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JP2017039889A - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Shigemiki Abe
滋幹 安部
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Abstract

【課題】耐擦過性が良好な画像を記録可能であるとともに吐出安定性が良好なインク、並びにそのインクを用いたインクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】顔料、及びカルボキシメチルセルロースを含有するインクジェット用インクであって、カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量が250,000以上であることを特徴とするインクである。また、そのインクと、そのインクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジである。さらに、そのインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録装置に用いるインクには、高い吐出安定性に加え、さらに記録した画像の耐擦過性を一層向上させることが求められている。特に色材として顔料を含有するインクは上記の各性能を高いレベルで両立させることが困難であった。
これらのインク性能を向上させる手法の一つとして、カルボキシメチルセルロースを含有するインクが検討されている(特許文献1乃至3)。特許文献1には、低粘度のカルボキシメチルセルロースを含有するインクと、ゲル化剤としてのポリエチレンイミンを含有するインクとを備えてなるインクセットが記載されている。特許文献2には、低粘度のカルボキシメチルセルロースを含有するインクが記載されている。特許文献3には、低粘度のカルボキシメチルセルロース及びポリビニルピロリドンを含有するインクが記載されている。
特開2002−309134号公報 特開2002−194256号公報 特開平4−180973号公報
本発明者らの検討の結果、特許文献1乃至3に記載されている低粘度、つまり重量平均分子量の小さいカルボキシメチルセルロースを含有する従来のインクは、インクの吐出安定性及び画像の耐擦過性を高いレベルで両立するには至っていないことがわかった。
したがって、本発明の目的は、耐擦過性が良好な画像を記録可能であるとともに、吐出安定性が良好なインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、顔料、及びカルボキシメチルセルロースを含有するインクジェット用インクであって、前記カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量が250,000以上であることを特徴とするインクが提供される。
本発明によれば、耐擦過性が良好な画像を記録可能であるとともに、吐出安定性が良好なインクを提供することができる。また、本発明の別の実施態様によれば、前記インクを用いたインクカートリッジ及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用のインクのことを、単に「インク」と記載することがある。また、物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値とする。
顔料を含有するインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体への画像の記録を続けた場合、インクを安定して連続吐出させることができなくなることがある。まず、この推定要因について以下に述べる。
インク中において、顔料は染料と異なり、液媒体に溶解しないために、色材は粒子径を持った状態で存在し、さらに粒子径が分布を有する。また顔料を液媒体に分散させるために自己分散化や樹脂分散化の処理を顔料に施すために、顔料粒子の表面において、分散能力が付与された箇所は局在的となる。そのため、顔料を色材として用いたインク中には、分散能力が十分ではない顔料粒子が含まれる。また、C.I.ピグメントイエロー74など、一部のアゾ顔料のように少量の溶解成分を含む顔料や、合成過程でのカップラーが残存する顔料がある。これらの顔料をインクに用いて連続吐出させると、分散能力が十分でない顔料粒子や溶解成分が、記録ヘッドの吐出口が形成された面の濡れを引き起こしたり、濡れた状態からさらに経時的に堆積することで吐出口を塞いだりする。特にインクの吐出方式がサーマル方式である場合には、ヒーター上で分散能力が十分でない顔料粒子や再結晶化した溶出物が焦げたりする。そのためにインクを安定して連続吐出させることができないと本発明者らは推測している。
そこで本発明者らは、検討の結果、色材として顔料を含有するインクに、特定の重量平均分子量を有するカルボキシメチルセルロースを添加することで、インクを長期間吐出させる際の吐出安定性及び画像の耐擦過性を高いレベルで両立できることを見出した。すなわち、本発明のインクは、顔料、及びカルボキシメチルセルロースを含有するインクジェット用インクであって、カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量が250,000以上であることを特徴とする。
