図3は、基板300と、基板300上に配置されたLEDチップ302と、蛍光層304とを備える本発明の発光デバイス30を示す。蛍光層304は、LEDチップ302および基板300上に少なくとも部分的にかつコンフォーマルにコーティングされている。複数の電極、複数の基板電極およびダイボンディング材料等のLEDチップのいくつか詳細が図3から省略されているが、当業者らは、本発明を参照することにより、これら詳細が本発明において限定されることを意図するものではなく、これらのコンポーネントの様々な実施形態が、本発明の範囲内にあるはずであることは理解されるであろう。さらに、蛍光層304は、一貫性のない色温度を防止すべく、蛍光体物質が蛍光層304の全体にわたって均等に分散される濃度の蛍光体物質を含む。しかしながら、蛍光体物質の分散は、あるいは実際の必要性に従って、勾配をつける等、不均一な態様で分散されてもよい。
開示されたデバイスにおける複数のコンポーネントが、ここで、それらの複数の材料および特徴を強調することにより説明される。
<基板/キャリア>
本発明において、キャリアは、切断後に基板を形成する。本発明において、基板/キャリアは、金属リードフレーム、プリント基板、セラミック板、ガラス板、プラスチック板および可撓性のある板等、任意の適した材料で作成された板であってよい。特に、基板/キャリアが金属リードフレームによって実現される場合において、金属リードフレームは、リードフレームの全体的な機械的強度を高めるべく、その内部空間を詰物で充填された状態で有することが好ましい。さらに、いくつかの実施形態において、キャリアは、基板なしで発光デバイスを生成すべく、後の単体化工程の後に除去されてもよい。この場合、キャリアは好ましくは、その上にリリースフィルムを有しているものであり、従って、それは、最後の単体化工程が行われたときに発光デバイスから容易に除去され得る。
<チップ>
本発明において、任意の適したLEDチップが用いられてもよい。好ましく、LEDチップは、任意のGaNベースの半導体、例えばInGaNチップで作成されたものであってもよい。より好ましくは、LEDチップは、450nmと460nmとの間のピーク波長を有する。LEDチップは、様々な設計、例えば水平チップ、縦型チップおよびフリップチップのいずれかのうち1つであってもよい。水平および縦型チップの両方が、複数の外部の電極との接続用の導線を必要とすることに特に留意されるべきである。そのような導線および他の複数のコンポーネントならびにそれらのアセンブリは、後に提供されるいくつかの実施形態を用いて詳述されるであろう。
<蛍光体物質>
当該分野において一般に用いられる複数の任意の蛍光体物質が、本発明の目的に用いられ得る。特に、蛍光体物質は、Sr5(PO4)3Cl:Eu2+、(Sr,Ba)MgAl10O17:Eu2+、(Sr,Ba)3MgSi2O8:Eu2+、SrAl2O4:Eu2+、SrBaSiO4:Eu2+、CdS:In、CaS:Ce3+、Y3(Al,Gd)5O12:Ce2+、Ca3Sc2Si3O12:Ce3+、SrSiON:Eu2+、ZnS:Al3+、Cu+、CaS:Sn2+、CaS:Sn2+、F、CaSO4:Ce3+、Mn2+、LiAlO2:Mn2+、BaMgAl10O17:Eu2+、Mn2+、ZnS:Cu+、Cl−、Ca3WO6:U、Ca3SiO4C12:Eu2+、SrxBayClzAl2O4−z/2:Ce3+、Mn2+(X:0.2,Y:0.7,Z:1.1)、Ba2MgSi2O7:Eu2+、Ba2SiO4:Eu2+、Ba2Li2Si2O7:Eu2+、ZnO:S、ZnO:Zn、Ca2Ba3(PO4)3Cl:Eu2+、BaAl2O4:Eu2+、SrGa2S4:Eu2+、ZnS:Eu2+、Ba5(PO4)3Cl:U、Sr3WO6:U、CaGa2S4:Eu2+、SrSO4:Eu2+、Mn2+、ZnS:P、ZnS:P3−、Cl−、ZnS:Mn2+、CaS:Yb2+、Cl、Gd3Ga4O12:Cr3+、CaGa2S4:Mn2+、Na(Mg,Mn)2LiSi4O10F2:Mn、ZnS:Sn2+、Y3Al5O12:Cr3+、SrB8O13:Sm2+、MgSr3Si2O8:Eu2+,Mn2+、α−SrO・3B2O3:Sm2+、ZnS−CdS、ZnSe:Cu+、Cl、ZnGa2S4:Mn2+、ZnO:Bi3+、BaS:Au、K、ZnS:Pb2+、ZnS:Sn2+、Li+、ZnS:Pb,Cu、CaTiO3:Pr3+、CaTiO3:Eu3+、Y2O3:Eu3+、(Y,Gd)2O3:Eu3+、CaS:Pb2+,Mn2+、YPO4:Eu3+、Ca2MgSi2O7:Eu2+、Mn2+、Y(P,V)O4:Eu3+、Y2O2S:Eu3+、SrAl4O7:Eu3+、CaYAlO4:Eu3+LaO2S:Eu3+、LiW2O8:Eu3+、Sm3+、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu2+、Mn2+、Ba3MgSi2O8:Eu2+、Mn2+、ZnS:Mn2+、Te2+、Mg2TiO4:Mn4+、K2SiF6:Mn4+、SrS:Eu2+、Na1.23K0.42Eu0.12TiSi4O11、Na1.23K0.42Eu0.12TiSi5O13:Eu3+、CdS:In、Te、CaAlSiN3:Eu2+、CaSiN3:Eu2+、(Ca,Sr)2Si5N8:Eu2+、およびEu2W2O7から成る群から選択される1または複数であってよい。
特に、四価マンガンにより活性化された赤色蛍光体物質が本発明において用いられてもよい。そのような赤色蛍光体物質は、A2[MF6]:Mn4+の化学式を有し、ここで、Aは、Li、Na、K、Rb、Cs、NH4およびそれらの任意の組み合わせから選択され、Mは、Ge、Si、Sn、Ti、Zrおよびそれらの任意の組み合わせから選択される。
本発明において、赤色蛍光体物質は、好ましくは18μmと41μmとの間の平均粒子サイズ(d50)を有する。そのような赤色蛍光体物質の複数の例には、K2SiF6:Mn4+、K2TiF6:Mn4+およびK2SiF6:Mn4+が含まれ、K2SiF6:Mn4+が好まししい。これらの赤色蛍光体物質は、450nmから460nmまでの間の波長範囲においてピークを有する光源によって励起される場合、600nmから650nmまでの間の波長範囲において第1のピークを有する光を発し得る。本明細書において述べられる第1のピークは、蛍光体物質がそれらの最も高い光度に達する波長を指すことに留意されるべきである。さらに、本発明は、単一の赤色蛍光体物質を用いることに限定されず、事前に列挙された2またはそれより多くの蛍光体物質が共に用いられ得る。
