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JP2017165841A - 医療機器用部材の材料および医療機器用部材の製造方法 - Google Patents

医療機器用部材の材料および医療機器用部材の製造方法 Download PDF

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JP2017165841A JP2016051368A JP2016051368A JP2017165841A JP 2017165841 A JP2017165841 A JP 2017165841A JP 2016051368 A JP2016051368 A JP 2016051368A JP 2016051368 A JP2016051368 A JP 2016051368A JP 2017165841 A JP2017165841 A JP 2017165841A
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一誠 前田
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一誠 前田
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Abstract

【課題】医療機器用部材の材料において、孔空き強度を向上することができるようにする。【解決手段】医療機器用部材の材料は、主成分であるフッ素系エラストマーと、フッ素系エラストマーの分子同士を架橋する架橋剤と、を含み、架橋剤は、1分間半減期温度が第1の温度である第1の有機過酸化物と、1分間半減期温度が第1の温度より20℃以上高い第2の温度である第2の有機過酸化物とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、医療機器用部材の材料および医療機器用部材の製造方法に関する。
従来、医療機器用部材として、種々のエラストマー成形体が用いられている。医療機器用部材に用いられるエラストマー成形体は、種々の薬液を用いた消毒・滅菌法に対する耐性が求められるため、例えば、フッ素系エラストマーが用いられることが多い。
近年、医療機器の小型化が進んでいるため、医療機器用部材として用いられるエラストマー成形体の薄肉化が進んでいる。このため、医療機器用部材として用いられるエラストマー成形体には、消毒・滅菌における薬品耐性に加えて、物理的耐性を向上することも求められている。
例えば、特許文献1、2には、耐薬品性に優れるフッ素系エラストマーを主剤とし、カーボン、アルミナ等の補強剤を添加することによって、エラストマー成形体の物理的耐性を向上することが提案されている。
例えば、特許文献3には、架橋可能なフッ素系エラストマーの主剤を2種類以上含むことによって消毒・滅菌耐性を向上することが提案されている。
国際公開第2011/126017号 特開平11−32978号公報 特開2005−245517号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題がある。
従来技術によるエラストマー成形体は、薄肉化すると孔空き強度が低下し、衝撃力などの外力の作用によって孔が空きやすいという問題がある。
医療機器用部材に用いられるエラストマー形成体は、例えば、樹脂部材および金属部材の表面保護、あるいは、金属部材の絶縁被覆として用いられるため、使用時の外力によって孔が空くと、表面被覆、絶縁被覆の機能が低下してしまう。
本発明者は、孔空き強度が低下するのは、エラストマー成形体において架橋構造が局在化しており、架橋構造の形成が不十分な部位に外力による応力集中が起こるためではないかと考えて、本発明に到った。
上述した従来技術では、フッ素系エラストマーに架橋剤が添加された材料を架橋温度に加熱することによって、架橋構造が形成される。架橋剤としては、有機過酸化物が用いられる。有機過酸化物は、加熱されると極めて短時間のうちに、フッ素系エラストマーと反応する。このため、架橋剤の分布および加熱時の温度分布に応じて、架橋構造が局在化しやすくなる。特に、エラストマー成形体が薄肉であると、形成可能な架橋構造自体が少ないため、架橋構造の形成できなかった部位の強度低下がより顕著になると考えられる。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、医療機器用部材の孔空き強度を向上することができる医療機器用部材の材料および医療機器用部材の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の医療機器用部材の材料は、主成分であるフッ素系エラストマーと、前記フッ素系エラストマーの分子同士を架橋する架橋剤と、を含み、前記架橋剤は、1分間半減期温度が第1の温度である第1の有機過酸化物と、1分間半減期温度が前記第1の温度より20℃以上高い第2の温度である第2の有機過酸化物とを含む。
上記医療機器用部材の材料においては、前記架橋剤は、前記第1の有機過酸化物および前記第2の有機過酸化物以外の有機過酸化物であり、かつ1分間半減期温度が前記第1の温度以下である第1群および1分間半減期温度が前記第2の温度以上である第2群のいずれかに分けられる有機過酸化物を更に含む。
上記医療機器用部材の材料においては、前記架橋剤には、前記第1群および前記第2群のどちらにも分けられない有機過酸化物は含まれない。
上記医療機器用部材の材料においては、前記第1の温度は、140℃以上160℃以下であり、前記第2の温度は、180℃以上200℃以下であってもよい。
上記医療機器用部材の材料においては、前記フッ素系エラストマーは、フッ化ビニリデンを単量体として含む三元共重合体であってもよい。
上記医療機器用部材の材料においては、前記フッ素系エラストマー100重量部に対して、10重量部以下の架橋助剤を含んでもよい。
上記医療機器用部材の材料においては、前記架橋助剤は、トリアリルイソシアヌレートであってもよい。
上記医療機器用部材の材料においては、前記フッ素系エラストマー100重量部に対して、50重量部以下の補強剤を含んでもよい。
上記医療機器用部材の材料においては、前記補強剤は、サーマルブラックであってもよい。
上記医療機器用部材の材料においては、前記補強剤は、平板アルミナであってもよい。
本発明の第2の態様の医療機器用部材の製造方法は、上記医療機器用部材の材料を、前記第1の温度よりも高くかつ前記第2の温度よりも低い第3の温度で加熱することによって、前記材料の一部のみを架橋することと、一部が架橋された前記材料を、前記第2の温度よりも高い第4の温度で加熱することによって、前記材料の少なくとも一部を架橋することと、を含む。
