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JP2017149295A - 駐車ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンス時に、作業者の作業を増やすことなく、操作スイッチの故障の判断を行うことができる駐車ブレーキ制御装置を提供する。
【解決手段】駐車ブレーキ制御装置71の判定部73は、駐車ブレーキスイッチ31の操作(アプライ操作、リリース操作)の検出とスイッチ故障の検出を行う。駐車ブレーキ制御装置71の判定部73、警告報知部74および作動報知部75は、車両状態が通常モードのときに、スイッチ故障が検出されると、警告灯81を点灯させ、かつ、駐車ブレーキスイッチ31が操作されたときに作動灯82を点滅させる。また、駐車ブレーキ制御装置71の判定部73、警告報知部74および作動報知部75は、車両状態が通常モード以外の他のモードのときに、スイッチ故障が検出されると、警告灯81を点灯させ、かつ、駐車ブレーキスイッチ31の操作に拘わらず作動灯82を点滅させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両に好適に用いられる駐車ブレーキ制御装置に関する。
自動車等の車両に設けられる電動駐車ブレーキは、運転者の操作スイッチの操作に基づいて、制動力(駐車ブレーキ)の付与(制動作動)と解除(制動解除)が行われる。特許文献1には、操作スイッチの故障を検出すると、運転者のスイッチ操作と電動モータの作動状態とが不一致のときに警告ランプを点灯させ、一致のときは警告ランプを消灯させる技術が記載されている。
特開2010−143273号公報
特許文献1の技術によれば、操作スイッチが故障しているか否かを判断するためには、操作スイッチを操作する必要があり、電動駐車ブレーキのメンテナンス時に作業者の作業が増える。
本発明の目的は、メンテナンス時に作業者の作業を増やすことなく、操作スイッチの故障の判断を行うことができる駐車ブレーキ制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明による駐車ブレーキ制御装置は、電動駐車ブレーキ機構の動作を指示する操作スイッチの操作を検出する操作検出手段と、前記操作検出手段から検出される操作と前記操作スイッチの操作に対する前記電動ブレーキ機構の動作とが異なるスイッチ故障を含む前記駐車ブレーキ機構の故障を検出する故障検出手段と、を有し、車両状態が、前記車両を走行させるための通常モードである場合に前記故障検出手段により前記スイッチ故障が検出されるとき、第1の報知を行い、前記車両状態が、前記通常モード以外の他モードである場合に前記第1の報知とは異なる第2の報知を行う。
本発明の駐車ブレーキ制御装置は、通常モードと他のモードとで異なる報知を行うため、メンテナンス時に作業者の作業を増やすことなく、操作スイッチの故障の判断を行うことができる。
実施形態による駐車ブレーキスイッチおよび駐車ブレーキ制御装置が搭載された車両の概念図。 不操作態様の駐車ブレーキスイッチおよび駐車ブレーキ制御装置を示す回路図。 制動作動態様の駐車ブレーキスイッチを示す回路図。 制動解除態様の駐車ブレーキスイッチを示す回路図。 図2中の駐車ブレーキ制御装置の判定部による制御処理を示す流れ図。 正常時および断線時における駐車ブレーキスイッチの操作態様と電圧との関係を一覧表として示す説明図。
以下、実施形態による駐車ブレーキ制御装置について、4輪自動車に搭載した場合を例に挙げ、添付図面に従って説明する。なお、図5に示す流れ図の各ステップは、それぞれ「S」という表記を用い、例えばステップ1を「S1」として示すものとする。
図1において、車両のボディを構成する車体1の下側(路面側)には、例えば左右の前輪2(FL,FR)と左右の後輪3(RL、RR)とからなる合計4個の車輪が設けられている。車輪(各前輪2、各後輪3)は、車体1と共に車両を構成する。車両には、制動力を付与するためのブレーキ装置(ブレーキシステム)が搭載されている。以下、車両のブレーキ装置について説明する。
前輪2および後輪3には、それぞれの車輪(各前輪2、各後輪3)と共に回転する回転部材(被制動部材)としてのディスクロータ4が設けられている。前輪2用のディスクロータ4は、液圧式のディスクブレーキである前輪側ディスクブレーキ5により制動力が付与される。後輪3用のディスクロータ4は、電動駐車ブレーキ機能付の液圧式のディスクブレーキである後輪側ディスクブレーキ6により制動力が付与される。これにより、各車輪(各前輪2、各後輪3)のそれぞれに対して相互に独立して制動力が付与される。
左右の後輪3に対応してそれぞれ設けられた一対(一組)の後輪側ディスクブレーキ6は、それぞれが電動駐車ブレーキ機構である。後輪側ディスクブレーキ6は、後述の駐車ブレーキ制御装置71と共に電動ブレーキシステム(電動駐車ブレーキシステム)を構成している。後輪側ディスクブレーキ6は、例えば、ディスクロータ4に当接可能に配置される摩擦部材(制動部材)としての(一対の)ブレーキパッド(図示せず)と、該ブレーキパッドをブレーキペダル9の操作に基づいて押圧部材となるピストン6Aで推進するキャリパ(ホイールシリンダ)6Bとを含んで構成されている。
さらに、後輪側ディスクブレーキ6には、ピストン6Aを推進する電動モータ7と、電動モータ7により推進したピストン6Aを保持する回転直動変換機構(例えば、スピンドルナット機構)等の押圧部材保持機構8とが設けられている。後輪側ディスクブレーキ6は、ブレーキペダル9の操作等に基づいて発生する液圧(ブレーキ液圧)によりピストン6Aを推進させ、ブレーキパッドでディスクロータ4を押圧することにより、車輪(後輪3)延いては車両に制動力を付与する。これに加えて、後輪側ディスクブレーキ6は、後述するように、駐車ブレーキスイッチ31からの信号等に基づく作動要求に応じて、電動モータ7により押圧部材保持機構8を介してピストン6Aを推進させ、車両に制動力(駐車ブレーキないし補助ブレーキ)を付与する。
これに対し、左右の前輪2に対応してそれぞれ設けられた一対(一組)の前輪側ディスクブレーキ5は、駐車ブレーキの動作に関連する機構を除いて、後輪側ディスクブレーキ6とほぼ同様に構成されている。即ち、前輪側ディスクブレーキ5は、駐車ブレーキの作動、解除を行うための電動モータ7、押圧部材保持機構8等を備えていない。しかし、前輪側ディスクブレーキ5は、ブレーキペダル9の操作等に基づいて発生する液圧によりピストン6Aを推進させ、車輪(前輪2)延いては車両に制動力を付与する点で、後輪側ディスクブレーキ6と同様である。
なお、前輪側ディスクブレーキ5は、後輪側ディスクブレーキ6と同様に、電動駐車ブレーキ機能付のディスクブレーキとしてもよい。また、実施形態では、電動駐車ブレーキ機構として、電動モータ7を備えた液圧式のディスクブレーキ6を用いている。しかし、これに限定されず、電動駐車ブレーキ機構は、例えば、電動キャリパを備えた電動式ディスクブレーキ、電動モータによりシューをドラムに押付けて制動力を付与する電動式ドラムブレーキ、電動ドラム式の駐車ブレーキを備えたディスクブレーキ、電動モータでケーブルを引っ張ることにより駐車ブレーキをアプライ作動させる構成等を用いてもよい。即ち、電動駐車ブレーキ機構は、電動モータ(電動アクチューエータ)の駆動に基づいて摩擦部材(パッド、シュー)を回転部材(ロータ、ドラム)に押圧(推進)し、その押圧力の保持と解除とを行うことができる構成であれば、各種の電動ブレーキ機構を用いることができる。
車体1のフロントボード側には、ブレーキペダル9が設けられている。ブレーキペダル9は、車両のブレーキ操作時に運転者によって踏込み操作され、この操作に基づいて各ディスクブレーキ5,6は、常用ブレーキ(サービスブレーキ)としての制動力の付与および解除が行われる。ブレーキペダル9には、ブレーキランプスイッチ、ペダルスイッチ、ペダルストロークセンサ等のブレーキ操作検出センサ(ブレーキセンサ)10が設けられている。
