JP2016127605A - デジタルタイムスタンプ装置が作成するリアルタイムのタイムスタンプを検証するシステム及び方法 - Google Patents

Abstract

【課題】デジタルタイムスタンプ装置が作成するリアルタイムのタイムスタンプを検証するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】提供側２はデジタルタイムスタンプ装置１を用いてデジタルコンテンツ３にリアルタイム・デジタルタイムスタンプ３０を押し、デジタルコンテンツ所在場所を押印位置３２及びネットワークアドレス情報として記録する。デジタルコンテンツ３、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ３０、押印位置３２及びネットワークアドレス情報をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツ４として保存する。受取側は任意の側から信頼できるデジタルコンテンツ３を取得し、提供装置にアクセスして、信頼できるデジタルコンテンツ３が提供側２と同一のリアルタイム・デジタルタイムスタンプ３０、及び押印位置３２を有していること確認する。
【選択図】図１

Description

本発明はタイムスタンプの検証システム及び方法、特にデジタルタイムスタンプ装置が作成するリアルタイムのタイムスタンプを検証するシステム及び方法に関するものである。

これまで、紙媒体文書の署名または押印を、当事者が署名または押印したものであると客観的に証明し、紙媒体文書が作成された時刻を証明するためには、通常、第三者認証（例：裁判所の公証機構、または弁護士による公証）により、紙媒体が作成された時刻、及び署名または押印の真実性を確定している。

最近は、PCなど、情報処理装置によって作成された各種の電子文書を使用する状況が増え、第三者電子検証機構に対し、作成されたデジタルデータの作成時間と内容の証明を依頼する需要が増えつつある。

前記の問題に基づき、第三者電子検証機構が電子検証サービスを実現するための技術が次々と公開されている。さまざまな電子認証サービスは、電子文書が否認できないものであることを証明することにほかならず、その手法の例として、電子文書の提供側に対し、電子文書に電子印鑑を押すよう求める、または、電子署名した電子文書に、信頼できるデジタルタイムスタンプ（Timestamp）を押す、というのがある。デジタルタイムスタンプ処理は、電子文書に信頼できる日付と時間を押したものである。このような手法は、電子商取引で幅広く応用されている。

中国特許番号CN103281292Aにおける従来の技術の部分によると、デジタルタイムスタンプ応用例には以下のようなものがある。
ネットオークション、価格入札順序の正確さの確保
電子投票、所定の時間内に投票してもらう
出版、文書ファイルが所定の時間に出版されたことの証明
ネット上のギャンブル、イベント発生前にベットを終える、及び、
デジタル著作権管理、あるコンテンツが許諾されたときのみに使用されていることを確実にする

以上の応用例において共同して取り組むべき問題は、デジタルタイムスタンプを押す際、機器の時計が刻む時間の一致性の問題であり、デジタルタイムスタンプの機器が刻む時刻は検証されるべき意義をもつ。電子文書提供側がデジタルタイムスタンプを押した際に、単に機器が刻む時刻を記録するだけならば、機器が刻む時刻は容易に改竄できるため、その時刻の正確さと安全性を証明することはできない。また、電子文書や電子商取引で、多くの人がデジタルタイムスタンプを押す必要がある場合、提供装置が押したデジタルタイムスタンプは、機器が刻む時刻にばらつきがあり、機器どうしで時間のずれもあり、デジタルタイムスタンプにおける時刻の正確さを検証するのは、かなり困難をともなう。

前記の機器が刻む時間におけるさまざまな差異性に対して、現行の技術は、機器が刻む時間に関する多種多様な解決方法を提供しており、たとえばネットワーク・タイム・プロトコル（Network Time Protocol、略称：NTP）は、イベントに対して信頼できる時刻を提供するためのプロトコルである。これは、多数のクライアントがイベントの同期性やイベントの時間差を確認することができる。しかし、証明したり、時間表示（time indication）を提供する能力は持ち合わせていない。

「信頼できるタイムスタンプ」（Trusted timestamping）に関するウィキペディア（Wikipedia）のページ（http://en.wikipedia.org/wiki/Trusted_timestamping）には、タイムスタンプ処理機構によるさまざまな解決案が述べられている。これらはいずれも、タイムスタンプを提供する、信頼できる検証機構に依存している。