本発明の医療機器用部材の材料および医療機器用部材の製造方法によれば、医療機器用部材の孔空き強度を向上することができるという効果を奏する。
以下では、本発明の実施形態の医療機器用部材の材料について説明する。
本実施形態の医療機器用部材の材料は、主成分であるフッ素系エラストマーと、このフッ素系エラストマーの分子同士を架橋する架橋剤とを含んで構成されている。
本実施形態における架橋剤は、後述するような複数種類の有機過酸化物からなる。
本実施形態の医療機器用部材の材料は、成形型に充填して架橋反応を伴う成形が行われることによって、医療機器用部材としてあるいは医療機器用部材の一部として用いることができる成形体を形成することができる。
医療機器用部材の材料を用い、後述する本実施形態の医療機器用部材の製造方法によって製造される医療機器用部材の種類(用途、形状等)は、フッ素系エラストマーが架橋された成形体であれば、特に限定されない。医療機器用部材の材料によって製造可能な医療機器用部材の例としては、種々の被覆部材、絶縁被覆部材、カバー、チューブ、パッキン、キャップ、ボタン、Oリング、コネクタ、ホースなどが挙げられる。
本実施形態におけるフッ素系エラストマーは、分子内にフッ素原子を有するエラストマーであれば特に限定されない。フッ素系エラストマーの例としては、フッ素ゴムおよびフッ素系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
フッ素系エラストマーがフッ素ゴムの場合、二元共重合体であってもよいし、三元共重合体であってもよい。
二元共重合体のフッ素ゴムの例としては、例えば、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−フルオロメチルビニルエーテル共重合体等が挙げられる。
三元共重合体のフッ素ゴムの例としては、例えば、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等が挙げられる。
三元共重合体のフッ素ゴムは、ここに例示された三元共重合体のフッ素ゴムのうちでは、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体であることがより好ましい。この場合、三元共重合体のフッ素ゴムのうちでも、特に共重合体の結晶性が低いため、成形後の柔軟性がより優れる。
本実施形態に用いる三元共重合体のフッ素ゴムは、フッ化ビニリデンを単量体として含んでいなくてもよい。ただし、常温下でのゴム弾性を保持するため、本実施形態に用いる三元共重合体のフッ素ゴムは、フッ化ビニリデンを単量体として含むことがより好ましい。
フッ素系エラストマーが熱可塑性エラストマーの場合の例としては、例えば、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体等が挙げられる。
本実施形態における架橋剤を構成する複数種類の有機過酸化物は、1分間半減期温度が第1の温度である第1の有機過酸化物と、1分間半減期温度が第1の温度より20℃以上高い第2の温度である第2の有機過酸化物とを含んでいる。
ここで、有機過酸化物の種類の相違は、化学式の相違で判定される。
本実施形態における複数種類の有機過酸化物は、1分間半減期温度が第1の温度以下である第1群および1分間半減期温度が第2の温度以上である第2群のいずれかに分けられる。
1分間半減期温度とは、有機過酸化物の架橋反応において、1分間で有機過酸化物の濃度が半分に減ずる温度である。
以下では、簡単のため、第2の有機過酸化物の1分間半減期温度から、第1の有機過酸化物の1分間半減期温度を引いた温度差を、半減期温度差と言う場合がある。
本明細書における第1群および第2群は、それぞれ要素が1以上の集合の意味で用いられている。このため、第1群および第2群は、それぞれ1種類以上の有機過酸化物を含んでいればよい。
本実施形態における複数種類の有機過酸化物は、第1の有機過酸化物と第2の有機過酸化物とからなる2種類の有機過酸化物で構成されてもよい。
本実施形態における複数種類の有機過酸化物は、第1群および第2群の少なくとも一方に、第1の有機過酸化物および第2の有機過酸化物のいずれとも異なる他の有機過酸化物を含んで構成されてもよい。
第1の温度は、例えば、140℃以上160℃以下であってもよい。第2の温度は、例えば、180℃以上200℃以下であってもよい。
医療機器用部材の材料に有機過酸化物は、1分間半減期温度が異なる3種類以上からなる場合、上述の第1群および第2群の選び方は2通り以上あってもよい。
例えば、医療機器用部材の材料の有機過酸化物が、3種類の有機過酸化物a、b、cからなり、それぞれの1分間半減期温度Ta、Tb、Tcが、Ta<Tb<Tc、Tb−Ta≧20(℃)、Tc−Tb≧20(℃)を満足するとする。この場合、第1群が有機過酸化物a(第1の温度はTa)、第2群が有機過酸化物b、c(第2の温度はTb)のように選ぶことが可能である。さらに、第1群が有機過酸化物a、b(第1の温度はTb)、第2群が有機過酸化物c(第2の温度はTc)のように選ぶことも可能である。
本実施形態における複数種類の有機過酸化物は、例えば、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、パーオキシエステル類、パーカーボネート類等から、1分間半減期温度を考慮して選択されてもよい。
ケトンパーオキサイド類は、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジメチルケトンパーオキサイド等が挙げられる。
ジアシルパーオキサイド類は、ジベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルm−メチルベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド類は、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3−ヘキシン等が挙げられる。
パーオキシケタール類は、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等が挙げられる。
パーオキシエステル類は、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)3−ヘキシン、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。