ブレーキ操作検出センサ10は、ブレーキペダル9の踏込み操作の有無、または、その操作量を検出し、その検出信号を液圧供給装置用コントロールユニット17に出力する。ブレーキ操作検出センサ10の検出信号は、例えば、車両データバス20、または、液圧供給装置用コントロールユニット17と駐車ブレーキ制御装置71とを接続する信号線(図示せず)を介して伝送される(駐車ブレーキ制御装置71に出力される)。
ブレーキペダル9の踏込み操作は、倍力装置11を介して、油圧源として機能するマスタシリンダ12に伝達される。倍力装置11は、ブレーキペダル9とマスタシリンダ12との間に設けられた負圧ブースタまたは電動ブースタとして構成され、ブレーキペダル9の踏込み操作時に踏力を増力してマスタシリンダ12に伝える。
このとき、マスタシリンダ12は、マスタリザーバ13から供給されるブレーキ液により液圧を発生させる。マスタリザーバ13は、ブレーキ液が収容された作動液タンクにより構成されている。ブレーキペダル9により液圧を発生する機構は、上記の構成に限られるものではなく、ブレーキペダル9の操作に応じて液圧を発生する機構、例えば、ブレーキバイワイヤ方式の機構等であってもよい。
マスタシリンダ12内に発生した液圧は、例えば一対のシリンダ側液圧配管14A,14Bを介して、液圧供給装置15(以下、ESC15という)に送られる。ESC15は、各ディスクブレーキ5,6とマスタシリンダ12との間に配置され、マスタシリンダ12からの液圧をブレーキ側配管部16A,16B,16C,16Dを介して各ディスクブレーキ5,6に分配する。これにより、車輪(各前輪2、各後輪3)のそれぞれに対して相互に独立して制動力を付与する。この場合、ESC15は、ブレーキペダル9の操作量に従わない態様でも、各ディスクブレーキ5,6に液圧を供給すること、即ち、各ディスクブレーキ5,6の液圧を高めることができる。
このために、ESC15は、例えばマイクロコンピュータ等によって構成される専用の制御装置、即ち、液圧供給装置用コントロールユニット17(以下、コントロールユニット17という)を有している。コントロールユニット17は、ESC15の各制御弁(図示せず)を開,閉したり、液圧ポンプ用の電動モータ(図示せず)を回転,停止させたりする駆動制御を行うことにより、ブレーキ側配管部16A〜16Dから各ディスクブレーキ5,6に供給されるブレーキ液圧を増圧、減圧または保持する制御を行う。これにより、種々のブレーキ制御、例えば、倍力制御、制動力分配制御、ブレーキアシスト制御、アンチロックブレーキ制御(ABS)、トラクション制御、車両安定化制御(横滑り防止を含む)、坂道発進補助制御、自動運転制御等が実行される。
コントロールユニット17には、車両電源となるバッテリ18からの電力が、電源ライン19を通じて給電される。図1に示すように、コントロールユニット17は、車両データバス20に接続されている。なお、ESC15の代わりに、公知のABSユニットを用いることも可能である。さらに、ESC15を設けずに(即ち、省略し)、マスタシリンダ12とブレーキ側配管部16A〜16Dとを直接的に接続することも可能である。
車両データバス20は、車体1に搭載されたシリアル通信部としてのCAN(Controller Area Network)を構成している。車両データバス20は、車両に搭載された多数の電子機器(例えば、各種のECU)、コントロールユニット17および駐車ブレーキ制御装置71等との間で車両内での多重通信を行う。この場合、車両データバス20に送られる車両情報としては、例えば、ブレーキ操作検出センサ10、マスタシリンダ液圧(ブレーキ液圧)を検出する圧力センサ21、イグニッションスイッチ、シートベルトセンサ、ドアロックセンサ、ドア開センサ、着座センサ、車速センサ、操舵角センサ、アクセルセンサ(アクセル操作センサ)、スロットルセンサ、エンジン回転センサ、ステレオカメラ、ミリ波レーダ、勾配センサ、シフトセンサ、加速度センサ、車輪速センサ、車両のピッチ方向の動きを検知するピッチセンサ等からの検出信号による情報(車両情報)が挙げられる。さらに、後述するように、車両状態に対応する車両モード(車両制御モード)の情報(現在の車両モードが通常モード、メンテナンスモード、車検モード、テストモードの何れであるかの情報)を、車両データバス20を介して取得することができる。
次に、駐車ブレーキスイッチ31および駐車ブレーキ制御装置71について説明する。
車体1内には、運転席(図示せず)の近傍となる位置に、操作スイッチとしての駐車ブレーキスイッチ(PKBSW)31が設けられている。駐車ブレーキスイッチ31は、運転者によって操作される操作指示部となるものである。駐車ブレーキスイッチ31は、運転者の操作指示に応じた駐車ブレーキの作動要求(保持要求となるアプライ要求、解除要求となるリリース要求)に対応する信号(作動要求信号)を、駐車ブレーキ制御装置71へ伝達する。即ち、駐車ブレーキスイッチ31は、電動モータ7の駆動(回転)に基づいてピストン6A延いてはブレーキパッドをアプライ作動(保持作動)またはリリース作動(解除作動)させるための作動要求信号(保持要求信号となるアプライ要求信号、解除要求信号となるリリース要求信号)を、コントロールユニット(コントローラ)となる駐車ブレーキ制御装置71に出力する。
運転者により駐車ブレーキスイッチ31が制動側(アプライ側)に操作されたとき、即ち、車両に制動力を付与するためのアプライ要求(保持要求、駆動要求)があったときは、駐車ブレーキスイッチ31からアプライ要求信号が出力される。この場合は、後輪側ディスクブレーキ6の電動モータ7に、該電動モータ7を制動側に回転させるための電力が、駐車ブレーキ制御装置71を介して給電される。このとき、押圧部材保持機構8は、電動モータ7の回転に基づいてピストン6Aをディスクロータ4側に推進(押圧)し、推進したピストン6Aを保持する。これにより、後輪側ディスクブレーキ6は、駐車ブレーキ(ないし補助ブレーキ)としての制動力が付与された状態、即ち、アプライ状態(保持状態)となる。
一方、運転者により駐車ブレーキスイッチ31が制動解除側(リリース側)に操作されたとき、即ち、車両の制動力を解除するためのリリース要求(解除要求)があったときは、駐車ブレーキスイッチ31からリリース要求信号が出力される。この場合は、後輪側ディスクブレーキ6の電動モータ7に、該電動モータ7を制動側とは逆方向に回転させるための電力が、駐車ブレーキ制御装置71を介して給電される。このとき、押圧部材保持機構8は、電動モータ7の回転によりピストン6Aの保持を解除する(ピストン6Aによる押圧力を解除する)。これにより、後輪側ディスクブレーキ6は、駐車ブレーキ(ないし補助ブレーキ)としての制動力の付与が解除された状態、即ち、リリース状態(解除状態)となる。
駐車ブレーキは、例えば車両が所定時間停止したとき(例えば、走行中に減速に伴って、車速センサの検出速度が4km/h未満の状態が所定時間継続したときに停止と判断)、エンジンが停止したとき、シフトレバーをPに操作したとき、ドアが開いたとき、シートベルトが解除されたとき等、駐車ブレーキ制御装置71での駐車ブレーキのアプライ判断ロジックによる自動的なアプライ要求に基づいて、自動的に付与(オートアプライ)する構成とすることができる。また、駐車ブレーキは、例えば車両が走行したとき(例えば、停車から増速に伴って、車速センサの検出速度が5km/h以上の状態が所定時間継続したときに走行と判断)、アクセルペダルが操作されたとき、クラッチペダルが操作されたとき、シフトレバーがP、N以外に操作されたとき等、駐車ブレーキ制御装置71での駐車ブレーキのリリース判断ロジックによる自動的なリリース要求に基づいて、自動的に解除(オートリリース)する構成とすることができる。オートアプライ、オートリリースは、駐車ブレーキスイッチ31が故障したときに、自動的に制動力の付与または解除を行うスイッチ故障時補助機能として構成することができる。