発光デバイスの色域をさらに拡大すべく、オキシ窒化物蛍光体物質を緑色光源として用いることが好ましい。より好ましくは、緑色蛍光体物質は、
および
から成る群から選択される化学式を有し、ここで、0<x≦12;0<y<x;0<x+y≦12;0<δ≦3;であり、δ<x+y;M
(II)は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Cu、Co、Ni、Pd、Zn、Cdおよびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択された二価カチオンであり、M
(III)は、B、Al、Ga、In、Sc、Y、La、Gdおよびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択された三価カチオンであり、Aは、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Mn、Bi、Sbおよびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択された活性中心である。本発明において、緑色蛍光体物質は、好ましくは18μmから22μmまでの間の平均粒子サイズ(d50)を有する。
赤色蛍光体物質および緑色蛍光体物質が本発明において共に用いられる場合において、赤色蛍光体物質および緑色蛍光体物質は、1:1〜3:1の重量比を有する。なぜならば、そのような比は、結果としてもたらされる発光デバイスにより良い演色性を与えるからである。
<蛍光層>
本発明において、蛍光層は、半硬化蛍光性樹脂を硬化および切断することにより形成される。本明細書において参照される半硬化蛍光性樹脂は、B工程の樹脂組成物である。この状態で、樹脂組成物は、良好な形状保持能力を有し、外力下で変形することがさらに可能であり、それは、完全に溶融または溶解されることなく、加熱された場合に軟化し、溶媒に接触した場合に膨張する。さらに、本発明において、半硬化蛍光性樹脂は、蛍光体物質、シロキサン樹脂、触媒および溶媒を含む。蛍光層の重量に基づいて、蛍光体物質の重量は、10%から60%であり、シロキサン樹脂の重量は、28%から89.3%であり、触媒の重量は0.1%から2%であり、溶媒の重量は0.1%から2%である。さらに、本発明において、半硬化蛍光性樹脂はまた、柔軟剤を含んでいてもよい。好ましくは、蛍光性樹脂の重量に基づいて、柔軟剤の重量は0.5%から8%である。特に、前述の組成物を有する半硬化蛍光性樹脂が硬化プロセス(例えば、プレス/焼成)を経た後、溶媒は、そこから蒸発する。この時、最後の蛍光層の重量に基づいて、蛍光体物質の重量は10%から61.2%であり、シロキサン樹脂の重量は28%から91.1%であり、触媒の重量は0.1%から2%である。柔軟剤が用いられる場合において、柔軟剤の重量は0.5%から8.2%である。
いくつかの実施形態において、蛍光層は、11g/m2/24Hr未満の透湿性を有し、400cm3/m2/24Hr未満の酸素透過性を有する樹脂で作成されてもよい。好ましくは、樹脂は、加水分解または蛍光体物質の劣化を低減し、次に発光デバイスの全体的な信頼性を向上させるべく、その透湿性が10.5g/m2/24Hr未満であり、酸素透過性が382cm3/m2/24Hr未満であるように選択される。樹脂のそのような選択は、四価マンガン活性赤色蛍光体物質の信頼性を大幅に向上させる。
本発明において、「透湿性」という用語は、TSY−TH1水蒸気透過性試験器(Water Vapor Permeability Tester)を用いて得られる測定値を指し、「酸素透過性」という用語は、i‐Oxtra7600酸素透過分析器(Oxygen Permeation Analyzer)を用いて得られる測定値を指す。
<反射部分>
本発明は、さらに反射部分を含んでもよい。反射部分は、反射性樹脂を硬化し切断することで形成される。特に、反射性樹脂は、複数の反射粒子を含む樹脂組成物である。複数の反射粒子は、光の高収束に寄与し、TiO2,SiO2,ZrO,MgO,BaSO4およびそれらの任意の組み合わせから選択されてよい。それらにおいて、TiO2が好ましい。樹脂は、エポキシドベースの樹脂またはシロキサンベースの樹脂であってよく、シロキサンベースの樹脂が好ましい。
<半透明層>
本発明において、半透明層は、半透明性樹脂を硬化させ切断することによって作成され、さらに光の均一性を高めるべく複数の光拡散粒子を含んでもよい。複数の光拡散粒子は、BN、SiO2およびそれらの組み合わせから選択されてもよい。さらに、本発明のいくつかの実施形態において、半透明層および半硬化蛍光性樹脂は同じ塩基性樹脂を有し、同様のプロセスを通して半透明層へと形成され、唯一の差異は、蛍光体物質の添加に依存している。この場合、半透明層もまたコンフォーマルであり、硬化半透明層は、発光デバイスの耐性を向上させるべく、湿気が蛍光層に入ることを防止することで、蛍光層を保護する機能を果たす。しかしながら、いくつかの実施形態において、半透明層は、その透湿性および酸素透過性を好ましくは蛍光層の透湿性および酸素透過性より低い状態で有し、さらにこれによって保護性を高めている。特に、いくつかの実施形態において、半透明層は、11g/m2/24Hr未満でその透湿性を有し、400cm3/m2/24Hr未満でその酸素透過性を有する樹脂で作成される。好ましくは、樹脂は、10.5g/m2/24Hr未満でその透湿性を有し、382cm3/m2/24Hr未満でその酸素透過性を有する。
第1の実施形態は、プロセスおよび特性に関して本発明の蛍光層を示すべく、本明細書で詳細に説明される。
<<第1の実施形態>>
本発明の方法および半硬化蛍光性樹脂の複数の特性および他のパラメータは、図4を参照して本明細書において詳細に説明される。第1に、シロキサン樹脂、蛍光体物質、触媒、溶媒および任意で柔軟剤は、事前に定義されたような複数の成分の含有量を有する混合物を形成すべく、混合される。本発明において、溶媒は、前述の複数の材料、好ましくはトルエンと溶融ブレンド/混合され得る任意の有機溶媒であってもよい。蛍光体物質は、上記のように選択される。本発明は、その実施が蛍光体物質、触媒、溶媒および任意の柔軟剤が十分に混合されるようにする限り、混合する方法に対して限定を有していない。以下で述べる実施形態において、真空脱気混合器が例として用いられる。
