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JP2017178787A - 乳化化粧料及びシート化粧料 - Google Patents

乳化化粧料及びシート化粧料 Download PDF

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JP2017178787A JP2016063073A JP2016063073A JP2017178787A JP 2017178787 A JP2017178787 A JP 2017178787A JP 2016063073 A JP2016063073 A JP 2016063073A JP 2016063073 A JP2016063073 A JP 2016063073A JP 2017178787 A JP2017178787 A JP 2017178787A
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【課題】パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、及びエタノールを含有していない組成であっても、高い防腐性を有する乳化化粧料、及び該乳化化粧料を含むシート化粧料を提供すること。【解決手段】下記の成分Aと成分Bと成分Cと成分Dと成分Eと成分Fとを含有し、前記成分Dの含有量が0.10〜1.0質量%、前記成分Eの含有量が4.0〜20.0質量%であり、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール及びエタノールを実質的に含有していない、乳化化粧料、及び該乳化化粧料を含むシート化粧料。成分A:リン脂質成分B:炭素数12〜22の高級アルコール成分C:炭化水素油及び/又はエステル油成分D:1,2−オクタンジオール、並びに、1,2−デカンジオール及び/又はグリセリンモノ2−エチルへキシルエーテル成分E:1,3−ブチレングリコール及び/又はジプロピレングリコール成分F:水【選択図】なし

Description

本発明は、乳化化粧料及び該乳化化粧料を含むシート化粧料に関する。
保湿化粧料などの化粧品には、開封後の雑菌混入による品質低下を防ぎ、長期間安全かつ快適に使用するために、十分な防腐性が求められる。一般的には、パラオキシ安息香酸エステル(パラベン)やフェノキシエタノールなどの防腐剤が汎用されている。しかし、安全性や刺激性の観点から、パラオキシ安息香酸エステルやフェノキシエタノールは低減することが求められている(特許文献1、2参照)。
エタノールにより防腐性を高めることも可能であるが、刺激をより一層低減し、刺激に敏感な使用者にも快適に使用されるためには、エタノールも低減することが望ましい。中でも、粘度の比較的高い乳化化粧料は使用時に皮膚に存在する時間が長く、さらに顔用のシート化粧料(所謂シートマスク等)では化粧料を閉塞状態で使用することから、刺激低減の要求はより一層大きい。
一方、保湿化粧料として、皮膚に対する安全性が高く、化粧料に良好な保湿感を付与するリン脂質を用いた乳化化粧料が広く用いられているが、このようなリン脂質で乳化した乳化化粧料は防腐剤による効果が効きにくいことが知られている(特許文献3参照)。このような課題に対して、特許文献3では、リン脂質とPEG−1ラウリルグリコール等の特定の成分とを組み合わせ、防腐力が向上した組成物が提案されている。
特開2004−182640号公報 特開2007−1947号公報 特開2013−10737号公報
しかしながら、特許文献3に記載の組成物であっても、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、及びエタノールのいずれも含有しない場合には、防腐性が不十分となる傾向があった。このため、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、及びエタノールを含有していない組成であって、高い防腐性を有する乳化化粧料が求められているのが現状である。
本発明の課題は、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、及びエタノールを含有していない組成であっても、高い防腐性を有する乳化化粧料、及び該乳化化粧料を含むシート化粧料を提供することにある。
本件発明者は鋭意検討した結果、リン脂質を用いた乳化化粧料において、1,2−オクタンジオールを含む特定のジオールを組み合わせて用いることにより、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、及びエタノールを含有していない組成であっても、高い防腐性を有する乳化化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、
〔1〕 下記成分Aと、下記成分Bと、下記成分Cと、下記成分Dと、下記成分Eと、下記成分Fとを含有し、
前記成分Dの含有量が0.10〜1.0質量%、前記成分Eの含有量が4.0〜20.0質量%であり、
パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール及びエタノールを実質的に含有していない、乳化化粧料、
成分A:リン脂質
成分B:炭素数12〜22の高級アルコール
成分C:炭化水素油及び/又はエステル油
成分D:1,2−オクタンジオール、並びに、1,2−デカンジオール及び/又はグリセリンモノ2−エチルへキシルエーテル
成分E:1,3−ブチレングリコール及び/又はジプロピレングリコール
成分F:水
並びに
〔2〕 シート基材と、上記シート基材に含浸させた前記〔1〕記載の乳化化粧料とを含む、シート化粧料
に関する。
本発明の乳化化粧料は、上記構成を有することにより、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、及びエタノールを含有していない組成であっても、高い防腐性を有する。このため、刺激に敏感な使用者向けの化粧料や、低刺激性に対する要求が大きいシート化粧料にも好適に用いることができる。
本発明の乳化化粧料は、リン脂質と;炭素数12〜22の高級アルコールと;炭化水素油及び/又はエステル油と;1,2−オクタンジオール、並びに、1,2−デカンジオール及び/又はグリセリンモノ2−エチルへキシルエーテルと;1,3−ブチレングリコール及び/又はジプロピレングリコールと;水とを必須の構成成分として含有する。本発明の乳化化粧料は、さらに、増粘剤を含有することが好ましい。なお、本明細書においては、上記「リン脂質」を「成分A」;上記「炭素数12〜22の高級アルコール」を「成分B」;上記「炭化水素油及び/又はエステル油」を「成分C」;上記「1,2−オクタンジオール、並びに、1,2−デカンジオール及び/又はグリセリンモノ2−エチルへキシルエーテル」を「成分D」;上記「1,3−ブチレングリコール及び/又はジプロピレングリコール」を「成分E」;上記「水」を「成分F」;上記「増粘剤」を「成分G」と称する場合がある。本発明の乳化化粧料は、上記成分A〜G以外の成分(その他の成分)を含有してもよい。成分A〜Gやその他の成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明の乳化化粧料は、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール及びエタノールを実質的に含有しない。これにより、乳化化粧料の使用時の刺激を極めて低くすることができる。
パラオキシ安息香酸エステルとしては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、ベンジルパラベンなどが挙げられる。パラオキシ安息香酸エステルには、ナトリウム塩などの、塩の形である場合も含むものとする。
「パラオキシ安息香酸エステルを実質的に含有しない」とは、パラオキシ安息香酸エステルを全く含有しないか、微量に含まれていたとしても、本発明の乳化化粧料100質量%中の、パラオキシ安息香酸エステルの含有量が、0.05質量%以下であることを意味し、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.005質量%以下である。特に、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、及びベンジルパラベンの含有量の合計量が上記範囲を満たすことが好ましい。
「フェノキシエタノールを実質的に含有しない」とは、フェノキシエタノールを全く含有しないか、微量に含まれていたとしても、本発明の乳化化粧料100質量%中の、フェノキシエタノールの含有量が、0.05質量%以下であることを意味し、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.005質量%以下である。
「エタノールを実質的に含有しない」とは、エタノールを全く含有しないか、微量に含まれていたとしても、本発明の乳化化粧料100質量%中の、エタノールの含有量が、1.0質量%以下であることを意味し、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。
即ち、本発明の乳化化粧料100質量%中の、パラオキシ安息香酸エステルの含有量は、0〜0.05質量%であり、好ましくは0〜0.01質量%、より好ましくは0〜0.005質量%である。本発明の乳化化粧料100質量%中の、フェノキシエタノールの含有量は、0〜0.05質量%であり、好ましくは0〜0.01質量%、より好ましくは0〜0.005質量%である。本発明の乳化化粧料100質量%中の、エタノールの含有量は、0〜1.0質量%であり、好ましくは0〜0.5質量%、より好ましくは0〜0.1質量%である。
