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JP2016518433A - N置換1h−ピラゾール−5−カルボン酸化合物及びその誘導体を製造する方法 - Google Patents

N置換1h−ピラゾール−5−カルボン酸化合物及びその誘導体を製造する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式I-AのN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸化合物及びその誘導体、特に対応するカルボニルクロリド化合物(酸クロリド)を製造する方法に関する。それはまた、有用な殺有害生物剤であるアントラニルアミド誘導体を製造するためのこれらの酸クロリドの使用に関する。式中、可変要素は、本特許請求の範囲及び明細書で定義される通りであり、本方法は、式(II)の化合物を、炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と第二級アミンとの組合せ及び第二級アミンのマグネシウムアミドから選択される塩基とハロゲン化リチウムの存在下で反応させるステップであって、該塩基は式(II)の化合物の少なくとも80%の脱プロトン化を達成するのに十分は量で使用される、ステップと、ステップ(i)で得られた生成物を、二酸化炭素又は二酸化炭素等価物と反応させることにより該生成物をカルボキシル化に供して、式(I-A)の化合物のマグネシウム塩を得て、場合により水での後処理に供して、式(I-A)の化合物を遊離酸として得るステップとを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、N置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸化合物及びその誘導体、特に対応するカルボニルクロリド化合物(酸クロリド)を製造する方法に関する。本発明はまた、有用な殺有害生物剤(pesticide)であるアントラニルアミド誘導体を製造するための、これらの酸クロリドの使用に関する。
N置換1H-ピラゾール-5-カルボキシラート化合物及び対応する酸クロリド、特に置換1-ピリジン-2-イル-1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリドは、芳香族アミノ基に1-ピリジン-2-イル-1H-ピラゾール-5-イル-カルボニル置換基を有するアントラニルアミド誘導体のための重要な前駆体である。このような化合物は、殺有害生物剤、特に殺虫剤として使用できることが見出されており、国際公開第01/70671号、国際公開第03/015518号、国際公開第03/015519号、国際公開第03/016284号、国際公開第03/016300号、国際公開第03/024222号、国際公開第06/000336号、国際公開第06/068669号、国際公開第07/043677号及び国際公開第08/130021号に開示されている。
置換1-ピリジン-2-イル-1H-ピラゾール5-カルボニルクロリドを調製するために、国際公開第02/070483号、国際公開第03/015519号、国際公開第07/043677号及び国際公開第08/130021号に記載の方法が、有用であることが判明した。その方法は、1-ピリジン-2-イル-1H-ピラゾール化合物をN-ブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドのいずれかで脱プロトン化し、次いで、生成リチウム化種を二酸化炭素と反応させて対応するカルボン酸となし、次いで、これを塩化チオニルや塩化オキサリルなどの脱水性塩素化剤を使用して塩素化して対応する酸クロリドを得ることに基づく。中間体としてすべてピラゾール5-カルボン酸の形成を必要とする類似の合成経路が、例えば、Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 1975年、3、392〜395頁;Heterocycles 1985年、23、943〜951頁;Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 2005年、15、4898〜4906頁;国際公開第06/000336号;国際公開第06/068669号;Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 2007年、17、6274〜6279頁;Bioorganic&Medicinal Chemistry、2008年、16、3163〜3170頁;Organic Reactions 1979年、26;Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 2008年、18、4438〜4441頁及び国際公開第08/011131号に記載されている。
しかし、従来技術のこうした手順には、数種の制約があるために、工業規模の生産に適したものはほとんど存在しない。例えば、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドなどの高反応性有機リチウム塩基をピラゾールの脱プロトン化に適用すると、特に大規模で実施する場合に合成で潜在的に有害なステップが出現する。さらには、こうした有機リチウム塩基は、非常に高価であり、反応温度が非常に低いことが必要であるために、それ自体が過剰なエネルギーコストをもたらす。加えて、すべての合成ステップで多大な時間及びエネルギーが消費され、材料の損失がもたらされるので、公知の手順で必要とされている4ステップより少ないステップで1-ピリジン-2-イル-1H-ピラゾール化合物を対応するピラゾール5-カルボン酸クロリドに転換することが非常に望まれている。
国際公開第01/70671号 国際公開第03/015518号 国際公開第03/015519号 国際公開第03/016284号 国際公開第03/016300号 国際公開第03/024222号 国際公開第06/000336号 国際公開第06/068669号 国際公開第07/043677号 国際公開第08/130021号 国際公開第02/070483号 国際公開第03/015519号、 国際公開第07/043677号 国際公開第08/130021号 国際公開第06/000336号 国際公開第06/068669号 国際公開第08/011131号
Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii 1975年、3、392〜395頁 Heterocycles 1985年、23、943〜951頁 Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 2005年、15、4898〜4906頁 Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 2007年、17、6274〜6279頁 Bioorganic&Medicinal Chemistry、2008年、16、3163〜3170頁 Organic Reactions 1979年、26 Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 2008年、18、4438〜4441頁
本発明の目的は、N-置換1H-ピラゾール-5-カルボキシレート及びN-置換1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリド化合物を製造するための、並びにそれらから誘導されるアントラニルアミドのピラゾールカルボキサミドを製造するための方法を提供することである。これらの方法は、実施するのに簡単であり、4若しくは3ステップ又はそれ未満を必要とし、且つ工業規模の生産に適していると予想される。これらの方法はさらに、安価で安全であり、選択的反応に基づいており、且つ適度な反応条件を使用して短い反応時間で所望の生成物を供給すると予想される。
本目的は、以下に詳細に記載される方法によって達成される。
本発明の第1の態様は、式(I-A)
Figure 2016518433
[式中、R1は、水素、ハロゲン、シアノ、-SF5、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、CBrF2、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル(最後に記載の6個の基は、1個以上の基Raで置換されていてもよい)、-Si(Rf)2Rg、-ORb、-SRb、-S(O)mRb、-S(O)nN(Rc)Rd、-N(Rc1)Rd1、フェニル(フェニルは1、2、3、4又は5個の基Reによって置換されていてもよい)、並びに環員としてN、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子若しくはヘテロ原子基を含む3、4、5、6又は7員の飽和、部分不飽和又は芳香族複素環であって1個以上の基Reによって置換されていてもよい複素環から選択され;
R2は、それぞれ独立に、ハロゲン、SF5、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル(最後に記載の6個の基は、1個以上の基Raで置換されていてもよい)、-Si(Rf)2Rg、-ORb、-SRb、-S(O)mRb、-S(O)nN(Rc)Rd、-N(Rc1)Rd1、フェニル(フェニルは1、2、3、4又は5個の基Reによって置換されていてもよい)、並びに環員としてN、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子若しくはヘテロ原子基を含む3、4、5、6又は7員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和複素環であって1個以上の基Reによって置換されていてもよい複素環からなる群から選択され;
Raは、SF5、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C1〜C6-アルコキシ-C1〜C6-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル、-Si(Rf)2Rg、-ORb、-SRb、-S(O)mRb、-S(O)nN(Rc)Rd、-N(Rc1)Rd1、フェニル(フェニルは1、2、3、4又は5個の基Reによって置換されていてもよい)、並びに環員としてN、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子若しくはヘテロ原子基を含む3、4、5、6又は7員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和複素環であって1個以上の基Reによって置換されていてもよい複素環からなる群から選択され;
或いは、同一原子に結合した2個の基Raは一緒に、=CRhRi、=NRc1、=NORb及び=NNRc1から選択される基を形成し、
或いは、2個の基Raは、それらが結合している炭素原子と一緒に、3、4、5、6、7又は8員の、飽和若しくは部分不飽和の炭素環、又は環員としてN、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子若しくはヘテロ原子基を含む複素環を形成し;
1個を超えるRaの場合、Raは、同一であっても、異なっていてもよく;
Rbは、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキル(最後に記載の6個の基は、場合により、C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-フルオロアルコキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C1〜C6-フルオロアルキルチオ、C1〜C6-アルキルスルフィニル、C1〜C6-フルオロアルキルスルフィニル、C1〜C6-アルキルスルホニル、C1〜C6-フルオロアルキルスルホニルから選択される1又は2個の基を有していてもよい)、-Si(Rf)2Rg、フェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシ(最後に記載の4個の基は、非置換であっても、部分ハロゲン化若しくは全ハロゲン化されてもよく並びに/又はC1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C1〜C6-アルコキシ及びC1〜C6-フルオロアルコキシからなる群から選択される1、2又は3個の置換基を有していてもよい)からなる群から選択され;
1個を超えるRbの場合、Rbは、同一であっても、異なっていてもよく;
Rc、Rdは、互いに独立に及びそれぞれの出現において独立に、シアノ、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキル(最後に記載の6個の基は、場合により、C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-フルオロアルコキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C1〜C6-フルオロアルキルチオ、C1〜C6-アルキルスルフィニル、C1〜C6-アルキルスルホニルから選択される1又は2個の基を有していてもよい)、-Si(Rf)2Rg、フェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシ(最後に記載の4個の基は、非置換であっても、部分ハロゲン化若しくは全ハロゲン化されてもよく並びに/又はC1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C1〜C6-アルコキシ及びC1〜C6-フルオロアルコキシから選択される1、2又は3個の置換基を有していてもよい)からなる群から選択され;
或いは、Rc及びRdは、それらが結合している窒素原子と一緒に、環員として、N、O及びSから選択される1又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでもよい3、4、5、6又は7員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和複素環を形成し、複素環は、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルコキシ及びC1〜C4-フルオロアルコキシから選択される1、2、3又は4個の置換基を有していてもよく;
Rc1は、水素であり、又はRcに対して示された意味のうちの一つを有し;
Rd1は、水素であり、又はRdに対して示された意味のうちの一つを有し;
Reは、ハロゲン、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキル(最後に記載の6個の基は、場合により、C1〜C4-アルコキシから選択される1又は2個の基を有していてもよい)、C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-フルオロアルコキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C1〜C6-フルオロアルキルチオ、C1〜C6-アルキルスルフィニル、C1〜C6-フルオロアルキルスルフィニル、C1〜C6-アルキルスルホニル、C1〜C6-フルオロアルキルスルホニル、-Si(Rf)2Rg、フェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシ(最後に記載の4個の基は、非置換であっても、部分ハロゲン化若しくは全ハロゲン化されてもよく並びに/又はC1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C1〜C6-アルコキシ及びC1〜C6-フルオロアルコキシから選択される1、2又は3個の置換基を有していてもよい)からなる群から選択され;
1個を超えるReの場合、Reは、同一であっても、異なっていてもよく;
Rf、Rgは、互いに独立に及びそれぞれの出現において独立に、C1〜C4-アルキル、C3〜C6-シクロアルキル、C1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキル、フェニル及びベンジルからなる群から選択され;
Rh、Riは、相互に独立に及びそれぞれの出現において独立に、水素、ハロゲン、SF5、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキル(最後に記載の6個の基は、場合により、C1〜C4-アルキル及びC1〜C4-フルオロアルキルから選択される1又は2個の基を有していてもよい)、C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-フルオロアルコキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C1〜C6-フルオロアルキルチオ、C1〜C6-アルキルスルフィニル、C1〜C6-アルキルスルホニル、-Si(Rf)2Rg、フェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシ(最後に記載の4個の基は、非置換であっても、部分ハロゲン化若しくは全ハロゲン化されてもよく並びに/又はC1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-フルオロアルコキシ、(C1〜C6-アルコキシ)カルボニル、(C1〜C6-アルキル)アミノ及びジ-(C1〜C6-アルキル)アミノからなる群から選択される1、2又は3個の置換基を有していてもよい)からなる群から選択され;
mは、1又は2であり、数個の出現の場合、mは同一であっても異なっていてもよく;
nは、0、1又は2であり、数個の出現の場合、nは同一であっても異なっていてもよく;
rは、0、1、2、3又は4である。]
のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸又はそのマグネシウム塩を製造する方法であって、
i)式(II)
Figure 2016518433
(式中、可変要素R1、R2及びrは、それぞれ上で定義された通りである)
の化合物を、炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物(magnesium-organic compound)と第二級アミンとの組合せ及び第二級アミンのマグネシウムアミドから選択される塩基と、ハロゲン化リチウムの存在下で反応させるステップであって、ここで、該塩基は、式(II)の化合物の少なくとも80%の脱プロトン化を達成するのに十分な量で使用される、ステップと、
ii)ステップ(i)で得られた生成物を、二酸化炭素又は二酸化炭素等価物と反応させることにより該生成物をカルボキシル化に供して、式(I-A)の化合物のマグネシウム塩を得て、場合により水での後処理に供して、式(I-A)の化合物を遊離酸として得るステップと
を含む方法に関する。
本方法において式(I-A)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸のマグネシウム塩が製造される場合、マグネシウム塩は、マグネシウムカチオン及び式(I-A)の化合物を、そのカルボン酸塩の形態で含む。好ましくは、マグネシウムカチオンは(Mg2+)/2、(MgBr+)又は(MgCl+)であり、特に(Mg2+)/2である。
本発明の第2の態様は、式(I):
Figure 2016518433
(式中、可変要素R1、R2及びrは、それぞれ本明細書で定義される通りである)
のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリドを製造する方法であって、
a)本明細書に記載される方法によって、式(I-A)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸又はそのマグネシウム塩を製造するステップと、
b)式(I-A)の化合物又はそのマグネシウム塩を、塩素化剤による処理によって式(I)の化合物に変換するステップと
を含む方法に関する。
前述の本発明の方法は、それらが従来技術の方法の前述の欠点を克服する際に一連の利点を伴う。例えば、本発明による方法は、式(I-A)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸又はそのマグネシウム塩の製造を事実上1回の処理ステップで可能にするものであり、その理由は、反応ステップ(i)後に得られる脱プロトン化中間体が、式(I-A)の生成物又はそのマグネシウム塩に従来の後処理又は精製なしにその場で変換されるからである。本発明の方法は、有用な式(I-A)の中間体を介する式(I)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリド化合物又はそのマグネシウム塩の製造をさらに可能にする。酸I-Aのマグネシウム塩の中間体は、単離され得るか、又はさらに、従来の後処理若しくは精製を伴って若しくは伴わずに、式Iの化合物若しくは式(I-A)の遊離酸に直接変換され得る。式(I-A)の中間体は、従来の後処理又は精製を伴って又は伴わずに式Iの化合物に変換され得る。本方法が後処理又は精製を伴わない場合、式(I)のカルボニルクロリドの製造は、事実上1回の処理ステップで行われる。これは、後処理又は精製の間の損失を防ぎ、時間、資源及び/又はエネルギーも節約する。また、変換の完了後、酸クロリドIは、不要な副生成物を除去するための結晶化及び溶媒蒸発を含めた簡単なプロトコルによって容易に単離又は精製され得る。さらに、脱プロトン化ステップは、安価な塩基で行われ、これは、工業規模で安全且つ円滑に行うことができる適度な温度で選択的、高収率及び速い変換を可能にする。
本発明の方法の利点は、本方法が、安全で安価な試薬を使用する一方で適度な温度及び短い反応時間を可能にすることであり、これは費用及び安全性の側面の点から見て有利である。収量は概して高く、副生成物はほとんど形成されず、たとえあったとしてもわずかな量であることから、時間、資源及びエネルギーが節約される。したがってこれらの特性のために、本方法は工業規模に適しており、これはさらなる利点である。
本発明の第3の態様は、式(VI)
Figure 2016518433
[式中、
R1、R2及びrは、それぞれ本明細書及び特許請求の範囲で定義した通りであり、
R3及びR4は、独立に、ハロゲン、シアノ、アジド、ニトロ、-SCN、SF5、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ハロシクロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-アルキニル、C2〜C6-ハロアルキニルからなる群から選択され、前述の最後の8つの基は、1つ以上の基Ra、-Si(Rf)2Rg、-ORb1、-OS(O)nRb1、SRb1、-S(O)mRb1、-S(O)nN(Rc1)Rd1、-N(Rc1)Rd1、-N(Rc1)C(=O)Ra、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb1、-C(=S)Ra、-C(=S)ORb1、-C(=NRc1)Ra、-C(=O)N(Rc1)Rd1、-C(=S)N(Rc1)Rd1、1、2、3、4又は5個の基Reによって置換されていてよいフェニル、並びにN、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子又はヘテロ原子基を環員として含有する3、4、5、6又は7員の飽和の、部分的に不飽和の、又は完全に不飽和の複素環によって置換されていてよく、ここで複素環は、1つ以上の基Reによって置換されていてよく、
R5は、水素、シアノ、C1〜C10-アルキル、C1〜C10-ハロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ハロシクロアルキル、C2〜C10-アルケニル、C2〜C10-ハロアルケニル、C2〜C10-アルキニル、C2〜C10-ハロアルキニルからなる群から選択され、最後の8つの基は、1つ以上の基Ra、-N(Rc1)Rd1、-Si(Rf)2Rg、-ORb1、-SRb1、-S(O)mRb1、-S(O)nN(Rc1)Rd1、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb1、-C(=O)N(Rc1)Rd1、-C(=S)Ra、-C(=S)ORb1、-C(=S)N(Rc1)Rd1、-C(=NRc1)Ra、1、2、3、4又は5個の基Reによって置換されていてよいフェニル、並びにN、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子又はヘテロ原子基を環員として含有する3、4、5、6又は7員の飽和の、部分的に不飽和の、又は完全に不飽和の複素環によって場合によって置換されていてよく、ここで複素環は、1つ以上の基Reによって置換されていてよく、
