JP2017080615A - 注射器用のアダプタおよび注射器ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】一般的な注射器を片手でスムーズに操作できるとともに、繊細な注射にも適切に対応できる注射器用のアダプタを提供する。【解決手段】シリンジ21とプランジャ22からなる注射器2に装着して用いられるアダプタ1であって、シリンジ21に固定される固定部材3と、シリンジ21の中心軸方向に移動するように固定部材3に支持された可動部材4と、を備え、注射器に装着したときに、人差し指、中指および親指を使ったペン式の持ち方で保持しつつ、操作可能な構成とした。固定部材3は、断面C字形に曲げられた板状体3aと、その両端に固定されるとともに、板状体3aと同様にC字形に曲げられた板バネで構成された一対のクリップ片5とによって構成され、可動部材4は、プランジャ22のヘッド部26に係合される係合部9と、可動部材4を移動させるときに指で操作される操作部8とを有する。【選択図】図2
Description
本発明は、シリンジとプランジャからなる注射器に装着して用いられる注射器用のアダプタおよび注射器ユニットに関する。
一般に、医療機関や研究機関などでは、治療や実験などに注射器が使用されている。注射器は、シリンジとプランジャによって構成されている。この注射器に注射針を装着して予防接種等する場合、医師や看護師は次のような手順で注射している。
まず、注射器を手のひら側にして、人差し指と親指でシリンジを掴むように注射器を保持する。次に、注射器を保持する手の動きによって、目標とする位置(以下、「注射位置」という)に注射針を刺す。次に、注射針を刺したまま注射器を持ち替える。このとき、人差し指と中指の間にシリンジを挟むように注射器を保持する。次に、人差し指と中指をシリンジのフランジ部分に引っ掛けて、親指の操作によりプランジャを押し込む。その後、注射針を引き抜く。
まず、注射器を手のひら側にして、人差し指と親指でシリンジを掴むように注射器を保持する。次に、注射器を保持する手の動きによって、目標とする位置(以下、「注射位置」という)に注射針を刺す。次に、注射針を刺したまま注射器を持ち替える。このとき、人差し指と中指の間にシリンジを挟むように注射器を保持する。次に、人差し指と中指をシリンジのフランジ部分に引っ掛けて、親指の操作によりプランジャを押し込む。その後、注射針を引き抜く。
このような注射の仕方とは別に、従来においては、片手で注射器を操作可能とするためのアダプタが提案されている(特許文献1を参照)。具体的には、アダプタ全体をスライド体とし、このスライド体の一端側にスライド操作部と当接板を設け、同他端側に係合部を設けている。そして、アダプタの係合部をプランジャの後端部に係合させるとともに、アダプタの当接板をシリンジの外周面に当接させて、スライド操作部を指で押し引きする構成となっている。
ところで、医師等が注射する場合、注射する部位(対象物)によっては非常に繊細な作業が要求されることがある。具体的には、たとえば眼科の手術で眼科医が眼球に注射する場合に、水晶体、毛様体、チン小帯、網膜等を傷つけないように、注意深く注射する必要がある。特に、眼球に注射する場合は、注射位置(注射針を刺す位置)がほぼピンポイントで決まっている。また、注射する際に、患者に眼球を動かさないように注意しても、緊張のあまり不意に患者が眼球を動かしてしまうこともある。そのため、熟練した眼科医であっても、眼球への注射には、かなりの注意力と慎重さを必要としている。
このような繊細な注射を行う場合、上記特許文献1に記載されたアダプタ(以下、「従来のアダプタ」ともいう。)では適切に対応することができない。その理由は、以下のとおりである。
(1)従来のアダプタでは、当接板をシリンジの外周面に当接させ、その状態で親指の操作によりシリンジの外周面に当接板を押し付けながらアダプタ全体を移動させる仕組みになっている。このため、アダプタを移動させるときの摩擦抵抗が大きく、スライド操作部を指でスムーズに操作することが難しい。また、仮にアダプタの当接板を摩擦係数の小さい物質で構成しても、シリンジの外周面を擦りながらアダプタが移動する方式では、操作時の摩擦抵抗を十分に小さくすることができない。
(2)従来のアダプタでは、これが装着された注射器を4本の指(人差し指、中指、薬指、小指)で握り、親指をスライド操作部に乗せて操作する仕組みになっている。このため、注射針を刺すときに医師等が腕全体を動かす必要がある。その場合、注射器を握っている方の腕の動きが安定せず、注射針の針先が微妙に揺れるなどして、注射位置を外すおそれがある。
(1)従来のアダプタでは、当接板をシリンジの外周面に当接させ、その状態で親指の操作によりシリンジの外周面に当接板を押し付けながらアダプタ全体を移動させる仕組みになっている。このため、アダプタを移動させるときの摩擦抵抗が大きく、スライド操作部を指でスムーズに操作することが難しい。また、仮にアダプタの当接板を摩擦係数の小さい物質で構成しても、シリンジの外周面を擦りながらアダプタが移動する方式では、操作時の摩擦抵抗を十分に小さくすることができない。
(2)従来のアダプタでは、これが装着された注射器を4本の指(人差し指、中指、薬指、小指)で握り、親指をスライド操作部に乗せて操作する仕組みになっている。このため、注射針を刺すときに医師等が腕全体を動かす必要がある。その場合、注射器を握っている方の腕の動きが安定せず、注射針の針先が微妙に揺れるなどして、注射位置を外すおそれがある。