本発明のインクにより、吐出安定性が改善される理由を、本発明者らは次のように推測している。すなわち、重量平均分子量250,000以上のカルボキシメチルセルロースは、分散能力が十分でない顔料粒子や顔料からの溶解成分(以下、これらを「吐出不安定化成分」と記す。)を吸着する。これにより、吐出不安定化成分の分散能力が保たれ、インクの吐出により、濡れや堆積を生じることなく、系外へ排出されるためであると推測される。
<インク>
以下、本発明のインクを構成する各成分やインクの物性について詳細に説明する。
(カルボキシメチルセルロース)
本発明のインクは、重量平均分子量が250,000以上のカルボキシメチルセルロースを含有する。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
重量平均分子量が250,000未満のカルボキシメチルセルロースは、その高分子鎖が短すぎるために吐出不安定化成分に吸着されるだけで、インクが吐出される際に吐出不安定化成分を系外に排出することができない。しかし、重量平均分子量が250,000以上のカルボキシメチルセルロースは、その高分子鎖が十分に長いために、吐出不安定化成分を吸着でき、インクが吐出される際に吐出不安定化成分を系外に排出することができる。そのため、長期間にわたってインクの吐出を繰り返しても、インクの吐出が安定的に行われる。さらに重量平均分子量が250,000以上のカルボキシメチルセルロースの場合、その高分子鎖が十分に長いために、インクが記録媒体に吐出されたときに長鎖のカルボキシメチルセルロースが顔料粒子の表面を覆うことができる。そのため、この場合、インクにより記録された画像の耐擦過性も向上する。
インクの吐出安定性及び画像の耐擦過性を高いレベルで両立する観点から、カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量は、250,000以上であり、好ましくは500,000以上、より好ましくは700,000以上である。また、カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量は、2,000,000以下であることが好ましい。これは、あまりにも高分子鎖が長いと、カルボキシメチルセルロースが顔料に吸着する際に、顔料粒子間を架橋するような状態となって、インクの粘度が上昇し、十分な吐出安定性が得られない場合があるためである。さらに、あまりにも高分子鎖が長いと、インクを製造する際の精製工程で除去されやすくなり、カルボキシメチルセルロースを含有させることによる効果が十分に発揮されない場合があるためである。
カルボキシメチルセルロースのエーテル化度は0.2以上1.5以下であることが好ましく、0.7以上1.2以下であることがさらに好ましい。エーテル化度が低すぎるとインク中での分散性が低くなり、吐出安定性が低くなる場合があるためである。また、エーテル化度が高すぎるとカルボキシメチルセルロースのインク中の液媒体との親和性が高くなりすぎて、吐出不安定化成分との相互作用が弱くなってしまうためである。ここで、カルボキシメチルセルロースのエーテル化度とは、1ユニットの無水グルコースについてのカルボキシメチル基の置換数(平均値)を示す指標である。無水グルコースの1ユニットは3つのヒドロキシ基を有するため、カルボキシメチル基の置換数、すなわちエーテル化度の最大値は3.0である。エーテル化度は、インクから適宜分取したカルボキシメチルセルロースを無水化するために焼成し、これに濃度既知の酸(硫酸など)を添加した試料について、アルカリ(水酸化カリウムなどの水溶液)による逆滴定を行うことで測定することができる。
カルボキシメチルセルロースは塩であってもよい。塩としては、ナトリウム、カリウム、及びリチウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウム、及びカルシウムなどのアルカリ土類金属塩が好ましい。より好ましくはナトリウム塩又はカリウム塩である。カルボキシメチルセルロースは、例えば、特開2012−36375号公報などを参考にしながら合成することができる。また、市販のカルボキシメチルセルロースを用いることもできる。市販品として、例えば、シグマアルドリッチ製のナトリウムカルボキシメチルセルロース、ダイセルファインケム製のCMCダイセル、第一工業製薬製のセロゲン、日本製紙製のサンローズ、及びスギノマシン製のBiNFi−sなどの商品を挙げることができる。
