JP2016200451A - 信号処理方法、信号処理装置、及び切削加工用異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象の状態情報をより精度よく取得可能な信号処理方法を提供することを目的とする。【解決手段】本実施形態に係る信号処理方法は、測定部から振動信号を時系列に取得する。取得した振動信号に含まれる周波数成分を時系列に周波数成分信号として算出する。時系列に変動する周波数成分における複数の周波数について、その強度値に応じた尖り度を周波数成分信号に基づいて時系列に算出する。尖り度の値が所定値以上となった周波数を特定し、特定された周波数における周波数成分信号の強度値の時系列変化に基づき測定部における測定対象の状態情報を取得する。【選択図】図5
Description
本発明の実施形態は、信号処理方法、信号処理装置、及び切削加工用異常検出装置に関する。
異常検出技術は、機械、電気機器、重工業等の産業及びITの幅広い分野において活用されている。この異常検出技術に関して、機器の故障診断及び機器の故障検知だけでなく、ネットワークセキュリティ等においても用途に応じた様々なアルゴリズムが提案されている。また、機械分野では、汎用回転機械における異常検知法が近年多く研究されている。そして、この機械分野では、ベアリング破損検知等の用途毎のセンサ選定に加え、信号処理アルゴリズムについての様々な提案がなされている。
一方で、工作機械における切削加工のプロセスモニタリングには、その加工方法により様々な異常モードが混在する。このため、この切削加工のプロセスモニタリングにおいて異常/正常の分類が難しいと言われている。また、エンドミル加工、フェースミル加工、およびドリル加工を基本的な機械加工方法として例示して、これらの機械加工方法に対するセンシング手法と信号処理アルゴリズムとがまとめられている(非特許文献1参照)。さらにまた、このセンシング手法に関する技術要素には、主軸/送り軸の電流/電力、トルク、振動、磨耗量、AE(Acoustic Emission)、温度、超音波、切削抵抗等が挙げられ、加工に適したセンシング手法が検討されている。また、この信号処理アルゴリズムに関しては、時系列解析手法(平均、RMS(Root Mean Square)、歪度、尖り度)、周波数解析手法(フーリエ変換、パワースペクトル)、時間周波数解析手法(短時間フーリエ変換STFT、Wavelet)等が用いられ、異常/正常の分類を学習する方法としてFuzzy logic、ANN(Artificial Neural Network)、SVM(Support Vector Machine)等が研究されている。
さらに、この切削加工の異常検知をシステム化した事例として、振動等の時系列信号の部分的周波数エネルギ(POA:Partial Overall)の履歴を記録して異常状態と対応づけるシステムが知られている。また、このシステムでは、工具の欠け等の異常に対してPOAが高い感度で反応している。
Rehorn A G、 Jiang J and Orban P E "State-of-the-art methods and results in tool condition monitoring: a review" The International Journal of Advanced Manufacturing Technology、(英)、2005、Vol.26、Issues7-8,p.693-710
Antoni J. "The spectral kurtosis: a useful tool for characterising non-stationary signals." Mechanical Systems and Signal Processing、(英)、2006、Vol.20、Issues2,p.282-307
Obuchowski J、 Wylomanska A、 Zimroz R. "Selection of informative frequency band in local damage detection in rotating machinery." Mechanical Systems and Signal Processing、(英)、2014、Vol.48、Issues1-2,p.138-152.
異常検知漏れが発生した場合に製品不具合の損失度合いが小さいケースもあれば、重電製品/航空機部品の加工分野のように切削加工によるロスを極小化するプロセスが求められるケースもある。また、この切削加工によるロスを極小化する一方で、異常状態の誤検知による装置停止ロスを最小限に近づけることで稼働率を最大化に近づけるという、二律背反を同時に満たす必要がある。このため、この切削加工のプロセスモニタリングに関する技術を、この切削加工を行う実機に広く適用することは困難である。特に、重電部品等の大型部品を切削加工するプロセスについては、特殊な工具を用いるとともにこの大型部品の加工形状に起因して、不安定状態に陥るまでの予測が困難である。このため、この予測の精度を上げることが、この切削加工のプロセスモニタリングに関する技術を実機適用する上での課題である。