このページの図によると、提供側が電子文書をハッシュ計算（Calculate hash）して作成した提供側ハッシュデータを、第三者電子検証機構（Trusted third party、略称：TTP）に送信する。これを受信した第三者電子検証機構は、提供側ハッシュデータにデジタルタイムスタンプを付与してハッシュ処理（Calculate hash）した検証側ハッシュデータを作成し、この検証側ハッシュデータにプライベートキーを加えて暗号化して暗号化タイムスタンプとした後、暗号化タイムスタンプデータとデジタルタイムスタンプを一緒に提供側に送信し、提供側は電子文書、暗号化タイムスタンプデータ及びデジタルタイムスタンプのセットを、信頼できるタイムスタンプ処理した電子文書として保存する。

信頼できるタイムスタンプ処理した電子文書を取得した受取側が、信頼できるタイムスタンプ処理した電子文書の真実性を証明したいとき、電子文書に対して提供側と同じハッシュ処置（Calculate hash）をして受取側ハッシュデータを作成し、受取側ハッシュデータはデジタルタイムスタンプとともに、第三者電子検証機構と同じハッシュ処理（Calculate hash）を施されて比較対照待ちハッシュデータが作成される。その一方で、暗号化タイムスタンプをパブリックキーを用いて解読して検証側ハッシュデータを得てから、比較対照待ちハッシュデータと検証側ハッシュデータを比較する。もし両者が同一ならば、検証に合格し、受取側が取得した、信頼できるタイムスタンプ処理した電子文書の真実性が証明されたことになる。もしそうでなければ、受取側取得した、信頼できるタイムスタンプ処理した電子文書には問題があることになる。

しかし、これによると、現行の電子文書タイムスタンプ処理技術には欠点がある。信頼できる第三者電子検証機構が信頼できる時刻を提供し、タイムスタンプ処理して、これを検証しなければならず、しかも、第三者電子検証機構が特定のハッシュ処理と検証作業（例：パブリックキー暗号基盤Public Key Infrastructure、略称PKI）を提供しなければならず、これが電子文書にデジタルタイムスタンプを押す技術をやたら複雑にしている。さらには、第三者電子検証機構がその秘密保持機能を喪失し（たとえば、ハッカー攻撃、バックドアによるデータ盗用）、その秘密性と検証機能の効果を失うと、検証の体制そのものの信用問題、信頼性の問題が出てくるだろう。

よって、電子文書にデジタルタイムスタンプを押し、デジタルタイムスタンプを検証するに当たり、簡単で、安全で、正確なシステム及び方法の考案は、一刻も早く解決すべき問題である。

第三者電子検証機構が電子文書を検証するときの信用、信頼性の問題を踏まえ、本発明においては、提供側がデジタルタイムスタンプ装置を用いてデジタルタイムスタンプを電子文書に押し、第三者によるハッシュ処理や検証処理を経ることなく、受取側に直接送信できるようにすることを目的とすると同時に、受取側が提供側の電子文書を受け取った後、受取側が提供側から検証データを取得し、比較対照して電子文書の真実性を確認し、第三者の検証データを用いることなく電子文書の真実性を比較対照して確認できるようにすることを、もうひとつの目的とする。

本発明の目的に基づき、デジタルタイムスタンプ装置を用いて、デジタルコンテンツにリアルタイムのタイムスタンプを押すシステムを提供する。これは、デジタルタイムスタンプ装置及び提供側によって構成されている。デジタルタイムスタンプ装置は、機器がリアルタイムで刻んだ時間を提供し、この機器がリアルタイムで刻んだ時間は、デジタルタイムスタンプ装置が表示可能な最小単位の時刻で表示される。提供装置はデジタルタイムスタンプ装置を用いて、デジタルコンテンツにリアルタイム・デジタルタイムスタンプを押し、かつ、提供側はリアルタイム・デジタルタイムスタンプを押したデジタルコンテンツ所在場所を押印位置として記録するとともに、デジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、及び押印位置をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存する。

本発明の目的に基づき、デジタルタイムスタンプ装置を用いて、デジタルコンテンツにリアルタイムのタイムスタンプを押す方法を提供する。これはデジタルタイムスタンプ装置と提供側の間において適用されるもので、次の手順によって構成されている。提供装置はデジタルコンテンツを提供し、デジタルコンテンツの特定場所にタイムスタンプを押すよう、「押印リクエスト」をデジタルタイムスタンプ装置に提起し、提供側はリアルタイムのデジタルタイムスタンプを押したデジタルコンテンツ所在場所を押印位置として記録するとともに、デジタルコンテンツ、リアルタイムデジタルタイムスタンプ、及び押印位置をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存する。

