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JP2017197145A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2017197145A
JP2017197145A JP2016091708A JP2016091708A JP2017197145A JP 2017197145 A JP2017197145 A JP 2017197145A JP 2016091708 A JP2016091708 A JP 2016091708A JP 2016091708 A JP2016091708 A JP 2016091708A JP 2017197145 A JP2017197145 A JP 2017197145A
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浩史 古澤
Hiroshi Furusawa
浩史 古澤
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】タイヤの氷上制動性能を向上できる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】この空気入りタイヤは、リブあるいは複数のブロックを有する陸部31〜33をトレッド面に備える。また、陸部31〜33が、相互に異なる深さ方向の立体形状を有することにより相互に異なる容積を有する複数種類の凹部8(81、82)を接地面に備える。また、トレッド部センター領域における凹部8の容積率Vceと、トレッド部ショルダー領域における凹部8の容積率Vshとが、Vce<Vshの関係を有する。【選択図】図2

Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤの氷上制動性能を向上できる空気入りタイヤに関する。
一般的な新品タイヤでは、薬品がトレッド表面に付着しているため、摩耗初期におけるブロックの吸水作用およびエッジ作用が小さく、氷上制動性能が低いという課題がある。このため、近年のスタッドレスタイヤでは、浅く微細な複数の細浅溝をブロックの表面に備える構成が採用されている。かかる構成では、摩耗初期にて、細浅溝が氷路面とトレッド面との間に介在する水膜を除去することにより、タイヤの氷上制動性能が向上する。かかる構成を採用する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
また、近年のスタッドレスタイヤでは、タイヤ使用初期における氷路面および雪路面でのタイヤ性能を向上させるために、トレッド踏面に微細かつ多数の突起部を形成した構成が採用されている。かかる構成では、タイヤ接地面の表面粗さが増加して、突起部間の空隙が氷路面とトレッド面との間に介在する水膜を除去し、また、突起部により路面とトレッド面との摩擦力が増加する。これにより、タイヤ新品時における氷上性能および雪上性能が向上する。かかる構成を採用する従来の空気入りタイヤとして、特許文献2に記載される技術が知られている。
特許第3702958号公報 特開2013−136346号公報
この発明は、タイヤの氷上制動性能を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、リブあるいは複数のブロックを有する陸部をトレッド面に備える空気入りタイヤにおいて、前記陸部が、相互に異なる深さ方向の立体形状を有することにより相互に異なる容積を有する複数種類の凹部を接地面に備え、所定領域における前記凹部の容積の総和と前記陸部の接地面積との比を前記凹部の容積率として定義し、且つ、トレッド部センター領域における前記凹部の容積率Vceと、トレッド部ショルダー領域における前記凹部の容積率Vshとが、Vce<Vshの関係を有することを特徴とする。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、トレッド部ショルダー領域における凹部の容積率Vshが大きく設定されることにより、水膜が発生し易いトレッド部ショルダー領域における踏面の吸水性が向上する。これにより、氷路面に対するブロック踏面の密着性が向上して、タイヤの氷上制動性能および氷上旋回性能が向上する利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図3は、図2に記載した空気入りタイヤの陸部を示す説明図である。 図4は、ブロックの踏面を示す拡大図である。 図5は、凹部の深さ方向の断面を示す説明図である。 図6は、図2に記載した空気入りタイヤの陸部を示す説明図である。 図7は、図2に記載した空気入りタイヤの陸部を示す説明図である。 図8は、凹部の内壁面形状を示す説明図である。 図9は、凹部の内壁面形状を示す説明図である。 図10は、凹部の内壁面形状を示す説明図である。 図11は、凹部の内壁面形状を示す説明図である。 図12は、凹部の内壁面形状を示す説明図である。 図13は、細浅溝および凹部の深さ方向の断面図である。 図14は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図15は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図16は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図17は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図18は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図19は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図20は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図21は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図22は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図23は、図5に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図24は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図25は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図26は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図27は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。 図28は、図2に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図29は、図2に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図30は、図2に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図31は、図2に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図32は、図2に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図33は、図2に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図34は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、同図は、空気入りタイヤの一例として、乗用車用ラジアルタイヤを示している。
同図において、タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。
この空気入りタイヤ1は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(図1参照)。
一対のビードコア11、11は、複数のビードワイヤを束ねて成る環状部材であり、左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を構成する。
カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造あるいは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチールあるいは有機繊維材(例えば、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で80[deg]以上95[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの繊維方向の傾斜角として定義される)を有する。
ベルト層14は、一対の交差ベルト141、142と、ベルトカバー143とを積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。一対の交差ベルト141、142は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で20[deg]以上55[deg]以下のベルト角度を有する。また、一対の交差ベルト141、142は、相互に異符号のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの繊維方向の傾斜角として定義される)を有し、ベルトコードの繊維方向を相互に交差させて積層される(いわゆるクロスプライ構造)。ベルトカバー143は、コートゴムで被覆されたスチールあるいは有機繊維材から成る複数のコードを圧延加工して構成され、絶対値で0[deg]以上10[deg]以下のベルト角度を有する。また、ベルトカバー143は、交差ベルト141、142のタイヤ径方向外側に積層されて配置される。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側にそれぞれ配置されて、リムフランジに対する左右のビード部の接触面を構成する。
[トレッドパターン]
図2は、図1に記載した空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。同図は、スタッドレスタイヤのトレッドパターンを示している。同図において、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸周りの方向をいう。また、符号Tは、タイヤ接地端である。
図2に示すように、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝21、22に区画された複数の陸部31〜33と、これらの陸部31〜33に配置された複数のラグ溝41〜43とをトレッド部に備える。
周方向主溝とは、摩耗末期を示すウェアインジケータを有する周方向溝であり、一般に、5.0[mm]以上の溝幅および7.5[mm]以上の溝深さを有する。また、ラグ溝とは、2.0[mm]以上の溝幅および3.0[mm]以上の溝深さを有する横溝をいう。
溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、溝開口部における左右の溝壁の距離の最大値として測定される。陸部が切欠部や面取部をエッジ部に有する構成では、溝長さ方向を法線方向とする断面視にて、トレッド踏面と溝壁の延長線との交点を基準として、溝幅が測定される。また、溝がタイヤ周方向にジグザグ状あるいは波状に延在する構成では、溝壁の振幅の中心線を基準として、溝幅が測定される。
溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離の最大値として測定される。また、溝が部分的な凹凸部やサイプを溝底に有する構成では、これらを除外して溝深さが測定される。
規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
例えば、図2の構成では、ストレート形状を有する4本の周方向主溝21、22がタイヤ赤道面CLを中心として左右対称に配置されている。また、4本の周方向主溝21、22により、5列の陸部31〜33が区画されている。また、陸部31が、タイヤ赤道面CL上に配置されている。また、各陸部31〜33が、タイヤ周方向に所定間隔で配置されて陸部31〜33をタイヤ幅方向に貫通する複数のラグ溝41〜43を備えている。また、セカンド陸部32が、タイヤ周方向に屈曲しつつ延在する周方向細溝23を備えている。そして、各陸部31〜33が、周方向主溝21、22、周方向細溝23およびラグ溝41〜43に区画されてブロック列となっている。
なお、図2の構成では、上記のように、周方向主溝21、22が、ストレート形状を有している。しかし、これに限らず、周方向主溝21、22が、タイヤ周方向に屈曲あるいは湾曲しつつ延在するジグザグ形状あるいは波状形状を有しても良い(図示省略)。
また、図2の構成では、上記のように、各陸部31〜33が、ラグ溝41〜43によりタイヤ周方向に分断されてブロック列となっている。しかし、これに限らず、例えば、一部のラグ溝41〜43が陸部31〜33の内部で終端するセミクローズド構造を有することにより、一部の陸部31〜33がタイヤ周方向に連続するリブであっても良い(図示省略)。
また、図2の構成では、空気入りタイヤ1が、左右点対称なトレッドパターンを有している。しかし、これに限らず、空気入りタイヤ1が、例えば、左右線対称なトレッドパターン、左右非対称なトレッドパターン、タイヤ回転方向に方向性を有するトレッドパターンを有しても良い(図示省略)。
また、図2の構成では、上記のように、空気入りタイヤ1が、4本の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝に区画された5列の陸部31〜33とを備えている。しかし、これに限らず、空気入りタイヤ1が、3本の周方向主溝と4列の陸部とを備えても良いし、5本以上の周方向主溝と6列以上の陸部とを備えても良い(図示省略)。
かかる周方向主溝21、22を備えるトレッドパターンでは、タイヤ赤道面CL上にある陸部31(図2参照)、あるいは、タイヤ赤道面CL上にある周方向主溝に区画された左右の陸部(図示省略)を、センター陸部と呼ぶ。また、タイヤ幅方向の最も外側にある左右の周方向主溝22、22に区画されたタイヤ幅方向内側の陸部32、32をセカンド陸部と呼び、タイヤ幅方向外側の陸部33をショルダー陸部と呼ぶ。
なお、図2の構成では、上記のように、空気入りタイヤ1が、タイヤ周方向に延在する周方向主溝21、22を備えている。しかし、これに限らず、空気入りタイヤ1が、周方向主溝21、22に代えて、タイヤ周方向に対して所定角度で傾斜しつつ延在する複数の傾斜主溝を備えても良い。例えば、空気入りタイヤ1が、タイヤ周方向に凸となるV字形状を有すると共にタイヤ幅方向に延在して左右のトレッド端に開口する複数のV字傾斜主溝と、隣り合うV字傾斜主溝を接続する複数のラグ溝と、これらのV字傾斜主溝およびラグ溝に区画された複数の陸部とを備えても良い(図示省略)。
[ブロックのサイプ]
図3は、図2に記載した空気入りタイヤの陸部を示す説明図である。同図は、ショルダー陸部33を構成する1つのブロック5の平面図を示している。なお、ショルダー陸部33は、最外周方向主溝に区画されたタイヤ幅方向外側の陸部として定義される。
図2および図3に示すように、この空気入りタイヤ1では、すべての陸部31〜33のブロック5が複数のサイプ6をそれぞれ有する。これらのサイプ6により、陸部31〜33のエッジ成分が増加して、タイヤの氷上制動性能および雪上性能が向上する。
サイプは、陸部に形成された切り込みであり、一般に1.0[mm]未満のサイプ幅および2.0[mm]以上のサイプ深さを有することにより、タイヤ接地時に閉塞する。なお、サイプ深さの上限は、特に限定がないが、一般に主溝の溝深さよりも浅い。
サイプ幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、陸部の接地面におけるサイプの開口幅の最大値として測定される。
なお、サイプ6は、両端部にて陸部31〜33の内部で終端するクローズド構造、一方の端部にてブロック5のエッジ部に開口して他方の端部にてブロック5の内部で終端するセミクローズド構造、および、両端部にてブロック5のエッジ部で開口するオープン構造のいずれを有しても良い。また、陸部31〜33におけるサイプ6の長さ、枚数および配置構造は、当業者自明の範囲内にて適宜選択できる。また、サイプ6は、タイヤ幅方向、タイヤ周方向、およびこれらに傾斜する方向の任意の方向に延在できる。
例えば、図3の構成では、ショルダー陸部33が、最外周方向主溝22および複数のラグ溝43(図2参照)に区画されて成る複数のブロック5を備えている。また、1つのブロック5が複数のサイプ6を備えている。また、これらのサイプ6が、タイヤ幅方向に延在するジグザグ形状を有し、また、タイヤ周方向に所定間隔をあけて並列に配置されている。また、タイヤ周方向の最も外側にあるサイプ6が、両端部にてブロック5の内部で終端するクローズド構造を有している。これにより、タイヤ転動時におけるブロック5の踏み込み側および蹴り出し側のエッジ部の剛性が確保されている。また、タイヤ周方向の中央部にあるサイプ6が、一方の端部にて周方向主溝22に開口し、他方の端部にてブロック5の内部で終端するセミクローズド構造を有している。これにより、ブロック5の中央部の剛性が低減されて、ブロックのタイヤ周方向の剛性分布が均一化されている。
[ブロックの細浅溝]
図4は、ブロックの踏面を示す拡大図である。図5は、凹部の深さ方向の断面を示す説明図である。これらの図において、図4は、サイプ6、細浅溝7および凹部8の位置関係を示し、図5は、細浅溝7および2種類の凹部81、82の深さの関係を示している。
この空気入りタイヤ1では、陸部31〜33が、複数の細浅溝7を接地面に備える(図3参照)。かかる構成では、タイヤ接地時にて、細浅溝7が氷路面とトレッド面との間に介在する水膜を吸い取って除去することにより、タイヤの氷上制動性能が向上する。
複数の細浅溝7は、長手形状を有すると共に相互に並列に配置される(図4参照)。かかる構成では、細浅溝7が長手形状を有することにより、細浅溝7に吸収された水膜を細浅溝7の長手方向にガイドして排出できる。また、後述する凹部8がかかる長手形状を有する複数の細浅溝7に跨って配置されるので、凹部8が吸収された水膜の溜まり場となり、ブロック5の吸水性が向上する。これらにより、タイヤの氷上制動性能が向上する。
細浅溝7は、0.2[mm]以上0.7[mm]以下の溝幅および0.2[mm]以上0.7[mm]以下の溝深さHg(図5参照)を有する。このため、細浅溝7は、サイプ6よりも浅い。また、複数の細浅溝7が、陸部31〜33の全面に配置されている。
例えば、図3の構成では、複数の細浅溝7が、ショルダー陸部33の接地面の全域に渡って配置されている。また、細浅溝7が、直線形状を有し、タイヤ周方向に対して所定の傾斜角θ(図4参照)にて傾斜して配置されている。また、複数の細浅溝7が、相互に所定間隔P(図4参照)をあけつつ並列に配置されている。また、図4に示すように、細浅溝7が、サイプ6と交差しており、サイプ6により長手方向に分断されている。
なお、図3のように、複数の細浅溝7が長尺形状を有して相互に並列に配置される構成では、細浅溝7の傾斜角θ(図4参照)が、20[deg]≦θ≦80[deg]の範囲にあることが好ましく、40[deg]≦θ≦60[deg]の範囲にあることがより好ましい。また、細浅溝7の配置間隔P(図4参照)が、0.5[mm]≦P≦1.5[mm]の範囲にあることが好ましく、0.7[mm]≦P≦1.2[mm]の範囲にあることがより好ましい。これにより、細浅溝7による水膜除去作用が適正に確保され、また、陸部31〜33の接地面積が確保される。なお、細浅溝7の配置密度は、特に限定がないが、上記の配置間隔Pにより制約を受ける。
細浅溝7の配置間隔Pは、隣り合う細浅溝7、7の溝中心線の距離として定義される。
[ブロックの凹部]
図2および図3に示すように、この空気入りタイヤ1では、すべての陸部31〜33が、複数の凹部8を接地面に備える。かかる構成では、タイヤ接地時にて、凹部8が氷路面とトレッド面との間に生ずる水膜を吸い取り、また、凹部8により陸部31〜33のエッジ成分が増加して、タイヤの氷上制動性能が向上する。
凹部8は、陸部31〜33の接地面に形成されたクローズドな窪み(接地面の境界に開口していない窪み。いわゆるディンプル)であり、陸部31〜33の接地面にて任意の幾何学的形状を有する。例えば、凹部8の開口部が、円形あるいは楕円形を有しても良いし、四角形、六角形などの多角形を有しても良い。円形あるいは楕円形の凹部8は、陸部31〜33の接地面の偏摩耗が小さい点で好ましく、多角形の凹部8は、エッジ成分が大きく氷上制動性能を向上できる点で好ましい。
また、凹部8の開口面積が、2.5[mm^2]以上10[mm^2]以下の範囲にあることが好ましい。例えば、円形の凹部8であれば、その直径が約1.8[mm]〜3.6[mm]の範囲にある。これにより、凹部8の開口面積が適正化される。すなわち、凹部8の開口面積が2.5[mm^2]以上であることにより、凹部8のエッジ作用および吸水性が確保される。また、凹部8の開口面積が10[mm^2]以下であることにより、ブロック5の接地面積が確保される。
凹部8の開口面積は、陸部31〜33の接地面における凹部8の開口面積であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。
また、凹部8の深さが、0.10[mm]以上2.0[mm]未満の範囲にあることが好ましく、0.2[mm]以上1.5[mm]以下の範囲にあることがより好ましい。すなわち、凹部8の深さが、タイヤ接地面に施される表面粗さレベルの加工よりも明らかに深く、また、一般的なサイプ(例えば、線状サイプ6や円形サイプ(図示省略)など)の深さよりも明らかに浅い範囲に設定される。上記数値範囲の下限により、凹部8の機能が適正に確保され、また、上記数値範囲の上限により、陸部31〜33の剛性が適正に確保される。
また、凹部8の壁角度α(図5参照)が、−85[deg]≦α≦95[deg]の範囲にあることが好ましい。すなわち、凹部8の内壁が陸部31〜33の接地面に対して略垂直であることが好ましい。これにより、凹部8のエッジ成分が増加する。