さらに、車両の走行時に駐車ブレーキスイッチ31によるアプライ要求があった場合、より具体的には、走行中に緊急的に駐車ブレーキを補助ブレーキとして用いる等の動的駐車ブレーキ(動的アプライ)の要求があった場合も、駐車ブレーキ制御装置71は、駐車ブレーキスイッチ31の操作に応じて制動力の付与と解除を行う。例えば、駐車ブレーキ制御装置71は、駐車ブレーキスイッチ31が制動側に操作されている間(制動側への操作が継続している間)制動力を付与し、その操作が終了すると制動力の付与を解除する。このとき、駐車ブレーキ制御装置71は、車輪(各後輪3)の状態、即ち、車輪がロック(スリップ)しているか否かに応じて、自動的に制動力の付与と解除(ABS制御)とを行う構成とすることができる。
駐車ブレーキ制御装置71は、左右一対の後輪側ディスクブレーキ6,6と共に電動ブレーキシステム(電動駐車ブレーキシステム)を構成している。駐車ブレーキ制御装置71には、バッテリ18からの電力が電源ライン19を通じて給電される。駐車ブレーキ制御装置71は、後輪側ディスクブレーキ6,6の電動モータ7,7を制御し、車両の駐車、停車時(必要に応じて走行時)に制動力(駐車ブレーキ、補助ブレーキ)を発生させる。即ち、駐車ブレーキ制御装置71は、左右の電動モータ7,7を駆動することにより、ディスクブレーキ6,6を駐車ブレーキ(必要に応じて補助ブレーキ)として作動(アプライ・リリース)させる。
このために、駐車ブレーキ制御装置71は、入力側が駐車ブレーキスイッチ31に接続され、出力側は各ディスクブレーキ6,6の電動モータ7,7に接続されている。駐車ブレーキ制御装置71は、運転者の駐車ブレーキスイッチ31の操作による作動要求(アプライ要求、リリース要求)、駐車ブレーキのアプライ・リリースの判断ロジックによる作動要求、ABS制御による作動要求に基づいて、左右の電動モータ7,7を駆動し、左右のディスクブレーキ6,6のアプライ(保持)またはリリース(解除)を行う。
このとき、後輪側ディスクブレーキ6では、各電動モータ7の駆動に基づいて、押圧部材保持機構8によるピストン6Aおよびブレーキパッドの保持または解除が行われる。このように、駐車ブレーキ制御装置71は、ピストン6A(延いてはブレーキパッド)の保持作動(アプライ)または解除作動(リリース)のための作動要求信号に応じて、ピストン6A(延いてはブレーキパッド)を推進するべく電動モータ7を駆動制御する。
駐車ブレーキ制御装置71には、駐車ブレーキスイッチ31に加え、車両データバス20が接続されている。車両データバス20からは、駐車ブレーキの制御(作動)に必要な車両の各種状態量、即ち、各種車両情報を取得することができる。なお、車両データバス20から取得する車両情報は、その情報を検出するセンサを駐車ブレーキ制御装置71に直接接続することにより取得する構成としてもよい。
また、駐車ブレーキ制御装置71は、車両データバス20に接続された他の制御装置(例えばコントロールユニット17)から前述の判断ロジックやABS制御に基づく作動要求が入力されるように構成してもよい。この場合は、前述の判断ロジックによる駐車ブレーキのアプライ・リリースの判定やABSの制御を、駐車ブレーキ制御装置71に代えて、他の制御装置、例えばコントロールユニット17で行う構成とすることができる。即ち、コントロールユニット17に駐車ブレーキ制御装置71の制御内容を統合することが可能である。
駐車ブレーキ制御装置71は、例えばフラッシュメモリ、ROM、RAM、EEPROM等からなる記憶部としてのメモリ71Aを備えている。メモリ71Aには、前述の駐車ブレーキのアプライ・リリースの判断ロジックやABSの制御のプログラムが格納されている。これに加え、メモリ71Aには、後述の図5に示す処理フローを実行するための処理プログラム、即ち、駐車ブレーキスイッチ31のスイッチ故障を報知するための処理プログラムが格納されている。また、メモリ71Aには、後述の図6に示す駐車ブレーキスイッチ31の操作判定表、即ち、正常時(通常時)および故障時(断線時)における駐車ブレーキスイッチ31の操作態様と駐車ブレーキスイッチ31から出力される電圧との関係の一覧表(に対応する情報)が格納されている。また、メモリ71Aには、後輪側ディスクブレーキ6のステータス情報、即ち、後輪側ディスクブレーキ6がアプライ状態であるかリリース状態であるかが、その状態(ステータス)が変更となる毎に記憶される。
さらに、駐車ブレーキ制御装置71は、運転席の近傍に設けられた警告灯81、作動灯82およびスイッチ操作灯83と接続している。これら警告灯81、作動灯82およびスイッチ操作灯83については、後で説明する。
なお、実施形態では、駐車ブレーキ制御装置71をESC15のコントロールユニット17と別体としたが、駐車ブレーキ制御装置71をコントロールユニット17と一体に構成してもよい。また、駐車ブレーキ制御装置71は、左右で2つの後輪側ディスクブレーキ6,6を制御するようにしているが、左右の後輪側ディスクブレーキ6,6毎に設けるようにしてもよく、この場合には、それぞれの駐車ブレーキ制御装置71を後輪側ディスクブレーキ6に一体的に設けることもできる。
実施形態による4輪自動車のブレーキ装置(ブレーキシステム)は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
車両の運転者がブレーキペダル9を踏込み操作すると、その踏力が倍力装置11を介してマスタシリンダ12に伝達され、マスタシリンダ12によってブレーキ液圧が発生する。マスタシリンダ12内で発生したブレーキ液圧は、シリンダ側液圧配管14A,14B、ESC15およびブレーキ側配管部16A,16B,16C,16Dを介して各ディスクブレーキ5,6に分配され、左右の前輪2と左右の後輪3とにそれぞれ制動力が付与される。
この場合、各ディスクブレーキ5,6では、キャリパ6B内のブレーキ液圧の上昇に従ってピストン6Aがブレーキパッドに向けて摺動的に変位し、ブレーキパッドがディスクロータ4に押し付けられる。これにより、ブレーキ液圧に基づく制動力が付与される。一方、ブレーキ操作が解除されたときには、キャリパ6B内へのブレーキ液圧の供給が停止されることにより、ピストン6Aがディスクロータ4から離れる(後退する)ように変位する。これによって、ブレーキパッドがディスクロータ4から離間し、車両は非制動状態に戻される。
次に、車両の運転者が駐車ブレーキスイッチ31を制動側(アプライ側)に操作したときは、駐車ブレーキ制御装置71から後輪側ディスクブレーキ6の電動モータ7に給電が行われ、電動モータ7が回転駆動される。後輪側ディスクブレーキ6では、電動モータ7の回転運動が押圧部材保持機構8により直線運動に変換され、ピストン6Aが推進する。これにより、ブレーキパッドによりディスクロータ4が押圧される。このとき、押圧部材保持機構8は、例えば、螺合による摩擦力(保持力)により制動状態を保持し、後輪側ディスクブレーキ6は、駐車ブレーキとして作動(アプライ)される。即ち、電動モータ7への給電を停止した後にも、押圧部材保持機構8により、ピストン6Aは制動位置に保持される。
一方、運転者が駐車ブレーキスイッチ31を制動解除側(リリース側)に操作したときには、駐車ブレーキ制御装置71から電動モータ7に対してモータが逆転するように給電され、電動モータ7が駐車ブレーキの作動時(アプライ時)と逆方向に回転される。このとき、押圧部材保持機構8による制動力の保持が解除され、ピストン6Aがディスクロータ4から離れる(退避する)方向に変位することが可能になる。これにより、後輪側ディスクブレーキ6は、駐車ブレーキとしての作動が解除(リリース)される。
次に、駐車ブレーキスイッチ31について、図1に加え、図2、図3、図4および図6も参照しつつ説明する。
駐車ブレーキスイッチ31は、電動駐車ブレーキ機構としての後輪側ディスクブレーキ6の動作を指示する操作スイッチである。具体的には、駐車ブレーキスイッチ31は、電動駐車ブレーキ機構の動作として、不操作態様、制動作動態様、および、制動解除態様を指示するものである。駐車ブレーキスイッチ31は、運転者が操作する操作部32と、操作部32の操作が入力される入力装置33とを含んで構成されている。
