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JP2017037055A - 欠陥測定装置 - Google Patents

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JP2017037055A
JP2017037055A JP2016018511A JP2016018511A JP2017037055A JP 2017037055 A JP2017037055 A JP 2017037055A JP 2016018511 A JP2016018511 A JP 2016018511A JP 2016018511 A JP2016018511 A JP 2016018511A JP 2017037055 A JP2017037055 A JP 2017037055A
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高橋 孝一
Koichi Takahashi
孝一 高橋
圭司 羽田
Keiji Haneda
圭司 羽田
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Abstract

【課題】 短時間にかつ的確に欠陥を判別できる欠陥検出装置を提供する。
【解決手段】 複数個の光源のうちの一の光源で被撮像体を照明し撮像対象領域を撮像する第1照明撮像処理と、
第1照明撮像処理で得られた撮像結果に基づいて、欠陥について許容できる範囲内であるか否かを判断する欠陥許容判断処理と、
許容できる範囲内であると判別したことを条件に、複数個の光源のうちの一の光源とは異なる他の光源で被撮像体を照明し撮像対象領域を撮像する第2照明撮像処理と、
許容できる範囲内でないと判別したことを条件に、処理を中止する中止処理と、を含む。
【選択図】 図5

Description

本発明は、被撮像体に存在する欠陥を測定する装置に関し、特に、金型などに存在する欠陥を発見して測定する装置に関する。
従来、欠陥を検出したり欠陥の大きさや形状や測定したり装置が知られている。特に、欠陥の深さや高さを正確に測定するために共焦点位置で測定するものがある(例えば、特許文献1参照)。この装置は、焦点の合った部分だけを検出できるため、不要な散乱光の影響を受けずに高解像度で高コントラストの画像を得ることができる。
また、異なる角度から光を照射することで、方向性を有する欠陥を正確に検出できる装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この装置も、欠陥を正確に検出できるが、欠陥を発見しながら欠陥を検出するたびに欠陥を測定するので、被撮像体の全体の欠陥を取得するためには時間が長くならざるを得なかった。
さらに、第1の受光素子で撮像したパターンと第2の受光素子で撮像したパターンとを比較する装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平5−164527号公報 特開2010−181317号公報 特開2000−137003号公報
上述した特許文献1に開示されている装置は、高解像度で欠陥を撮影できるので欠陥の位置や形状を正確に取得することができる。しかしながら、被撮像体が大きい場合には、被撮像体の全てを走査するのに時間が長くならざるを得なかった。
また、特許文献2に開示されている装置は、方向性を有する欠陥であっても、互いに異なる2方向からの光を照明することで欠陥の存在を正確に検出できる。しかしながら、欠陥を発見しつつ欠陥を測定する被撮像体の全体の欠陥を取得するためには時間が長くならざるを得なかった。さらに、特許文献3に開示されている装置は、互いに異なる2つの受光素子でパターンを撮像して撮像結果を比較する装置である。これも同様に、欠陥の存在を正確に検出できるが、被撮像体の全体を判断するためには同様に時間が長くならざるを得なかった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、短時間にかつ的確に欠陥を測定したり判別したりできる欠陥検出装置を提供することにある。
本発明による欠陥測定装置の実施態様は、
被撮像体を撮像する撮像系を有する撮像装置と、
前記被撮像体を照明するための複数個の光源と、
前記撮像装置によって前記被撮像体の撮像対象領域を撮像した撮像結果に基づいて前記被撮像体の欠陥の位置を取得する取得処理を実行する欠陥情報取得装置と、を備え、
前記取得処理は、
前記複数個の光源のうちの一の光源で前記被撮像体を照明し前記撮像対象領域を撮像する第1照明撮像処理と、
前記第1照明撮像処理で得られた撮像結果に基づいて、欠陥について許容できる範囲内であるか否かを判断する欠陥許容判断処理と、
許容できる範囲内であると判別したことを条件に、前記複数個の光源のうちの前記一の光源とは異なる他の光源で前記被撮像体を照明し前記撮像対象領域を撮像する第2照明撮像処理と、
許容できる範囲内でないと判別したことを条件に、処理を中止する中止処理と、を含む。
上記の実施態様によれば、複数個の光源のうちの一の光源で被撮像体を照明し撮像対象領域を撮像し、撮像結果に基づいて欠陥について許容できる範囲内であるか否かを判断し、許容できる範囲内である場合には、異なる他の光源で被撮像体を照明し撮像対象領域を撮像し、許容できる範囲内でない場合には処理を中止する。すなわち、許容できる範囲内である場合には、異なる他の光源で被撮像体を照明し撮像対象領域を撮像するので、的確に欠陥を測定したり判別することができ、許容できる範囲内でない場合には、処理を中止するので、短時間に処理を済ませることができる。
短時間にかつ的確に欠陥を測定したり判別したりできる。
本実施の形態による欠陥測定装置100の全体の構成を示すブロック図である。 本実施の形態による欠陥測定装置100の全体の概略を示す斜視図である。 本実施の形態による撮像系200及び照明系400の概略を示す斜視図である。 本実施の形態による欠陥測定装置100の電気的な構成を示すブロック図である。 欠陥検査動作処理を示すフローチャートである。 画像取得処理を示すフローチャートである。 欠陥検出処理を示すフローチャートである。 顕微鏡高さ測定処理を示すフローチャートである。 金型Dの上面を示す平面図である。 第1の光源400A〜第4の光源400Dの各々を点灯して検出できる欠陥の種類を示す図である。 第1の光源400A〜第4の光源400Dの各々について抽出された欠陥のX座標及びY座標を示すテーブルである。 第1の光源400A〜第4の光源400Dを照明して検出した欠陥の全てをマップ状に示す図である。 検出した欠陥に関して処理をした結果を示すテーブルである。
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
本発明の第1の実施態様によれば、
被撮像体を撮像する第1の撮像系を有する第1の撮像装置(例えば、後述するラインセンサカメラ210など)と、
前記第1の撮像系と異なる第2の撮像系を有し前記被撮像体を撮像する第2の撮像装置(例えば、後述する共焦点顕微鏡250など)と、
前記第1の撮像装置によって前記被撮像体の撮像対象領域を撮像した撮像結果に基づいて前記被撮像体の欠陥の位置を取得する第1の取得処理(例えば、後述する図7の欠陥検出処理など)と、位置を取得した欠陥の高さ方向の情報を前記第2の撮像装置によって取得する第2の取得処理(例えば、後述する図8の顕微鏡高さ測定処理など)とを実行する欠陥情報取得装置(例えば、後述する制御システム100A及び顕微鏡システム100Bなど)と、を備える欠陥測定装置が提供される。
欠陥測定装置は、第1の撮像装置と第2の撮像装置と欠陥情報取得装置とを備える。第1の撮像装置は第1の撮像系を有する。第1の撮像系は被撮像体を撮像する。