凹部8の壁角度αは、凹部8の深さ方向の断面視にて、陸部31〜33の接地面と凹部8の内壁とのなす角として測定される。
また、図4に示すように、凹部8は、サイプ6から離間して配置される。すなわち、凹部8とサイプ6とは、陸部31〜33の接地面にて相互に異なる位置に配置されて、交差しない。また、凹部8とサイプ6との距離gは、0.2[mm]≦gの範囲にあることが好ましく、0.3[mm]≦gの範囲にあることがより好ましい。これにより、陸部31〜33の剛性が適正に確保される。
また、図4に示すように、凹部8は、細浅溝7に交差して配置されて、細浅溝7に連通する。また、凹部8が、相互に分離した隣り合う複数の細浅溝7、7に跨って配置される。言い換えると、相互に分離した隣り合う複数の細浅溝7、7が、1つの凹部8を貫通して配置される。これにより、隣り合う複数の細浅溝7、7が、凹部8を介して接続されて相互に連通する。また、凹部8が、隣り合う複数の細浅溝7、7の間に介在して、細浅溝7の容積を部分的に拡大する。すると、タイヤ接地時にて、凹部8が水の溜まり場となり、氷路面の水膜が効率的に吸収される。これにより、タイヤの氷上制動性能が向上する。
相互に分離した複数の細浅溝7とは、サイプ6および凹部8を除外した細浅溝7のみの配置パターンにて、相互に交差することなく延在する複数の細浅溝7をいう。したがって、複数の細浅溝7が相互に交差する配置パターンは、除外される。
例えば、図3の構成では、直線形状を有する複数の細浅溝7が、タイヤ周方向に対して所定角度で傾斜しつつ所定間隔で陸部33の全面に配置されている。このため、図4に示すように、隣り合う細浅溝7、7が、相互に平行に配置されて一方向に併走している。また、凹部8が、隣り合う2本の細浅溝7、7に跨って配置されて、これらの細浅溝7、7を接続している。言い換えると、併走する2本の細浅溝7、7が、1つの凹部8を一方向に貫通している。なお、上記に限らず、3本以上の細浅溝7が、1つの凹部8を貫通しても良い(図示省略)。
また、上記の構成では、1つのブロック5の接地面にて、隣り合う複数の細浅溝7、7に跨って配置された凹部8の数が、この接地面における凹部8の総数に対して70[%]以上あることが好ましく、80[%]以上あることがより好ましい。これにより、上記した凹部8の水の溜まり場としての機能が効果的に発揮される。例えば、図3の構成では、すべての凹部8が、隣り合う2本の細浅溝7、7に跨って配置されている。しかし、これに限らず、一部の凹部8が、単一の細浅溝7に交差しても良いし、あるいは、細浅溝7に交差することなく隣り合う細浅溝7、7の間に配置されても良い(図示省略)。
また、図3の構成では、陸部33が、細浅溝7を区画する複数のサイプ6を接地面に備えている。また、サイプ6により区画された1つの細浅溝7の部分が、複数の凹部8を貫通することなく延在している。すなわち、複数の凹部8が、サイプ6により区画された1つの細浅溝7の部分に対して重複して配置されないように、分散して配置されている。このため、1つの細浅溝7の部分には、最大1つの凹部8のみが配置される。
また、図3に示すように、凹部8は、細浅溝7と比較して、疎に配置される。具体的には、1つのブロック5の接地面の全域における凹部8の配置密度Daが、0.8[個/cm^2]≦Da≦4.0[個/cm^2]の範囲にあることが好ましく、1.0[個/cm^2]≦Da≦3.0[個/cm^2]の範囲にあることがより好ましい。これにより、凹部8の配置密度Daが適正化される。すなわち、0.8[個/cm^2]≦Daであることにより、凹部8の配置数が確保されて、凹部8の機能が適正に確保される。また、Da≦4.0[個/cm^2]であることにより、ブロック5の接地面積が適正に確保される。
凹部8の配置密度Daは、1つのリブあるいはブロックの接地面の面積に対する凹部8の総数として定義される。例えば、陸部がタイヤ周方向に連続するリブである場合(図示省略)には、1つのリブ全体の接地面積に対する凹部8の総数が、上記の配置密度Daとなる。また、陸部がブロックである場合(図2および図3参照)には、1つのブロック5の接地面積に対する凹部8の総数が、上記の配置密度Daとなる。
陸部の接地面積は、タイヤが規定リムに装着されて規定内圧を付与されると共に静止状態にて平板に対して垂直に置かれて規定荷重に対応する負荷を加えられたときのタイヤと平板との接触面にて、測定される。
[凹部の配置]
ここで、陸部31〜33の連続した接地面において、タイヤ幅方向の中央部領域および端部領域を定義する。タイヤ幅方向の中央部領域および端部領域は、リブおよびブロックの双方について定義できる。
タイヤ幅方向の中央部領域は、連続した接地面のタイヤ幅方向の中央部50[%]の領域として定義される。タイヤ幅方向の端部領域は、連続した接地面のタイヤ幅方向の左右の端部25[%]の領域として定義される。例えば、陸部がタイヤ周方向に連続するリブである場合(図示省略)には、1つのリブ全体の接地面についてタイヤ幅方向の中央部領域および端部領域が定義される。また、陸部がブロック列である場合(図2参照)には、ブロック列を構成する各ブロックの接地面について中央部領域および端部領域がそれぞれ定義される。また、凹部の中心が上記領域にあれば、凹部が当該領域に配置されているといえる。
連続した接地面は、2.0[mm]以上の溝幅および3.0[mm]以上の溝深さを有する溝により区画された接地面として定義される。具体的には、上記の溝幅および溝深さを有する周方向溝およびラグ溝により区画された1つのリブあるいは1つのブロックの接地面が、上記連続した接地面に該当する。また、例えば、陸部内で終端するクローズド構造のラグ溝、陸部に形成された部分的な切り欠き(例えば、後述する図7の切欠部311)、タイヤ接地時に閉塞するサイプやカーフなどは、陸部の接地面を分断しないため、上記の溝に該当しない。また、ショルダー陸部33では、上記連続した接地面が、タイヤ接地端Tにより区画され得る(図3参照)。
タイヤ接地端Tとは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置をいう。
また、連続した接地面の角部を含む5[mm]四方の領域を、陸部の角部として定義する。陸部の角部は、主溝およびラグ溝により区画された陸部の部分のみならず、陸部に形成された切欠部(例えば、後述する図7の切欠部311)により区画された陸部の部分を含む。また、凹部の中心が上記領域にあれば、凹部が陸部の角部に配置されているといえる。
また、陸部31〜33が複数のブロック5から成るブロック列を備え、且つ、各ブロック5がタイヤ幅方向に延在する複数のサイプ6を有する構成では、複数のサイプ6が、タイヤ周方向に並列に配置されてブロック5をタイヤ周方向に複数の区間に区画する。これらの区間を、ブロック5の区間として定義する。ブロック5の区間は、各ブロック5について定義できる。また、サイプ6は、オープン構造を有しても良いし、クローズド構造あるいはセミクローズド構造を有しても良い。
図3の構成では、ショルダー陸部33のブロック5が、矩形状の接地面を有している。また、ブロック5が複数のサイプ6によりタイヤ周方向に区画されて、複数の区間が形成されている。また、ブロック5のすべての区間が、少なくとも1つの凹部8を有している。また、タイヤ周方向に隣り合う任意の3つの区間の少なくとも1つが、タイヤ幅方向の中央部領域に凹部8を有する。また、タイヤ周方向に隣り合う任意の3つの区間の少なくとも1つが、タイヤ幅方向の端部領域に凹部8を有する。これにより、凹部8が、ブロック5内で分散して配置されている。
ブロック5のタイヤ幅方向の端部領域、特に、周方向主溝22側の端部領域では、タイヤ接地時にてブロック5の中央部領域よりも大きな接地圧が作用する。このため、氷路面の走行時にて接地圧により路面の氷が溶け易く、水膜が発生し易い。したがって、凹部8がブロック5の端部領域に配置されることにより、踏面の水膜が効率的に吸収されて、タイヤの氷上制動性能が向上する。
特に、ショルダー陸部33は、タイヤの制動性能に対する影響が大きい。そこで、図3のように、ショルダー陸部33のブロック5が、細浅溝7よりも大きな容積を有する凹部8をタイヤ幅方向の端部領域に備えることにより、凹部8による氷上制動性能の向上作用が顕著に得られる。
また、図3の構成では、ブロック5のタイヤ周方向の両端部の区間が、凹部8をブロック5の周方向主溝22側の2つの角部にそれぞれ有している。特に、鋭角な(すなわち90[deg]未満の)接地面をもつ角部に、凹部8が配置されることが好ましい。例えば、図3の構成では、ブロック5が最外周方向主溝22と一対のラグ溝43、43との交差部にそれぞれ角部を有し、図中左下の角部が鋭角な接地面を有し、図中左上の角部が鈍角な接地面を有している。
ブロック5の角部、特に鋭角な接地面をもつ角部には、タイヤ接地時にて大きな接地圧が作用する。このため、氷路面の走行時にて接地圧により路面の氷が溶け易く、水膜が発生し易い。したがって、凹部8がブロック5の角部に配置されることにより、踏面の水膜が効率的に吸収されて、タイヤの氷上制動性能が向上する。
また、図3の構成では、サイプ6が、ラグ溝43に平行ないしは若干傾斜して配置され、また、タイヤ接地端Tからタイヤ幅方向内側の領域にのみ配置されている。また、細浅溝7が、タイヤ接地端Tを越えて陸部33のタイヤ幅方向外側の領域まで延在している。また、凹部8が、タイヤ接地端Tからタイヤ幅方向内側の領域にのみ配置されている。
図6および図7は、図2に記載した空気入りタイヤの陸部を示す説明図である。これらの図において、図6は、セカンド陸部32を構成する1ピッチあたりのブロック5の平面図を示している。また、図7は、センター陸部31を構成する1つのブロック5の平面図を示している。なお、セカンド陸部32は、最外周方向主溝22に区画されたタイヤ幅方向内側の陸部として定義される。また、センター陸部31は、タイヤ赤道面CL上にある陸部31(図2参照)、あるいは、タイヤ赤道面CLを挟んで隣り合う陸部(図示省略)として定義される。
図2の構成では、セカンド陸部32が、1本の周方向細溝23によりタイヤ幅方向に分断され、さらに複数のラグ溝42によりタイヤ周方向に分断されて、複数のブロック5が区画されている。また、セカンド陸部32のタイヤ幅方向内側の領域には、タイヤ周方向に長尺なブロック5が形成され、タイヤ幅方向外側の領域には、短尺なブロック5が形成されている。また、セカンド陸部32の1つのピッチが、1つの長尺なブロック5と2つの短尺なブロック5とを一組として構成されている。
また、図6に示すように、セカンド陸部32のトレッド部ショルダー領域側にある1つの短尺なブロック5が、矩形状の接地面を有している。また、短尺なブロック5が複数のサイプ6によりタイヤ周方向に区画されて、複数の区間が形成されている。また、短尺なブロック5のすべての区間が、少なくとも1つの凹部8を有している。また、タイヤ周方向に隣り合う任意の3つの区間の少なくとも1つが、タイヤ幅方向の中央部領域に凹部8を有する。また、タイヤ周方向に隣り合う任意の3つの区間の少なくとも1つが、タイヤ幅方向の端部領域に凹部8を有する。また、短尺なブロック5のタイヤ周方向の両端部の区間では、凹部8が、短尺なブロック5の周方向主溝22側の角部にそれぞれ配置されている。これにより、凹部8が、タイヤ幅方向の端部領域および中央部領域に分散して配置されて、タイヤの氷上制動性能が高められている。