インク中のカルボキシメチルセルロースの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.001質量%以上1.000質量%以下であることが好ましい。なかでも、0.005質量%以上0.600質量%以下であることがより好ましい。カルボキシメチルセルロースの含有量が0.005質量%未満であると、カルボキシメチルセルロースが顔料粒子の表面を十分に覆えないために、記録される画像において十分な耐擦過性を得ることができない場合がある。一方、カルボキシメチルセルロースの含有量が0.600質量%超であると、インクの粘度が上昇し、十分な吐出安定性を得ることができない場合がある。カルボキシメチルセルロースの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.010質量%以上0.300質量%以下であることがさらに好ましい。カルボキシメチルセルロースの含有量が0.010質量%以上であることにより、カルボキシメチルセルロースが顔料粒子の表面を十分に覆うことができるため、画像の耐擦過性をさらに高めることができる。また、カルボキシメチルセルロースの含有量が0.300質量%以下であることにより、インクの粘度上昇を抑制できるため、インクの吐出安定性をさらに高めることができる。
インク中のカルボキシメチルセルロースの含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.001倍以上0.300倍以下であることが好ましい。カルボキシメチルセルロースの含有量が顔料の含有量に対する質量比率で0.001倍未満であると、顔料に対するカルボキシメチルセルロースの割合が少なすぎるために、吐出不安定化成分を十分に吸着することができない場合がある。一方、カルボキシメチルセルロースの含有量が顔料の含有量に対する質量比率で0.300倍超であると、インクの粘度が上昇し、十分な吐出安定性を得ることができない場合がある。カルボキシメチルセルロースの含有量(質量%)は、顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.002倍以上0.200倍以下であることがさらに好ましい。カルボキシメチルセルロースの含有量が顔料の含有量に対する質量比率で0.002倍以上であることにより、吐出不安定化成分を十分に吸着することができ、インクの吐出安定性をさらに高めることができる。また、カルボキシメチルセルロースの含有量が顔料の含有量に対する質量比率で0.200倍以下であることにより、インクの粘度上昇を抑制できるため、インクの吐出安定性をさらに高めることができる。
(顔料)
本発明のインクは、色材として顔料を含有する。顔料としては、当該技術分野で公知のカーボンブラックなどの無機顔料や有機顔料を挙げることができる。なかでも、カーボンブラックや有機顔料を用いることが好ましく、特に、C.I.ピグメントイエロー74などのモノアゾ顔料が好ましい。モノアゾ顔料は、カルボキシメチルセルロースと組み合わせたときの吐出安定化の効果が大きいためである。これはそもそもモノアゾ顔料が他の顔料と比較して吐出不安定化成分を多く含むためである。
顔料としては、顔料の粒子表面に親水性基や樹脂などを結合させた自己分散顔料、樹脂分散剤を用いる樹脂分散顔料及びマイクロカプセル顔料など、公知の分散方式によって分散させたものを用いることができる。
インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、1.00質量%以上10.00質量%以下であることがさらに好ましい。
(水性媒体)
本発明のインクは、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。本発明のインクは、水性媒体として少なくとも水を含有する、水性のインクであることが好ましい。水としては脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。水溶性有機溶剤としては特に限定されるものではなく、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、及び含窒素化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。また、これらの水溶性有機溶剤の1種又は2種以上をインクに含有させることができる。
インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.00質量%以上95.00質量%以下であることが好ましい。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が3.00質量%未満であると、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に耐固着性などの信頼性が得られない場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が50.00質量%超であると、インクの粘度が上昇して、インクの供給不良が起きる場合がある。
(その他の成分)
本発明のインクには、上記成分の他に、尿素やその誘導体、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンなどの常温(25℃)で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。また、本発明のインクには、必要に応じて、界面活性剤、樹脂、pH調整剤、消泡剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。本発明においては、例えば、アセチレングリコール系、フッ素系、シリコーン系、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル系などの界面活性剤の1種又は2種以上をインクに含有させることが好ましい。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上2.00質量%以下であることが好ましい。