本発明のもうひとつの目的に基づき、デジタルタイムスタンプ装置を通してリアルタイムのタイムスタンプを作成するシステムを提供する。これは、デジタルタイムスタンプ装置、提供側、受取側によって構成されている。提供側はデジタルタイムスタンプ装置を通してリアルタイムのデジタルタイムスタンプを提供すると同時に、リアルタイムのデジタルタイムスタンプを押したデジタルコンテンツ所在場所を押印位置及びネットワークアドレス情報として記録するとともに、デジタルコンテンツ、リアルタイムデジタルタイムスタンプ、押印位置及びネットワークアドレス情報をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存する。任意の側から信頼できるデジタルコンテンツを取得した受取側は、信頼できるデジタルコンテンツから、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置、及びネットワークアドレス情報を得て、ネットワークアドレス情報に基づきネット経由で提供側にアクセスし、提供側に同一の信頼できるデジタルコンテンツがあるか確認し、提供側が同一の信頼できるデジタルコンテンツを有していると受取側が確認できたとき、提供側の信頼できるデジタルコンテンツが同一のリアルタイム・デジタルタイムスタンプ及び押印位置を有していることを確認し、もし有していれば、受取側が受け取った信頼できるデジタルコンテンツが真実性を具備していると確定できる。

本発明のもうひとつの目的に基づき、デジタルタイムスタンプ装置を通してリアルタイムのタイムスタンプを作成する検証方法を提供する。これはデジタルタイムスタンプ装置、提供側、及び受取側の間における応用であり、この方法は以下の手順によって構成されている。提供装置はデジタルコンテンツを提供し、デジタルコンテンツの特定場所にタイムスタンプを押すよう、「押印リクエスト」をデジタルタイムスタンプ装置に提起し、デジタルタイムスタンプ装置は「押印リクエスト」に応答して、リアルタイムのデジタルタイムスタンプを提供装置に提供し、提供側はリアルタイムのデジタルタイムスタンプを押したデジタルコンテンツ所在場所を押印位置として記録するとともに、デジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置及びネットワークアドレス情報をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存する。任意の側から信頼できるデジタルコンテンツを取得した受取側は、「検証リクエスト」を出したとき、信頼できるデジタルコンテンツから、リアルタイムのデジタルタイムスタンプ、押印位置、及びネットワークアドレス情報を得て、ネットワークアドレス情報に基づきネット経由で提供側にアクセスし、提供側に同一の信頼できるデジタルコンテンツがあるか確認し、提供側が同一の信頼できるデジタルコンテンツを有していると受取側が確認できたとき、提供側の信頼できるデジタルコンテンツが同一のリアルタイムデジタルタイムスタンプ及び押印位置を有していることを確認し、もし有していれば、受取側が受け取った信頼できるデジタルコンテンツが真実性を具備していると確定できる。

本発明におけるリアルタイムのタイムスタンプ押印システム構造図 本発明において、デジタルコンテンツにリアルタイムのタイムスタンプを押す方法の作業流れ図 本発明の検証システム構造図 本発明の検証方法の作業流れ図

本発明の目的、技術面、及び特徴を明確化するため、以下、図と実施例を用いて本発明を詳細に解説する。ただし、ここで実施例を述べるのは本発明を説明するためであり、本発明に制限を加えるために用いられるべきではない。

図1に示すのは、本発明はデジタルタイムスタンプ装置を用いてデジタルコンテンツにリアルタイムのタイムスタンプを押すシステムであり、デジタルタイムスタンプ装置1及び提供側2によって構成されている。そのうち、デジタルタイムスタンプ装置1は、機器の時計が刻むリアルタイム時刻を提供し、この機器が刻むリアルタイム時刻10は、デジタルタイムスタンプ装置1が表示できる最小単位の時刻で表示され、一般的に、デジタルタイムスタンプ装置1が提供できる最小単位の時刻は、そこで使われているOS（Operating System、略称OS）またはOS関連のソフトウェア（アプリケーションプログラムともいう）のデータ処理ビット数と関係している。提供側2は、デジタルタイムスタンプ装置1を用いて、デジタルコンテンツ3にリアルタイム・デジタルタイムスタンプ30を押し、かつ、提供側はリアルタイム・デジタルタイムスタンプ30を押したデジタルコンテンツ所在場所を押印位置32として記録するとともに、デジタルコンテンツ3、リアルタイムデジタルタイムスタンプ30、及び押印位置32をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツ4として保存する。