成分Aはリン脂質である。成分Aは、乳化剤として機能する。また、成分Aは細胞間脂質と類似の構造を有するため、成分Aを乳化剤として用いることにより、乳化化粧料の、肌へのなじみ、スキンケア効果(保湿力)が向上するため好ましい。一方、リン脂質で乳化した乳化化粧料は、防腐剤による効果が効きにくい。しかしながら、本発明では、成分D及び成分Eを併用することにより、リン脂質の特性を損なうことなく、かつ防腐力の高い乳化化粧料を実現している。なお、リン脂質は、リポソームを形成することが知られているが、本発明では、前記の如く、成分Aを乳化剤として配合しており、本発明の乳化化粧料中で、成分Aはリポソームを形成していない。上記成分Aは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記成分Aとしては、天然リン脂質、合成リン脂質、天然由来のリン脂質の不飽和炭素鎖を水素により飽和とした水素添加リン脂質などが挙げられる。具体的には、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチン、大豆レシチンなどの天然リン脂質;ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイル・オレオイルホスファチジルコリンなどの合成リン脂質;水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチン、水素添加ホスファチジルコリン、水素添加ホスファチジルセリンなどの水素添加リン脂質などを例示することができる。中でも、保存安定性に優れる観点から、水素添加リン脂質が好ましく、水素添加大豆レシチンがより好ましい。
なお、上記リン脂質は、市販品を用いることもできる。水素添加大豆レシチンの市販品としては、例えば、COATSOME NC−21,NC−61(商品名、いずれも日油社製);NIKKOL レシノールS−10,レシノールS−10EX,レシノールS−10E,レシノールS−10M(商品名、いずれも日光ケミカルズ社製);ベイシス LS−60HR(商品名、日清オイリオグループ社製)などが挙げられる。
本発明の乳化化粧料100質量%中の、成分Aの含有量は、乳化安定性及び保存安定性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以下である。上記含有量は、乳化化粧料中に含まれる全ての成分Aの含有量の合計量である。
成分Bは高級アルコールである。成分Bは、乳化系を形成する油性成分である。また、使用感の向上に寄与し、塗布初期に重みの感じられる塗布触感、いわゆる「コクのある塗布触感」を付与する。上記成分Bは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記高級アルコールの炭素数は、保存安定性及び塗布触感の観点から、12以上、好ましくは16以上であり、22以下である。上記高級アルコールは市販品として容易に入手することができる。
上記高級アルコールの具体例としては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、べへニルアルコールなどが挙げられる。中でも、コクのある塗布触感の観点から、べへニルアルコールが好ましい。
本発明の乳化化粧料100質量%中の、成分Bの含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上であり、保存安定性及び使用感の観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下である。上記含有量は、乳化化粧料中に含まれる全ての成分Bの含有量の合計量である。
成分Cは炭化水素油及び/又はエステル油、即ち、炭化水素油及びエステル油のうちのいずれか一方又は両方である。成分Cは、乳化系を形成する油性成分である。両者はそれぞれ使用感に特徴があり、炭化水素油はエモリエント感及び被膜感(即ち、剤による膜が肌を覆う感触)を付与する。また、エステル油は肌なじみがよくべたつきが少ない。上記成分Cは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記炭化水素油としては、例えば、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、ワセリンなどが挙げられる。中でも、乳化安定性の観点から、流動パラフィンが好ましい。
上記エステル油としては、脂肪酸エステル油が挙げられ、例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸プロピレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、セバシン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシルなどが挙げられる。中でも、不快なべたつき感がなく肌なじみの良い使用感の観点から、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルが好ましい。
本発明の乳化化粧料100質量%中の、成分Cの含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、さらに好ましくは5.0質量%以上であり、べたつきをより一層低減する観点から、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは12.0質量%以下、さらに好ましくは10.0質量%以下である。上記含有量は、乳化化粧料中に含まれる全ての成分Cの含有量の合計量である。即ち、本発明の乳化化粧料中に、炭化水素油とエステル油の両方が併用されている場合は、両者の合計量である。
