JP2017163660A - 風力発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】断線検出機能を備えた風力発電システムを提供する。【解決手段】風力発電システムは、風車1と、三相交流発電機3と、電力変換装置7と、三相電力線4〜6と、制御装置15とを備える。回転速度検出器12は、風車1の回転速度を検出する。電圧検出器10は、三相交流発電機3から出力される三相交流電圧の線間電圧を検出する。制御装置15において、断線検出部20は、電圧検出器10により検出された線間電圧に基づいて三相交流発電機3の回転速度を演算する。断線検出部20は、演算された三相交流発電機3の回転速度と回転速度検出器12により検出された風車1の回転速度との整合性を判定することにより、三相交流発電機3の電機子巻線または三相電力線4〜6の断線を検出する。【選択図】図1
Description
本発明は、風力発電システムに関し、特に、風車と交流発電機とを備えた風力発電システムに関する。
風力発電システムには、風力によって回転駆動される風車と、風車によって回転駆動され、交流電力を発生する交流発電機と、交流発電機から出力される交流電力を、負荷または電力系統に供給する電力に変換する電力変換装置とを備えたものがある。このような風力発電システムでは、風車におけるブレードのピッチ角制御、および電力変換装置を用いた発電機の励磁調整によるトルク制御などを実行することにより、風車の回転速度を制御している。
上記の風力発電システムにおいて、交流発電機の回転速度が過回転になると、交流発電機が破損する虞がある。そのため、たとえば強風時に、電気式ブレーキを動作させて交流発電機の出力端子間を短絡することにより、風車に制動をかけ、風車の回転速度を低下させて過回転を防止する技術が採用されている(たとえば、特開2000−199473号公報(特許文献1)および特開2002−339856号公報(特許文献2)参照)。
しかしながら、上記の風力発電システムでは、交流発電機の電機子巻線、もしくは発電機と電力変換装置とを結ぶ電力線に断線が生じると、風車の回転速度の制御ができなくなる。また、交流発電機の出力端子間を短絡させることができないため、風車に制動がかからなくなる。この結果、風車が過回転になり、風車の破損を招く可能性がある。このような風車の過回転を防止するためには、交流発電機または電力線で生じた断線を検出する機能を備える必要がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、断線検出機能を備えた風力発電システムを提供することである。
この発明に係る風力発電システムは、風のエネルギーを回転エネルギーに変換する風車と、風車の回転エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成された交流発電機と、交流発電機が発電した交流電力を、負荷または電力系統への供給電力に変換するように構成された電力変換装置と、交流発電機の電機子巻線と電力変換装置とを結ぶ電力線と、風車の回転速度を検出する回転速度検出器と、交流発電機から電力線に出力される交流電圧を検出する電圧検出器と、回転速度検出器により検出された風車の回転速度および電圧検出器により検出された交流電圧に基づいて、電機子巻線または電力線の断線を検出するように構成された断線検出部とを備える。
この発明に係る風力発電システムによれば、断線検出機能を備えた風力発電システムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で示された構成を適宜組合せることは出願当初から予定されている。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に係る風力発電システムの構成を説明するためのブロック図である。図1を参照して、風力発電システムは、風車1と、三相交流発電機3と、電力変換装置7と、三相電力線4〜6と、制動装置9と、電圧検出器10と、回転速度検出器12と、制御装置15とを備える。
図1は、この発明の実施の形態1に係る風力発電システムの構成を説明するためのブロック図である。図1を参照して、風力発電システムは、風車1と、三相交流発電機3と、電力変換装置7と、三相電力線4〜6と、制動装置9と、電圧検出器10と、回転速度検出器12と、制御装置15とを備える。