本発明において、デジタルタイムスタンプ装置1はハードウェアでもソフトウェアでもよく、デジタルタイムスタンプ装置1は少なくとも、計時ユニット10、計時校正ユニット12、デジタルタイムスタンプ作成ユニット14によって構成されている。計時ユニット10は、計時した時刻を提供する。計時校正ユニット12は、計時ユニット10と国際標準時間側5とリンクしており、国際標準時間側5は国際標準時間を提供し、計時校正ユニット12は国際標準時間側5から国際標準時間を取得するとともに、時刻校正アルゴリズム（例：ネットワーク・タイム・プロトコル（Network Time Protocol、略称：NTP））を用いて、国際標準時間を基準時間として、計時ユニット10が計時する時刻を基準時間に同期させる。デジタルタイムスタンプ作成ユニット14は、計時ユニット10とリンクしており、デジタルタイムスタンプ作成ユニット14が起動されると、計時ユニット10が計時した時刻を用いて、機器が刻むリアルタイム時刻をデジタルコンテンツ3に提供して、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ30として押印位置に押印する。

本発明において、デジタルタイムスタンプ装置1の時刻校正アルゴリズムは、デジタルタイムスタンプ装置1が、国際標準時間側5から、異なるタイムゾーンに位置するデジタルタイムスタンプ装置1まで応答するときのタイムラグを確認後、国際標準時間側5の国際標準時間と応答タイムラグをもって国際標準時間を校正した時間を基準時間とする。

本発明において、デジタルタイムスタンプ装置1は、ウェアラブル電子デバイス、体内植え込み式計時デバイスといったハードウェアでもよく、ウェアラブル電子デバイスには、スマートウォッチ、スマートメガネ、スマートネックレスなどが考えられるが、人体と接触し、人体に付着するものは、いずれも本発明のいうウェアラブル電子装置とみなすことができる。また、提供側2は、PC、タブレット、マルチメディア動画再生装置、またはスマートフォンなど、ネット接続機能をもつ電子通信機器であり、デジタルタイムスタンプ装置1とは、PC、タブレット、マルチメディア動画再生装置、またはスマートフォンにインストールされるアプリケーションプログラムといったソフトウェアのことであり、従って提供装置2は、外部のデジタルタイムスタンプ装置1から機器が刻むリアルタイム時刻を提供できるし、或いは提供装置2に内蔵のデジタルタイムスタンプ装置1も機器が刻むリアルタイム時刻を提供できる。

本発明において、デジタルコンテンツの信用度をさらに向上させるため、提供側2はデジタルタイムスタンプ装置1を用いてデジタルコンテンツ3にリアルタイムのデジタルタイムスタンプを押すと当時に、提供側2の地理的位置を示す情報、たとえば全地球測位システム（Global Positioning System、略称GPS）が提供する経度緯度の座標を記録し、この地理的位置情報は、提供側またはデジタルタイムスタンプ装置によって提供される。これに関しては、提供側2のプライバシーを保護するため、周囲にある一個以上の提供側2またはデジタルタイムスタンプ装置1から地理的位置情報が提供され、地理的位置の情報ソースを注記しておく。

本発明において、信頼できるデジタルコンテンツ4を提供し、インターネットを通して遠隔地から検証できるようにするため、提供側2がデジタルタイムスタンプ装置1を用いてデジタルコンテンツ3にリアルタイム・デジタルタイムスタンプ30を押すとき、提供側2は、後で確認可能となるように、ネットワークアドレス情報、たとえば、IPアドレス（Internet Protocol Address、略称：IPアドレス）、ドメインネーム（Domain Name）、またはMACアドレス（Media Access Control Address、略称：MAC）を記録しておく。

