JP2017186492A - 炭素繊維強化・改質ポリプロピレン系樹脂の発泡成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、ポリプロピレン樹脂は、更にガラス繊維または炭素繊維を混合して熱可塑性複合材にする事に依り、機械的強度や耐熱性等の諸特性が改善され、一層高級な用途に使用されて来ている。特に、ガラス繊維が安価であるので、これで強化された複合材が大量に使用されている。一方、炭素繊維は高強度であるがあまりにも高価格であるために用途が限定されており、ABS樹脂との複合材として特殊用途に少量にしか使用されて来なかった。
近年、土木・建築、自動車産業、新幹線車両業、宇宙航空産業、リニヤーモーターカー等の先端産業分野、特に航空飛翔体(ドローン)に於いては、構成材料の機械的強度の改善による一層の軽量化・省エネルギー化をはじめ、耐食性、電気特性、耐熱性、放熱性等の一層の性能改善が求められている。
これらの先行発明により、カルボキシル基を含有する熱可塑性樹脂と炭素繊維とは、極めて密着性が良くて機械的強度が大幅に改善出来ることが実証された。しかしながら、耐衝撃強度の改善は不充分であった。その原因は、従来の押出装置では、炭素繊維チョップ(6mm長)とペット樹脂の加熱、混練物として製造されたペレットにおいて、その繊維長か約0.3mm長に激減したからであった。また一方、ぺっと樹脂は、その比重1.35がポリプロピレンの比重0.90に比べると約4割も大きく重いので、高強度ではあるが軽量化には必ずしも適しないことが指摘された。
本発明者らは、ポリプロピレンを不飽和有機酸などで改質し、高強度、軽量の炭素繊碓強化・改質ポリプロピレン樹脂を開発し、先に出願している。
現在急速に発展している産業用飛翔体(ドローン)の機体資材用として、発泡によりさらなる軽量で高強度の新素材が求められている。
本発明は、第1に(A)ポリプロピレン系樹脂100重量部、(B)ポリプロピレン系粉体樹脂1−2 0重量部、(C)有機不飽和酸化合物0.1〜3重量部、(D)有機過酸化物0.01〜0.50重量部、(E)展着剤0.01〜1重量部から成る組成物を、反応押出法によりポリプロピレンの融点以上の温度で反応させ、更にこの改質ポリプロピレンと炭素繊維チョップ(F)5−50重量部とを加熱溶融し、JIS−K7210法に準拠したMFR(230℃、荷重2.16Kg)を0.5〜10g/10分とした複合材(G)を、発泡剤(H)の存在下に加熱溶融させて成形することを特徴とする炭素繊維強化・改質ポリプロピレン樹脂の発泡成形体の製造方法を提供するものである。
[(A)成分のポリプロピレン系樹脂]
本発明における主原料としての(A)成分のポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン・ホモポリマー、ポリプロピレン・エチレンブロックコポリマー、ポリプロピレン・エチレンランダムコポリマー、ポリプロピレン・エチレンスーパーランダムコポリマーまたはそれらの回収された成形品の再循環物を使用する事ができる。強度の大きい炭素繊維強化複合材を望む場合は、ポリプロピレン・ホモポリマーを選択する。耐衝撃強度の大きい炭素繊維強化複合材を望む場合は、ポリプロピレン・エチレンブロックコポリマーを選択する。本発明においては、D成分の有機過酸化物の触媒作用により、分子切断による分子量低下が起るので、主原料としては分子量が大きくMIの小さいグレードを選択することが好ましい。即ち、JIS−K7210法に準拠したMI(230℃、荷重2.16Kg)が0.5〜10g/10分であることが好ましい。中空成形グレードが好ましい、主原料につき、その配合量は、100重量部とする。
(B)成分は、微量の(C)成分の有機不飽和酸化合物0.1〜3重量部および(D)成分の有機過酸化物0.01〜0.50重量部を均一分散させる助材としての役割を持つ。ポリプロピレン・ホモポリマー、ポリプロピレン・エチレンブロックコポリマー、ポリプロピレン・エチレンランダムコポリマー、ポリプロピレン・エチレンスーパーランダムコポリマーまたはそれらの回収された成形品の再循環物を粉体状態で使用する事ができる。MIも、0.5〜10g/10分であることが好ましい。助材につき、その配合量は、1−2 0重量部とする。