R6及びR7は、互いに独立に、水素、C1〜C10-アルキル、C1〜C10-ハロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ハロシクロアルキル、C2〜C10-アルケニル、C2〜C10-ハロアルケニル、C2〜C10-アルキニル、C2〜C10-ハロアルキニルからなる群から選択され、最後の8つの基は、1つ以上の基Raによって場合によって置換されていてよく、
或いはR6及びR7は、一緒になって、C2〜C7-アルキレン、C2〜C7-アルケニレン又はC6〜C9-アルキニレン鎖を表し、それらが結合している硫黄原子と一緒になって、3、4、5、6、7、8、9又は10員の飽和の、部分的に不飽和の、又は完全に不飽和の環を形成し、ここでC2〜C7-アルキレン鎖のCH2基の1〜4個、又はC6〜C7-アルケニレン鎖のCH2若しくはCH基のいずれかの1〜4個、又はC6〜C9-アルキニレン鎖のCH2基のいずれかの1〜4個は、C=O、C=S、O、S、N、NO、SO、SO2及びNHからなる群から独立に選択される1〜4個の基によって置き換えられていてよく、C2〜C7-アルキレン、C2〜C7-アルケニレン又はC6〜C9-アルキニレン鎖の炭素原子及び/又は窒素原子は、ハロゲン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-ハロアルコキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C1〜C6-ハロアルキルチオ、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ハロシクロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-アルキニル、C2〜C6-ハロアルキニルからなる群から独立に選択される1〜5個の置換基で置換されていてよく、ここで2つ以上の置換基が存在する場合には、前記置換基は同じか又は互いに異なっており、
Ra、Rc1、Rd1、Re、Rf、Rg、m及びnは、それぞれ本明細書及び特許請求の範囲で定義した通りであり、
Rb1は、水素であるか、又は本明細書及び特許請求の範囲でRbについて記載した意味の1つを有し、
tは、0又は1である]
のスルフィミン化合物を製造する方法であって、
本明細書及び特許請求の範囲に定義した方法によって式(I)の化合物を準備するステップと、その後、
c)塩基の存在下で、式(I)の化合物を式(VII)
Figure 2016518433
[式中、変数R3、R4、R5、R6、R7及びtは、それぞれ先に定義した通りである]
の化合物と反応させて、式(VI)の化合物を得るステップとを含む方法に関する。
本発明の文脈において、一般的に使用される用語は、それぞれ以下に定義する通りである。
接頭辞Cx〜Cyは、特定の場合に、存在可能な炭素原子の数を指す。
「ハロゲン」という用語は、それぞれの場合に、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素、詳細には、フッ素、塩素又は臭素を指す。
「部分的に又は完全にハロゲン化された」という用語は、所与の基の水素原子の1個以上、例えば、1、2、3、4若しくは5個又は全部が、ハロゲン原子、詳細には、フッ素又は塩素によって置き換えられたことを意味すると受け取られる。
本明細書で使用される場合の(加えてアルキル基を含む他の基、例えば、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル及びアルコキシアルキルのアルキル部分における)「アルキル」という用語は、それぞれの場合に、通常1〜14個の炭素原子、しばしば1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子、特に1〜3個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキル基を意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、2-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、1-エチルペンチル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、n-オクチル、1-メチルヘプチル、2-メチルヘプチル、1-エチルヘキシル、2-エチルヘキシル、1,2-ジメチルヘキシル、1-プロピルペンチル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、1-メチルオクチル、2-メチルオクチル、2-エチルヘプチル、2-プロピルヘキシル、n-デシル、1-メチルノニル、1-エチルオクチル、2-プロピルヘプチル、2-ブチルヘキシル、n-ウンデシル、1-メチルデシル、2-メチルデシル、2-エチルノニル、2-プロピルオクチル、n-ドデシル、1-メチルウンデシル、2-メチルウンデシル、2-エチルデシル、2-プロピルノニル、2-ブチルオクチル等である。
本明細書で使用される「アルキレン」(又はアルカンジイル)という用語は、それぞれの場合、炭素主鎖の任意の位置にある1個の水素原子がさらなる1個の結合部位によって置き換えられ、したがって2価部分を形成する、上に定義されたアルキル基を指す。
本明細書で使用される「ハロアルキル」(及びハロアルキル基を含む他の基、例えば、ハロアルコキシ及びハロアルキルチオのハロアルキル部分において)という用語は、それぞれの場合、通常炭素原子1〜10個、しばしば炭素原子1〜6個を有する直鎖又は分枝アルキル基を指し、この基の水素原子は、ハロゲン原子によって部分的又は全体的に置換されている。好ましいハロアルキル部分は、C1〜C4-ハロアルキルから、より好ましくはC1〜C2-ハロアルキルから、より好ましくはハロメチルから、詳細には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチルなどのC1〜C2-フルオロアルキルから選択される。
本明細書で使用される「フルオロアルキル」(及びフルオロアルコキシ、フルオロアルキルチオ、フルオロアルキルスルフィニル及びフルオロアルキルスルホニルのフルオロアルキル単位において)という用語は、それぞれの場合、通常炭素原子1〜10個、しばしば炭素原子1〜6個、詳細には炭素原子1〜4個を有する直鎖又は分枝アルキル基を指し、この基の水素原子は、フッ素原子によって部分的又は全体的に置換されている。その例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロパ-1-イル、1,1,1-トリフルオロプロパ-2-イル、ヘプタフルオロイソプロピル、1-フルオロブチル、2-フルオロブチル、3-フルオロブチル、4-フルオロブチル、4,4,4-トリフルオロブチル、フルオロ-tert-ブチルなどである。
本明細書で使用される「シクロアルキル」(及びシクロアルキル基を含む他の基、例えば、シクロアルコキシ及びシクロアルキルアルキルのシクロアルキル部分において)という用語は、それぞれの場合、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル及びビシクロ[2.2.2]オクチルなど、通常炭素原子3〜10個、炭素原子3〜8個、又は炭素原子3〜6個を有する一又は二環式の脂環式基を指す。
本明細書で使用される「ハロシクロアルキル」(及びハロシクロアルキル基を含む他の基、例えば、ハロシクロアルキルメチルのハロシクロアルキル部分において)という用語は、それぞれの場合、通常炭素原子3〜10個、炭素原子3〜8個又は炭素原子3〜6個を有する一又は二環式の脂環式基を指し、少なくとも1個、例えば、1、2、3、4又は5個の水素原子が、ハロゲン、詳細にはフッ素又は塩素によって置換されている。例は、1-及び2-フルオロシクロプロピル、1,2-、2,2-及び2,3-ジフルオロシクロプロピル、1,2,2-トリフルオロシクロプロピル、2,2,3,3-テトラフルオロシクロプロピル、1-及び2-クロロシクロプロピル、1,2-、2,2-及び2,3-ジクロロシクロプロピル、1,2,2-トリクロロシクロプロピル、2,2,3,3-テトラクロロシクロプロピル、1-、2-及び3-フルオロシクロペンチル、1,2-、2,2-、2,3-、3,3-、3,4-、2,5-ジフルオロシクロペンチル、1-、2-及び3-クロロシクロペンチル、1,2-、2,2-、2,3-、3,3-、3,4-、2,5-ジクロロシクロペンチルなどである。
本明細書で使用される「フルオロシクロアルキル」という用語は、1個以上のハロゲン原子がフッ素原子である、上で定義されたハロシクロアルキル基を指す。
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、それぞれの場合、通常2〜10個、好ましくは2〜4個の炭素原子を有する一不飽和炭化水素基、例えば、ビニル、アリル(2-プロペン-1-イル)、1-プロペン-1-イル、2-プロペン-2-イル、メタリル(2-メチルプロパ-2-エン-1-イル)、2-ブテン-1-イル、3-ブテン-1-イル、2-ペンテン-1-イル、3-ペンテン-1-イル、4-ペンテン-1-イル、1-メチルブタ-2-エン-1-イル、2-エチルプロパ-2-エン-1-イルなどを指す。
本明細書で使用される「アルケニレン」(又はアルケンジイル)という用語は、それぞれの場合、炭素主鎖の任意の位置にある1個の水素原子がさらなる1個の結合部位によって置き換えられ、したがって2価部分を形成する、上に定義されたアルケニル基を指す。
「ハロゲンによって置換されていてもよいアルケニル」としても表すことができる、本明細書で使用される「ハロアルケニル」という用語、及びハロアルケニルオキシ、ハロアルケニルカルボニルなどにおけるハロアルケニル部分は、炭素原子2〜10個(「C2〜C10-ハロアルケニル」)又は2〜6個(「C2〜C6-ハロアルケニル」)と任意の位置の二重結合とを有する不飽和直鎖又は分枝炭化水素基を指し、こうした基の水素原子の一部又は全部は、上記のハロゲン原子、詳細には、フッ素、塩素及び臭素によって置換されており、例えば、クロロビニル、クロロアリルなどが挙げられる。
本明細書で使用される「フルオロアルケニル」という用語は、1個以上のハロゲン原子がフッ素原子である、上に定義されたハロアルケニル基を指す。
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、炭素原子通常2〜10個、しばしば2〜6個、好ましくは2〜4個と任意の位置の1個又は2個の三重結合とを有する不飽和直鎖又は分枝炭化水素基、例えば、エチニル、プロパルギル(2-プロピン-1-イル)、1-プロピン-1-イル、1-メチルプロパ-2-イン-1-イル)、2-ブチン-1-イル、3-ブチン-1-イル、1-ペンチン-1-イル、3-ペンチン-1-イル、4-ペンチン-1-イル、1-メチルブタ-2-イン-1-イル、1-エチルプロパ-2-イン-1-イルなどを指す。
本明細書で使用される「アルキニレン」(又はアルキンジイル)という用語はそれぞれの場合、炭素主鎖の任意の位置にある1個の水素原子がさらなる1個の結合部位によって置き換えられ、したがって2価部分を形成する、上に定義されたアルキニル基を指す。
「ハロゲンによって置換されていてもよいアルキニル」としても表される、本明細書で使用される「ハロアルキニル」という用語は、通常炭素原子3〜10個、しばしば2〜6個、好ましくは炭素原子2〜4個と任意の位置の1個又は2個の三重結合(上記したように)とを有する不飽和直鎖又は分枝炭化水素基を指し、こうした基の水素原子の一部又は全部は、上記のハロゲン原子、詳細には、フッ素、塩素及び臭素によって置き換えられる。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、それぞれの場合、酸素原子を介して分子の残余と結合する通常炭素原子1〜10個、しばしば炭素原子1〜6個、好ましくは炭素原子1〜4個を有する直鎖又は分枝アルキル基を指す。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブチルオキシ、2-ブチルオキシ、イソ-ブチルオキシ、tert-ブチルオキシなどである。
本明細書で使用される「ハロアルコキシ」という用語はそれぞれの場合、この基の水素原子がハロゲン原子、詳細にはフッ素原子によって部分的に又は全体的に置き換えられる、炭素原子1〜10個、しばしば炭素原子1〜6個、好ましくは炭素原子1〜4個、好ましくは炭素原子1〜3個を有する、上で定義された直鎖又は分枝アルキル基を指す。好ましいハロアルコキシ部分として、C1〜C4-ハロアルコキシ、詳細にはハロメトキシ、及びまた詳細には、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1-フルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロ-エトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシなどのC1〜C2-フルオロアルコキシなどが挙げられる。
本明細書で使用される「アルコキシ-アルキル」という用語は、それぞれの場合、通常炭素原子1〜6個、好ましくは炭素原子1〜4個を含むアルキルを指し、1個の炭素原子は、上に定義されたように通常炭素原子1〜10個、しばしば1〜6個、詳細には1〜4個を含むアルコキシ基を有する。例は、CH2OCH3、CH2-OC2H5、n-プロポキシメチル、CH2-OCH(CH3)2、n-ブトキシメチル、(1-メチルプロポキシ)-メチル、(2-メチルプロポキシ)メチル、CH2-OC(CH3)3、2-(メトキシ)エチル、2-(エトキシ)エチル、2-(n-プロポキシ)-エチル、2-(1-メチルエトキシ)-エチル、2-(n-ブトキシ)エチル、2-(1-メチルプロポキシ)-エチル、2-(2-メチルプロポキシ)-エチル、2-(1,1-ジメチルエトキシ)-エチル、2-(メトキシ)-プロピル、2-(エトキシ)-プロピル、2-(n-プロポキシ)-プロピル、2-(1-メチルエトキシ)-プロピル、2-(n-ブトキシ)-プロピル、2-(1-メチルプロポキシ)-プロピル、2-(2-メチルプロポキシ)-プロピル、2-(1,1-ジメチルエトキシ)-プロピル、3-(メトキシ)-プロピル、3-(エトキシ)-プロピル、3-(n-プロポキシ)-プロピル、3-(1-メチルエトキシ)-プロピル、3-(n-ブトキシ)-プロピル、3-(1-メチルプロポキシ)-プロピル、3-(2-メチルプロポキシ)-プロピル、3-(1,1-ジメチルエトキシ)-プロピル、2-(メトキシ)-ブチル、2-(エトキシ)-ブチル、2-(n-プロポキシ)-ブチル、2-(1-メチルエトキシ)-ブチル、2-(n-ブトキシ)-ブチル、2-(1-メチルプロポキシ)-ブチル、2-(2-メチル-プロポキシ)-ブチル、2-(1,1-ジメチルエトキシ)-ブチル、3-(メトキシ)-ブチル、3-(エトキシ)-ブチル、3-(n-プロポキシ)-ブチル、3-(1-メチルエトキシ)-ブチル、3-(n-ブトキシ)-ブチル、3-(1-メチルプロポキシ)-ブチル、3-(2-メチルプロポキシ)-ブチル、3-(1,1-ジメチルエトキシ)-ブチル、4-(メトキシ)-ブチル、4-(エトキシ)-ブチル、4-(n-プロポキシ)-ブチル、4-(1-メチルエトキシ)-ブチル、4-(n-ブトキシ)-ブチル、4-(1-メチルプロポキシ)-ブチル、4-(2-メチルプロポキシ)-ブチル、4-(1,1-ジメチルエトキシ)-ブチルなどである。
本明細書で使用される「フルオロアルコキシ-アルキル」という用語は、それぞれの場合、上で定義された通常炭素原子1〜6個、好ましくは炭素原子1〜4個を含むアルキルを指し、1個の炭素原子は、上に定義されたようにフルオロアルコキシ基を有し、上に定義されたように通常炭素原子1〜10個、しばしば1〜6個、詳細には1〜4個を含む。例は、フルオロメトキシメチル、ジフルオロメトキシメチル、トリフルオロメトキシメチル、1-フルオロエトキシメチル、2-フルオロエトキシメチル、1,1-ジフルオロエトキシメチル、1,2-ジフルオロエトキシメチル、2,2-ジフルオロエトキシメチル、1,1,2-トリフルオロエトキシメチル、1,2,2-トリフルオロエトキシメチル、2,2,2-トリフルオロエトキシメチル、ペンタフルオロエトキシメチル、1-フルオロエトキシ-1-エチル、2-フルオロエトキシ-1-エチル、1,1-ジフルオロエトキシ-1-エチル、1,2-ジフルオロエトキシ-1-エチル、2,2-ジフルオロエトキシ-1-エチル、1,1,2-トリフルオロエトキシ-1-エチル、1,2,2-トリフルオロエトキシ-1-エチル、2,2,2-トリフルオロエトキシ-1-エチル、ペンタフルオロエトキシ-1-エチル、1-フルオロエトキシ-2-エチル、2-フルオロエトキシ-2-エチル、1,1-ジフルオロエトキシ-2-エチル、1,2-ジフルオロエトキシ-2-エチル、2,2-ジフルオロエトキシ-2-エチル、1,1,2-トリフルオロエトキシ-2-エチル、1,2,2-トリフルオロエトキシ-2-エチル、2,2,2-トリフルオロエトキシ-2-エチル、ペンタフルオロエトキシ-2-エチル、などである。
本明細書で使用される「アルキルチオ」(またアルキルスルファニル又はアルキル-S-)という用語はそれぞれの場合、アルキル基中の任意の位置で硫黄原子を介して結合する、炭素原子1〜10個を通常含み、しばしば炭素原子1〜6個を、好ましくは炭素原子1〜4個を含む、上で定義された直鎖又は分枝飽和アルキル基を指す。例は、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソ-プロピルチオ、n-ブチルチオ、2-ブチルチオ、イソ-ブチルチオ、tert-ブチルチオなどである。
本明細書で使用される「ハロアルキルチオ」という用語は、水素原子がフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素によって部分的に又は完全に置換される、上で定義されたアルキルチオ基を指す。例は、フルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、1-フルオロエチルチオ、2-フルオロエチルチオ、2,2-ジフルオロエチルチオ、2,2,2-トリフルオロエチルチオ、2-クロロ-2-フルオロエチルチオ、2-クロロ-2,2-ジフルオロ-エチルチオ、2,2-ジクロロ-2-フルオルエチルチオ、2,2,2-トリクロロエチルチオ、ペンタフルオロエチルチオなどである。
「アルキルスルフィニル」及び「S(O)n-アルキル」(nは1である)は、等価であり、本明細書では、スルフィニル[S(O)]基を介して結合した、上で定義されたアルキル基を指す。例えば、「C1〜C6-アルキルスルフィニル」という用語は、スルフィニル[S(O)]基を介して結合した、上で定義されたC1〜C6-アルキル基を指す。例は、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n-プロピルスルフィニル、1-メチルエチルスルフィニル(イソプロピルスルフィニル)、ブチルスルフィニル、1-メチルプロピルスルフィニル(sec-ブチルスルフィニル)、2-メチルプロピルスルフィニル(イソブチルスルフィニル)、1,1-ジメチルエチルスルフィニル(tert-ブチルスルフィニル)、ペンチルスルフィニル、1-メチルブチルスルフィニル、2-メチルブチルスルフィニル、3-メチルブチルスルフィニル、1,1-ジメチルプロピルスルフィニル、1,2-ジメチルプロピルスルフィニル、2,2-ジメチルプロピルスルフィニル、1-エチルプロピルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル、1-メチルペンチルスルフィニル、2-メチルペンチルスルフィニル、3-メチルペンチルスルフィニル、4-メチルペンチルスルフィニル、1,1-ジメチルブチルスルフィニル、1,2-ジメチルブチルスルフィニル、1,3-ジメチルブチルスルフィニル、2,2-ジメチルブチルスルフィニル、2,3-ジメチルブチルスルフィニル、3,3-ジメチルブチルスルフィニル、1-エチルブチルスルフィニル、2-エチルブチルスルフィニル、1,1,2-トリメチルプロピルスルフィニル、1,2,2-トリメチルプロピルスルフィニル、1-エチル-1-メチルプロピルスルフィニル及び1-エチル-2-メチルプロピルスルフィニルである。
「アルキルスルホニル」及び「S(O)n-アルキル」(nが2である)は、等価であり、本明細書では、スルホニル[S(O)2]基を介して結合した、上で定義されたアルキル基を指す。例えば、「C1〜C6-アルキルスルホニル」は、スルホニル[S(O)2]基を介して結合した、上で定義されたC1〜C6-アルキル基を指す。例は、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、1-メチルエチルスルホニル(イソプロピルスルホニル)、ブチルスルホニル、1-メチルプロピルスルホニル(sec-ブチルスルホニル)、2-メチルプロピルスルホニル(イソブチルスルホニル)、1,1-ジメチルエチルスルホニル(tert-ブチルスルホニル)、ペンチルスルホニル、1-メチルブチルスルホニル、2-メチルブチルスルホニル、3-メチルブチルスルホニル、1,1-ジメチルプロピルスルホニル、1,2-ジメチルプロピルスルホニル、2,2-ジメチルプロピルスルホニル、1-エチルプロピルスルホニル、ヘキシルスルホニル、1-メチルペンチルスルホニル、2-メチルペンチルスルホニル、3-メチルペンチルスルホニル、4-メチルペンチルスルホニル、1,1-ジメチルブチルスルホニル、1,2-ジメチルブチルスルホニル、1,3-ジメチルブチルスルホニル、2,2-ジメチルブチルスルホニル、2,3-ジメチルブチルスルホニル、3,3-ジメチルブチルスルホニル、1-エチルブチルスルホニル、2-エチルブチルスルホニル、1,1,2-トリメチルプロピルスルホニル、1,2,2-トリメチルプロピルスルホニル、1-エチル-1-メチルプロピルスルホニル及び1-エチル-2-メチルプロピルスルホニルである。
本明細書で使用される「アルキルアミノ」という用語は、それぞれの場合、基-NHRを指し、Rは、通常炭素原子1〜6個、好ましくは炭素原子1〜4個を有する直鎖又は分枝アルキル基である。アルキルアミノ基の例は、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、2-ブチルアミノ、イソ-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノなどである。
本明細書で使用される「ジアルキルアミノ」という用語は、それぞれの場合、基-NRR'を指し、R及びR'は、互いに独立に通常炭素原子1〜6個、好ましくは炭素原子1〜4個を有する直鎖又は分枝アルキル基である。ジアルキルアミノ基の例は、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、メチルイソプロピルアミノ、メチルブチルアミノ、メチルイソブチルアミノ、エチルプロピルアミノ、エチルイソプロピルアミノ、エチルブチルアミノ、エチルイソブチルアミノなどである。
基中の接尾語「-カルボニル」は、それぞれの場合、基が、カルボニルC=O基を介して分子の残余と結合していることを示す。これは、例えば、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル及びハロアルコキシカルボニルにおいてそうである。
本明細書で使用される「アリール」という用語は、炭素原子6〜14個を有する一、二又は三環芳香族炭化水素基を指す。その例として、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントラセニル及びフェナントレニルが挙げられる。アリールは、好ましくは、フェニル又はナフチル、特にフェニルである。
本明細書で使用される「3、4、5、6、7又は8員飽和炭素環」という用語は、単環式の全飽和炭素環を指す。かかる環の例として、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどが挙げられる。