本発明における、デジタルタイムスタンプ装置を用いてデジタルコンテンツにリアルタイムのタイムスタンプを押す方法が図2に示されている。この方法は、デジタルタイムスタンプ装置と提供側の間に適用され、以下の手順を含む。
（S201）提供側がデジタルコンテンツを提供する
（S202）提供側がデジタルタイムスタンプ装置に対し、デジタルコンテンツの特定位置にデジタルタイムスタンプを押す「押印リクエスト」を提起する
（S203）デジタルタイムスタンプ装置が「押印リクエスト」に応答し、リアルタイムのタイムスタンプを提供側に提供する
（S204）提供側は、デジタルタイムスタンプが押されたデジタルコンテンツの所在位置を押印位置として記録する
（S205）提供側は、デジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、及び押印位置をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存する

本発明において、提供側は、ネット接続機能をもつ電子通信機器、すなわち、PC、タブレット、マルチメディア動画再生装置、またはスマートフォンなどがあるが、この実施例においてはPCを例に説明を進める。デジタルコンテンツは、デジタル動画ファイル、デジタル音声ファイル、デジタル文書ファイルなどがあるが、この実施例においてはPDFファイル形式（Portable Document Format、略称PDF）のデジタル文書ファイルを例に説明を進める。デジタルタイムスタンプ装置はウェアラブル電子デバイス、体内植え込み式計時デバイスといったハードウェアで、ウェアラブル電子デバイスには、スマートウォッチ、スマートメガネなどがあるが、この実施例においてはスマートウォッチを例に説明を進める。この実施例において、ユーザーはPCを操作してPDFファイルを作成し、このとき、ユーザーはPC操作によりスマートウォッチに対して「押印リクエスト」を送信し、スマートウォッチはリアルタイム・デジタルタイムスタンプをPCに提供し、その後はPCがリアルタイム・デジタルタイムスタンプをPDF文書ファイルの押印位置に記録し、最後にPCが、デジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、及び押印位置をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存する。

図3に示すのは、本発明である、デジタルタイムスタンプ装置によって作成されたリアルタイムのタイムスタンプの検証システムであり、デジタルタイムスタンプ装置がデジタルコンテンツにリアルタイムのタイムスタンプを押すシステムと似ているが、両者で異なるのは、前者が受取側6を含む点、及び、提供側2は、デジタルタイムスタンプ装置1を用いてデジタルコンテンツ3にリアルタイム・デジタルタイムスタンプ30を押し、かつ、提供側2はリアルタイム・デジタルタイムスタンプ30を押したデジタルコンテンツ3所在場所を押印位置32及びネットワークアドレス情報34として記録するとともに、デジタルコンテンツ3、リアルタイムデジタルタイムスタンプ30、押印位置32、及びネットワークアドレス情報34をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツ4として保存する点である。受取側6は、任意の側7から信頼できるデジタルコンテンツ4を取得し、信頼できるデジタルコンテンツ4から、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ30、押印位置32、及びネットワークアドレス情報34を得て、ネットワークアドレス情報34に基づきネット経由で提供側2にアクセスし、提供側2に同一の信頼できるデジタルコンテンツ4があるか確認し、提供側2が同一の信頼できるデジタルコンテンツ4を有していると受取側6が確認できたとき、提供側2の信頼できるデジタルコンテンツ4が同一のリアルタイム・デジタルタイムスタンプ30及び押印位置32を有していることを確認し、もし有していれば、受取側6が受け取った信頼できるデジタルコンテンツ4が真実性を具備していると確定できる。

本発明において、提供側2がデジタルタイムスタンプ装置1を用いてデジタルコンテンツ3にリアルタイム・デジタルタイムスタンプ30を押し、かつ、提供側2は生物学的特徴の情報（提供側2のユーザーの声、指紋またはDNAなど）を記録し、デジタルコンテンツ3、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ30、押印位置32、ネットワークアドレス情報34、及び生物学的特徴の情報をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツ4として保存することで、信頼できるデジタルコンテンツ4の信用度（否認できないこと）を高めることができる、たとえば、盗用者は、提供側2のデジタルコンテンツ3、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ30、押印位置32、ネットワークアドレス情報34なら使用できるが、盗用者には提供側2の生物学的特徴の情報は持たないので、真実性を具備する、信頼できるデジタルコンテンツ4を製作することはできない。

本発明において、受取側6が受け取った、信頼できるデジタルコンテンツ4が真実性を具備していない場合、受取側6はネットワークアドレス情報34を利用して提供側2に対して警告メッセージを送信し、電子文書が盗用された、またはハッカー攻撃に遭ったことを提供側に知らせることができる。