第2の撮像装置は第2の撮像系を有する。第2の撮像系は第1の撮像系とは異なる。第2の撮像系は被撮像体を撮像する。
欠陥情報取得装置は、第1の取得処理と第2の取得処理とを実行する。第1の取得処理は、被撮像体の欠陥の位置を取得する処理である。すなわち、第1の取得処理では、欠陥の高さ方向の情報を取得する処理は実行せずに、被撮像体の欠陥の位置を取得する処理のみを実行する。第1の取得処理では、第1の撮像装置で撮像した撮像結果を用いる。
第2の取得処理は、第2の撮像装置を用いて欠陥の高さ方向の情報を取得する。第2の取得処理では、第1の取得処理で得られた欠陥の位置を利用して、欠陥の高さ方向の情報を取得する。例えば、第1の取得処理で取得した欠陥の位置に第2の撮像装置を位置づける。高さ方向の情報は、高さや深さのほかに、山(凸状の欠陥)や谷(凹状の欠陥)が広がる傾向や度合いなども含まれる。第2の取得処理では、欠陥の位置という第1の取得処理の結果を利用して、欠陥の高さ方向の情報を取得する。
このように、第1の取得処理と第2の取得処理とを別個に実行する。第1の取得処理の処理結果について判断ができるとともに、第1の取得処理での判断とは別個に、第2の取得処理の処理結果について判断ができる。
第1の取得処理の段階で許容できない結果が得られた場合には、第2の取得処理を開始する前の時点で処理を中止できる。また、第2の取得処理の段階で許容できない結果が得られた場合には、第2の取得処理を終了する前の段階で処理を中止できる。このように、処理を中止できるタイミングを増やすことができ、許容できない結果が生じた場合には、直ちに処理を中止することで、早い段階で処理を終え、次の被撮像体の処理を開始することができる。
また、第1の撮像装置の撮像の分解能と、第2の撮像装置の撮像の分解能とが異なるものが好ましい。例えば、第1の撮像装置の分解能を低くし、第2の撮像装置の分解能を高くすることで、第1の取得処理を速くするとともに、第2の取得処理の精度を高めることができる。第1の取得処理を速くできるので、早い段階で処理を中止するか否かを決定できる。また、各々の処理に必要な分解能にすることで処理を最適化することができる。
本発明の第2の実施態様は、本発明の第1の実施態様において、
前記被撮像体を照明するための複数個の光源をさらに備え、
前記第1の取得処理は、
前記複数個の光源を別個に点灯して前記被撮像体を照明し前記撮像対象領域を撮像する点灯撮像処理と、
前記点灯撮像処理で別個に撮像した撮像結果に基づいて前記被撮像体の欠陥の位置を取得する欠陥位置取得処理と、を含む。
被撮像体を照明するための複数個の光源をさらに備える。第1の取得処理は、点灯撮像処理と欠陥位置取得処理とを含む。
点灯撮像処理は、複数個の光源を別個に点灯し、点灯させた光源ごとに撮像対象領域を撮像する処理である。光源ごとに撮像対象領域を撮像するので、欠陥の種類に適した光を被撮像体に照射して撮像することができる。欠陥の種類には、凸状の欠陥やスジ状の欠陥のほかに、凹状の欠陥や打痕などがある。
欠陥位置取得処理は、別個に撮像した撮像結果に基づいて被撮像体の欠陥の位置を取得する。別個に撮像した撮像結果に基づいて欠陥の位置を取得するので、光源に対応する種類の欠陥を的確に検出できる。
本発明の第3の実施態様は、本発明の第2の実施態様において、
前記欠陥情報取得装置は、前記第1の取得処理で取得した撮像結果に基づいて欠陥の数を種類ごとに計数し、計数した欠陥の数が所定の数より多いと判別したことを条件に、前記第2の取得処理を実行せずに処理を中止する。
第1の取得処理の段階で、欠陥の数が所定の数より多い場合には、第2の取得処理を開始するよりも前の時点で処理を中止するので、第1の取得処理の段階で許容できないと判断した場合には、第2の取得処理を実行することなく処理を終えることができる。
本発明の第4の実施態様は、本発明の第1の実施態様において、
前記第1の撮像装置は、ラインセンサカメラを有し、前記撮像対象領域の少なくとも一部を前記ラインセンサカメラで撮像し、
前記第2の撮像装置は、共焦点顕微鏡と、前記被撮像体との距離を変更可能に前記共焦点顕微鏡を移動する顕微鏡移動装置と、を有し、前記顕微鏡移動装置によって前記共焦点顕微鏡を移動して欠陥の高さ方向の情報を取得する。
第1の撮像装置は、ラインセンサカメラで撮像対象領域の少なくとも一部を撮像するので処理を速くすることができる。第1の撮像装置は、撮像対象領域の少なくとも一部を撮像すればよく、撮像対象領域の全体を一度に撮像してもよい。また、共焦点顕微鏡で欠陥の高さ方向の情報を取得するので、高さ方向の情報を正確に取得することができる。
本発明の第5の実施態様は、本発明の第4の実施態様において、
前記第2の撮像装置は、前記欠陥の高さ方向の情報が所定の大きさを超えたことを条件に前記第2の取得処理を中止する。
第2の取得処理を開始した後に、許容できない欠陥が存在する場合であっても、直ちに、第2の取得処理を中止するので、処理を早めに終えることができる。
<<<欠陥測定装置100>>>
図1は、欠陥測定装置100の全体的な構成を示すブロック図である。図2は、欠陥測定装置100の全体を示す斜視図である。図3は、駆動系300及び照明系400を拡大した拡大斜視図である。図4は、欠陥測定装置100の電気的な構成を示すブロック図である。図5は、欠陥検査動作処理を示すフローチャートである。図6は、画像取得処理を示すフローチャートである。図7は、欠陥検出処理を示すフローチャートである。図8は、顕微鏡高さ測定処理を示すフローチャートである。図9は、金型Dの上面を示す平面図である。
欠陥測定装置100は、被撮像体T、例えば金型D(図9参照)を撮像し、被撮像体Tの表面に存在する欠陥を検出し、欠陥の大きさや形状を測定する装置である。特に、欠陥測定装置100は、金型Dに存在する凸状の欠陥の高さを測定する装置である。
図1に示すように、欠陥測定装置100は、主に、撮像系200と駆動系300と照明系400とを有する。撮像系200は、主に、ラインセンサカメラ210と共焦点顕微鏡250とを有する。駆動系300は、主に、Xステージ310XとYステージ310YとZステージ310Zとを有する。照明系400は、主に、第1の光源400Aと第2の光源400Bと第3の光源400Cと第4の光源400Dとを有する。
駆動系300は、金型Dと撮像系200との双方を所定の位置まで移動して位置づける。照明系400は、金型Dの表面を照明し、撮像系200は、金型Dの表面を撮像する。
第1の光源400A〜第4の光源400Dは、ラインセンサカメラ210が金型Dを撮像するときに用いられる光源であり、共焦点顕微鏡250が金型Dを撮像するときには、別のハロゲン光源(図示せず)が用いられる。
<<撮像系200>>
図1に示すように、撮像系200はラインセンサカメラ210と共焦点顕微鏡250とを有する。ラインセンサカメラ210は、金型Dの全体(上面の全面)を走査して金型Dに存在する欠陥の位置を検出し記憶する。共焦点顕微鏡250は、ラインセンサカメラ210によって検出された各々の欠陥の高さを測定する。このように、欠陥測定装置100は、ラインセンサカメラ210及び共焦点顕微鏡250という互いに異なる2種類の機能の撮像装置が搭載されている。ラインセンサカメラ210は、制御システム100Aで制御される。共焦点顕微鏡250は、顕微鏡システム100Bで制御される。
図2に示すように、ラインセンサカメラ210及び共焦点顕微鏡250は、共に、Yステージ310Y及びZステージ310Zに搭載されている。このようにすることで、Yステージ310Yを移動させると、ラインセンサカメラ210及び共焦点顕微鏡250が共に移動し、Zステージ310Zを移動させると、ラインセンサカメラ210及び共焦点顕微鏡250が共に移動する。
なお、ラインセンサカメラ210及びZステージ310ZをYステージ310Yに搭載し、Zステージ310Zには共焦点顕微鏡250のみを搭載してもよい。このようにした場合には、Yステージ310Yによって、ラインセンサカメラ210及び共焦点顕微鏡250を共に移動させることができる。Zステージ310Zによって、共焦点顕微鏡250のみを移動させる。