したがって、現状においては、眼科医等が次のような手順で眼球に注射している。
まず、筆記具を持つような持ち方で注射器を保持し、眼球の注射位置に針先を向けるかたちで患者の顔の上に手を乗せたり、手を置くための補助器などを利用したりして手の安定性を保つ。次に、注射器を持っている方の手を動かして眼球に注射針を刺す。次に、注射器を持ち替えてからプランジャを親指で押し込む。次に、眼球から注射針を抜く。
まず、筆記具を持つような持ち方で注射器を保持し、眼球の注射位置に針先を向けるかたちで患者の顔の上に手を乗せたり、手を置くための補助器などを利用したりして手の安定性を保つ。次に、注射器を持っている方の手を動かして眼球に注射針を刺す。次に、注射器を持ち替えてからプランジャを親指で押し込む。次に、眼球から注射針を抜く。
このような注射の仕方では、眼球に注射針を刺したまま注射器を持ち替えることになるため、注射針が動いて眼球の組織を傷つけるおそれがある。また、患者の精神的・肉体的な負担を軽減するには、素早く注射を終える必要があるが、実際には上述のような注意力と慎重さが要求されるうえ、注射器の持ち替えによる時間的なロスもあって、思いのほか眼球注射に時間がかかっている。
本発明の主な目的は、シリンジとプランジャからなる一般的な注射器を片手でスムーズに操作することができるとともに、繊細な注射にも適切に対応することができる注射器用のアダプタを提供することにある。
本発明は、上記の「一般的な注射器」を、筆記具を持つような「ペン式」の持ち方で保持しつつ、持ち替えなしに片手で簡単に操作可能にするという、これまでにない新しい着想に基づいてなされたものである。以下に、本発明の態様を示す。
本発明の第1の態様は、
円筒状のシリンジと、前記シリンジ内に挿入されるプランジャと、を備える注射器に装着して用いられる注射器用のアダプタであって、
前記シリンジに着脱可能に固定される固定部材と、
前記シリンジに前記固定部材を固定した場合に、前記シリンジの中心軸方向に沿って移動するように前記固定部材に移動可能に支持された可動部材と、
を備え、
前記固定部材は、その長さが前記シリンジの長さとほぼ同じ寸法に設定されるとともに断面C字形に曲げられた板状体と、前記板状体の長さ方向の両端部で前記板状体の内周側の面に固定された一対のクリップ片とを有し、前記一対のクリップ片は、それぞれ前記板状体と同様に略C字形に曲げられた板バネによって構成され、そのバネ力をもって前記シリンジの円筒部分に前記固定部材を固定するものであり、
前記可動部材は、前記プランジャに係合される係合部と、前記可動部材を移動させるときに指で操作される操作部とを有し、
前記アダプタを前記注射器に装着してなるアダプタ付き注射器を人差し指、中指および親指を使ってそれら3本の指の間に挟み且つ前記アダプタ付き注射器の後端側を人差し指と親指の股の部分で受けて支持するペン式の持ち方で保持しつつ、前記操作部を人差し指または親指で操作することにより、前記可動部材とともに前記プランジャを移動可能に構成した
ことを特徴とする注射器用のアダプタである。
円筒状のシリンジと、前記シリンジ内に挿入されるプランジャと、を備える注射器に装着して用いられる注射器用のアダプタであって、
前記シリンジに着脱可能に固定される固定部材と、
前記シリンジに前記固定部材を固定した場合に、前記シリンジの中心軸方向に沿って移動するように前記固定部材に移動可能に支持された可動部材と、
を備え、
前記固定部材は、その長さが前記シリンジの長さとほぼ同じ寸法に設定されるとともに断面C字形に曲げられた板状体と、前記板状体の長さ方向の両端部で前記板状体の内周側の面に固定された一対のクリップ片とを有し、前記一対のクリップ片は、それぞれ前記板状体と同様に略C字形に曲げられた板バネによって構成され、そのバネ力をもって前記シリンジの円筒部分に前記固定部材を固定するものであり、
前記可動部材は、前記プランジャに係合される係合部と、前記可動部材を移動させるときに指で操作される操作部とを有し、
前記アダプタを前記注射器に装着してなるアダプタ付き注射器を人差し指、中指および親指を使ってそれら3本の指の間に挟み且つ前記アダプタ付き注射器の後端側を人差し指と親指の股の部分で受けて支持するペン式の持ち方で保持しつつ、前記操作部を人差し指または親指で操作することにより、前記可動部材とともに前記プランジャを移動可能に構成した
ことを特徴とする注射器用のアダプタである。
本発明の第2の態様は、
前記可動部材の移動方向に沿って前記固定部材に形成された溝と前記操作部に設けられたガイド片とを有し、前記溝に前記ガイド片を係合することにより、前記可動部材の移動方向に沿って前記操作部の移動を案内する操作部案内機構をさらに具備する
ことを特徴とする上記第1の態様に記載の注射器用のアダプタである。
前記可動部材の移動方向に沿って前記固定部材に形成された溝と前記操作部に設けられたガイド片とを有し、前記溝に前記ガイド片を係合することにより、前記可動部材の移動方向に沿って前記操作部の移動を案内する操作部案内機構をさらに具備する
ことを特徴とする上記第1の態様に記載の注射器用のアダプタである。
本発明の第3の態様は、
前記固定部材は、前記可動部材を移動可能に支持する支持部を有し、
前記可動部材は、前記支持部に案内されて移動するスライド部材を有するとともに、前記スライド部材の移動方向において前記操作部と当該スライド部材との相対位置を調整可能に設けられていることを特徴とする上記第1または第2の態様に記載の注射器用のアダプタである。
前記固定部材は、前記可動部材を移動可能に支持する支持部を有し、