風車1は、回転軸が水平に置かれた水平軸型(プロペラ型)風車であって、ブレード、ナセル、支柱などを含む。風車1は、ブレードにより風を受け、風のエネルギーを回転エネルギーに変換する。風車1の主軸2は三相交流発電機3の回転子に結合され、回転子を回転駆動する。なお、主軸2と回転子との間には増速機(図示せず)が接続されていてもよい。増速機は、ギヤなどで構成され、風車1の回転速度を三相交流発電機3に適した回転速度に変換(増速)する。
三相交流発電機3としては、誘導発電機、永久磁石型発電機、同期発電機、二次励磁型発電機などが利用される。三相交流発電機3の回転子の周囲には円筒形状の固定子が配置されている。回転子が回転されると、固定子の三相巻線(電機子巻線)に三相交流電力が誘起され、この発電電力が電力変換装置7へ供給される。すなわち、ブレードの回転エネルギーは、三相交流発電機3で電気エネルギーに変換された後、電力変換装置7へ供給される。
三相電力線4〜6は、三相交流発電機3の三相巻線と電力変換装置7とを結ぶ。三相電力線4〜6は、三相交流発電機3のU相巻線と電力変換装置7とを結ぶU相電力線4と、V相巻線と電力変換装置7とを結ぶV相電力線5と、W相巻線と電力変換装置7とを結ぶW相電力線6とにより構成される。
電力変換装置7は、三相交流発電機3から出力される三相交流電力を、負荷または電力系統8に供給する電力に変換する。電力変換装置7は、たとえば、コンバータと直流コンデンサとにより構成される。三相交流発電機3から供給される三相交流電力はコンバータで直流電力に変換され、直流コンデンサにより平滑されて負荷8に供給される。
あるいは、電力変換装置7は、コンバータと、インバータと、コンバータおよびインバータの間に介挿される直流コンデンサとにより構成される。三相交流発電機3から供給される三相交流電力は、コンバータによって直流電力に変換され、直流コンデンサにより平滑されてインバータへ供給される。インバータへ供給された直流電力は、電力系統8と同一周波数の交流電力へ変換されて、電力系統8へ供給される。コンバータおよびインバータは、3相ブリッジ接続された6つのスイッチング素子により構成される。スイッチング素子としては、たとえば、MOSFFT(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、GTO(Gate Turn-Off thyristor)、トランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、サイリスタなどが挙げられる。
制動装置9は、たとえば強風時に、風車1の回転を停止させる。制動装置9は、三相交流発電機3の負荷を増大させて風車1の回転速度を低下させる電気式ブレーキである。電気式ブレーキは、たとえば、三相電力線4〜6に設けられた開閉器により構成される。開閉器を閉じると、三相交流発電機3の出力端子間が短絡されて、風車1に制動がかかる。これにより、風車1の回転速度が低下するため、過回転を防止することができる。制動装置は、図示は省略するが、風車1の回転速度を機械的に低下させるディスクブレーキのような機械式ブレーキ(図示せず)をさらに含む。制動装置は、さらに、ブレードのピッチ角、ナセルの方向などを制御して風車1の回転速度を低下させる手段を含んでいても構わない。
回転速度検出器12は、風車1の回転速度を検出し、その検出値を示す信号を制御装置15に出力する。回転速度検出器12としては、たとえば、ロータリーエンコーダ、電磁ピックアップ、磁界センサ、および光センサなどを採用することができる。
制御装置15は、風力発電システム全体を制御する。制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)およびこれを動作させるプログラム、作業領域となるRAM(Random Access Memory)、不揮発性記憶部などで構成することができる。制御装置15は、風車1の回転速度を制御するための回転制御部30と、風力発電システムにおける断線を検出するための断線検出部20とを含む。