成分Dは、1,2−オクタンジオール、並びに、1,2−デカンジオール及び/又はグリセリンモノ2−エチルへキシルエーテルである。即ち、成分Dは、1,2−オクタンジオールを必須成分として含み、尚且つ、1,2−デカンジオール及びグリセリンモノ2−エチルへキシルエーテルのうちのいずれか一方又は両方を含む。本明細書では、上記「1,2−オクタンジオール」を「成分D1」と称する場合があり、上記「1,2−デカンジオール及び/又はグリセリンモノ2−エチルへキシルエーテル」を「成分D2」と称する場合がある。成分D1と成分D2とを併用することにより、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、及びエタノールを含有していない組成であっても、防腐性が向上する。中でも、防腐力がより一層高まる観点から、成分D2が1,2−デカンジオール及びグリセリンモノ2−エチルへキシルエーテルの併用であることが好ましく、即ち、成分Dは、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、及びグリセリンモノ2−エチルへキシルエーテルの3種併用であることが好ましい。
上記成分D100質量%中の、上記成分D1の含有量は、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%、さらに好ましくは35〜60質量%である。
本発明の乳化化粧料100質量%中の、成分Dの含有量は、0.10質量%以上、好ましくは0.20質量%以上であり、刺激低減の観点から、1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下である。上記含有量は、乳化化粧料中に含まれる全ての成分Dの含有量の合計量である。
成分Eは、1,3−ブチレングリコール及び/又はジプロピレングリコール、即ち、1,3−ブチレングリコール及びジプロピレングリコールのうちのいずれか一方又は両方である。成分Eは保湿効果を有するとともに、成分Dと併用することにより、成分Dの防腐効果を相乗的に向上させ、乳化化粧料に極めて高い防腐効果を付与する。成分Dは、防腐効果向上の観点から、1,3−ブチレングリコールを含むことが好ましく、より好ましくは1,3−ブチレングリコールのみである。
本発明の乳化化粧料100質量%中の、成分Eの含有量は、4.0質量%以上、好ましくは5.0質量%以上であり、べたつきを低減し、使用感をより一層向上する観点から、20.0質量%以下、より好ましくは15.0質量%以下である。上記含有量は、乳化化粧料中に含まれる全ての成分Eの含有量の合計量である。即ち、本発明の乳化化粧料中に、1,3−ブチレングリコールとジプロピレングリコールの両方が併用されている場合は、両者の合計量である。
成分Fの水は、特に限定されないが、精製水が好ましい。本発明の乳化化粧料100質量%中の、成分Fの含有量は、みずみずしい感触及び乳化安定性の観点から、好ましくは50.0質量%以上、より好ましくは60.0質量%以上、さらに好ましくは70.0質量%以上であり、好ましくは90.0質量%以下、より好ましくは85.0質量%以下である。
成分Gは増粘剤であり、例えば、陰イオン性増粘剤、酸性多糖増粘剤、非イオン性多糖増粘剤などが挙げられる。成分Gは、乳化化粧料の使用感を調整し、さらに乳化安定性を向上する効果を有する。また、一般的に、増粘剤により増粘させた乳化化粧料は肌への付着性が高いため、刺激を与えやすい。これに対して、本発明の乳化化粧料は低刺激性に優れるため、増粘剤により増粘させた乳化化粧料としても好ましく用いることができる。上記成分Gは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記陰イオン性増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、アクリル酸アルキルコポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス−20)クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス−25)コポリマー、(アクリレーツ/ネオデカン酸ビニル)クロスポリマーなどが挙げられる。中でも、乳化化粧料の伸びのよさと肌なじみがより一層向上する観点から、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーが好ましい。
カルボキシビニルポリマーとは主としてアクリル酸の重合体であり、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとは主としてアクリル酸とメタクリル酸アルキル(例えばC10〜C30)の共重合体である。
カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーは市販品として容易に入手することができる。カルボキシビニルポリマーの好ましい市販品としては、例えば、カーボポール934、カーボポール940、カーボポール941、カーボポール981、カーボポール1342、カーボポール2984、カーボポールUltrez 10、カーボポールETD 2050(商品名、いずれも日本ルーブリゾール株式会社);CARBOPOL 980 POLYMER(商品名、Lubrizol Advanced Materials社製);AQUPEC HV−501、AQUPEC HV−504、AQUPEC HV−505、AQUPEC HV−801EG−300(商品名、いずれも住友精化株式会社製);ハイビスワコー104、ハイビスワコー105(商品名、和光純薬工業株式会社)などが挙げられる。アルキル変性カルボキシビニルポリマーの好ましい市販品としては、例えば、PEMULEN TR−1、PEMULEN TR−2、カーボポールETD 2020、カーボポールULTREZ 20(商品名、いずれも日本ルーブリゾール株式会社)などが挙げられる。
上記酸性多糖増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、寒天、カラヤガム、ガッティガム、アラビアガムなどが挙げられる。中でも、コクのある塗布触感が得られる観点から、キサンタンガムが好ましい。
上記非イオン性多糖増粘剤としては、例えば、デキストラン、プルラン、アラビノガラクタン、グァーガム、ヒドロキシプロピルグァーガム、タラガム、ローカストビーンガム、スクレロチウムガム、タマリンド種子ガムなどが挙げられる。中でも、コクのある塗布触感が得られる観点から、グァーガム及びヒドロキシプロピルグァーガムが好ましい。
成分Gは、乳化化粧料の伸びのよさと肌なじみがより一層向上し、また、コクのある塗布触感が得られる観点から、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、及びキサンタンガムからなる群より選ばれた増粘剤(少なくとも1種の増粘剤)であることが好ましく、より好ましくはカルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーである。
本発明の乳化化粧料100質量%中の、成分Gの含有量は、乳化安定性、付着性、使用感などの観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であり、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下である。上記含有量は、乳化化粧料中に含まれる全ての成分Gの含有量の合計量である。
本発明の乳化化粧料は、さらに、乳化補助剤として、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が挙げられるが、本発明では、刺激低減の観点から、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
上記ノニオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、アルキルグルコシド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリンなどが挙げられる。
より具体的には、例えば、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリルなどのグリセリン脂肪酸エステル;モノカプリル酸ジグリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、モノカプリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ポリ(4〜10)グリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6〜10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸ポリ(10)グリセリルなどの上記したグリセリン脂肪酸エステルの重合度2〜10のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリルなどのグリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物;モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコールなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコール脂肪酸エステル;モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンイソセチルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられる。
本発明の乳化化粧料100質量%中の、界面活性剤の含有量は、乳化安定性の観点から、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以下である。中でも、ノニオン性界面活性剤の含有量が上記範囲を満たすことが好ましい。