前記可動部材は、前記支持部に案内されて移動するスライド部材を有するとともに、前記スライド部材の移動方向において前記操作部と当該スライド部材との相対位置を調整可能に設けられていることを特徴とする上記第1または第2の態様に記載の注射器用のアダプタである。
本発明の第4の態様は、
円筒状のシリンジと、前記シリンジ内に挿入されるプランジャと、を備える注射器と、
前記シリンジに着脱可能に固定される固定部材と、前記シリンジに前記固定部材を固定した場合に、前記シリンジの中心軸方向に沿って移動するように前記固定部材に移動可能に支持された可動部材と、を備えるアダプタと、
を具備し、
前記固定部材は、その長さが前記シリンジの長さとほぼ同じ寸法に設定されるとともに断面C字形に曲げられた板状体と、前記板状体の長さ方向の両端部で前記板状体の内周側の面に固定された一対のクリップ片とを有し、前記一対のクリップ片は、それぞれ前記板状体と同様に略C字形に曲げられた板バネによって構成され、そのバネ力をもって前記シリンジの円筒部分に前記固定部材を固定するものであり、
前記可動部材は、前記プランジャに係合される係合部と、前記可動部材を移動させるときに指で操作される操作部とを有し、
前記アダプタを前記注射器に装着してなるアダプタ付き注射器を人差し指、中指および親指を使ってそれら3本の指の間に挟み且つ前記アダプタ付き注射器の後端側を人差し指と親指の股の部分で受けて支持するペン式の持ち方で保持しつつ、前記操作部を人差し指または親指で操作することにより、前記可動部材とともに前記プランジャを移動可能に構成した
ことを特徴とする注射器ユニットである。
円筒状のシリンジと、前記シリンジ内に挿入されるプランジャと、を備える注射器と、
前記シリンジに着脱可能に固定される固定部材と、前記シリンジに前記固定部材を固定した場合に、前記シリンジの中心軸方向に沿って移動するように前記固定部材に移動可能に支持された可動部材と、を備えるアダプタと、
を具備し、
前記固定部材は、その長さが前記シリンジの長さとほぼ同じ寸法に設定されるとともに断面C字形に曲げられた板状体と、前記板状体の長さ方向の両端部で前記板状体の内周側の面に固定された一対のクリップ片とを有し、前記一対のクリップ片は、それぞれ前記板状体と同様に略C字形に曲げられた板バネによって構成され、そのバネ力をもって前記シリンジの円筒部分に前記固定部材を固定するものであり、
前記可動部材は、前記プランジャに係合される係合部と、前記可動部材を移動させるときに指で操作される操作部とを有し、
前記アダプタを前記注射器に装着してなるアダプタ付き注射器を人差し指、中指および親指を使ってそれら3本の指の間に挟み且つ前記アダプタ付き注射器の後端側を人差し指と親指の股の部分で受けて支持するペン式の持ち方で保持しつつ、前記操作部を人差し指または親指で操作することにより、前記可動部材とともに前記プランジャを移動可能に構成した
ことを特徴とする注射器ユニットである。
本発明によれば、シリンジとプランジャからなる一般的な注射器を片手でスムーズに操作することができるとともに、繊細な注射にも適切に対応することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の実施の形態においては、次の順序で説明を行う。
1.注射器用のアダプタの構成
2.注射器用のアダプタの使用方法
3.実施の形態の効果
4.変形例等
本発明の実施の形態においては、次の順序で説明を行う。
1.注射器用のアダプタの構成
2.注射器用のアダプタの使用方法
3.実施の形態の効果
4.変形例等
<1.注射器用のアダプタの構成>
図1は本発明の実施の形態に係る注射器用のアダプタの構成例を示す斜視図であり、図2はこのアダプタを注射器に装着した状態を示す斜視図である。ここでは、アダプタ1の構成を説明する前に、注射器2の構成を説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る注射器用のアダプタの構成例を示す斜視図であり、図2はこのアダプタを注射器に装着した状態を示す斜視図である。ここでは、アダプタ1の構成を説明する前に、注射器2の構成を説明する。
(注射器の構成)
注射器2は、たとえば、医療機関や研究機関などで使用される汎用品である。注射器2は、図2に示すように、シリンジ21とプランジャ22を用いて構成されている。シリンジ21の先端部には注射針23が装着されている。注射針23は、注射器2を使用する際に、必要に応じて装着されるものである。
注射器2は、たとえば、医療機関や研究機関などで使用される汎用品である。注射器2は、図2に示すように、シリンジ21とプランジャ22を用いて構成されている。シリンジ21の先端部には注射針23が装着されている。注射針23は、注射器2を使用する際に、必要に応じて装着されるものである。
シリンジ21は、断面円形の筒状に形成されている。シリンジ21は、硬質の透明なプラスチックで形成されている。シリンジ21の後端部には、フランジ部24が設けられている。フランジ部24は、シリンジ21の径方向に突出する状態で、シリンジ21と一体に形成されている。また、シリンジ21の先端部には図示しないノズル部が形成され、このノズル部に対して注射針23が着脱可能となっている。
プランジャ22は、シリンジ21と組み合わせて用いられる可動式の押し子である。プランジャ22の先端部には、ガスケット部25が設けられている。ガスケット部25は、ゴム状弾性を有するものである。ガスケット部25は、シリンジ21の筒内にプランジャ22を挿入したときに、シリンジ21の内周面に密着しつつ摺動し得るようになっている。