(インクの物性)
本発明においては、インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上3.5mPa・s以下であることがさらに好ましい。また、インクの25℃における静的表面張力は、28mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。また、インクの25℃におけるpHは、5以上9以下であることが好ましい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(水溶性樹脂の合成)
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却装置、及び温度計を備えたフラスコに窒素ガスを導入し、メチルエチルケトン200部を加えた後、撹拌下で80℃まで昇温した。そこに、スチレン50部、アクリル酸n−ブチル30部、及びアクリル酸20部の混合液と、重合開始剤(商品名「V−59」、和光純薬製)1.9部及びメチルエチルケトン20部の混合液を、80℃を維持しながら、それぞれ2時間かけて滴下した。滴下後、さらに80℃を維持して4時間撹拌して樹脂のメチルケトン溶液を得た。樹脂の酸価に対して0.9当量の水酸化カリウム及び適量のイオン交換水を加えて撹拌した後、メチルエチルケトンを減圧下で除去して水溶性樹脂(固形分)の含有量が25.0%である樹脂水溶液を得た。
(顔料分散液1)
C.I.ピグメントイエロー74(商品名「ブリリアントイエロー5GX」、クラリアント製)20.0部、樹脂水溶液40.0部、イオン交換水40.0部の混合物を調製した。この混合物を分散・乳化機(商品名「クレアミックス」、エム・テクニック製)に入れて10,000rpmで60分間プレミキシングを行った。さらに、高圧ホモジナイザー(商品名「スターバースト」、スギノマシン製)により処理圧力245MPa、20パス処理で分散を行った。その後、高速冷却遠心機(商品名「himac CR−N」、日立工機製)を使用して粗大粒子を除去し、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、イオン交換水を添加した後にエバポレーターにて濃縮した。このようにして、顔料の含有量が20.0%、水溶性樹脂の含有量が10.0%である顔料分散液1を得た。
(顔料分散液2)
顔料をカーボンブラック(商品名「プリンテックス80」、オリオンエンジニアドカーボンズ製)に変更した以外は顔料分散液1と同様にして、顔料分散液2を得た。
(顔料分散液3)
市販の自己分散顔料(商品名「CAB−O−JET470Y」、キャボット製)をイオン交換水で希釈し、顔料の含有量が20.0%の顔料分散液3を得た。顔料の種類はC.I.ピグメントイエロー74である。
(顔料分散液4)
市販の自己分散顔料(商品名「CAB−O−JET400」、キャボット製)をイオン交換水で希釈し、顔料の含有量が20.0%の顔料分散液4を得た。顔料の種類はカーボンブラックである。
<カルボキシメチルセルロースの水分散液の調製>
(カルボキシメチルセルロース1)
重量平均分子量が700,000、エーテル化度が0.9のカルボキシメチルセルロースとしてシグマアルドリッチ製のナトリウムカルボキシメチルセルロース1部とイオン交換水99部を混合した。この混合物に、分散・乳化機(商品名「クレアミックス」、エム・テクニック製)を使用してプレミキシング(10,000rpm,60分間)を行った。その後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行った。イオン交換水を添加した後にエバポレーターにて濃縮し、カルボキシメチルセルロース(CMC)1の水分散液(CMC1の含有量:2.0%)を得た。
(カルボキシメチルセルロース2)
重量平均分子量が250,000、エーテル化度が0.7のカルボキシメチルセルロースとしてシグマアルドリッチ製のナトリウムカルボキシメチルセルロースに変更した以外はカルボキシメチルセルロース1と同様にして、カルボキシメチルセルロース(CMC)2の水分散液を得た。この水分散液中のCMC2の含有量は、2.0%であった。
(カルボキシメチルセルロース3)
重量平均分子量が250,000、エーテル化度が0.9のカルボキシメチルセルロースとしてシグマアルドリッチ製のナトリウムカルボキシメチルセルロースに変更した以外はカルボキシメチルセルロース1と同様にして、カルボキシメチルセルロース(CMC)3の水分散液を得た。この水分散液中のCMC3の含有量は、2.0%であった。
(カルボキシメチルセルロース4)
重量平均分子量が250,000、エーテル化度が1.2のカルボキシメチルセルロースとしてシグマアルドリッチ製のナトリウムカルボキシメチルセルロースに変更した以外はカルボキシメチルセルロース1と同様にして、カルボキシメチルセルロース(CMC)4の水分散液を得た。この水分散液中のCMC4の含有量は、2.0%であった。