また、スペクトル尖り度が回転機械の非定常信号を検出するために用いられている(非特許文献2を参照)。さらに、非定常な信号の周波数帯を特定するため、このスペクトル尖り度ほかいくつかの指標を比較し、異常や故障に特有の成分を検出する手法が検討されている(非特許文献3を参照)。さらにまた、これらのスペクトル尖り度を用いた技術は、ベアリングの故障検知で例示されるように数時間/数日オーダで劣化兆候を捉える場合が主である。
しかしながら、多品種少量生産品などの切削加工プロセスに関しては、加工対象ごとに異常や故障の発生状態が異なるとともに、数時間にわたる切削加工プロセスのなかでわずか数秒のうちに急激に非定常状態に遷移することがあり、異常や故障に特有の成分を検出するために用いる信号の周波数帯を特定するのが困難である。
そこで、本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、測定対象の状態をより精度よく把握可能な信号処理方法を提供することを目的とする。
本実施形態に係る信号処理方法は、測定部から振動信号を時系列に取得する。取得した振動信号に含まれる周波数成分を時系列に周波数成分信号として算出する。周波数成分における複数の周波数について、その強度値に応じた尖り度を周波数成分信号に基づいて時系列に算出する。尖り度の値が所定値以上となった周波数を特定し、特定された周波数における周波数成分信号の強度値の時系列変化に基づき測定部における測定対象の状態情報を取得する。
本実施形態に係る信号処理装置は、処理部と、算出部と、状態取得部とを備える。処理部は、測定部から取得した振動信号に含まれる周波数成分を時系列に周波数成分信号として算出処理を行う。算出部は、周波数成分における複数の周波数について、その強度値に応じた尖り度を周波数成分信号に基づいて時系列に算出する。状態取得部は、尖り度の値が所定値以上となった周波数を特定し、特定された周波数における周波数成分信号の強度値の時系列変化に基づき、測定部における測定対象の状態情報を取得する。
本実施形態に係る切削加工用異常検出装置は、測定部と、処理部と、算出部と、状態取得部と、制御部とを備える。処理部は、測定部から取得した振動信号に含まれる周波数成分を時系列に周波数成分信号として算出処理を行う。算出部は、周波数成分における複数の周波数について、その強度値に応じた尖り度を周波数成分信号に基づいて時系列に算出する。状態取得部は、尖り度の値が所定値以上となった周波数を特定し、特定された周波数における周波数成分信号の強度値の時系列変化に基づき、測定部における測定対象の状態情報を取得する。制御部は、状態情報に基づいて切削加工に用いられる駆動部の制御を行う。
本発明によれば、測定対象の状態をより精度よく把握可能な信号処理方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る信号処理方法は、周波数成分信号に基づく尖り度の値が所定値を超えた周波数を特定し、この特定された周波数における周波数成分信号を用いて測定対象の状態情報を取得することにより、測定対象の状態情報を取得するために用いる周波数成分信号のS/N比の低下を回避し、より高い精度で測定対象の状態を把握しようとしたものである。より詳しくを、以下に説明する。
第1実施形態に係る信号処理方法は、周波数成分信号に基づく尖り度の値が所定値を超えた周波数を特定し、この特定された周波数における周波数成分信号を用いて測定対象の状態情報を取得することにより、測定対象の状態情報を取得するために用いる周波数成分信号のS/N比の低下を回避し、より高い精度で測定対象の状態を把握しようとしたものである。より詳しくを、以下に説明する。
図1は、第1実施形態に係る加工装置1の構成を説明する模式図である。この図1に示すように加工装置1は、ドリル2と、加工ヘッド4と、主軸部6と、駆動部8と、機械台部10と、測定部12と、信号処理部14と、制御部16と備えて構成されている。
ドリル2は、加工対象を切削加工するために用いられる。このドリル2は、多軸ドリルであり、蒸気タービン部品等に対して複数の穴加工を同時に行うために用いられる。これら多軸ドリルのドリル径は変更可能であり、多様な組み合わせが可能である。
加工ヘッド4は、ドリル2を回転させる複数の回転ギアの組み合わせで構成されている。この加工ヘッド4は、多品種少量生産に対応するため様々な種類がある。すなわち、回転ギアの組み合わせを替えることで、ドリル2の回転力などを調整可能である。
主軸部6は、主軸を回転することで、加工ヘッド4の回転ギアを回転させる。駆動部8は、例えばモータで構成され、主軸部6の主軸に回転動力を与える。これにより、この駆動部8は、この主軸部6の主軸を回転させることで、加工ヘッド4の回転ギア及びこの回転ギアの回転に従って回転するドリル2を回転させる。
機械台部10は、この機械台部10に搭載されるドリル2を移動させる。機械台部10に搭載されるドリル2を移動させるモータは、駆動部8に設けられている。
測定部12は、測定対象の振動信号を時系列に出力する。例えば、この測定部12は、加速度センサ及び音声センサなどで構成されており、ドリル2を用いた切削加工で生じる振動を信号として連続的に出力する。ここでの測定対象は、ドリル2であり、延いては、加工装置1である。
信号処理部14は、この測定部12から出力された振動信号を信号処理することで、この測定部12の測定対象の状態情報を得る処理を行う。すなわち、信号処理部14は、測定部12から出力された信号に基づいて、測定対象であるドリル2の状態を把握する。なお、信号処理部14が、本実施形態における信号処理装置を構成している。