プランジャ22は、ガスケット部25を除いて、硬質のプラスチックで形成されている。プランジャ22の後端部にはヘッド部26が一体に形成されている。ヘッド部26は、シリンジ21の中心軸方向から見て円形に形成されている。また、ヘッド部26は、プランジャ22が挿入されるシリンジ21の内径よりも大きな外径で円板状に形成されている。このため、プランジャ22の後端部では、ヘッド部26が径方向に突出した状態となっている。
ちなみに、アダプタ1を装着せずに注射器2だけで注射する場合は、図3に示すように、人差し指と中指をフランジ部24に引っ掛けるようにして、これら2本の指でシリンジ21を挟み込み、その状態で親指をヘッド部26に当ててプランジャ22を押し込む。これにより、シリンジ21内の液体は、ガスケット部25によって押されるため、注射針23を通して外部に押し出されることになる。
(アダプタの構成)
アダプタ1は、注射器2に着脱可能に装着して用いられるものである。注射器2に対してアダプタ1を着脱可能とした理由は、一つのアダプタ1を複数の注射器2に順に付け替えて使用できるようにするためである。アダプタ1は、大きくは、固定部材3と可動部材4とを備えている。アダプタ1を構成する固定部材3および可動部材4は、それぞれ金属(好ましくは、ステンレス、チタンなど)で構成されている。
アダプタ1は、注射器2に着脱可能に装着して用いられるものである。注射器2に対してアダプタ1を着脱可能とした理由は、一つのアダプタ1を複数の注射器2に順に付け替えて使用できるようにするためである。アダプタ1は、大きくは、固定部材3と可動部材4とを備えている。アダプタ1を構成する固定部材3および可動部材4は、それぞれ金属(好ましくは、ステンレス、チタンなど)で構成されている。
固定部材3は、注射器2のシリンジ21に着脱可能に固定されるものである。固定部材3は、断面C字形に曲げられた板状体3aを用いて構成されている。固定部材3は、注射器2にアダプタ1を装着する場合に、注射器2のシリンジ21に固定される。板状体3aの長さは、シリンジ21の長さとほぼ同じ寸法に設定されている。板状体3aの両端部にはクリップ片5が設けられている。クリップ片5は、板状体3aの内周側の面に、たとえば溶接、接着、かしめなどによって固定されている。クリップ片5は、適度なバネ性を奏するように板バネで構成されている。クリップ片5は、板状体3aと同様に略C字形に曲げられている。クリップ片5の両端部5aは、シリンジ21を受け入れやすいように外開き状に屈曲している。また、板状体3aの一端部には支持部6が設けられている。支持部6は、板状体3aの外周側の面に、たとえば溶接、接着、かしめなどによって固定されている。また、支持部6は、板状体3aの長さ方向の一端部に設けられている。
可動部材4は、シリンジ21に固定部材3を固定した場合に、プランジャ22の中心軸方向に沿って移動するように固定部材3に移動可能に支持されている。可動部材4は、スライドバー7と、操作部8と、係合部9とを有している。スライドバー7は、スライド部材として設けられたもので、支持部6に案内されてX方向に移動(スライド)するようになっている。スライドバー7は、支持部6に設けられた円形の貫通孔に挿入されることにより、X方向に移動(スライド)可能に支持されている。スライドバー7は、上記貫通孔の孔形状にあわせて断面円形に形成されている。
操作部8は、スライドバー7の一端部に設けられている。操作部8の下面は、スライドバー7とともに、固定部材3(板状体3a)の外面に近接する状態、または軽く接触する状態に配置されている。固定部材3の板状体3aにはX方向に沿って溝13が形成されており、この溝13に対して、操作部8の下面側から突出するガイド片14を係合することにより、操作部8が溝13に案内されてX方向に移動するようになっている。また、操作部8が移動する際には、ガイド片14がシリンジ21の外周面に接触しないようになっている。操作部8は、アダプタ1が装着された注射器(以下、「アダプタ付き注射器」ともいう。)2を取り扱う場合に、指先(指の腹)を乗せて、指の動きにより操作される部分である。本形態例においては、操作部8を操作するときの指の動きが、操作部8をX方向に移動させる動きになっている。操作部8は、アダプタ1を注射器2に装着した場合に、シリンジ21の中心軸方向においてガスケット部25とほぼ同じ位置に配置される。操作部8の表面(上面)は、そこに指先を乗せたときのフィット感を高めるために、緩やかなカーブを描いて凹面状にへこんだ状態で形成されている。また、操作部8の表面には滑り止め処理が施されている。具体的には、滑り止め処理の一例として、操作部8の表面に多数の小さな凹凸、さらに詳しくは可動部材4の移動方向と直交する向きで縞模様の凹凸が形成され、これによって操作部8の表面状態が、いわゆるギザギザの状態になっている。
ただし、操作部8の滑り止め処理としては、これに限らず、たとえば、操作部8の表面にドット状の凹凸を形成してもよいし、指を引っ掛けるための突出部を形成してもよい。また、操作部8の滑り止め処理は、本発明を実施するうえで好ましい形態ではあるが、本発明の課題を解決するうえで必須の事項ではない。