パーカーボネート類は、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシカーボネート等が挙げられる。
本実施形態の複数種類の有機過酸化物が、第1の有機過酸化物および第2の有機過酸化物からなる場合、第1の有機過酸化物として、例えば、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(1分間半減期温度;153.8℃)が選ばれてもよい。この場合、第2の有機過酸化物として、例えば、2,5−ジメチル−2,5ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(1分間半減期温度;194.3℃)が選ばれてもよい。この場合、第1の温度は153.8℃である。第2の温度は194.3℃である。
本実施形態における医療機器用部材の材料は、上述のフッ素系エラストマーおよび有機過酸化物の他にも、適宜の添加物を必要に応じて含むことができる。
添加物の例としては、架橋助剤、補強剤、充填剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、受酸剤、内部離型剤、加工助剤、滑剤、硬化剤、粘着付与剤などが挙げられる。
例えば、医療機器用部材の材料には、フッ素系エラストマーを100重量部に対して、10重量部以下の架橋助剤が含まれてもよい。この場合、架橋助剤によって、架橋がより促進されるため、架橋構造の均質性が向上する。この結果、成形体の孔空き強度などの機械的特性がより向上する。医療機器用部材の材料に架橋助剤が10重量部を超えて含有されると、架橋反応に使用されない架橋助剤によってブリードが生じ、外観不良が生じるおそれがある。
架橋助剤の例としては、例えば、アリル系化合物、アクリル系化合物等が挙げられる。
アリル系化合物としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。
アクリル系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
架橋助剤として、トリアリルイソシアヌレートが用いられる場合、トリアリルイソシアヌレートに含まれる三官能アリル基によって架橋効率が向上する。このため、トリアリルイソシアヌレート以外の架橋助剤を用いる場合に比べて、成形体の引き裂き強度が向上する。
さらに、トリアリルイソシアヌレートが用いられる場合、トリアジン環の導入されるため、トリアリルイソシアヌレート以外の架橋助剤を用いる場合に比べて、成形体の耐熱性、耐加水分解性、耐候性がさらに向上する。
例えば、医療機器用部材の材料には、フッ素系エラストマーを100重量部に対して、50重量部以下の補強剤が含まれてもよい。この場合、補強剤によって、例えば、医療機器用部材の孔空き強度、引張強度、引裂き強度、磨耗耐性などの機械的特性が向上する。
補強剤の例としては、例えば、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、マイカ、タルク、クレー、ウォラストナイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、カオリン、モンモリロナイト、ガラスフィラー、ガラスファイバー、カーボンナノチューブ、セルロースナノファイバー等が挙げられる。
これらの補強剤は単品が添加されてもよいし、2種類以上が組み合わされて添加されてもよい。
補強剤としてサーマルブラックを含むと、サーマルブラックを含まない場合に比べて成形体の引張強度が向上する。ただし、医療機器用部材の材料にサーマルブラックが50重量部を超えて含有されると、補強効果が過大になるため、成形体の柔軟性が低下する。
補強剤として平板アルミナを含むと、平板アルミナを含まない場合に比べて成形体の孔空き強度が向上する。ただし、医療機器用部材の材料に平板アルミナが50重量部を超えて含有されると、成形性が悪化する。
次に、本実施形態の医療機器用部材の材料を用いた医療機器用部材の製造方法について説明する。
上述のように、医療機器用部材の材料では、3種類以上の有機過酸化物を含んでいてもよいが、以下では、簡単のため、有機過酸化物が第1の有機過酸化物と第2の有機過酸化物とからなる場合の例で説明する。
本実施形態の医療機器用部材の材料を用いて成形を行うには、まず、医療機器用部材の材料のコンパウンドを成形型に充填する。コンパウンドは、例えば、オープンロールなどで混練することによって形成されてもよい。
この後、第1の温度よりも高く、かつ第2の温度よりも低い第3の温度で加熱することによって、医療機器用部材の材料に含まれるフッ素系エラストマーの一部のみを架橋する(以下、一次架橋と言う)。こうすることによって、第2の有機過酸化物は、架橋反応を起こしにくくなり、ほとんど消費されずに材料中に残存する。
第1の有機過酸化物により架橋反応が効率的に進行するように、第3の温度は、第1の温度よりも5℃以上高い温度としてもよい。
第2の有機過酸化物の架橋反応をより確実に抑制するため、第3の温度は、第2の温度からなるべく離れた温度とすることがより好ましい。例えば、第3の温度は、第2の温度に対して、10℃以上の温度差があるとより好ましい。
第3の温度は、第2の温度よりも第1の温度に近い温度であってもよい。
第1の有機過酸化物によって一次架橋が進行しすぎないようにするため、医療機器用部材の材料では、第1の有機過酸化物の含有量を、全体に架橋構造を形成できる含有量よりも少なくしておくことがより好ましい。
第1の有機過酸化物によって一次架橋が進行しすぎないようにするため、第3の温度による加熱時間は、長すぎないようにすることがより好ましい。例えば、第3の温度による加熱時間は、5分以上10分以下であることがより好ましい。
一次架橋では、成形型の温度分布、あるいは第1の有機過酸化物の分布などに応じて、架橋反応は、必ずしも均質に進行するとは限らない。このため、一次架橋による架橋構造は、ある程度局在化する可能性がある。
同様に、医療機器用部材の材料中に残存する第1の有機過酸化物も、ある程度、偏りが生じるため、架橋構造が形成された箇所に分布して、架橋に寄与できない第1の有機過酸化物も発生する。
予め決められた時間だけ第3の温度で加熱したら、成形型に第2の温度よりも高い第4の温度で加熱することによって、医療機器用部材の材料に含まれるフッ素系エラストマーの少なくとも一部を架橋する(以下、二次架橋と言う)。
医療機器用部材の材料に含まれる有機過酸化物が2種類の場合、二次架橋は、成形体の必要強度が得られる必要量の架橋が行われるようにする。この場合、第2の有機過酸化物による架橋が効率的に進行するように、例えば、第4の温度は、第2の温度よりも10℃以上高い温度にしてもよい。