特に、短尺なブロック5は、その剛性が低いため、車両制動時にて、ブロック5の倒れ込み量が大きい。また、ブロック5が複数のサイプ6を有する構成では、その傾向が顕著となり、タイヤの氷上制動性能が低下し易い。さらに、セカンド陸部32は、タイヤの制駆動性能に対する影響が大きい。そこで、かかる短尺なブロック5が、サイプ6で区画されたすべての区間に凹部8を有することにより、踏面の水膜が効率的に吸収されて、タイヤの氷上制動性能が確保される。
また、図6において、セカンド陸部32のトレッド部センター領域側にある長尺なブロック5が、タイヤ周方向に長尺な略矩形状の接地面を有している。また、長尺なブロック5が複数のサイプ6によりタイヤ周方向に区画されて、複数の区間が形成されている。かかるタイヤ周方向に長尺なブロック5では、タイヤ周方向に隣り合う任意の3つの区間の少なくとも1つが、凹部8を有することが好ましい。図6では、タイヤ周方向に隣り合う任意の一対の区間の少なくとも1つが、凹部8を有している。また、長尺なブロック5のタイヤ周方向の両端部の区間では、凹部8が、長尺なブロック5の周方向主溝21側の角部にそれぞれ配置されている。これにより、凹部8が、分散して配置されて、タイヤの氷上制動性能が高められている。
また、図2の構成では、センター陸部31が、複数のラグ溝41によりタイヤ周方向に分断されて、複数のブロック5が区画されている。また、ブロック5が、セカンド陸部32のラグ溝42の延長線上に、切欠部311を有している。また、ブロック5が、矩形状の接地面を有している。
また、図7に示すように、センター陸部31のブロック5が複数のサイプ6によりタイヤ周方向に区画されて、複数の区間が形成されている。また、タイヤ周方向に隣り合う任意の3つの区間の少なくとも1つが、凹部8を有している。また、ブロック5のタイヤ周方向の両端部の区間では、凹部8が、ブロック5の周方向主溝21側の角部にそれぞれ配置されている。また、切欠部311を含む区間が、切欠部311の近傍に凹部8を有している。これにより、凹部8がブロック5内で分散して配置されて、タイヤの氷上制動性能が高められている。
なお、上記の構成では、少なくとも一部の凹部8が、タイヤ成形金型(図示省略)のベント孔に対応する位置に配置されることが好ましい。すなわち、タイヤ加硫成形工程では、グリーンタイヤをタイヤ成形金型に押圧するために、タイヤ成形金型内の空気を外部に排出する必要がある。このため、タイヤ成形金型が、陸部31〜33の接地面を成形する金型面に、複数のベント装置(いわゆるベントレスモールドを備えたベント装置。図示省略)を有している。また、ある種のベント装置は、加硫成形後の陸部31〜33の接地面に、ベント跡としてのベント穴(小さな窪み)を形成する。そこで、このベント穴を上記の凹部8として用いることにより、ベント穴を有効に利用し、また、陸部31〜33の接地面における無用な窪みを低減して陸部31〜33の接地面積を適正に確保できる。
特に、タイヤ加硫成形工程では、残留空気が陸部31〜33の角部に溜まり易いという課題がある。このため、陸部31〜33の角部が凹部8を有し、この凹部8がタイヤ成形金型のベント孔に対応する位置に配置されることが好ましい。これにより、ベント穴を凹部8として利用しつつ、角部の残留空気を効果的に低減できる。
[センター領域/ショルダー領域における凹部の容積率の偏在]
図2に示すように、この空気入りタイヤ1では、陸部31〜33が、複数種類の凹部81、82を備える。同図では、白丸と黒丸とが相互に異なる種類の凹部8を示している。また、これらの凹部81、82が、相互に異なる深さ方向の立体形状を有することにより、相互に異なる容積を有する。
凹部の容積は、陸部の踏面と凹部の内壁面とに囲まれた空間の容積として定義され、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。
深さ方向の立体形状は、凹部の深さ方向にかかる寸法および形状として定義され、特に、後述する凹部8の深さHdおよび内壁面形状(図8〜図12参照)を含む概念である。
また、トレッド部センター領域における凹部8の容積率Vceと、トレッド部ショルダー領域における凹部8の容積率Vshとが、Vce<Vshの関係を有する。すなわち、トレッド部ショルダー領域における凹部8の容積率Vshが、トレッド部センター領域よりも大きい。また、凹部8の容積率の比Vsh/Vceが、1.10≦Vsh/Vceの関係を有することが好ましく、1.20≦Vsh/Vceの関係を有することがより好ましい。比Vsh/Vceの上限は、特に限定がないが、凹部8の深さ、立体形状、配置密度、開口面積などの数値範囲との関係により制約を受ける。
また、図2に示すように、凹部8が、トレッド部の接地領域の全域に分散して配置されることが好ましい。これにより、単体の凹部8の基本的な作用効果がトレッド全体で得られる。しかし、これに限らず、凹部8がトレッド部ショルダー領域のみに配置されても良い(図示省略)。この場合、すなわち凹部8がトレッド部ショルダー領域のみに配置されてトレッド部センター領域に配置されていない場合には、Vce=0となり、Vce<Vshの関係が満たされる。
トレッド部センター領域およびショルダー領域は、原則として、トレッド部の接地領域をタイヤ幅方向に3等分する基準線を境界として定義される。ただし、タイヤ周方向に連続する周方向溝(例えば、周方向主溝、周方向細溝など)がタイヤ接地端Tからタイヤ接地幅の28[%]以上38[%]以下の領域に配置された構成(図2参照)では、上記基準線に最も近い周方向溝(図2では、周方向細溝23)を境界線として、トレッド部センター領域およびショルダー領域が定義される。
トレッド部の接地領域は、左右のタイヤ接地端T、Tの間の領域として定義される。タイヤ接地端Tは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置として定義される。
凹部の容積率は、所定領域に配置された各凹部の容積の総和と当該領域の接地面積との比として定義される。凹部と領域の境界線とが交差する場合には、凹部の中心点が領域内にあれば当該凹部が当該領域内に配置されているといえる。
領域の接地面積は、タイヤが規定リムに装着されて規定内圧を付与されると共に静止状態にて平板に対して垂直に置かれて規定荷重に対応する負荷を加えられたときのタイヤと平板との接触面にて、測定される。
また、トレッド部センター領域およびトレッド部ショルダー領域における凹部8の容積率Vce、Vshは、各領域に配置された凹部8の深さ方向の立体形状(例えば、後述する深さ、内壁面形状など)により調整されることが好ましい。すなわち、トレッド部センター領域にある凹部8のグループと、トレッド部ショルダー領域にある凹部8のグループとが、相互に異なる深さ方向の立体形状を有することにより、各領域における凹部8の容積率Vce、Vshに差が形成される。
(1)一般に、トレッド部ショルダー領域では、トレッド部センター領域よりも接地圧が高く、氷路面の走行時にて水膜が発生し易い状況にある。このとき、トレッド部ショルダー領域における凹部8の容積率Vshが大きく設定されることにより、水膜が発生し易いトレッド部ショルダー領域における踏面の吸水性が向上して、トレッド部ショルダー領域の接地特性が向上する。これにより、タイヤの氷上制動性能および氷上旋回性能が向上する。また、(2)一般に、トレッド部センター領域は、タイヤの微小舵角での操縦安定性能に対する寄与が大きい。したがって、上記のようにトレッド部センター領域における凹部8の容積率Vceが小さく設定されることにより、凹部8の配置に起因するブロック剛性の低下が緩和されて、タイヤの操縦安定性能が向上する。
また、上記の構成では、トレッド部センター領域における凹部8の開口面積率Sceと、トレッド部ショルダー領域における凹部8の開口面積率Sshとが、0.90≦Ssh/Sce≦1.10の関係を有することが好ましく、0.95≦Ssh/Sce≦1.05の関係を有することがより好ましい。したがって、凹部8の開口面積率Sce、Sshがトレッド部センター領域とショルダー領域との間で均一化される。これにより、トレッド部の各領域の接地面積を均一化しつつ、各領域の凹部8の容積率Vce、Vshに差を形成できる。
凹部の開口面積率は、所定領域に配置された各凹部の開口面積の総和と当該領域の接地面積との比として定義される。凹部と領域の境界線とが交差する場合には、凹部の中心点が領域内にあれば当該凹部が当該領域内に配置されているといえる。
また、トレッド部センター領域における凹部8の配置密度Dceと、トレッド部ショルダー領域における凹部8の配置密度Dshとが、0.90≦Dsh/Dce≦1.10の関係を有することが好ましく、0.95≦Dsh/Dce≦1.05の関係を有することがより好ましい。かかる構成では、凹部8の配置密度Dce、Dshがトレッド部センター領域とショルダー領域との間で均一化されるので、凹部8の容積率Vce、Vshの偏在に起因する陸部31〜33の接地特性の過剰な変化を抑制できる。
凹部の配置密度Dce、Dshは、トレッド部の各領域(センター領域および左右のショルダー領域)の接地面に配置された凹部8の総配置数と、各領域の接地面積との比としてそれぞれ定義される。
また、凹部8の配置数は、所定領域にある凹部8の中心点の数としてカウントされる。また、凹部8と領域の境界線とが交差する場合には、凹部の中心点が領域内にあれば凹部が当該領域内に配置されているといえる。
また、トレッド部の全域に配置された凹部8の開口面積の最大値A_maxと最小値A_minとが、1.00≦A_max/A_min≦1.10の関係を有することが好ましく、1.00≦A_max/A_min≦1.05の関係を有することがより好ましい。したがって、各凹部8の開口面積がトレッド部の全域にて均一化される。これにより、凹部8の開口面積のばらつきに起因する接地特性の過剰な変化を抑制できる。
したがって、この実施の形態では、各領域における凹部8の容積率Vce、Vshが、主として、後述する凹部8の深さあるいは内壁面形状により調整される。
また、図2の構成では、上記のように、空気入りタイヤ1が、4本の周方向主溝21、22と、5列の陸部31〜33とを備えている。また、これらの周方向主溝21、22が、タイヤ赤道面CLを中心として左右対称に配置されている。また、左右のセカンド陸部32、32の周方向細溝23、23を境界として、トレッド部センター領域とショルダー領域とが区画されている。
ここで、図2のように4本以上の周方向主溝21、22を有する構成では、センター陸部31における凹部8の容積率V1と、セカンド陸部32における凹部8の容積率V2と、ショルダー陸部33における凹部8の容積率V3とが、V1<V3<V2の関係を有することが好ましい。すなわち、セカンド陸部32における凹部8の容積率V2が、センター陸部31における凹部8の容積率V1およびショルダー陸部33における凹部8の容積率V3と比較して、最も高い(V1<V2かつV3<V2)。また、ショルダー陸部33における凹部8の容積率V3が、センター陸部31における凹部8の容積率V1よりも高い(V1<V3)。また、上記のようにトレッド部ショルダー領域の容積率Vshが、トレッド部センター領域の容積率Vceよりも相対的に大きく設定される(Vce<Vsh)。これにより、トレッド全体の接地領域における凹部8の容積率Vce、Vshが適正化される。