「3、4、5、6、7又は8員部分不飽和炭素環」及び「5又は6員部分不飽和炭素環」という用語は、単環で1個以上の不飽和度を有する炭素環を指す。かかる環の例として、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどが挙げられる。
本明細書で使用される「環員としてN、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子若しくはヘテロ原子基を含む3、4、5、6又は7員飽和、部分不飽和、又は完全不飽和複素環」(「完全不飽和/全不飽和」として「芳香族」も挙げられる)という用語は、飽和、部分不飽和、又は全不飽和(芳香族を含めた)である単環基を指す。複素環は、炭素環員を介して又は窒素環員を介して分子の残余に結合することができる。
3、4、5、6又は7員飽和複素環の例として、オキシラニル、アジリジニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロチエン-3-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピラゾリジン-3-イル、ピラゾリジン-4-イル、ピラゾリジン-5-イル、イミダゾリジン-2-イル、イミダゾリジン-4-イル、オキサゾリジン-2-イル、オキサゾリジン-4-イル、オキサゾリジン-5-イル、イソオキサゾリジン-3-イル、イソオキサゾリジン-4-イル、イソオキサゾリジン-5-イル、チアゾリジン-2-イル、チアゾリジン-4-イル、チアゾリジン-5-イル、イソチアゾリジン-3-イル、イソチアゾリジン-4-イル、イソチアゾリジン-5-イル、1,2,4-オキサジアゾリジン-3-イル、1,2,4-オキサジアゾリジン-5-イル、1,2,4-チアジアゾリジン-3-イル、1,2,4-チアジアゾリジン-5-イル、1,2,4-トリアゾリジン-3-イル、1,3,4-オキサジアゾリジン-2-イル、1,3,4-チアジアゾリジン-2-イル、1,3,4-トリアゾリジン-2-イル、2-テトラヒドロピラニル、4-テトラヒドロピラニル、1,3-ジオキサン-5-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ヘキサヒドロピリダジン-3-イル、ヘキサヒドロピリダジン-4-イル、ヘキサヒドロピリミジン-2-イル、ヘキサヒドロピリミジン-4-イル、ヘキサヒドロピリミジン-5-イル、ピペラジン-2-イル、1,3,5-ヘキサヒドロトリアジン-2-イル及び1,2,4-ヘキサヒドロトリアジン-3-イル、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イル、チオモルホリン-2-イル、チオモルホリン-3-イル、1-オキソチオモルホリン-2-イル、1-オキソチオモルホリン-3-イル、1,1-ジオキソチオモルホリン-2-イル、1,1-ジオキソチオモルホリン-3-イル、アゼパン-1-、-2-、-3-又は-4-イル、オキセパン-2-、-3-、-4-又は-5-イル、ヘキサヒドロ-1,3-ジアゼピニル、ヘキサヒドロ-1,4-ジアゼピニル、ヘキサヒドロ-1,3-オキサゼピニル、ヘキサヒドロ-1,4-オキサゼピニル、ヘキサヒドロ-1,3-ジオキセピニル、ヘキサヒドロ-1,4-ジオキセピニルが挙げられる。
3、4、5、6又は7員部分不飽和複素環の例として、2,3-ジヒドロフル-2-イル、2,3-ジヒドロフル-3-イル、2,4-ジヒドロフル-2-イル、2,4-ジヒドロフル-3-イル、2,3-ジヒドロチエン-2-イル、2,3-ジヒドロチエン-3-イル、2,4-ジヒドロチエン-2-イル、2,4-ジヒドロチエン-3-イル、2-ピロリン-2-イル、2-ピロリン-3-イル、3-ピロリン-2-イル、3-ピロリン-3-イル、2-イソオキサゾリン-3-イル、3-イソオキサゾリン-3-イル、4-イソオキサゾリン-3-イル、2-イソオキサゾリン-4-イル、3-イソオキサゾリン-4-イル、4-イソオキサゾリン-4-イル、2-イソオキサゾリン-5-イル、3-イソオキサゾリン-5-イル、4-イソオキサゾリン-5-イル、2-イソチアゾリン-3-イル、3-イソチアゾリン-3-イル、4-イソチアゾリン-3-イル、2-イソチアゾリン-4-イル、3-イソチアゾリン-4-イル、4-イソチアゾリン-4-イル、2-イソチアゾリン-5-イル、3-イソチアゾリン-5-イル、4-イソチアゾリン-5-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-1-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-2-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-3-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-4-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-5-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-1-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-3-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-4-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-5-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-1-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-3-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-4-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-5-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-2-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-3-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-4-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-5-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-2-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-3-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-4-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-5-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-2-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-3-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-4-イル、2-、3-、4-、5-又は6-ジ-又はテトラヒドロピリジニル、3-ジ-又はテトラヒドロピリダジニル、4-ジ-又はテトラヒドロピリダジニル、2-ジ-又はテトラヒドロピリミジニル、4-ジ-又はテトラヒドロピリミジニル、5-ジ-又はテトラヒドロピリミジニル、ジ-又はテトラヒドロピラジニル、1,3,5-ジ-又はテトラヒドロトリアジン-2-イル、1,2,4-ジ-又はテトラヒドロトリアジン-3-イル、2,3,4,5-テトラヒドロ[1H]アゼピン-1-、-2-、-3-、-4-、-5-、-6-又は-7-イル、3,4,5,6-テトラヒドロ[2H]アゼピン-2-、-3-、-4-、-5-、-6-又は-7-イル、2,3,4,7-テトラヒドロ[1H]アゼピン-1-、-2-、-3-、-4-、-5-、-6-又は-7-イル、2,3,6,7-テトラヒドロ[1H]アゼピン-1-、-2-、-3-、-4-、-5-、-6-又は-7-イル、テトラヒドロオキセピニル、例えば2,3,4,5-テトラヒドロ[1H]オキセピン-2-、-3-、-4-、-5-、-6-又は-7-イル、2,3,4,7-テトラヒドロ[1H]オキセピン-2-、-3-、-4-、-5-、-6-又は-7-イル、2,3,6,7-テトラヒドロ[1H]オキセピン-2-、-3-、-4-、-5-、-6-又は-7-イル、テトラヒドロ-1,3-ジアゼピニル、テトラヒドロ-1,4-ジアゼピニル、テトラヒドロ-1,3-オキサゼピニル、テトラヒドロ-1,4-オキサゼピニル、テトラヒドロ-1,3-ジオキセピニル及びテトラヒドロ-1,4-ジオキセピニルが挙げられる。
3、4、5、6又は7員完全不飽和(芳香族を含めた)複素環は、例えば、5又は6員全不飽和(芳香族を含めた)複素環である。例は、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、4-イソオキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、4-イソチアゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、1,3,4-トリアゾール-2-イル、2-ピリジニル、3-ピリジニル、4-ピリジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル及び2-ピラジニルである。
本明細書で使用される「環員としてN、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子若しくはヘテロ原子基を含む3、4、5、6、7又は8員飽和、又は部分不飽和炭素環、又は複素環」という用語は、完全不飽和環系を除く、上で定義したようにN、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1〜3個のヘテロ原子を場合により含む飽和又は不飽和3〜8員環系を指す。
式(I)、(I-A)、(II)、(VI)及び(VII)の化合物の変数の好ましい実施形態に関して以下に記載する言及は、本発明の方法に関して、それら自体でも有効であり、好ましくは互いに組み合わせても有効である。
式(I)、(I-A)、(II)及び(VI)の化合物では、R1は、好ましくは電子求引基であり、好ましくは、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル、CBrF2、C5〜C6-シクロアルキル、C5〜C6-フルオロシクロアルキル、C2〜C4-アルケニル、C2〜C4-フルオロアルケニルから選択され、前述の最後の6つの基は、1、2又は3個の基Ra、-ORb、-SRb、-N(Rc1)Rd1、1、2又は3個の基Reによって置換されていてよいフェニル、並びにN、O及びSから選択される1個又は2個のヘテロ原子又はヘテロ原子基を環員として含有する5又は6員の飽和の、部分的に不飽和の、又は芳香族の複素環によって置換されていてよく、ここで複素環は、1、2又は3個の基Reによって置換されていてよい。特定の一実施形態では、R1は、本明細書及び特許請求の範囲で定義した通りであり、ただしR1はCBrF2ではない。
より好ましくは、R1は、フッ素、塩素、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルコキシ及びC1〜C4-フルオロアルコキシ-C1〜C4-アルキルから選択され、特にフッ素、塩素、CF3、CHF2及びメトキシから選択され、特にCF3及びCHF2から選択される。
式(I)、(I-A)、(II)及び(VI)の化合物では、各R2は、好ましくは独立に、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル、C5〜C6-シクロアルキル、C5〜C6-フルオロシクロアルキル、C2〜C4-アルケニル、C2〜C4-フルオロアルケニルから選択され、前述の最後の6つの基は、1つ以上の基Ra、-ORb、-SRb、-N(Rc1)Rd1、1、2又は3個の基Reによって置換されていてよいフェニル、並びにN、O及びSから選択される1個又は2個のヘテロ原子又はヘテロ原子基を環員として含有する5又は6員の飽和の、部分的に不飽和の、又は完全に不飽和の複素環によって置換されていてよく、ここで複素環は、1、2又は3個の基Reによって置換されていてよい。
より好ましくは、各R2は独立に、ハロゲン及びハロメチルから選択され、特にハロゲン及びCF3から選択され、特にR2は塩素である。
式(I)、式(I-A)、式(II)及び式(VI)の化合物において、rは、好ましくは1、2又は3、より好ましくは1である。rが1である場合、R2は、好ましくは式(I)、式(I-A)、式(II)又は式(VI)の化合物のピリジル部分の3位に位置し、即ち、ピラゾール結合に対してオルトであるピリジル部分の環炭素原子に結合している。
式(I-A)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸は、例えば、国際公開第02/070483号又は国際公開第03/015519号から公知である。
式(VI)及び式(VII)の化合物において、R3及びR4は、好ましくは、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C5〜C6-シクロアルキル、C5〜C8-ハロシクロアルキル、C2〜C4-アルケニル、C2〜C4-ハロアルケニル(ここで、最後に記載された6個の基は、1個以上の基Raで置換されていてもよい)、-ORb1、-OS(O)nRb1、SRb1、-N(Rc1)Rd1、-C(=O)Ra、1、2又は3個の基Reで置換されていてもよいフェニル、及び環員として、N、O及びSから選択される1又は2個のヘテロ原子を有する5又は6員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和ヘテロ環式環(ここで、ヘテロ環式環は、1、2又は3個の基Reで置換されていてもよい)から選択される。
より好ましくは、R3及びR4は、ハロゲン、シアノ、C1〜C4-アルキル及びC1〜C4-ハロアルキルから独立して選択される。特に好ましいR3は、ハロゲン、メチル及びハロメチルから、特に塩素、臭素、メチル、CF3及びCHF2から、とりわけ塩素、臭素、メチルから選択され、R4は、ハロゲン、シアノ、メチル及びハロメチルから、特に塩素、臭素、シアノ、CF3及びCHF2から、とりわけ塩素、臭素及びシアノから選択される。
式(VI)及び式(VII)の化合物において、R5は、好ましくは水素、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C5〜C6-シクロアルキル、C5〜C6-ハロシクロアルキル(ここで、最後の4個の基は、1個以上の基Raで場合により置換されていてもよい)、-C(=O)Ra、1、2又は3個の基Reで置換されていてもよいフェニル、並びに環員として、N、O及びSから選択される1又は2個のヘテロ原子を有する5又は6員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和ヘテロ環式環(ここで、ヘテロ環式環は、1、2又は3個の基Reで置換されていてもよい)から選択される。
より好ましくは、各R5は、水素、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル及び-C(=O)-C1〜C4-アルキルから、特に水素、C1〜C3-アルキル及びハロメチルから選択され、とりわけR5は水素である。
式(VI)及び式(VII)の化合物において、tは、好ましくは0である。tが0である、式(VI)及び式(VII)の化合物において、R6及びR7は、好ましくは、互いに独立して、水素、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C3〜C6-シクロアルキル、C3〜C6-ハロシクロアルキル、C2〜C4-アルケニル、C2〜C4-ハロアルケニルから選択され、ここで、最後の6個の基は、場合により1個以上の基Raにより置換されていてもよいか、
或いはR6及びR7は、それらが結合している硫黄原子と一緒になって4、5、6又は7員の飽和又は部分不飽和環を形成するC3〜C6-アルキレン又はC3〜C6-アルケニレン鎖を一緒に表し、ここで、C4〜C5-アルキレン鎖のCH2基の1個又はC4〜C5-アルケニレン鎖のCH2若しくはCH基の1個は、O、S並びにN及びNHから独立して選択される基により置き換えられていてもよく、C3〜C5-アルキレン又はC3〜C6-アルケニレン鎖の炭素及び/又は窒素原子は、ハロゲン、シアノ、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルコキシから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよい。
より好ましくは、R6及びR7は、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキルから独立して選択されるか、又はR6及びR7は、それらが結合している硫黄原子と一緒になって4、5、6若しくは7員環を形成するC3〜C6-アルキレン鎖を一緒に表す。特に好ましいR6及びR7は、それぞれC1〜C6-アルキルであるか、又はそれらが結合している硫黄原子と一緒になって4、5、6若しくは7員環を形成するC3〜C6-アルキレン鎖を一緒に表す。より好ましくは、R6及びR7は、C1〜C4-アルキルから独立して選択されるか、又はR6及びR7は、それらが結合している硫黄原子と一緒になって5若しくは6員環を形成するC4〜C5-アルキレン鎖を一緒に表す。さらにより好ましくは、R6及びR7は、C1〜C4-アルキルから独立して選択される。特に好ましくは、tが0である場合、R6及びR7は、C1〜C6-アルキルから互いに独立して選択されるか、又はR6及びR7は、それらが結合している硫黄原子と一緒になって4、5、6若しくは7員の飽和環を形成するC3〜C6-アルキレン鎖を一緒に表す。とりわけ、R6及びR7は、それぞれ、メチル、イソプロピル又はエチルである。
tが1である式(VI)及び(VII)の化合物では、R6及びR7の好ましい意味は、tが0である式(VI)及び(VII)の化合物で先に記載した好ましい意味である。
本文脈では、可変であるRa、Rb、Rc、Rd、Rb1、Rc1、Rd1、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、m及びnは、互いに独立に、好ましくは以下の意味の一つを有する:
Raは、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル、C3〜C6-シクロアルキル、C3〜C6-フルオロシクロアルキル、C2〜C4-アルケニル、C2〜C4-フルオロアルケニル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-アルキルチオ、アミノ、ジ-(C1〜C4-アルキル)-アミノ、フェニル及び環員としてN、O及びSから選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5又は6員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和複素環から選択され、フェニル及び複素環は、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル、C5〜C6-シクロアルキル及びC5〜C6-フルオロシクロアルキルから選択される1、2又は3個の基によって置換されていてもよい。
より好ましくは、Raは、C1〜C4-アルキル及びC1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルコキシ、ジ-(C1〜C4-アルキル)-アミノ、フェニル及び環員としてN、O及びSから選択される1又は2個のヘテロ原子を含む5又は6員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和複素環から選択され、詳細にはC1〜C3-アルキル及びC1〜C2-フルオロアルキル及びC1〜C2-アルコキシから選択される。
Rbは、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル、C5〜C6-シクロアルキル、C5〜C6-フルオロシクロアルキル、C1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルコキシ-C1〜C4-アルキル、フェニル-C1〜C4-アルキル、フェノキシ-C1〜C4-アルキル及びピリジル-C1〜C4-アルキル(最後に記載の3個の基中のフェニル及びピリジルは、場合により、ハロゲン、置換基C1〜C4-アルキル、C1〜C2-フルオロアルキル、C1〜C4-アルコキシ及びC1〜C2-フルオロアルコキシから選択される1又は2個の基を有していてもよい)から選択される。
より好ましくはRbは、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル及びベンジルから選択され、詳細にはC1〜C3-アルキル、C1〜C2-フルオロアルキル及びベンジルから選択される。
Rc、Rdは、互いに独立に及びそれぞれの出現において独立に、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル、C5〜C6-シクロアルキル、C5〜C6-フルオロシクロアルキル(最後に記載の4個の基は、場合により、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-フルオロアルコキシ、C1〜C4-アルキルチオ、C1〜C4-フルオロアルキルチオから選択される1個又は2個の基を有していてよい)、フェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシ(最後に記載の4個の基は、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C2-フルオロアルキル、C1〜C4-アルコキシ及びC1〜C2-フルオロアルコキシから選択される1又は2個の置換基を有していてもよい)から選択され、又はRc及びRdは、それらが結合していている窒素原子と一緒に、環員として、N、O及びSから選択される1個のさらなるヘテロ原子を含んでよい5又は6員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和複素環を形成し、複素環は、ハロゲン、C1〜C4-アルキル及びC1〜C4-フルオロアルキルから選択される1又は2個の置換基を有してもよい。
より好ましくはRc、Rdは、互いに独立に及びそれぞれの出現において独立に、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル及びベンジルから選択され、又はRc及びRdは、それらが結合していている窒素原子と一緒に、5又は6員の飽和又は部分不飽和複素環を形成する。詳細には、Rc及びRdは、互いに独立に及びそれぞれの出現において独立に、C1〜C3-アルキル、C1〜C2-フルオロアルキル、ベンジルであり、又はそれらが結合していている窒素原子と一緒に、ピロリジン又はピペリジン環を形成する。
Rb1は、水素であり、又はRcに対して示された好ましい意味の一つを有する。
Rc1は、水素であり、又はRcに対して示された好ましい意味の一つを有する。
Rd1は、水素であり、又はRdに対して示された好ましい意味の一つを有する。
Reは、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル、C2〜C4-アルケニル、C2〜C4-フルオロアルケニル(最後に記載の4個の基は、場合により、C1〜C2-アルコキシを有していてもよい)、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-フルオロアルコキシ、フェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシ(最後に記載の4個の基は、ハロゲン、C1〜C2-アルキル及びC1〜C2-フルオロアルキルから選択される1及び2個の置換基を有していてもよい)から選択される。