二次架橋によって、必要量の架橋が行われるためには、加熱時間は一次架橋の加熱時間よりも長くしてもよい。例えば、二次架橋によって、成形体の必要強度が得られる必要量の架橋が行われるようにするには、第4の温度の加熱時間を4時間以上にしてもよい。
第2の有機過酸化物は、第1の有機過酸化物とともに混練されているが、医療機器用部材の材料の内部において、第1の有機過酸化物と第2の有機過酸化物とがまったく同じ分布になることはない。
さらに、第2の有機過酸化物は、一次架橋において、ほとんど架橋反応を起こさないため、材料内である程度の流動性を有している。一次架橋の進行による内部構造の変化と、一次架橋のための加熱によって熱エネルギーを受けることとによって、第2の有機過酸化物はより移動しやすくなる。このため、混練時に比べて、成形時における第2の有機過酸化物の分布はより均質化する傾向があると考えられる。
第4の温度による加熱は、第3の温度で一次架橋が行われて、成形型の温度の均質化が進んだ後に、続けて昇温されるため、二次架橋時の温度分布は、一次架橋時の温度分布よりもより均質化している。
このように、第4の温度による加熱時には、材料内に残存する第1の有機過酸化物によるより少量の架橋と、より均質な分布を有する第2の有機過酸化物によるより多量の架橋とが進行すると考えられる。
加えて、1分間半減期温度が高い第2の有機過酸化物は、第1の有機過酸化物に比べると反応性が低い架橋剤である。
このため、二次架橋においては、一次架橋で未架橋の部位が、主として第2の有機過酸化物により徐々に満遍なく架橋されていくため、全体として均質な架橋構造が形成される。
第4の温度で予め決められた時間だけ加熱され、材料中に残存する余剰な含有物が蒸発などして減少したら、成形体を成形型から脱型する。
この成形体は、そのまま、医療機器用部材として用いられてもよい。
この成形体は、さらに他の加工が行われたり、他の部材に組み付けられたりした後に、医療機器用部材として用いられてもよい。
以上で、本実施形態の医療機器用部材の製造方法が終了する。
このようにして製造された医療機器用部材は、一次架橋と二次架橋とが、少なくとも一回ずつ行われるため、単に、1種類の有機過酸化物によって一回の架橋工程が行われる場合に比べて、架橋構造の局在化が抑制され、均質化していると考えられる。
成形体の機械強度は、フッ素系エラストマーの架橋構造に依存しているため、架橋構造が均質することで、成形体の機械強度が向上する。
架橋構造が局在化していると、成形体に衝撃力などの外力が作用した際に、架橋構造の分布が希薄な部位に応力が集中して、局部的な損傷が進行する。特に、成形体が薄肉の場合には、孔空き状態となりやすい。
本実施形態の医療機器用部材の材料によれば、架橋構造の分布がより均質化するため、特に、孔空き強度が向上する。同様に、他の機械強度、例えば、引張強度、引き裂き強度なども向上する。
このため、医療機器用部材としての耐久性が向上する。
さらに、架橋構造が形成された成形体は、弾性が良好になるため、柔軟性、可撓性、および屈曲耐久性なども向上する。例えば、100%モジュラスや硬度が低減する。このため、柔軟性、可撓性が求められる医療機器用部材に好適となる。
医療機器用部材の材料による成形体の機械強度は、上述のように、補強剤を添加するとさらに向上する。
なお、上記実施形態の説明では、医療機器用部材の材料に含まれる複数種類の有機過酸化物が第1の有機過酸化物と第2の有機過酸化物とからなる例を中心として説明した。
しかし、上述したように、上記実施形態の医療機器用部材の材料において、有機過酸化物の種類は2種類には限定されない。
ここで、医療機器用部材の材料が有機過酸化物を3種類以上含む場合の、医療機器用部材の製造方法の変形例について説明する。
以下、医療機器用部材の材料が、上述の有機過酸化物a、b、cを含む場合の例で説明する。
この場合、(I)有機過酸化物aが第1群、有機過酸化物b、cが第2群とされて、上記実施形態と同様の一次架橋、二次架橋が行われてもよい。同様に、(II)有機過酸化物a、bが第1群、有機過酸化物cが第2群とされて、一次架橋、二次架橋が行われてもよい。
しかし、これらの例では、TaとTb、TbとTcとのそれぞれの半減期温度差が20℃以上あるため、同一群の複数の有機過酸化物の反応効率のバランスが悪くなる。
そこで、医療機器用部材の材料が有機過酸化物a、b、cを含む場合には、次のような変形が施されてもよい。
すなわち、(III)温度Taよりも高い温度で有機過酸化物aによる第1の架橋が行われ、この後、Tbよりも高い温度で有機過酸化物bによる第2の架橋が行われ、この後、Tcよりも高い温度で有機過酸化物cによる第3の架橋が行われてもよい。
(III)における第1の架橋および第2の架橋の温度条件は、(I)の場合の一次架橋および二次架橋と同様である。(III)における第2の架橋および第3の架橋の温度条件は、(II)の場合の一次架橋および二次架橋と同様である。
このため、(III)は、上記実施形態の医療機器用部材の製造方法を、連続して2回行ったのと同様の製造方法になっている。
ただし、(III)においては、第2の架橋ですべての架橋構造が形成されてしまうと、第3の架橋を行う意味がなくなるため、第2の架橋を行う加熱時間および加熱温度は、上記実施形態における一次架橋と同程度にするとよい。例えば、第2の架橋を行う加熱温度は、Tbよりも5℃以上高い温度であってもよい。
さらに、第3の架橋では、上記実施形態の二次架橋におけると同様の加熱温度および加熱時間とするとよい。例えば、第3の架橋を行う加熱温度は、Tcよりも10℃以上高い温度であってもよい。
上述の(III)のような変形例によれば、3種類の有機過酸化物に好適な3段階の加熱温度によって、3段階の架橋が行われる。このため、より均質な架橋構造を形成することが可能になる。
上述のように、本実施形態の医療機器用部材の材料に架橋剤として含まれる複数種類の有機過酸化物は、第1群および第2群のいずれかに分けられるもののみからなることがより好ましい。すなわち、本実施形態の医療機器用部材の材料に架橋剤として含まれる複数種類の有機過酸化物には、第1群および第2群のどちらにも分けられない有機過酸化物は含まれないことがより好ましい。
しかし、医療機器用部材の材料の架橋剤には、架橋構造の局在化の進行にあまり寄与しない程度であれば、第1群および第2群のいずれにも含まれない第3群の有機過酸化物が含有されていてもよい。第3群の有機過酸化物の1分間半減期温度は、第1の温度を超え、第2の温度未満である。