本発明である、デジタルタイムスタンプ装置が作成したリアルタイムのタイムスタンプを検証する方法が図4に示されており、前記方法はデジタルタイムスタンプ装置、提供側、及び受取側の間に適用され、以下の手順を含む。
（S401）提供側がデジタルコンテンツを提供する。
（S402）提供側がデジタルタイムスタンプ装置に対し、デジタルコンテンツの特定位置にデジタルタイムスタンプを押す「押印リクエスト」を提起する。
（S403）デジタルタイムスタンプ装置が「押印リクエスト」に応答し、リアルタイムのタイムスタンプを提供側に提供する。
（S404）提供側は、デジタルタイムスタンプが押されたデジタルコンテンツの所在位置を押印位置として記録する。
（S405）提供側は、デジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置、及びネットワークアドレス情報をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存する。
（S406）受取側が任意の側から信頼できるデジタルコンテンツを取得する。
（S407）受取側が「検証リクエスト」を提起し、受取側は信頼できるデジタルコンテンツから、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置、及びネットワークアドレス情報を得る。
（S408）受取側はネットワークアドレス情報によりネット経由で提供側にアクセスする。
（S409）提供側が同一の信頼できるデジタルコンテンツを有しているか否か、受取側が確認し、有していれば（S410）に進み、有していなければ（S412）に進む。
（S410）提供側における信頼できるデジタルコンテンツが、同一のリアルタイム・デジタルタイムスタンプ及び押印位置を有しているか否か、受取側が確認し、有していれば（S411）に進み、有していなければ（S412）に進む。
（S411）受取側が受け取った信頼できるデジタルコンテンツの真実性が確定する。
（S412）受取側が受け取った信頼できるデジタルコンテンツが真実性を具備していないことが確定する。

本発明のもうひとつの実施例は、前述の実施例とほぼ同じだが、異なるのは受取側があるという点で、受取側はネット接続機能をもつ電子通信機器、すなわち、PC、タブレット、マルチメディア動画再生装置、またはスマートフォンなどがあるが、前記実施例においては、提供側はPCを例に説明を進め、受取側はスマートフォンを例に説明を進める。デジタルコンテンツは、PDFファイル形式（Portable Document Format、略称PDF）のデジタル文書ファイルを例に説明を進める。本実施例において、デジタルタイムスタンプ装置は、PCにインストールされたアプリケーションプログラムとして説明を進める。本実施例において、ユーザーはPCを操作してPDFファイルを作成し、このとき、ユーザーはPC操作によりPCのアプリケーションプログラムに対して「押印リクエスト」を送信し、PCのアプリケーションプログラムはリアルタイム・デジタルタイムスタンプをPCに提供し、その後はPCがリアルタイム・デジタルタイムスタンプを押したPDF文書ファイルの押印位置及びネットワークアドレス情報を記録し、最後にPCが、デジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置及びネットワークアドレス情報をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存する。その後、スマートフォンは、任意の側が提供するメモリーカード、または任意の側が送信してきた電子メールから信頼できるデジタルコンテンツを取得し、スマートフォンは信頼できるデジタルコンテンツから、PCのネットワークアドレス情報（IPアドレスなど）を得て、スマートフォンはネットワークアドレス情報に基づきネット経由でPCにアクセスしてから、スマートフォンはPCに同一の信頼できるデジタルコンテンツがあるか確認し、提供側が同一の信頼できるデジタルコンテンツを有しているとスマートフォンが確認でき、且つ、PCの信頼できるデジタルコンテンツが同一のリアルタイム・デジタルタイムスタンプ及び押印位置を有していることを確認できた場合、スマートフォンが受け取った信頼できるデジタルコンテンツが真実性を具備していると確定でき、同一の信頼できるデジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置のうち、いずれかひとつをPCが持ち合わせていなかった場合には、スマートフォンが受け取った信頼できるデジタルコンテンツは真実性を具備していないことになる。

以上を総合すると、本発明においてデジタルコンテンツから転換、保存された、信頼できるデジタルコンテンツは、第三者電子検証機構のいかなる処理も経る必要はなく、また、信頼できるコンテンツは第三者電子検証機構による真実性検証を実施する必要もなく、受取側と提供側の間で検証を行うだけで十分であり、本発明はデジタルコンテンツの真偽検証において、簡単で、安全で、正確なシステム及び方法を提供している。また、上述の実施例にもあるように、デジタルタイムスタンプ装置はPC内蔵OSが提供可能であり、また外部のスマートウォッチも提供可能であり、このほか、外部のデジタルタイムスタンプ装置は提供側（PC）内蔵のOSに刻まれる時刻と同期させることができる。