(C)成分は、無水マレイン酸およびその誘導体を使用できるが、無水マレイン酸であることが好ましい。その役割は、(D)成分の有機過酸化物がポリプロピレンを攻撃して分子鎖にラジカルを発生させた時に反応して、ポリプロピレンにカルボキシル基を賦与して止まり、本来無極性のポリプロピレンを改質ことにある。その配合量は、0.1〜3重量部であり、0.2〜1重量部が好ましい。0.1重量部以下では、ポリプロピレン系樹脂の改質効果が不充分である。3重量部を越えると反応押出時に未反応物が残留すると共に揮発して人体への障害を引き起こす恐れがあるからである。
(D)成分の有機過酸化物は、樹脂のメルトフロー改質剤、マレイン化剤およびグラフト化剤として多種類の物、例えば日油(株)のパーヘキサ・シリーズ(HC、C、22、25Bなど)、パーブチル・シリーズ(C、D、Pなど)、パークミル・シリーズ(Dなど)が使用できる。また、有機過酸化物の保管安全対策のために、効力が40%のマスターバッチをより好適に使用することができる。市販品のジクミルジパーオキサイト(Aldrich製)を好適に使用することができる。配合量は、0.01〜0.50重量部である。0.01重量部以下では、ポリプロピレン系樹脂の改質効果が不充分である。0.50重量部以上では、ポリプロピレン系樹脂の低分子量化が過剰に進行してしまう。
(E)成分の展着剤の役割は、微量の(C)成分の有機不飽和酸化合物の微粉0.1〜3重量部および(D)成分の有機過酸化物の微粉0.01〜0.50重量部を(B)成分のポリプロピレン系粉体樹脂の表面に均一付着させる役割を持つ。流動パラフィンが好適である。パラフィンオイル、石油ワックスなども使用できる。配合量は、0.01〜1重量部である。
本発明における(F)成分の炭素繊維は、高強度の工業製品を使用する事が好ましい。最優先候補としては、米国ZOLTEK社のラージトウ(Large Tow: フィラメント数50,000本/束)を高速焼成して量産できる安価な炭素繊維チョップ(米国・ZOLTEK社のLT‐レーヨン系炭素繊維「Panex35」6mm長)が特に好ましい。第2優先としては、東レ(株)の航空機機体用の高性能PAN系炭素繊維「トレカ」T500、T600、T700シリーズも使用できる。また、産業用途のカットファイバーのT008シリーズ、T010シリーズ、TS12−006(カット長 3−12mm)も原料として使用できる。しかしながら、このPAN系炭素繊維(Regular Tow: フィラメント数12,000−24,000本/束)は高性能ではあるが高価すぎるので、その製造法に依り将来のコストダウンが困難である。一方、「トレカ」ミルドファイバーのMLDシリーズ(繊維長 30−150μm)なども原料として使用できるが、複合材の強度は小さい。他方、一般的にこれらの炭素繊維工業製品は、カルボキシル基の含有量が比較的多く存在する。
第3優先として、(株)クレハおよび大阪ガスケミカル(株)のピッチ系炭素繊維の工業製品も使用することが出来る。これらは比較的に官能基の含有量が多いが、強度がかなり小さい。成形品の強度に等方性の利点を持つので、精密成形分野では、好ましく使用できる。
代表的な工業製品の炭素繊維の仕様を、ガラス繊維と比較して表1に示した。炭素繊維は、大量生産でコストダウン出来れば、安価なガラス繊維に比べても軽量化、高強度、リサイクル性の長所が大いに発揮出来るものと想定できる。
発泡剤(H)は、マイクロカプセル(MC)、化学発泡剤またはそれを包含するマスターバッチ、または炭酸ガス(超臨界ガスを含む)を使用する事ができる。
マイクロカプセルは、徳山積水工業(株)のアドバンセルシリーズ(例えば、P501E2など)を使用する事ができる。また、松本油脂製薬(株)のマツモトマイクロスフェアー:F、FNシリーズ(例えば、F−190Dなど)を使用する事ができる。
本発明の増粘剤は、結合剤(A剤)と結合反応触媒(B剤)とから成る、A剤の結合剤は、重量平均分子量が1,000〜300,000であることが好ましく、該分子内に2〜100個のエポキシ基を含有する高分子型多官能エポキシ化合物を単独または2種類以上の混合体として使用することができる。高分子量の骨格を形成する樹脂にエポキシ環を含むグリシジル基をペンダント状に吊下げたものや分子内にエポキシ基を含むものの市販品、例えば、日油(株)の「マープルーフ」シリーズ、BASFジャパン(株)の「ジョンクリルADR」シリーズを使用することができる。