以下、上記実施形態の実施例について、比較例とともに説明する。下記[表1]に、実施例1〜13、および比較例1〜6の医療機器用部材の材料の主な組成を示す。
Figure 2017165841
上記[表1]中の架橋剤(第1の有機過酸化物、第2の有機過酸化物)の材料を表す略語は、下記[表2]に示す。[表1]および本明細書に用いるその他の略号は、以下に順次説明される。
ただし、後述するように、比較例1〜3の架橋剤は、上述の実施形態における第1の有機過酸化物、第2の有機過酸化物の条件を満足しないが、便宜上、「第1の有機過酸化物」欄、「第2の有機過酸化物」欄に記載されている。
[表1]において、「1分間半減期温度の差(℃)」欄には、上述の半減期温度差が示されている。
Figure 2017165841
[実施例1]
上記[表1]に示すように、実施例1の医療機器用部材の材料は、
FE_A 100重量部
OP_A 1重量部
OP_F 3重量部
EGM 2重量部
チャンネルブラック 0.3重量部([表1]では省略)
からなる。
チャンネルブラックは、[表1]には記載しなかったが、実施例2〜13、比較例1〜6のすべてに、フッ素系エラストマーを100重量部としたとき、上記と同様の0.3重量部が含有されている。
実施例1には、補強剤は含有されていない。
「FE_A」は、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)‐フッ化ビニリデン(VdF)共重合体を表す。FE_Aは、フッ素系エラストマー(FE)として配合された二元共重合体のフッ素ゴムである。
FE_Aの具体的な材料としては、G−801(商品名;ダイキン工業(株)製)が使用された。G−801のフッ素濃度は66%である。G−801のムーニー粘度ML1+10(100℃)は70である。
「OP_A」は、[表2]に示すように、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンを表す。OP_Aは、FE_Aを架橋するための架橋剤として用いられる有機過酸化物(Organic Peroxide)である。実施例1では、OP_Aは、第1の有機過酸化物として用いられている。
OP_Aの具体的な材料としては、パーヘキサ(登録商標)C(商品名;日油(株)製)が使用された。パーヘキサ(登録商標)Cの1分間半減期温度は、153.8℃である。
「OP_F」は、[表2]に示すように、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3を表す。OP_Fは、FE_Aを架橋するための架橋剤として用いられる有機過酸化物である。実施例1では、OP_Fは、第2の有機過酸化物として用いられている。
OP_Fの具体的な材料としては、パーヘキシン(登録商標)25B(商品名;日油(株)製)が使用された。パーヘキシン(登録商標)25Bの1分間半減期温度は、194.3℃である。
「EGM」は、エチレングリコールメタクリレートを表す。EGMは、フッ素ゴムを架橋する際の架橋助剤として用いられている。
EGMの具体的な材料としては、NKエステル4G(商品名;新中村化学工業(株)製)、化学名ポリエチレングリコール#200メタクリレートが使用された。NKエステル4Gは、分子量330、比重(25℃)1.079、粘度(25℃)1.461(mPa・s)である。
チャンネルブラックは、着色剤として用いられた。
チャンネルブラックの具体的な材料としては、三菱(登録商標)カーボンブラックHCF#2350(商品名;三菱化学(株)製)が使用された。HCF#2350は、粒子径15nm、揮発分7.5%、pH値2.5である。
実施例1の医療機器用部材の材料は、上述の各材料を上述の配合量となるように計量してからオープンロールで混練されて、コンパウンドとされた。このコンパウンドは、実施例1の医療機器用部材の成形原料として用いられた。
実施例1の医療機器用部材の材料は、上述のように、1分間半減期温度が153.8℃(第1の温度)のOP_Aと、1分間半減期温度が194.3℃(第2の温度)のOP_Bとからなる2種類の有機過酸化物で構成された架橋剤を含有している。このため、実施例1では、半減期温度差は、40.5℃である([表1]参照)。
実施例1の医療機器用部材の材料の評価を行うため、実施例1の医療機器用部材の材料のコンパウンドを用いて、医療機器用部材がトランスファー成形された。
成形型としては、外径が10mm、肉厚が0.5mm、長さ20mmのチューブ状の成形体を形成するための成形型が用いられた。
具体的には、コンパウンドが成形型に充填され、170℃で3分間の架橋成形が実施された。この架橋成形の温度は、第1の温度よりも5℃以上高く、第2の温度よりも低い第3の温度になっている。
その後、220℃のオーブン中で4時間二次架橋が行われた。この架橋成形の温度は、第2の温度よりも10℃以上高い第4の温度になっている。
これにより、外径が10mm、肉厚が約0.5mm、長さ20mmのチューブ状の成形体が得られた。この成形体は、後述する評価に用いられた。
[実施例2]
上記[表1]に示すように、実施例2の医療機器用部材の材料は、上記実施例1のOP_Fに代えて、3重量部のOP_Eを含有する点のみが上記実施例1と異なる。
「OP_E」は、[表2]に示すように、ジクミルパーオキサイドを表す。OP_Eは、FE_Aを架橋するための架橋剤として用いられる有機過酸化物である。実施例2では、OP_Eは、第2の有機過酸化物として用いられている。
OP_Eの具体的な材料としては、パークミル(登録商標)D(商品名;日油(株)製)が使用された、パークミル(登録商標)Dの1分間半減期温度は、175.2℃(第2の温度)である。
実施例2では、半減期温度差は、21.5℃である([表1]参照)。
[実施例3]
上記[表1]に示すように、実施例3の医療機器用部材の材料は、上記実施例1のOP_Aに代えて、1重量部のOP_Bを含有する点のみが上記実施例1と異なる。
「OP_B」は、[表2]に示すように、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンを表す。OP_Bは、FE_Aを架橋するための架橋剤として用いられる有機過酸化物である。実施例3では、OP_Bは、第1の有機過酸化物として用いられている。
OP_Bの具体的な材料としては、パーヘキサ(登録商標)25Z(商品名;日油(株)製)が使用された、パーヘキサ(登録商標)25Zの1分間半減期温度は、158.2℃である。
実施例3では、半減期温度差は、36.1℃である([表1]参照)。
[実施例4]
上記[表1]に示すように、実施例4の医療機器用部材の材料は、上記実施例1のOP_Aに代えて、1重量部のOP_Dを含有する点のみが上記実施例1と異なる。