より好ましくは、Reは、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルコキシ及びC1〜C4-フルオロアルコキシから、詳細にはC1〜C3-アルキル、C1〜C2-フルオロアルキル、C1〜C2-アルコキシ、C1〜C2-フルオロアルコキシから選択される。
Rf、Rgは、互いに独立に及びそれぞれの出現において独立に、C1〜C4-アルキル、C5〜C6-シクロアルキル、C1〜C2-アルコキシ-C1〜C2-アルキル、フェニル及びベンジルから選択される。
より好ましくは、Rf、Rgは、互いに独立に及びそれぞれの出現において独立に、C1〜C4-アルキル、C5〜C6-シクロアルキル、ベンジル及びフェニルから、詳細にはC1〜C3-アルキル、ベンジル及びフェニルから選択される。
Rh、Riは、互いに独立に及びそれぞれの出現において独立に、水素、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル、C5〜C6-シクロアルキル、C5〜C6-フルオロシクロアルキル(最後に記載の4個の基は、場合により、C1〜C3-アルキル及びC1〜C3-フルオロアルキルから選択される1又は2個の基を有していてもよい)、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-フルオロアルコキシ、フェニル、ピリジル及びフェノキシから選択される。
より好ましくは、Rh、Riは、互いに独立に及びそれぞれの出現において独立に、水素、C1〜C3-アルキル及びC1〜C2-フルオロアルキルから選択される。
mは、1又は2であり、複数回出現する場合には、mは、同じか又は異なっていてよい。より好ましくは、mは2である。
nは、1又は2であり、複数回出現する場合には、nは、同じか又は異なっていてよい。より好ましくは、nは2である。
本発明の第1、第2及び第3の態様による方法において、R1がフッ素、塩素、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルコキシ及びC1〜C4-フルオロアルコキシ-C1〜C4-アルキルからなる群から選択され、特にフッ素、塩素、CF3、CHF2及びメトキシから選択され、rが1であり、R2が、ピリジル部分の3位に位置し、ハロゲン及びCF3から選択され、特に塩素である、式(I)、式(I-A)、式(II)、式(VI)及び式(VII)の化合物が特に優先される。
本発明の第3の態様による方法において、
R3が、メチル及びハロゲンからなる群から、特にメチル、塩素及び臭素からなる群から選択され、
R4が、シアノ、メチル及びハロゲンからなる群から、特にシアノ、塩素及び臭素からなる群から選択され、
R5が水素であり、
R6及びR7が、C1〜C4-アルキルから、特にメチル、エチル及びイソプロピルからなる群から互いに独立して選択され、
rが1であり、
tが0である、式(VI)及び式(VII)の化合物が特に優先される。
本発明の第1及び第2の態様による方法において、rが1であり、R2が塩素であり、ピリジル部分の3位に位置し、R1がフッ素、塩素、CF3、CHF2及びメトキシから選択される、式(I)、式(I-A)及び式(II)の化合物がとりわけ優先される。
本発明の第3の態様による方法において、tが0であり、R5が水素であり、化合物についてのR3、R4、R6及びR7の組合せが、それぞれの場合に、表Aの行A-1〜行A-45(化合物VII-1
〜VII-45)の1つにおけるこれらの可変要素に与えられる意味に相当する、式(VII)の化合物がとりわけ優先される。
本発明の第3の態様による方法において、rが1であり、tが0であり、R5が水素であり、R2が塩素であり、ピリジル部分の3位に位置し、化合物についてのR1、R3、R4、R6及びR7の組合せが、それぞれの場合に、表Aの行A-1〜行A-225(化合物VI-1〜VI-225)の1つにおけるこれらの可変要素に与えられる意味に相当する、式(VI)の化合物がとりわけ優先される。
Figure 2016518433
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Figure 2016518433
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N-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸I-Aを製造するための本発明の第1の態様による方法のステップ(i)の変換は、化合物IIのピラゾール環の5位の炭素原子の脱プロトン化、即ち、前記位置でのプロトンの引き抜きである。この変換は、ハロゲン化リチウムの存在下で化合物IIと塩基とを接触させることにより行われる。変換は、好ましくは溶媒中で行われる。変換は、好ましくは、適当な反応条件を使用して不活性雰囲気下で行われる。
本発明による方法のステップ(i)の反応に使用される塩基は、炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と第二級アミンとの組合せ、第二級アミンのマグネシウムアミド、及びそれらの混合物から選択される。
本発明方法のステップ(i)の反応のために、塩基は、本発明による方法のステップ(i)の変換において式(II)の化合物の少なくとも80%の脱プロトン化を達成するのに十分である量で使用される。これは、式(II)の化合物1モル当たり、マグネシウムとして計算して、1モル〜2モル、好ましくは1.05モル〜1.5モル、より好ましくは1.1モル〜1.4モル、特に1.15モル〜1.3モルの量で塩基を使用することにより行うことができる。
塩基が、炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と第二級アミンとの組合せであるか又はそれを含む場合、マグネシウム有機化合物は、典型的にはC1〜C8-アルキルマグネシウムハライド、例えば、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ペンチルマグネシウムクロリド、ヘキシルマグネシウムブロミド、ヘプチルマグネシウムクロリド又はオクチルマグネシウムブロミド、C3〜C8-シクロアルキルマグネシウムハライド、例えば、シクロヘキシルマグネシウムクロリド、シクロヘキシルマグネシウムブロミド、シクロプロピルマグネシウムクロリド又はシクロプロピルマグネシウムブロミド、及びアリールマグネシウムハライド、例えば、フェニルマグネシウムブロミド又はフェニルマグネシウムクロリドから選択される。好ましくは、マグネシウム有機化合物は、C1〜C6-アルキルマグネシウムハライド及びC5〜C6-シクロアルキルマグネシウムハライドから選択され、より好ましくはC1〜C6-アルキルマグネシウムクロリド、C1〜C6-アルキルマグネシウムブロミド、C5〜C6-シクロアルキルマグネシウムクロリド及びC5〜C6-シクロアルキルマグネシウムブロミドから選択され、さらにより好ましくはC1〜C6-アルキルマグネシウムクロリドから選択され、特にC1〜C4-アルキルマグネシウムクロリドから選択され、とりわけメチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、n-プロピルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリドから選択される。
本発明の方法の目的のために、前述のマグネシウム有機化合物は、それらがハロゲン化リチウム、例えば、特に塩化リチウムと形成する錯体の形態で用いることもできる。このような錯体の例は、C1〜C6-アルキルマグネリウムハライドと塩化リチウムとの錯体、特にC1〜C6-アルキルマグネシウムクロリドリチムクロリド錯体、例えば、イソプロピルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体及びエチルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体である。
本発明の好ましい実施形態において、マグネシウム有機化合物は、イソプロピルマグネシウムクロリド及びイソプロピルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体から選択される。
錯体は、別個のステップで前形成されてもよい。錯体はまた、マグネシウム有機化合物、特にC1〜C6-アルキルマグネシウムハライド、とりわけC1〜C6-アルキルマグネシウムクロリドを、適当な溶媒中、好ましくは第二級アミン及び/又はピラゾール化合物の存在下で、ハロゲン化リチウム、とりわけ塩化リチウムに添加することによりその場で調製されてもよい。
本発明の方法の目的に使用される第二級アミンは、典型的には、
- ジ-C1〜C14-アルキルアミン、好ましくはジ-C1〜C12-アルキルアミン、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N-メチル-N-エチルアミン、N,N-ジ-n-プロピルアミン、N-メチル-N-イソプロピルアミン、N-エチル-N-イソプロピルアミン、N,N-ジイソプロピルアミン、N,N-ジ-n-ブチルアミン、N,N-ジ-ブタ-2-イルアミン、N,N-ジ-イソブチルアミン、N,N-ジ-tert-ブチルアミン、N,N-ジペンチルアミン、N,N-ジヘキシルアミン、N,N-ジヘプチルアミン、N-イソプロピル-N-ブタ-2-イルアミン、N-イソプロピル-N-イソブチルアミン、N-イソプロピル-N-tert-ブチルアミン、N,N-ビス-(2-メチルヘキシル)アミン、N,N-ジオクチルアミン、N,N-ビス-(2-エチルヘキシル)アミン、N,N-ジノニルアミン、N,N-ビス-(2-プロピルヘキシル)アミン、N,N-ビス-(2-エチルヘプチル)アミン、N,N-ジデシルアミン、N,N-ビス-(2-プロピルヘプチル)アミン、N,N-ビス-(2-エチルオクチル)アミン、N,N-ジウンデシルアミン、N,N-ビス-(2-プロピルオクチル)アミン、N,N-ジドデシルアミン、N,N-ビス-(2-ブチルオクチル)アミン等、
- N-C1〜C14-アルキルN-C3〜C8-シクロアルキルアミン、好ましくはN-C1〜C4-アルキルN-C5〜C7-シクロアルキルアミン、例えば、N-メチル-N-シクロヘキシルアミン、N-エチル-N-シクロヘキシルアミン等、
- ジ-C3〜C8-シクロアルキルアミン、好ましくはジ-C5〜C7-シクロアルキルアミン、例えば、ジシクロペンチルアミン、N-シクロペンチル-N-シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘプチルアミン等、
- 非置換であるか又は1、2、3若しくは4個のC1〜C8-アルキル基で置換されている、飽和5〜7員ヘテロ環式アミン[ここで、ヘテロ環はNH基に加えて、O及びNから選択される1又は2個のさらなるヘテロ原子を有してもよく、ここでO及びNは、エーテル酸素の形態又はN-C1〜C4-アルキル基の形態である]、好ましくは非置換であるか又は1若しくは2個のC1〜C2-アルキル基で置換されている飽和5〜7員ヘテロ環式アミン[ここで、ヘテロ環はNH基に加えて、O及びNから選択されるさらなるヘテロ原子を有してもよく、ここでO及びNは、エーテル酸素の形態又はN-C1〜C2-アルキル基の形態である]、例えば、ピペリジン、2-メチルピペリジン、モルホリン、2-メチルモルホリン、3-メチルモルホリン、1-エチルピペラジン、1-メチルピペラジン、ピロリジン、2-メチルピロリジン、オキサゾリジン、アゼパン、2-メチルアゼパン、3-メチルアゼパン等、及び
- N-アリール-N-C1〜C14-アルキルアミン(ここで、アリール基は、非置換であるか又はC1〜C4-アルキル及びC1〜C4-アルコキシから選択される1、2、3若しくは4個の基で置換されている)、好ましくはN-アリール-N-C1〜C6-アルキルアミン(ここで、アリール基は、非置換であるか又はC1〜C2-アルキル及びC1〜C2-アルコキシから選択される1若しくは2個の基で置換されている)、例えば、N-メチル-N-フェニルアミン、N-エチル-N-フェニルアミン、N-プロピル-N-フェニルアミン、N-イソプロピル-N-フェニルアミン、N-イソブチル-N-フェニルアミン、N-tert-ブチル-N-フェニルアミン、N-メチル-N-(4-メチルフェニル)アミン、N-エチル-N-(4-メチルフェニル)アミン、N-イソプロピル-N-(4-メチルフェニル)アミン、N-tert-ブチル-N-(4-メチルフェニル)アミン、N-メチル-N-(3-メチルフェニル)アミン、N-エチル-N-(3-メチルフェニル)アミン、N-プロピル-N-(3-メチルフェニル)アミン、N-イソブチル-N-(3-メチルフェニル)アミン、N-メチル-N-(4-メトキシフェニル)アミン、N-エチル-N-(4-メトキシフェニル)アミン、N-イソプロピル-N-(4-メトキシフェニル)アミン、N-tert-ブチル-N-(4-メトキシフェニル)アミン、N-メチル-N-(3-メトキシフェニル)アミン、N-エチル-N-(3-メトキシフェニル)アミン、N-プロピル-N-(3-メトキシフェニル)アミン、N-イソブチル-N-(3-メトキシフェニル)アミン、N-メチル-N-(4-エチルフェニル)アミン、N-エチル-N-(4-エチルフェニル)アミン、N-イソプロピル-N-(4-エチルフェニル)アミン、N-メチル-N-(3-エチルフェニル)アミン、N-エチル-N-(3-エチルフェニル)アミン、N-tert-ブチル-N-(3-エチルフェニル)アミン、N-メチル-N-(4-エトキシフェニル)アミン、N-エチル-N-(4-エトキシフェニル)アミン、N-イソプロピル-N-(4-エトキシフェニル)アミン、N-tert-ブチル-N-(4-エトキシフェニル)アミン、N-イソプロピル-N-(3-エトキシフェニル)アミン、N-tert-ブチル-N-(3-エトキシフェニル)アミン、N-メチル-N-(3,5-ジメチルフェニル)アミン、N-エチル-N-(3,5-ジメチルフェニル)アミン、N-イソプロピル-N-(3,5-ジメチルフェニル)アミン、N-tert-ブチル-N-(3,5-ジメチルフェニル)アミン、N-メチル-N-(3-メチル-5-メトキシフェニル)アミン、N-エチル-N-(3-メチル-5-メトキシフェニル)アミン、N-プロピル-N-(3-メチル-5-メトキシフェニル)アミン、N-イソブチル-N-(3-メチル-5-メトキシフェニル)アミン、N-メチル-N-(3,5-ジメトキシフェニル)アミン、N-エチル-N-(3,5-ジメトキシフェニル)アミン、N-イソプロピル-N-(3,5-ジメトキシフェニル)アミン、N-tert-ブチル-N-(3,5-ジメトキシフェニル)アミン等、から選択される。
本発明の好ましい実施形態において、第二級アミンは、式(RN)
Figure 2016518433
[式中、RN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、RN8は、互いに独立して、水素及びC1〜C8-アルキルの群から選択され、ここで、2個の基RN3及びRN4はまた、(CH2)p基(pは、2、3又は4である)を形成してもよく、ここで、CH2基の1個は、酸素原子又は基N-C1〜C4-アルキルで置き換えられていてもよく、
但し、基RN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7及びRN8における炭素原子の合計数は2〜24である]
の化合物である。
RN1及びRN2が互いに独立して、水素又はメチルであり、RN3及びRN4が互いに独立して、C1〜C4-アルキル、特にC1〜C2-アルキルであり、RN5、RN6、RN7及びRN8が水素である、前述の本発明の実施形態による式(RN)の第二級アミン、例えば、N,N-ジイソプロピルアミン、N,N-ジ-tert-ブチルアミン、N-イソプロピル-N-tert-ブチルアミン、N,N-ジ-ブタ-2-イルアミン、N-イソプロピル-N-ブタ-2-イルアミン、N-tert-ブチル-N-ブタ-2-イルアミン、N,N-ジ-ペンタ-2-イルアミン、N,N-ジ-(2,2-ジメチルプロピル)アミン等が優先される。
RN1及びRN2が互いに独立して、水素又はメチル、特にメチルであり、RN3及びRN4が、(CH2)p基(pは、2、3又は4である)を形成し、ここで、(CH2)pのCH2基の1個は、酸素原子又は基N-C1〜C4-アルキル、特にN-C1〜C2-アルキル、とりわけN-メチルで置き換えられていてもよく、RN5、RN6、RN7及びRN8が水素である、前述の本発明の実施形態による式(RN)の第二級アミン、例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、2,2,4,6,6-ペンタメチルピペラジン、3,3,5,5-テトラメチルモルホリン、2,2,5,5-テトラメチルピロリジン、2,2,7,7-テトラメチルアゼパン等も優先される。
RN1及びRN2が互いに独立して、水素又はメチル、特に水素であり、RN3及びRN4が水素であり、RN5、RN6、RN7及びRN8が互いに独立して、C1〜C8-アルキルである、前述の本発明の実施形態による式(RN)の第二級アミンがさらに優先される。この文脈において、RN1及びRN2が両方とも水素であり、RN5及びRN6が互いに独立して、C1〜C5-アルキル、特にC2〜C4-アルキルであり、RN7及びRN8が互いに独立して、C4〜C8-アルキル、特にC6〜C8-アルキルである、第二級アミンRN、例えば、N,N-ビス-(2-エチルヘキシル)アミン、N,N-ビス-(2-プロピルヘキシル)アミン、N-(2-エチルヘキシル)-N-(2-プロピルヘプチル)アミン、N,N-ビス-(2-エチルヘプチル)アミン、N,N-ビス-(2-プロピルヘプチル)アミン、N,N-ビス-(2-エチルオクチル)アミン、N,N-ビス-(2-ブチルヘプチル)アミン、N,N-ビス-(2-プロピルオクチル)アミン、N-(2-プロピルヘプチル)-N-(2-ブチルオクチル)-アミン、N,N-ビス-(2-ブチルオクチル)アミン等が、特に好ましい。
本発明の別の好ましい実施形態において、第二級アミンは、式(RN')
Figure 2016518433
[式中、RN1、RN2、RN4、RN6、RN8は、互いに独立して、水素及びC1〜C8-アルキルの群から選択され、ここで、2個の基RN2及びRN6はまた、(CH2)q基(qは、1、2、3又は4である)を形成してもよく、ここで、CH2基の1個は、酸素原子又は基N-C1〜C4-アルキルで置き換えられていてもよく、
但し、基RN1、RN2、RN4、RN5、RN6及びRN8における炭素原子の合計数は1〜16である]
の化合物である。
RN1及びRN2が互いに独立して、水素又はメチルであり、RN4がC1〜C4-アルキル、特にC1〜C2-アルキルであり、RN6及びRN8が水素である、前述の本発明の実施形態による式(RN')の第二級アミン、例えば、N-メチル-N-イソプロピルアミン、N-メチル-N-2-ブチルアミン、N-メチル-N-tert-ブチルアミン、N-エチル-N-イソプロピルアミン、N-エチル-N-2-ブチルアミン、N-エチル-N-tert-ブチルアミン等が優先される。
本発明の方法のために使用される第二級アミンは、好ましくはジメチルアミン、ジエチルアミン、N-メチル-N-エチルアミン、N-メチル-N-イソプロピルアミン、N-エチル-N-イソプロピルアミン、N-メチル-N-シクロヘキシルアミン、N-エチル-N-シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、2-メチルピペリジン、モルホリン、1-メチルピペラジン、ピロリジン、オキサゾリジン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、2,2,4,6,6-ペンタメチルピペラジン、3,3,5,5-テトラメチルモルホリン、2,2,5,5-テトラメチルピロリジン、N,N-ジイソプロピルアミン、N-イソプロピル-N-tert-ブチルアミン、N,N-ジ-tert-ブチルアミン、N,N-ジ-ブタ-2-イルアミン、N,N-ビス-(2-エチルヘキシル)アミン、N-(2-エチルヘキシル)-N-(2-プロピルヘプチル)アミン、N,N-ビス-(2-プロピルヘプチル)アミン、N,N-ビス-(2-ブチルオクチル)アミン、N-メチル-N-フェニルアミン、N-エチル-N-フェニルアミン、N-メチル-N-(4-メチルフェニル)アミン及びN-メチル-N-(4-メトキシフェニル)アミンからなる群から選択され、特にジメチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、モルホリン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、2,2,4,6,6-ペンタメチルピペラジン、3,3,5,5-テトラメチルモルホリン、N,N-ジイソプロピルアミン、N-イソプロピル-N-tert-ブチルアミン、N,N-ジ-tert-ブチルアミン、N,N-ビス-(2-エチルヘキシル)アミン、N,N-ビス-(2-プロピルヘプチル)アミン、N,N-ビス-(2-ブチルオクチル)アミン及びN-メチル-N-フェニルアミンからなる群から選択され、とりわけジメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N-ジイソプロピルアミン、N-イソプロピル-N-tert-ブチルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン及びN,N-ビス-(2-エチルヘキシル)アミンからなる群から選択される。
本発明の特別の実施形態において、本発明の方法の目的のために使用される第二級アミンは、N-メチル-N-イソプロピルアミンである。
塩基が、炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と第二級アミンとの組合せであるか又はそれを含む場合、第二級アミンは、式(II)の化合物1モル当たり0.01モル〜2モルの量で用いられる。本発明の好ましい実施形態によれば、第二級アミンは、化合物II1モル当たり0.01〜0.5、より好ましくは0.03〜0.3、特に0.05〜0.25モルの触媒量のいずれかで用いられる。別の好ましい実施形態によれば、第二級アミンは、化合物II1モル当たり0.8〜2、より好ましくは1.0〜1.35、特に1.1〜1.3モルの化学量論的又は近化学量論的量で用いられる。
特定の実施形態において、本発明による方法のステップ(i)の変換に使用される塩基は、前述のアルキル及びシクロアルキルマグネシウムハライドから選択されるマグネシウム有機化合物、特に好ましいとして述べられたものと、第二級アミン、特に好ましいと本明細書で述べられる第二級アミンとの組合せである。前に検討されたように、マグネシウム有機化合物は、そのままで又はそれらがハロゲン化リチウム、特に塩化リチウムと形成する錯体、例えば、イソプロピルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体又はエチルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体の形態で用いられてもよい。
本発明による方法のステップ(i)の変換は、好ましくは塩化リチウムである、ハロゲン化リチウムの存在下で行われる。ハロゲン化リチウムは、典型的には、それぞれの場合に塩基中マグネシウム1モル当たり0.05〜2.5モル、好ましくは0.1〜2モル、より好ましくは0.5〜1.5モル、特に1.0〜1.4モル、とりわけ1.1〜1.3モルの量で使用される。ハロゲン化リチウムは、通常、ステップ(i)で使用される塩基がマグネシウム有機化合物と第二級アミンとの組合せ又はマグネシウムアミドであるかどうかに依存して、反応混合物に別個に又は炭素結合を有するマグネシウム有機化合物又は第二級アミンのマグネシウムアミドのいずれかとのその錯体の形態で添加される。本発明の好ましい実施形態によれば、ハロゲン化リチウム、特に塩化リチウムは、反応混合物にその前述の錯体の一つの形態で添加される。
塩基が、炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と第二級アミンとの組合せであるか又はそれを含む場合、その場でマグネシウム有機化合物を調製することが可能である。例えば、マグネシウム有機化合物がグリニャール化合物、例えば、アルキルマグネシウムハライド又はシクロアルキルマグネシウムハライドである場合、グリニャール化合物は、マグネシウム又はマグネシウム含有合金をアルキルハライド又はシクロアルキルハライドと反応させ、次いで、ハロゲン化リチウム及び第二級アミンを添加することにより反応器中で調製されてもよい。
理論に拘束されることなく、本発明方法のステップ(i)で使用される塩基が、マグネシウム有機化合物と第二級アミノとの組合せである場合、これらの2種の化合物はその場で反応して、対応するマグネシウムアミドを与え、これは、次いで、化合物IIの脱プロトン化を引き起こすと考えられる。