<ラインセンサカメラ210>
ラインセンサカメラ210は、所定の数の画素、例えば、7000画素×1画素のCCDリニアイメージセンサ(図示せず)を有する。CCDリニアイメージセンサの1画素は、約5μm×約5μmの大きさを有する。図9に示すように、ラインセンサカメラ210によって、撮像エリアSで定まる範囲の金型Dの表面を撮像できる。撮像エリアSは、ラインセンサカメラ210のCCDリニアイメージセンサの大きさと形状に対応する。撮像エリアSの長手方向の長さΔYが、CCDリニアイメージセンサの7000画素に対応する実際の長さである。撮像エリアSの短手方向の長さΔXが、CCDリニアイメージセンサの1画素に対応する実際の長さである。
図2に示すように、ラインセンサカメラ210には対物レンズ212が設けられている。撮像に必要な分解能に応じて対物レンズ212の倍率を定めることで、対物レンズ212の倍率に応じて撮像エリアSのΔX及びΔYを決定できる。分解能は、欠陥の大きさや種類や処理速度などによって適宜に決定すればよい。このように、撮像エリアSは、CCDリニアイメージセンサの形状及び大きさと対物レンズ212の倍率とに応じた大きさ及び形状を有する。
図9は、金型Dの上面を示す平面図である。本実施の形態では、金型Dの上面は、図9に示すように四角形の形状を有する。図9では、紙面の下方向が+X方向であり、上方向が−X方向であり、右方向が+Y方向であり、左方向が−Y方向である。金型Dには、図9に示すように、基準マークMが形成されている。基準マークMは、金型Dの基準位置や基準角度を示すためのマークである。基準マークMをともに撮像することで撮像データの位置や角度を揃えることができる。
図2に示すように、金型Dは、Xステージ310Xに載置される。なお、振動や衝撃などで金型DがXステージ310X上で移動しないように、保持装置(図示せず)によって、例えば、磁石などによってXステージ310Xに金型Dを載置するのが好ましい。保持装置は、金型DをXステージ310Xに係止できるものであればよい。
Xステージ310Xを移動させることで、金型DをX方向に移動させることができる。また、Yステージ310Yを移動させることで、撮像系200(ラインセンサカメラ210及び共焦点顕微鏡250)をY方向に移動させることができる。Xステージ310X及びYステージ310Yを移動させることで、金型Dの所望する位置を撮像できる。
ラインセンサカメラ210による金型Dの撮像は、以下の手順で行う。まず、Xステージ310X及びYステージ310Yを移動させて、領域A1の上端部UT(図9参照)の上方にラインセンサカメラ210を位置づける。さらに、Zステージ310Zを移動させて、金型Dの表面にピントが合う位置にラインセンサカメラ210を位置づける。
ラインセンサカメラ210の1回の撮像処理によって、撮像エリアSで定まる範囲(ΔX×ΔY)の金型Dの表面が撮像される。ラインセンサカメラ210によって撮像された撮像データは制御装置350のRAM356(図4参照)に記憶される。
1回分の撮像処理が終了すると、Xステージ310Xを−X方向にΔXだけ移動させて、金型DをΔXだけ移動させる。金型DをΔXだけ移動させることで、+X方向に隣接する撮像エリアS(ΔX×ΔY)の金型Dの表面をラインセンサカメラ210で撮像できる。
例えば、Xステージ310XのXステージ駆動モータ314X(図4参照)には、エンコーダ(図示せず)が設けられている。Xステージ駆動モータ314Xの位置を示すエンコーダ信号がエンコーダから出力される。受信したエンコーダ信号に基づいてラインセンサカメラ210による撮像エリアSの撮像処理を実行する。ラインセンサカメラ210の撮像処理が終了するとXステージ310Xを移動させる制御信号をXステージコントローラ312X(図4参照)に出力する。この動作を繰り返すことで、図9に示す領域A1の全体を撮像エリアSごとに順次に撮像できる。
金型Dの+X方向(図9の紙面の下方向)の下端部DTまでXステージ310Xを移動させたことを条件に撮像を終了する。これにより、金型Dの長尺な形状の領域A1の全体を撮像し記憶することができる。
次に、Yステージ310Yによって撮像系200(ラインセンサカメラ210及び共焦点顕微鏡250)を+Y方向にΔYだけ移動させて、領域A1の右隣りの領域A2の上端部UTの上方にラインセンサカメラ210を位置づける。領域A1のときと同様に金型Dを撮像することで、領域A2の全体を撮像し記憶することができる。
撮像系200を右隣りの領域に移動するときには、隣り合う2つの領域の一部が重複するように位置づけるのが好ましい。例えば、領域A1の端辺と領域A2の端辺とが若干重複するように位置づけるのが好ましい。具体的には、領域A1を撮像したときの撮像データには領域A2の左側の端辺の全てが必ず撮像されるとともに、領域A2を撮像したときの撮像データには領域A1の右側の端辺の全てが必ず撮像されるようにし、領域A1の右側の端辺と領域A2の左側の端辺とが、重複して撮像されるようにする。このようにすることで、撮像しない空白の領域が生ずることを防止でき、金型Dの全面を必ず撮像することができる。
上述した処理を繰り返すことで、金型Dの領域A1→A2→・・・→A6→A7を次々に撮像でき、金型Dの表面の全体を撮像できる。金型Dの表面の全体を撮像することで、金型Dに欠陥が存在するか否かを判断することができる。欠陥が存在する場合には、欠陥の位置(X、Y)を記憶する。具体的な処理の詳細は後述する。
上述した処理では、領域A1の上端部UTから下端部DTまでを撮像し、次いで、隣りの領域A2の上端部UTから下端部DTまでを撮像するように、必ず、上端部UTから一方向に撮像を開始する場合を示した。このほかに、領域A1の上端部UTから下端部DTまでを撮像した後に、隣りの領域A2の下端部DTから上端部UTまでを撮像するように、双方向に(往復しながら)撮像するようにしてもよい。ステージの移動時間を少なくして、処理を短時間にすることができる。
<共焦点顕微鏡250>
共焦点顕微鏡250は、点光源から発せられた照明光を被撮像体に照射し、焦点位置の情報がピンホールを通過して検出器に到達するようにし、焦点位置以外の光をピンホールでカットして、深さ方向に分解能を生じさせて光学的な断層像を得ることができる顕微鏡である。共焦点顕微鏡250は、被撮像体で焦点が合った部分の画像情報のみを取得し、不要な散乱光などの影響を受けることなく、高解像度で高コントラストの画像を得ることができる。
図2に示すように、共焦点顕微鏡250は、対物レンズ254を有する。対物レンズ254は、20倍の対物レンズと100倍の対物レンズとの2種類のレンズからなる。まず、20倍の対物レンズを用いて、撮像領域の中央に欠陥が位置するように調整(粗調整)した後に、100倍の対物レンズに切り替えて、欠陥を拡大して撮像し、共焦点顕微鏡250の撮像領域の中央に欠陥が位置するように調整(微調整)する。
後述するように、Zステージ310Zには、ピエゾ素子330を介して共焦点顕微鏡250が搭載されている。ピエゾ素子330によって共焦点顕微鏡250を±Z方向(上下方向)に微動させることができる。欠陥に焦点を合わせ、共焦点顕微鏡250を微動させることで焦点が合う位置を徐々に変える。欠陥と焦点が合う最下位置及び欠陥と焦点が合う最上位置を検出することができ、欠陥の最下位置に対応するピエゾ素子330の位置と、欠陥の最上位置に対応するピエゾ素子330の位置との差に基づいて欠陥の高さを測定することができる。
共焦点顕微鏡250には、エリアカメラであるCCDカメラ340が設けられており、欠陥の像をCCDカメラ340で撮像することができる。
<<駆動系300>>