回転制御部30は、主要な制御として、風車1におけるブレードのピッチ角制御、および三相交流発電機3の励磁調整によるトルク制御を実行することができる。たとえば、回転制御部30は、予め定められた定格出力が得られるように、ブレードのピッチ角制御および/または三相交流発電機3のトルク制御を実行する。なお、定格出力は、一定値であっても、時間帯や季節などに応じた可変値であってもよい。
具体的には、回転制御部30は、風車1の回転速度に応じたフィードバック制御によって、定格出力に応じた所望の定格回転速度が得られるように、ブレードのピッチ角の調整および/または三相交流発電機3のトルク調整を実行する。
回転制御部30は、回転速度検出器12によって検出された風車1の回転速度が定格回転速度よりも低い場合には、そのときの平均風速における最大効率で発電できるように、平均風速に応じて、最適な風車1の回転速度指令値を設定する。また、風速が大きくなり、風車1の回転速度が定格回転速度に近づくと、回転制御部30は、三相交流発電機3の出力が定格出力で一定となるように、風車1の回転速度指令値を設定する。そして、回転制御部30は、設定された回転速度指令値と風車1の回転速度の検出値との偏差を比例積分演算することによって、ピッチ角指令値を生成する。
回転制御部30は、さらに、回転速度指令値と風車1の回転速度の検出値との偏差に基づいて、発電のためのトルク指令値を演算する。回転制御部30は、トルク指令値に三相交流発電機3の回転速度を乗算することで、三相交流発電機3の要求出力を求めると、この要求出力に従って電力変換装置7により、三相交流発電機3の三相巻線の励磁電流を制御する。
また、回転速度検出器12によって検出された風車1の回転速度が所定の上限値を超えた場合には、回転制御部30は、制動装置9を用いて風車1の回転速度を低下させる。回転速度の上限値は、風車1に障害が発生する回転速度よりも低い値に設定されている。回転制御部30は、開閉器を閉じて三相交流発電機3の出力端子間を短絡させる。
ここで、三相交流発電機3の三相巻線および三相電力線4〜6のいずれかにおいて断線が発生すると、電力変換装置7による励磁電流制御に基づいた三相交流発電機3のトルク制御が実行できなくなる。そのため、風車1の回転速度を適正値に制御することが困難となる。また、制動装置9では、開閉器を閉じても三相交流発電機3の出力端子間が短絡しないため、風車1に制動がかからなくなる。その結果、風車1の過回転を防止できなくなり、風車1を破損させてしまう可能性がある。
そこで、制御装置15は、上述した風車1の回転速度の制御に並行して、三相交流発電機3の三相巻線または三相電力線4〜6に生じた断線を検出する断線検出を行なう。
(断線検出)
以下、制御装置15が行なう断線検出について、図2および図3を参照して詳細に説明する。
以下、制御装置15が行なう断線検出について、図2および図3を参照して詳細に説明する。
図2は、図1における電圧検出器10および断線検出部20の構成を説明するためのブロック図である。電圧検出器10は、2つの電力線の電圧差である線間電圧を検出する。図2の例では、電圧検出器10は、U相電力線4の電圧(U相電圧Vu)およびV相電力線5の電圧(V相電圧Vv)の差であるU−V線間電圧Vuv(=Vu−Vv)を検出する。電圧検出器10は、たとえば、U相電力線4およびV相電力線5の間に直列に接続された2つの抵抗素子R1,R2と、差動増幅器16とを含む。
抵抗素子R1,R2の直列回路は分圧回路を構成する。分圧回路は、U−V線間電圧Vuvを分圧し、分圧電圧を抵抗素子R1,R2の接続ノードn1に出力する。以下では、U−V線間電圧Vuvの分圧電圧を、k1・Vuvと表記する。なお、k1は分圧回路の分圧比を表す。
差動増幅器16は、非反転(+)入力端子が接続ノードn1に接続され、反転(−)入力端子がV相電力線5に接続される。差動増幅器16は、分圧電圧k1・VuvとV相電力線5の電圧Vuとの差を増幅する。差動増幅器16の出力端子には、分圧電圧k1・Vuvに応じた値の差動電圧が出力される。
断線検出部20は、電圧検出器10によって検出された三相交流発電機3の線間電圧と、回転速度検出器12によって検出された風車1の回転速度とに基づいて、三相交流発電機3の三相巻線または三相電力線4〜6の断線を検出する。