なお、タイヤ赤道面CL上に周方向主溝を有する構成(図示省略)では、タイヤ赤道面CL上の周方向主溝に区画された左右の陸部が、センター陸部となり、上記した凹部8の容積率V1の条件を満たす。
また、上記の構成では、センター陸部31における凹部8の容積率V1とショルダー陸部33における凹部8の容積率V3とが、1.10≦V3/V1の関係を有することが好ましく、1.20≦V3/V1の関係を有することがより好ましい。比V3/V1の上限は、特に限定がないが、上記した陸部31〜33の連続した接地面における凹部8の配置密度Daの範囲により制約を受ける。
同様に、ショルダー陸部33における凹部8の容積率V3とセカンド陸部32における凹部8の容積率V2が、1.10≦V2/V3の関係を有することが好ましく、1.20≦V2/V3の関係を有することがより好ましい。
また、図2の構成では、上記のように、セカンド陸部32が、タイヤ周方向に延在する周方向細溝23を備えている。また、周方向細溝23が、セカンド陸部32のタイヤ幅方向の中央部(最外周方向主溝22を基準としてセカンド陸部32の幅の30[%]〜70[%]の領域)に配置されている。また、周方向細溝23に区画されたセカンド陸部32のタイヤ幅方向内側の領域における凹部8の容積率V21と、タイヤ幅方向外側の領域における凹部8の容積率V22とが、V21<V22の関係を有することが好ましい。したがって、凹部8がセカンド陸部32のタイヤ幅方向外側の領域で相対的に高く設定される。具体的には、凹部8の容積率V21、V22が、1.10≦V22/V21の関係を有することが好ましく、1.20≦V22/V21の関係を有することがより好ましい。
[センター領域/ショルダー領域における凹部の深さの偏在]
例えば、図2の構成では、2種類の凹部81、82がトレッド部センター領域およびトレッド部ショルダー領域に混在して配置される。同図では、白丸が浅底の凹部81を示し、黒丸が深底の凹部82を示す。そして、これらの2種類の凹部81、82により、各領域における凹部8の容積率Vce、Vshが調整される。
具体的には、各陸部31〜33のブロック5が、相互に異なる深さを有することにより相互に異なる容積を有する2種類の凹部81、82を備える。また、トレッド部センター領域における凹部8の深さの平均値Hdceと、トレッド部ショルダー領域における凹部8の深さの平均値Hdshとが、Hdce<Hdshの関係を有する。すなわち、ショルダー領域における凹部8の深さの平均値Hdshが、センター領域よりも大きい。また、トレッド部センター領域における凹部8の深さの平均値Hdceと、タイヤ幅方向の端部領域における凹部8の深さの平均値Hdshとが、1.10≦Hdsh/Hdceの関係を有することが好ましく、1.20≦Hdsh/Hdceの関係を有することがより好ましい。比Hdsh/Hdceの上限は、特に限定がないが、凹部8の深さ、立体形状、配置密度、開口面積などの数値範囲との関係により制約を受ける。
また、左右のトレッド部ショルダー領域における凹部8の深さの平均値Hdshが、上記の条件Hdce<Hdshをそれぞれ満たすことが好ましい。しかし、これに限らず、例えば、一方のトレッド部ショルダー領域における凹部8の深さの平均値Hdshが、上記の条件Hdce<Hdshを満たし、他方のショルダー領域における凹部8の深さの平均値Hdshが、センター領域における凹部8の深さの平均値Hdceと同一(Hdce=Hdsh)であっても良い(図示省略)。かかる構成としても、ある程度の効果が得られる。
凹部の深さの平均値は、所定領域における凹部の深さの総和と当該領域における凹部の総数との比として定義される。
一般に、トレッド部ショルダー領域では、トレッド部センター領域よりも接地圧が高く、氷路面の走行時にて水膜が発生し易い状況にある。このとき、トレッド部ショルダー領域における凹部8の深さの平均値Hdshが大きく設定されることにより、水膜が発生し易いトレッド部ショルダー領域における踏面の吸水性が向上して、トレッド部ショルダー領域の接地特性が向上する。これにより、タイヤの氷上制動性能および氷上旋回性能が向上する。
また、一般に、トレッド部センター領域は、タイヤの微小舵角での操縦安定性能に対する寄与が大きい。したがって、上記のようにトレッド部センター領域における凹部8の深さの平均値Hdceが小さく設定されることにより、凹部8の配置に起因するブロック剛性の低下が緩和されて、タイヤの操縦安定性能が向上する。
また、トレッド部センター領域に配置された凹部8の70[%]以上(好ましくは80[%]以上)が、細浅溝7の溝深さHg(図5参照)に対して50[%]以上150[%]以下の深さHdを有することが好ましく、80[%]以上120[%]以下の深さHdを有することがより好ましい。すなわち、トレッド部センター領域では、大半の凹部8の深さHdが細浅溝7の溝深さHgに対して略同一に設定される。これにより、タイヤ摩耗進行時にて、トレッド部センター領域における大半の凹部8が、細浅溝7と同時期に消滅できる。
さらに、トレッド部ショルダー領域に配置された凹部8の70[%]以上(好ましくは80[%]以上)が、細浅溝7の溝深さHg(図5参照)に対して120[%]以上の深さHdを有することが好ましく、180[%]以上の深さHdを有することがより好ましい。すなわち、トレッド部ショルダー領域では、大半の凹部8の深さHdが細浅溝7の溝深さHgよりも大きく設定される。したがって、タイヤ摩耗進行時にて、トレッド部ショルダー領域に配置された大半の凹部8が、細浅溝7の消滅後も残存する。なお、上記に限らず、すべての凹部8が細浅溝7の消滅と同時あるいは消滅前に消滅しても良い。
なお、上記の構成では、各細浅溝7の溝深さHgが上記0.2[mm]以上0.7[mm]以下の範囲にあるため、トレッド部センター領域に配置された大半の凹部8の深さが、実質的に0.10[mm]以上1.05[mm]以下の範囲にある。また、上記したように、陸部31〜33に配置されたすべての凹部8の深さが、上記0.10[mm]以上2.0[mm]未満の範囲にあることを要する。
また、トレッド部ショルダー領域に配置された凹部8の70[%]以上、好ましくは80[%]以上が、トレッド部センター領域における凹部8の深さの平均値Hdceよりも大きい深さを有することが好ましく、110[%]以上の深さを有することがより好ましく、120[%]以上の深さを有することがさらに好ましい。すなわち、トレッド部ショルダー領域では、大半の凹部8の深さがトレッド部センター領域の凹部8の深さよりも大きく設定される。これにより、トレッド部ショルダー領域における深い凹部8の設置数が確保されて、深い凹部8の機能が適正に確保される。
また、図2の構成では、トレッド部のセンター領域とショルダー領域との境界が、セカンド陸部32の周方向細溝23により定義される。このため、センター陸部31とセカンド陸部32のタイヤ赤道面CL側のブロック列とが、トレッド部センター領域に属し、セカンド陸部32のタイヤ接地端T側のブロック列とショルダー陸部33とが、トレッド部ショルダー領域に属する。
また、相互に異なる深さHd1、Hd2(Hd1<Hd2)をもつ2種類の凹部81、82が採用される。また、浅い凹部81がトレッド部センター領域にあるブロック5に配置され、深い凹部82がトレッド部ショルダー領域にあるブロック5に配置される。また、図3、図6および図7に示すように、トレッド部ショルダー領域のブロック5には、深い凹部82のみが配置され、トレッド部センター領域には、浅い凹部81のみが配置されている。このため、各領域における凹部8の深さが大小いずれかで一定となっている。
しかし、これに限らず、複数種類の凹部81、82が1つの領域に混在して配置されても良い(図示省略)。この場合には、トレッド部センター領域に配置された70[%]以上、好ましくは80[%]以上の凹部8の深さが、トレッド部全体における凹部の深さの平均値よりも浅く、トレッド部ショルダー領域に配置された70[%]以上、好ましくは80[%]以上の凹部8の深さが、トレッド部全体における凹部の深さの平均値よりも深いことが好ましい。これにより、各領域における凹部8の深さの偏在による機能が適正に確保される。
また、図2の構成では、センター陸部31における凹部8の深さの平均値Hda1と、セカンド陸部32における凹部8の深さの平均値Hda2と、ショルダー陸部33における凹部8の深さの平均値Hda3とが、Hda1<Hda2<Hda3の関係を有している。したがって、凹部8の深さの平均値Hda1〜Hda3が、タイヤ赤道面CL側にある陸部ほど小さく、逆に、タイヤ接地端T側にある陸部ほど大きい。これにより、トレッド部センター領域とトレッド部ショルダー領域との間における凹部8の深さの平均値の関係Hdce<Hdshが効率的に実現されている。
また、図2の構成では、タイヤ赤道面CLを境界とする左右の領域にて、センター陸部31における凹部8の深さの平均値Hda1と、セカンド陸部32における凹部8の深さの平均値Hda2と、ショルダー陸部33における凹部8の深さの平均値Hda3とが、Hda1<Hda3<Hda2の関係をそれぞれ有しても良い。タイヤの駆動性能および制動性能に対する寄与が最も大きいセカンド陸部32では、凹部8の深さの平均値Hda2が大きく設定されることにより、凹部8の機能が効果的に発揮される。また、センター陸部31およびショルダー陸部33における凹部8の深さの平均値Hda1、Hda3が上記の関係Hda1<Hda3の関係を有することにより、トレッド部センター領域とトレッド部ショルダー領域との間における凹部8の深さの平均値の関係Hdce<Hdshが適正に実現される。
また、図2の構成では、図6において、周方向細溝23に区画されたセカンド陸部32のタイヤ幅方向内側の領域における凹部8の深さの平均値Hda21と、タイヤ幅方向外側の領域における凹部8の深さの平均値Hda22とが、Hda21<Hda22の関係をそれぞれ有する。このため、セカンド陸部32の周方向細溝23を境界とする左右の領域が、相互に異なる接地特性を有している。また、トレッド部センター領域とトレッド部ショルダー領域との間における凹部8の深さの平均値の関係Hdce<Hdshが適正に実現される。
[タイヤ幅方向における凹部の内壁面形状の相異]
図8〜図12は、凹部の内壁面形状を示す説明図である。図8〜図12では、図示された立体形状が凹部8の内壁面形状を示し、また、立体形状の図面下方の底面がブロック踏面に対する凹部8の開口部を示し、図面上方の底面あるいは頂部が凹部8の底部を示している。図13は、細浅溝および凹部の深さ方向の断面図である。
上記のように、凹部8は、ブロック5の接地面にて円形あるいは楕円形を有しても良いし、四角形、六角形などの多角形を有しても良い。このとき、凹部8は、ブロック5の内部にて任意の内壁面形状を有し得る。具体的には、凹部8の内壁面形状が、柱形状、錐台形状、錐形状あるいは半球形状などの立体形状を有しても良いし、凹部8の底部を窄めた柱形状の立体形状を有しても良い。