図1に示すように、駆動系300は、制御システム100Aの駆動系300Aと、顕微鏡システム100Bの駆動系300Bとを有する。制御システム100Aと顕微鏡システム100Bとは、通信回線(図示せず)によって互いに通信可能に接続されている。
<駆動系300A>
制御システム100Aの駆動系300Aは、図1に示すように、主に、制御装置350と、Xステージコントローラ312Xと、Yステージコントローラ312Yと、Zステージコントローラ312Zと、Xステージ駆動モータ314Xと、Yステージ駆動モータ314Yと、Zステージ駆動モータ314Zとを有する。
制御装置350は、図4に示すように、主に、CPU352、ROM354、RAM356、I/F(インターフェース)358を有する。CPU352、ROM354、RAM356、I/F358は、アドレスバスやデータバス(図示せず)によって接続されている。CPU352、ROM354、RAM356は、後述する図5〜図7に示すフローチャートに従ったプログラムを実行する。これらのプログラムは、ROM354に予め記憶されている。
I/F358には、Xステージコントローラ312Xと、Yステージコントローラ312Yと、Zステージコントローラ312Zとが接続されている。Xステージコントローラ312Xと、Yステージコントローラ312Yと、Zステージコントローラ312Zとは、モータドライバを含み、CPU352から出力された制御信号から駆動信号を生成し、Xステージ駆動モータ314Xと、Yステージ駆動モータ314Yと、Zステージ駆動モータ314Zとに駆動信号を送信する。Xステージ駆動モータ314Xと、Yステージ駆動モータ314Yと、Zステージ駆動モータ314Zとは、駆動信号に応じた回転方向や回転速度などで駆動される。
Xステージ310X、Yステージ310Y及びZステージ310Zは、いわゆるリニアステージであり、ガイドレールに移動可能に置いたテーブルを直線移動させることができればよい。Xステージ310X、Yステージ310Y及びZステージ310Zの駆動方式は、リニアモータによる駆動や、回転モータ及びボールねじによる駆動のほか、エア駆動などでもよい。いずれも、ガイドレールに沿ってテーブルを移動させることができればよい。なお、測定する対象物に応じて、回転可能な回転ステージを含めてもよい。
Xステージ駆動モータ314Xを駆動することでXステージ310Xを所定の速度で+X方向又は−X方向に移動することができる。Xステージ310Xに金型Dが載置され、Xステージ310Xの移動により金型Dを移動させることができる。
Yステージ駆動モータ314Yを駆動することでYステージ310Yを所定の速度で+Y方向又は−Y方向に移動することができる。Yステージ310Yには、Zステージ310Zが搭載されており、Zステージ310Zを所望する位置に位置づけることができる。
Zステージ駆動モータ314Zを駆動することでZステージ310Zを所定の速度で+Z方向又は−Z方向に移動することができる。Zステージ310Zには、ラインセンサカメラ210及び共焦点顕微鏡250が搭載されており、Zステージ310Zを移動することで、ラインセンサカメラ210及び共焦点顕微鏡250の各々を所望する位置に位置づけることができる。
<駆動系300B>
顕微鏡システム100Bの駆動系300Bは、図1に示すように、主に、制御装置370と、ピエゾ素子330と、対物レンズ駆動モータ320とを有する。
制御装置370は、図4に示すように、主に、CPU372、ROM374、RAM376、I/F(インターフェース)378を有する。CPU372、ROM374、RAM376、I/F378は、アドレスバスやデータバス(図示せず)によって接続されている。CPU372、ROM374、RAM376は、後述する図8に示すフローチャートに従ったプログラムを実行する。プログラムはROM374に予め記憶されている。
I/F378には、ピエゾ素子330、対物レンズ駆動モータ320及び共焦点顕微鏡250に接続されているCCDカメラ340が接続されている。
ピエゾ素子330は、CPU372から出力された制御信号によって駆動される。Zステージ310Zには、ピエゾ素子330を介して共焦点顕微鏡250が搭載されている。ピエゾ素子330の駆動によって、Zステージ310Z上で共焦点顕微鏡250を上下方向(±Z方向)に移動させる。共焦点顕微鏡250が下方向(−Z方向)に移動することで、共焦点顕微鏡250はXステージに載置されている金型Dに近づく。共焦点顕微鏡250が上方向(+Z方向)に移動することで、共焦点顕微鏡250はXステージに載置されている金型Dから離れる。
Xステージ310X、Yステージ310Y及びZステージ310Zの移動により、共焦点顕微鏡250のX方向、Y方向及びZの位置を粗調整及び微調整することができる。粗調整及び微調整については、後で詳述する。ピエゾ素子330を駆動することで、共焦点顕微鏡250をZ方向の位置に微動させて欠陥の高さを測定できる。
ピエゾ素子330の駆動で共焦点顕微鏡250を微動させ、欠陥と焦点が合う位置を徐々に変える。共焦点顕微鏡250を微動させることで、欠陥と焦点が合う最下位置と最上位置とを決定できる。欠陥の最下位置に対応するピエゾ素子330の位置と、欠陥の最上位置に対応するピエゾ素子330の位置との差に基づいて欠陥の高さを決定することができる。
対物レンズ駆動モータ320は、CPU372から出力された制御信号によって駆動される。対物レンズ駆動モータ320の駆動によって対物レンズ254が選択される。対物レンズ254は、20倍の対物レンズと100倍の対物レンズとからなる。CPU372から出力された制御信号によって、20倍の対物レンズ又は100倍の対物レンズのいずれか一方が選択されて、共焦点顕微鏡250の撮像可能な状態に位置づけられる。
20倍の対物レンズが選択されている状態では、Xステージ310X、Yステージ310Y及びZステージ310Zの位置の粗調整をする。100倍の対物レンズが選択されている状態では、Xステージ310X、Yステージ310Y及びZステージ310Zの位置の微調整をする。
Xステージ310X及びYステージ310Yの粗調整及び微調整によって、共焦点顕微鏡250の撮像領域の中央に欠陥が位置づけられる。さらに、Zステージ310Zの粗調整及び微調整によって、欠陥に焦点を合わせることができる範囲に共焦点顕微鏡250を位置づける。
エリアカメラであるCCDカメラ340は、共焦点顕微鏡250に設けられており、焦点信号や撮像信号を出力する。CCDカメラ340から出力される焦点信号や撮像信号は、I/F378を介して制御装置370に入力される。制御装置370は、入力された焦点信号に基づいて制御信号を出力し、ピエゾ素子330を駆動する。また、制御装置370は、入力された撮像信号によって、金型Dを撮像した撮像データを生成し、RAM376に記憶させる。
<<照明系400>>
図1に示すように、照明系400は、第1の照明系と第2の照明系と第3の照明系と第4の照明系とを有する。これらの第1の照明系〜第4の照明系は、ラインセンサカメラ210で金型Dの表面を撮像するときに使用される。
第1の照明系は、第1の光源400A及び第1のライトガイド410Aを有する。第1のライトガイド410Aはストレートライトガイドである。第1の照明系は、主に、凸状の欠陥を検出するための照明系である。
第2の照明系は、第2の光源400B及び第2のライトガイド410Bを有する。第2のライトガイド410Bはストレートライトガイドである。第3の照明系は、第3の光源400C及び第3のライトガイド410Cを有する。第4の照明系は、第4の光源400D及び第4のライトガイド410Dを有する。第3のライトガイド410C及び第4のライトガイド410Dは、ライン型のライトガイドである。第2〜第4の照明系は、主に、スジ状の欠陥や金型Dの上面内に広がる欠陥を検出するための照明系である。例えば、第2〜第4の照明系によって、異方性を有する欠陥などを検出することができる。