係合部9は、プランジャ22に係脱可能に係合されるものである。係合部9は、アダプタ1を注射器2に装着する場合に、プランジャ22の後端部(ヘッド部26)に係合される。係合部9は、スライドバー7の他端部(操作部8とは反対側)に設けられている。係合部9は、スライドバー7の端部に、たとえば圧入、ネジ止め等によって固定されている。係合部9は、全体に板状に形成されるとともに、その肉厚を部分的に薄くするかたちで段付きの受け部10を有している。受け部10は、ヘッド部26の形状および寸法に対応して形成されている。受け部10には円形の孔11が形成されている。孔11は、アダプタ1を軽量化し、かつ操作性を良くするために、受け部10を厚み方向に貫通する状態で形成されている。また、係合部9には、押さえ片12が設けられている。押さえ片12は、受け部10との間にプランジャ22のヘッド部26を挟んで支持(挟持)するものである。押さえ片12は、適度なバネ性を奏するように板バネで構成されている。押さえ片12は、たとえば図示しないネジを用いて係合部9に固定されている。押さえ片12は、自身のバネ性により、受け部10に対して接近離間する方向に弾性変形可能に設けられている。また、押さえ片12の一部は、受け部10側に凸となる形態で略U字形に曲げられており、その凸部分が受け部10に接触または近接した状態に配置されている。
<2.注射器用のアダプタの使用方法>
続いて、本発明の実施の形態に係る注射器用のアダプタの使用方法について説明する。
続いて、本発明の実施の形態に係る注射器用のアダプタの使用方法について説明する。
(アダプタの装着)
まず、アダプタ1を注射器2に装着する場合は、上記図2に示すように、プランジャ22のヘッド部26を係合部9に係合させるとともに、シリンジ21を固定部材3の各クリップ片5に挟持させる。このとき、係合部9に対しては、押さえ片12のバネ力に抗してプランジャ22のヘッド部26を、受け部10と押さえ片12との間に押し込むことにより、受け部10の段付き部分にヘッド部26を突き当てるようにする。これにより、係合部9は、押さえ片12のバネ力をもってプランジャ22のヘッド部26に係合された状態となる。また、固定部材3に対しては、一対のクリップ片5の両端部5aにシリンジ21を沿わせた状態で、固定部材3の内側にシリンジ21を押し込むようにする。これにより、固定部材3は、一対のクリップ片5のバネ力をもってシリンジ21に固定された状態となる。
まず、アダプタ1を注射器2に装着する場合は、上記図2に示すように、プランジャ22のヘッド部26を係合部9に係合させるとともに、シリンジ21を固定部材3の各クリップ片5に挟持させる。このとき、係合部9に対しては、押さえ片12のバネ力に抗してプランジャ22のヘッド部26を、受け部10と押さえ片12との間に押し込むことにより、受け部10の段付き部分にヘッド部26を突き当てるようにする。これにより、係合部9は、押さえ片12のバネ力をもってプランジャ22のヘッド部26に係合された状態となる。また、固定部材3に対しては、一対のクリップ片5の両端部5aにシリンジ21を沿わせた状態で、固定部材3の内側にシリンジ21を押し込むようにする。これにより、固定部材3は、一対のクリップ片5のバネ力をもってシリンジ21に固定された状態となる。
なお、アダプタ1を注射器2に装着するタイミングは、下記に例示するタイミングを含めて、注射器2の用途に応じて任意に設定可能である。
(1)シリンジ21に液体を吸入する前のタイミング。
(2)シリンジ21に液体を吸入した後のタイミング。
(3)シリンジ21の先端部に注射針23を装着する前のタイミング。
(4)シリンジ21の先端部に注射針23を装着した後のタイミング。
(1)シリンジ21に液体を吸入する前のタイミング。
(2)シリンジ21に液体を吸入した後のタイミング。
(3)シリンジ21の先端部に注射針23を装着する前のタイミング。
(4)シリンジ21の先端部に注射針23を装着した後のタイミング。
また、アダプタ1を注射器2から取り外す場合は、一対のクリップ片5のバネ力に抗してシリンジ21を固定部材3から取り外すとともに、押さえ片12のバネ力に抗してヘッド部26を係合部9から取り外すようにすればよい。
(アダプタ付き注射器の持ち方)
図4は本発明の実施の形態に係るアダプタが装着された注射器の持ち方を示す斜視図である。
図示のように、アダプタ1が装着された注射器(以下「アダプタ付き注射器」ともいう)2の持ち方は、鉛筆、ボールペンなどの筆記具を持つ場合と同様の「ペン式」の持ち方となっている。ここで記述する「ペン式」の持ち方とは、人差し指、中指および親指を使って、それら3本の指の間に対象物を掴む(挟む)ように持つ方式をいう。この持ち方にすると、アダプタ付き注射器2の後端側を、人差し指と親指の股の部分で受けて支持することになる。
図4は本発明の実施の形態に係るアダプタが装着された注射器の持ち方を示す斜視図である。
図示のように、アダプタ1が装着された注射器(以下「アダプタ付き注射器」ともいう)2の持ち方は、鉛筆、ボールペンなどの筆記具を持つ場合と同様の「ペン式」の持ち方となっている。ここで記述する「ペン式」の持ち方とは、人差し指、中指および親指を使って、それら3本の指の間に対象物を掴む(挟む)ように持つ方式をいう。この持ち方にすると、アダプタ付き注射器2の後端側を、人差し指と親指の股の部分で受けて支持することになる。
ちなみに、図4においては、人差し指と親指が形成する略C字形の空間にシリンジ21のフランジ部24が存在しているが、実際には、注射器2の中心軸方向においてフランジ部24が形成されている部分(支持部6の近傍)を、人差し指と親指の股の部分で受けて支持する状態となることが望ましい。その理由は、アダプタ付き注射器2を操作するときに、プランジャ22が手に接触するなどして、スライドバー7の移動が妨げられるおそれがあるからである。