多官能エポキシ化合物の配合量は、(A)成分のポリエステル100重量部に対して0.1〜5重量部である。それは、((B)成分の増粘効果のある炭素繊維の種類と添加量に依っても大幅に異なる。一般的には、0.1重量部未満では分子量と溶融粘度の増加効果が不充分のため、成形加工性も不充分で成形品の基本物性や機械的特性が劣ることになる。2重量部を越えると逆に成形加工性が悪化し、樹脂の黄変・着色とゲルやフィッシュアイ(FE)が副生したりする。
B剤の結合反応触媒は、(1)アルカリ金属の有機酸塩、炭酸塩および炭酸水素塩、(2)アルカリ土類金属の有機酸塩、炭酸塩および炭酸水素塩からなる群から選ばれた少なくとも一種類以上を含有する触媒である。有機酸塩としては、カルボン酸塩、酢酸塩等が使用できるが、カルボン酸塩の中で特にステアリン酸塩が好ましい。カルボン酸の金属塩を形成する金属としては、リチウム、ナトリウムおよびカリウムのようなアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムのようなアルカリ土類金属を使用できる。
この結合反応触媒としてのカルボン酸塩の配合量は(A)成分のポリプロピレン100重量部に対して0.01〜1重量部である。特に、0.1〜0.5重量部であることが好ましい。0.01重量部未満では触媒効果が小さく、共重合反応が未達となって分子量が充分増大しないことがある。1重量部を超えると局部反応によるゲル生成や加水分解の促進による溶融粘度の急上昇による押出成形機内のトラブルなどを惹起させる。
(1)メルトインデックス(MI)の測定法
JIS K7210(ISO1133、ASTM D1238)の条件に従い、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定した。但し、樹脂は予め80℃×2時間、熱風乾燥または真空乾燥したものを使用した。または、メーカーのカタログ値を採用した。
(2)比重の測定法
JIS K7112のA法(水中置換法)に従い、樹脂ペレットまたは成形体の小片についてメタノールを液体として測定した。または、JIS K7222の寸法測定法でも測定した。
(3)ペレットの機械的強度の測定法
▲1▼試作ペレットが1Kg以下の少量の場合は小型試験片を作成して実施した。
例えば、住友重機械工業(株)製の射出成形機SE18DUZ(型締め圧18トン、スクリュー径16mm)を使用し、成形温度270℃、金型温度35℃、冷却時間15−20秒の条件で成形した。
試験片の形状: 引張試験片 JIS K7162 5A型(厚み2mm)
曲げ試験片 短冊型 80mm×10mm(厚み4mm)
▲2▼試作ペレットが多量の場合(3Kg以上)は多目的試験片を作成して実施した。
試験片の形状:ISO20753、JIS K7139 A1型
全長さ120mm、厚み4mm、チャック部幅20mm、くびれ部幅1 0mm、同その長さ80mm(Zランナー方式)
引張試験:引張強度は、試験速度2mm/分にて実施し、3−5点の平均値で評価した。ヤング率は、最大荷重の25%と75%の直線回帰により算出した(JIS K7073ほか)。
曲げ試験:曲げ強度は、3点曲げを試験速度5mm/分にて実施し、3−5点の平均値で評価した。
曲げ弾性率は、最大荷重の25%と75%の直線回帰により算出した(JIS K7074ほか)。
(4)射出成形体の機械的強度の測定法
ペレットの射出成形体の機械的強度の測定法に準じて、成形体の各箇所を切抜いて実施した。
(5)発泡体の物性の測定法
発泡成形体から幅10mmに切出して測定した。
[製造例1]改質PPのP1; A成分としてポリプロピレン・ホモポリマーのペレット(中空グレード、MI 0.5:曲げ弾性率1.8GPa、シャルピー衝撃強度9.0KJ/m2)100重量部、B成分としてポリプロピレン・粉体(サンアロマー(株)製、MI 0.3)20重量部、C成分として無水マレイン酸(試薬1級)1重量部、D成分としてジクミルパーオキサイド(ALDLICH社製)0.100重量部、E成分として流動パラフィン0.2重量部を使用した。