第1の光源400A〜第4の光源400Dは、例えば、メタルハライドランプからなる。第1の光源400A〜第4の光源400Dの各々には、光を出射する出射部(図示せず)が形成されている。第1の光源400Aの出射部には、第1のライトガイド410Aの入射面(図示せず)が連結される。第2の光源400Bの出射部には、第2のライトガイド410Bの入射面(図示せず)が連結される。第3の光源400Cの出射部には、第3のライトガイド410Cの入射面(図示せず)が連結される。第4の光源400Dの出射部には、第4のライトガイド410Dの入射面(図示せず)が連結される。
図3に示すように、第1のライトガイド410Aの出射面412A、第2のライトガイド410Bの出射面412B、第3のライトガイド410Cの出射面412C、第4のライトガイド410Dの出射面412Dは、Xステージ310X(金型D)に向かって配置されている。図3では、第1のライトガイド410Aの出射面412A〜第4のライトガイド410Dの出射面412Dの近傍のみを示し、第1のライトガイド410A〜第4のライトガイド410Dの出射面412Dに接続されている光ファイバを省略して示した。
第1の光源400Aから発せられた光は、第1のライトガイド410Aに案内され出射面412Aから出射されて金型Dを照明する。第2の光源400Bから発せられた光は、第2のライトガイド410Bに案内され出射面412Bから出射されて金型Dを照明する。第3の光源400Cから発せられた光は、第3のライトガイド410Cに案内され出射面412Cから出射されて金型Dを照明する。第4の光源400Dから発せられた光は、第4のライトガイド410Dに案内され出射面412Dから出射されて金型Dを照明する。
上述したように、第1のライトガイド410A及び第2のライトガイド410Bは、ストレートライトガイドであり、出射面は略円状に形成され、略円状の領域を照明する。第3のライトガイド410C及び第4のライトガイド410Dは、ライン型のライトガイドであり、出射面は長尺な長方形状に形成され、スリット光を発して略長方形状の領域を照明する。
金型Dを照明する方向や領域の形状や大きさなどの照明条件は、欠陥の種類や大きさや形状に応じて第1のライトガイド410A〜第4のライトガイド410Dの各々に割り当てられる。また、欠陥の種類や大きさや形状に応じて、光の波長や強度などの照明条件は、第1の光源400A〜第4の光源400Dの各々に割り当てることができる。上述したように、欠陥には、凸状の欠陥やスジ状の欠陥や金型Dの上面内に広がる欠陥のほかに、凹状の欠陥や打痕などがある。第1の光源400A〜第4の光源400D及び第1のライトガイド410A〜第4のライトガイド410Dによって決定できる照明条件は、欠陥の種類や大きさや形状に応じて定めればよい。第1の光源400A〜第4の光源400Dを順次に切り替えて金型Dを照明して、金型Dを撮像することで、各種の欠陥を検出することができる。
光源の数や光の波長やライトガイドの出射面の形状などは、検出すべき欠陥の種類や大きさや形状によって適宜に決定すればよい。
<<<制御処理>>>
以下では、欠陥測定装置100の初期化などの起動処理は完了し、欠陥測定装置100は、定常に動作しているものとする。また、Xステージ310X、Yステージ310Y、Zステージ310Zのホームポジションを示す位置情報は、ROM354やRAM356などに予め記憶されている。また、ラインセンサカメラ210及び共焦点顕微鏡250のYステージ310Y上における位置情報(オフセット情報など)もROM354やRAM356などに予め記憶されている。例えば、オフセット情報は、ラインセンサカメラ210の中心と、共焦点顕微鏡250のCCDカメラ340の中心との相対的な位置関係を示す情報である。
図5は、欠陥検査動作処理を示すフローチャートである。図6は、画像取得処理を示すフローチャートである。図7は、欠陥検出処理を示すフローチャートである。図8は、顕微鏡高さ測定処理を示すフローチャートである。
図5〜図7は、制御装置350によって実行される。この処理によって、ラインセンサカメラ210で金型Dの全面の欠点が検出され、検出された全ての欠点の位置がRAM356に記憶される。図8は、制御装置370によって実行される。この処理よって、RAM356に記憶されている位置に共焦点顕微鏡250を位置づけ、欠陥の高さを測定する。
上述したように、ラインセンサカメラ210及び共焦点顕微鏡250は、互いに異なる機能を有する別個の撮像装置である。図5〜図7の処理は、ラインセンサカメラ210で金型Dの欠点を検出して全ての欠点の位置を記憶する処理である。また、図8の処理は、図5〜図7の処理の結果を利用して、共焦点顕微鏡250で欠陥の高さを測定する処理である。このように、共焦点顕微鏡250を用いる処理(図8)は、ラインセンサカメラ210を用いる処理に従属する処理(図5〜図7)である。
<<欠陥検査動作処理>>
最初に、図6の画像取得処理を呼び出して、第1の光源400Aを点灯して金型Dを照明し、画像を取得して欠陥を検出する処理を実行する(ステップS411)。第1の光源400Aを点灯することで、主に、凸状の欠陥を検出できる。第1の光源400Aを点灯することで、例えば、図10Aに示すような凸状の欠陥を検出できる。図10Aに示す例では、5つの凸状の欠陥が金型Dの上面に存在することを示す。
次に、ステップS411の処理で検出した欠陥の数が許容範囲内であるか否かを判断する(ステップS413)。この許容範囲とは、第1の光源400Aで検出できる種類の欠陥の数を判断するための条件である。ステップS413の判断処理で、許容範囲を超えない場合には適切な金型Dと判別され、許容範囲を超えた場合には不適切な金型Dと判別される。
ステップS413の判断処理で、欠陥の数が許容範囲内であると判別したときには、図6の画像取得処理を呼び出して、第2の光源400Bを点灯して金型Dを照明し、画像を取得して欠陥を検出する処理を実行する(ステップS415)。第2の光源400Bを点灯することで、主に、スジ状の欠陥を検出できる。第2の光源400Bを点灯することで、例えば、図10Bに示すような縦方向(±X方向)に延びるスジ状の欠陥を検出できる。図10Bに示す例では、金型Dの上面の左端部LT(図9参照)の近くに、縦方向(±X方向)に延びる1本のスジ状の欠陥が存在することを示す。
次に、ステップS415の処理で検出した欠陥の数及びサイズが許容範囲内であるか否かを判断する(ステップS417)。この許容範囲とは、第2の光源400Bで検出できる種類の欠陥の数及びサイズを判断するための条件である。サイズは、長さや面積などである。ステップS417の判断処理で、許容範囲を超えない場合には適切な金型Dと判別され、許容範囲を超えた場合には不適切な金型Dと判別される。
ステップS417の判断処理で、欠陥の数及びサイズが許容範囲内であると判別したときには、図6の画像取得処理を呼び出して、第3の光源400Cを点灯して金型Dを照明し、画像を取得して欠陥を検出する処理を実行する(ステップS419)。第3の光源400Cを点灯することで、主に、広がった欠陥を検出できる。第3の光源400Cを点灯することで、例えば、図10Cに示すような金型Dの上面内(X−Y面内)に広がる欠陥を検出できる。図10Cに示す例では、金型Dの上面の左下側の領域に、金型Dの上面内(X−Y面内)に延在する欠陥が存在することを示す。
次に、ステップS419の処理で検出した欠陥の数及びサイズが許容範囲内であるか否かを判断する(ステップS421)。この許容範囲とは、第3の光源400Cで検出できる種類の欠陥の数及びサイズを判断するための条件である。サイズは、長さや面積などである。ステップS421の判断処理で、許容範囲を超えない場合には適切な金型Dと判別され、許容範囲を超えた場合には不適切な金型Dと判別される。