例えば、図4のように、凹部8がブロック5の接地面にて円形の開口部を有する場合には、凹部8の内壁面形状が、円柱形状(図8)、円錐台形状(図9)、二段円柱形状(図10)、凹部8の底部を円錐台状に窄めた円柱形状(図11)、凹部8の底部を球面状に丸めた円柱形状(図12)、半球形状(図示省略)などを有し得る。かかる内壁面形状を有する凹部8は、その加工が容易であり、また、凹部8の機能を適正に確保できる点で好ましい。
また、底部を窄めた柱形状の凹部8では、図10〜図12に示すように、凹部8の深さHdが凹部8の最大深さ位置を測定点として測定され、また、図13に示すように、凹部8の壁角度αが凹部8の開口部におけるブロック5の接地面と凹部8の内壁面とのなす角として測定される。また、凹部8の壁角度αが、−85[deg]≦α≦95[deg]の範囲にあることが好ましい。
ここで、凹部8の容積は、凹部8の内壁面形状により調整できる。例えば、図8に示す円柱形状の凹部8の容積は、凹部8の深さHdが同一であっても、図9〜図12に示す底部側を窄めた形状の凹部8の容積よりも大きい。したがって、相互に異なる内壁面形状をもつ複数種類の凹部8を用いることにより、トレッド部の各領域における凹部8の容積率を調整できる。一般に、凹部8の開口面積および深さHdが一定であれば、柱形状の凹部8の容積が、凹部8の底部を窄めた形状の凹部8の容積よりも大きい。
例えば、図2の構成では、上記のようにブロック5が相互に異なる深さを有する2種類の凹部81、82を備え、トレッド部センター領域における凹部8の深さの平均値Hdceとトレッド部ショルダー領域における凹部8の深さの平均値HdshとがHdce<Hdshの関係を有することにより、凹部8の容積率の条件Vce<Vshが満たされている。
しかし、これに限らず、相互に異なる内壁面形状を有することにより相互に異なる容積を有する2種類の凹部81、82が用いられ、比較的小さな容積を有する凹部8がトレッド部センター領域に配置され、比較的大きな容積を有する凹部8がトレッド部ショルダー領域に配置されることにより、凹部8の容積率の条件Vce<Vshが満たされても良い。この場合には、トレッド部センター領域に配置された70[%]以上、好ましくは80[%]以上の凹部8の容積が、トレッド部全体における凹部の容積の平均値よりも小さく、トレッド部ショルダー領域に配置された70[%]以上、好ましくは80[%]以上の凹部8の容積が、トレッド部全体における凹部の容積の平均値よりも大きいことが好ましい。これにより、各領域における凹部8の容積の偏在による機能が適正に確保される。
上記の構成では、比較的大きい凹部8が、氷路面の走行時にて水膜が発生し易いトレッド部ショルダー領域に配置される。すると、凹部8の吸水作用により、氷路面における踏面の水膜が効率的に吸収される。これにより、氷路面に対するブロック踏面の密着性が向上して、タイヤの氷上制動性能が向上する。また、比較的小さい凹部8がトレッド部センター領域に配置されるので、凹部8の配置に起因するブロック剛性の低下が緩和されて、タイヤの操縦安定性能が向上する。
例えば、トレッドの接地領域に2種類の凹部81、82を備える構成(図2、図3、図6および図7参照)において、第一の凹部81が円錐台形状(図9参照)、二段円柱形状(図10参照)または円柱形状(図11あるいは図12)などの底部を窄めた立体形状を有し、第二の凹部82が、円柱形状(図8参照)を有し得る。また、各凹部8が、同一の開口形状および同一の開口面積を有する。具体的には、各凹部8が、円形の開口形状を有し(図4参照)、また、均一な外径Dd1、Dd2を有する(図13参照)。また、図13に示すように、各凹部81、82が、均一な深さHd1、Hd2を有する。このため、第一の凹部81が、底部を窄めた立体形状を有する分だけ、第二の凹部82よりも小さい容積を有する。また、トレッド部センター領域には、小さい容積をもつ凹部81のみが配置され、トレッド部ショルダー領域には、大きい容積をもつ凹部82のみが配置される。これにより、各領域における凹部8の容積率の条件Vce<Vshが満たされている。
また、図13に示すように、2種類の凹部81、82の深さHd1、Hd2と細浅溝7の溝深さHgとが、均一(具体的には、±10[%]以下)に設定されている。このため、摩耗進行時には、ブロック踏面にある各凹部81、82と細浅溝7とが同時期に消滅する。
なお、上記の構成では、トレッドの接地領域に配置された凹部8の70[%]以上、好ましくは80[%]以上が、柱形状あるいは凹部の底部側を窄めた柱形状の内壁面形状を有すると共に、−85[deg]≦α≦95[deg]の範囲にある壁角度αを有することが好ましい。すなわち、トレッドの接地領域にある大半の凹部8が、ブロック5の踏面に対して略垂直な内壁面形状を有する。これにより、凹部8のエッジ作用および吸水性が効果的に向上する。
また、上記の構成では、2種類の凹部81、82が、相互に異なる内壁面形状を有する一方で、相互に均一な深さHd1、Hd2を有している(図13参照)。しかし、これに限らず、2種類の凹部81、82が、相互に異なる内壁面形状を有し、同時に、相互に異なる深さHd1、Hd2を有しても良い(図示省略)。また、その結果として、各領域における凹部8の容積率の条件Vce<Vshと深さの平均値の条件Hdce<Hdshとが同時に満たされても良い。これにより、タイヤの氷上制動性能が効果的に高まる。
[変形例]
図14〜図20は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。これらの図は、サイプ6、細浅溝7および凹部8の位置関係を示している。
図4の構成では、細浅溝7が、タイヤ周方向に対して所定角度θで傾斜して配置されている。かかる構成では、傾斜した細浅溝7により、タイヤ周方向およびタイヤ幅方向の双方へのエッジ成分が生じる点で好ましい。
しかし、これに限らず、細浅溝7が、タイヤ周方向に平行に延在しても良いし(図14参照)、タイヤ幅方向に平行に延在しても良い(図15参照)。
また、図4の構成では、細浅溝7が、直線形状を有している。かかる構成では、細浅溝7の形成が容易な点で好ましい。
しかし、これに限らず、細浅溝7が、ジグザグ形状を有しても良いし(図16参照)、波状形状を有しても良い(図17参照)。このとき、図16および図17のように、複数の細浅溝7が相互に位相を揃えて配置されても良いし、図18のように、相互に位相をずらして配置されても良い。また、図19に示すように、細浅溝7が、屈曲あるいは湾曲した短尺構造を有しても良い。このとき、短尺な細浅溝7が、相互にオフセットしつつ連なって配列されても良いし(図19参照)、マトリクス状に整列して配置されても良い(図示省略)。また、細浅溝7が、円弧形状を有しても良いし(図20参照)、S字形状などの湾曲形状を有しても良い(図示省略)。
また、図16〜図20においても、図4、図14および図15の構成と同様に、細浅溝7が、タイヤ周方向に対して所定角度θで傾斜しても良いし、タイヤ周方向に平行に延在しても良いし、タイヤ幅方向に平行に延在しても良い。なお、細浅溝7がジグザグ形状あるいは波状形状を有する場合には、細浅溝7の傾斜角θがジグザグ形状あるいは波状形状の振幅の中心を基準として測定される。
図21および図22は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。これらの図は、サイプ6、細浅溝7および凹部8の位置関係を示している。
図4の構成では、細浅溝7が、所定方向に延在する線状構造を有している。かかる構成では、細浅溝7が、ブロック5の接地面の全域に渡って連続的に延在できる点で好ましい。
しかし、これに限らず、図21および図22に示すように、細浅溝7が、環状構造を有し、相互に所定間隔をあけて配置されても良い。例えば、細浅溝7が、円形状(図21)あるいは楕円形状(図示省略)、矩形状(図22)、三角形状、六角形状などの多角形状(図示省略)を有し得る。また、かかる構成においても、凹部8が、相互に分離した隣り合う複数の細浅溝7、7に跨って配置される。
図23は、図5に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。同図は、細浅溝71、72および凹部8の深さ方向の断面図を示している。
図5の構成では、すべての細浅溝7が、同一の溝深さHgを有している。
これに対して、図23の構成では、一部の細浅溝71の溝深さHg1が、基準となる細浅溝72の溝深さHg2よりも浅く設定される。かかる構成では、タイヤの摩耗進行により、浅い溝深さHg1を有する細浅溝71が先に消滅し、その後に深い溝深さHg2を有する細浅溝72が消滅する。これにより、すべての細浅溝7が同時に消滅することによるブロック5の性状変化を抑制できる。
図24〜図27は、図4に記載したブロックの踏面の変形例を示す説明図である。これらの図は、サイプ6、細浅溝7および凹部8の位置関係を示している。
図4の構成では、すべての細浅溝7が相互に平行に配置されている。このため、細浅溝7が相互に交差することなく、縞状に配置されている。
しかし、これに限らず、図24〜図27に示すように、細浅溝7が相互に交差あるいは連通して配置されても良い。例えば、図24〜図25のように、複数の細浅溝7が網目状に配置されても良い。このとき、細浅溝7が、タイヤ周方向およびタイヤ幅方向に対して傾斜して配置されても良いし(図24)、タイヤ周方向およびタイヤ幅方向に対して平行に配置されて良い(図25)。また、一部の細浅溝7が、例えば、円弧状、波状など湾曲して配置されても良い(図26)。また、細浅溝7が、環状構造を有して相互に連通して配置されても良い(図27)。例えば、図27の構成では、細浅溝7がハニカム状に配置されている。また、これらの構成においても、凹部8が、相互に交差しない2本以上の細浅溝7に交差して配置される。
[細浅溝の省略]
図2の構成では、すべての陸部31〜33のブロック5が、複数の細浅溝7を踏面に備えている。しかし、これに限らず、これらの細浅溝7が省略されても良い。
図28〜図33は、図2に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。これらの図において、図28は、空気入りタイヤ1のトレッド面の平面図であり、図29は、図28に記載したショルダー陸部33のブロック5の平面図であり、図30は、図29に記載したブロック5の踏面の拡大図を示し、図31は、図30に記載したブロック5の踏面に垂直な断面図である。また、図32は、ブロック5の踏面に施された表面加工部9の平面図を模式的に示し、図33は、表面加工部9の高さ方向の断面図を模式的に示している。
図28および図29に示すように、陸部31〜33のブロック5が、図2の細浅溝7に代えて、1[μm]以上50[μm]以下の算術平均粗さRaをもつ表面加工部9を接地面に備えても良い。また、算術平均粗さRaが、10[μm]以上40[μm]以下の範囲にあることが好ましい。かかる構成では、突起部間の空隙が氷路面とトレッド面との間に介在する水膜を除去し、また、突起部により路面とトレッド面との摩擦力が増加する。これにより、タイヤ新品時における氷上性能および雪上性能が向上する。
算術平均粗さRaは、JIS B0601(2001年)に準拠して測定される。また、算術平均粗さRaは、陸部に形成されたサイプ6、凹部8、切り欠き、細溝などを除外して測定される。