そのように作成された混合物は、次に、面に塗布されて薄層を形成する。再度、本発明は、塗布する方法に対して限定を有しておらず、その方法は、回転式コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティングおよびディップコーティングであってよい。さらに、最終的な半硬化蛍光性樹脂の厚さを45μmから230μmまでの間の好ましい範囲内で制御すべく、薄層は、その厚さが50μmから250μmまで、より好ましくは70μmから185μmまでであるように作成される。以下で述べる複数の例において、ナイフコーティングは、例として薄層を形成するのに用いられる。厚さが45μm以下である場合、蛍光性樹脂は弱化した強度を有する傾向があり、蛍光体物質は、不均一な分布を有し、同様に不十分な色均一性を有する傾向がある。一方で、250μmより大きい厚さは過度に厚いことから、不必要に高い材料コストにつながる。その上、過剰な厚さは、最終的な発光デバイスを厚くし、超小型化に向かっている一般的なトレンドに対抗する。
形成後、薄層は、半硬化状態へと処理される。本発明において、薄層を半硬化されたものにするための方法は、限定なしで任意の適した技術、好ましくは焼成であってよい。特に、焼成温度は、蛍光層に許容可能な形状保持能力および外力下で変形する能力を与えるべく、好ましくは1時間から4時間、65℃から75℃で実行される。
任意で、焼成される前に、薄層はしばらくの間脇に置かれてもよく、または遠心処理を実行して蛍光体物質が薄層の底部に堆積するようにする。代わりに、積層された半硬化蛍光層を形成すべく、各々が蛍光体物質の異なる濃度を有するかまたは複数の異なる種類の蛍光体物質を有する複数の薄層が積層され、共に焼成されてもよい。
形成後、半硬化された薄層は、半硬化蛍光性樹脂の複数の断片へと切断される。切断は、限定なく任意のやり方で実行されてもよい。さらに、本発明は、色温度により複数の切断片を種分けすべく、半硬化蛍光性樹脂の複数の切断片の色温度を測定することを含んでもよい。
本発明による半硬化蛍光性樹脂の1つの具体的な例が以下で論じられるであろう。
第1に、最終的な蛍光性樹脂の重量に基づいて、19.12gのシロキサン樹脂、0.455gのトルエン、9.8gのイットリウムアルミニアムガーネット蛍光体物質および0.6gの触媒が、混合物を形成すべく、2工程の混合のために真空脱気混合器へと投入された。第1の工程は、1atmおよび室温において、800rpmの回転率で3分間実行された。第2の工程は、真空において室温で1200rpmの回転率で30秒間持続した。そのように形成された混合物は、次に、75μmの厚さを有する薄層を形成すべく、ナイフコーティングを用いてプラットフォームに塗布された。その後、薄層は、70℃の炉において2時間焼成された。そうすることで、樹脂は、部分的に硬化され、B工程/半硬化蛍光性樹脂となった。半硬化蛍光性樹脂は、最後に予め定められたサイズへと切断された。色温度によって半硬化蛍光性樹脂の複数の切断片を種分けすべく、460nmの波長を有する青色発光ダイオードが、色温度を測定するのに用いられた。
以下の説明は、本発明の第2から第4の実施形態に向けられ、開示された発光デバイスの製造プロセスおよび複数の特徴を強調する。
<<第2の実施形態>>
上記のように仕上げされた後、半硬化蛍光性樹脂は、開示された発光デバイスを作成するのに用いられ得る。本発明の発光デバイスを作成するためのプロセスが、添付図面を参照して本明細書で説明される。
第1に、図5Aで示されるように、キャリア500が提供される。キャリア500は、上述のように選択される。特に、発光デバイスが基板を有する場合、基板には、金属リードフレームに加えて導電性のパターン(不図示)がある。導電性のパターンは、LEDチップ502がパッケージ後に外部回路との電気接続を有することを可能にする。発光デバイスが基板なして形成される場合、図5Aのキャリア500は、任意の搬送体、好ましくリリースフィルムが設けられているものであってもよい。リリースフィルムは、最後の工程、すなわち単体化の後、キャリアの発光デバイスからの取り外しを容易にする。その後、LEDチップ502は、キャリア500上に堆積される。発光デバイスが基板を有する場合、LEDチップ502が、半田、ダイボンドペーストまたは同様の材料を用いてキャリア500に永久的に固定されてもよい。基板が無い場合、チップ502は、リリースフィルムまたは他の粘着性がより低い材料を介してキャリア500に一時的に固定され得る。さらに、LEDチップ502が縦型チップまたは水平チップである場合、導線は、キャリア500の電気的パターンに接続されなければいけなく、これは、特定の実施形態を用いて後に論じられるであろう。
次に、図5Bに示されるように、第1の実施形態で作成されたような半硬化蛍光性樹脂504が、LEDチップ502を有するキャリア500に堆積される。
図5Cに示されるように、半硬化蛍光性樹脂504を提供する工程を提供した後、積層操作が実行される。本発明において、そのような積層操作は、LEDチップ502およびキャリア500上の半硬化蛍光性樹脂504をコンフォーマルにコーティングすべく、真空環境で実行される熱圧縮である。半硬化蛍光性樹脂504は、次に、機械的強度を高めるべくさらに硬化される。好ましくは、積層プロセスにおいて、積層チャンバは、100℃から250℃で、好ましくは5paから40paの真空で保持される。さらに真空化される場合、積層チャンバは、好ましくは50℃より低い温度で予め加熱されてもよい。
図5Dを参照すると、最後の工程は単体化である。この工程は、後にまたは同時に、硬化蛍光性樹脂504をキャリア500と共に、図3の発光デバイス30における蛍光層304および基板300へと切断する工程を含む。本発明は、そのように単体化が実行されるかに関しての限定をせず、ツール切断およびレーザ切断の両方は、複数の実現可能な態様である。図5Dは、例示的に、切断に用いられるツール506を示す。
本発明において、図5Cに図示された積層操作は、連続的なバッチ処理として実行されてもよい。以下の説明は、図6Aから図6Dを参照して以下に説明されるであろう。