ステップS421の判断処理で、欠陥の数及びサイズが許容範囲内であると判別したときには、図6の画像取得処理を呼び出して、第4の光源400Dを点灯して金型Dを照明し、画像を取得して欠陥を検出する処理を実行する(ステップS423)。第4の光源400Dを点灯することで、主に、スジ状の欠陥を検出できる。第4の光源400Dを点灯することで、例えば、図10Dに示すような横方向(±Y方向)に延びるスジ状の欠陥を検出できる。図10Dに示す例では、金型Dの上端部UTの近くに、横方向(±Y方向)に延びる1本のスジ状の欠陥が存在することを示す。
次に、ステップS421の処理で検出した欠陥の数及びサイズが許容範囲内であるか否かを判断する(ステップS425)。この許容範囲とは、第4の光源400Dで検出できる種類の欠陥の数及びサイズを判断するための条件である。サイズは、長さや面積などである。ステップS425の判断処理で、許容範囲を超えない場合には適切な金型Dと判別され、許容範囲を超えた場合には不適切な金型Dと判別される。
上述したステップS413、S417、S421及びS425の各々の許容範囲は、第1の光源400A〜第4の光源400Dから発せられた光を照明して検出できる欠陥の種類や大きさなどによって定めればよい。
上述したステップS413の判断処理で欠陥の数が許容範囲を超えていると判別した場合や、ステップS417、S421又はS425の判断処理で欠陥の数及びサイズが許容範囲を超えていると判別した場合には、直ちに本サブルーチンを終了して、欠陥の検査を中止する。このようにすることで、欠陥の数が多すぎる場合や、欠陥のサイズが大きい場合には、後述する図8の共焦点顕微鏡250の処理を実行するよりも前の時点で処理を中断し、全体の処理時間を短くすることができる。すなわち、欠陥の数が多すぎる場合や、欠陥のサイズが大きい場合には、欠陥の高さを測定するまでもなく不適切な金型Dであり、共焦点顕微鏡250で欠陥の高さを測定することなく、処理を中断して全体の処理時間を短くできる。
次に、図7に示す欠陥検出処理のサブルーチンを呼び出して、第1の光源400A〜第4の光源400Dで撮像したデータを結合した結合データを生成し、結合データから欠陥の位置を取得する(ステップS426)。欠陥検出処理の詳細は、後述する。
次に、ステップS426の処理で取得した欠陥の位置データをRAM356から読み出し、位置データに基づいてXステージ310XとYステージ310Yとを移動させて、共焦点顕微鏡250を欠陥の場所に位置づける(ステップS427)。
次に、図8に示す顕微鏡高さ測定処理を呼び出して実行し欠陥の高さを測定する(ステップS429)。顕微鏡高さ測定処理の詳細は、後述する。
次に、欠陥の高さが許容範囲内であるか否かを判断する(ステップS431)。
欠陥の高さが許容範囲内であると判別したときには、全ての欠陥の高さを測定し終わったか否かを判断する(ステップS433)。全ての欠陥の高さを測定し終わっていない判別したときには、ステップS427に処理を戻す。
全ての欠陥の高さを測定し終わったと判別したときには、全ての欠陥の位置及び種類をマップ状に、制御装置350のディスプレイ(図示せず)に表示し(ステップS435)、本サブルーチンを終了する。金型に存在する欠陥の位置及び種類をディスプレイに表示することができる。
例えば、図12に示すように、第1の光源400A〜第4の光源400Dを照明して検出した欠陥をディスプレイに表示することができる。図12は、金型Dの上面の全面の状態を示す図であり、四角が金型Dの輪郭を示す。図12に示した例は、図10A〜図10Dの各々に示した欠陥の全てを重ね合わせて表示したものである。このように表示することで、金型Dの上面に存在する欠陥の種類と位置と大きさや方向などを視認可能にマップ状に表示することができる。なお、欠陥の種類に応じて色を異ならしめて欠陥をディスプレイに表示するのが好ましい。欠陥の種類と位置と大きさや方向などを明瞭に視認させることができる。
<<画像取得処理>>
図6は、画像取得処理を示すフローチャートである。この処理は、ラインセンサカメラ210で金型Dを撮像して欠陥を検出し、検出した欠陥の位置を特定するための処理である。この処理は、図5のステップS411、S415、S419及びS423で呼び出されて実行されるサブルーチンである。
最初に、点灯する光源を指定する(ステップS511)。本実施の形態では、第1の光源400A〜第4の光源400Dのいずれか1つの光源を指定する。ステップS411の処理で本サブルーチンが呼び出されたときには第1の光源400Aを指定する。ステップS415の処理で本サブルーチンが呼び出されたときには第2の光源400Bを指定する。ステップS419の処理で本サブルーチンが呼び出されたときには第3の光源400Cを指定する。ステップS423の処理で本サブルーチンが呼び出されたときには第4の光源400Dを指定する。照明に用いる光源の数に応じて決定することができる。
次に、ステップS511で指定した光源を点灯する(ステップS513)。この処理により、点灯した光源に対応する領域で金型Dを照明する。
第1の光源400Aを点灯した場合には、第1のライトガイド410Aの出射面から光が出射され、金型Dの略円状の領域を照明する。第2の光源400Bを点灯した場合には、第2のライトガイド410Bの出射面から光が出射され、金型Dの略円状の領域を照明する。第3の光源400Cを点灯した場合には、第3のライトガイド410Cの出射面から光が出射され、金型Dの略長方形状の領域を照明する。第4の光源400Dを点灯した場合には、第4のライトガイド410Dの出射面から光が出射され、金型Dの略長方形状の領域を照明する。
次に、Yステージ310Yによってラインセンサカメラ210を撮像位置に位置づける(ステップS515)。具体的には、まず、領域A1の上端部UTの上方にラインセンサカメラ210を位置づける。
ステップS515の処理は、ラインセンサカメラ210を画像取得開始位置に位置づける処理である。画像取得開始位置は、ラインセンサカメラ210で画像の取得(撮像)を開始する位置である。上述した例では、上端部UTを画像取得開始位置とした。画像取得開始位置は、金型Dの上面の全体をラインセンサカメラ210で余すところなく撮像できる位置であればよい。
金型Dは、様々な大きさや形状を有することが想定される。このため、金型Dの大きさや形状に応じて画像取得開始位置を適宜に設定するのが好ましい。例えば、画像取得開始位置をユーザが手動で入力して予め記憶させておくのが好ましい。金型Dの大きさや形状に応じて画像取得開始位置を読み出せるように構成することで操作を簡便にすることができる。
次に、ラインセンサカメラ210で撮像エリアSを撮像し撮像データをRAM356に記憶させる(ステップS517)。次に、領域A1でXステージ310XをΔXだけ移動させて、Xステージ310Xに載置されている金型Dを移動させる(ステップS519)。
具体的には、上述したように、Xステージ駆動モータ314Xの位置を示す信号がエンコーダから出力される。この信号を受信したことを契機にラインセンサカメラ210による撮像エリアSの撮像処理を実行する。ラインセンサカメラ210の撮像処理が終了するとXステージ310Xを移動させる制御信号をXステージコントローラ312Xに出力する。ステップS517及びS519の処理では、このような処理が実行される。
次に、Xステージ310Xが+X方向の下端部DTに達したか否かを判断する(ステップS521)。Xステージ310Xが+方向の下端部DTに達していないと判別したときには、ステップS517に処理を戻す。
Xステージ310Xが+方向の下端部DTに達したと判別したときには、ラインセンサカメラ210の撮像を終了する(ステップS523)。このようにして、領域A1の全面を撮像することができる。
上述したステップS517〜S521の処理を繰り返し実行することによって、1つの領域の全面を撮像できる。