制御部16は、この信号処理部14で得られたこの状態情報に基づいて駆動部8の制御を行う。例えば、この制御部16は、このドリル2の回転速度を低減したり、このドリル2の回転を停止する制御を行う。また、この制御部16は、加工対象からドリル2を離す方向であるZ方向に、このドリル2を移動する制御を行う。
詳しくは後述するが、上述した測定部12と信号処理部14と制御部16とで、本実施形態に係る切削加工用異常検出装置18が構成されている。
以上が第1実施形態に係る加工装置1の全体構成の説明であるが、次に、この信号処理部14の詳細、及び切削加工用異常検出装置18の構成について説明する。
図2は、第1実施形態に係る切削加工用異常検出装置18の構成を説明するブロック図である。この図2に示すように、切削加工用異常検出装置18は、測定部12と、信号処理部14と、制御部16とを備えており、さらに、この信号処理部14は、入力部142と、処理部144と、算出部146と、状態取得部148と、出力部150とを備えて構成されている。
入力部142には、測定部12から振動信号が連続的に且つ時系列で入力される。処理部144は、この入力部142を介して振動信号を時系列に取得し、取得した振動信号に含まれる周波数成分を時系列に周波数成分信号として算出する。この処理部144は、この振動信号に対して、例えば短時間フーリエ変換(STFT: Short Time Fourier Transform)を用いて周波数成分を算出する。つまり、この処理部144は、予め定められた時間範囲の振動信号の時系列データに対して、短時間フーリエ変換を行うことで、周波数成分を抽出する。そして、この短時間フーリエ変換を繰り返し行うことで、処理部144は、時系列に取得される予め定められた時間範囲内の振動信号の時系列データについて、時系列的な周波数成分を周波数成分信号として算出する。
さらにまた、この処理部144は、例えばこの周波数成分の振幅の二乗に基づく値をこの周波数成分信号の強度値として算出する。例えば、この処理部144は、短時間フーリエ変換を用いて算出したパワースペクトルに基づき、この周波数成分信号の強度値(スペクトル強度値、STFT強度値、又は振動強度値と呼ぶ場合がある)を算出する。このように、この処理部144は、周波数成分信号の強度値も時系列に算出する。
算出部146は、時系列に変動する周波数成分における複数の周波数について、その強度値に応じたスペクトル尖り度(SK:Spectral Kurtosis)を周波数成分信号に基づいて時系列に算出する。すなわち、この算出部146は、周波数成分信号の強度値の時間軸に対する波形に基づいてスペクトル尖り度を算出する。例えば、このスペクトル尖り度は、正常状態の波形と比較して、波形形状の非ガウス性が強くなるに従い大きな値を示す。以後の説明では、このスペクトル尖り度を単に尖り度と呼ぶこととする。
この尖り度は、強度値の波形の鋭さを表す数値である。例えば、この強度値の波形が鋭いピークと長く太い裾を有する場合に、この尖り度の値は大きくなる。一方で、この強度値の波形に丸みがかったピークと短い尾を有する場合に、この尖り度の値は小さくなる。
状態取得部148は、この尖り度の値が所定値以上となった周波数を特定し、この特定された周波数における周波数成分信号の強度値の時系列変化に基づき、この測定部12における測定対象の状態情報を取得する。すなわち、振動信号の測定を開始した後に、算出部146で算出した尖り度が最初に所定値以上となった周波数を一つ特定する。次に、状態取得部148は、この特定した周波数の周波数成分信号の強度値を時系列に積算した積算値が予め定めた値以上となった場合に、測定対象の状態が通常状態から異常状態に変化があることを示す状態情報として取得する。ここで、異常状態とは、作業者が異常音、振動等から危険を予知して介入動作を行う水準の状態を意味する。すなわち、この状態情報は、この異常状態が発生する前の段階で、この異常状態が発生する前兆があることを示す情報である。出力部150は、この状態取得部148で取得した状態情報を制御部16に出力する。
以上が第1実施形態に係る信号処理部14及びこの信号処理部14を備える切削加工用異常検出装置18の全体構成の説明である。
次に、図3に基づいて切削加工のプロセスにおける時間変化の一例について説明する。図3は、多軸ドリルを用いた切削加工のプロセスの一例を示す図である。この図3の横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示している。また、色の濃さで強度値の値を示している。
また、図3(a)は、定常状態の周波数成分信号の強度値の詳細なデータを示しており、図3(b)は、1穴目の切削加工中に、作業者が異常を検出した時間帯を含む詳細なデータを示しており、図3(c)は、2穴目の切削加工中に、作業者が異常を検出した時間帯を含む詳細なデータを示している。
この図3に示すように、1穴あたり数十分の加工時間に対して大部分の時間では安定した振動状態を保つている。一方で、実際の切削中の異常状態(作業者が異常音、振動等から危険を予知して介入動作を行う水準)は、数秒オーダで急激に非定常状態に推移し、極端なケースではドリルの折損に至ってしまう。このように、実際の切削中における異常状態が発生する前に発生する異常振動時には周波数成分信号の強度値が、平常時と比較して大きな値を示す。しかしながら、これらの傾向を多様な加工条件に対して一般化することが難しく、応答する周波数帯が常に同一になるとは限らない。つまり、様々な異常モードに対するしきい値を設定するためのデータ蓄積が膨大な分量になる危険性を有する。