以上の詳細説明は本発明における実施例の具体的説明にとどまり、これをもって特許登録の範囲が限定されるべきではなく、本発明に係わる技能に精通した者が、本発明の趣旨に従って同等の効果を得た場合は、以下における本発明の特許登録の範囲内とする。本案は技術的思想の創作に属し、従来の物品に上述の機能や効果が付加されており、新規性、進歩性という発明特許の要件を満たしていると思われることから、ここに特許登録を出願する。

デジタルタイムスタンプ装置1
計時ユニット10
計時校正ユニット12
デジタルタイムスタンプ作成ユニット14
提供側2
デジタルコンテンツ3
リアルタイム・デジタルタイムスタンプ30
押印位置32
ネットワークアドレス情報34
信頼できるデジタルコンテンツ4
国際標準時間側5
受取側6
任意の側7

Claims (15)

1. 機器がリアルタイムで刻んだ時間を提供し、前記機器がリアルタイムで刻んだ時間は、デジタルタイムスタンプ装置が表示可能な最小単位の時刻で表示されるデジタルタイムスタンプ装置と、
   前記デジタルタイムスタンプ装置を用いて、デジタルコンテンツにリアルタイム・デジタルタイムスタンプを押し、かつリアルタイム・デジタルタイムスタンプを押した前記デジタルコンテンツ所在場所を押印位置として記録するとともに、前記デジタルコンテンツ、前記リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、及び前記押印位置をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存する提供装置と、
   を含むことを特徴とする、デジタルタイムスタンプ装置が作成するリアルタイムのタイムスタンプを検証するシステム。
2. 前記デジタルタイムスタンプ装置が、
   計時した時刻を出力する計時ユニットと、
   前記計時ユニットと、国際標準時間が提供される国際標準時間側とリンクしており、前記国際標準時間側から前記国際標準時間を取得するとともに、時刻校正アルゴリズムを用いて前記国際標準時間を基準時間にして、前記計時ユニットが計時する時刻を基準時間に同期させる計時校正ユニットと、
   前記計時ユニットとリンクしており、起動されると、前記計時ユニットのその時の前記計時時刻を、機器が刻むリアルタイム時刻として前記デジタルコンテンツの押印位置に押印するデジタルタイムスタンプ作成ユニットと、
   を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
3. 前記デジタルタイムスタンプ装置の計時校正ユニットの時刻校正アルゴリズムは、デジタルタイムスタンプ装置が、国際標準時間側から、異なるタイムゾーンに位置するデジタルタイムスタンプ装置まで応答するときのタイムラグを確認後、国際標準時間側の国際標準時間と応答タイムラグをもって国際標準時間を校正した時間を基準時間とすることを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
4. 前記デジタルタイムスタンプ装置は、ウェアラブル電子デバイス、体内植え込み式計時デバイスのいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
5. 前記デジタルタイムスタンプ装置は、PC、タブレット、マルチメディア動画再生装置、またはスマートフォンのうち、いずれかにインストールされたアプリケーションプログラムであることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
6. 前記提供側はデジタルタイムスタンプ装置を用いてデジタルコンテンツにリアルタイムのデジタルタイムスタンプを押すと当時に、提供側の地理的位置情報を記録し、デジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置、及び地理的位置情報をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
7. 前記地理的位置情報が、提供側またはデジタルタイムスタンプ装置によって提供されることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
8. 前記地理的位置情報が、周囲にある一個以上の提供側またはデジタルタイムスタンプ装置から提供され、地理的位置の情報ソースを注記され、デジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置、地理的位置情報、及び前記地理的位置の情報ソースをワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存することを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
9. 提供側がデジタルタイムスタンプ装置を用いてデジタルコンテンツにデジタルタイムスタンプを押し、かつ、提供側のネットワークアドレスを調べて記録することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
10. 提供側がデジタルタイムスタンプ装置を用いてデジタルコンテンツにリアルタイム・デジタルタイムスタンプを押し、かつ、提供側は生物学的特徴の情報を記録し、デジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置、ネットワークアドレス情報、及び生物学的特徴の情報をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存することを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
