JP2016136460A - ワイヤハーネス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワイヤハーネス9は、一部又は全部が棒状導電路19にて構成される導電路16を含む。棒状導電路19は、導電性を有する棒状導体22と、この棒状導体22を覆う絶縁性の絶縁体23とを備えて構成される。棒状導体22は、穴Hの空いた断面形状になる中空形状に形成される。また、棒状導体22は、この断面形状における外形形状及び穴Hの形状が同じ形状になるように、又は、異なる形状になるように形成される。棒状導体22は、中空形状であることから折れ難く、また、撓み難くもなる。
【選択図】図3
Description
図1(a)において、引用符号1はハイブリッド自動車を示す。ハイブリッド自動車1は、エンジン2及びモータユニット3の二つの動力をミックスして駆動する車両であって、モータユニット3にはインバータユニット4を介してバッテリー5(電池パック)からの電力が供給される。エンジン2、モータユニット3、及びインバータユニット4は、本実施例において前輪等がある位置のエンジンルーム6に搭載される。また、バッテリー5は、後輪等がある自動車後部7に搭載される(エンジンルーム6の後方に存在する自動車室内に搭載してもよい)。
車両床下11を通って配索される長尺なワイヤハーネス9は、ハーネス本体15と、このハーネス本体15の両端、すなわちハーネス端末13にそれぞれ配設されるシールドコネクタ14とを備えて構成される。また、ワイヤハーネス9は、所定位置に配索するための図示しない複数の固定部材(例えばクランプ等)と、図示しない止水部材(例えばグロメット等)とを備えて構成される。
図2において、ハーネス本体15は、複数本(本実施例では二本。本数は一例であるものとする)の導電路16と、この複数本の導電路16を一括して覆うシールド部材17と、シールド部材17の外側に設けられる保護部材18とを備えて構成される。ハーネス本体15は、導電路16の構成と、この構成の配置とに特徴がある。
図2及び図3において、導電路16は、棒状導電路19と、柔軟形状導電路20と、導電路接続部21とを含んで構成される。導電路16は、形状保持機能を持たせたい箇所に棒状導電路19が配設される。また、導電路16は、外部の電気的接続相手との接続を行いたい側に柔軟形状導電路20が配設される(ハーネス端末13の位置に柔軟形状導電路20が配設される)。尚、外部の電気的接続相手との接続に配慮しないのであれば、柔軟形状導電路20を用いずに棒状導電路19だけで導電路16を構成してもよいものとする。
棒状導電路19は、導電性の棒状導体22と、この棒状導体22を被覆する絶縁性の絶縁体23とを備えて構成される。棒状導電路19は、配索経路に沿った形状の保持に必要な長さを有して形成される。
棒状導体22は、銅や銅合金、或いはアルミニウムやアルミニウム合金により製造される。本実施例においては、安価且つ軽量であるというメリットを有するアルミニウム製のものが採用される(一例であるものとする)。導体構造に関して詳しく説明すると、棒状導体22は、穴Hの空いた断面になる中空形状のものに形成される。すなわち、棒状導体22は、断面における外形形状が円形で、穴Hの形状も円形になる中空形状のものに形成される(単なる丸棒ではない)。棒状導体22は、配索経路に沿った形状保持が可能な剛性を有するように上記外形形状と穴Hの形状が選定される(形状の組み合わせについては後述する)。棒状導体22の剛性は、多少の外力が加わったとしも塑性変形が維持されるような剛性であって、そのため柔軟形状導電路20の後述する導体24と比較すると硬いものになる。穴Hは、この中心が棒状導体22の中心軸と一致するように形成される。
図3ないし図5において、絶縁体23は、熱可塑性樹脂材料を用いて棒状導体22の外周面に押出成形することにより断面円形状や四角形状の被覆として形成される。絶縁体23は、所定の厚みを有して形成される。上記熱可塑性樹脂としては、公知の様々な種類のものが使用可能であり、例えばポリ塩化ビニル樹脂やポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの高分子材料から適宜選択される。
柔軟形状導電路20は、導電性の導体24と、この導体24を被覆する絶縁性の絶縁体25とを備えて構成される。柔軟形状導電路20は、少なくともシールドコネクタ14の接続作業をスムーズに行うために必要な長さを有して形成される。前端側のハーネス端末13の柔軟形状導電路20と、後端側のハーネス端末13の柔軟形状導電路20は、本実施例において異なる長さに形成される。
導体24は、銅や銅合金、或いはアルミニウムやアルミニウム合金により製造される。本実施例においては、安価且つ軽量であるというメリットを有するアルミニウム製のものが採用される(一例であるものとする)。導体24の導体構造に関しては、素線26を撚り合わせてなる導体構造(撚り線)が採用される。導体24は、この断面積が棒状導電路19の棒状導体22の断面積と合うように素線26の径や本数等が設定される。導体24は、棒状導電路19の棒状導体22よりも低い剛性で柔軟性を有するように形成される。導体24の柔軟性は、ハーネス端末13が柔らかくなる程度の柔軟性、別な言い方をすれば作業者への負荷が大きくならない程度の柔軟性であるものとする(更に好ましくは、振動が伝達されてもこれを吸収することができるような柔軟性、又は、振動により振れても十分に耐え得る柔軟性であるものとする)。
絶縁体25は、熱可塑性樹脂材料を用いて導体24の外周面に押出成形することにより断面円形状の被覆として形成される。絶縁体25は、所定の厚みを有して形成される。絶縁体25は、棒状導電路19の絶縁体23と同じ材料で同じ厚みに形成される。
