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JP2017045594A - 全固体電池 - Google Patents

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英世 戎崎
Hideyo Ebisaki
英世 戎崎
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】正常に使用されている状態においては、導電性を低下させない一方で、過充電又は過放電がされている状態においては、電流を遮断して過充電又は過放電を停止させることができる、全固体電池を提供する。【解決手段】集電体層、活物質層、及び固体電解質層を具備している、全固体電池であって、集電体層が、アルミニウム層であり、かつ集電体層がタブ部を有し、かつタブ部の表面に、酸化カルシウム層が存在している、全固体電池。【選択図】図1

Description

本発明は、全固体電池に関する。
近年、高電圧及び高エネルギー密度を有する電池としてリチウム電池が実用化されている。リチウム電池の用途が広い分野に拡大していること及び高性能の要求から、リチウム電池の更なる性能向上のために様々な研究が行われている。
性能向上の1つとして、安全性の向上が挙げられる。より具体的には、電池の過充電又は過放電がされたときに、電流を遮断して電池の過熱を防止する必要がある。この目的を達するために、種々の試みがされている。
特許文献1では、電極活物質層中に、温度上昇によって膨張する多孔性ポリマー等の多孔質材料が挿入されている、電池が開示されている。この電池においては、多孔質材料の細孔に電解液が入り込んでおり、過電流が流れると、多孔質材料が局所的に膨張し、その膨張した部分において電解液を排出させて過電流を遮断する。
また、電解液の代わりに固体電解質層を備えた全固体電池を実用化するための研究も行われている。この全固体電池は、従来用いられてきた非水電解液系のリチウム電池と異なり、電解液を用いない。したがって、この全固体電池は、非水電解液を用いる場合の安全性向上のために必要なシステムを簡略化し得て、構造の自由度が増し補器の数を減らすことができる等の多くの利点を有し得るため、実用化が期待されている。この全固体電池についても、安全性の向上のための試みがされている。
特許文献2では、正極又は負極集電箔と同一の材料を細線状にしたヒューズが設けられている、全固体電池を開示している。この電池においては、過電流が流れると、ジュール熱によりこのヒューズが溶断し、それによって過電流を遮断する。
特開2001−229912号公報 特開2015−026555号公報
特許文献2の全固体電池におけるヒューズは、電流経路中における抵抗となるため、これによって電池の内部抵抗が増加し、導電性が低下する。
したがって、正常に使用されている状態においては、導電性を低下させない一方で、過充電又は過放電がされている状態においては、電流を遮断して過充電又は過放電を停止させることができる、全固体電池を開発する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
集電体層、活物質層、及び固体電解質層を具備している、全固体電池であって、
上記集電体層が、アルミニウム層であり、かつ
上記集電体層がタブ部を有し、かつ上記タブ部の表面に、酸化カルシウム層が存在している、
全固体電池。
本発明によれば、正常に使用されている状態においては、導電性を低下させない一方で、過充電又は過放電がされている状態においては、電流を遮断して過充電又は過放電を停止させることができる、全固体電池を提供することができる。
図1は、本発明の全固体電池の概略図である。図1(a)は、本発明の全固体電池の概略上面図を示し、図1(b)は、本発明の全固体電池の概略断面図を示す。
《全固体電池》
本発明の全固体電池(100)は、図1(a)及び(b)に示すように、集電体層(10a、10b)、集電体層(10a、10b)上に形成される活物質層(20a、20b)、及び活物質層(20a、20b)間に形成される固体電解質層を具備している。この集電体層(10a)又は(10b)の少なくともどちらか一方は、アルミニウム層である。また、この集電体層(10a)のタブ部(12)の表面には、酸化カルシウム層(14)が存在している。
アルミニウム層である集電体層と酸化カルシウム層とを組み合わせることによって、正常に使用されている状態においては、導電性を低下させない一方で、過充電又は過放電がされている状態においては、集電体層のタブ部で電流を遮断し、過充電又は過放電を停止させることができる。
理論に拘束されることを望まないが、本発明の全固体電池においては、過充電又は過放電によって電極の温度が上昇すると、活物質層及び/又は固体電解質層に含まれる水分が蒸発し、その水分が以下の反応によって、酸化カルシウムと反応して、水酸化カルシウムを生成すると考えられる。
CaO+HO→Ca(OH) (1)
次いで、この水酸化カルシウムと、集電体層のアルミニウムが以下のように反応して、絶縁体であるCaO・Alが、電極の厚み方向にわたって形成されることによって、電流が遮断されると考えられる。
2Al+3Ca(OH)→3CaO・Al+3H↑ (2)
以下では、本発明の全固体電池の各構成要素について説明する。
〈集電体層〉
集電体層としては、正極集電体層又は負極集電体層を挙げることができる。特に、本発明の集電体層は、タブ部を有し、かつアルミニウム層である。
アルミニウム層は、アルミニウム、又はアルミニウムと各種金属、例えば、銀、銅、金、ステンレス鋼、若しくはチタン等との合金を原材料とする層であることができる。
〈酸化カルシウム層〉
酸化カルシウム層は、正極及び/又は負極側の集電体層のタブ部の表面に存在している。また、酸化カルシウム層は、集電体の片面又は両面に存在していてもよい。酸化カルシウム層は、酸化カルシウム、及び随意にバインダーを含有している。
バインダーとしては、特に限定されないが、ポリマー樹脂、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ブタジエンゴム(BR)、若しくはスチレンブタジエンゴム(SBR)等、又はこれらの組合せを挙げることができる。
酸化カルシウム層の積層は、例えば上記の酸化カルシウム及び随意のバインダーを、非水溶媒に溶解させて酸化カルシウム用スラリーを作製し、これを塗工することにより行うことができる。この溶媒としては、限定されないが、ヘプタン等が挙げられる。