例えば、図28の構成では、各陸部31〜33のすべてのブロック5の接地面に、図32および図33に示す表面加工部9が施されている。また、表面加工部9が、微細かつ多数の半球状の突起部を接地面の全域に点在させた構造を有する。また、突起部の最大高さHp(図33参照)が、1[μm]以上50[μm]以下の範囲にあり、また、突起部の最大外径Dp(図32参照)が、1[μm]以上50[μm]以下の範囲にある。また、隣り合う突起部の頂部の平均間隔が、5[μm]以上100[μm]以下の範囲にあることが好ましい。
突起部の最大高さHpおよび最大外径Dpは、図32および図33に示すように、突起部の外輪郭線(突起部の外表面とブロックの平面部との交点により定義される。)を測定点として、例えばマイクロスコープを用いて測定される。
なお、図32および図33の構成では、上記のように、表面加工部9の突起部が、半球状を有している。しかし、これに限らず、表面加工部9の突起部が、裁頭半球状、裁頭円錐状、裁頭角錐状などの断面台形状を有しても良いし、円柱状、角柱状などの断面矩形状を有しても良い(図示省略)。
また、図28の構成では、上記のように、各陸部31〜33のすべてのブロック5が、上記した表面加工部9を踏面の全域に有している。しかし、これに限らず、陸部31〜33のブロック5の一部あるいは全部が、あるいは、ブロック5の踏面の一部あるいは全部が、表面加工部9を有なさいプレーンな領域を有しても良い。プレーンな領域は、1[μm]未満の算術平均粗さRaを有する領域として定義される。
ここでは、50[μm]以下の算術平均粗さRaをもつ領域をフラットな領域として定義する。このフラットな領域は、上記表面加工部9をもつ領域および上記プレーンな領域の双方を含む概念である。
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、リブあるいは複数のブロックを有する陸部31〜33をトレッド面に備える(図2参照)。また、陸部31〜33が、相互に異なる深さ方向の立体形状を有することにより相互に異なる容積を有する複数種類の凹部8(81、82)を接地面に備える。また、トレッド部センター領域における凹部8の容積率Vceと、トレッド部ショルダー領域における凹部8の容積率Vshとが、Vce<Vshの関係を有する。
かかる構成では、(1)陸部31〜33が凹部8を接地面に備えるので、陸部31〜33のエッジ成分が増加して、タイヤの氷上制動性能が向上する利点がある。また、(2)一般に、トレッド部ショルダー領域では、トレッド部センター領域よりも接地圧が高く、氷路面の走行時にて水膜が発生し易い状況にある。このとき、トレッド部ショルダー領域における凹部8の容積率Vshが大きく設定されることにより、水膜が発生し易いトレッド部ショルダー領域における踏面の吸水性が向上する。これにより、氷路面に対するブロック踏面の密着性が向上して、タイヤの氷上制動性能および氷上旋回性能が向上する。また、(3)一般に、トレッド部センター領域は、タイヤの微小舵角での操縦安定性能に対する寄与が大きく、また、タイヤの操舵時センターフィールに対する寄与が大きい。したがって、上記のようにトレッド部センター領域における凹部8の容積率Vceが小さく設定されることにより、凹部8の配置に起因するブロック剛性の低下が緩和されて、タイヤの操縦安定性能が向上する利点があり、また、旋回性能が向上する利点がある。また、(4)凹部8が、サイプ(例えば、線状サイプ6や円形サイプ(図示省略))と比較して浅いので、陸部31〜33の剛性が適正に確保される。これにより、タイヤの氷上制動性能が確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、トレッド部センター領域における凹部8の容積率Vceと、トレッド部ショルダー領域における凹部8の容積率Vshとが、1.10≦Vsh/Vceの関係を有する。これにより、各領域における凹部8の容積率の比Vsh/Vceが確保されて、凹部8の容積率の偏在による作用が適正に得られる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、トレッド部センター領域における凹部8の開口面積率Sceと、トレッド部ショルダー領域における凹部8の開口面積率Sshとが、0.90≦Ssh/Sce≦1.10の関係を有する(図2参照)。これにより、トレッド部の各領域の接地面積を均一化しつつ、各領域の凹部8の容積率Vce、Vshに差を形成できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、トレッド部センター領域における凹部8の配置密度Dceと、トレッド部ショルダー領域における凹部8の配置密度Dshとが、0.90≦Dsh/Dce≦1.10の関係を有する(図2参照)。かかる構成では、凹部8の配置密度がタイヤ幅方向の各領域で均一化されるので、凹部8の容積率Vce、Vshの偏在に起因する陸部の接地特性の過剰な変化を抑制できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、トレッド部の全域に配置された凹部8の開口面積の最大値A_maxと最小値A_minとが、1.00≦A_max/A_min≦1.10の関係を有する(図2参照)。かかる構成では、各凹部8の開口面積がトレッド部の全域にて均一化されるので、凹部8の開口面積のばらつきに起因する接地特性の過剰な変化を抑制できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、陸部31〜33が、相互に異なる深さHd1、Hd2を有することにより相互に異なる容積を有する複数種類の凹部8(81、82)を備える(図5参照)。また、トレッド部センター領域における凹部8の深さの平均値Hdceと、トレッド部ショルダー領域における凹部8の深さの平均値Hdshとが、Hdce<Hdshの関係を有する(図2参照)。(1)一般に、トレッド部ショルダー領域では、トレッド部センター領域よりも接地圧が高く、氷路面の走行時にて水膜が発生し易い状況にある。このとき、トレッド部ショルダー領域における凹部8の深さの平均値Hdshが大きく設定されることにより、水膜が発生し易いトレッド部ショルダー領域における踏面の吸水性が向上する。これにより、氷路面に対するブロック踏面の密着性が向上して、タイヤの氷上制動性能および氷上旋回性能が向上する。また、(2)一般に、トレッド部センター領域は、タイヤの微小舵角での操縦安定性能に対する寄与が大きく、また、タイヤの操舵時センターフィールに対する寄与が大きい。したがって、上記のようにトレッド部センター領域における凹部8の深さの平均値Hdceが小さく設定されることにより、凹部8の配置に起因するブロック剛性の低下が緩和されて、タイヤの操縦安定性能が向上する利点があり、また、旋回性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、トレッド部センター領域における凹部8の深さの平均値Hdceと、トレッド部ショルダー領域における凹部8の深さの平均値Hdshとが、1.10≦Hdsh/Hdceの関係を有する。これにより、各領域における凹部8の深さの平均値の比Hdsh/Hdceが確保されて、凹部8によるタイヤの氷上制動性能の向上作用が適正に得られる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、トレッド部センター領域に配置された凹部8の70[%]以上が、細浅溝7の溝深さHgに対して50[%]以上150[%]以下の深さHdを有する。かかる構成では、タイヤ摩耗進行時にて、トレッド部センター領域における大半の凹部8が、細浅溝7と同時期に消滅する。これにより、トレッドゴムの接地領域の表面が摩滅して十分な機能を発揮する状態となったときに、トレッド部の接地面積を十分に確保できる利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、トレッド部ショルダー領域に配置された凹部8の70[%]以上が、トレッド部センター領域における凹部8の深さの平均値Hdceよりも大きい深さHdを有する(図2参照)。これにより、トレッド部ショルダー領域における深い凹部8の設置数が確保されて、深い凹部8の機能が適正に確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、陸部31〜33が、相互に異なる内壁面形状を有することにより相互に異なる容積を有する複数種類の凹部8(81、82)を備える(図13参照)。また、トレッド部ショルダー領域に配置された凹部8の70[%]以上が、トレッド部センター領域における凹部8の容積の平均値Hdcよりも大きい容積を有する。これにより、トレッド部ショルダー領域における大きな容積の凹部8の設置数が確保されて、深い凹部8の機能が適正に確保される利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、トレッド部の全域に配置された凹部8の70[%]以上が、柱形状(例えば、図8では円柱形状)あるいは凹部8の底部側を窄めた柱形状(例えば、図10の二段円柱形状、図11および図12の底部側を円錐台形状あるいは半球形状に窄めた円柱形状)の内壁面形状を有すると共に、−85[deg]≦α≦95[deg]の範囲にある壁角度α(図13参照)を有する。これにより、凹部8のエッジ作用および吸水性が効果的に向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、凹部8(81、82)の深さが、0.10[mm]以上2.0[mm]未満の範囲にある。これにより、凹部8の深さが適正化される利点がある。すなわち、上記数値範囲の下限により、凹部8の機能が適正に確保され、また、上記数値範囲の上限により、陸部31〜33の剛性が適正に確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、1つの連続した接地面の全域における凹部8の配置密度Daが、0.8[個/cm^2]≦Da≦4.0[個/cm^2]の範囲にある。これにより、凹部8の配置密度が適正化される利点がある。すなわち、0.8[個/cm^2]≦Daであることにより、凹部8の配置数が確保されて、凹部8に水膜の除去作用が適正に確保される。また、Da≦4.0[個/cm^2]であることにより、陸部31〜33の接地面積が適正に確保される。