「OP_D」は、[表2]に示すように、tert−ブチルクミルパーオキサイドを表す。OP_Dは、FE_Aを架橋するための架橋剤として用いられる有機過酸化物である。実施例4では、OP_Eは、第1の有機過酸化物として用いられている。
OP_Eの具体的な材料としては、パーブチル(登録商標)C(商品名;日油(株)製)が使用された、パーブチル(登録商標)Cの1分間半減期温度は、173.3℃である。
実施例4では、半減期温度差は、21.0℃である([表1]参照)。
[比較例1]
上記[表1]に示すように、比較例1の医療機器用部材の材料は、上記実施例1のOP_Fに代えて、3重量部のOP_Bを含有する点のみが上記実施例1と異なる。
比較例1では、半減期温度差は、4.4℃である([表1]参照)。したがって、比較例1は、架橋剤として2種類の有機過酸化物が含有されているものの、半減期温度差が20℃未満である場合の例になっている。
[比較例2]
上記[表1]に示すように、比較例2の医療機器用部材の材料は、上記実施例1のOP_Fに代えて、3重量部のOP_Cを含有する点のみが上記実施例1と異なる。
「OP_C」は、[表2]に示すように、tert−ブチルパーオキシベンゾエートを表す。OP_Cは、FE_Aを架橋するための架橋剤として用いられる有機過酸化物である。
OP_Cの具体的な材料としては、パーブチル(登録商標)Z(商品名;日油(株)製)が使用された。パーブチル(登録商標)Zの1分間半減期温度は、166.8℃である。
比較例2では、半減期温度差は、13.0℃である([表1]参照)。
したがって、比較例2は、比較例1と同様、架橋剤として2種類の有機過酸化物が含有されているものの、半減期温度差が20℃未満である場合の例になっている。
[比較例3]
上記[表1]に示すように、比較例3の医療機器用部材の材料は、上記実施例1のOP_Aが削除された点のみが上記実施例1と異なる。このため、比較例3は、架橋剤としての有機過酸化物がOP_Fのみの場合になっている。このOP_Fは、便宜上[表1]の「第1の有機過酸化物」欄に記載されている。
実施例2〜4、比較例1〜3の医療機器用部材の材料の評価を行うため、実施例1と同様、170℃で3分間の一次架橋と、220℃で4時間の二次架橋とにより、医療機器用部材が成形された。
[実施例5]
上記[表1]に示すように、実施例5の医療機器用部材の材料は、上記実施例1のFE_A、EGMに代えて、それぞれ100重量部のFE_B、2重量部のtaicを含有する点のみが上記実施例1と異なる。
「FE_B」は、フッ化ビニリデン(VdF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)−テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体を表す。FE_Bは、フッ素系エラストマーとして配合された三元共重合体のフッ素ゴムである。
FE_Bの具体的な材料としては、G−902(商品名;ダイキン工業(株)製)が使用された。G−902のフッ素濃度は70.5%である。G−902のムーニー粘度ML1+10(100℃)は50である。
「taic」は、トリアリルイソシアヌレートを表す。taicは、フッ素ゴムを架橋する際に架橋助剤として用いられている。
taicの具体的な材料としては、タイク(登録商標)(商品名;日本化成(株)製)が使用された。タイク(登録商標)は、分子量249、比重(20℃)1.16、粘度(30℃)12.4(mPa・s)である。
[実施例6]
上記[表1]に示すように、実施例6の医療機器用部材の材料は、上記実施例1のEGMに代えて、4重量部のtaicを含有する点のみが上記実施例1と異なる。実施例6は、FE_Aの架橋における架橋助剤としてtaicを用いた場合の例になっている。
[実施例7]
実施例7の医療機器用部材の材料は、上記実施例1のFE_A、EGMに代えて、それぞれ100重量部のFE_B、4重量部のTACを含有する点のみが上記実施例1と異なる。
「TAC」は、トリアリルシアヌレートを表す。TACは、フッ素ゴムを架橋する際に架橋助剤として用いられている。
TACの具体的な材料としては、化薬アクゾ(株)製が使用された。このTACは、分子量249、比重(30℃)1.12、粘度(30℃)12.6(mPa・s)である。
[実施例8]
実施例8の医療機器用部材の材料は、上記実施例1のFE_Aに代えて、100重量部のFE_Bを含有し、EGMを削除した点のみが上記実施例1と異なる。実施例8は、医療機器用部材の材料が架橋助剤を含有しない場合の例になっている。
[実施例9]
実施例9の医療機器用部材の材料は、上記実施例1のFE_A、EGMに代えて、100重量部のFE_B、5重量部のtaicを含有し、補強剤として、10重量部のシリカが追加された点のみが上記実施例1と異なる。
シリカの具体的な材料としては、ミニシール#5(商品名;U.S.シリカ社製)が用いられた。
[実施例10〜13]
実施例10〜13は、上記実施例9における補強剤の種類を代えた点と、架橋助剤であるtaicの含有量を変えた点とが、上記実施例9と異なる。
実施例10は、補強剤として、シリカに代えて、10重量部のサーマルブラックおよび10重量部の平板アルミナが用いられた。taicは4重量部含有された。
サーマルブラックの具体的な材料としては、サーマックスN990(商品名;Cancarb社製)が用いられた。サーマッククスN990の粒子径は、250nm〜350nm程度である。
平板アルミナの具体的な材料としては、セラフ(登録商標)(商品名;キンセイマテック(株)製)が用いられた。
実施例11は、補強剤として、シリカに代えて、8重量部のサーマルブラックおよび12重量部の針状アルミナが用いられた。taicは6重量部含有された。
サーマルブラックの具体的な材料は、上記実施例10と同様である。
針状アルミナの具体的な材料としては、セラシュール(登録商標)BMI(商品名;河合石灰工業(株)製)が用いられた。
実施例12は、補強剤として、10重量部のシリカに代えて、15重量部のシリカおよび10重量部の針状アルミナが用いられた。taicは8重量部含有された。
シリカ、針状アルミナの具体的な材料は、上記実施例9、11と同様である。
実施例13は、補強剤として、10重量部のシリカに代えて、8重量部のシリカおよび10重量部の平板アルミナが用いられた。taicは2重量部含有された。
シリカ、平板アルミナの具体的な材料は、上記実施例9、10と同様である。
[実施例14〜16]
実施例14〜16は、補強剤の種類、含有量、および架橋助剤の含有量のいずれかが、上記実施例9〜13のいずれとも異なる。