本発明による方法のステップ(i)で使用される塩基が、第二級アミンのマグネシウムアミドであるか又はそれを含む場合、マグネシウムアミドは、一般に炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と第二級アミンとを反応させることにより得られ得る。この点で、好ましいマグネシウム有機化合物及び第二級アミンは、本明細書で述べられるもの、特に好ましいとして述べられるものである。
したがって、本発明の文脈で好ましいマグネシウムアミドは、ジメチルアミドマグネシウムクロリド、ジエチルアミドマグネシウムクロリド、N-メチル-N-エチルアミドマグネシウムクロリド、ジシクロヘキシルアミドマグネシウムクロリド、1-ピペリジニルマグネシウムクロリド、2-メチルピペリジン-1-イルマグネシウムクロリド、4-モルホリニルマグネシウムクロリド、4-メチルピペラジン-1-イルマグネシウムクロリド、1-ピロリジニルマグネシウムクロリド、3-オキサゾリジニルマグネシウムクロリド、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イルマグネシウムクロリド、2,2,4,6,6-ペンタメチルピペラジン-1-イルマグネシウムクロリド、3,3,5,5-テトラメチルモルホリン-4-イルマグネシウムクロリド、2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-イルマグネシウムクロリド、N,N-ジイソプロピルアミドマグネシウムクロリド、N-イソプロピル-N-tert-ブチルアミドマグネシウムクロリド、N,N-ジ-tert-ブチルアミドマグネシウムクロリド、N,N-ジ-ブタ-2-イルアミドマグネシウムクロリド、N,N-ビス-(2-エチルヘキシル)アミドマグネシウムクロリド、N-(2-エチルヘキシル)-N-(2-プロピルヘプチル)アミドマグネシウムクロリド、N,N-ビス-(2-プロピルヘプチル)アミドマグネシウムクロリド、N,N-ビス-(2-ブチルオクチル)アミドマグネシウムクロリド、N-メチル-N-フェニルアミドマグネシウムクロリド、N-エチル-N-フェニルアミドマグネシウムクロリド、N-メチル-N-(4-メチルフェニル)アミドマグネシウムクロリド及びN-メチル-N-(4-メトキシフェニル)アミドマグネシウムクロリドから選択され、特にジメチルアミドマグネシウムクロリド、ジエチルアミドマグネシウムクロリド、ジシクロヘキシルアミドマグネシウムクロリド、1-ピペリジニルマグネシウムクロリド、4-モルホリニルマグネシウムクロリド、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イルマグネシウムクロリド、2,2,4,6,6-ペンタメチルピペラジン-1-イルマグネシウムクロリド、3,3,5,5-テトラメチルモルホリン-4-イルマグネシウムクロリド、N,N-ジイソプロピルアミドマグネシウムクロリド、N-イソプロピル-N-tert-ブチルアミドマグネシウムクロリド、N,N-ジ-tert-ブチルアミドマグネシウムクロリド、N,N-ビス-(2-エチルヘキシル)アミドマグネシウムクロリド、N,N-ビス-(2-プロピルヘプチル)アミドマグネシウムクロリド、N,N-ビス-(2-ブチルオクチル)アミドマグネシウムクロリド及びN-メチル-N-フェニルアミドマグネシウムクロリドからなる群から選択される。
本発明の文脈で同様に好ましいマグネシウムアミドは、N-メチル-N-イソプロピルアミドマグネシウムクロリド、N-メチル-N-2-ブチルアミドマグネシウムクロリド、N-メチル-N-tert-ブチルアミドマグネシウムクロリド、N-エチル-N-イソプロピルアミドマグネシウムクロリド、N-エチル-N-2-ブチルアミドマグネシウムクロリド及びN-エチル-N-tert-ブチルアミドマグネシウムクロリド、とりわけN-メチル-N-イソプロピルアミドマグネシウムクロリドから選択される。
第二級アミンのマグネシウムアミドは、そのままで又はそれらがハロゲン化リチウム、特に塩化リチウムと形成する錯体、例えば、N,N-ジイソプロピルアミドマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体、ジシクロヘキシルアミドマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体、N-メチル-N-イソプロピルアミドマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体、N-エチル-N-イソプロピルアミドマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体、又は2,2,6,6-テトラメチルピペラジン-1-イルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体の形態で本発明方法のステップ(i)で用いられてもよい。
本発明の好ましい実施形態において、第二級アミンのマグネシウムアミドは、N,N-ジイソプロピルアミドマグネシウムクロリド、ジシクロヘキシルアミドマグネシウムクロリド、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イルマグネシウムクロリド、N,N-ジイソプロピルアミドマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体、ジシクロヘキシルアミドマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体、及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体から選択される。
本発明の特定の好ましい実施形態において、本発明方法のステップ(i)で使用される塩基は、炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と第二級アミンとの組合せ、好ましくは本明細書で好ましいとして述べられる組合せから選択され、特にイソプロイルマグネシウムクロリド又はそのリチウムクロリド錯体と、ジメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N-ジイソプロピルアミン、N-イソプロピル-N-tert-ブチルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン及びN,N-ビス-(2-エチルヘキシル)アミンから選択される第二級アミンとの組合せから選択される。
本発明の特別の実施形態において、本発明方法のステップ(i)で使用される塩基は、イソプロピルマグネシウムクロリド又はそのリチウムクロリド錯体とN-メチル-N-イソプロピルアミンとの組合せである。
ステップ(i)の変換は、通常、非プロトン性有機溶媒又は非プロトン性有機溶媒の混合物中で行われる。ここで適当な非プロトン性有機溶媒としては、例えば、エーテル部分を有する非プロトン性有機溶媒、例えば、脂肪族及び脂環式C3〜C8エーテル、特に脂肪族C3〜C6エーテル、例えば、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ-n-ブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチルシクロペンチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル及びtert-ブチルエチルエーテル、脂環式C3〜C6エーテル、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチルテトラヒドロフラン及びジオキサン、脂肪族炭化水素、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びオクタン、並びにまた石油エーテル、脂環式炭化水素、例えば、シクロペンタン及びシクロヘキサン、芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン、又はこれらの溶媒の互いとの混合物が挙げられる。
ステップ(i)の変換のための溶媒は、好ましくは、特に脂肪族及び脂環式エーテルから、とりわけC3〜C6-脂肪族エーテル及びC4〜C6脂環式エーテル、又はそれらの混合物から選択されるエーテル部分を有する少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む。ステップ(i)の変換のための溶媒は、特に、特に脂肪族及び脂環式エーテルから、とりわけC3〜C6-脂肪族エーテル及びC4〜C6脂環式エーテル、又はそれらの混合物から特に選択されるエーテル部分を有する非プロトン性溶媒からから選択される。好ましくは、THF若しくはジメトキシエタン、又はそれらを含む溶媒混合物が溶媒として使用される。特定の実施形態において、THFが溶媒として使用される。別の特定の実施形態において、THFとジメトキシエタンの混合物が溶媒として使用される。化合物IIが反応容器中、好ましくはTHFである溶媒中に最初に存在する場合、塩基、又はその成分は、ジエチルエーテル及びジメトキシエタンから選択される、同じ溶媒又は異なる溶媒中に添加されてもよい。
溶媒は、共溶媒として非プロトン性アミド又は尿素、例えば、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N'-ジメチルプロピレン尿素(DMPU)、N,N,N',N'-テトラメチル尿素などを含有してもよい。
本発明による方法のステップ(i)で使用される溶媒の合計量は、典型的には、化合物II1モルに基づいて、1000〜10000gの範囲、好ましくは2000〜9000gの範囲、特に3000〜8000gである。
本質的に無水である、即ち、5000ppm未満、特に2000ppm未満、特に1000ppm未満の含水量を有する溶媒を使用することが優先される。一般に、溶媒中に含有される水は、マグネシウム有機化合物又はマグネシウムアミドと反応し、塩基のある特定の損失をもたらし、これは、より高い量のマグネシウム有機化合物又はマグネシウムアミドを使用することにより補償され得る。
一般に、ステップ(i)の反応は、温度制御下で行われる。
ステップ(i)の反応は、任意のタイプの反応器、例えば、反応容器で行われ、これは、連続的若しくはバッチ式で操作されるか、又は反応ゾーンのように連続的に操作される管である。反応容器は、場合により撹拌及び/又は冷却装置を有する、密閉式又は非密閉式反応容器であってもよい。管状の反応ゾーンは、静的又は動的ミキサーを有してもよい。反応器は、マイクロ反応器であってもよい。
ステップ(i)の反応のための適当な温度プロフイルは、いくつかの要因、例えば、使用される化合物IIの反応性及び選択される塩基の種類、存在する場合は溶媒又は共溶媒の種類により決定され、個別の場合に当業者によって、例えば、簡単な予備試験によって決定され得る。一般に、ステップ(i)の脱プロトン化は、-30〜+50℃、特に-20〜+20℃の範囲の温度で、最も好ましくは-10〜+10℃の冷却下で行われる。
反応物質は、原則として任意の所望の順序で互いと接触させることができる。例えば、場合により溶媒に溶解された又は分散形態の、化合物IIが最初に投入され得、次いで、場合により溶解若しくは分散された形態で、塩基が添加されるか、又は逆に、場合により溶媒に溶解若しくは分散された塩基が最初に投入され、化合物IIと混合され得る。代わりに、2種の反応物質を反応器に同時に供給することもできる。炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と第二級アミンとの組合せが塩基として使用される場合、化合物IIと接触する前に、マグネシウム有機化合物と第二級アミンとは、好ましくは一般に上で述べられた非プロトン性溶媒から、特に好ましいとして述べられたものから選択される溶媒中、典型的には-20〜+20℃の温度である期間互いと反応させてもよい。代わりに、特に第二級アミンが触媒量で用いられる場合、第二級アミンは、場合により溶媒と一緒に、化合物IIと混合されて、溶液又は分散液を形成し、その後、得られた混合物は、マグネシウム有機化合物と接触させる。
好ましくは溶媒中に、化合物IIを最初に投入し、次いで、反応混合物を、個別の場合の反応条件に依存して、特に使用される具体的な塩基に依存して、-20〜50℃の範囲、好ましくは-10〜15℃の範囲の温度に調整することが適切であることがわかった。炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と第二級アミンとの組合せが塩基として使用される場合、塩基は、マグネシウム有機化合物と第二級アミンとを、好ましくは溶媒中、典型的には-20〜+20℃の温度で、ある期間反応させることにより別個に調製される。その後、場合により溶媒中の、塩基は、段階的、連続的又は一度に、のいずれかで添加され、反応は、恐らくは同じ温度、昇温温度又は徐々に上昇する温度である期間継続させ、ここで、温度の上限は、好ましいとして上に記載された温度範囲の上限である。
マグネシウム有機化合物と第二級アミンとの組合せが塩基として使用され、第二級アミンが触媒量で用いられる場合、化合物II及び第二級アミンを、好ましくは溶媒中で、最初に混合し、次いで、反応混合物を、個別の場合の反応条件に依存して、特に使用される具体的な塩基に依存して、-20〜50℃の範囲、好ましくは-10〜15℃の範囲に温度を調整することが適切であることもわかった。その後、場合により溶媒中の、マグネシウム有機化合物は、段階的、連続的又は一度に、のいずれかで添加され、反応は、恐らくは同じ温度、昇温温度又は徐々に上昇する温度である期間継続させ、ここで、温度の上限は、好ましいとして上に記載された温度範囲の上限である。
ステップ(i)の変換の場合、化合物II及び塩基は、典型的には-30〜50℃、好ましくは-20〜30℃、特に-10〜-15℃の範囲の設定温度で接触させる。その後、変換は、通常は設定温度で、又は-20〜35℃、好ましくは-15〜30℃、特に-10〜25℃若しくは周囲温度の範囲の下限及び上限としての設定温度を有する温度勾配を適用することによって、のいずれかで継続される。周囲温度は、15〜28℃、好ましくは20〜25℃と理解されるものとする。
本発明方法のステップ(i)の変換から得られる反応生成物は、通常は、先行する後処理なしに本発明の第1の態様による方法のステップ(ii)の変換に供される。これを目的として、典型的には、ステップ(i)の変換の完了後に得られる反応混合物は、ステップ(ii)の変換に直接導入される。
式(I-A)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸を製造するための本発明の第1の態様による方法のステップ(ii)の変換は、方法のステップ(i)で得られる中間生成物のカルボキシル化である。この変換は、化合物IIから誘導される中間体のピラゾール環の5位の脱プロトン化炭素原子に対する二酸化炭素中に存在する炭素原子の求電子攻撃を含む。前記求電子攻撃は、カルボキシレート基CO2 -の共有結合、結果として、N-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸I-Aのマグネシウム塩の形成をもたらす。この反応は、ステップ(i)で得られた中間体を、適当な反応条件を使用して、好ましくは溶媒中及び不活性雰囲気下で二酸化炭素又は二酸化炭素等価物と接触させることにより行われる。得られた化合物I-Aのマグネシウム塩は、場合により水での後処理により式(I-A)の遊離酸に変換され得る。
ステップ(ii)のカルボキシル化のために適切な二酸化炭素等価物は、二酸化炭素と同じ様式で反応するか、又は二酸化炭素を放出する能力を有する化合物である。これらの二酸化炭素等価物は、それらが水を含まず副反応を回避するという条件で、二酸化炭素自体の代わりに使用することができる。しかし、ステップ(ii)のカルボキシル化試薬としては、二酸化炭素が好ましい。
反応物は、原則として任意の所望の順序で互いに接触させることができる。例えば、ステップ(i)の脱プロトン化から生じた中間生成物を含む、ステップ(i)から得られた反応混合物を、場合によって追加の溶媒と混合し、それを最初に投入することができ、次に、場合によって溶解形態で、固体若しくはガス状の二酸化炭素を添加し、又は反応混合物中に発泡させ、或いは反応容器の雰囲気を二酸化炭素に交換して、適切に撹拌することによって反応混合物と接触させる。溶液又は固体の二酸化炭素を反応器に投入し、次にステップ(i)の脱プロトン化から生じた中間生成物を、好ましくは溶液として反応器に供給することも可能である。
ステップ(i)の反応混合物を、追加の溶媒と混ぜ合わせた後、ステップ(ii)のカルボキシル化を開始する場合には、前記追加の溶媒は、特に本明細書で先に列挙した非プロトン性有機溶媒から、特に好ましいものとして列挙したものから選択される非プロトン性溶媒である。好ましくは追加の溶媒は、本質的に無水であり、すなわち含水量が2000ppm未満、特に1000ppm未満である。
しばしば二酸化炭素又は二酸化炭素等価物は、反応混合物中に発泡させるか、若しくは激しく撹拌すると同時に雰囲気を二酸化炭素に変更することによって、ガス形態でステップ(ii)の反応に導入され、又は先に列挙した無極性の非プロトン性有機溶媒から一般に選択される適切な溶媒に溶解される。他の実施形態では、二酸化炭素は、固体形態でステップ(ii)の反応に導入され、すなわち好ましくは激しく撹拌すると同時に、固体の二酸化炭素を反応混合物に添加することによって導入される。
本発明の特定の一実施形態によれば、ステップ(ii)のカルボキシル化は、ガス状の二酸化炭素を、反応溶液中に発泡させることによって行われる。好ましくは、ガス状の二酸化炭素は乾燥しており、すなわち水を含まない。二酸化炭素ガスの圧力は、0.9〜20bar、好ましくは0.9〜10bar、より好ましくは0.95〜2bar、最も好ましくは0.95〜1.1barである。
ステップ(ii)の反応の進行は、二酸化炭素の消費量に応じて決まり、二酸化炭素は、一般に過剰で使用される。この反応の終了の決定は、通常、反応エンタルピーをモニタすることによって行われる。発熱反応が停止したら、式(I-A)のカルボン酸のマグネシウム塩への変換は完了し、反応混合物に二酸化炭素を導入する必要がなくなる。この反応の終了の決定は、分析クロマトグラフィー、例えば薄層クロマトグラフィー又はHPLCによってモニタすることもできる。
一般に、ステップ(ii)の変換は、温度制御下で実施される。
ステップ(ii)の反応は、任意のタイプの反応器、例えば反応容器内で実施することができ、それによって反応を連続式若しくはバッチ式で操作するか、又は連続的に操作される管のような反応帯域内で実施することができる。反応容器は、密封された又は密封されていない反応容器であってよく、場合によって撹拌を伴い、且つ/又は冷却デバイスを伴うことができる。管のような反応帯域は、静的又は動的ミキサーを有することができる。反応器は、マイクロリアクタであってもよい。
ステップ(ii)における反応に適した温度プロファイルは、いくつかの因子、特にステップ(i)の脱プロトン化で使用した塩基のタイプ、ステップ(i)で得られる中間体の反応性、及び選択されるカルボキシル化試薬によって決定され、それぞれ個々の場合に当業者によって、予備試験などの従来の方策によって決定され得る。一般に反応は、-40〜+80℃、特に-20〜+50℃の範囲の温度で実施される。
しばしば、ステップ(i)の完了後に得られた反応混合物は、必要に応じて-30〜+60℃、好ましくは-20〜+50℃の範囲の温度に調節され、次に、場合によって溶媒に溶解した、又はガス形態のカルボキシル化試薬を添加する。可能ならば同じ温度で、又は高温で、又は徐々に温度を上げながら、一定時間、反応を続けさせる。好ましくは、温度は、カルボキシル化試薬の添加速度によって制御される。反応温度は、反応中に最も上昇するので、添加速度を増大すると、反応混合物の温度が上昇することになる。反応混合物の温度が、反応は進行するが副反応は回避される最適な温度に維持されるように、カルボキシル化試薬の添加速度を調節する。
ステップ(i)の中間体及び試薬は、ステップ(ii)で、典型的に-30〜+60℃、好ましくは-20〜+50℃、特に-10〜+45℃の範囲、又は周囲温度の設定温度で接触させる。その後、変換を、設定温度で、又は-10〜+60℃、好ましくは-5〜+50℃、特に0〜+50℃の範囲の上限及び下限若しくは周囲温度として設定された温度を用いる温度勾配を適用することによって継続させ、次に場合によって、反応を上限温度で進行させることができる。
生成物として式(I-A)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸のマグネシウム塩を含有する、ステップ(ii)の変換後に得られる反応混合物は、次のステップで精製なしに用いることができるか、又はそれをその後の反応ステップに導入する前に後処理手順に供することができる。また、精製ステップの非存在下の場合でさえも、次の反応ステップのための溶媒を変えることが可能である。特定の実施形態において、前のステップ(ii)で使用される溶媒は、少なくとも部分的に除去され、次のステップのための調製において、粗反応混合物は、異なる溶媒、好ましくは、塩素化されていてもよい、脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロベンゼン若しくはトルエンに、又はエステル溶媒、例えば、脂肪族C1〜C4-カルボン酸エステルのC1〜C6-アルキルエステル、特に酢酸若しくはプロピオン酸のC1〜C6-アルキルエステル、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル若しくはプロピオン酸エチル、或いはそれらの混合物に溶解される。別の特定の実施形態において、前のステップ(ii)の溶媒は除去されないが、場合により洗浄及び/又は濾過後の、反応混合物は、その後のステップで直接用いられる。
N-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸I-Aのマグネシウム塩は、対応する酸クロリド(式(I)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリド化合物)に、直接又は酸I-Aのマグネシウム塩の場合により水での後処理によりステップ(ii)で得られ得る遊離酸I-Aを介して、のいずれかで変換され得る。
したがって、式(I)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリドを製造するための本発明の第2の態様による方法は、
a)本明細書で上に記載された方法によって、式(I-A)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸又はそのマグネシウム塩を製造するステップと、
b)式(I-A)の化合物又はそのマグネシウム塩を、塩素化剤による処理によって式(I)の化合物に変換するステップと
を含む。
ステップ(b)の塩素化を介した酸(I-A)のマグネシウム塩の酸クロリドIへの直接変換は、場合により触媒量のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等の極性カルボキサミドの存在下で、酸I-Aのマグネシウム塩を塩素化剤、例えば、塩化チオニル、五塩化リン、三塩化リン又は塩化オキサリルと反応させることにより、対応する酸からの酸クロリドの調製のための当技術分野で知られた方法に対する類推で行われる。例えば、米国特許第4,544,654号には、カルボン酸のナトリウム塩の対応する酸クロリドへの変換が記載されており、この方法は、類推により本明細書で適用することができる。酸I-Aのマグネシウム塩の塩素化は、好ましくは、非極性溶媒、例えば、塩素化されていてもよい、脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロベンゼン又はトルエン中で行われる。酸I-Aのマグネシウム塩の塩素化はまた、脱プロトン化/カルボキシル化に使用される溶媒中、又はこれらの溶媒と前述の非極性溶媒との混合物中で行われてもよい。酸I-Aのマグネシウム塩の塩素化は、一般に-5℃〜+140℃、若しくは0〜110℃、又は好ましくは0〜100℃の温度で行われる。酸I-Aのマグネシウム塩の塩素化は、好ましくは、塩化オキサリルを使用して0〜25℃で、又は塩化チオニルを使用して20〜110℃で行われる。
