン感応膜
100、200、300 イオンセンサ
101 非受光領域

Claims (6)

  1. イオン濃度センサであって、
    信号電荷を蓄積するセンシング部と、
    測定対象のイオン濃度に応じて上記センシング部に蓄積可能な信号電荷量を変化させるイオン感応膜と、
    上記イオン濃度に応じて上記センシング部に蓄積された信号電荷を読み出して転送する電荷転送部と、
    上記測定対象の電位を決定するための基準となる電位を定める参照電極と、
    上記参照電極に印加される参照電極電圧を、上記イオン濃度センサを動作させるために入力される駆動電圧に連動して変化させることができる電圧制御部とを備えることを特徴とするイオン濃度センサ。
  2. 上記センシング部は、光電変換により生じる電荷を上記信号電荷として蓄積することを特徴とする請求項1に記載のイオン濃度センサ。
  3. 上記イオン濃度に基づくpHイメージング、および実像イメージングが可能であり、
    少なくとも1フレームごとに上記pHイメージングと上記実像イメージングとを切り換えて行うことを特徴とする請求項1または2に記載のイオン濃度センサ。
  4. 上記センシング部が設けられる基板をさらに備え、
    上記センシング部は、上記基板から注入される電荷を上記信号電荷として蓄積することを特徴とする請求項1に記載のイオン濃度センサ。
  5. 上記センシング部の周囲に、イオン濃度の測定対象に接触し、かつ受光に寄与しない非受光領域が形成され、
    上記参照電極は、上記非受光領域に組み込まれていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のイオン濃度センサ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のイオン濃度センサによるイオン濃度測定方法であって、
    上記測定対象のpH値を判定するpH値判定ステップと、
    上記pH値に基づいて上記電圧制御部が上記参照電極電圧を調整する参照電極電圧調整ステップと、
    上記参照電極電圧調整ステップにおいて調整された上記参照電極電圧を用いて、上記測定対象に対して所定の回数累積読み出し測定を行う累積読み出し測定ステップとを含むことを特徴とするイオン濃度測定方法。
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