駐車ブレーキスイッチ31の操作部32は、作動指示側操作部32Aと、解除指示側操作部32Bとを備えている。運転者が操作部32を操作していないときは、図2に示す不操作態様の状態が維持される。駐車ブレーキをアプライ(保持)する場合(リリース状態からアプライ状態にする場合)、運転者は、作動指示側操作部32Aを指で押し(押し下げ)、操作部32を、図2に示す不操作態様から図3に示す制動作動態様に操作する。運転者が作動指示側操作部32Aから指を離すと、操作部32は、図示しないばね等の弾性力に基づいて、図2に示す不操作態様の位置に戻る。
一方、駐車ブレーキをリリース(解除)する場合(アプライ状態からリリース状態にする場合)、運転者は、解除指示側操作部32Bを指で押し(押し下げ)、操作部32を、図2に示す不操作態様から図4に示す解除作動態様に操作する。運転者が解除指示側操作部32Bから指を離すと、操作部32は、図示しないばね等の弾性力に基づいて、図2に示す不操作態様の位置に戻る。なお、操作部32の構成は、図示の構成に限らず、例えば、駐車ブレーキをアプライするときに作動指示側操作部を指で引き、駐車ブレーキをリリースするときに作動指示側操作部を指で押す構成としてもよい。即ち、駐車ブレーキスイッチの操作部の構成は、車両の仕様、取付位置、操作性等に応じて各種の構成を採用することができる。
駐車ブレーキスイッチ31の入力装置33は、2つの入力端子34,35と、2つの出力端子38,39と、4つの抵抗配線46,47,48,49と、2つで一体の第1の切換子54,55と、2つで一体の第2の切換子58,59とを有している。
2つの入力端子34,35には、それぞれ車両電源となるバッテリ18が電源ライン19および図示しない電源変換回路を介して接続されている。この場合、各入力端子34,35には、互いに異なる電圧が供給される。具体的には、図面に「P1」を付した一方の入力端子34(以下、第1の入力端子34という)には、2本の入力線36,37のうちの一方の入力線36(以下、第1の入力線36という)を介して、入力電圧V1が入力される。図面に「P2」を付した他方の入力端子35(以下、第2の入力端子35という)には、他方の入力線37(以下、第2の入力線37という)を介して、入力電圧V1とは異なる電圧値である入力電圧V2が入力される。この場合、例えば、V1>V2とすることができる。
2つの出力端子38,39は、駐車ブレーキ制御装置71(の入力検出部72)に接続されている。2つの出力端子38,39は、それぞれから操作部32の操作態様(第1の切換子54,55および第2の切換子58,59の切換え位置)に応じて異なる信号が出力される。このために、入力装置33の内部には、後述の4つの抵抗素子50,51,52,53が配置されている。即ち、2つの出力端子38,39は、内部に配置された抵抗素子50,51,52,53により操作態様に応じてそれぞれ互いに異なる信号を出力する。この場合、図面に「P3」を付した一方の出力端子38(以下、第1の出力端子38という)は、2本の出力線40,41のうちの一方の出力線40(以下、第1の出力線40という)を介して、駐車ブレーキ制御装置71(の入力検出部72)に接続されている。図面に「P4」を付した他方の出力端子39(以下、第2の出力端子39という)は、他方の出力線41(以下、第2の出力線41という)を介して、駐車ブレーキ制御装置71(の入力検出部72)に接続されている。
第1の出力線40は、第1の分岐出力線42を介してグランドに接続されている(接地している)。第1の分岐出力線42には、第1の出力線40との接続部とグランドとの間に位置して抵抗素子44が設けられている。この抵抗素子44は、入力装置33の外側に設けられる抵抗素子44(以下、第1の外側抵抗素子44という)であり、例えば、その抵抗値をR6としている。一方、第2の出力線41は、第2の分岐出力線43を介してグランドに接続されている(接地している)。第2の分岐出力線43には、第2の出力線41との接続部とグランドとの間に位置して抵抗素子45が設けられている。この抵抗素子45は、入力装置33の外側に設けられる抵抗素子45(以下、第2の外側抵抗素子45という)であり、例えば、その抵抗値をR5としている。
2つの出力端子38,39から出力された電圧は、駐車ブレーキ制御装置71の入力検出部72に印加される。後述するように、駐車ブレーキ制御装置71の判定部73は、入力検出部72で検出される電圧、即ち、図面の「D1」に印加される第2の出力端子39の電圧、および、図面の「D2」に印加される第1の出力端子38の電圧に基づいて、駐車ブレーキスイッチ31の操作態様(操作部32の操作態様)、および、駐車ブレーキスイッチ31の故障(断線)を判定する。
4つの抵抗配線46,47,48,49は、入力端子34,35と出力端子38,39との間に設けられている。この場合、一方の入力端子34と一方の出力端子38との間、および、他方の入力端子35と他方の出力端子39との間に、それぞれ2本ずつ抵抗配線46,47,48,49が設けられている。
4つの抵抗配線46,47,48,49は、それぞれ抵抗素子50,51,52,53を有している。これら4つの抵抗素子50,51,52,53の抵抗値は、それぞれ異なる値となっている。即ち、第1の抵抗素子50の抵抗値をR1とし、第2の抵抗素子51の抵抗値をR2とし、第3の抵抗素子52の抵抗値をR3とし、第4の抵抗素子53の抵抗値をR4とした場合に、抵抗値R1、R2、R3、R4は、それぞれ異なる値となっている。
ここで、4つの抵抗配線46,47,48,49のうち、抵抗値R1の第1の抵抗素子50を有する抵抗配線46を、R1抵抗配線46とする。抵抗値R2の第2の抵抗素子51を有する抵抗配線47を、R2抵抗配線47とする。抵抗値R3の第3の抵抗素子52を有する抵抗配線48を、R3抵抗配線48とする。抵抗値R4の第4の抵抗素子53を有する抵抗配線49を、R4抵抗配線49とする。4つの抵抗配線46,47,48,49のうち、R2抵抗配線47およびR4抵抗配線49は、第2の切換子58,59と接続されている。これに対し、R1抵抗配線46およびR3抵抗配線48は、出力端子38,39に接続されている。
第1の切換子54,55は、2つの入力端子34,35にそれぞれ設けられ、操作部32による動作の指示、即ち、不操作態様、制動作動態様、および、制動解除態様の指示に応じて2つの配線の接続を切り換える。具体的には、第1の切換子54,55は、2つの入力端子34,35に対して、R2抵抗配線47およびR4抵抗配線49と、R1抵抗配線46およびR3抵抗配線48とを、態様指示に応じて同時に切換える。
ここで、2つの第1の切換子54,55は、連結部56によって一体的に接続されており、これら2つの第1の切換子54,55と連結部56とにより第1の切換え部57が構成されている。第1の切換え部57は、操作部32(作動指示側操作部32A)の操作に伴って切換わることにより、2つの第1の切換子54,55が同時に切換わる構成となっている。
図2に示すように、第1の切換子54,55は、動作指示が不操作のときに、R2抵抗配線47およびR4抵抗配線49と2つの入力端子34,35とを接続する。一方、図3に示すように、第1の切換子54,55は、動作指示が不操作でないとき、より具体的には、制動作動態様のときに、R1抵抗配線46およびR3抵抗配線48と2つの入力端子34,35とを接続する。
第2の切換子58,59は、R2抵抗配線47およびR4抵抗配線49に接続されている。第2の切換子58,59は、動作の指示に応じて、R2抵抗配線47およびR4抵抗配線49と2つの出力端子38,39との接続を切り換える。即ち、第2の切換子58,59は、R2抵抗配線47およびR4抵抗配線49に対して、それぞれ異なる2つの出力端子38,39に態様指示に応じて同時に切り換える。
ここで、2つの第2の切換子58,59は、連結部60によって一体的に接続されており、これら2つの第2の切換子58,59と連結部60とにより第2の切換え部61が構成されている。第2の切換え部61は、操作部32(解除指示側操作部32B)の操作に伴って切換わることにより、2つの第2の切換子58,59が同時に切換わる構成となっている。