図2に戻り、導電路接続部21は、棒状導電路19と柔軟形状導電路20とを接続する部分であって、このような導電路接続部21は外側に対し絶縁状態に形成される。以下、図6を参照しながら、導電路接続部21の内側の具体的な構造例を説明する(一例であるものとする)。
図2ないし図5において、シールド部材17は、ワイヤハーネス9に電磁シールド機能を持たせるために備えられる。シールド部材17は、導電路16を二本並べた状態でこれらを一括して覆うことができるような部材に形成される。シールド部材17は、導電性を有する編組又は金属箔からなる。本実施例においては、編組からなるものが採用される。シールド部材17としての編組は、極細の素線を編み込んでこれを筒状にすることにより形成される。
保護部材18は、ハーネス本体15を外部から保護するために備えられる。保護部材18は、熱収縮チューブや、熱可塑性樹脂材料を用いての押出成形、樹脂製のシート部材の巻き付けなどにより所定の厚みで形成される。保護部材18は、少なくとも外部に対する保護が必要な範囲に配置形成される。保護部材18は、図1(b)に示すような複雑に曲がった形状にしても破損等が生じない材質のものが採用される。
図2において、以上のようなハーネス本体15の端末(ハーネス端末13)にそれぞれ配設されるシールドコネクタ14は、導電性の図示しない端子金具と、絶縁性の図示しないハウジングと、導電性のシールドシェル32と、金属製の加締めリング33とを備えて構成される。
上記構成及び構造において、ハーネス本体15を製造した後、ハーネス本体15の端末(ハーネス端末13)でシールドコネクタ14の組み付けを行うと、ワイヤハーネス9の製造が完了する。尚、ワイヤハーネス9の製造工程において、図1(b)に示すような配索経路に沿った形状に曲げる工程は、シールドコネクタ14の組み付け前又は後のいずれであってもよいものとする。
以上、図1ないし図6を参照しながら説明してきたように、ワイヤハーネス9は、大部分が棒状導電路19にて構成される導電路16を含んでなり、棒状導電路19は、導電性を有する棒状導体22と、この棒状導体22を覆う絶縁性の絶縁体23とを備えて構成される。棒状導体22は、穴Hの空いた断面形状になる中空形状に形成される。また、棒状導体22は、この断面形状における外形形状及び穴Hの形状が同じ形状になるように、又は、異なる形状になるように形成される。棒状導体22は、中空形状であることから構造上、折れ難く、また、撓み難くもなる。従って、中空形状の棒状導体22を採用することにより、導電路16の剛性及び強度をアップさせて形状保持に係る性能向上に寄与することができるという効果を奏する。
図7及び図8において、ワイヤハーネス41は、ハーネス本体15と、このハーネス本体15の両端(ハーネス端末13)にそれぞれ配設されるシールドコネクタ14と、コルゲートチューブ42と、複数のクランプ43と、図示しないグロメットとを備えて構成される。
ハーネス本体15は、二本の導電路16と、この二本の導電路16を一括して覆うシールド部材17と、シールド部材17の外側に設けられる保護部材18とを備えて構成される(実施例2の場合、図2の保護部材18の設定は任意であるものとする)。導電路16は、棒状導電路19と、柔軟形状導電路20と、導電路接続部21(図2参照)とを含んで構成される。尚、棒状導電路19と柔軟形状導電路20の配置は実施例1と同じである。
以上、図7及び図8を参照しながら説明してきたように、実施例2も実施例1と同様の効果を奏することが分かる。
図9において、更に他の例となるワイヤハーネスは、複数本の導電路71を含んで構成される。本実施例3で説明する導電路71は、実施例1、2の導電路16(図2及び図3参照)を代替するものとして採用される(一例であり、例えば低圧用の導電路として採用してもよいものとする)。
形状保持対応導電路72は、実施例1、2の棒状導電路19を代替するものであって、複数に分割された分割棒状導電路74(74a〜74d)と、隣り合う分割棒状導電路74同士を繋ぐ複数の繋ぎ部材75(75a〜75c)と、分割棒状導電路74及び繋ぎ部材75の直接的な接続部分として設けられる導電路接続部76とを含んで構成される。
尚、実施例1、2では、保護部材18(図2参照)やコルゲートチューブ42(図7参照)が外装部材として採用されるが、これに限らないものとする。例えば、上記コルゲートチューブ42と樹脂製のプロテクタPとの組み合わせで採用したり、プロテクタPを単独で採用したりしてもよいものとする。例えば、曲げ等を行った後に、この曲げ形状を保持するためにプロテクタPを組み付けて対応してもよいものとする。プロテクタPの組み付け位置は、例えば図9で示す如く、繋ぎ部材75と、この近傍部分とを覆うような位置が一例として挙げられるものとする。プロテクタPは、飛び石や縁石等への乗り上げに対する補強部分としても有効である。
導電路71は、図10に示すように構成してもよいものとする。すなわち、形状保持対応導電路72のみの構成であってもよいものとする(分割棒状導電路74と、複数の繋ぎ部材75と、導電路接続部76と、コネクタ端子73とを備えて構成される)。
以上、図9及び図10を参照しながら説明してきたように、実施例3も実施例1と同様の効果を奏することが分かる。
Claims (2)
- 導電路の一部又は全部が棒状導電路にて構成され、該棒状導電路は、導電性を有する棒状の導体として形成される棒状導体と、該棒状導体を覆う絶縁性の絶縁体とを含み、前記棒状導体は、自身の剛性によって形状保持機能を有し、且つ、穴の空いた断面になる中空形状に形成される
ことを特徴とするワイヤハーネス。 - 請求項1に記載のワイヤハーネスにおいて、
前記棒状導体は、前記断面における外形形状及び穴形状が同じ形状に、又は、異なる形状に形成される
ことを特徴とするワイヤハーネス。
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