次に、図2を参照しつつ、図4に基づいて本実施形に係る信号処理部14の動作について説明する。図4は、信号処理部14の動作の一例について説明する図である。図4(a)は、ドリル2を用いた切削加工のプロセスにおいて測定部12で取得された振動信号の一例を示す図である。この図4(a)の横軸は時間であり、縦軸は振動信号の値である振動信号強度を示している。この図4(a)は、正常に切削加工のプロセスが進んでいたが、最後に異常停止した振動信号の例を示している。
図4(b)は、処理部144で算出された正常状態における周波数成分信号の一例を示している。この図4(b)の横軸は時間であり、縦軸は周波数を示している。図4(c)は、算出部146で算出された正常状態における尖り度の一例を示している。この図4(c)の横軸は時間であり、縦軸は周波数を示している。図4(d)は、異常停止した異常状態を含む時間範囲の処理部144で算出された周波数成分信号の一例を示している。この図4(d)の横軸は時間であり、縦軸は周波数を示している。図4(e)は、異常停止した異常状態を含む時間範囲の算出部146で算出された尖り度の一例を示している。この図4(e)の横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。これらの各図において色の濃淡が値を示している。
まず、測定部12は、図4(a)に例示する振動信号を時系列に測定し処理部144に出力する。次に、図4(b)、(d)を参照しつつ、処理部144の処理動作を説明する。この処理部144は、予められた時間範囲内のこの振動信号に対して短時間フーリエ変換を行うことで、実時間で周波数成分を算出する。処理部144は、例えば100msecの時間範囲内のこの振動信号に対して短時間フーリエ変換を行う。図4(b)、(d)の例では、横軸のある時点に対応するこの時間範囲内における振動信号から得られた周波数成分が算出されている。例えば、この横軸のある時点における前後50msecの間に取得された振動信号に短時間フーリエ変換を行う。この短時間フーリエ変換の結果、周波数成分として波の振幅と位相の情報が周波数それぞれに対して得られる。この波の振幅の二乗に基づく値が周波数成分の強度値であり、単位は例えば[dB]である。このある時点に算出されたこの周波数成分の強度値が、この時点の横軸に示されている。すなわち、この処理部144は、図4(a)の振動信号に対して、時系列にこの時間範囲をずらしながら短時間フーリエ変換を行っているのと同等の処理を行っている。このように、この処理部144は、周波数成分の強度値を時系列に周波数成分信号として算出する。
なお、処理部144は、この時間範囲に対応する窓関数を用いて短時間フーリエ変換を行う。処理部144は、周波数分解能と時間分解能とはトレードオフの関係にあるので、測定対象に応じてこの窓関数の関数形を定めることが可能である。例えば、処理部144は、例えば100msec又は10msecの時間範囲内に対応する窓関数の関数形を定めて短時間フーリエ変換を行う。
また、この正常状態を例示する図4(b)に対して、異常状態を含む時間範囲図4(d)では、低周波側の周波数成分信号の強度値が変動している。このように、処理部144で算出された周波数成分信号の中における特定の周波数の強度値は、強制停止などの異常状態が発生する前から増加する。
次に、図4(c)、(e)を参照しつつ、算出部146の処理動作を説明する。この算出部146は、図4(b)、(d)で例示する周波数成分信号に基づいて、尖り度を時系列に算出している。すなわち、算出部146は、周波数毎に時系列に算出されている周波数成分信号の強度値の時間軸に対する波形に基づいて尖り度を算出する。
正常状態である図4(c)に対して、異常状態を含む時間範囲図4(e)では、低周波側の尖り度の強度値が変動している。このように、尖り度を用いることで正常/異常の遷移時に瞬間的に特徴的な周波数を把握することができる。この場合、低周波領域に高い尖り度の値が得られている。この時刻以降の周波数成分信号の強度値は、低周波領域で大きい変動を示している。このように、尖り度で特定された特徴周波数の周波数成分信号の強度値は、特定された後に実際に発生した異常状態(ドリルかじりによる強制停止)の前兆としての変動を示している。
状態取得部148は、この尖り度の値が所定値を超えた周波数を特定し、特定された周波数におけるこの周波数成分信号の強度値の時系列変化に基づきこの切削加工の状態情報を取得する。そして、状態取得部148は、状態情報を出力部150を介して制御部16に出力する。
次に、図1及び図2を参照しつつ、図5に基づいて本実施形に係る切削加工用異常検出装置18の処理の流れについて説明する。図5は、本実施形態に係る切削加工用異常検出装置18で実行される処理の一例を説明するフローチャートである。
この図5に示すように、まず、測定部12は、測定信号を取得する(S10)。続いて、処理部144は、測定部で取得された100ms内の振動信号に対して短時間フーリエ変換を行う(S11)。続いて、この処理部144は、この時点に対する周波数成分を算出し、既に時系列に算出された周波数成分とこの時点で算出された周波数成分とを含む周波数成分信号を算出部146に出力する。