式(I-A)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸のマグネシウム塩の対応する遊離酸(I-A)への変換は、水での後処理によって、特にステップ(ii)の反応溶液の水性酸性化によって、例えば、水性酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の添加によって行われる。得られた酸化合物I-Aは、単離するか、又は精製なしに次の反応ステップで用いることができる。好ましくは、酸化合物I-Aは、少なくとも水性媒体中の後処理により精製され、乾燥後に有機層から単離される。
ステップ(b)における式(I-A)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸の対応する酸クロリド(式(I)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリド化合物)への変換は、例えば、Organikum、Wiley-VCH、Weinheim、第21版、2001年、498頁に記載された通りに、酸クロリドの調製の標準的方法によって、例えば、場合により触媒量のDMF等の極性カルボキサミドの存在下で、I-Aを塩素化剤、例えば、塩化チオニル又は塩化オキサリルと反応させることによって行われる。遊離酸I-Aの塩素化は、好ましくは、非極性溶媒、例えば、塩素化されていてもよい、脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロベンゼン又はトルエン中、とりわけトルエン中で行われる。遊離酸I-Aの塩素化は、好ましくは、塩化オキサリルを使用して-5℃〜+140℃若しくは0〜110℃、特に0〜25℃の温度で、又は塩化チオニルを使用して20〜110℃の温度で行われる。
生成物として式(I)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリド化合物を含有する、前述の発明方法のステップ(b)の塩素化後に得られる反応混合物は、それをその後の反応ステップに導入する前に後処理手順に供されてもよい。しかしながら、場合により濾過後に、I-A又はそのマグネシウム塩と塩素化剤との反応から得られる粗反応混合物を使用することも可能である。後処理は、典型的には同様の反応に適用可能である当技術分野で知られた非水性手段により行われる。好ましくは、反応混合物は、場合によりそれを通常は脂肪族エーテル、非環式エーテル、脂肪族若しくは脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、又は前述の溶媒の混合物、特にシクロヘキサン若しくはトルエン、とりわけトルエンである、非極性非プロトン性溶媒と混合後に、存在し得る固体を濾別することにより後処理される。存在する場合、濾過された固体は、溶媒で洗浄され、合わせた濾液は、蒸発により濃縮され、残渣は、典型的には前に使用されたものと同じである非極性非プロトン性溶媒で抽出される。溶解されない固体は、再び濾別され、溶媒で洗浄され、生成物は、例えば、蒸発若しくは蒸留を介して溶媒を除去することにより、又は場合により濾液の濃縮後に、結晶化を誘導することにより得られた濾液から単離される。このように得られた原料のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリド化合物Iは、本発明の第3の態様による方法のステップ(c)で直接使用されるか、又は他の用途に送られ得る。代わりに、化合物Iは、後での使用のために保持されてもよいし、又は前もってさらに精製されてもよい。さらなる精製の場合、当業者に知られた1つ以上の方法、例えば、再結晶化、蒸留、昇華、ゾーンメルティング、溶融結晶化又はクロマトグラフィーを使用することが可能である。しかしながら、後処理手順後に直接得られた原料物質の形態でその後の合成ステップに化合物Iを供することが好ましい。
式(I)の化合物は、例えば、国際公開第2003/015519号若しくは国際公開第2003/106427号から公知であるか、又はそれらは、そこに若しくは国際公開第2008/126858号、国際公開第2008/126933号、国際公開第2008/130021号、国際公開第2007/043677号及びBioorganic and Medicinal Chemistry Letters 2005年、15、4898〜4906頁に記載された方法に対する類推により調製され得る。
式(VI)のスルフィミン化合物を製造するための本発明の第3の態様による方法のステップ(c)において、式(VII)の化合物は、式(I)のピラゾール化合物と反応させて、式(VI)の化合物を生じる。この反応は、例えば、国際公開第2003/015519号、国際公開第2006/062978号、国際公開第2008/07158号又は国際公開第2009/111553号に記載された通りのカルボン酸クロリドと芳香族アミンとの慣用のアミド化反応に対する類推により行うことができる。意外にも、基N=S(O)tR6R7は、アミド化反応を妨げない。むしろ、式(VI)の化合物は、高純度を有して高収率で得ることができる。
通常、式(VII)の化合物及び式(I)の化合物は、好ましくは化学量論的又はほとんど化学量論的量で用いられる。一般に、式(VII)の化合物対式(I)の化合物の相対モル比は、1.1:1〜1:2、好ましくは1.1:1〜1:1.2、特に1.05:1〜1:1.1の範囲である。
ステップ(c)を塩基の存在下で行うことが有利であるとわかった。適当な塩基としては、反応媒体に可溶性又は不溶性である塩基が挙げられる。塩基は、触媒量又は化学量論的量で使用されてもよい。塩基の量は、好ましくは、化合物I1モル当たり0.5〜2モル、特に0.75〜1.5モルの範囲であってもよい。
適当な塩基としては、限定されないが、オキソ塩基及びアミン塩基が挙げられる。適当なオキソ塩基としては、限定されないが、炭酸塩、特にアルカリ金属炭酸塩、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの炭酸塩、リン酸塩、特にアルカリ金属リン酸塩、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムのリン酸塩が挙げられる。適当なアミン塩基としては、限定されないが、第三級有機アミン、特に脂肪族又は脂環式第三級アミン、例えば、トリ-C1〜C4-アルキルアミン、C3〜C6-シクロアルキル-ジ-C1〜C4-アルキルアミン、第三級環状アミン及びピリジン、例えば、ジメチルシクロヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン又はキノリンが挙げられる。好ましい塩基は、アルカリ金属炭酸塩、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの炭酸塩、及び第三級アミン、特にトリエチルアミン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン又は2,4,6-トリメチルピリジンである。
塩基に加えて又はそれに代えて、アミド化触媒が使用され得る。適当なアミド化触媒は、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(4-DMAP)等のジアルキルアミノピリジンである。触媒は、通常は式(I)の化合物1モル当たり0.001〜1モル、特に0.005〜0.2モル、とりわけ0.01〜0.1モルの量で用いられる。
本発明の特定の実施形態において、ステップ(c)の反応は、有機溶媒又は有機溶媒の混合物中で行われる。ステップ(c)の反応を行うための適当な溶媒は、好ましくは非プロトン性溶媒及びその混合物である。非プロトン性溶媒の例は、脂肪族炭化水素類、例えば、アルカン、例えば、ペンタン、ヘキサン又はヘプタン、オクタン、脂環式炭化水素類、例えば、シクロアルカン類、例えば、シクロペンタン又はシクロヘキサン、ハロゲン化アルカン類、例えば、塩化メチレン、クロロホルム又は1,2-ジクロロエタン、芳香族炭化水素類、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン又はクロロベンゼン、エステル溶媒、例えば、脂肪族C1〜C4-カルボン酸エステルのC1〜C6-アルキルエステル、特に酢酸又はプロピオン酸のC1〜C6-アルキルエステル、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル又はプロピオン酸エチル、開鎖エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル又はメチル-イソブチルエーテル、環状エーテル類、例えば、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン又は2-メチルテトラヒドロフラン、ニトリル類、例えば、アセトニトリル又はプロピオニトリル、前述のピリジン類、例えば、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン又は2,4,6-トリメチルピリジン、脂肪族カルボン酸のN,N-ジ-C1〜C4-アルキルアミド、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、並びにN-C1〜C4-アルキルラクタム、例えば、N-メチルピロリジノンである。ステップ(c)の反応を行うための特定の好ましい溶媒は、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロベンゼン、トルエン、ピリジン、テトラヒドロフラン及びN,N-ジメチルホルムアミド、脂肪族C1〜C4-カルボン酸エステルのC1〜C6-アルキルエステル、特に酢酸又はプロピオン酸のC1〜C6-アルキルエステル、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル又はプロピオン酸エチル、及びそれらの混合物である。
本発明の方法のステップ(c)による反応は、一般に、-40〜+150℃、好ましくは、-10〜110℃、より好ましくは、0〜80℃の範囲の温度で実施される。原理的に、反応温度は、所与の反応圧において反応混合物の沸点と同じ高さであってよいが、好ましくは、指示されたより低い値に保持される。反応圧は、一般に、重要ではなく、0.9〜2バール、詳細には、0.9〜1.5バール、特に0.9〜1.1バールの範囲であってよい。
ステップ(c)の反応は、上の反応条件下で式(VII)の化合物を適量の式(I)の化合物と反応させることによって実施される。反応は、例えば、以下の様式で実施することができる:適切な有機溶媒中の塩基及び式(VII)の化合物の溶液又は懸濁液は、適切な反応容器に装入される。この混合物に好ましくは有機溶媒中の溶液又は懸濁液として式(I)の化合物が添加される。式(I)の化合物の添加は、一度に又は好ましくは連続的に若しくは数回に分けて実施することができる。生成混合物に、所望であれば触媒を添加することができる。触媒は、そのまま(neat)で、適切な溶媒中の溶液で又は懸濁液としてのいずれかで添加することができる。
ステップ(c)の反応で形成された式(VI)の化合物は、慣習的な方法によって、例えば濾過又は水による抽出によって塩基を反応混合物から除去し、その後溶媒を蒸留して除去して濃縮することによって、反応混合物から単離することができる。或いは反応混合物を水、又は塩酸若しくは希硫酸のような希薄水性酸で希釈し、-30〜+30℃の温度に冷却して、溶媒又は溶媒混合物からアミド化合物を沈殿させることができる。沈殿したアミド化合物VIは、従来の手段、例えば濾過、遠心分離等によって、液体反応混合物から分離することができる。式VIのアミド化合物は、水を反応混合物に添加し、こうして得られた混合物を適切な溶媒で抽出することによって、反応混合物から単離することもできる。抽出目的に適した溶媒は、本質的に水に不混和性であり、十分な量の化合物VIを溶解することができるものである。溶媒を蒸留し、こうして得られた残渣を水と混合し、こうして得られた混合物を適切な溶媒で抽出することによって、反応混合物を濃縮することも可能である。適切な溶媒の例は、脂肪族炭化水素、例えばアルカン、例えばペンタン、ヘキサン若しくはヘプタン、脂環式炭化水素、例えばシクロアルカン、例えばシクロペンタン若しくはシクロヘキサン、ハロゲン化アルカン、例えば塩化メチレン若しくはクロロホルム、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、各種キシレン若しくはクロロベンゼン、開鎖エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ-n-プロピルエーテル、ジ-n-ブチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、エチル-tert-ブチルエーテル若しくはメチル-イソブチルエーテル、又はエステル、特に酢酸若しくはプロピオン酸のC1〜C4アルキルエステル、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル若しくはプロピオン酸エチルである。
こうして得られた式(VI)の化合物は、例えば結晶化又はクロマトグラフィー又はそれらを組み合わせた方策によって、さらに精製することができる。しかし生成物は、さらなる精製ステップを必要としない純度で既に得られていることが多い。
本発明は、式(VII)の化合物を製造する方法に関する。この方法を、以下「方法VII」と呼ぶ。第1の実施形態によれば、方法VIIは、式(VIII)の化合物を式(IX)の化合物と反応させることを含み、そして、第2の実施形態によれば、方法VIIは、式(VIII)の化合物を式(X)の化合物と反応させることを含む。
Figure 2016518433
式中、R3、R4、R5、t、R6及びR7は、本明細書及び特許請求の範囲で定義した通りであり、A-は、水中、標準条件(298K、1.013bar)下で決定して少なくとも10のpKBを有するアニオン等価物である。
方法VIIの変換では、R5が本明細書及び特許請求の範囲で定義した通りであり、R3が本明細書及び特許請求の範囲に記載した意味の1つを有するか、又は水素であり、R4が本明細書及び特許請求の範囲に記載した意味の1つを有するか、又は水素である式(VIII)の化合物が、特に好ましい。好ましくは、式(VIII)の基R3及びR4は、互いに独立に、水素、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル及びシアノからなる群から選択され、R3及びR4は、同じか又は異なることが可能である。
本発明の方法VIIでは、変数tが0であり、R6及びR7が、互いに独立に、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C3〜C6-シクロアルキル、C3〜C6-ハロシクロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-ハロアルケニルからなる群から選択され、ここでアルキル、アルケニル及びシクロアルキルが、1つ以上の、例えば1個又は2個の基Raによって場合によって置換されていてよく、Raが先に定義した通りであり、特にRaについて先に記載した好ましい意味の1つを有する式(IX)及び(X)の化合物が好ましい。特に、変数tが0であり、R1及びR2が、互いに独立に、より好ましくはC1〜C6-アルキル、C3〜C6-シクロアルキル及びC3〜C6-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルからなる群から選択される式(IX)及び(X)の化合物が好ましい。
同様に、変数tが0であり、R1及びR2が、一緒になってC4〜C6-アルキレン又はC4〜C6-アルケニレン基を表し、それらが結合している硫黄原子と一緒になって、5、6又は7員の飽和又は部分的に不飽和の環を形成し、ここでC4〜C6-アルキレン鎖のCH2基の1個若しくは2個、又はC4〜C6-アルケニレン鎖のCH2若しくはCH基のいずれかの1個若しくは2個が、O、S、N及びNHからなる群から独立に選択される1個又は2個の基によって置き換えられていてよい式(IX)及び(X)の化合物が好ましい。特に、変数tが0であり、R1及びR2が、一緒になって好ましくはC4〜C6-アルキレン基を表し、それらが結合している硫黄原子と一緒になって、5、6又は7員の飽和環を形成する式(IX)及び(X)の化合物も好ましい。
式(X)の化合物では、A-は、水中で標準条件(298K;1.013バール)下で測定した場合、少なくとも10のpKBを有するアニオンの等価物である。本文脈では、「等量」とは、電気的中性を実現するのに要するアニオン量を意味する。例えば、アニオンが1の負電荷を有する場合、当量は1であり、アニオンが2の負電荷を有する場合、当量は1/2である。適切なアニオンは、水中で標準条件(298K;1.013バール)下で測定した場合、少なくとも10、詳細には、少なくとも12の塩基性定数pKBを有するものである。適切なアニオンとしてSO4 2-、HSO4 -、Cl-、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、HPO4 -などの無機イオン、及びメチルスルホネート、トリフルオロメチルスルホネート、トリフルオロアセテート、フェニルスルホネート、トルエンスルホネート、メシチレンスルホネートなどの有機アニオンが挙げられる。
方法VIIでは、式(IX)又は(X)の化合物はそれぞれ、通常、方法VIIで使用される式(VIII)の化合物1モル当たり0.9〜2モル、好ましくは、0.9〜1.5モル、より好ましくは、0.9〜1.2モル、詳細には、0.95〜1.1モルの量で用いられる。
塩基の存在下で方法VIIの反応を実施するのが有利であることが判明した。適切な塩基として、反応媒体に可溶性又は不溶性である塩基が挙げられる。塩基は、触媒量又は化学量論量で使用することができる。塩基の量は、好ましくは、化合物VIIIの1モル当たり0.1〜2モル、詳細には、0.9〜1.5モルの範囲、又は化合物IX又はXの1モル当たり0.1〜2モル、詳細には、0.9〜1.5モルの範囲であってよい。特定の実施形態では、塩基は、詳細には、式(X)の化合物が使用される場合、化合物VIIIの1モル当たり、少なくとも0.9モル、詳細には、少なくとも1モル、例えば0.9〜2モル、詳細には、1〜1.5モルの量で使用される。
適切な塩基には、オキソ塩基及びアミン塩基が含まれるが、それらに限定されない。適切なオキソ塩基には、本明細書の先のスキーム1の反応に関して列挙したものが含まれるが、それらに限定されない。好ましい塩基は、オキソ塩基、特にアルカリ金属アルカノラートとも呼ばれるアルカリ金属アルコキシド、特にナトリウム及びカリウムアルカノラート、例えばナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブタノラート又はカリウムtert-ブタノラートである。オキソ塩基及びアミン塩基の混合物を使用することもできる。同様に好ましいのは、前述のアミン塩基、特に前述の第三級アミンから選択される塩基である。
本発明の特定の実施形態では、方法VIIの反応は、有機溶媒又は有機溶媒の混合物中で実施される。反応VIIを実施するのに適した溶媒は、プロトン性又は非プロトン性溶媒及びそれらの混合物であってよく、非プロトン性溶媒が好ましい。非プロトン性溶媒の例は、脂肪族炭化水素、例えばアルカン、例えばペンタン、ヘキサン又はヘプタン、脂環式炭化水素、例えばシクロアルカン、例えばシクロペンタン又はシクロヘキサン、ハロゲン化アルカン、例えば塩化メチレン、クロロホルム又は1,2-ジクロロエタン、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、各種キシレン又はクロロベンゼン、開鎖エーテル、例えばジエチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル又はメチル-イソブチルエーテル、環式エーテル、例えばテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン又は2-メチルテトラヒドロフラン、エステル、特に前述のC1〜C4-アルキルの酢酸エステル及びプロピオン酸エステル、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル又はプロピオン酸エチル、脂肪族又は脂環式炭酸エステル、例えば炭酸ジエチル、炭酸エチレン(1,3-ジオキソラン-2-オン)又は炭酸プロピレン(4-メチル-1,2-ジオキソラン-2-オン)である。適切な非プロトン性溶媒は、ピリジン類、例えばピリジン、2,6-ジメチルピリジン又は2,4,6-トリメチルピリジン、脂肪族カルボン酸のN,N-ジ-C1〜C4-アルキルアミド、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、及びN-C1〜C4-アルキルラクタム、例えばN-メチルピロリジノンであってもよい。極性のプロトン性溶媒の例は、C1〜C4-アルカノール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール又はイソプロパノール、C2〜C4-アルカンジオール、例えばエチレングリコール又はプロピレングリコール、エーテルアルカノール、例えばジエチレングリコール、スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド、及びそれらの混合物である。好ましくは、反応は、非プロトン性溶媒又は非プロトン性溶媒の混合物中で実施される。
方法VIIによる反応は、一般に、-40〜+150℃、好ましくは、0〜110℃、より好ましくは、0〜80℃の範囲の温度で実施される。原理的に、反応温度は、所与の反応圧において反応混合物の沸点と同じ高さであってよいが、好ましくは、指示されたより低い値に保持される。反応圧は、一般に、重要ではなく、0.9〜2バール、詳細には、0.9〜1.5バール、特に0.9〜1.1バールの範囲であってよい。
方法VIIの反応は、上の反応条件下で化合物VIIIを適量の式(IX)又は(X)の化合物と反応させることによって実施される。反応は、例えば、以下の様式で実施することができる:適切な有機溶媒中の式(VIII)の化合物の溶液又は懸濁液は、適切な反応容器に添加される。この混合物に好ましくは有機溶媒中の溶液又は懸濁液として式(IX)又は(X)の化合物が添加される。化合物IX又はXの添加は、一度に又は好ましくは連続的に又は数回に分けて実施することができる。生成混合物に、所望であれば塩基を添加することができる。塩基は、そのままで、溶液で又は適切な溶媒中の懸濁液としてのいずれかで添加することができる。塩基の添加は、一度に又は好ましくは連続的に又は数回に分けて実施することができる。化合物を添加し、所望であれば同時に塩基を添加することも可能である。
方法VIIの反応で形成された式(VII)の化合物は、慣用的な方法によって、例えば、水を添加し、次いで適切な溶媒で抽出し、次いで溶媒を留去して濃縮することによって反応混合物から単離することができる。抽出の目的のための適切な溶媒は、基本的に、水と不混和性であり、式(VII)の化合物を溶解することができる。例は、アルカン、例えば、ペンタン、ヘキサン若しくはヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロアルカン、例えば、シクロペンタン若しくはシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、塩化メチレン若しくはクロロホルムなどのハロゲン化アルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン若しくはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル若しくはメチルイソブチルエーテルなどの開鎖エーテル、又は酢酸エチル若しくはプロピオン酸エチルなどのエステルである。
単離された生成物は、例えば、結晶化によって又はクロマトグラフィーによって又は組み合わせた手段によってさらに精製することができる。しかし、しばしば、生成物は、さらなる精製ステップを必要としない純度で既に得られている。
式(IX)及び(X)の化合物は、従来技術から、例えば、国際公開第2007/006670号;国際公開第2008/141843号;Y.Tamuraら、Tetrahedron 1975、31、3035〜3040頁;Fujiiら、Heteroatom Chemistry 2004、15(3)、246〜250頁;Johnsonら、J.Org.Chem.1989、54、986〜988頁;Yoshimuraら、J.Org.Chem.1976、41、1728〜1733頁;Appelら、Chem.Ber.1962、95、849〜854頁、及びChem.Ber.1966、99、3108〜3117頁;又はYoungら、J.Org.Chem.1987、52、2695〜2699頁から公知であり、或いは、こうした化合物は、これらに記載の方法に類似のものによって、又は国際公開第2008/141843号、米国特許第6,136,983号及びそこに引用された文献に記載の方法に類似のものによって調製することもできる。