具体的には、断線検出部20は、整流回路21と、回転速度演算部23と、判定部24とを含む。整流回路21は、たとえば、ブリッジ接続された4つのダイオードによって構成される。整流回路21は、差動増幅器16から入力される差動電圧を全波整流して回転速度演算部23へ出力する。なお、整流回路21は、必ずしも全波整流回路である必要はなく、半波整流回路であってもよい。整流回路21は、分圧電圧k1・Vuvに応じた値の差動電圧を直流電圧に変換する。すなわち、整流回路21から出力される直流電圧値は、U−V線間電圧Vuvの振幅に応じた値となる。
なお、電圧検出器10においてU−V線間電圧Vuvを分圧するのは、整流回路21にて線間電圧の振幅を検出するのに最適な大きさにするためである。したがって、線間電圧自体が振幅を検出するのに最適な大きさであれば、分圧回路は必ずしも必要ではない。この場合、U−V線間電圧Vuvを直接的に(すなわち、分圧せずに)整流回路21によって整流して直流電圧に変換することができる。
回転速度演算部23は、整流回路21から与えられる直流電圧値、すなわち、線間電圧の振幅に基づいて、三相交流発電機3の回転速度を演算する。三相交流発電機3から三相電力線4〜6に出力される交流電圧は、三相交流発電機3の回転速度に比例する。詳細には、三相交流発電機3の巻線定数をk、1極当たりの磁束をφ、三相交流発電機3の回転速度をnとすると、三相交流発電機3の誘導起電力EはE=kφnで与えられる。なお、線間起電力は√3Eとなる。
回転速度演算部23は、三相交流発電機3の線間電圧の振幅と回転速度との関係を予め求めるとともに、その関係をマップまたは関係式として記憶している。回転速度演算部23は、整流回路21から与えられる線間電圧の振幅に基づいて、上記マップまたは関係式を参照して、三相交流発電機3の回転速度を演算する。
判定部24は、回転速度演算部23によって演算された三相交流発電機3の回転速度と、回転速度検出器12によって検出された風車1の回転速度との整合性を判定する。なお、本願明細書において、「整合性」とは、対比される2つの回転速度が一致していること、もしくは、対比される2つの回転速度が所定比を有していることを意味している。また、「一致」には、完全一致のみならず、検出誤差によりずれる場合も含まれる。「所定比」は、風車1の主軸2と三相交流発電機3の回転子との間に接続された増速機の変速比で決まる値である。
図1の例では、風車1の主軸2が増速機を介さずに三相交流発電機3の回転子に結合されているため、風車1の回転速度と三相交流発電機3の回転速度とは一致する。したがって、回転速度演算部23によって演算された三相交流発電機3の回転速度も、風車1の回転速度に一致するはずである。
しかしながら、三相交流発電機3の三相巻線または三相電力線4〜6に断線が生じると、線間電圧の波形が歪むため、その振幅が変動する。その結果、線間電圧の振幅に基づいて演算される三相交流発電機3の回転速度と風車1の回転速度との間にずれが生じる。
判定部24は、回転速度演算部23によって演算された三相交流発電機3の回転速度と、回転速度検出器12によって検出された風車1の回転速度とが一致している場合、すなわち、上記2つの回転速度が整合している場合、三相交流発電機3の三相巻線および三相電力線4〜6に断線が生じていないと判断する。
これに対して、上記2つの回転速度が一致していない場合、すなわち、上記2つの回転速度が不整合である場合、判定部24は、三相交流発電機3の三相巻線および三相電力線4〜6のいずれかに断線が生じていると判断する。
判定部24は、断線が生じていると判断されると、断線検出信号DETを生成して回転制御部30へ出力する。回転制御部30は、断線検出信号DETを受けると、機械式ブレーキを制御することにより、風車1に制動をかけて風車1の回転を停止させる。これにより、三相交流発電機3による交流電力の生成が停止される。
図3は、図1における制御装置15が行なう断線検出を説明するためのフローチャートである。図3のフローチャートの処理は一定時間ごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図3を参照して、制御装置15は、ステップS10により、回転速度検出器12の出力信号に基づいて、風車1の回転速度を検出する。