第1に、チップ502および半硬化蛍光性樹脂504を運ぶキャリア500は、(PTFEまたはPETで作成された)熱間圧縮クッション600上に配置され、積層チャンバ602a、602bへと供給される(工程1、図6A)。チャンバ602a、602bが、次に、閉鎖され、真空化606が始動させられる(工程2、図6B)。次に、加熱ステージ604が持ち上げられ、熱積層のために100℃から250℃に加熱される(工程3、図6C)。最後に、積層チャンバ602a、602bは、熱プレス接合のためにLEDチップ502および蛍光性樹脂504を運ぶキャリア500の次のバッチの前に、処理されたバッチを取り外すべく開口される(図6D)。説明したプロセスで、積層操作を後続して実行することが可能である。積層工程に続き、大気焼成が、好ましくは120℃から170℃、より好ましくは130℃から160℃で実行されてよい。本発明において、焼成は、勾配温度上昇法を用いて実行されてもよい。
いくつかの変形例において、発光デバイスは、図7Aおよび図7Bに示されるように、反射部分を含み、蛍光層が反射部分上にコーティングされる。
特に、LEDチップ502が図5Aの工程で堆積された後、反射性材料700が、キャリア500上のチップ502によって覆われていない複数の部分でそのように形成され、チップ502に接触する(図7A)。後続して、半硬化蛍光性樹脂702が提供され、続いて積層工程(図7B)および単体化工程が実行される。反射性材料700は、半硬化蛍光性樹脂702が熱圧縮を受ける前、後またはそれと同時に硬化されてよい。次に、単体化の間、硬化蛍光性樹脂702、硬化反射性材料700およびキャリア500は、発光デバイスを形成すべく、続いてまたは同時に切断される(図7C)。発光デバイスは、基板510、基板510上に配置されたLEDチップ502、蛍光層712および反射部分710を備える。反射部分710は、LEDチップ502の側面を囲み、LEDチップ502に接触する。蛍光層712は、少なくとも部分的にかつコンフォーマルにLEDチップ502上でコーティングされる。特に、反射性材料700は、硬化され切断されて、反射部分710を形成する。反射部分710は、LEDチップ502と同じ高さである。しかしながら、本発明は、この構成に限定されず、反射部分710はLEDチップ502より高いかまたはそれより低くてもよい。蛍光層712は、反射部分の上面上でコンフォーマルにコーティングされてもよい。図7Cに示されるものは、反射部分とLEDチップとの間の構成の1つの実施形態であり、本発明はこの構成に限定されないことに留意されるべきである。代わりに、反射部分は、LEDチップと接触していなくてもよい。
いくつか変形例において、発光デバイスは、半透明層810を備える。半透明層810は、図8Aおよび図8Bに示されるように、蛍光層514上にコンフォーマルにコーティングされる。
特に、図5Cにおいて半硬化蛍光性樹脂504が積層された後、半透明性樹脂800の層が半硬化蛍光性樹脂504上に提供され、積層がもう一度実行される。代わりに、半硬化蛍光性樹脂504および半透明樹脂800は、薄層を作成する工程で積層され、裏打ちされ(backed)、次にそれらの全てはLEDチップ502を運ぶキャリア500に提供される。そのような動作は、図8Aに示されるような積層構造を形成する。単体化工程において、硬化半透明樹脂800、半硬化蛍光性樹脂504およびキャリア500は、半透明層810、蛍光層514、基板510およびLEDチップ502を有する発光デバイスを形成すべく、続いてまたは同時に切断される。
いくつかの不図示の変形例において、半硬化蛍光性樹脂の複数の層が積層されて多層蛍光性樹脂を形成し、最終的に積層蛍光層を形成する。この例において、望ましい発光パターンおよび色均一性を提供すべく、半硬化蛍光性樹脂の複数の異なる層が、その中の蛍光体物質の濃度に従って配置されてもよい。例えば、より高い蛍光体物質濃度を有する複数の層は、(積層後、LEDチップにより近く)下方に配置され、一方で、より低い蛍光体物質濃度を有するものは、それらの上に積層される。そうすることで、蛍光体物質濃度は、複数の蛍光性樹脂/蛍光性樹脂層が積層されるにつれて上方に向かって減少する。それどころか、より低い蛍光体物質濃度を有する半硬化蛍光性樹脂の複数の層は、下方に配置されてもよく、より高い蛍光体物質濃度を有するものは、順にそれらの上に置かれてもよい。そうすることで、物質濃度は、複数の層が積層されるにつれて上方に向かって増加する。さらに、光変換率を考慮して、複数の異なる蛍光体物質を有する蛍光性樹脂が順序正しく積層されてもよい。例えば、複数の層は、黄色/緑色蛍光体物質がLEDチップに近接し、赤色蛍光体物質が黄色/緑色蛍光体物質上に配置されるように配置される。
本発明において、半透明層および蛍光層が、複数の異なる特性を有する複数の材料で作成される。蛍光層はチップ、導線および基板を直接覆うので、それは、その3つのコンポーネントの相対的な位置を保つのみでなく、半透明層が塗布された場合に生成される圧力をある程度緩衝する機能も果たす。半透明層は、その光学的および保護の目的の対象であり、その形状は従って、より良い光拡散のために設計されてよい。特に、半透明層は通常、比較的高い機械的強度および比較的低い透湿性および酸素透過性を有する材料で作成される。しかしながら、堅い結合および塗布の容易性のため、それは蛍光層と同じ塩基性樹脂で作成されてもよい。この場合、半透明層および蛍光層は、実質的に同じである。
この実施形態において、半透明層は、半硬化樹脂の複数の積層された層で形成される。しかしながら、いくつかの変形例において、半透明層は、水平な上面を有するように成形、回転式コーティング、またはナイフコーティングを用いて形成されてもよく、その材料は、剛性が相対的に高い樹脂、例えばエポキシ樹脂から成ってもよい。ここで、図9Aおよび図9Bを参照する。図9Aにおいて、半透明層900は、図9Aに示されるように、平面を形成するべくエポキシ樹脂を成形することで作成される。従って、単体化の後、半透明層900はまた、図9Bに示されるような平面を有する。
いくつかの変形例において、蛍光層および半透明層は、図10Aから図10Cに示されるように、それらの側面に複数の反射部分が設けられてもよい。
図9Aに示されるような構造が形成された後、図10Aに示されるように、ツール1000が、溝1002を生成すべく、半硬化蛍光性樹脂504および半透明樹脂900を切断するのに用いられる。次に、溝1002は、図10Bに示されるように、反射性材料1004で充填される。その後、硬化が任意の工程として実行される。最後に、反射性材料1004およびキャリア500が、それに続く、または同時の方法で切断され、これにより図10Cに示されるような発光デバイスを形成する。発光デバイスは基板510上に堆積されたLEDチップ502を有し、蛍光層514はその上にコンフォーマルにコーティングされ、および半透明層910は平面を有し、一方で複数の反射部分1014が、蛍光層514の複数の対向する側部および半透明層910の対向する側面に形成される。