式(VIII)の化合物は、従来技術、例えば、国際公開2003/016284号及びCoppola、Synthesis 1980、505〜536頁から公知であり、又はそこに記載の方法と類似のものによって調製することもできる。化合物VIIIはまた、スキーム3に示されたように、アントラニル酸誘導体XIIIをホスゲン、ジホスゲン(トリクロロメチルクロロホルメート)、トリホスゲン(ビス(トリクロロメチル)カーボネート)、ジアルキルカーボネート又はアルキルクロロホルメートなどのカルボン酸エステル又はその等価物と反応させることによって調製することもできる。
Figure 2016518433
スキーム3では、R3、R4及びR5は、先に定義した通りである。L1は、ハロゲン、特に塩素、C1〜C4-アルコキシ、特にメトキシ若しくはエトキシ、1-イミダゾリル又はC1〜C4-ハロアルコキシ、例えばトリクロロメトキシである。L2は、ハロゲン、特に塩素、トリクロロメトキシ、1-イミダゾリル、O-C(O)-Cl又はC1〜C4-アルコキシ、特にメトキシ若しくはエトキシである。式C(O)L1L2の適切な化合物の例は、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、クロロギ酸メチル又はエチル、カルボニルジイミダゾール、炭酸ジメチル及び炭酸ジエチルである。XIIIとC(O)L1L2の反応は、国際公開第2007/43677号に記載の方法と同様にして達成することができる。
本明細書に記載の反応は、この反応を連続的、半連続的又はバッチ式に設定することが可能な、このような反応に慣習的な反応容器内で実施される。
化合物は、例えば、結合型超高性能液体クロマトグラフィー/質量分析(HPLC/MS)により、及び/又は結合型ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)により特徴付けることができる。以下の分析手順を用いた:
UHPLC/MS:
MSD4 und MSD5:装置Shimadzu Nexera UHPLC:バイナリポンプLC-30AD、ラックチェンジャII付きオートサンプラSIL-30AC、DAD SPD-M20A Shimadzu LCMS 20-20、
ESI;カラム:Phenomenex Kinetex 1.7μm XB-C18 100A、50×2.1mm。
移動相:A:水+0.1%トリフルオロ酢酸(TFA);B:アセトニトリル+0.1%TFA
温度:60℃
勾配:1.50分以内に5%B〜100%B;100%B 0.20分
流量:1.50分以内に0.8ml/分〜1.0ml/分
MS法:ESI-ボジティブ
質量範囲(m/z):100〜700
分析用HPLC
カラム:Waters XBridge BEH130 C18 3.5μ 4.6*150mm
カラム流量:1.000ml/分
溶媒A:80%水+25g 0.05モル/L H2SO4
溶媒B:20%アセトニトリル
時間表:
時間 溶媒B 流量 圧力
0.00 20 1.000 300バール
25.00 78 1.000 300バール
25.10 100 1.000 300バール
29.90 100 1.000 300バール
30.00 20 1.000 300バール
波長:230nm
左側温度:40.0℃
右側温度:40.0℃
GC/MS:
装置Agilent 6890N/5975B/MSD
カラム:Varian/50m VF-1/ID 0.25mm、FD 0.25μm
注入器システム:Agilent-スプリットモード1:20
注入器:Agilent-Injektor 7683Bシリーズ/量=1μl
検出:Agilent-MSD
注入器:270℃
MSDインターフェース:280℃
供給源:230℃
MSクワッド:150℃
開始時間:t 12分
速度:280℃に10℃/分
最終時間:45分
以下の実施例及び比較例において、3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンの脱プロトン化は、それぞれ、本発明及び従来技術の方法により行う。脱プロトン化のレベルは、それぞれ個別の場合に以下の記載される通り行った加ヨウ素分解の後でGC分析により決定した。得られた粗製生成物中の最終生成物、即ち、2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボン酸の含有量は、それぞれの場合に分析用HPLCにより決定した。
[実施例1]
2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボン酸(第二級アミンのマグネシウムアミドの塩化リチウム錯体の使用による)
10.00g(39.98mmol、1.00当量)の3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジン(純度:99%)を16mLの乾燥THFに溶解させ、この混合物を0℃に冷却した。次いで、THF中46.11gの2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体(TMPMgCl・LiCl、47.98mmol、1.20当量)(濃度:25.22重量%)を0℃で3時間以内に添加した。0℃で45分間撹拌後、アリコートを取り、THF中ヨウ素の溶液(1mLのTHF中0.5gのヨウ素)0.5mLに供した。5分後、この混合物をチオ硫酸ナトリウムでクエンチし、ジエチルエーテル(1.5mL)で抽出した。試料のGC分析により、3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと、3-クロロ-2-[5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンとの比は、3.5対96.5と同定された。その後、二酸化炭素を0℃で30分間、次いで、20℃で30分間容器中に泡立てた。アリコートを取り、アセトニトリル(MeCN)で希釈し、HPLCにより分析した。3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと表題生成物との測定比は、4.2:95.8であった。
[実施例2]
2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボン酸(炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と化学量論的量の第二級アミンとの塩化リチウム錯体の組合せの使用による)
9.23g(50.38mmol、1.26当量)のジシクロヘキシルアミン(純度:99%)を、THF中49.78g(47.98mmol、1.20当量)のイソプロピルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体の溶液(濃度:14重量%)に添加した。この混合物を0℃で1時間撹拌した。第2の容器中、10.00g(39.98mmol、1.00当量)の3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジン(純度:99%)を9mLの乾燥THFに溶解させ、0℃に冷却した。ジシクロヘキシルアミドマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体のその場で調製した溶液を3時間以内に第2の容器に添加し、この混合物を0℃で3時間撹拌した。アリコートを取り、THF中ヨウ素の溶液(1mLのTHF中0.5gのヨウ素)0.5mLに供した。5分後、この混合物をチオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、ジエチルエーテル(1.5mL)で抽出した。試料のGC分析により、3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと、3-クロロ-2-[5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンとの比は3.5対96.5と同定された。その後、二酸化炭素を0℃で30分間、及び20℃で30分間容器中に泡立てた。アリコートを取り、MeCNで希釈し、HPLCにより分析した。3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと表題化合物との比は、79.8:20.2であった。
[実施例3]
2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボン酸(炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と触媒量の第二級アミンとの塩化リチウム錯体の組合せの使用による)
THF中49.78g(47.98mmol、1.20当量)のイソプロピルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体(濃度:14重量%)に、0.57g(4.00mmol、0.10当量)の2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(純度:99%)を添加し、この混合物を0℃で一晩撹拌した。第2の容器中、10.00g(39.98mmol、1.00当量)の3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジン(純度:99%)を16mLの乾燥THFに溶解させ、0℃に冷却した。2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体のその場で調製した溶液を第2の容器に3時間以内に添加し、この混合物を0℃で4.5時間撹拌した。アリコートを取り、THF中ヨウ素の溶液(1mLのTHF中0.5gのヨウ素)0.5mLに供した。5分後、この混合物をチオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、ジエチルエーテル(1.5mL)で抽出した。試料のGC分析により、3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと、3-クロロ-2-[5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンとの比は9.9対90.1と同定された。その後、二酸化炭素を0℃で30分間及び20℃で30分間容器中に泡立てた。アリコートを取り、MeCNで希釈し、HPLCにより分析した。3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと表題化合物との比は、1.1:98.9であった。
[実施例4]
2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボン酸(炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と触媒量の第二級アミンとの塩化リチウム錯体の組合せの使用による)
10.00g(39.98mmol、1.00当量)の3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)-ピラゾール-1-イル]ピリジン(純度:99%)及び0.41g(4.00mmol、0.10当量)のジイソプロピルアミン(純度:99%)を16mLの乾燥THFに溶解させ、0℃に冷却した。次いで、THF中49.78g(47.98mmol、1.20当量)のイソプロピルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体(濃度:14重量%)を3時間以内に添加した。0℃でさらに3時間撹拌後、アリコートを取り、THF中ヨウ素の溶液(1mLのTHF中0.5gのヨウ素)0.5mLに供した。5分後、この混合物をチオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、ジエチルエーテル(1.5mL)で抽出した。試料のGC分析により、3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと、3-クロロ-2-[5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンとの比は7:93と同定された。その後、二酸化炭素を0℃で30分間及び20℃で30分間容器中に泡立てた。アリコートを取り、MeCNで希釈し、HPLCにより分析した。3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと表題化合物との比は、4.7:95.3であった。
[実施例5]
2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボン酸(炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と触媒量の第二級アミンとの塩化リチウム錯体の組合せの使用による)
10.00g(39.98mmol、1.00当量)の3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)-ピラゾール-1-イル]ピリジン(純度:99%)及び0.82g(8.00mmol、0.20当量)のジイソプロピルアミン(純度:99%)を16mLの乾燥THFに溶解させ、0℃に冷却した。次いで、THF中49.78g(47.98mmol、1.20当量)のイソプロピルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体(濃度:14重量%)を3時間以内に添加した。0℃で1時間撹拌後、アリコートを取り、THF中ヨウ素の溶液(1mLのTHF中0.5gのヨウ素)0.5mLに供した。5分後、この混合物をチオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、ジエチルエーテル(1.5mL)で抽出した。試料のGC分析により、3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと、3-クロロ-2-[5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンとの比は3.2:96.8と同定された。その後、二酸化炭素を0℃で30分間及び20℃でさらに30分間容器中に泡立てた。アリコートを取り、MeCNで希釈し、HPLCにより分析した。3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと表題化合物との比は、10.3:89.7であった。次いで、この反応混合物を0℃に冷却し、35mLの水を滴下し、pH8の混合物をもたらした。約5gの濃塩酸を添加することによりpHを4にした。この混合物を35mLの酢酸エチルで抽出し、分離した水相を20mLの酢酸エチルで再度抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、回転エバポレータで濃縮して、12.7gの表題化合物(分析用HPLCにより分析して、52%純度、26.66mmol、収率:67%)を得た。
[比較例1]
2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボン酸(炭素結合マグネシウムを有する有機マグネシウム単独の塩化リチウム錯体の使用による)
10.00g(39.98mmol、1.00当量)の3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジン(純度:99%)を16mLの乾燥THFに溶解させ、0℃に冷却した。次いで、THF中49.78g(47.98mmol、1.20当量)のイソプロピルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体(濃度:14重量%)を-1℃〜0℃で3時間以内に添加した。0℃で16時間撹拌後、アリコートを取り、THF中ヨウ素の溶液(1mLのTHF中0.5gのヨウ素)0.5mLに供した。5分後、この混合物をチオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、ジエチルエーテル(1.5mL)で抽出した。試料のGC分析により、3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと、3-クロロ-2-[5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンとの比は7.5対92.7と同定された。その後、二酸化炭素を0℃で30分間及び20℃でさらに30分間容器中に泡立てた。アリコートを取り、MeCNで希釈し、HPLCにより分析した。3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと表題化合物との比は、2.1:97.9であった。
[比較例2]
リチウム-ジイソプロピルアミドの使用による3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンの脱プロトン化
10.00g(39.98mmol、1.00当量)の3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジン(純度:99%)を16mLの乾燥THFに溶解させ、混合物を0℃に冷却した。次いで、THF/ヘプタン/エチルベンゼン中32.47g(79.97mmol、2.00当量)のリチウム-ジイソプロピルアミドの溶液(濃度:26.38重量%)を3時間以内に添加し、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。アリコートを取り、THF中ヨウ素の溶液(1mLのTHF中0.5gのヨウ素)0.5mLに供した。5分後、この混合物をチオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、ジエチルエーテル(1.5mL)で抽出した。試料のGC分析により、3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと、3-クロロ-2-[5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンとの比は92.4対7.6と同定された。
[比較例3]
リチウム-ジイソプロピルアミドの使用による3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンの脱プロトン化
4.72g(46.18mmol、1.16当量)のジイソプロピルアミン(純度:99%)を5.5mLの乾燥THFに溶解させ、0℃に冷却した。次いで、ヘキサン中18.69g(43.98mmol、1.10当量)のn-ブチルリチウムの溶液(濃度:15.07重量%)を5分以内に添加し、この混合物を0℃で1時間撹拌した。第2の容器中、10.00g(39.98mmol、1.00当量)の3-クロロ-2-[3-トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジン(純度:99%)を10.5mLの乾燥THFに溶解させ、0℃に冷却した。リチウム-ジイソプロピルアミドのその場で調製した溶液を3時間以内に添加した。この混合物を0℃で1時間撹拌した。アリコートを取り、THF中ヨウ素の溶液(1mLのTHF中0.5gのヨウ素)0.5mLに供した。5分後、この混合物をチオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、ジエチルエーテル(1.5mL)で抽出した。試料をGCにより分析した。3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンも、3-クロロ-2-[5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンも検出できなかった。また、二酸化炭素よるカルボキシル化後、予想された遊離体及び生成物は、HPLCにより検出できなかった。
本発明によって行った実施例で得られた結果は、以下の表にまとめる。実施例1〜実施例5は、上に記載した通りに行った。実施例6〜実施例8、実施例11及び実施例12は、実施例4の手順に対する類推で行い、実施例9は、実施例3に対する類推で行い、実施例10は、実施例2の手順に対する類推で行う。表で与えられる「E:I比」及び「E:P比」は、実施例に記載した通りに得られたそれぞれのGC及びHPLCのピーク面積から決定して、それぞれ、3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと、3-クロロ-2-[5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンとの比及び3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと、2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボン酸との比を表す。
Figure 2016518433
[実施例13]
2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボン酸(炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と触媒量の第二級アミンとの塩化リチウム錯体の組合せの使用による)
10.00g(40.27mmol、1.00当量)の3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジン(純度:99.7%)及び0.59g(8.00mmol、0.20当量)のN-メチル-N-イソプロピルアミン(純度:99%)を14.5gの乾燥THFに溶解させ、0℃に冷却した。次いで、THF中イソプロピルマグネシウムクロリドリチウムクロリド錯体の12.4重量%溶液50.13g(42.8mmol、1.06当量)を3時間以内に添加した。0℃でさらに3時間撹拌後、アリコートを取り、THF中ヨウ素の溶液(1mLのTHF中0.5gのヨウ素)0.5mLに供した。5分後、この混合物をチオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、ジエチルエーテル(1.5mL)で抽出した。試料のGC分析により、3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと、3-クロロ-2-[5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンとの比は3:97と同定された。その後、二酸化炭素を-2℃で30分間及び20℃で30分間容器中に泡立てた。アリコートを取り、アセトニトリルで希釈し、HPLCにより分析した。3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと表題化合物との比は、1:99であった。
[実施例14]
2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボン酸(塩化リチウム、炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物及び触媒量の第二級アミンの組合せの使用による)