次に、この算出部146は、この処理部144から入力された周波数成分信号のそれぞれの周波数に対応する尖り度を算出し、この算出した尖り度を状態取得部148へ出力する(S12)。
次に、この状態取得部148は、尖り度の値が所定値Th1以上であるか否かを判断する(S13)。すなわち、それぞれの周波数に対応する尖り度の値がいずれも所定値Th1未満であれば(S13−No)、上述したS10からの処理を繰り返す。
一方、それぞれの周波数に対応する尖り度の値が所定値Th1以上である場合(S13−Yes)、この状態取得部148は、所定値Th1以上である周波数を一つ特定する。測定部12で取得された測定信号を取得し(S14)、この特定した周波数における周波数成分信号の強度値を時系列に積算する処理を開始する(S15)。続いて、この状態取得部148は、所定値Th1以上を超えた時間以降の測定信号を測定部12から取得しつつ、この時間以降の周波数成分信号の強度値を時系列に積算する。
次に、この状態取得部148は、この積算値が所定値Th2以上であるか否かを判断する(S16)。すなわち、この積算値が所定値Th2未満であれば(S16−No)、上述したS14からの処理を繰り返す。
一方、この積算値が所定値Th2以上である場合(S16−Yes)、この状態取得部148は、測定対象である切削加工の状態が通常状態から異常状態に変化があることを示す状態情報を出力部150を介して制御部16に出力する。続いて、この状態取得部148は、この状態情報を出力する際に積算値を0にリセットする。
次に、制御部16は、この異常状態に変化があることを示す状態情報に基づいて、制御を行う(S17)。例えば、この制御部16は、この駆動部8に対して、このドリル2の回転速度を低減させたり、このドリル2の回転を停止したり、加工対象から離す方向であるZ方向にこのドリル2を移動させたりする動作制御を行う。続いて、制御部16は、処理を停止するか否かをドリル2に対する制御状態に基づき判断する(S18)。すなわち、ドリルを停止する制御であれば(S18−Yes)このステップS18により、本実施形態に係る切削加工用異常検出装置18における処理を完了する。一方、ドリルを継続して使用する制御であれば(S18−No)再び、上述したステップS10からの処理を開始する。
このように、図5の処理では、周波数成分信号の強度に基づく尖り度がしきい値以上の周波数を特定することで、特定した周波数の周波数成分信号の強度の積算を開始する。このため、異常状態の前兆が発生した周波数成分信号の強度値を選択的に積算することができる。これにより、図5の処理では、積算に用いる周波数成分信号を選択しない場合と比較して、測定対象の状態情報を取得するために用いる周波数成分信号のS/N比をあげることができ、結果として、より高い精度で測定対象の状態を解析することができる。
なお、図5の処理では、この状態取得部148が用いる積算値のしきい値である所定値Th2は、実験により予め取得しておく。例えば、後述の図6及び図7に例示するように、特定された周波数の周波数成分信号の強度の変化は類似する傾向を示すので、従来では困難であったしきい値の設定精度の向上も可能である。
このように、従来のように特定周波数を予め固定して運用する場合や、全周波数の周波数成分信号の強度を積算した場合と比べて、特定された周波数の周波数成分信号の強度値を選択して信号処理に用いることができるので、測定対象の状態情報を取得するために用いる周波数成分信号はこれらの従来方法と比較してS/N比を高くできる。また、このS/N比が高くなることで、切削プロセス等における多様な異常モードへの遷移を計測することができる。さらにまた、図5の処理では、異常が発生する前に、状態情報に基づいて駆動部8の動作制御を行うので、加工対象の破損を防ぐことができる。
次に、図6に基づいて図5の処理で得られた処理結果の一例を説明する。図6は、異常が発生する前の前兆部分の状態の一例を示す図である。図6(a)は、処理部144で算出した周波数成分信号の一例を示している。この図6(a)の横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。色の濃淡が周波数成分信号の強度値を示している。
図6(b)は、算出部146で算出した尖り度の一例を示している。この図6(b)の横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。色の濃淡が尖り度の値を示している。
また、図6(c)は、状態取得部148が特定した周波数における周波数成分信号の強度の時系列変化の一例を示している。この図6(c)の横軸は時間を示しており、縦軸は、周波数成分信号の強度値を示している。
また、図6(d)は、状態取得部148が特定した周波数における尖り度の値の時系列変化の一例を示している。この図6(d)の横軸は時間を示しており、縦軸は尖り度の値を示している。
そして、図6(c)で示すように、状態取得部148が特定した周波数における周波数成分信号の強度値に異常が発生する前に増加していることを示している。さらに、図6(d)で示すように、この算出部146で算出した尖り度は、周波数成分信号の強度値が変動する前に、通常時よりも大きな尖り度の値を示している。このように、低周波領域に高い尖り度の値が得られている。この尖り度がピークを示した時刻以降の周波数成分信号の強度値は、増加傾向を示している。