次に、Yステージ310Yが+Y方向の右端部RTに達したか否かを判断する(ステップS525)。すなわち、Yステージ310YがA7まで到達したか否かを判断する。Yステージ310Yが+Y方向の右端部RTに達していないと判別したときには、ステップS515に処理を戻して、ラインセンサカメラ210をΔYだけ移動させるとともに、上端部UTの上方に位置づける。すなわち、隣接する領域の上端部UTの上方にラインセンサカメラ210を位置づける。
ステップS515〜S525の処理を繰り返し実行することによって、ラインセンサカメラ210を領域A1→A2→・・・→A6→A7の順に位置づけて、各々の領域を撮像することができる。
Yステージ310Yが+Y方向の右端部RTに達したと判別したときには、本サブルーチンを終了する。
<欠陥検出処理>
図7は、欠陥検出処理を示すフローチャートである。この処理は、図5のステップS426で呼び出されて実行される。この処理は、撮像データから欠陥を検出し欠陥の位置情報を取得する処理である。
最初に、撮像データから金型Dの基準マークMを検索する(ステップS527)。この時点で、A1〜A7の各々に対して、第1の光源400A〜第4の光源400Dの各々で照明した撮像データがあり、合計で7×4個の撮像データがある。これらの全ての撮像データが適切に撮像されていれば、金型Dの基準位置及び基準角度を示す基準マークMが撮像されている。
次に、全ての撮像データに金型Dの基準マークMが撮像されているか否かを判断する(ステップS529)。金型Dの基準マークMが撮像されていない撮像データが含まれている場合には、直ちに本サブルーチンを終了する。金型Dの基準マークMが撮像されていない場合には、画像データを適切に結合することができないので、本サブルーチンを終了する。
上述したように7×4個の撮像データがRAM356に記憶されている。ステップS529の判断処理で、全ての撮像データに金型Dの基準マークMが撮像されていると判別したときには、これらの撮像データをRAM356から読み出し、基準マークMから角度及び位置の補正をして、全ての撮像データを結合して、金型Dの全体の表面を示す画像データを生成する(ステップS531)。
ステップS531の処理では、撮像されている基準マークMが整合するように、撮像データの角度や位置の補正をして撮像データを結合した画像データを生成する。7×4個の撮像データの各々は、撮像開始の位置がずれていたり傾いて撮像されていたりする場合がある。このため、撮像されている基準マークMを用いて、全ての撮像データが揃うように、撮像データの角度や位置を補正して撮像データを結合する。
上述したように、4種類の第1の光源400A〜第4の光源400Dがあり、第1の光源400A〜第4の光源400Dごとに撮像データを結合する。すなわち、第1の光源400Aを照明したときの7つの撮像データを結合して単一の画像データ(image_data_A)を生成し、第2の光源400Bを照明したときの7つの撮像データを結合して単一の画像データ(image_data_B)を生成し、第3の光源400Cを照明したときの7つの撮像データを結合して単一の画像データ(image_data_C)を生成し、第4の光源400Dを照明したときの7つの撮像データを結合して単一の画像データ(image_data_C)を生成する。このようにして、第1の光源400A〜第4の光源400Dの各々に対応する4つの画像データ(image_data_A〜image_data_D)を生成する。
なお、第1の光源400Aを照明したときの単一の画像データ(image_data_A)によって、図10Aに示すような画像を表示することができ、第2の光源400Bを照明したときの単一の画像データ(image_data_B)によって、図10Bに示すような画像を表示することができ、第3の光源400Cを照明したときの単一の画像データ(image_data_C)によって、図10Cに示すような画像を表示することができ、第4の光源400Dを照明したときの単一の画像データ(image_data_D)によって、図10Dに示すような画像を表示することができる。図10A〜図10Dは、金型Dの上面の全面の状態を示す図であり、四角が金型Dの輪郭を示す。
結合した画像データには、撮像された全ての種類の欠陥の情報が含まれる。上述したように、欠陥には、凸状の欠陥やスジ状の欠陥などがあり、これらの種類の欠陥の情報が画像データに含まれる。
次に、結合した画像データから欠陥を検出する(ステップS533)。欠陥は、画像データの色(色相、彩度、明度)が変化する箇所や、周囲と色が異なる範囲の大きさや形状などによって検出することができる。
次に、検出した欠陥の位置を記憶する(ステップS535)。例えば、検出した欠陥の重心の位置を算出し、重心の位置を欠陥の代表的な位置として記憶する。ここで、欠陥の位置は、画像データから取得できる画素数を単位にしても、実際の長さを単位にしてもよい。
次に、結合した画像データから金型Dの全面の検査を完了したか否かを判断する(ステップS537)。金型Dの全面の検査を完了していないと判別した場合には、ステップS533に処理を戻す。
ステップS537の判断処理で金型Dの全面の検査を完了したと判別した場合には、第1の光源400A〜第4の光源400Dの各々に対応する4つの画像データ(image_data_A〜image_data_D)について検査をしたか否かを判断する(ステップS539)。全ての画像データ(image_data_A〜image_data_D)について検査をしていないと判別したときには、ステップS533に処理を戻す。全ての画像データ(image_data_A〜image_data_D)について検査をしたと判別したときには、本サブルーチンを終了する。
この処理により、第1の光源400A〜第4の光源400Dの各々に対応する4つの画像データ(image_data_A〜image_data_D)のそれぞれについて、金型Dの全面に存在する欠陥を抽出し、抽出した欠陥の位置を取得することができる。例えば、図11に示すように、第1の光源400A〜第4の光源400Dの各々について抽出された欠陥のX座標とY座標とが制御装置350のRAM356に記憶される。
<<顕微鏡高さ測定処理>>
図8は、顕微鏡高さ測定処理を示すフローチャートである。この処理は、共焦点顕微鏡250を用いて、欠陥の高さ方向の情報、例えば、欠陥の高さを測定するための処理である。
なお、共焦点顕微鏡250で金型Dを撮像する場合には、同軸落射照明光(図示せず)によってハーフミラーを介して金型Dを照明する。例えば、同軸落射照明光の光源としてハロゲン光源を用いることができる。また、共焦点顕微鏡250には、エリアカメラとしてCCDカメラ340が撮像可能に設けられている。
最初に、共焦点顕微鏡250の対物レンズ駆動モータ320を駆動して20倍の対物レンズを選択する(ステップS611)。この時点では、共焦点顕微鏡250は通常の顕微鏡として機能する。20倍の対物レンズによって、CCDカメラ340(エリアカメラ)で撮像できる領域が決定される。例えば、約200μm×150μmの領域を撮像することができる。対物レンズの倍率は、対象とする欠陥の大きさや形状に応じて決定すればよい。
次に、Xステージ駆動モータ314X及びYステージ駆動モータ314Yを駆動してXステージ310X及びYステージ310Yを移動させることでセンタリングをする(ステップS613)。センタリングは、測定対象の1つの欠陥を、共焦点顕微鏡250のCCDカメラ340の撮像領域の中央に位置づける処理である。
次に、Zステージ駆動モータ314Zを駆動してZステージ310Zを移動させることで、欠陥に焦点を合わせる(フォーカシング)(ステップS615)。この処理は、CCDカメラ340から出力される焦点信号に基づいてZステージ310Zを移動させることで焦点を欠陥に合わせる。このフォーカシングは、共焦点顕微鏡250の焦点が欠陥に合う範囲に共焦点顕微鏡250を位置づけるように、Zステージ310Zを移動させる処理である。