本発明の乳化化粧料は、特に限定されないが、例えば、香料;シクロペンタシロキサン、ハイドロゲンジメチコン、カプリリルメチコン、ジメチコンなどのシリコーン油;メントール、メンチルグリセリルエーテル、カンファー、ペパーミント油などの冷感剤;グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ステアリルなどの抗炎症剤;シャクヤク、ボタンピ、ビワ、アロエなどの植物抽出エキス;トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤;アルブチン、アスコルビン酸などの美白剤;シリカ、タルク、ナイロンパウダーなどの粉体;クエン酸及びその塩、リン酸及びその塩、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなどのpH調整剤などを含んでもよい。
本発明の乳化化粧料は、常法により調製することができる。例えば、上記各成分を混合し、ホモミキサーで攪拌し、乳化する方法が挙げられる。
本発明の乳化化粧料は、優れた保湿力を得る観点などから、乳化組成物であり、特に、水中油型の乳化組成物であることが好ましい。本発明の乳化化粧料は、特に限定されないが、肌に潤いを与える、冬場の乾燥を防ぐ等を目的とする乳化保湿化粧料であることが好ましい。なお、本発明の乳化化粧料は、例えば、化粧品、医薬部外品、医薬品、雑貨のいずれであってもよい。
本発明の乳化化粧料の剤型としては、特に限定されないが、例えば、ジェル、クリーム、乳液などが挙げられる。中でも、乳液が好ましい。即ち、本発明の乳化化粧料は、好ましくは、乳液状の乳化化粧料である。
本発明の乳化化粧料を適用する部位としては、特に限定されず、例えば、顔(例えば、額、目元、目じり、頬、口元等)、腕、肘、手の甲、指先、足、膝、かかと、首、脇、背中などが挙げられる。中でも、低刺激性に優れる観点から、特に好ましくは顔である。即ち、本発明の乳化化粧料は、顔用の乳化化粧料であることが好ましい。
本発明の乳化化粧料は、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール及びエタノールは実質的に含有しておらず、低刺激性に極めて優れているため、刺激に敏感な使用者も快適に使用することができる。また、化粧料が閉塞状態で使用されるため刺激を与えやすく、低刺激性への要求が大きいシート化粧料へも好適に用いることができる。
従って、本発明では、さらに、シート基材に本発明の乳化化粧料を含浸させたシート化粧料(本発明のシート化粧料)を提供する。本発明のシート化粧料は、シート基材と、上記シート基材に含浸させた本発明の乳化化粧料とを少なくとも含む。本発明のシート化粧料は、上記シート基材及び本発明の乳化化粧料以外の構成成分を含んでいてもよい。
上記シート基材は、特に限定されず、本発明の乳化化粧料を含浸可能なシート状の支持体である。上記シート基材としては、紙、織布、及び不織布が好ましい。上記シート基材は、積層体(即ち、積層シート)であってもよく、例えば、織布の積層体、不織布の積層体、織布と不織布の積層体などであってもよい。上記シート基材は、使用感、加工のし易さ等の観点から、不織布を含むシート基材であることが好ましく、より好ましくは不織布である。上記不織布としては、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スティッチボンド不織布などが挙げられる。
上記織布や不織布を構成する繊維としては、特に限定されず、例えば、天然繊維、合成繊維、半天然繊維などが挙げられる。上記天然繊維としては、綿、パルプ、シルク、セルロース、麻、リンター、カポックなどが挙げられる。上記合成繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等)、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維(例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等)などが挙げられる。上記半天然繊維としては、レーヨン、アセテートなどが挙げられる。上記繊維は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。また、2種以上の上記繊維からなる混紡繊維を用いてもよい。
上記シート基材には、エンボス加工処理を施してもよい。上記エンボス加工処理としては、特に限定されず、例えば、裏面を押し上げて浮かす(したがって裏面は凹む)方式や、表面に特殊なインクを付着することで凸部を形成する(裏面は凹まない)方式などが挙げられる。
上記シート基材の目付は、特に限定されないが、密着性の観点から、20〜100g/mが好ましく、より好ましくは25〜80g/mである。