次に、図7に基づいて図5の処理で得られた処理結果の一例を説明する。図7は、異常が発生する前の前兆部分の状態の一例を示す図である。図7(a)は、ドリル2のかじり異常が発生する前の周波数成分信号の一例を示している。図7(b)は、ドリル2のかじり異常が発生する前の尖り度の一例を示している。図7(c)は、ドリル欠け異常が発生する前の周波数成分信号の一例を示している。図7(d)は、ドリル欠け異常が発生する前の尖り度の一例を示している。各図の横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示している。
これら図7の各図で示すように、ドリルかじり異常、及びドリル欠け異常のいずれの場合においても、算出部146で算出した尖り度は、周波数成分信号の強度値が変動する前に、通常時よりも大きな尖り度の値を示している。また、状態取得部148が特定した周波数における周波数成分信号の強度値が、ドリルが強制停止する前に増加していることを示している。なお、図7では、参考のために強制停止されるまでのデータを提示しているが、本実施の形態に係る状態取得部148は、強制停止する前に、通常状態から異常状態に変化があることを示す状態情報を出力部150を介して制御部16に出力している。
これら図6、及び図7に示すように、特定した周波数における周波数成分信号は類似した傾向を示している。すなわち、周波数成分信号の強度値は尖り度に基づいて特定された後に増加する傾向を示している。このように、事前のデータベース等がない状態からでも、尖り度の算出によってリアルタイムに、異常前に前兆を示す周波数成分信号の周波数を特定できる。また、異常状態の予兆を示す周波数成分信号を特定することで、特定しない場合に対して状態情報を取得するために用いる周波数成分信号のS/N比がよくなる。
以上のように本実施形態に係る信号処理方法によれば、算出部146が算出した尖り度の値が所定値以上となった周波数を状態取得部148が特定し、この特定された周波数における周波数成分信号の強度値の時系列変化に基づき測定対象の状態情報を状態取得部148が取得することとした。このため、測定対象の状態情報を取得するために用いる周波数成分信号のS/N比の低下を抑制できる。これにより、測定対象の状態情報をより精度よく取得することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る信号処理方法は、周波数成分信号に基づく尖り度の値が所定値を超えた全ての周波数を特定し、この特定された周波数それぞれの周波数成分信号を用いて測定対象の状態情報を取得することにより、特定の一つ周波数成分信号を用いることによるばらつきの影響を回避し、より高い精度で測定対象の状態を把握しようとしたものである。以下、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。
第2実施形態に係る信号処理方法は、周波数成分信号に基づく尖り度の値が所定値を超えた全ての周波数を特定し、この特定された周波数それぞれの周波数成分信号を用いて測定対象の状態情報を取得することにより、特定の一つ周波数成分信号を用いることによるばらつきの影響を回避し、より高い精度で測定対象の状態を把握しようとしたものである。以下、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。
次に、図1及び図2を参照しつつ、図8に基づいて本実施形に係る切削加工用異常検出装置18の信号処理の流れについて説明する。図8は、本実施形態に係る切削加工用異常検出装置18で実行される信号処理の一例を説明するフローチャートである。
この図8に示すように、算出部146は、異なる複数の周波数それぞれに対して得られた複数の尖り度に対してフィルタリング処理を行う(S20)。すなわち、算出部146は、取得時間が対応する複数の尖り度に対してフィルタリング処理を行う。これにより尖り度のノイズを低減してノイズ等で周波数が特定されることを回避する。
次に、この状態取得部148は、フィルタリング処理された尖り度の値が所定値Th3以上であるか否かを判断する(S21)。すなわち、それぞれの周波数に対応する尖り度の値がいずれも所定値Th1未満であれば(S21−No)、上述したS10からの処理を繰り返す。
一方、それぞれの周波数に対応する尖り度の値が所定値Th3以上である場合(S21−Yes)、この状態取得部148は、所定値Th3以上となった周波数を特定する。測定部12で取得された測定信号を取得し(S22)、この特定した全ての周波数における周波数成分信号のしきい値処理を行う(S23)。すなわち、この状態取得部148は、周波数成分信号の強度値が予め定めたしきい値未満の場合に周波数成分信号の強度値を0とする。なお、本実施形態では、このしきい値以上の周波数成分信号の強度値が有効エネルギ(Effective energy)を構成している。
次に、この状態取得部148は、このしきい値以上の周波数成分信号の強度値に対して積算を行う(S24)。続いて、この状態取得部148は、所定値Th3以上の周波数成分信号の強度値をまとめて一つの積算値と積算するものである。
次に、この状態取得部148は、この積算値が所定値Th4以上であるか否かを判断する(S25)。すなわち、この積算値が所定値Th4未満であれば(S25−No)、上述したS22からの処理を繰り返す。