まず、ポリプロピレン・粉体Bをタンブラーに投入し、ついで流動パラフィンEを追加して5分間攪拌してから微粉砕したジクミルパーオキサイドDを入れて更に5分間攪拌した。次いで、やはり微粉砕した無水マレイン酸Cを入れて更に5分間攪拌した。最後に、ポリプロピレン・ホモポリマーのペレットAを投入し、10分間攪拌することにより、均一混合した。
東芝機械(株)製の単軸押出機(口径65mm、L/D30、改造・1ベント式、改造・圧縮式スクリュー)を使用し、この押出機の7ブロックから成るシリンダーとダイスの設定温度を170−280℃とした前記のA、B、C、DおよびE成分の混合組成物を原料供給ホッパーに投入し、容量式計量フィーダーで計量しながら押出して反応押出を行うことにより、改質ポリプロピレン樹脂P1の製造を実施した。樹脂温度244℃、樹脂圧力10MPaであった。
ストランドを口径3mmの斜め下方向のノズルから水中に連続的に押出し、回転カッターで切断して半透明白色樹脂ペレットP1約20Kgを製造した。金型出口から水盤中へのストランドは弓なり状であり溶融張力が非常に低下していた。そのペレット形状は、円柱状で直径約2.5mm×長さ約3mmであった。
製造例1と同様条件にて改質ポリプロピレン樹脂P4の製造を実施した。樹脂温度238℃、樹脂圧力16MPaであった。ストランドを口径3mmの斜め下方向のノズルから水中に連続的に押出し、回転カッタ−で切断して半透明白色樹脂ペレットP4約20Kgを製造した。金型出口から水盤中へのストランドはやや弓なり状であり溶融張力がかなり低下したが、水冷されたストランドは未改質のポリプロピレンとは異なり、無水マレイン酸の倍増添加に依り保水性が著しく改善された。そのペレット形状は、円柱状で直径約2.5mm×長さ約3mmであった。
この旧来法では、炭素繊維チョップ(6mm長)を使用しても、残存繊維長が0.3mmの短繊維ペレットしか製造できない。
[製造例5−8]短繊維ペレットNZP1−4; 日立造船(株)製の同方向2軸押出機(口径35mm、L/D30:サイドフィーダー付きに改造)を使用し、この押出機の8ブロックから成るシリンダ−とダイスの設定温度を150−260℃およびスクリュー回転数150rpmとした。
容量式計量フィーダーを使用し、第1ホッパーから改質ポリプロピレン系樹脂ペレットP1−P4をそれぞれのケースで押出し、また第2ホッパーからZOLTEK炭素繊維チョップを炭素繊維の含有量が30%になる速度で連続的にサイドフィードした。
ストランドを口径3mmの斜め下方向のノズルから水中に連続的に押出し、回転カッタ−で切断して黒色樹脂ペレットをそれぞれのケース約5Kgを製造した。金型出口から水盤中へのストランドはほぼ直線状であり溶融張力が増加していた。その形状は、円柱状で直径約3.4mm×長さ約6mmであった。また、短繊維ペレットNZP1−4のMFR(230℃、荷重2.16Kg)は、1.1−4.8g/10分であった。いずれも、押出成形に適している。
[射出成形片の成形例]この炭素繊維強化・改質ペット樹脂の黒色ペレットNZP1−4を80℃2時間熱風乾燥し、日精樹脂工業(株)製のハイブリッド式射出成形機FNZ140(型締め圧140トン、スクリュー径40mm)を使用し、成形温度230℃、金型温度67−68℃、射出圧力30−40MPa、射出速度160mm/s、スクリュー回転数80rpmおよび冷却時間15秒の条件にて、下記の射出成形体を成形した。
多目的試験片の形状:ISO 7139、JIS K7139 A1型
全長さ120mm、厚み4mm、チャック部の幅20mm、くびれ部の幅10mm、
同その長さ80mm(Zランナー方式)
本製造例4件は、ZOLTEK30%のサイド・フィード方式であり、射出成形片は炭素繊維が整列しやすいため、機械的強度が比較的大きく観測された。