(カルボキシメチルセルロース5)
重量平均分子量が90,000、エーテル化度が0.7のカルボキシメチルセルロースとしてシグマアルドリッチ製のナトリウムカルボキシメチルセルロースに変更した以外はカルボキシメチルセルロース1と同様にして、カルボキシメチルセルロース(CMC)5の水分散液を得た。この水分散液中のCMC5の含有量は、2.0%であった。
<インクの調製>
表1の上段に示す各成分(単位:%)を混合し十分に撹拌した後、ポアサイズが0.2μmであるポリプロピレンフィルター(ポール製)にて加圧ろ過を行って各インクを調製した。なお、表1中のサーフィノール465(Air Products製)は、アセチレングリコール系の界面活性剤の商品名であり、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物で、エチレンオキサイド基の付加モル数が10のものである。また、表1の下段には、カルボキシメチルセルロース(CMC)の重量平均分子量(Mw)、及びCMCのエーテル化度を示した。同様に、表1の下段には、インク中の顔料の含有量A(単位:%)、インク中のCMCの含有量B(単位:%)、及び顔料の含有量Aに対するCMCの含有量Bの質量比率(B/A)の値を示した。
Figure 2017039889
Figure 2017039889
Figure 2017039889
<評価>
上記で得られた各インクをインクカートリッジに充填し、熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro 9500」、キヤノン製)にセットした。上記のインクジェット記録装置では、1/600インチ×1/600インチの単位領域に1滴当たりの質量が3.5ngであるインク滴を8滴付与する条件で記録した画像を記録デューティが100%であると定義する。本発明においては、以下に示す評価基準で、「C」を許容できないレベル、「A」及び「B」を許容できるレベルとした。評価結果を表2に示す。
(吐出安定性)
上記のインクジェット記録装置を用いて、各インクを10,000Hzの吐出周波数で6時間連続吐出させた後、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド GL−101」、キヤノン製)に記録デューティが100%のベタ画像を10枚記録した。その後、上記インクジェット記録装置のノズルチェックパターンを1枚記録した。このときのノズルチェックパターンを目視で観察することにより、インクの吐出安定性を評価した。インクの吐出安定性の評価基準は以下の通りである。
A:不吐出も吐出よれも生じていなかった。
B:不吐出と吐出よれがわずかに生じていたが気にならないレベルであった。
C:不吐出と吐出よれが生じていた。
(耐擦過性)
上記のインクジェット記録装置を用いて、記録媒体(商品名「OKトップコート」、坪量127.9g、王子製紙製)に、記録デューティが100%のベタ画像(200mm×200mm)を記録した。この画像に対し、JIS L 0849に準じた学振型試験機である耐摩耗試験機(井元製作所製)を用いて、荷重500gで10往復の条件で摩擦試験を行った。摩擦試験後の画像を目視で観察することにより、画像の耐擦過性を評価した。画像の耐擦過性の評価基準は以下の通りである。
A:画像に擦過痕がついていなかった、又は画像にわずかに擦過痕がついていた。
B:画像に擦過痕がついており、わずかに記録媒体の白地が見えてはいたが、目立たないレベルであった。
C:画像に擦過痕がついており、記録媒体の白地が見えていた。
Figure 2017039889

Claims (6)

  1. 顔料、及びカルボキシメチルセルロースを含有するインクジェット用インクであって、
    前記カルボキシメチルセルロースの重量平均分子量が250,000以上であることを特徴とするインク。
  2. 前記カルボキシメチルセルロースの含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.010質量%以上0.300質量%以下である請求項1に記載のインク。
  3. 前記カルボキシメチルセルロースの含有量(質量%)が、前記顔料の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.002倍以上0.200倍以下である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記カルボキシメチルセルロースのエーテル化度が、0.2以上1.5以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク。
  5. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  6. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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