一方、この積算値が所定値Th4以上である場合(S25−Yes)、この状態取得部148は、測定対象である切削加工の状態が通常状態から異常状態に変化があることを示す状態情報を出力部150を介して制御部16に出力する。
このように、この図8の処理では、尖り度にフィルタリング処理を行い、フィルタリング処理後の尖り度の値が所定値を超えた周波数を全て特定し、この特定した周波数それぞれの周波数成分信号の強度値を時系列に積算するものである。これにより、この図8の処理では、ノイズなどで突発的に大きくなった尖り度の影響を低減できる。また、この特定した周波数それぞれの周波数成分信号の強度値を時系列に積算した積算値を計算するので、特定の一つの周波数における周波数成分信号の強度値だけを用いる場合よりも、特定の一つ周波数成分信号の強度値の変動の影響を低減できる。
また、この図8の処理では、周波数成分信号の強度値に対してしきい値処理を行い、しきい値以上の周波数成分信号の強度値に対して積算を行うので、さらにノイズの影響を低減できる。このため、さらに測定対象の状態情報を取得するために用いる周波数成分信号のS/N比をより増加できる。
次に、図9に基づいて図8の処理で得られた処理結果の一例を説明する。図9は、異常が発生する前の前兆部分の状態の一例を示す図である。この図9中の一番上の図は、振動信号の一例を示している。横軸は時間を示し、縦軸は振動信号の値を示している。
また、この図9中の上から2番目と3番目の図は、周波数成分信号の一例を示している。横軸は時間を示し、縦軸は周波数成分信号の強度値を示している。この2番目とこの3番目の図中のデータは処理サンプリング数が異なる。すなわち、短時間フーリエ変換処理の時間範囲が相違する。この2番目の方の時間範囲がこの3番目に対して四分の一である。短時間フーリエ変換処理のサンプリング点数が大きい場合は周波数分解能が高く、小さい場合は時間分解能が高くなり両者はトレードオフの関係にある。
次に、図10に基づいて図8の処理で得られた処理結果の一例を説明する。図10は、異常が発生する前の前兆部分の状態の一例を示す図である。この図10中の(a)列、(b)列、(c)列、(d)列のそれぞれは、測定した時間範囲を示しており、図9の時系列信号の一部を部分的に拡大したものである。
また、この図10中の一番上の行の図は、振動信号の一例を示している。横軸は時間を示し、縦軸は振動信号の値を示している。
また、この図10中の上から2番目と3番目の行の図は、周波数成分信号の一例を示している。横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示している。短時間フーリエ変換処理を行った際のサンプリング点数が異なっている。
また、この図10中の上から4番目の行の図は、尖り度の一例を示している。横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示している。また、この図10中の上から5番目の行の図は、状態取得部148が周波数成分信号の値をしきい値処理した結果を示している。横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示している。
また、この図10中の上から6番目の行の図は、しきい値処理した周波数成分信号の強度値を、状態取得部148が特定した周波数について積算した結果を示している。周波数成分信号の強度値に対して、低周波成分がより強調されていることを示している。
なお、本実施形態に係る状態取得部148は、しきい値処理した周波数成分信号の強度値をまとめて積算している。
次に、図11に基づいて図8の処理で得られた処理結果の一例を説明する。図11は、異常が発生する前の前兆部分の状態の一例を示す図である。この図11の上から一番目の行の図は、尖り度の一例を示している。横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示している。この図11の上から一番目の図中の(A)〜(F)で示される時間範囲の振動信号が、この図11中の(A)〜(F)で示されている。横軸は時間を示し、縦軸は振動信号の値を示している。しきい値処理した周波数成分信号の強度値が蓄積される部分の詳細な時系列信号を抜き出して表示している。
次に、図12に基づいて図8の処理で得られた処理結果の一例を説明する。図12は、処理結果の一例を示している。この図12の各図において、横軸は時間を示し、縦軸は、積算値を示している。
この図12の上から一番目の行の図は、対比実験として行った従来手法であるPOA(Partial overall)法により得られた周波数成分信号の強度値の積算値を示している。この図12の一番目の行の段の図においては、周波数が0−200HZ範囲の周波数成分信号の強度値を積算したデータと、周波数が400−600HZを積算したデータと、周波数が800−1000HZを積算したデータと、を例示している。
一方、上から二番目の行のデータは、本実施形態に係る状態取得部148が積算した周波数成分信号の強度値の積算値を示している。例えば、上から二番目の行のデータの右側の図は、時刻625(sec)からの急激なエネルギ増加に対応する異常の兆候を正確に捉えていることを示している。このように、尖り度を用いて周波数を特定することで、対比実験において事後に人が選択した周波数帯域(0−200HZ)の周波数成分信号の強度値の積算と同等以上の精度で異常の兆候を正確に捉えている。