126.5gの3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジン(純度:94.6%)を70gの乾燥THFに溶解させた。10.4gの塩化リチウムを添加し、続いて、1.8gのN-イソプロピル-N-メチルアミンを添加した。この混合物を-10℃に冷却した。次いで、THF中イソプロピルマグネシウムクロリドの19.1重量%溶液287gを-10℃〜-2℃で1.2時間以内に添加した。得られた反応混合物を0〜-10℃でさらに3.5時間撹拌した。アリコートを取り、THF中ヨウ素の溶液(2mLのTHF中1gのヨウ素)0.5mLに供した。5分後、この混合物をチオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、ジエチルエーテル(20mL)で抽出した。試料のGC分析により、3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと、3-クロロ-2-[5-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンとの比は3.5:96.5と同定された。その後、二酸化炭素を-16℃〜2℃で95分間容器中に泡立てた。アリコートを取り、10重量%の塩酸水溶液に添加し、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。抽出物をHPLCにより分析した。3-クロロ-2-[3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]ピリジンと表題化合物との比は0.6:99.4であった。後処理の場合、反応混合物を合計で500mlにTHFで希釈した。この混合物を真空中で濃縮し、酢酸ブチル中表題化合物のMgCl塩158.4gを含有する約500gの懸濁液が得られるまで、蒸留された溶媒を酢酸ブチルで数回補充した。これは、93.6%の収率に相当する。

Claims (15)

  1. 式(I-A)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸又はそのマグネシウム塩
    Figure 2016518433
    (式中、
    R1は、水素、フッ素、塩素、シアノ、-SF5、CBrF2、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル(ここで、最後に記載された6個の基は、1個以上の基Raで置換されていてもよい)、
    -Si(Rf)2Rg、-ORb、-SRb、-S(O)mRb、-S(O)nN(Rc)Rd、-N(Rc1)Rd1、1、2、3、4又は5個の基Reで置換されていてもよいフェニル、並びに環員として、N、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子又はヘテロ原子基を有する3、4、5、6又は7員の飽和、部分不飽和若しくは芳香族ヘテロ環式環(ここで、該ヘテロ環式環は、1個以上の基Reで置換されていてもよい)から選択され、
    各R2は、ハロゲン、SF5、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル(ここで、最後に記載された6個の基は、1個以上の基Raで置換されていてもよい)、
    -Si(Rf)2Rg、-ORb、-SRb、-S(O)mRb、-S(O)nN(Rc)Rd、-N(Rc1)Rd1、1、2、3、4又は5個の基Reで置換されていてもよいフェニル、並びに環員として、N、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子又はヘテロ原子基を有する3、4、5、6又は7員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和ヘテロ環式環(ここで、該ヘテロ環式環は、1個以上の基Reで置換されていてもよい)からなる群から独立して選択され、
    Raは、SF5、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C1〜C6-アルコキシ-C1〜C6-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル、-Si(Rf)2Rg、-ORb、-SRb、-S(O)mRb、-S(O)nN(Rc)Rd、-N(Rc1)Rd1、1、2、3、4又は5個の基Reで置換されていてもよいフェニル、並びに環員として、N、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子又はヘテロ原子基を有する3、4、5、6又は7員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和ヘテロ環式環(ここで、該ヘテロ環式環は、1個以上の基Reで置換されていてもよい)からなる群から選択され、
    又は2個のジェミナル結合基Raは、=CRhRi、=NRc1、=NORb及び=NNRc1から選択される基を一緒に形成するか、
    又は2個の基Raは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、3、4、5、6、7若しくは8員の、飽和、部分不飽和の炭素環、若しくは環員として、N、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子若しくはヘテロ原子基を有するヘテロ環式環を形成し、
    ここで、2個以上のRaの場合、Raは、同一又は異なっていてもよく、
    Rbは、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、最後に記載された6個の基は、C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-フルオロアルコキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C1〜C6-フルオロアルキルチオ、C1〜C6-アルキルスルフィニル、C1〜C6-フルオロアルキルスルフィニル、C1〜C6-アルキルスルホニル、C1〜C6-フルオロアルキルスルホニル、-Si(Rf)2Rg、フェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシから選択される1又は2個の基を場合により有していてもよく、ここで、最後に記載された4個の基は、非置換であってもよく、部分若しくは完全ハロゲン化されていてもよく、並びに/又はC1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C1〜C6-アルコキシ及びC1〜C6-フルオロアルコキシからなる群から選択される1、2若しくは3個の置換基を有していてもよく、
    ここで、2個以上のRbの場合、Rbは、同一であるか又は異なっていてもよく、
    Rc、Rdは、互いに独立して及び出現ごとに独立して、シアノ、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、最後に記載された6個の基は、C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-フルオロアルコキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C1〜C6-フルオロアルキルチオ、C1〜C6-アルキルスルフィニル、C1〜C6-アルキルスルホニル、-Si(Rf)2Rg、フェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシから選択される1又は2個の基を場合により有していてもよく、ここで、最後に記載された4個の基は、非置換であってもよく、部分若しくは完全ハロゲン化されていてもよく、並びに/又はC1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C1〜C6-アルコキシ及びC1〜C6-フルオロアルコキシからなる群から選択される1、2若しくは3個の置換基を有していてもよく、
    或いはRc及びRdは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、環員として、N、O及びSから選択される1又は2個のさらなるヘテロ原子を有してもよい、3、4、5、6又は7員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和ヘテロ環式環を形成し、ここで、該ヘテロ環式環は、ハロゲン、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルコキシ及びC1〜C4-フルオロアルコキシから選択される1、2、3又は4個の置換基を有していてもよく、
    Rc1は、水素であるか又はRcに関して示された意味の1つを有し、
    Rd1は、水素であるか又はRdに関して示された意味の1つを有し、
    Reは、ハロゲン、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、最後に記載された6個の基は、C1〜C4-アルコキシ;C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-フルオロアルコキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C1〜C6-フルオロアルキルチオ、C1〜C6-アルキルスルフィニル、C1〜C6-フルオロアルキルスルフィニル、C1〜C6-アルキルスルホニル、C1〜C6-フルオロアルキルスルホニル、-Si(Rf)2Rg、フェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシから選択される1又は2個の基を場合により有していてもよく、ここで、最後に記載された4個の基は、非置換であってもよく、部分若しくは完全ハロゲン化されていてもよく、並びに/又はC1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C1〜C6-アルコキシ及びC1〜C6-フルオロアルコキシからなる群から選択される1、2若しくは3個の置換基を有していてもよく、
    ここで、2個以上のReの場合、Reは、同一又は異なっていてもよく、
    Rf、Rgは、互いに独立して及び出現ごとに独立して、C1〜C4-アルキル、C3〜C6-シクロアルキル、C1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキル、フェニル及びベンジルからなる群から選択され、
    Rh、Riは、互いに独立して及び出現ごとに独立して、水素、ハロゲン、SF5、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-フルオロアルケニル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-フルオロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで、最後に記載された6個の基は、C1〜C4-アルキル及びC1〜C4-フルオロアルキル;C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-フルオロアルコキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C1〜C6-フルオロアルキルチオ、C1〜C6-アルキルスルフィニル、C1〜C6-アルキルスルホニル、-Si(Rf)2Rg、フェニル、ベンジル、ピリジル及びフェノキシから選択される1又は2個の基を場合により有していてもよく、ここで、最後に記載された4個の基は、非置換であってもよく、部分若しくは完全ハロゲン化されていてもよく、並びに/又はC1〜C6-アルキル、C1〜C6-フルオロアルキル、C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-フルオロアルコキシ、(C1〜C6-アルコキシ)カルボニル、(C1〜C6-アルキル)アミノ及びジ-(C1〜C6-アルキル)アミノからなる群から選択される1、2若しくは3個の置換基を有していてもよく、
    mは、1又は2であり、ここで、数回出現する場合、mは、同一又は異なっていてもよく、
    nは、0、1又は2であり、ここで、数回出現する場合、nは、同一又は異なっていてもよく、
    rは、0、1、2、3又は4である)
    を製造する方法であって、
    以下のステップ:
    i)式(II)
    Figure 2016518433
    (式中、可変要素R1、R2及びrは、それぞれ上で定義された通りである)
    の化合物を、炭素結合マグネシウムを有するマグネシウム有機化合物と第二級アミンとの組合せ及び第二級アミンのマグネシウムアミドから選択される塩基と、ハロゲン化リチウムの存在下で反応させるステップであって、ここで、該塩基は、式(II)の化合物の少なくとも80%の脱プロトン化を達成するのに十分な量で使用される、ステップと、
    ii)ステップ(i)で得られた生成物を、二酸化炭素又は二酸化炭素等価物と反応させることにより該生成物をカルボキシル化に供して、式(I-A)の化合物のマグネシウム塩を得て、場合により水での後処理に供して、式(I-A)の化合物を遊離酸として得るステップと
    を含む方法。
  2. 第二級アミンが、
    - ジ-C1〜C14-アルキルアミン、
    - N-C1〜C14-アルキル-N-シクロアルキルアミン、
    - ジ-C3〜C8-シクロアルキルアミン、
    - 非置換であるか又は1、2、3若しくは4個のC1〜C8-アルキル基で置換されている、飽和5〜7員ヘテロ環式アミン(ここで、該ヘテロ環はNH基に加えて、O及びNから選択される1若しくは2個のさらなるヘテロ原子を有してもよく、ここでO及びNは、エーテル酸素の形態又はN-C1〜C4アルキル基の形態である)、及び
    - N-アリール-N-C1〜C14-アルキルアミン(ここで、該アリール基は、非置換であるか又はC1〜C4-アルキル及びC1〜C4-アルコキシから選択される1、2、3若しくは4個の基で置換されている)
    から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 第二級アミンが、式(RN)
    Figure 2016518433
    [式中、RN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7、RN8は、互いに独立して、水素及びC1〜C8-アルキルの群から選択され、ここで、2個の基RN3及びRN4はまた、(CH2)p基(pは、2、3又は4である)を形成してもよく、ここで、CH2基の1個は、酸素原子又は基N-C1〜C4-アルキルで置き換えられていてもよく、
    但し、基RN1、RN2、RN3、RN4、RN5、RN6、RN7及びRN8における炭素原子の合計数は、2〜24である]
    の化合物である、請求項1に記載の方法。
  4. 式(RN)において、
    RN1及びRN2は、水素若しくはメチルであり、RN3及びRN4は、C1〜C4-アルキルであるか若しくは(CH2)p基(pは、2、3又は4である)を形成し、ここで、(CH2)p基中のCH2基の1個は、酸素原子若しくは基N-C1〜C4-アルキルで置き換えられていてもよく、RN5、RN6、RN7及びRN8は、水素であるか、又は
    RN1及びRN2は、水素若しくはメチルであり、RN3及びRN4は、水素であり、RN5、RN6、RN7及びRN8は、C1〜C8-アルキルである、請求項3に記載の方法。
  5. 第二級アミンが、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペリジン、モルホリン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、2,2,4,6,6-ペンタメチルピペラジン、3,3,5,5-テトラメチルモルホリン、N-メチル-N-イソプロピルアミン、N-エチル-N-イソプロピルアミン、N,N-ジイソプロピルアミン、N-イソプロピル-N-tert-ブチルアミン、N,N-ジ-tert-ブチルアミン、N,N-ビス-(2-エチルヘキシル)アミン、N,N-ビス-(2-プロピルヘプチル)アミン、N,N-ビス-(2-ブチルオクチル)アミン及びN-メチル-N-フェニルアミンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 第二級アミンの量が、式(II)の化合物1モル当たり0.01モル〜2モルである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 塩基の量が、マグネシウムとして計算して、式(II)の化合物1モル当たり1モル〜2モルである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 塩基が、C1〜C6-アルキルマグネシウムハライド及びC5〜C6-シクロアルキルマグネシウムハライドからなる群から選択されるマグネシウム有機化合物の組合せである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. ハロゲン化リチウムが、塩化リチウムである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. ハロゲン化リチウムが、塩基中マグネシウム1モル当たり0.5〜2モルの量で使用される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. ステップi)及びステップii)が、非プロトン性有機溶媒、又はエーテル部分を有する少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒を含む非プロトン性有機溶媒混合物中で行われる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 式(I-A)及び式(II)において、
    rが1であり、
    R2が、ピリジル部分の3位に位置し、R2が、ハロゲン及びCF3から選択され、
    R1が、フッ素、塩素、C1〜C4-フルオロアルキル、C1〜C4-アルコキシ及びC14-フルオロアルコキシ-C1〜C4-アルキルからなる群から選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 式(I):
    Figure 2016518433
    (式中、可変要素R1、R2及びrは、それぞれ、請求項1、12又は13で定義された通りである)
    のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボニルクロリドを製造する方法であって、
    a)請求項1から12のいずれか一項に記載の方法により式(I-A)のN-置換1H-ピラゾール-5-カルボン酸又はそのマグネシウム塩を製造するステップと、
    b)式(I-A)の化合物又はそのマグネシウム塩を、塩素化剤による処理によって式(I)の化合物に変換するステップと
    を含む方法。
  14. ステップa)において、式(I-A)の化合物のマグネシウム塩を製造し、該マグネシウム塩を塩素化剤による処理によって式(I)の化合物に直接変換する、請求項13に記載の方法。
  15. 式(VI)
    Figure 2016518433
    (式中、
    R1、R2及びrは、それぞれ請求項1、12又は13のいずれか一項で定義された通りであり、
    R3及びR4は、ハロゲン、シアノ、アジド、ニトロ、-SCN、SF5、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ハロシクロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-アルキニル、C2〜C6-ハロアルキニル(ここで、最後に記載された8個の基は、1個以上の基Raで置換されていてもよい)、-Si(Rf)2Rg、-ORb1、-OS(O)nRb1、-SRb1、-S(O)mRb1、-S(O)nN(Rc1)Rd1、-N(Rc1)Rd1、-N(Rc1)C(=O)Ra、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb1、-C(=S)Ra、-C(=S)ORb1、-C(=NRc1)Ra、-C(=O)N(Rc1)Rd1、-C(=S)N(Rc1)Rd1、1、2、3、4又は5個の基Reで置換されていてもよいフェニル、並びに環員として、N、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子又はヘテロ原子基を有する3、4、5、6又は7員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和ヘテロ環式環(ここで、該ヘテロ環式環は、1個以上の基Reで置換されていてもよい)からなる群から独立して選択され、
    R5は、水素、シアノ、C1〜C10-アルキル、C1〜C10-ハロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ハロシクロアルキル、C2〜C10-アルケニル、C2〜C10-ハロアルケニル、C2〜C10-アルキニル、C2〜C10-ハロアルキニル(ここで、最後に記載された8個の基は、1個以上の基Raで置換されていてもよい)、-N(Rc1)Rd1、-Si(Rf)2Rg、-ORb1、-SRb1、-S(O)mRb1、-S(O)nN(Rc1)Rd1、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb1、-C(=O)N(Rc1)Rd1、-C(=S)Ra、-C(=S)ORb1、-C(=S)N(Rc1)Rd1、-C(=NRc1)Ra、1、2、3、4又は5個の基Reで場合により置換されていてもよいフェニル、並びに環員として、N、O、S、NO、SO及びSO2から選択される1、2又は3個のヘテロ原子又はヘテロ原子基を有する3、4、5、6又は7員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和ヘテロ環式環(ここで、該ヘテロ環式環は、1個以上の基Reで置換されていてもよい)からなる群から選択され、
    R6及びR7は、水素、C1〜C10-アルキル、C1〜C10-ハロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ハロシクロアルキル、C2〜C10-アルケニル、C2〜C10-ハロアルケニル、C2〜C10-アルキニル、C2〜C10-ハロアルキニルからなる群から互いに独立して選択され、ここで、最後の8個の基は、1個以上の基Raで場合により置換されていてもよく、
    或いはR6及びR7は、それらが結合している硫黄原子と一緒に3、4、5、6、8、9又は10員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和の環を形成するC2〜C7-アルキレン、C2〜C7-アルケニレン又はC6〜C9-アルキニレン鎖を一緒に表し、ここで、C2〜C7-アルキレン鎖のCH2基の1〜4個又はC2-C7-アルケニレン鎖のCH2若しくはCH基のいずれかの1〜4個又はC6〜C9-アルキニレン鎖のCH2基のいずれかの1〜4個は、C=O、C=S、O、S、N、NO、SO、SO2及びNHからなる群から独立して選択される1〜4個の基で置き換えられていてもよく、ここで、C2〜C7-アルキレン、C2〜C7-アルケニレン又はC6-C9-アルキニレン鎖の炭素及び/又は窒素原子は、ハロゲン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C1〜C6-アルコキシ、C1〜C6-ハロアルコキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C1〜C6-ハロアルキルチオ、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-ハロシクロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-アルキニル、C2〜C6-ハロアルキニルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよく、前記置換基は、2個以上の置換基が存在する場合、互いに同一又は異なり、
    Ra、Rc1、Rd1、Re、Rf、Rg、m及びnは、それぞれ請求項1で定義された通りであり、
    Rb1は、水素であるか又は請求項1でRbに関して示された意味の1つを有し、
    tは、0又は1である)
    のスルフィミン化合物を製造する方法であって、
    請求項14から17のいずれか一項に記載の方法により式(I)の化合物を用意するステップに続いて、
    c)式(I)の化合物を式(VII)
    Figure 2016518433
    (式中、可変要素R3、R4、R5、R6、R7及びtは、それぞれ上で定義された通りである)
    の化合物と塩基の存在下で反応させて、式(VI)の化合物を得るステップ
    を含む方法。
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