また、この空気入りタイヤ1では、4本以上の周方向主溝21、22と、周方向主溝21、22に区画されて成る5列以上の陸部31〜33とを備える(図2参照)。また、左右の最外周方向主溝22、22とタイヤ赤道面CLとの距離が、タイヤ接地幅の28[%]以上38[%]以下の範囲にある。また、タイヤ赤道面CL上にある陸部31(図2参照)あるいはタイヤ赤道面CL上にある周方向主溝に区画された陸部(図示省略)における凹部8の容積率V1と、最外周方向主溝22に区画されたタイヤ幅方向内側の陸部32における凹部8の容積率V2と、最外周方向主溝22に区画されたタイヤ幅方向外側の陸部33における凹部8の容積率V3とが、V1<V2かつV3<V2の関係を有する。一般に、セカンド陸部32は、タイヤの制動性能および駆動性能に対する寄与が大きい。したがって、セカンド陸部32における凹部8の容積率V2が高く設定されることにより、凹部8の吸水作用が効果的に発揮されて、タイヤの氷上制動性能が効果的に向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、4本以上の周方向主溝21、22と、周方向主溝21、22に区画されて成る5列以上の陸部31〜33とを備える(図2参照)。また、左右の最外周方向主溝22、22とタイヤ赤道面CLとの距離が、タイヤ接地幅の28[%]以上38[%]以下の範囲にある。また、タイヤ赤道面CL上にある陸部31(図2参照)あるいはタイヤ赤道面CL上にある周方向主溝に区画された陸部(図示省略)における凹部8の容積率V1と、最外周方向主溝22に区画されたタイヤ幅方向外側の陸部33における凹部8の容積率V3とが、V1<V3の関係を有する。一般に、ショルダー陸部33では、センター陸部31と比較して、接地圧が相対的に高く氷路面にて水膜が発生し易い傾向にある。したがって、図2のように、ショルダー陸部33の凹部8の容積率V3がセンター陸部31の凹部8の容積率V1よりも相対的に高く(V1<V3)設定されることにより、ショルダー陸部33の除水性が効率的に高められて、タイヤの氷上制動性能が向上する利点がある。また、上記のように、車幅方向内側領域の凹部8の開口面積率Sinが車幅方向外側領域の凹部8の開口面積率Soutよりも相対的に高く(Sout<Sin)設定されることにより、タイヤがネガティブキャンバを有する車両に装着された場合に、氷上制動性能が向上する利点がある。これらの相乗作用により、タイヤの氷上制動性能が効果的に向上する利点がある。
図34は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、(1)氷上制動性能および(2)氷上旋回性能に関する評価が行われた。また、タイヤサイズ195/65R15の試験タイヤがJATMA規定の適用リムに組み付けられ、この試験タイヤに230[kPa]の空気圧およびJATMA規定の最大負荷が付与される。また、試験タイヤが、試験車両である排気量1600[cc]かつFF(Front engine Front drive)方式のセダンに装着される。
(1)氷上制動性能に関する評価では、試験車両が所定の氷路面を走行し、走行速度40[km/h]からの制動距離が測定される。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。
(2)氷上旋回性能に関する評価では、試験車両が半径4[m]の円に沿った旋回走行を行い、その走行タイムが計測される。そして、この測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。
図34において、実施例1〜8の試験タイヤは、図1および図2の構成を備え、陸部31〜33のブロック5がサイプ6、細浅溝7および凹部8をそれぞれ有する。また、サイプ6の深さが6.0[mm]である。また、図4に示すように、直線状の細浅溝7がタイヤ周方向に傾斜しつつ平行に配置されてブロック5を貫通する。また、細浅溝7の配置間隔が、P=1.2[mm]である。また、トレッド面にあるすべての凹部8が、円形の開口部を有し、また、一定(3.2[mm^2])の開口面積を有する。また、トレッド部センター領域における凹部8の配置密度Dceとトレッド部ショルダー領域における凹部8の配置密度Dshとが、等しい(Nce=Nsh)。また、トレッド全域における凹部8の配置密度Daの平均値が2.0[個/cm^2]である。また、すべての凹部8が、円柱形状(図8参照)の内壁面形状を有する。また、トレッド部センター領域における凹部8の容積率Vceと、トレッド部ショルダー領域における凹部8の容積率Vshとが、Vce<Vshの関係を有する。実施例8の試験タイヤは、実施例2の構成において、ブロック5の踏面が、細浅溝7に代えて、20[μm]の平均算術粗さRaをもつ表面加工部9(図28〜図33参照)を備えている。なお、表中の「CE」は、トレッド部センター領域を示し、「SH」は、トレッド部ショルダー領域を示している。
従来例の試験タイヤでは、図2の構成において、ブロック5がサイプ6および細浅溝7のみを有し、凹部8を有していない。
試験結果に示すように、実施例1〜8の試験タイヤでは、タイヤの氷上制動性能および氷上旋回性能が向上することが分かる。
1:空気入りタイヤ、21、22:周方向主溝、23:周方向細溝、31〜33:陸部、311:切欠部、41〜43:ラグ溝、5:ブロック、6:サイプ、7:細浅溝、8:凹部、9:表面加工部、11:ビードコア、12:ビードフィラー、13:カーカス層、14:ベルト層、141、142:交差ベルト、143:ベルトカバー、15:トレッドゴム、16:サイドウォールゴム、17:リムクッションゴム

Claims (15)

  1. リブあるいは複数のブロックを有する陸部をトレッド面に備える空気入りタイヤにおいて、
    前記陸部が、相互に異なる深さ方向の立体形状を有することにより相互に異なる容積を有する複数種類の凹部を接地面に備え、
    所定領域における前記凹部の容積の総和と前記陸部の接地面積との比を前記凹部の容積率として定義し、且つ、
    トレッド部センター領域における前記凹部の容積率Vceと、トレッド部ショルダー領域における前記凹部の容積率Vshとが、Vce<Vshの関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. トレッド部センター領域における前記凹部の容積率Vceと、トレッド部ショルダー領域における前記凹部の容積率Vshとが、1.10≦Vsh/Vceの関係を有する請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッド部センター領域における前記凹部の開口面積率Sceと、前記トレッド部ショルダー領域における前記凹部の開口面積率Sshとが、0.90≦Ssh/Sce≦1.10の関係を有する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 所定の領域における前記凹部の配置数と前記陸部の接地面積との比を前記凹部の配置密度として定義し、且つ、
    前記トレッド部センター領域における前記凹部の配置密度Dceと、前記トレッド部ショルダー領域における前記凹部の配置密度Dshとが、0.90≦Dsh/Dce≦1.10の関係を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. トレッド部の全域に配置された前記凹部の開口面積の最大値A_maxと最小値A_minとが、1.00≦A_max/A_min≦1.10の関係を有する請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記陸部が、相互に異なる深さを有することにより相互に異なる容積を有する複数種類の前記凹部を備え、且つ、
    前記トレッド部センター領域における前記凹部の深さの平均値Hdceと、前記トレッド部ショルダー領域における前記凹部の深さの平均値Hdshとが、Hdce<Hdshの関係を有する請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記トレッド部センター領域における前記凹部の深さの平均値Hdceと、前記トレッド部ショルダー領域における前記凹部の深さの平均値Hdshとが、1.10≦Hdsh/Hdceの関係を有する請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記陸部が、複数の細浅溝を備え、
    前記トレッド部センター領域に配置された前記凹部の70[%]以上が、前記細浅溝の溝深さに対して50[%]以上150[%]以下の深さを有する請求項6または7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記トレッド部ショルダー領域に配置された前記凹部の70[%]以上が、前記トレッド部センター領域における前記凹部の深さの平均値Hdceよりも大きい深さを有する請求項6〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記陸部が、相互に異なる内壁面形状を有することにより相互に異なる容積を有する複数種類の前記凹部を備え、且つ、
    前記トレッド部ショルダー領域に配置された前記凹部の70[%]以上が、前記トレッド部センター領域における前記凹部の容積の平均値よりも大きい容積を有する請求項1〜9のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  11. トレッド部の全域に配置された前記凹部の70[%]以上が、柱形状あるいは前記凹部の底部側を窄めた柱形状の内壁面形状を有すると共に、−85[deg]≦α≦95[deg]の範囲にある壁角度αを有する請求項1〜10のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記凹部の深さが、0.10[mm]以上2.0[mm]未満の範囲にある請求項1〜11のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  13. 1つの連続した接地面の全域における前記凹部の配置密度Daが、0.8[個/cm^2]≦Da≦4.0[個/cm^2]の範囲にある請求項1〜12のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  14. 4本以上の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る5列以上の前記陸部とを備え、且つ、
    タイヤ幅方向の最も外側にある左右の前記周方向主溝を最外周方向主溝と定義し、
    前記左右の最外周方向主溝とタイヤ赤道面との距離が、タイヤ接地幅の28[%]以上38[%]以下の範囲にあり、且つ、
    タイヤ赤道面上にある前記陸部あるいはタイヤ赤道面上にある前記周方向主溝に区画された前記陸部における前記凹部の容積率V1と、前記最外周方向主溝に区画されたタイヤ幅方向内側の前記陸部における前記凹部の容積率V2と、前記最外周方向主溝に区画されたタイヤ幅方向外側の前記陸部における前記凹部の容積率V3とが、V1<V2かつV3<V2の関係を有する請求項1〜13のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  15. 4本以上の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る5列以上の前記陸部とを備え、且つ、
    タイヤ幅方向の最も外側にある左右の前記周方向主溝を最外周方向主溝と定義し、
    前記左右の最外周方向主溝とタイヤ赤道面との距離が、タイヤ接地幅の28[%]以上38[%]以下の範囲にあり、且つ、
    タイヤ赤道面上にある前記陸部あるいはタイヤ赤道面上にある前記周方向主溝に区画された前記陸部における前記凹部の容積率V1と、前記最外周方向主溝に区画されたタイヤ幅方向外側の前記陸部における前記凹部の容積率V3とが、V1<V3の関係を有する請求項1〜14のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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