また、酸化カルシウム層の積層は、限定されないが、転動流動式コーティング、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティング、めっき、静電噴霧法等によっても行うことができる。
酸化カルシウム層は、酸化カルシウム層及びアルミニウム層の存在によって生じる絶縁体が、過電流を遮断できるように積層させることが好ましい。より具体的には、図1(a)に示すように、酸化カルシウム層(14)は、集電体層(10a)のタブ部(12)の幅方向に塗り残しがないように積層させることが好ましい。
〈活物質層〉
活物質層は、集電体層上に積層されている。また、活物質層としては、正極活物質層及び負極活物質層を挙げることができる。
(正極活物質層)
正極活物質層は、正極活物質、並びに随意に導電助剤、バインダー、及び電解質を含有している。
正極活物質の原材料としては、マンガン、コバルト、ニッケル及びチタンから選ばれる少なくとも1種の遷移金属及びリチウムを含む金属酸化物、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、若しくはニッケルコバルトマンガン酸リチウム(Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3)等、Li1+xMn2−x−y(式中MはAl、Mg、Co、Fe、Ni、Znからなる群より選択される一種以上の元素)で表される組成の異種元素置換Li−Mnスピネル、チタン酸リチウム(LixTiOy)、リン酸金属リチウム(LiMPO、式中MはFe、Mn、Co、Ni)、又はこれらの組合せを挙げることができる。
正極活物質は、リチウムイオン電導性能を有し、かつ活物質又は固体電解質と接触しても流動しない被覆層の形態を維持し得る物質で被覆されていてもよい。具体的には、正極活物質は、例えばLiNbO、LiTi12、LiPO等で被覆されていてもよい。
導電助剤としては、炭素材、例えば、VGCF(気相成長法炭素繊維、Vapor Grown Carbon Fiber)、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、若しくはカーボンナノチューブ等、又はこれらの組合せを挙げることができる。
バインダーとしては、特に限定されないが、ポリマー樹脂、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ブタジエンゴム(BR)、若しくはスチレンブタジエンゴム(SBR)等、又はこれらの組合せを挙げることができる。
電解質としては、特に限定されないが、リチウム二次電池の固体電解質として利用可能な材料を用いることができる。電解質、特に、固体電解質としては、硫化物系非晶質固体電解質、例えば、75LiS−25P、8LiO・67LiS・25P、LiS、P、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、若しくはLiS−P等;酸化物系非晶質固体電解質、例えば、LiO−B−P若しくはLiO−SiO等;結晶質酸化物、例えば、LiI、LiN、LiLaTa12、LiLiZr12、LiBaLaTa12、LiPO(4−3/2w)(w<1)等;若しくは、硫化物系結晶質固体電解質、例えばLi11、Li3.250.75等のガラスセラミックス、若しくはLi3.240.24Ge0.76等のthio−LiSiO系の結晶等;又はこれらの組合せを挙げることができる。
(負極活物質層)
負極活物質層は、負極活物質、並びに随意に導電助剤、バインダー、及び電解質を含有している。
負極活物質としては、金属イオン、例えば、リチウムイオン等を吸蔵・放出可能であれば特に限定されないが、グラファイト、ハードカーボン等の炭素材料、若しくはSi、Si合金等のケイ素材料、又はこれらの組合せを挙げることができる。
負極活物質層の導電助剤、バインダー、及び固体電解質としては、正極活物質層に関して挙げた材料を用いることができる。
〈固体電解質層〉
固体電解質層は、固体電解質を含有している。この固体電解質としては、正極活物質層に関して挙げた材料を用いることができる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《全固体電池の作製》
〈実施例〉
固体電解質として硫化物系固体電解質を用い、正極集電体層として厚さ15μmのアルミニウム箔を用いて、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体層を有する全固体電池を作製した。
次いで、酸化カルシウム(D50が10μmの粒状粒子、95質量部)、バインダー(SBR、5質量部)、及び溶媒(ヘプタン)を混合して、酸化カルシウム層用スラリーを用意した。この酸化カルシウム層用スラリーを、作製した全固体電池の正極集電体層のタブの両面に、タブ幅方向に塗り残しがないように塗工した。これを、60℃で10分間乾燥して、実施例の全固体電池とした。電池容量は、0.2Ahであり、酸化カルシウム層の乾燥後目付は9mg/cmであった。
〈比較例1〉
酸化カルシウム層を積層させなかったことを除き、実施例と同様にして、比較例の全固体電池を作製した。電池容量は、0.2Ahであった。
《全固体電池の評価》
〈電池特性試験〉
SOC(State of charge:充電状態)を60%に調整した後、10Cで充電及び放電を行い、充放電後10秒後の電圧降下を比較した。
実施例の電圧降下の、比較例の電圧降下に対する比は、1.00であった。したがって、酸化カルシウム層の存在によっては、導電性は低下しないことが理解されよう。
〈過充電試験〉
60℃の恒温槽内でSOCを100%に調整した後、1Cで更に1時間の充電を行った。
実施例では、充電から20分後に充電電流が遮断されたのに対し、比較例では、1時間充電した後も充電が停止することがなかった。
10a、10b 集電体層
12 タブ部
14 酸化カルシウム層
20a、20b 活物質層
100 全固体電池

Claims (1)

  1. 集電体層、活物質層、及び固体電解質層を具備している、全固体電池であって、
    前記集電体層が、アルミニウム層であり、かつ
    前記集電体層がタブ部を有し、かつ前記タブ部の表面に、酸化カルシウム層が存在している、
    全固体電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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