図3に示される発光デバイスにおいて、蛍光層304は、基板510の複数の端部にまでに及び、基板510の複数の端部と同じ高さにある。しかしながら、いくつかの変形例において、図11Aおよび図11Bに示されるように、蛍光層は、基板の複数の端部までに及ばない。
図11Aに示される変形例において、蛍光層1110は、基板510の複数の端部までに及ばないことから、基板510の表面は部分的に露出される。これは、蛍光層1110が基板510の複数の端部で持ち上げられ得るリスクを低減する。さらに、図11Bに示される変形例において、半透明層1112は、蛍光層1110の外に提供されてもよい。この場合、半透明層1112は、蛍光体物質1110の湿気および酸素に対する耐性をさらに高めるべく、蛍光層1110を完全に覆う。図11Bにおいて、半透明層1112の複数の側部は、基板510の側面と同じ高さにある。しかしながら、本発明は、この構成に限定されず、半透明層1112の側面は、その基板510の側面と同じ高さになくてもよい。
本発明は、蛍光層が基板の複数の端部まで及ぶことを防止する方法に対して限定は有していない。例えば、蛍光層は、図5Cの工程で積層された後、予め切断されてもよい。そうすることで、複数の溝が形成され、キャリア表面の複数の部分を露出させる。続いて、図5Dに示されるように、単体化が、これらの溝に沿ってキャリアにおいて実行される。別の実施形態において、図5Dで図示されるような単体化工程の後、基板表面をその複数の端部で露出すべく、基板の複数の端部を覆う蛍光層の複数の部分を除去する目的で、単一の発光デバイスに対して切断が実行される。代わりに、図5Bの工程において、予め切断された半硬化蛍光性樹脂が提供される。蛍光性樹脂は、複数の溝の代わりに複数の配線がその上に形成されるように予め切断される。後に、図5Cの積層工程が実行されるときに、蛍光性樹脂は、応力下において複数の配線に沿って複数の断片へと分離する。よって、後の単体化の間、蛍光層の切断を実行する必要は無い。これにより、蛍光層と基板との間の分離のリスクを取り除く。
本発明において、蛍光層がコンフォーマルにLEDチップおよび基板上でコーティングされる一方、その厚さは均一である必要はない。いくつかの変形例において、蛍光層は、図12に示されるように、変更可能な厚さを有する。
図12に示されるような発光デバイスにおいて、蛍光層1210は、変化する発光効果を提供すべく、チップ502上および基板510上にそれぞれ形成されたv切り欠き1212a、1212bを有する。特に、本発明は、厚さの変化に対して限定は有していない。例えば、様々な形状の複数の切り欠きまたは突出部が、局所的な形状変更として蛍光層1210において形成されてもよい。代わりに、その表面は、局所的に粗面化されてもよい。本発明において、形状変更の数および場所は、実際の必要性に適合され得る。本発明は、これらの局所的な形状変更を形成するための方法に対して限定は有しておらず、任意の適した複数のアプローチが実施されてよい。例えば、ツールが硬化蛍光層上に複数の切り欠きを形成するのに用いられてもよい。代わりに、半硬化蛍光層を作成するプロセスにおいて、薄層の形成の工程で混合物が粗面を有する面に塗布される。そうすることで、形成された半硬化蛍光層は、対応する粗面を有する。
本発明において、蛍光体物質の劣化を最小化すべく、11g/m2/24Hr未満でその透湿性を有し、400cm3/m2/24Hr未満でその酸素透過性を有する樹脂組成物を封止樹脂として用いることが好ましい(コンフォーマル処理を用いた蛍光層および/または半透明層と呼ばれる)。特に、本発明において、そのような封止樹脂は、四価マンガン活性蛍光体物質に対して非常に優れた保護を提供する。次の実験は、封止樹脂の複数の利点を説明するために論じられる。
図17は、封止実験を示す。発光デバイス1700は、発光チップ1702、調剤樹脂1704および赤色蛍光体物質1706を含む。調剤樹脂1704は、発光チップ1702を覆い、赤色蛍光体物質1706は封止樹脂1704内で分配される。赤色蛍光体物質は、その化学的構造が上述のような四価マンガン活性蛍光体物質であってよい。本実施形態において、発光チップ1702を運ぶための支持1708がさらにあり、調剤樹脂1704がその上に塗布される。支持1708は、発光デバイスの実際の設計に従って、図17に示されるものとは異なる構造で形成されてよい。特に、上述の基板/キャリアは、支持部として用いられてもよく、上述のそれらの特性を有する樹脂組成物は、その中で混合された四価マンガン活性蛍光体物質を保護すべく、蛍光層を形成するのに用いられてもよい。しかしながら、前述の樹脂組成物は、半透明層を形成するのに用いられてよく、四価マンガン活性蛍光体物質を有する蛍光層に塗布されてもよい。これは、半透明層が、蛍光層の透湿性および酸素透過性より小さいかまたはそれらに等しい状態でその透湿性および酸素透過性を有するようにし、これにより、半透明層に、湿気/酸素の浸透または吸収を防止するための、等しいまたはさらにより良い能力を与える。図17において、発光チップ1702は第1の光線1703を発するように構成され、第1の光線1703は赤色蛍光体物質1706を励起し、第2の光線1707を発する。
さらに、いくつかの変形例において、オキシ窒化物蛍光体物質が、図18に示されるように、さらに添加されてもよい。図18の発光デバイス1800において、LEDチップ1702、調剤樹脂1704および赤色蛍光体物質1706とは別箇に、調剤樹脂1704へと添加されたオキシ窒化物蛍光体物質1802があってもよい。オキシ窒化物蛍光体物質1802は、上述の化学式を有する。
本発明において、調剤樹脂は、フェニルシロキサン樹脂組成物またはメチルシロキサン樹脂組成物であってもよい。調剤樹脂は、例えば1.5超、好ましくは1.5から1.6までの間の屈折率を有する。調剤樹脂は、前述の蛍光体物質を含んでよく、染色剤、光拡散剤、充填材および/または他の複数の添加剤をさらに含んでもよい。
少数の実験が、本発明で定義される複数の特性を有する樹脂組成物の利点を立証すべく、本明細書で論じられる。しかしながら、本発明の範囲は、これに限定されるものではない。
比較例1
450nm光ビームが、(日本のNEMOTO Companyから得られる)CaAlSiN3:Eu2+の赤色蛍光体物質の発光スペクトルを特定するのに選択された。その結果は図19に示されている。
実験例1