上記シート基材は、織布や不織布等の種類に応じて、公知慣用の製造方法により製造することができる。また、上記シート基材は市販品を用いることもできる。市販品としては、特に限定されないが、例えば、RH(商品名、ダイワボウポリテック株式会社製);AS(商品名、ダイワボウポリテック株式会社製);TCF(商品名、フタムラ化学株式会社製);コットエース(商品名、ユニチカ株式会社製);クラフレックス(商品名、株式会社クラレ製);ベンリーゼ(商品名、旭化成株式会社製);サンモア(商品名、三昭紙業株式会社製)などが挙げられる。
本発明のシート化粧料における、上記シート基材に対する含浸された本発明の乳化化粧料の質量割合は、特に限定されないが、シートの濡れ性及び密着性の観点から、上記シート基材1.0質量部に対して、3.0〜25.0質量部が好ましく、より好ましくは5.0〜20.0質量部である。
本発明のシート化粧料の形状はシート状である。シートの平面形状は、特に限定されないが、例えば、四角形(例えば、正方形、長方形等)、三角形等の多角形;円形、楕円形、半円形;三日月形;樽形;鼓形などが挙げられる。本発明のシート化粧料には、切れ込み部、くり抜き部、凹凸部などの成型が施されていてもよい。特に、本発明のシート化粧料が顔用のシート化粧料である場合、上記シート化粧料は、目、鼻、口に相当する部位に切れ込み又はくり抜き部が設けられた略円形又は略楕円形ものであってもよい。
本発明のシート化粧料は、乾燥防止、外出時の携帯性、使用時の取り扱い性等の観点から、包装容器に収納されることが好ましい。本発明のシート製品は1枚ごとに個別包装されていてもよいし、生産コスト、生産効率等の観点から、複数枚の本発明の本発明のシート製品が同一包装容器内に収納されていてもよい。上記包装容器としては、例えば、袋体(包装袋)、箱状容器などが挙げられる。上記包装容器は、本発明の乳化化粧料の揮発を抑制できるものが好ましい。上記包装容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂;アルミニウム等の金属などが挙げられる。上記包装容器としては、軽量であり優れた揮発防止効果を有する観点から、表面に金属層が積層又は蒸着された樹脂製の包装容器(特に、包装袋)が好ましく、より好ましくは、表面にアルミニウム蒸着された樹脂製の包装袋である。
本発明のシート化粧料は、上記シート基材に本発明の乳化化粧料を含浸させることにより製造しうる。上記シート基材に本発明の乳化化粧料を含浸させる方法は、特に限定されず、例えば、折りたたんだ状態の上記シート基材に本発明の乳化化粧料を注入し含浸させる方法、上記シート基材に本発明の乳化化粧料をスプレーする方法、印刷法を用いて上記シート基材に本発明の乳化化粧料を含浸させる方法、本発明の乳化化粧料中に上記シート基材を浸す方法等が挙げられる。
本発明のシート化粧料を適用する部位としては、特に限定されず、例えば、顔(例えば、額、目元、目じり、頬、口元等)、腕、肘、手の甲、指先、足、膝、かかと、首、脇、背中などが挙げられる。中でも、低刺激性に優れる観点から、特に好ましくは顔である。即ち、本発明のシート化粧料は、顔用のシート化粧料(所謂、フェイスマスク、シートマスク等)であることが好ましい。本発明のシート化粧料は、特に、顔全体を覆うことから肌への負担が大きく、より低刺激性に対する要求の高いフェイスマスク、シートマスクとしても好適に用いることができる。
本発明のシート化粧料の使用方法としては、例えば、皮膚上の所望の部位に貼り付ける方法、皮膚の所望の部位を拭くことによりシート基材に含浸した本発明の乳化化粧料を皮膚に塗布する方法などが挙げられる。中でも、高い保湿効果を得られ、低刺激性である本発明の効果が特に発揮される観点から、皮膚上の所望の部位に貼り付ける方法が好ましい。即ち、本発明のシート化粧料は、貼り付ける方法で用いられる、貼り付け用のシート化粧料であることが好ましく、より好ましくは顔(特に顔全体)への貼り付け用のシート化粧料(所謂、フェイスマスク、シートマスク等)である。上記顔への貼り付け用のシート化粧料は、顔上にシート化粧料を密着するように貼り付けて用いられる。上記シート化粧料を顔上に貼り付ける時間は、例えば、5〜25分が好ましい。上記シート化粧料を剥がした後は、洗い流しを行っても行わなくても特に限定されないが、持続性に優れる保湿効果を付与する観点から、洗い流しを行わない方が好ましい。
以下に、本発明を実施例等に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜10及び比較例1〜6
表2〜4に示す組成からなる混合液をホモミキサーで攪拌し、常法により乳化して、乳化化粧料を得た。
実施例、比較例における各原料の詳細は次の通りである。なお、表2〜4に記載の量は商品の量ではなく、各成分の量(有効成分の量)である。
水素添加大豆リン脂質:商品名「レシノールS−10」(日光ケミカルズ社製)
流動パラフィン:商品名「CARNATION」(Sonneborn Inc社製)
カルボキシビニルポリマーA:商品名「CARBOPOL 980 POLYMER」(Lubrizol Advanced Materials社製)
カルボキシビニルポリマーB:商品名「AQUPEC HV−801EG−300」(住友精化株式会社製)
モノステアリン酸グリセリル:商品名「CUTINA GMS−V」(BASF社製)、親油型モノステアリン酸グリセリル