製造例5のNZP1は、更に高い最高の機械的強度値を実証した。即ち、NZP1の引張強度94MPaは、比較例3のブレンドの2.4倍、比較例2のポリプロピレン・ホモポリマーの3.1倍である。また、曲げ弾性率15.8GPaは、比較例2のブレンドの1.1倍、比較例1のポリプロピレン・ホモポリマーの13.2倍である。また、その他のNZP2、NZP3およびNZP4も、比較例2のブレンドと比較例1のポリプロピレン・ホモポリマーに比べて優れた物性を示した
製造例6に準じて、ZOLTEK炭素繊維(30%)強化・改質ポリプロピレン樹脂の黒色ペレットNZP5(MFR 1.5g/10分: 260℃、荷重2.16Kg)約50Kgを製造した。
ZOLTEK炭素繊維(30%)強化・改質ポリプロピレン樹脂ペレットNZP5の100重量部、増粘剤マスターバッチ(エフテックス製5010E)ゼロまたは10重量部、マイクロカプセル発泡剤マスターバッチ(徳山積水化学製)8または12重量部を事前に混合し、ホッパーに投入し、発泡体の製造をした
(株)テクノベル製の2軸押出機(口径15mm、L/D30)に、原料供給機、異形金型、樹脂圧力測定センサー、空冷機、ステンレス製滑行板、水盤、引取り機を設置した。上記の配合物を、スクリュー温度180−250℃、回転数1150rpm、金型温度230−250℃において、ペレット等の配合物の供給速度1−2Kg/h、引取り速度1−2m/分にて水平方向に押出した。樹脂の溶融粘性、流動性および引け等を考慮して、異形金型は、矩形形(巾25mm: 中央部間隙2.5mm、両端部間隙1.5mm)を、また発泡板用には鼓形(巾25mm: 中央部間隙3.0mm、両端部R付き)を使用した。試験結果を表3にまとめて示した。
この水平式押出法による異形成形においては、樹脂圧力が高くなるほどに成形体の製造が安定し、また成形体が異形金型の巾(25mm)および間隙(3.0mm)に近づくほど、発泡成形が成功に近づく。本発明では、発泡倍率として1.5−2倍程度を企画した天然木材や合成木材の巨大市場の用途を想定している。
比較例3−S1の細平板の製造では、原料NZP5の樹脂圧力が0.1MPaであり、樹脂の溶融張力も低くて細平板の左右と上下にネックインが生じ、成形体が細くて薄くなった。比較例3−S2の細板製造では、増粘剤7.5部を添加したら巾と厚みが夫々大きくなり、かなり改善された。そこで、本例1−MC1〜本例1−MC4の発泡板製造では、増粘剤MBを10に増加して発泡試験を実施した。MC発泡剤による発泡板は、その巾(25mm)が異形金型の巾(25mm)と同一であり、ネックインがなくて成形加工が順調であった。一方、厚みが金型の厚み(3mm)よりもやや薄くなったが、吐出発泡体の冷却条件に依る。寸法調整用の雌型金型の設置で改善できる。で
本発明は、更に土木・建築資材の用途を対象とする。また、電波吸収性、導電性、耐熱性、放熱性等の一層の性能改善ができるので、この機能性材料分野の利用可能性も大きい。
Claims (3)
- (A)ポリプロピレン系樹脂100重量部、(B)ポリプロピレン系粉体樹脂1−2 0重量部、(C)有機不飽和酸化合物0.1〜3重量部、(D)有機過酸化物0.01〜0.50重量部、(E)展着剤0.01〜1重量部から成る組成物を、反応押出法によりポリプロピレンの融点以上の温度で反応させ、更にこの改質ポリプロピレンと炭素繊維チョップ(F)5−50重量部とを加熱溶融し、JIS−K7210法に準拠したMFR(230℃、荷重2.16Kg)を0.5〜10g/10分とした複合材(G)を、発泡剤(H)の存在下に加熱溶融させて成形することを特徴とする炭素繊維強化・改質ポリプロピレン樹脂の発泡成形体の製造方法。
- 前記の発泡剤(H)が、マイクロカプセル、化学発泡剤またはそれを包含するマスターバッチ、または炭酸ガスを含有することを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化・改質ポリプロピレン樹脂の発泡成形体の製造方法。
- 前記の複合材(G)に、エポキシ系結合剤および有機金属系触媒からなる増粘剤(I)を加えて発泡剤(H)の存在下に加熱溶融させて成形することを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化・改質ポリプロピレン樹脂の発泡成形体の製造方法。
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