450nm光ビームは、本発明の赤色蛍光体物質K2Si0.95F6:Mn4+ 0.05の発光スペクトルを特定するのに選択された。その結果は図19に示されている。
図19において見られるように、比較例1は750nmにまで及ぶ幅広い発光スペクトルを有する。それは、低い純度および低い照明強度であり、同様に白色光の発光効率に不利な影響を有する赤色光を発する。一方で、本発明の赤色蛍光体物質K2Si0.95F6:Mn4+ 0.05化合物は、主に600nm〜650nmの範囲内でその放出をしたことから、工業用の赤色蛍光体物質の欠陥を克服する。
実験例2
(Si,Al)6(O,N)8:Eu2+(日本のDENKA Company Limitedから得られる)およびK2Si0.95F6:Mn4+ 0.05が、1.5:1の重量比で混合され、次に、樹脂の重量と粉末の全重量との間の比が1:1.2になるように、(10.5g/m2/24Hrの透湿性および382cm3/m2/24Hrの酸素透過性を有する)封止樹脂Aへと添加された。蛍光体物質に含まれる封止樹脂は、次に、InGaNチップを封止するのに用いられた。
実験例3
Sr7(Si,Al)12(O,N,C)25:Eu2+およびK2Si0.95F6:Mn4+ 0.05は、1:1の重量比で混合され、次に、樹脂の重量と粉末の重量との間の比が1:0.8となるように、封止樹脂A(フェニルベースのシリコーン、10.5g/m2/24Hrの透湿性、382cm3/m2/24Hrの酸素透過性)へと添加された。蛍光体物質を含んだ封止樹脂は、次にInGaNチップを封止するのに用いられた。
点灯試験(点灯電流の20mAを用いた)は、実験例2および実験例3でそれぞれ作成された発光デバイスにおいて実行された。その結果は以下の表1で示される一方、それらの複数のスペクトルは図20で示される。
表1から、同じCIE−xおよびCIE‐yで、実験例2が100%の効率を示し、さらに実験例3が、実験例2と比べて34%より高い効率さえ提供したことが明らかである。効率の増加は、実験例3および実験例2における((Sr,Ca,Ba)Al,Si,O,N,C,Euを含む)Sr7(Si,Al)12(O,N,C)25:Eu2+蛍光体物質の間の複数の化学要素の違いに起因しているかもしれない。
図21は、実験例3の色度図であり、色フィルタ後の光は、84%のNTSC色域値を有する。
比較例2
Sr7(Si,Al)12(O,N,C)25:Eu2+およびK2Si0.95F6:Mn4+ 0.05は、1:1の重量比で混合され、次に、封止樹脂(15g/m2/24Hrの透湿性および726cm3/m2/24Hrの酸素透過性を有するフェニルベースのシリコーン)へと添加されたので、樹脂の重量および粉末の全重量は、1:0.8の比となった。蛍光体物質に含んだ封止樹脂は、次に、InGaNチップを封止するのに用いられた。
実験例3および比較例2で得られた発光デバイスは、実行された耐性試験についての様々な条件で照らされた。その結果は以下の表2に示される。
期間#2:大気において、150mAの駆動電流、25℃の温度。
期間#3:大気において、150mAの駆動電流、25℃の温度。
期間#4:大気において、45mAの駆動電流、85℃の温度。
ΔIV:百分率で表された、初期の輝度と比較した輝度における減少。
ΔX:初期の輝度からのCIE X座標変動。
ΔY:初期の輝度からのCIE Y座標変動。
表2において記録された複数の耐性試験において、実験例3と比較例2との間の唯一の差異は、それらの透湿性および酸素透過性に依存する。表2に示された複数の結果に従って、実験例3において全ての試験期間に得られた発光デバイスは、比較例2において得られた発光デバイスと比べてより少ないIV減少およびより少ないCIE座標変動を示した。これは、10.5g/m2/24Hr未満でその透湿性を有し、382cm3/m2/24Hr未満でその酸素透過性を有する樹脂を扱って作業する場合、本発明の蛍光体物質の組み合わせが加水分解および劣化により良く抵抗し得る。
要約すれば、封止樹脂が複数の特定の物理特性を保有する、A2[MF6]:Mn4+の化学式を有する赤色蛍光体物質を用いることにより、本発明は、TV背面光源の色域を拡大し得るのみでなく、赤色蛍光体物質を加水分解および劣化から防止もし得、これにより開示された発光デバイスの全体的な信頼性を向上する。さらに、本発明によると、複数の他の色の蛍光体物質が、背面光源の色域をさらに拡大すべく、さらに用いられてもよい。
<<第3の実施形態>>
以下の説明は、発光デバイスのチップが配線を必要とする場合、すなわち水平チップまたは縦型チップが開示された発光デバイスで用いられる場合に向けられる。水平チップまたは縦型チップが本発明のチップとして用いられる場合、チップの上面を基板の回路パターンと接続すべく、導線が提供されなければいけない。この場合、硬質樹脂を導線上へ塗布するという従来のアプローチは、ワイヤを破壊する可能性がある。本発明は、半硬化蛍光性樹脂を蛍光層の前駆体として異なって用いるので、半硬化蛍光性樹脂は、それ自体の形状を導線に合わせる。代わりに、導線は、樹脂の適用によって破壊しないように突き通る。硬化蛍光層は、次に、導線を保護するように、またはチップと複数の電極との間の接続保護するように、続いて塗布される半透明層または他の外部の材料と応力を吸収するための導線との間の緩衝材としての機能を果たす。
この実施形態において、蛍光層は、導線上でコンフォーマルにコーティングされる。ボイド部分が導線の下に形成されてもよい。蛍光層は導線を、ボイド部分の2つの側から覆う。別の実施形態において、導線の下にはボイド部分は形成されない。従って、蛍光層が導線を完全に包含し得る。代わりに、導線は、蛍光層を貫通する最高点または遠地点を有する。この場合、チップに接続された導線の端部は、蛍光層で包含される。図13Aから図13Dおよび図14Aから図14Cは、そのような導線を伴う様々な実施形態を示すために提供される。
第1に、図13Aに示されるように、LEDチップ1302がキャリア1300上に堆積された後、ワイヤ接合が、少なくとも1つの導線1304の1つの端部をLEDチップ1302の上面と接続し、導線1304の反対側の端部をキャリア1300の導電性パターン(不図示)と接続すべく実行される。