実施例14は、補強剤として、3重量部のサーマルブラックが用いられ、かつtaicが20重量部とされた例である。サーマルブラックの具体的な材料は、上記実施例10と同様である。
実施例15は、上記実施例10において、補強剤が60重量部のサーマルブラックのみに変更された例である。
実施例16は、上記実施例10においてサーマルブラックと平板アルミナとの含有量が、それぞれ5重量部および55重量部に変更された例である。
実施例5〜16の医療機器用部材の材料の評価を行うため、実施例1と同様にして、医療機器用部材が成形された。
[評価]
上記各実施例、各比較例の医療機器用部材の材料の評価は、上記の形状の成形体である医療機器用部材、または、同様の上述の本実施形態の製造方法に基づいて成形された後述の各試験片を用いて行われた。
下記[表3]に、評価項目と、評価結果を示す。
Figure 2017165841
[表3]に示すように、実施例1〜4、比較例1〜3に関しては、引き裂き強度、100%モジュラス、孔空き強度、および硬度の評価が行われた。いずれの成形体も、評価の支障となるような成形体の欠陥は見られなかった。
実施例5〜16に関しては、引張強度、成形性、および外観の評価が追加して行われ、硬度の評価は省略された。実施例1に関しては、これらと比較するため、引張強度、成形性、および外観の評価が同様にして行われた。
[評価方法]
引き裂き強度の測定は、JIS K6252[引き裂き試験]に準拠して行われた。
試験片の形状はアングル形、試験速度は500mm/minとされ、引き裂き強度として、各試験片の最大強度が測定された。
引き裂き強度が20kN/m以上であれば、引き裂き強度は合格レベルと判断された。引き裂き強度は、25kN/m以上であることがより好ましい。
100%モジュラスの測定は、JIS K6251[引張試験]に準拠して行われた。
試験片の形状はダンベル形、試験速度は500mm/minとされ、100%モジュラスとして、試験片が100%伸びた時点での応力が測定された。
100%モジュラスが4.0MPa以下であれば、100%モジュラスは合格レベルと判断された。100%モジュラスは、2.8MPa以下であることがより好ましい。
孔空き強度を評価するために、医療機器用部材の材料によって厚さ0.5mmのシート状の試験片が成形された。
孔空き強度としては、この試験片上に試験用のピン部材を種々の高さから落下させた後、試験片の孔空きの有無を判定し、孔空きの発生しない最大の落下高さ(mm)が採用された。
試験用のピン部材は、先端に半径0.75mmの鋼球を搭載した金属丸棒で構成された。この試験用のピン部材の質量は50gとされた。
孔空きの有無の確認は、試験片の片側から49kPa(0.5kgf/cm)のエアで加圧して、エア漏れが生じた場合に孔空きがあると判定された。
孔空き強度が80mm以上の落下高さであれば、孔空き強度は合格レベルと判断された。孔空き強度は、100mm以上であることがより好ましい。
硬度の測定は、JIS K6253に準拠して行われた。
JIS K6253に準拠した試験片の硬度が70ショアA未満であれば、硬度は合格レベルと判断された。
引張強度の測定は、JIS K6251に準拠して行われた。
JIS K6251に準拠した試験片の引張強度が13MPa以上であれば、合格レベルであると判断された。引張強度は、20MPa以上であることがより好ましい。
成形性は、上述のチューブ状の医療機器用部材を成形した際の流動長で判定された。
流動長が15mm以上の場合、成形性が良好([表3]には、○(good)と記載)、15mm未満の場合成形性が不良([表3]では、×(no good)と記載)と判定された。
外観の評価は目視判定で行われた。評価者は、上述のチューブ状の医療機器用部材の外観を目視して、成形体における、異物、切れ、焼け、曲がり、凹み、欠け、ブリードの有無を判定した。上述の不良が一つも見られなかった場合、外観が良好([表3]には、○(good)と記載)、一つでも有れば、外観が不良([表3]には、×(no good)と記載)と判定された。
[評価結果]
上記[表3]の記載から分かるように、実施例1〜13による成形品は、80mm以上の孔空き強度を有していた。実施例1〜13による成形品の孔空き強度はいずれも合格レベルであった。
特に、1分間半減期温度が140℃以上160℃以下の第1の有機過酸化物と、1分間半減期温度が180℃以上200℃以下の第2の有機過酸化物を含む、実施例1、3、5、6の場合、補強剤を含有しなくても、それぞれ孔空き強度が100mm、100mm、100mm、90mmのように高くなっている。
taicを架橋助剤とする実施例5、6を比べると、taicが2重量部の実施例5の方が孔空き強度が良好であった。
架橋剤の構成が同じ実施例では、実施例1、5のように、架橋助剤として2重量部のEGM、taicを含む場合、孔空き強度は100mmとなり、より好ましいレベルに達していた。
実施例6、7から分かるように、架橋助剤としてTACよりもtaicを含む実施例6の方が孔空き強度が良好になった。
実施例8のように架橋助剤を含まない場合には孔空き強度は80mmに過ぎないので、上述のように架橋助剤の種類および含有量が適切に設定されることで、孔空き強度を向上することが可能であることが分かる。架橋助剤としては、taic、EGMが優れていた。
さらに、実施例1、6、7の引き裂き強度を比較すると、それぞれ24kN/m、27kN/m、21kN/mであった。これは、架橋助剤の種類の違いであり、EGM、TACに比べて、taicを用いる方が引き裂き強度に優れていた。
実施例14から分かるように、架橋助剤は多すぎると外観が悪化する。実施例14の場合、ブリードが生じて外観が×と判定された。
実施例14は、外観が必要なボタン・チューブ、ホースなどの医療機器用部材の外観基準で判定して、焼け・凹みがあるため×となったが、これらの焼け・凹みは、例えばOリング、コネクタなどの医療機器用部材では許容できるレベルであった。
より良好な外観が必要な医療機器用部材のためには、架橋助剤の含有量は、10重量部以下であることがより好ましい。
これに対して、比較例3では、架橋剤として1種類の有機過酸化物しか含有しないため、孔空き距度が50mmと極めて低かった。これは、架橋が1回しか行われないため、架橋剤の分布および加熱時の温度分布に応じて、架橋構造が局在化したためと考えられる。
一方、比較例1、2のように、架橋剤として2種類の有機過酸化物を含む場合でも、半減期温度差がそれぞれ4.4℃、13.0℃のように小さくなっていると、孔空き強度が50mmと極めて低かった。