続いて、制御装置15は、ステップS20により、電圧検出器10により検出された三相交流発電機3の線間電圧(たとえば、U−V線間電圧Vuv)の振幅を検出する。そして、制御装置15は、ステップS30により、検出された線間電圧の振幅に基づいて、三相交流発電機3の回転速度を演算する。
ステップS40では、制御装置15は、ステップS10で検出した風車1の回転速度と、ステップS30で演算した三相交流発電機3の回転速度との整合性を判定する。具体的には、風車1の主軸2が三相交流発電機3の回転子に直結されている場合、制御装置15は、上記2つの回転速度が一致しているか否かを判定する。一方、風車1の主軸2が増速機を介して三相交流発電機3の回転子に結合されている場合、制御装置15は、上記2つの回転速度が所定比を有しているか否かを判定する。
上記2つの回転速度が整合している場合(ステップS40のYES判定時)、制御装置15は、ステップS50により、三相交流発電機3の三相巻線および三相電力線4〜6に断線が生じていないと判断する。
これに対して、上記2つの回転速度が不整合である場合(ステップS40のNO判定時)、制御装置15は、ステップS60により、三相交流発電機3の三相巻線および三相電力線4〜6のいずれかに断線が生じていると判断する。制御装置15は、ステップS70により、機械式ブレーキを制御することにより、風車1に制動をかけて風車1の回転を停止させる。
実施の形態1に係る風力発電システムによれば、三相交流発電機から三相電力線に出力される交流電圧と、回転速度検出器によって検出された風車の回転速度とに基づいて、三相交流発電機の三相巻線または三相電力線に生じた断線を検出することができる。これによれば、断線が検出されると、風車の回転を停止させることができるため、風車の回転速度が制御不能となることによって風車が過回転になることを未然に防止することができる。
ここで、上記のように、三相交流発電機3の三相巻線または三相電力線4〜6に断線が生じると、三相交流発電機3から出力される三相交流電圧の線間電圧の振幅が変動するため、この線間電圧の振幅を監視することで断線を検出することも可能である。
しかしながら、一方で、線間電圧の振幅は、三相交流発電機3の回転速度、ひいては、風車1の回転速度に比例するため、風車1の回転速度が変動すると線間電圧の振幅も変動する。したがって、線間電圧の振幅が変動した場合において、その変動が断線によるものか、あるいは、風車1の回転速度の変動によるものかを判別できず、結果的に断線を正確に検出することが困難となる。
これに対して、上記の実施の形態1では、回転速度検出器12によって検出された風車1の回転速度と、線間電圧の振幅から演算された三相交流発電機3の回転速度との整合性を判定する。これによれば、たとえば、風車1が回転しているにもかかわらず、その回転速度に応じた交流電圧が三相交流発電機3から出力されていない場合には、風車1の回転速度と三相交流発電機3の回転速度とが不整合となるため、三相交流発電機3の三相巻線または三相電力線4〜6に断線が生じていると判断される。
一方、風車1の回転速度が変動した場合であっても、風車1の回転速度と整合性を保って三相交流発電機3の回転速度が変動していれば、三相巻線および三相電力線4〜6に断線が生じていないと判断される。したがって、風車1の回転速度の変動に起因して線間電圧の振幅が変動した場合に、誤って断線と判断されることを防止することができる。
[実施の形態2]
図4は、この発明の実施の形態2に係る風力発電システムの構成を説明するためのブロック図であって、図1と対比される図である。図4を参照して、風力発電システムは、風車1Aと、三相交流発電機3と、電力変換装置7と、三相電力線4〜6と、制動装置9と、電圧検出器10と、回転速度検出器12と、制御装置15とを備える。風車1Aは、回転軸が垂直に置かれた垂直軸型風車であって、ブレード、ナセル、支柱などを含む。
図4は、この発明の実施の形態2に係る風力発電システムの構成を説明するためのブロック図であって、図1と対比される図である。図4を参照して、風力発電システムは、風車1Aと、三相交流発電機3と、電力変換装置7と、三相電力線4〜6と、制動装置9と、電圧検出器10と、回転速度検出器12と、制御装置15とを備える。風車1Aは、回転軸が垂直に置かれた垂直軸型風車であって、ブレード、ナセル、支柱などを含む。