次に、半硬化蛍光性樹脂1306が提供され、積層操作が実行される。積層後、半硬化蛍光性樹脂1306が導線1304をコンフォーマルに覆う。それは、アセンブリの上面図において、半硬化蛍光性樹脂1306が導線1304をその2つの側から覆うことを意味する。いくつかの実施形態において、ボイド部分は、図13Bに示されるように、導線の下に形成されてもよい。導線1304の下のボイド部分1308は、樹脂1306が熱のもとで膨張する場合に生成されるバルク応力を扱うべく、発光デバイスの内部の応力緩衝材として働く。図13Bにおいて、そのような空間部分1308が設けられた1つの導線1304のみがある一方、本発明を参照することにより、そのような空間部分1308は複数の導線の各々の下に形成されてよく、全てのこれらの変更は本発明の範囲内になければいけないことは、当業者にとって明らかである。
次に、図13Cに示されるように、任意の工程として、半透明性樹脂1309が半硬化蛍光性樹脂1306上へと塗布され硬化される。半透明性樹脂1309は、好ましくは、エポキシ樹脂等の硬質樹脂層である。最後に、単体化が、硬化半透明樹脂1309、蛍光性樹脂1306およびキャリア1300を続いてまたは同時に切断すべく実行され、これにより、図13Dに示されるような発光デバイスを形成する。基板1310上において、半透明層1319が蛍光層1316を覆い、蛍光層1316が導線1304をコンフォーマルに覆う一方、ボイド部分1308が導線1304の下に形成される。図13Dはボイド部分1308を有する発光デバイスを図示する一方、本発明は、しかしながら、いくつかの実施形態ではそのような空間部分は有しておらず、蛍光層が導線を完全に包含するように作成される。さらに、図10Cに示されるような複数の反射部分が、光収束を向上させるべく添加されてもよい。
いくつかの変形例において、導線は蛍光層を通り抜ける。特に、導線は、蛍光層を通り抜ける最高点または遠地点を有し、LEDチップおよび発光デバイスに接続された導線の2つの端部は、図14Aから図14Cに示されるように、蛍光層によってそれぞれ包含されてよい。
図13Aに示されるようなワイヤ接合工程が実行された後、半硬化蛍光性樹脂1406が提供され、積層操作が実行される。図14Aに示されるように、積層後、導線1404は半硬化蛍光性樹脂1406を突き通り、それは、アセンブリの側面図において半硬化蛍光性樹脂1406がLEDチップ1402の表面上においてコンフォーマルにコーティングされ、導線1404の2つの端部の両方を包含することを意味する。図14Bに示されるように、任意の工程として、半透明性樹脂1408は、硬化が実行される前に半硬化蛍光性樹脂1406上に提供される。樹脂1408は、好ましくは、硬質のもの、例えばエポキシドである。最後に、図14Cに示される発光デバイスを形成すべく、単体化が、硬化半透明層1418および基板1410を続いてまたは同時に切断することにより実行される。1つの実施形態において、導線1404が蛍光層1416を突き通り、複数の部分、すなわちその2つの端部を蛍光層1416により覆われた状態で有する。さらに、図10Cに示されるように複数の反射部分が、光濃度を向上させるべく添加されてよい。
いくつかの他の不図示の変形例において、ワイヤードチップが、図7Bに示されるような実施形態において用いられてもよい。この場合、反射部分および発光ダイオードチップは、互いに水平であるか、または反射部分は、LEDチップよりも高い一方、蛍光層は反射部分上においてコーティングされる。発光デバイスは、LEDチップを発光デバイスにおける複数の電極と接続するための少なくとも1つの導線をさらに含む。蛍光層は、導線の一部を包含し、反射部分は、導線の別の部分を包含する。
<<第4の実施形態>>
本発明による異方性導電接着剤(ACA)および成形プロセスを用いて作成された発光デバイスが、ここで論じられる。論じられた製造プロセスについて、図15Aから図15Fが第1に参照される。金属リードフレームが本明細書においてキャリア/基板として用いられる一方、本発明の実装はこれに限定されず、PCBまたは他の複数の材料が代わりに用いられてもよいことに留意されるべきである。
工程1において、金属リードフレーム1500が、リリースフィルム上に提供され、金属リードフレーム1500の複数の側面が部分的に、または完全にリリースフィルムに埋め込まれてもよい(図15A)。
工程2において、ACA1502が金属リードフレーム1500上に堆積される(図15B)。
工程3において、ACA1502が、LEDチップ1504を金属リードフレーム1500に固定する(図15C)。
工程4において、LEDチップ1504の表面上に配置され得る半硬化蛍光性樹脂1506が、コンフォーマルパターンとして提供される。半硬化蛍光性樹脂1506は、必要な場合はACA1502の側面および金属リードフレーム1500の側面を覆うまでに及んでよい(図15D)。さらに、半硬化蛍光性樹脂1506は、蛍光体物質を含む。
工程5において、半透明性樹脂1508が半硬化蛍光性樹脂1506上に提供される(図15E)。
工程6において、単体化が複数の発光デバイスを形成すべく実行される(図15F)。
上記で与えられた複数の工程を通して、図16Aに示されるような発光デバイスが作成される。発光デバイスは、一対の電極パッド1600、1602を含む基板を備え、好ましくは、基板は、一対の電極パッドと、LEDチップ1604と、蛍光層1616と、半透明層1618と、異方性導電接着剤(ACA)1610、1612とから構成される。LEDチップ1604は、例示的にフリップチップであり、ダイボンディングを用いて電極パッド1600、1602に接合される。つまり、LEDチップ1604は、導線を用いずに電極パッド1600、1602に直接電気的に接続される。電極パッド1600上のACA1610および電極パッド1602上のACA1612は、互いから分離される。蛍光層1616は、LEDチップ1604、ACA1610、1612および電極パッド1600、1602をコンフォーマルに覆い、電極パッド1600、1602の側面1600a、1602aの複数の部分を覆うまでに及ぶ。半透明層1618は、蛍光層1616を覆い、その側面1618aは、蛍光層1616の側面1616aと同じ高さにある。本実施形態において、金属リードフレームは、リリースフィルム(不図示)に完全に埋め込まれていないが、電極パッド1600、1602の複数の部分のみが埋め込まれた状態である。よって、電極パッド1600、1602の複数の部分は、リリースフィルムで覆われる一方、他の複数の部分は蛍光層1616で覆われる。リリースフィルムの除去後、リリースフィルムで事前に覆われた複数の部分が露出され、蛍光層1616および半透明層1618を含まない。これは、発光デバイスの側部において段差のある構造を引き起こす。言い換えれば、蛍光層1616の側面1616aおよび半透明層1618の側面1618aは、電極パッド1600、1602の側面1600a、1602aと水平ではない。