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン:商品名「レオドールTW−S120V」(花王社製)
実施例1〜10及び比較例1〜6で調製した乳化化粧料について、以下の方法により、「防腐性」及び「皮膚への刺激性」を評価した。結果を表2〜4に示す。
〔防腐性〕
表1に示す4種の供試菌を予め前培養した培養液を表1に示す濃度に希釈した菌懸濁液を調製した。なお、菌数はコロニーカウント法により確認した。
乾熱滅菌済みのガラス容器に、実施例1〜10及び比較例1〜6の乳化化粧料を20g入れ、上記菌懸濁液を0.2ml接種して、表1に示す温度で培養を行った。二種混合菌(Escherichia coli NBRC3972(大腸菌)、Staphylococcus aureus NBRC13276(黄色ブドウ球菌))、Pseudomonas aeruginosa NBRC13275(緑膿菌)、及びCandida albicans NBRC1594(カンジダ菌)については接種後1、7日後に、Aspergillus brasiliensis NBRC9455(クロカビ)については7、14、21日後に、各試料を1gずつ抜き取り、生理食塩水で希釈したものを寒天培地に混釈して48時間培養し、試料中の残存菌数を算出した。残存菌数(単位:CFU)を表2〜4に示す。表2〜4中、「<10」は10CFU未満であることを示す。
Figure 2017178787
<防腐性の評価基準>
二種混合菌、P.aeruginosa、C.albicans、及びA.brasiliensisについて、下記基準に従い、各菌種における防腐性を評価した。
・二種混合菌
◎(非常に良好):1日後の菌数が10CFU未満。
○(良好):1日後の菌数が10CFU以上であるが、7日後の菌数が10CFU未満
×(不良):7日後の菌数が10CFU以上。
・P.aeruginosa
◎(非常に良好):1日後の菌数が10CFU未満。
○(良好):1日後の菌数が10CFU以上であるが、7日後の菌数が10CFU未満。
×(不良):7日後の菌数が10CFU以上。
・C.albicans
◎(非常に良好):1日後の菌数が10CFU未満。
○(良好):1日後の菌数が10CFU以上であるが、7日後の菌数が10CFU未満。
×(不良):7日後の菌数が10CFU以上。
・A.brasiliensis
◎(非常に良好):21日後の菌数が10CFU以下。
×(不良):21日後の菌数が10CFUを超える。
〔使用感(皮膚への刺激性)〕
各実施例及び各比較例の乳化化粧料1gを目元用シートマスク用不織布(サイズ:約3.5cm×約7.5cm、質量約0.1g)に含浸させ、シート化粧料を作製した。上記不織布1.0質量部に対する含浸された乳化化粧料の質量割合は10.0質量部であった。
上記シート化粧料を顔面(頬部)に貼付し10分間貼付を続けた。貼付中の皮膚の刺激感を下記評価基準に従い官能評価した。尚、評価は、専門評価員3名で行った。
<使用感の評価基準>
◎(非常に良好):皮膚刺激を全く感じない。
○(良好):皮膚刺激を僅かに感じるが貼り付け用のシート化粧料として使用可能である。
×(不良):皮膚刺激を明らかに感じる。
Figure 2017178787
Figure 2017178787
Figure 2017178787
以上の結果より、実施例1〜10の乳化化粧料は、低刺激であり、高い防腐性を有するものであることが分かる。
これに対して、成分Dとして1,2−オクタンジオールを配合していない比較例1及び成分Eの配合が少なすぎる比較例2〜5では、防腐性に欠けており、成分Dの配合が多すぎる比較例6は、刺激が強いことが分かる。
本発明の乳化化粧料は、顔や身体に用いられる乳液、美容液などのスキンケア化粧料などに好適に用いることができる。また、フェイスマスクなどのシート化粧料の含浸液として用いることができる。

Claims (3)

  1. 下記成分Aと、下記成分Bと、下記成分Cと、下記成分Dと、下記成分Eと、下記成分Fとを含有し、
    前記成分Dの含有量が0.10〜1.0質量%、前記成分Eの含有量が4.0〜20.0質量%であり、
    パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール及びエタノールを実質的に含有していない、乳化化粧料。
    成分A:リン脂質
    成分B:炭素数12〜22の高級アルコール
    成分C:炭化水素油及び/又はエステル油
    成分D:1,2−オクタンジオール、並びに、1,2−デカンジオール及び/又はグリセリンモノ2−エチルへキシルエーテル
    成分E:1,3−ブチレングリコール及び/又はジプロピレングリコール
    成分F:水
  2. さらに、下記成分Gを含有する請求項1に記載の乳化化粧料。
    成分G:増粘剤
  3. シート基材と、上記シート基材に含浸させた請求項1又は2に記載の乳化化粧料とを含む、シート化粧料。
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