図2に示すように、第2の切換子58,59は、動作指示が不操作のときに、R2抵抗配線47およびR4抵抗配線49と2つの出力端子38,39とを接続する。一方、図4に示すように、第2の切換子58,59は、動作指示が不操作でないとき、より具体的には、制動解除態様のときに、R2抵抗配線47およびR4抵抗配線49を、図2の不操作態様(および図3の制動作動態様)のときとは逆の出力端子38,39に接続する。
図2に示すように、運転者が駐車ブレーキスイッチ31の操作部32を操作していないとき(不操作のとき)は、第1の入力端子34と第2の出力端子39との間で第2の抵抗素子51が接続され、第2の入力端子35と第1の出力端子38との間で第4の抵抗素子53が接続される。一方、図3に示すように、駐車ブレーキをアプライすべく運転者が操作部32を操作する(作動指示側操作部32Aを押す)と、第1の切換え部57の第1の切換子54,55が一体的に切換わり、第1の入力端子34と第1の出力端子38との間で第1の抵抗素子50が接続され、第2の入力端子35と第2の出力端子39との間で第3の抵抗素子52が接続される。即ち、2つの第1の切換子54,55の切換わりに基づいて、各入力端子34,35と出力端子38,39との間で接続される抵抗が切換わる。これにより、駐車ブレーキ制御装置71(のD1,D2)に入力される電圧が不操作(および解除作動)のときの電圧から変化し、駐車ブレーキ制御装置71は、運転者の駐車ブレーキ作動要求を検出することができる。
これに対し、図4に示すように、駐車ブレーキをリリースすべく運転者が操作部32を操作する(解除指示側操作部32Bを押す)と、第2の切換え部61の第2の切換子58,59が一体的に切換わり、第1の入力端子34と第1の出力端子38との間で第2の抵抗素子51が接続され、第2の入力端子35と第2の出力端子39との間で第4の抵抗素子53が接続される。即ち、2つの第2の切換子58,59の切換わりに基づいて、各入力端子34,35と出力端子38,39との間で接続される抵抗が切換わる。これにより、駐車ブレーキ制御装置71(のD1,D2)に入力される電圧が不操作(および解除作動)のときの電圧から変化し、駐車ブレーキ制御装置71は、運転者の駐車ブレーキ解除要求を検出することができる。
ここで、図6は、駐車ブレーキ制御装置71(のD1,D2)に入力(印加)される電圧パターン(電圧印加パターン)、換言すれば、駐車ブレーキ制御装置71(のD1,D2)で検出される電圧パターンを示している。入力電圧V1と入力電圧V2は、異なる電圧値である(V1≠V2)。そして、駐車ブレーキ制御装置71(のD1,D2)に入力(印加)される電圧は、駐車ブレーキスイッチ31の入力装置33内で接続される抵抗素子50,51,52,53によって異なる。実際の回路においては、最終的に入力装置33で接続される抵抗素子50,51,52,53と外側抵抗素子44,45との分圧比によって決定される。
図6では、第2の抵抗素子51を介して第1の入力端子34と第2の出力端子39が接続されたときの分圧比をAとし、第4の抵抗素子53を介して第2の入力端子35と第1の出力端子38が接続されたときの分圧比をBとし、第1の抵抗素子50を介して第1の入力端子34と第1の出力端子38が接続されたときの分圧比をCとし、第3の抵抗素子52を介して第2の入力端子35と第2の出力端子39が接続されたときの分圧比をDとする。
図6では、正常時の電圧パターンに加え、故障時(断線時)の電圧パターンも示している。図6中の「P1断線時」は、入力電圧V1が入力されなくなったとき、例えば、第1の入力端子34が故障したとき、第1の入力線36が断線したとき、第1の入力端子34と一方の第1の切換子54との間が断線したときの電圧に対応する。「P2断線時」は、入力電圧V2が入力されなくなったとき、例えば、第2の入力端子35が故障したとき、第2の入力線37が断線したとき、第2の入力端子35と他方の第1の切換子55との間が断線したときの電圧に対応する。「P3断線時」は、第1の出力端子38の出力がなくなったとき、例えば、第1の出力端子38が故障したとき、図2中の接続部X1と第1の出力端子38との間が断線したとき、第1の出力線40が断線したときの電圧に対応する。「P4断線時」は、第2の出力端子39の出力がなくなったとき、例えば、第2の出力端子39が故障したとき、図2中の接続部X2と第2の出力端子39との間が断線したとき、第2の出力線41が断線したときの電圧に対応する。
図6に示すように、正常時において、駐車ブレーキ制御装置71(のD1,D2)で検出される電圧パターンは、不操作時、作動操作時、解除操作時のそれぞれで異なる。このため、駐車ブレーキ制御装置71は、運転者の操作(要求)を検出できる。一方、断線時は、断線した側の電圧が0となる。しかし、いずれの断線時においても、駐車ブレーキ制御装置71(のD1,D2)で検出される電圧パターンは、不操作時、作動操作時、解除操作時のそれぞれで異なる。このため、断線時は、断線を検出できることに加えて、運転者の操作(要求)も検出できる。
次に、駐車ブレーキ制御装置71について説明する。
駐車ブレーキ制御装置71は、駐車ブレーキスイッチ31に電圧を印加して不操作、作動指示(アプライ指示)、および、解除指示(リリース指示)の操作態様を検出する。このために、駐車ブレーキ制御装置71は、駐車ブレーキスイッチ31の出力端子38,39と接続されている。
駐車ブレーキ制御装置71は、入力検出部72と、判定部73と、警告報知部74と、作動報知部75と、スイッチ操作報知部76と、信号遮断部77と、電動モータ駆動部78とを含んで構成されている。ここで、入力検出部72は、駐車ブレーキスイッチ31の出力端子38,39と接続されている。入力検出部72には、出力端子38,39から出力される電圧が入力される。即ち、入力検出部72は、出力端子38,39から出力される電圧を検出する電圧検出部となるもので、図面に「D1」および「D2」を付して示すように、2つの検出部(入力部)を備えている。入力検出部72は、判定部73と共に、駐車ブレーキスイッチ31の操作の態様、即ち、不操作態様、制動作動態様、および、制動解除態様を検出する操作検出手段を構成している。このために、入力検出部72は、判定部73に接続されており、入力検出部72は、出力端子38,39の電圧を判定部73に出力する。
判定部73は、入力検出部72で検出された出力端子38,39の電圧に基づいて、駐車ブレーキスイッチ31の操作態様と故障(断線)の判定(検出)を行う。即ち、判定部73は、入力検出部72で検出される電圧を常に監視(モニタ)している。判定部73は、図8の駐車ブレーキスイッチ31の操作判定表に基づいて、そのときの「D1」および「D2」の電圧値から、駐車ブレーキスイッチ31の操作態様と駐車ブレーキスイッチ31の故障(断線)の判定を行う。
ここで、判定部73は、電動モータ駆動部78と接続されている。電動モータ駆動部78は、例えば、左右の後輪側ディスクブレーキ6,6の電動モータ7,7を駆動する駆動回路となるもので、電動モータ7,7に接続されている。電動モータ駆動部78は、電動モータ7,7を駆動するときに、電動モータ7,7に電力を供給する。判定部73は、図6に示す操作判定表に基づいて、駐車ブレーキスイッチ31の操作を判定し、その判定結果(に応じた指令信号)を、電動モータ駆動部78に出力する。電動モータ駆動部78は、その判定結果(指令信号)に基づいて、駐車ブレーキをアプライまたはリリースすべく、電動モータ7,7を駆動する(電動モータ7,7に給電する)。
また、判定部73は、駐車ブレーキスイッチ31の故障(断線)に加え、後輪側ディスクブレーキ6,6の故障も検出できるように構成することができる。例えば、判定部73は、電源ライン19の電圧値、電動モータ7,7の電流値等に応じて、後輪側ディスクブレーキ6,6の故障(フェイル)、例えば、電動モータ7,7の故障、押圧部材保持機構8,8の故障を検出できるように構成してもよい。即ち、判定部73は、駐車ブレーキスイッチ31の故障(異常)を含む後輪側ディスクブレーキ6,6の故障(異常)を検出できるように構成してもよい。