いくつかの変形例において、図16Bに示されるように、ACA1606がP型電極パッド1600およびN型電極パッド1602の両方を覆い続け、これによりチップ1604の底部において、短絡回路のリスクなしで十分に光を反射させる。ACAの複数の特性が原因で、この変形例においてACA1606は連続的な形態にあるものの、電気伝導は、チップ1604の電極1614と電極パッド1600、1602との間の領域に限定され、他のいずれの位置も電気絶縁性のままであることに留意されるべきである。これは、発光デバイスを短絡回路から守る。
いくつかの変形例において、異なる形態の図16Aの発光デバイスにおいて、電極パッド1600、1602はリリースフィルムへと完全に埋め込まれる。よって、リリースフィルムの除去後、電極パッド1600の側面1600aおよび底部1600bならびに電極パッド1602の側部1602aおよび底部1602bは、蛍光層1616および半透明層1618の外に完全に露出される。さらに、蛍光層1616は、図16Cに示されるように、電極パッド1602および1612に及ぶ。さらに、本変形例において、ACA1610、1612は、制限なくいずれの構造であってもよく、図16Aまたは図16Bに示されるものであってよい。
いくつかの変形例において、電極パッド1600、1602の側面1600a、1602aは、図16Dに示されるように、蛍光層1616の側面1616aおよび半透明層1618の側部1618aとそれぞれ同じ高さにある。
半透明層1618および蛍光層1616がそれらの側面を互いに水平な状態で有する場合、蛍光層1616は蛍光体物質を含むので、いくらかの変換された光が蛍光層1616の側面から直接発せられ、一貫性のない光の色をもたらす。この問題に取り組むべく、いくつかの変形例において、半透明層1618が、図16Eに示されるように、蛍光層1616の側面1616aを覆うまでに及び、電極パッド1600、1602の底部と同じ高さにはない。
いくつかの変形例において、図16Fに示されるように、特に、電極パッド1600、1602がチップ1064より薄い場合、LEDチップと複数の電極との間で適切な機械的強度を維持すべく、蛍光層1616は、P型電極パッド1600とN型電極パッド1602との間の空間1608へと及んでもよい。代わりに、図16Gに示されるように、蛍光層1616は、電極パッド1600、1602の側面1600a、1602aを完全に覆うまでに及んでもよい。樹脂の追加の適用は、従って、発光デバイスの機械的強度を高めることを支援する。従って、半硬化蛍光層1616が用いられる場合、外力が、蛍光層1616に電極パッド1600、1602の間の空間に入らせるかまたは電極パッド1600、1602を覆うまでに及ぶようにするのに用いられてもよい。そうすることで、硬化後の蛍光層が、発光デバイスの機械的強度を向上させることに寄与し、ACA1610、1612を保護する。
前述の複数の変形例に加えてキャリア/基板の機械的強度を向上させるアプローチとして、詰物1620が電極パッド1600、1602の側面1600a、1602aで提供されてよく、空間1608内へ充填されてよい。図16Hを参照すると、側面1600a、1602aおよび空間1608は、全てそれと共に詰物1620を有する。蛍光層1616の側面1616aおよび半透明層1618の側面1618aは、詰物1620の側面1620aと同じ高さにある。
いくつかの変形例において、ACAの代わりに異方性導電膜(ACF)を用いることが可能であり、これにより発光デバイスの機械的強度をさらに向上させ、LEDチップが複数の電極パッドから外れることを防止する。特に、ACF1622は、プリントまたはコーティング等、様々な態様で形成されてよい。ACF1622は、上記でより良い反射性に名前が由来する複数の反射粒子を含んでよい。ACF1622の塗布されたエリアがLEDチップ1604および電極パッド1600、1602の組み合わせたエリアより大きい場合、光抽出効率はさらに高められる。さらに、ACFをウェハ上へ直接塗布することが可能である。そうすることで、ACF1622は、チップ1604の電極1614上に直接形成される。これにより、パッケージング動作中にACFを導電性リードフレームに塗布するプロセスが省略され得る。ACF1622のエリアは、図16Iに示されるように、チップ1604の電極1614のエリアと同じサイズであってよい。しかしながら、図16Jに示されるように、動作を簡略化すべく、ACF1622のエリアはチップ1604の電極1614のエリアより僅かに大きくてよく、電極パッド1600、1602のエリアにたとえ等しくてもよい。後者の場合、ACF1622の側面は、発光層1618、蛍光層1616および電極パッド1600、1602の側面と同じ高さにある。さらに、ACFは、P型電極パッドまたはN型電極パッド(例えば、正方形)のそれと一致する必要はなく、十分な組み合わせのエリアをそれが提供する限り、いずれの形状であってもよい。
図16Aから図16Jに示されるような発光デバイスは、ACAを用いる一方、それは、ACAの代わりにACFを用いてもよく、同じ外観および形態を有することに留意されるべきである。
さらに、ACFを用いる発光デバイスを製造するための方法は、次の工程を備える。
工程1:金属シートを提供する段階と、
工程2:ACFを用いてLEDチップを金属シートに接合する段階と、
工程3:カバーシートが、コンフォーマルパターンとしてLEDチップの表面上に配置されるように提供する段階と、
工程4:カバーシート上のトランスファー成形のための樹脂を提供する段階と、
工程5:複数の発光デバイスを形成するように単体化を実行する段階。
上述の例示的なプロセスは、ACF(工程2)を既に有するチップの使用に関する一方、本発明はこれに限定されないことは、当該分野において通常の技術を有する当業者らにとって明らかである。任意に、ACFは、LEDチップのためにダイボンディングがその上で実行される前に、電極パッド/支持部に適用されてよい。
本発明は、複数の好ましい実施形態を参照して説明された。複数の実施形態は、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解される。さらに、本明細書で開示された含有量は、容易に理解されるべきであり、当業者によって実施され得ることから、本発明の概念から逸脱しない全ての同等な変化または変更が、添付の特許請求の範囲によって包含されるべきである。