(アダプタ付き注射器の動作)
次に、アダプタ付き注射器の動作について図5を用いて説明する。
まず、図5(A)に示すようにシリンジ21にプランジャ22を押し込んだ状態のもとで、可動部材4をX1方向に移動(スライド)させると、可動部材4と一緒にプランジャ22がX1方向に移動する。このため、図5(B)に示すように、プランジャ22がシリンジ21から引き込まれた状態となる。このとき、プランジャ22の引き込み量は、前述した可動部材4の移動量に対応したものとなる。
次に、アダプタ付き注射器の動作について図5を用いて説明する。
まず、図5(A)に示すようにシリンジ21にプランジャ22を押し込んだ状態のもとで、可動部材4をX1方向に移動(スライド)させると、可動部材4と一緒にプランジャ22がX1方向に移動する。このため、図5(B)に示すように、プランジャ22がシリンジ21から引き込まれた状態となる。このとき、プランジャ22の引き込み量は、前述した可動部材4の移動量に対応したものとなる。
一方、図5(B)に示すようにシリンジ21からプランジャ22を引き込んだ状態のもとで、可動部材4をX2方向に移動させると、可動部材4と一緒にプランジャ22がX2方向に移動する。このため、図5(A)に示すように、プランジャ22がシリンジ21に押し込まれた状態となる。このとき、可動部材4の移動終端は、プランジャ22のガスケット部25がシリンジ21の先端側に突き当たったところで規制される。
(使用例)
次に、アダプタ付き注射器の使用例について説明する。
ここでは一例として、眼科医が眼科手術で眼球に注射する場合に適用可能なアダプタ付き注射器の使用例について説明する。ただし、以下に記載する手順はあくまで一例であって、必ずしもこの順番通りに使用しなくてもよい。
次に、アダプタ付き注射器の使用例について説明する。
ここでは一例として、眼科医が眼科手術で眼球に注射する場合に適用可能なアダプタ付き注射器の使用例について説明する。ただし、以下に記載する手順はあくまで一例であって、必ずしもこの順番通りに使用しなくてもよい。
まず、注射の準備として、注射器2のシリンジ21内に規定量の薬液を吸入する。たとえば、医薬品メーカーから提供された薬液が、バイアル瓶、アンプル等の密封容器に入っている場合は、この密封容器に注射針(注射針23とは別)を挿入し、プランジャ22の引き込み操作によってシリンジ21内に薬液を吸入する。
次に、薬液の吸入時に使用した注射針をシリンジ21から取り外し、これに代えてシリンジ21の先端部に注射針23を装着する。次に、アダプタ1を注射器2に装着した後、操作部8または係合部9を操作して空気抜きを行う。ちなみに、眼球注射に使用する注射針23の長さは、通常の注射針の長さよりも短くなっている。その理由は、眼球注射をするときに注射針23が長いと、注射器2が取り扱いにくくなるためである。
次に、図6(A)に示すように、開瞼器31で大きく露出させた眼球32の角膜輪部33から注射位置34までの距離(3.5〜4.0mm)を測定器35によって測定することにより、注射位置34を特定する。
次に、アダプタ付き注射器2を上記図4のように片手で保持し、その手の小指側の側面を患者の顔(額など)の上に乗せる。このとき、注射針23の針先を、先ほど特定した注射位置に向ける。
次に、注射針23の針先を注射位置34に近づけた後、眼球1の動きに注意を払いながら、アダプタ付き注射器2を持っているほうの手を素早く動かすことにより、図6(B)に示すように注射針23を注射位置34に刺す。
次に、アダプタ付き注射器2の操作部8に乗せた人差し指を動かすことにより、上記図5(B)に示すように可動部材4をX2方向に移動させる。これにより、可動部材4の移動にしたがってプランジャ22が押し込まれる。このため、シリンジ21内の薬液が注射針23を通して眼球32内に投与される。
次に、アダプタ付き注射器2を持っているほうの手を先ほど反対方向に動かすことにより、注射針23を眼球32から引き抜く。以上で、眼球注射が完了となる。眼球注射を終えた後は、アダプタ1を注射器2から取り外す。その後は、次回の使用のための準備として、適切なタイミングでアダプタ1に殺菌消毒等の処理を施す。
<3.実施の形態の効果>
本発明の実施の形態に係る注射器用のアダプタ1によれば、筆記具を持つような「ペン式」の持ち方でアダプタ付き注射器2を保持しながら、操作部8を人差し指で操作することにより可動部材4を移動させることができる。その際、可動部材4は、シリンジ21に固定された固定部材3に支持されて移動する。このため、前述した従来のアダプタのように、アダプタの一部をシリンジの外周面に押し付けながら移動(摺動)させる場合に比べて、操作時の摩擦抵抗が非常に小さくなる。したがって、可動部材4をスムーズに移動させることができる。特に、固定部材3に設けた溝13で可動部材4の移動を案内する構成とした場合は、操作部8に余計な力を加える必要がないため、操作の確実性を上げることができる。また、「ペン式」の持ち方でアダプタ付き注射器2を保持した場合は、主に手の動きを利用して注射針を刺し、そのまま持ち替えなしで薬液を投与することができる。このため、注射器2を片手でスムーズに操作することができるとともに、繊細な注射にも適切に対応することができる。