制御装置15は、風車1Aの回転速度の制御に並行して、三相交流発電機3の三相巻線または三相電力線4〜6に生じた断線を検出する断線検出を行なう。
(断線検出)
以下、実施の形態2に係る風力発電システムにおける制御装置15が行なう断線検出について、図5を参照して詳細に説明する。
以下、実施の形態2に係る風力発電システムにおける制御装置15が行なう断線検出について、図5を参照して詳細に説明する。
図5は、図4における電圧検出器10および断線検出部20の構成を説明するためのブロック図であって、図2と対比される図である。実施の形態2に係る風力発電システムにおける断線検出部20は、図2に示した断線検出部20に対して、整流回路21に代えて、周波数検出器25を含む点が異なる。
図5を参照して、周波数検出器25は、電圧検出器10内の差動増幅器16から入力される差動電圧に基づいて、三相交流発電機3における線間電圧の周波数を検出する。たとえば、周波数検出器25は、線間電圧の極性が正から負へ反転するタイミングの時間間隔から線間電圧の周波数を算出する。
回転速度演算部23は、周波数検出器25から与えられる線間電圧の周波数に基づいて、三相交流発電機3の回転速度を演算する。三相交流発電機3から三相電力線4〜6に出力される交流電圧の周波数をf、三相交流発電機3の磁極数をPとすると、三相交流発電機3の回転速度nはn=120f/Pで与えられる。
回転速度演算部23は、三相交流発電機3の線間電圧の周波数と回転速度との関係を予め求めるとともに、その関係をマップまたは関係式として記憶している。回転速度演算部23は、周波数検出器25から与えられる線間電圧の周波数に基づいて、上記マップまたは関係式を参照して、三相交流発電機3の回転速度を演算する。
判定部24は、回転速度演算部23によって演算された三相交流発電機3の回転速度と、回転速度検出器12によって検出された風車1の回転速度との整合性を判定する。
三相交流発電機3の三相巻線または三相電力線4〜6に断線が生じると、線間電圧の波形が歪むため、その周波数が変動する。その結果、線間電圧の周波数に基づいて演算される三相交流発電機3の回転速度と風車1の回転速度との間にずれが生じる。
判定部24は、回転速度演算部23によって演算された三相交流発電機3の回転速度と、回転速度検出器12によって検出された風車1の回転速度とが一致している場合、すなわち、上記2つの回転速度が整合している場合、三相交流発電機3の三相巻線および三相電力線4〜6に断線が生じていないと判断する。
これに対して、上記2つの回転速度が一致していない場合、すなわち、上記2つの回転速度が不整合である場合、判定部24は、三相交流発電機3の三相巻線および三相電力線4〜6のいずれかに断線が生じていると判断する。
判定部24は、断線が生じていると判断されると、断線検出信号DETを生成して回転制御部30へ出力する。回転制御部30は、断線検出信号DETを受けると、機械式ブレーキを制御することにより、風車1に制動をかけて風車1の回転を停止させる。これにより、三相交流発電機3による交流電力の生成が停止される。
図6は、図4における制御装置15が行なう断線検出を説明するためのフローチャートである。図6のフローチャートの処理は一定時間ごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図6を参照して、制御装置15は、ステップS10により、回転速度検出器12の出力信号に基づいて、風車1の回転速度を検出する。
続いて、制御装置15は、ステップS21により、電圧検出器10により検出された三相交流発電機3の線間電圧(たとえば、U−V線間電圧Vuv)の周波数を検出する。そして、制御装置15は、ステップS31により、検出された線間電圧の周波数に基づいて、三相交流発電機3の回転速度を演算する。