以上のように、本実施形態に係る信号処理方法によれば、算出部146が算出した尖り度の値が所定値以上となった周波数を全て状態取得部148が特定し、この特定した周波数それぞれの周波数成分信号の強度値を時系列に積算した積算値が予め定めた値以上となった場合に、測定対象の状態に変化があることを示す状態情報を状態取得部148が取得することとした。このため、特定の一つ周波数成分信号の強度値だけを用いることによる状態情報の取得に対するばらつきの影響を低減できる。これにより、測定対象の状態情報をさらに精度よく取得することができる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
1:加工装置、2:ドリル、8:駆動部、12:測定部、14:信号処理部、16:制御部、18:切削加工用異常検出装置、142:入力部、144:処理部、146:算出部、148:状態取得部、150:出力部
Claims (10)
- 測定部から振動信号を時系列に取得し、
取得した振動信号に含まれる周波数成分を時系列に周波数成分信号として算出し、
前記周波数成分における複数の周波数について、その強度値に応じた尖り度を前記周波数成分信号に基づいて時系列に算出し、
前記尖り度の値が所定値以上となった周波数を特定し、当該特定された周波数における前記周波数成分信号の強度値の時系列変化に基づき、前記測定部における測定対象の状態情報を取得する、
ことを備えることを特徴とする信号処理方法。 - 前記尖り度の値が所定値以上となった周波数を一つ特定し、この特定した周波数の周波数成分信号の強度値を時系列に積算した積算値が予め定めた値以上となった場合に、前記測定対象の状態に変化があることを示す前記状態情報を取得する請求項1に記載の信号処理方法。
- 前記尖り度の値が所定値以上となった周波数を全て特定し、この特定した周波数それぞれの周波数成分信号の強度値を時系列に積算した積算値が予め定めた値以上となった場合に、前記測定対象の状態に変化があることを示す前記状態情報を取得する請求項1に記載の信号処理方法。
- 前記周波数成分信号の強度値に対してしきい値処理を行い、前記しきい値以上の前記周波数成分信号の強度値に対して前記積算を行う請求項3に記載の信号処理方法。
- 前記尖り度の値は、異なる複数の周波数それぞれに対して得られた複数の尖り度であって、取得時間が対応する前記複数の尖り度に対してフィルタリング処理を行った後の値である請求項3又は4に記載の信号処理方法。
- 前記積算値が予め定めた値以上となった場合に、前記測定対象の状態が通常状態から異常状態に変化があることを示す前記状態情報を取得する請求項2乃至5のいずれか一項に記載の信号処理方法。
- 前記測定対象は切削加工を行う加工装置であって、前記取得した状態情報に応じて前記加工装置の制御を行う請求項1乃至6のいずれか一項に記載の信号処理方法。
- 前記周波数成分信号の強度値は、当該周波数成分の振幅の二乗に基づく値である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の信号処理方法。
- 測定部から取得した振動信号に含まれる周波数成分を時系列に周波数成分信号として算出処理を行う処理部と、
前記周波数成分における複数の周波数について、その強度値に応じた尖り度を前記周波数成分信号に基づいて時系列に算出する算出部と、
前記尖り度の値が所定値以上となった周波数を特定し、当該特定された周波数における前記周波数成分信号の強度値の時系列変化に基づき、前記測定部における測定対象の状態情報を取得する状態取得部と、
を備えることを特徴とする信号処理装置。 - 切削加工の振動に関する振動信号を時系列に得る測定部と、
測定部から取得した振動信号に含まれる周波数成分を時系列に周波数成分信号として算出処理を行う処理部と、
前記周波数成分における複数の周波数について、その強度値に応じた尖り度を前記周波数成分信号に基づいて時系列に算出する算出部と、
前記尖り度の値が所定値以上となった周波数を特定し、当該特定された周波数における前記周波数成分信号の強度値の時系列変化に基づき、前記測定部における測定対象の状態情報を取得する状態取得部と、
前記状態情報に基づいて前記切削加工に用いられる駆動部の制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする切削加工用異常検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015079329A JP2016200451A (ja) | 2015-04-08 | 2015-04-08 | 信号処理方法、信号処理装置、及び切削加工用異常検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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-
2015
- 2015-04-08 JP JP2015079329A patent/JP2016200451A/ja active Pending
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