本発明の実施の形態に係る注射器用のアダプタ1によれば、筆記具を持つような「ペン式」の持ち方でアダプタ付き注射器2を保持しながら、操作部8を人差し指で操作することにより可動部材4を移動させることができる。その際、可動部材4は、シリンジ21に固定された固定部材3に支持されて移動する。このため、前述した従来のアダプタのように、アダプタの一部をシリンジの外周面に押し付けながら移動(摺動)させる場合に比べて、操作時の摩擦抵抗が非常に小さくなる。したがって、可動部材4をスムーズに移動させることができる。特に、固定部材3に設けた溝13で可動部材4の移動を案内する構成とした場合は、操作部8に余計な力を加える必要がないため、操作の確実性を上げることができる。また、「ペン式」の持ち方でアダプタ付き注射器2を保持した場合は、主に手の動きを利用して注射針を刺し、そのまま持ち替えなしで薬液を投与することができる。このため、注射器2を片手でスムーズに操作することができるとともに、繊細な注射にも適切に対応することができる。
これにより、一般的な注射器2を使用して眼球注射を行う場合に、少なくとも注射針23を刺す動作から薬液を投与するまでの動作を、持ち替えなしに片手で簡単かつ連続的に行うことができる。このため、眼球注射の所要時間を短縮して、患者の精神的・肉体的な負担を軽減することができる。また、持ち替えの際に注射針が動いて眼球の組織を傷つけるおそれもなくなる。また、「ペン式」の持ち方は、眼科医が他の手術器具(たとえば、鑷子、レーザープローブなど)を取り扱うときの持ち方と同じである。このため、眼科医は、慣れた持ち方で眼球注射を行うことができる。これにより、眼科手術に熟練した眼科医はもちろん、比較的経験の浅い眼科医でも、眼球注射を容易に行うことができる。
また、本実施の形態のアダプタ1では、固定部材3の支持部6により可動部材4を移動可能に支持することで、固定部材3とは独立して可動部材4が移動する構成になっている。このため、操作部8に加えた指の力を、係合部9とヘッド部26の係合部分に効率よく伝えることができる。したがって、従来のアダプタを使用する場合よりも軽い力でプランジャ22を動かすことができる。その結果、注射器2の片手操作が楽になることはもちろん、操作部8に加える指の力を適宜加減することにより、プランジャ22の押し込み速度(薬液の注入速度)を調整することが可能となる。特に、眼球注射の場合は、1回の注射で投与する薬液の量が比較的少なく、使用する注射器2も細身(小容量)のタイプであるため、薬液の注入速度を調整可能となるメリットが非常に高い。
また、本実施の形態のアダプタ1は、固定部材3および可動部材4を含めて、全体が金属で構成されている。このため、アダプタ1を医療用途などで使用する場合に、殺菌消毒等に対して十分な耐性(耐薬品性、耐熱性等)をもたせることができる。また、アダプタ1の繰り返し使用に対する耐久性、移動操作の円滑性、長期にわたる動作の安定性などの観点でも、アダプタ1を金属で構成した方が好ましい。ただし、本発明を実施するにあたって、アダプタ1は、その全てを金属で構成したものに限らず、その一部または全部を樹脂で構成してもかまわない。
また、アダプタ1の改良品として、以下のような構成を採用することも可能である。
すなわち、スライドバー7の移動方向Xにおいて、スライドバー7と操作部8の相対位置を調整可能な構成としてもよい。具体的には、たとえば、スライドバー7と操作部8の結合をネジ締結等とするとともに、スライドバー7および操作部8の少なくとも一方に、ネジ締結のためのネジ孔を複数箇所にわたって設け、いずれのネジ孔を使用して両者を結合するかにより、両者の相対位置をX方向に変更可能に構成する。この構成を採用した場合は、スライドバー7の移動方向Xにおいて、操作部8を設ける位置を調整することが可能となる。このため、アダプタ付き注射器2を使用する医師等の手の大きさなどにあわせて操作部8の位置を調整することができる。これにより、アダプタ付き注射器2を使用する場合に、指を操作部8に乗せたときのフィット感が高まり、良好な操作性が得られる。
すなわち、スライドバー7の移動方向Xにおいて、スライドバー7と操作部8の相対位置を調整可能な構成としてもよい。具体的には、たとえば、スライドバー7と操作部8の結合をネジ締結等とするとともに、スライドバー7および操作部8の少なくとも一方に、ネジ締結のためのネジ孔を複数箇所にわたって設け、いずれのネジ孔を使用して両者を結合するかにより、両者の相対位置をX方向に変更可能に構成する。この構成を採用した場合は、スライドバー7の移動方向Xにおいて、操作部8を設ける位置を調整することが可能となる。このため、アダプタ付き注射器2を使用する医師等の手の大きさなどにあわせて操作部8の位置を調整することができる。これにより、アダプタ付き注射器2を使用する場合に、指を操作部8に乗せたときのフィット感が高まり、良好な操作性が得られる。
また、スライドバー7に対して操作部8を交換可能な構成としてもよい。具体的には、たとえば、スライドバー7と操作部8の結合をネジ締結等とすることにより、操作部8を交換可能な構成とする。この構成を採用した場合は、たとえば、アダプタ付き注射器2を使用する医師等の手の大きさや指の長さ・太さなどを考慮して、操作部8の大きさや形状等が異なる幾つかの交換品(操作部8)を用意しておく。これにより、交換品の中から医師等が最も使いやすいと感じる操作部8を選んで使用することができる。このため、操作性に優れたアダプタ1を提供することが可能となる。
<4.変形例等>
なお、本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