11. リアルタイムのタイムスタンプを検証する方法であって、
    デジタルタイムスタンプ装置と提供側の間に適用され、下記のステップ：
    提供側がデジタルコンテンツを提供する；
    提供側がデジタルタイムスタンプ装置に対し、デジタルコンテンツの特定位置にデジタルタイムスタンプを押す「押印リクエスト」を提起する；
    デジタルタイムスタンプ装置が「押印リクエスト」に応答し、リアルタイム・タイムスタンプを提供側に提供する；
    提供側は、デジタルタイムスタンプが押されたデジタルコンテンツの所在位置を押印位置として記録する；
    提供側は、デジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、及び押印位置をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存する；
    を含むことを特徴とする、デジタルタイムスタンプ装置が作成したリアルタイムのタイムスタンプを検証する方法。
12. 機器がリアルタイムで刻んだ時間を提供し、前記機器がリアルタイムで刻んだ時間は、デジタルタイムスタンプ装置が表示可能な最小単位の時刻で表示されるデジタルタイムスタンプ装置と、
    デジタルタイムスタンプ装置を通してリアルタイムのデジタルタイムスタンプを提供すると同時に、リアルタイムのデジタルタイムスタンプを押したデジタルコンテンツ所在場所を押印位置及びネットワークアドレス情報として記録するとともに、デジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置及びネットワークアドレス情報をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存する提供側と、
    任意の側から信頼できるデジタルコンテンツを取得し、信頼できるデジタルコンテンツから、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置、及びネットワークアドレス情報を得て、ネットワークアドレス情報に基づきネット経由で提供側にアクセスし、提供側が同一の信頼できるデジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ及び押印位置を有していることを確認し、受取側が受け取ったデジタルコンテンツと同一のデジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ及び押印位置を有していること確定することで、受取側が受け取った信頼できるデジタルコンテンツが真実性を具備していると確定する受取側と、
    を含むことを特徴とする、デジタルタイムスタンプ装置が作成したリアルタイムのタイムスタンプを検証するシステム。
13. リアルタイムのタイムスタンプを検証する方法であって、
    デジタルタイムスタンプ装置、提供側、及び受取側の間に適用され、下記のステップ：
    提供側がデジタルコンテンツを提供する；
    提供側がデジタルタイムスタンプ装置に対し、デジタルコンテンツの特定位置にデジタルタイムスタンプを押す「押印リクエスト」を提起する；
    デジタルタイムスタンプ装置が「押印リクエスト」に応答し、リアルタイムのタイムスタンプを提供側に提供する；
    提供側は、デジタルタイムスタンプが押されたデジタルコンテンツの所在位置を押印位置として記録するとともに、デジタルコンテンツ、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置、及びネットワークアドレス情報をワンセットにして、信頼できるデジタルコンテンツとして保存する；
    受取側が任意の側から、信頼できるデジタルコンテンツを取得する；
    受取側が「検証リクエスト」を提起し、受取側は信頼できるデジタルコンテンツから、リアルタイム・デジタルタイムスタンプ、押印位置、及びネットワークアドレス情報を得る；
    受取側はネットワークアドレス情報によりネット経由で提供側にアクセスする；
    提供側が同一の信頼できるデジタルコンテンツを有しているか否か、受取側が確認する；
    提供側が同一の信頼できるデジタルコンテンツを有しているか否か、受取側が確認する際、提供側における信頼できるデジタルコンテンツが、同一のリアルタイム・デジタルタイムスタンプ及び押印位置を有しているか否か、受取側が確認する；
    受取側が受け取った信頼できるデジタルコンテンツが、同一のリアルタイム・デジタルタイムスタンプ及び押印位置を有していることを確定することで、受取側が受け取った信頼できるデジタルコンテンツの真実性が確定する；
    を含むことを特徴とする、デジタルタイムスタンプ装置が作成したリアルタイムのタイムスタンプを検証する方法。
14. 提供側が同一の信頼できるデジタルコンテンツを有していないことを、受取側が提供側から確認することで、信頼できるデジタルコンテンツの非真実性が確定することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
15. 受取側が受け取った信頼できるデジタルコンテンツが、同一のリアルタイム・デジタルタイムスタンプ及び押印位置を有していないことが確定することで、受取側が受け取った信頼できるデジタルコンテンツの非真実性が確定することを特徴とする、請求項13に記載の方法。