上述したように、Xステージ310X、Yステージ310Y及びZステージ310Zの移動は、制御システム100Aの駆動系300Aによって制御される。ステップS613及びS615の処理は、Xステージ310X、Yステージ310Y及びZステージ310Zを移動させるためのコマンドを顕微鏡システム100Bから制御システム100Aに送信し、駆動系300AによってXステージ310X、Yステージ310Y及びZステージ310Zを移動させる。
次に、動作が完了したか否かを判断する(ステップS617)。この処理は、センタリング及びフォーカシングが完了したか否かの判断である。動作が完了していないと判別したときには、ステップS613に処理を戻す。
次に、動作が完了したと判別したときには、欠陥が存在するか否かを判断する(ステップS619)。欠陥が存在しないと判別した場合には、直ちに本サブルーチンを終了する。
欠陥が存在しないと判別する場合とは、ラインセンサカメラ210で撮像した時点では欠陥と判別されたが、20倍の対物レンズでセンタリング及びフォーカシングをしたときには、欠陥はでないと判別される場合である。例えば、ラインセンサカメラ210ではごみが欠陥として撮像されたが、その後にごみが移動し20倍の対物レンズではごみが検出されない場合などである。
上述したステップS611〜S619の処理を実行することで粗調整が行われる。
ステップS619の処理で欠陥が存在すると判別した場合には、共焦点顕微鏡250の対物レンズ駆動モータ320を駆動して100倍の対物レンズを選択する(ステップS621)。この時点では、共焦点顕微鏡250は通常の顕微鏡として機能する。倍率を高くすることで欠陥を拡大して撮像することができる。
次に、Xステージ駆動モータ314X及びYステージ駆動モータ314Yを駆動してXステージ310X及びYステージ310Yを移動させることでセンタリングをする(ステップS623)。100倍の対物レンズで欠陥を撮像してセンタリングをすることで、測定対象の1つの欠陥を、共焦点顕微鏡250のCCDカメラ340の撮像領域の中央により正確に位置づけることができる。
次に、Zステージ駆動モータ314Zを駆動してZステージ310Zを移動させることで、欠陥に焦点を合わせる(フォーカシング)(ステップS625)。この処理は、ステップS615と同様の処理である。このようにすることで、Z方向の所定の範囲内で常に欠陥に焦点を合わせることができる。
上述したステップS623及びS625の処理は、ステップS613及びS615の処理と同様に、Xステージ310X、Yステージ310Y及びZステージ310Zを移動させるためのコマンドを顕微鏡システム100Bから制御システム100Aに送信し、駆動系300AによってXステージ310X、Yステージ310Y及びZステージ310Zを移動させる。
次に、動作が完了したか否かを判断する(ステップS627)。動作が完了していないと判別したときには、ステップS623に処理を戻す。
動作が完了したと判別したときには、再び欠陥が存在するか否かを判断する(ステップS629)。欠陥が存在しないと判別した場合には、直ちに本サブルーチンを終了する。
欠陥が存在しないと判別する場合とは、20倍の対物レンズでセンタリング及びフォーカシングをした時点では欠陥と判別されたが、100倍の対物レンズでセンタリング及びフォーカシングをしたときには、欠陥はでないと判別される場合である。例えば、20倍の対物レンズではごみが欠陥として撮像されたが、その後にごみが移動し100倍の対物レンズではごみが検出されない場合などである。このように、実際の欠陥の高さを測定する直前まで欠陥が存在するか否かを判断することで、欠陥の高さを適切に測定することができる。
上述したステップS621〜S629の処理を実行することで微調整が行われる。
欠陥が存在すると判別した場合には、共焦点顕微鏡250を、共焦点顕微鏡として機能させて、ピエゾ素子330を駆動して焦点が合う位置を探して高さを測定し(ステップS631)、本サブルーチンを終了する。
具体的には、撮像された画像のコントラストを検出しながら、ピエゾ素子330を往復移動させる。例えば、ピエゾ素子330を100μmの範囲内で徐々に微動させる。焦点が合う最も低い位置が欠陥の最低位置であり、焦点が合う最も高い位置が欠陥の最高位置である。最高位置と最低位置との差を欠陥の高さと算出する。
1つの欠陥の高さの測定が終了するたびに、欠陥の外観を示す画像と、欠陥の断面の形状を示すデータとが、顕微鏡システム100Bから制御システム100Aに送信される。制御システム100Aは、欠陥の高さに関するデータを順次に蓄積する。欠陥の種類や傾向を分類し、欠陥の原因の解析を容易にできる。
<<<その他>>>
上述した例では、欠陥の高さを測定するために共焦点顕微鏡250を用いる場合を示したが、欠陥の高さ方向の情報を得るものであればよく、光干渉を用いて測定する装置やレーザ光を用いて測定する装置のほか、触針で測定する装置でもよい。欠陥を検出するための装置とは別個に、欠陥の高さを測定する装置が設けられていればよい。欠陥の高さを測定する装置は、測定する対象の材料や速度や精度に応じて適宜に定めればよい。
上述した例では、欠陥の高さを測定する場合を示したが、欠陥の高さ方向の情報を取得するもの、例えば、欠陥の深さを測定するものでもよい。
また、上述した例では、金型Dの形状として四角形の形状を有するものを示したが、他の形状、例えば、多角形や円状のほかに不規則な形状などの物体を対象にすることができる。いずれの場合も、基準マークMが撮像可能に形成されていればよい。
欠陥の位置や高さのほかに、欠陥の面積や、欠陥が異方的な形状を有する場合には欠陥の長さや向きや、谷又は山の傾きなどを記憶してもよい。このような欠陥の位置や高さや、欠陥の面積や長さや向きや、谷又は山の傾きなどの情報で欠陥を分類したり(例えば、図13参照)、欠陥の大きさや形状や向きや分布などの統計的な処理をしたりして保存しておくのが好ましい。統計的な処理をすることで欠陥の原因究明を容易にすることができる。
例えば、被撮像体Tが金型Dである場合には、原型になる親の金型から子供の金型を複製し、さらに、子供の金型から孫の金型を複製するようにして、複数の世代に亘る金型を生成する場合がある。このように、複数の世代の金型が存在する場合に、欠陥の数や位置などの情報を世代ごとに保存しておくことで、どの世代で欠陥が生じたのかの検証や管理を容易にすることができる。
また、金型Dを定期的に検査し、データベースに登録した過去のデータを比較することにより、金型Dの経時変化を検出して金型Dの管理を容易にすることもできる。
100 欠陥測定装置
100A 制御システム
100B 顕微鏡システム
200 撮像系
300 駆動系
400 照明系

Claims (1)

  1. 被撮像体を撮像する撮像系を有する撮像装置と、
    前記被撮像体を照明するための複数個の光源と、
    前記撮像装置によって前記被撮像体の撮像対象領域を撮像した撮像結果に基づいて前記被撮像体の欠陥の位置を取得する取得処理を実行する欠陥情報取得装置と、を備え、
    前記取得処理は、
    前記複数個の光源のうちの一の光源で前記被撮像体を照明し前記撮像対象領域を撮像する第1照明撮像処理と、
    前記第1照明撮像処理で得られた撮像結果に基づいて、欠陥について許容できる範囲内であるか否かを判断する欠陥許容判断処理と、
    許容できる範囲内であると判別したことを条件に、前記複数個の光源のうちの前記一の光源とは異なる他の光源で前記被撮像体を照明し前記撮像対象領域を撮像する第2照明撮像処理と、
    許容できる範囲内でないと判別したことを条件に、処理を中止する中止処理と、を含む欠陥測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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