さらに、後述するように、判定部73は、入力検出部72から検出される駐車ブレーキスイッチ31の操作(電圧)と該駐車ブレーキスイッチ31の操作に対する後輪側ディスクブレーキ6,6の動作とが異なるスイッチ故障(不一致故障)を検出することができる。即ち、判定部73は、不一致故障を含む後輪側ディスクブレーキ6,6の故障を検出する故障検出手段となるものである。
また、判定部73は、現在の車両モードを判定(検出)するモード判定手段(モード検出手段)を構成している。即ち、判定部73は、車両データバス20等を介して他のコントロールユニット(ECU:Electronic Control Unit)から車両モードの情報を取得する。ここで、車両状態に対応する車両モードは、例えば、車両を走行させるための通常モードと該通常モード以外の他のモードとがある。他のモードは、例えば、車両の整備を行うためのメンテナンスモード、車両の検査を行うための車検モード(検査モード)、後輪側ディスクブレーキ6,6の試験(例えば、制動力テスト)を行うときのテストモード(制動力テストモード)等が挙げられる。上記他のモードとなっているときが、電動駐車ブレーキのメンテナンス時となる。
この場合、メンテナンスモードは、例えば、後輪側ディスクブレーキ6,6のディスクロータ4とブレーキパッドとの隙間を通常時よりも大きくし、ブレーキパッドを交換するために使用するモードである。車検モードは、例えば、整備工場等で車両の法定検査を行うときに使用するモードである。テストモードは、例えば、車両を出荷する前の車両の製造工場(組立工場)で制動力をテストするときに使用するモードである。通常モードと1ないし複数の他のモード(メンテナンスモード、車検モード、テストモード)とは、例えば、車両データバス20等にテスターを接続することにより、または、特定のスイッチ操作等を行うことにより、切換えることができる。
また、判定部73は、警告報知部74、作動報知部75、および、スイッチ操作報知部76と接続されている。判定部73は、警告報知部74、作動報知部75、および、スイッチ操作報知部76に対して報知すべき旨の指令(報知指令)を出力する。
ここで、警告報知部74は、後輪側ディスクブレーキ6,6の故障を報知する警告灯81に接続されている。警告灯81は、例えば、運転席の前方の計器パネルに設けられており、電動駐車ブレーキが故障しているときに点灯する故障表示灯(故障ランプ、警告ランプ)に相当する。従って、警告灯81を点灯する警告報知部74は、駐車ブレーキスイッチ31のスイッチ故障(断線、不一致)を含む電動駐車ブレーキの故障を報知するための駐車ブレーキ故障報知手段に対応する。
例えば、判定部73で、電動駐車ブレーキが故障していると判定されると、判定部73から警告報知部74に故障報知指令(故障報知指令)に対応する点灯指令が出力される。これにより、警告報知部74は、警告灯81に対して給電を行い、警告灯81を点灯させることにより、電動駐車ブレーキが故障している旨を報知する。
作動報知部75は、後輪側ディスクブレーキ6,6の作動状態を報知する作動灯82に接続されている。作動灯82は、例えば、運転席の前方の計器パネルに設けられており、駐車ブレーキが作動しているとき(アプライ状態のとき)に点灯する駐車ブレーキ表示灯(駐車ブレーキランプ)に相当する。従って、作動灯82を点灯する作動報知部75は、後輪側ディスクブレーキ6,6の作動状態を報知するための作動状態報知手段に対応する。これに加えて、作動灯82は、駐車ブレーキスイッチ31のスイッチ故障のときに点滅するスイッチ故障表示灯にも相当する。より具体的には、作動灯82は、スイッチ故障のときに、車両状態が通常モードのときは駐車ブレーキスイッチ31の操作に伴って点滅し、車両状態が通常モード以外の他のモードときは常時点滅する。従って、作動報知部75は、作動状態報知手段に対応することに加えて、スイッチ故障を報知するためのスイッチ故障報知手段に対応する。
例えば、判定部73で、駐車ブレーキが作動している(アプライ状態である)と判定されると、判定部73から作動報知部75に作動報知指令(駐車ブレーキ作動報知指令)に対応する点灯指令が出力される。これにより、作動報知部75は、作動灯82に対して給電を行い、作動灯82を点灯させることにより、駐車ブレーキが作動している旨を報知する。一方、判定部73で、駐車ブレーキが解除されている(リリース状態である)と判定されると、判定部73から作動報知部75に解除報知指令(駐車ブレーキ解除報知指令)に対応する消灯指令が出力される。これにより、作動報知部75は、作動灯82に対する給電を停止し、作動灯82を消灯させることにより、駐車ブレーキが解除している旨を報知する。
さらに、判定部73で、駐車ブレーキスイッチ31のスイッチ故障と判定され、かつ、車両状態が通常モードであると判定され、さらに、駐車ブレーキスイッチ31が操作さていると判定されると、判定部73から作動報知部75に通常モード時スイッチ故障報知指令に対応する点滅指令が出力される。これにより、作動報知部75は、作動灯82に対して点滅の給電を行い、作動灯82を点滅させることにより、スイッチ故障である旨を報知する。一方、判定部73で、駐車ブレーキスイッチ31のスイッチ故障と判定され、かつ、車両状態が通常モード以外の他のモードであると判定されると、駐車ブレーキスイッチ31の操作に拘わらず、判定部73から作動報知部75に他のモード時スイッチ故障報知指令に対応する点滅指令が出力される。これにより、作動報知部75は、作動灯82に対して点滅の給電を行い、作動灯82を点滅させることにより、スイッチ故障である旨を報知する。
このように、実施形態の駐車ブレーキ制御装置71は、車両状態が車両を走行させるための通常モードである場合にスイッチ故障が検出されるとき、第1の報知を行う。第1の報知は、警告灯81を点灯し、かつ、駐車ブレーキスイッチ31の操作が検出されたときに作動灯82を点滅させる。一方、駐車ブレーキ制御装置71は、車両状態が通常モード以外の他モード(例えば、メンテナンスモード)である場合に第1の報知とは異なる第2の報知を行う。第2の報知は、警告灯81を点灯し、かつ、駐車ブレーキスイッチ31の操作の検出に拘わらず(操作があっても操作がなくても)作動灯82を点滅させる。これにより、駐車ブレーキスイッチ31のスイッチ故障の判断を容易に行うことができる。
スイッチ操作報知部76は、駐車ブレーキスイッチ31が操作されていることを報知するスイッチ操作灯83に接続されている。スイッチ操作灯83は、例えば、駐車ブレーキスイッチ31の近傍、または、駐車ブレーキスイッチ31自身に設けられており、駐車ブレーキスイッチ31が操作されているときに点滅するスイッチ操作表示灯(操作ランプ)に相当する。従って、スイッチ操作灯83を点滅させるスイッチ操作報知部76は、駐車ブレーキスイッチ31が操作されていることを報知するためのスイッチ操作報知手段に対応する。なお、スイッチ操作灯83は、駐車ブレーキスイッチ31が正常のときに、駐車ブレーキスイッチ31が操作されると、その操作がされている間、点滅し、駐車ブレーキスイッチ31が故障のときは、駐車ブレーキスイッチ31が操作されても点滅しない構成とすることができる。
例えば、判定部73で、駐車ブレーキスイッチ31が正常と判定され、かつ、駐車ブレーキスイッチ31が操作さていると判定されると、判定部73からスイッチ操作報知部76にスイッチ操作報知指令に対応する点滅指令が出力される。これにより、スイッチ操作報知部76は、スイッチ操作灯83に対して点滅の給電を行い、スイッチ操作灯83を点滅させることにより、駐車ブレーキスイッチ31が操作されている旨を報知する。
さらに、判定部73は、信号遮断部77と接続されている。信号遮断部77は、判定部73の指令に基づいて、駐車ブレーキスイッチ31の入力端子34,35に入力される入力電圧V1,V2を遮断するものである。判定部73は、例えば、入力検出部72で検出された電圧値が高い側に固定されたときに、信号遮断部77により入力電圧V1,V2を遮断することにより、地絡を判定することができる。