ステップS40では、制御装置15は、ステップS10で検出した風車1の回転速度と、ステップS31で演算した三相交流発電機3の回転速度との整合性を判定する。上記2つの回転速度が整合している場合(ステップS40のYES判定時)、制御装置15は、ステップS50により、三相交流発電機3の三相巻線および三相電力線4〜6に断線が生じていないと判断する。これに対して、上記2つの回転速度が不整合である場合(ステップS40のNO判定時)、制御装置15は、ステップS60により、三相交流発電機3の三相巻線および三相電力線4〜6のいずれかに断線が生じていると判断する。制御装置15は、ステップS70により、機械式ブレーキを制御することにより、風車1に制動をかけて風車1の回転を停止させる。
実施の形態2に係る風力発電システムによっても、三相交流発電機から三相電力線に出力される交流電圧と、回転速度検出器によって検出された風車の回転速度とに基づいて、三相交流発電機の三相巻線または三相電力線に生じた断線を検出することができるため、実施の形態1に係る風力発電システムと同様の効果が得られる。
なお、上記の実施の形態1および2では、三相交流発電機3から出力される三相交流電圧の線間電圧の振幅または周波数に基づいて三相交流発電機3の回転速度を演算する構成について説明したが、三相交流電圧の任意の相電圧の振幅または周波数に基づいて三相交流発電機3の回転速度を演算する構成としても、同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態1では、水平軸型風車を用いた風力発電システムを例示し、実施の形態2では、垂直軸型風車を用いた風力発電システムを例示したが、本発明に従う風力発電システムに適用される風車は、これらに限定されるものではないことを確認的に記載する。
さらに、上記の実施の形態1および2では、風力発電システムにおける断線検出について説明したが、この発明は水力発電システムにも適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A 風車、2 主軸、3 三相交流発電機、4 U相電力線、5 V相電力線、6 W相電力線、7 電力変換装置、8 負荷または電力系統、9 制動装置、10 電圧検出器、12 回転速度検出器、15 制御装置、16 差動増幅器、20 断線検出部、21 整流回路、23 回転速度演算部、24 判定部、25 周波数検出器、30 回転制御部、R1,R2 抵抗素子。
Claims (3)
- 風のエネルギーを回転エネルギーに変換する風車と、
前記風車の前記回転エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成された交流発電機と、
前記交流発電機が発電した交流電力を、負荷または電力系統への供給電力に変換するように構成された電力変換装置と、
前記交流発電機の電機子巻線と前記電力変換装置とを結ぶ電力線と、
前記風車の回転速度を検出する回転速度検出器と、
前記交流発電機から前記電力線に出力される交流電圧を検出する電圧検出器と、
前記回転速度検出器により検出された前記風車の回転速度および前記電圧検出器により検出された前記交流電圧に基づいて、前記電機子巻線または前記電力線の断線を検出するように構成された断線検出部とを備える、風力発電システム。 - 前記断線検出部は、
前記電圧検出器により検出された前記交流電圧に基づいて、前記交流発電機の回転速度を演算する演算部と、
前記演算部により演算された前記交流発電機の回転速度と、前記風車の回転速度との整合性を判定する判定部とを含み、
前記判定部は、前記交流発電機の回転速度と前記風車の回転速度とが不整合と判定されたときに、前記断線を検出する、請求項1に記載の風力発電システム。 - 前記演算部は、前記交流電圧の振幅または周波数に基づいて、前記交流発電機の回転速度を演算する、請求項2に記載の風力発電システム。
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WO2022196687A1 (ja) * | 2021-03-19 | 2022-09-22 | Ntn株式会社 | 発電システムの制御装置 |
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- 2016-03-08 JP JP2016044495A patent/JP2017163660A/ja active Pending
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