これは、半減期温度が20℃未満であると、第1の温度で一次架橋が行われる際に、第2の有機過酸化物による架橋反応も進行するため、一次架橋を行う際に、架橋反応がほとんど完了してしまったからであると考えられる。すなわち、2種類の有機過酸化物が含有されていても、実質的に多量の単一の有機過酸化物が含有されている場合と変わらないために、孔空き強度が劣ったと考えられる。
実施例9〜16の孔空き強度が、90mm〜150mmになったことから分かるように、補強剤を含有することによって、孔空き強度は向上する傾向があった。特に、実施例10、13では、補強剤として平板アルミナを含むことによって、150mm、130mmのように、特に優れた孔空き強度が得られた。
ただし、実施例16から分かるように、平板アルミナの含有量が多すぎると、成形性が悪化する。実施例16は、薄肉・長尺成形が必要なチューブ・ホースなどの医療機器用部材の成形性基準で判定して、流動長15mmに満たないため×となったが、例えば、ボタン、Oリング、コネクタなどの医療機器用部材では許容できるレベルであった。
より良好な成形性が必要な医療機器用部材のためには、平板アルミナの含有量は、30重量部以下とすることがより好ましい。
実施例10、11から分かるように、補強剤としてサーマルブラックを含むことで、特に引張強度が向上していた。さらに実施例14〜16を合わせて参照すると、引張強度は、サーマルブラックの含有量は多いほど向上した。ただし、実施例15のように、サーバルブラックが多すぎると、100%モジュラスが増大して柔軟性が悪くなる。実施例15では、100%モジュラスが4.0MPaを超えており、チューブ、ホースなどの医療機器用部材としては柔軟性に劣るが、例えば、柔軟性がそれほど必要でないOリング、コネクタなどの医療機器用部材では許容できる。
より良好な柔軟性が必要な医療機器用部材のためには、サーマルブラックは50重量部以下とすることがより好ましい。
実施例10は、補強剤として平板アルミナも含有しているため、引張強度と孔空き強度とが両方とも優れていた。
100%モジュラスは、二元共重合体のフッ素ゴムであるFE_Aを含有する実施例1〜4、6が、3.0MPa〜4.0MPaであった。これに対して、三元共重合体のフッ素ゴムであるFE_Bを含有する実施例5、7〜13が、1.3MPa〜2.7MPaであった。すなわち、実施例5、7〜13の方が、実施例1〜4、6に比べて成形品の柔軟性が向上している。
このように、VdF−HFP−TFE共重合体のような三元共重合体を用いることによって、共重合体の結晶性が低下するため、柔軟性が向上したと考えられる。
これに対して、比較例1、2では、100%モジュラスは、6.2MPa、4.5MPaのように特に高くなり、柔軟性が劣っていた。
これは、比較例1、2の主剤のフッ素系エラストマーがFE_Aであることに加えて、比較的低温で架橋が進行する反応性が高い有機過酸化物のみが架橋剤として用いられているためであると考えられる。反応性が高い有機過酸化物が含まれることによって、局在化した架橋構造においてそれぞれの架橋密度がより高くなるため、柔軟性が悪化したと考えられる。
このような各評価結果によれば、[表3]の「総合評価」欄に示すように、実施例1〜13は、非常に良好([表3]では◎(very good)と記載)、実施例14〜16は、良好([表3]では○(good)と記載)、比較例1〜3は、不良([表3]では×(no good)と記載)と判定された。
以上、本発明の好ましい実施形態、変形例、実施例を説明したが、本発明はこのような実施形態、変形例、実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (11)

  1. 主成分であるフッ素系エラストマーと、
    前記フッ素系エラストマーの分子同士を架橋する架橋剤と、
    を含み、
    前記架橋剤は、
    1分間半減期温度が第1の温度である第1の有機過酸化物と、1分間半減期温度が前記第1の温度より20℃以上高い第2の温度である第2の有機過酸化物とを含む、
    医療機器用部材の材料。
  2. 前記架橋剤は、
    前記第1の有機過酸化物および前記第2の有機過酸化物以外の有機過酸化物であり、かつ1分間半減期温度が前記第1の温度以下である第1群および1分間半減期温度が前記第2の温度以上である第2群のいずれかに分けられる有機過酸化物を更に含む、
    請求項1に記載の医療機器用部材の材料。
  3. 前記架橋剤には、前記第1群および前記第2群のどちらにも分けられない有機過酸化物は含まれない、
    請求項2に記載の医療機器用部材の材料。
  4. 前記第1の温度は、
    140℃以上160℃以下であり、
    前記第2の温度は、
    180℃以上200℃以下である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療機器用部材の材料。
  5. 前記フッ素系エラストマーは、
    フッ化ビニリデンを単量体として含む三元共重合体である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療機器用部材の材料。
  6. 前記フッ素系エラストマー100重量部に対して、10重量部以下の架橋助剤を含む、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療機器用部材の材料。
  7. 前記架橋助剤は、
    トリアリルイソシアヌレートである、
    請求項6に記載の医療機器用部材の材料。
  8. 前記フッ素系エラストマー100重量部に対して、50重量部以下の補強剤を含む、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の医療機器用部材の材料。
  9. 前記補強剤は、
    サーマルブラックである、
    請求項8に記載の医療機器用部材の材料。
  10. 前記補強剤は、
    平板アルミナである、
    請求項8に記載の医療機器用部材の材料。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の医療機器用部材の材料を、前記第1の温度よりも高くかつ前記第2の温度よりも低い第3の温度で加熱することによって、前記材料の一部のみを架橋することと、
    一部が架橋された前記材料を、前記第2の温度よりも高い第4の温度で加熱することによって、前記材料の少なくとも一部を架橋することと、
    を含む、医療機器用部材の製造方法。
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