次に、駐車ブレーキ制御装置71の判定部73で行われるスイッチ故障時の制御処理について、図5を参照しつつ説明する。図5の制御処理は、例えば、駐車ブレーキ制御装置71に通電している間、所定の制御周期で、即ち、所定時間(例えば、10ms)毎に繰り返し実行される。
駐車ブレーキ制御装置71が起動することにより、図5の制御処理が開始されると、判定部73は、S1で、スイッチ故障であるか否かを判定する。スイッチ故障であるか否かは、入力検出部72の「D1」および「D2」に入力される電圧と図6の操作判定表とに基づいて判定することができる。S1で「YES」、即ち、スイッチ故障であると判定された場合は、S2に進み、警告灯81を点灯する。即ち、判定部73から警告報知部74に故障報知指令に対応する点灯指令を出力し、警告報知部74を通じて警告灯81を点灯する。この場合、即ち、スイッチ故障であると判定された場合は、駐車ブレーキスイッチ31の操作が検出されても電動モータ7を駆動しない。一方、S1で「NO」、即ち、スイッチ故障でないと判定された場合は、リターンする(リターンを介してスタートに戻り、S1以降の処理を繰り返す)。
S2で警告灯81を点灯したら、続くS3で、車両状態(車両モード)が通常モードであるか否かを判定する。この判定は、車両データバス20等から現在の車両モードの情報を取得することにより行う。S3で「NO」、即ち、通常モードでない(例えば、メンテナンスモードである)と判定された場合は、S4に進む。S4では、作動灯82を点滅させ、リターンする。
一方、S3で「YES」、即ち、通常モードであると判定された場合は、S5に進み、駐車ブレーキスイッチ31の操作を検出する。駐車ブレーキスイッチ31の操作の検出は、入力検出部72の「D1」および「D2」に入力される電圧と図6の操作判定表とに基づいて判定することができる。S5で「NO」、即ち、駐車ブレーキスイッチ31が操作されていない(不操作)と判定された場合は、リターンする。
一方、S5で「YES」、即ち、駐車ブレーキスイッチ31が操作されている(アプライ操作、リリース操作)と判定された場合は、S6に進む。なお、S1の処理でスイッチ故障であると判定されているため、駐車ブレーキスイッチ31が操作されていると判定されても、電動モータ7を駆動しない。S6では、駐車ブレーキスイッチ31の操作と該駐車ブレーキスイッチ31の操作に対する後輪側ディスクブレーキ6,6の動作状態とが異なるか否かを判定する。即ち、後輪側ディスクブレーキ6,6の状態(アプライ状態、リリース状態)と駐車ブレーキスイッチ31による操作要求(アプライ操作、リリース操作)とが不一致であるか否かを判定する。この判定は、駐車ブレーキスイッチ31の操作が、駐車ブレーキ制御装置71のメモリ71Aに更新可能に記憶される現在の駐車ブレーキのステータス情報(動作情報)と一致しているか不一致であるかにより行うことができる。
S6で「NO」、即ち、後輪側ディスクブレーキ6,6の状態と駐車ブレーキスイッチ31の操作とが一致している場合は、リターンする。具体的には、後輪側ディスクブレーキ6,6がアプライ状態で駐車ブレーキスイッチ31がアプライ操作された場合は、リターンする。また、後輪側ディスクブレーキ6,6がリリース状態で駐車ブレーキスイッチ31がリリース操作された場合は、リターンする。
一方、S6で「YES」、即ち、後輪側ディスクブレーキ6,6の状態と駐車ブレーキスイッチ31の操作とが不一致である場合は、S7に進む。具体的には、後輪側ディスクブレーキ6,6がアプライ状態で駐車ブレーキスイッチ31がリリース操作された場合は、S7に進む。また、後輪側ディスクブレーキ6,6がリリース状態で駐車ブレーキスイッチ31がアプライ操作された場合は、S7に進む。S7では、作動灯82を点滅させ、リターンする。
かくして、実施形態では、車両状態が他のモードのときは、駐車ブレーキスイッチ31のスイッチ故障が検出されると、通常モードのときの報知(第1の報知)とは異なる報知(第2の報知)が行われる。即ち、駐車ブレーキ制御装置71は、通常モードでスイッチ故障が検出されたときに、警告灯81を点灯し、かつ、駐車ブレーキスイッチ31が操作されたときに作動灯82を点滅させる通常モード時故障報知手段(図5のS1、S2、S6、S7の処理)と、他のモードでスイッチ故障が検出されたときに、警告灯81を点灯し、かつ、駐車ブレーキスイッチ31の操作に拘わらず作動灯82を点滅させる他のモード時故障報知手段(図5のS1、S2、S3、S4の処理)とを備えている。このため、他のモードのときは、警告灯81が点灯することに加えて、駐車ブレーキスイッチ31の操作に拘わらず作動灯82が点滅する。即ち、車両状態が、メンテナンスモード、車検モード、テストモードのときは、スイッチ故障が検出されると、警告灯81が点灯すると共に作動灯82が(常時)点滅する。
このため、車両の整備、検査、テスト等を行うべく、車両状態を通常モード以外の他のモードにしたときは、警告灯81と作動灯82を見るだけで、スイッチ故障であるか否かを判断できる。この場合、警告灯81が点灯すると共に作動灯82が点滅しているときは、スイッチ故障と判断できる。一方、警告灯81が点灯しているが、作動灯82が点滅していないときは、スイッチ故障以外の故障と判断できる。これにより、車両の整備、検査、テスト等を行う製造工場、販売店、サービス工場、整備工場等の作業者、メンテナンス員、サービス員等は、スイッチ故障の判断を容易に行うことができ、故障の修理を見落とす可能性を低減できる。
一方、車両状態が通常モードのときは、スイッチ故障が検出されると、警告灯81が点灯することに加えて、駐車ブレーキスイッチ31が操作されたときに作動灯82が点滅する。即ち、通常モードのときは、警告灯81が点灯しても、駐車ブレーキスイッチ31の操作と後輪側ディスクブレーキ6,6の動作状態とが不一致でない限り、作動灯82が点滅しない。このため、通常モードのときは、運転者に対し、作動灯82が常時点滅することによる煩わしさを抑制できる。この結果、スイッチ故障の判断を容易に行うことと作動灯82が常時点滅することによる煩わしさを抑制することとを両立できる。
なお、実施形態では、第1の報知として、警告灯81を点灯し、かつ、駐車ブレーキスイッチ31が操作されたときにその操作要求(アプライ指示、リリース指示)と後輪側ディスクブレーキ6,6の動作状態(アプライ状態、リリース状態)とが不一致のときに作動灯82を点滅させる報知とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、第1の報知として、警告灯を点灯し、かつ、操作スイッチが操作されたときに(操作要求と電動駐車ブレーキ機構の動作状態との一致、不一致に拘わらず)作動灯を点滅させる報知としてもよい。
実施形態では、第1の報知として、警告灯81を点灯し、かつ、駐車ブレーキスイッチ31の操作に伴って作動灯82を点滅させる報知とし、第2の報知として、警告灯81を点灯し、かつ、駐車ブレーキスイッチ31の操作に拘わらず作動灯82を(常時)点滅させる報知とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、第1の報知として、警告灯を点灯する報知とし、第2の報知として、警告灯を点滅する報知としてもよい。即ち、通常モードのときの第1の報知と他のモードのときの第2の報知とで異なる報知であれば、各種の報知を採用することができる。
実施形態では、他のモードとしてメンテナンスモードと車検モードとテストモードとを備える構成、即ち、通常モードと3つの他のモードとを備える構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、通常モードと1の他のモード(例えば、メンテナンスモード)とを備える構成としてもよい。また、他のモードとして、例えば、車両が製造工場から出荷される前の出荷前モード、自動車販売店や整備工場で検査、整備、修理等を行うときのサービスモード等を備える構成としてもよい。即ち、車両を走行させるためのモード(車両の運転者が車両を使用(走行)するときのモード)を通常モードとすると、他のモードは、通常モード以外のモードに対応する。