なお、本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、上記実施の形態においては、アダプタ付き注射器2を片手で保持した場合に、人差し指で操作部8を操作するものとしたが、これに限らず、人差し指に代えて親指で操作部8を操作してもよい。
また、上記実施の形態においては、操作部8を操作するときの指の動きが、操作部8をX方向に移動させる動きになっているが、本発明はこれに限らない。たとえば、図示はしないが、操作部として押下式の操作ボタンを設け、この操作ボタンを指で押す動きに連動して、可動部材4がプランジャ22とともにX方向に移動する構成を採用してもよい。
また、本発明に係るアダプタは、医療や研究(実験)などの用途に限らず、これ以外の用途にも広く適用することが可能である。
また、本発明は、上記のアダプタ1と注射器2とを組み合わせた構成の注射器ユニットとして実現することも可能である。
また、本発明は、上記のアダプタ1と注射器2とを組み合わせた構成の注射器ユニットとして実現することも可能である。
1…アダプタ
2…注射器
3…固定部材
4…可動部材
5…クリップ片
6…支持部
7…スライドバー
8…操作部
9…係合部
10…受け部
12…押さえ片
21…シリンジ
22…プランジャ
23…注射針
26…ヘッド部
2…注射器
3…固定部材
4…可動部材
5…クリップ片
6…支持部
7…スライドバー
8…操作部
9…係合部
10…受け部
12…押さえ片
21…シリンジ
22…プランジャ
23…注射針
26…ヘッド部
Claims (4)
- 円筒状のシリンジと、前記シリンジ内に挿入されるプランジャと、を備える注射器に装着して用いられる注射器用のアダプタであって、
前記シリンジに着脱可能に固定される固定部材と、
前記シリンジに前記固定部材を固定した場合に、前記シリンジの中心軸方向に沿って移動するように前記固定部材に移動可能に支持された可動部材と、
を備え、
前記固定部材は、その長さが前記シリンジの長さとほぼ同じ寸法に設定されるとともに断面C字形に曲げられた板状体と、前記板状体の長さ方向の両端部で前記板状体の内周側の面に固定された一対のクリップ片とを有し、前記一対のクリップ片は、それぞれ前記板状体と同様に略C字形に曲げられた板バネによって構成され、そのバネ力をもって前記シリンジの円筒部分に前記固定部材を固定するものであり、
前記可動部材は、前記プランジャに係合される係合部と、前記可動部材を移動させるときに指で操作される操作部とを有し、
前記アダプタを前記注射器に装着してなるアダプタ付き注射器を人差し指、中指および親指を使ってそれら3本の指の間に挟み且つ前記アダプタ付き注射器の後端側を人差し指と親指の股の部分で受けて支持するペン式の持ち方で保持しつつ、前記操作部を人差し指または親指で操作することにより、前記可動部材とともに前記プランジャを移動可能に構成した
ことを特徴とする注射器用のアダプタ。 - 前記可動部材の移動方向に沿って前記固定部材に形成された溝と前記操作部に設けられたガイド片とを有し、前記溝に前記ガイド片を係合することにより、前記可動部材の移動方向に沿って前記操作部の移動を案内する操作部案内機構をさらに具備する
ことを特徴とする請求項1に記載の注射器用のアダプタ。 - 前記固定部材は、前記可動部材を移動可能に支持する支持部を有し、
前記可動部材は、前記支持部に案内されて移動するスライド部材を有するとともに、前記スライド部材の移動方向において前記操作部と当該スライド部材との相対位置を調整可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の注射器用のアダプタ。 - 円筒状のシリンジと、前記シリンジ内に挿入されるプランジャと、を備える注射器と、
前記シリンジに着脱可能に固定される固定部材と、前記シリンジに前記固定部材を固定した場合に、前記シリンジの中心軸方向に沿って移動するように前記固定部材に移動可能に支持された可動部材と、を備えるアダプタと、
を具備し、
前記固定部材は、その長さが前記シリンジの長さとほぼ同じ寸法に設定されるとともに断面C字形に曲げられた板状体と、前記板状体の長さ方向の両端部で前記板状体の内周側の面に固定された一対のクリップ片とを有し、前記一対のクリップ片は、それぞれ前記板状体と同様に略C字形に曲げられた板バネによって構成され、そのバネ力をもって前記シリンジの円筒部分に前記固定部材を固定するものであり、
前記可動部材は、前記プランジャに係合される係合部と、前記可動部材を移動させるときに指で操作される操作部とを有し、
前記アダプタを前記注射器に装着してなるアダプタ付き注射器を人差し指、中指および親指を使ってそれら3本の指の間に挟み且つ前記アダプタ付き注射器の後端側を人差し指と親指の股の部分で受けて支持するペン式の持ち方で保持しつつ、前記操作部を人差し指または親指で操作することにより、前記可動部材とともに前記プランジャを移動可能に構成した
ことを特徴とする注射器ユニット。
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JP2017027563A JP2017080615A (ja) | 2017-02-17 | 2017-02-17 | 注射器用のアダプタおよび注射器ユニット |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2017-02-17 JP JP2017027563A patent/JP2017080615A/ja active Pending
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