実施形態では、駐車ブレーキ制御装置71に対して、警告灯81、作動灯82およびスイッチ操作灯83を直接的に接続する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、駐車ブレーキ制御装置に対して、警告灯、作動灯およびスイッチ操作灯を、車両データバスを介して接続する等、他の信号線、電線、コントロールユニット(ECU)、コントローラ等を介して間接的に接続してもよい。
実施形態では、警告灯81を、スイッチ故障を含む電動駐車ブレーキの故障(異常)を検出したときに点灯する電動駐車ブレーキ用の警告灯とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、警告灯を、例えば、電動駐車ブレーキの故障を含む各種の車両機器の少なくともいずれかの故障(異常)を検知すると点灯する車両警告灯(主警告灯)としてもよい。即ち、警告灯、作動灯、スイッチ操作灯は、車両の仕様等に応じて各種の報知灯を用いることができる。また、警告灯、作動灯、スイッチ操作灯は、点灯や点滅により報知を行う電灯(ランプ)に限らず、モニタに表示することによる報知、音響装置(例えば、ブザーやナビゲーション装置の音声)を用いた音による報知等、様々な報知装置(表示装置、音響装置)を用いることができる。
実施の形態では、駐車ブレーキスイッチ31の入力装置33は、4つの抵抗素子(第1の抵抗素子50、第2の抵抗素子51、第3の抵抗素子52、第4の抵抗素子53)を備える構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、第2の抵抗素子と第4の抵抗素子のみを残し、第1の抵抗素子と第3の抵抗素子を省略してもよい。また、第1の抵抗素子と第3の抵抗素子のみを残し、第2の抵抗素子と第4の抵抗素子を省略してもよい。また、第2の抵抗素子と第3の抵抗素子のみを残し、第1の抵抗素子と第4の抵抗素子を省略してもよい。また、第1の抵抗素子と第4の抵抗素子のみを残し、第2の抵抗素子と第3の抵抗素子を省略してもよい。即ち、一対の2つの配線(一の配線となる第1の抵抗配線と他の配線となる第2の抵抗配線)のうち、少なくとも一の配線または他の配線のいずれかに、それぞれ互いに異なる値の抵抗(抵抗素子)を設ける構成とすることができる。さらに、実施形態の入力端子34,35と出力端子38,39とを逆としてもよい(実施形態の入力端子34,35を出力端子とし、実施形態の出力端子38,39を入力端子としてもよい)。
実施の形態では、駐車ブレーキスイッチ31の入力装置33は、4つの抵抗素子50,51,52,53を備える構成とし、かつ、駐車ブレーキ制御装置71の判定部73は、入力検出部72で検出される電圧に基づいて、駐車ブレーキスイッチ31の操作態様、および、駐車ブレーキスイッチ31の故障(断線)を判定(検出)する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、操作スイッチの操作とスイッチ故障とを駐車ブレーキ制御装置で検出することができる構成であれば、各種の構成を採用することができる。
実施形態では、左右の後輪側ブレーキ6を電動駐車ブレーキ機能付のディスクブレーキとした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、左右の前輪側ブレーキを電動駐車ブレーキ機能付のディスクブレーキとしてもよい。また、前輪と後輪の全ての車輪(4輪全て)のブレーキを電動駐車ブレーキ機能付のディスクブレーキにより構成してもよい。即ち、車両の少なくとも一対の車輪のブレーキを、電動駐車ブレーキ機能付のディスクブレーキにより構成することができる。
実施形態では、電動駐車ブレーキ機構として、電動駐車ブレーキ付の液圧式ディスクブレーキ6を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、液圧の供給が不要な電動式ディスクブレーキにより構成してもよい。また、ディスクブレーキ式のブレーキ機構に限らず、ドラムブレーキ式のブレーキ機構として構成してもよい。さらに、ディスクブレーキにドラム式の電動駐車ブレーキを設けたドラムインディスクブレーキ、電動モータでケーブルを引っ張ることにより駐車ブレーキの保持を行う構成等、ブレーキ機構は各種のものを採用することができる。この場合に、例えば、液圧の供給が不要な電動式のブレーキ機構を採用した場合は、ブレーキ制御装置は、車両に制動力を常用ブレーキとして与える(ブレーキペダルの操作等によるアプライ要求に基づいて電動モータを駆動する)構成とすることができる。
以上の実施形態によれば、通常モードと他のモードとで異なる報知を行うため、製造工場や整備工場等において、メンテナンス時に作業者の作業を増やすことなく、操作スイッチの故障の判断を行うことができる。
即ち、実施形態によれば、車両状態が他のモード(車両を走行させるための通常モード以外のモード)のときは、操作スイッチの故障が検出されると、通常モードのときの報知(第1の報知)とは異なる報知(第2の報知)が行われる。具体的には、他のモードのときは、警告灯が点灯することに加えて、操作スイッチの操作の検出に拘わらず作動灯が点滅する。即ち、車両状態が、整備を行うときに選択されるメンテナンスモード、検査を行うときに選択される車検モード、駐車ブレーキ機構の試験(例えば、制動力テスト)を行うときのテストモード等のときは、操作スイッチの故障が検出されると、警告灯が点灯すると共に作動灯が点滅する。
このため、車両の整備、検査、テスト等を行うべく、車両状態を通常モード以外の他のモードにしたときは、警告灯と作動灯を見るだけで、操作スイッチが故障しているか否かを判断できる。この場合、警告灯が点灯すると共に作動灯が点滅しているときは、操作スイッチの故障と判断できる。一方、警告灯が点灯しているが、作動灯が点滅していないときは、操作スイッチの故障以外の故障と判断できる。これにより、操作スイッチの故障の判断を行うことができる。
一方、車両状態が通常モードのときは、操作スイッチの故障が検出されると、警告灯が点灯することに加えて、操作スイッチの操作が検出されたときに作動灯が点滅する。即ち、通常モードのときは、警告灯が点灯しても、操作スイッチが操作されない限り、作動灯が点滅しない。このため、通常モードのときは、例えば、作動灯が常時点滅することによる煩わしさを抑制できる。この結果、操作スイッチの故障の判断を容易に行うことと作動灯が常時点滅することによる煩わしさを抑制することとを両立できる。
6 後輪側ディスクブレーキ(電動駐車ブレーキ機構)
31 駐車ブレーキスイッチ(操作スイッチ)
71 駐車ブレーキ制御装置
72 入力検出部(操作検出手段)
73 判定部(操作検出手段、故障検出手段)
81 警告灯
82 作動灯

Claims (2)

  1. 電動駐車ブレーキ機構の動作を指示する操作スイッチの操作を検出する操作検出手段と、
    前記操作検出手段から検出される操作と前記操作スイッチの操作に対する前記電動ブレーキ機構の動作とが異なるスイッチ故障を含む前記駐車ブレーキ機構の故障を検出する故障検出手段と、を有し、
    車両状態が、前記車両を走行させるための通常モードである場合に前記故障検出手段により前記スイッチ故障が検出されるとき、第1の報知を行い、
    前記車両状態が、前記通常モード以外の他モードである場合に前記第1の報知とは異なる第2の報知を行うことを特徴とする駐車ブレーキ制御装置。
  2. 前記第1の報知は、前記駐車ブレーキ機構の故障を報知する警告灯を点灯し、前記操作スイッチの操作が検出されたときに、前記電動駐車ブレーキの作動状態を報知する作動灯を点滅させ、
    前記第2の報知は、前記警告灯を点灯し、前記操作スイッチの操作の検出に拘わらず前記作動灯を点滅させることを特徴とする請求項1に記載の駐車ブレーキ制御装置。
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