JP2016196524A - コークス乾式消火設備の集塵方法及びコークス乾式消火設備の集塵装置 - Google Patents
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コークス乾式消火設備においては、赤熱コークスを冷却塔に装入する際に多量の粉塵及び排ガスが発生するため、従来から粉塵の集塵方法について種々検討されている。
これら特許文献2,3に記載された方法では、赤熱コークス装入時の粉塵を効率良く集塵することができるが、粉塵とともに吸引される排ガス中に可燃性ガスが存在した場合には、この可燃性ガスが集塵ダクト内で異常燃焼してしまうおそれがあった。
ここで、高温の排ガスを冷却する手段として、例えば特許文献5〜7には、高温のガスをミスト冷却する方法が提案されている。
さらに、特許文献7においては、転炉において溶銑を装入する際に、別系統の集塵装置を起動させて、粉塵の含有量が多い高温の排ガスを吸引するとともに、高温の排ガスを冷却水によって冷却することが開示されている。この場合、2系統の集塵装置を用いることから、設備が大掛かりとなり、初期コストが増大してしまうといった問題があった。
また、コークス原料のばらつきやコークス炉の操業条件によっては、コークス炉から窯出しされた赤熱コークスの中に未乾留コークスが存在し、この未乾留コークスの燃焼によって、粉塵の発生量や可燃性ガスの発生量が増加することがある。特に、老朽化したコークス炉においては、未乾留コークスが残存しやすく、粉塵の発生量や可燃性ガスの発生量が増加する傾向にあった。このような場合であっても、赤熱コークス装入時の粉塵を安定して集塵することが求められている。
この場合、前記散水用ノズルとして二流体ノズルを用い、エア流量QA(Nl/min)と散水量QW(Nl/min)との比QA/QWを100以上に設定することにより、噴霧した水が蒸発しやすくなり、排ガスを確実に冷却することができるとともに集塵フィルタ部における結露の発生を確実に抑制することができる。
この場合、前記集塵フードと前記集塵ダクトとの連結部から集塵方向下流側の前記集塵ダクトの中心部(集塵風速が速く、排ガスが淀みにくい領域)に向けてミスト散水しているので、集塵ダクト内の排ガスを確実に冷却することができる。
この場合、散水用ノズルの噴射角度が前記集塵ダクトの中心軸に対して10°以上30°以下の範囲内に設定されているので、集塵ダクト内を流れる排ガスに対して確実にミスト散水することができ、排ガスの冷却を行うことができる。
また、ノズル先端位置が前記集塵ダクトの内壁面から100mm以上離間するように、内壁面から突出して配置されているので、集塵ダクトの壁面における結露の発生を抑制することができる。
この場合、保護管によって散水用ノズルの劣化が抑制されることになり、散水用ノズルの寿命延長を図ることができる。
本実施形態であるコークス乾式消火設備1の集塵装置10は、コークス乾式消火設備1の冷却塔3の装入口から赤熱コークスを装入する際に発生する粉塵を排ガスとともに集塵するものである。なお、この排ガスには、可燃性ガスが含まれる。
本実施形態では、図2及び図3に示すように、集塵ダクト20は概略円筒状をなしており、円筒面の一部に上述の連結部17が形成されている。
また、集塵ダクト20の集塵方向F上流側端部には、図5及び図6に示すように、吊り下げ板方式の排出ゲート21が設けられている。なお、排出ゲート21の外側には、ガイド部22が設けられている。
この排出ゲート21は、図6に示すように、赤熱コークスの装入時に粉塵を集塵する際には、その空気圧によって閉止され(図6(a)参照)、赤熱コークス装入時以外は自由に開放される(図6(b)参照)構成とされている。
この散水用ノズル23は、連結部17から集塵方向F下流側の集塵ダクト20の中心に向けて散水するように配置されており、具体的には、噴射角度θ1が集塵ダクト20の中心軸Oに対して10°以上30°以下の範囲となるように設定されている。
この散水用ノズル23のうち、集塵ダクト20内に突出した部分には、例えば、ステンレス鋼等からなる保護管25が配設されている。
具体的には、散水制御部24は、赤熱コークス装入時に集塵ダクト20内にミスト散水し、集塵ダクト20内の排ガスの温度を、排ガスに含まれる可燃ガスの自己着火温度未満、かつ、集塵フィルタ部13での露点温度を超えるように、散水用ノズル23からの散水量を調整する構成とされている。
この洗浄用ノズル27は、図4及び図8に示すように、集塵ダクト20の集塵方向F下流側から集塵方向F上流側に向けて洗浄水を噴射するように配置されている。具体的には、洗浄用ノズル27は、集塵ダクト20の上部に配置され、その俯角θ2が40°以上70°以下の範囲内に設定されている。
そして、洗浄用ノズル27は、洗浄水の衝突位置が、集塵フード11と集塵ダクト20との連結部17の集塵方向F下流側領域となるように、位置調整されている。
赤熱コークスを、コークス乾式消火設備1の冷却塔3に装入するために、装入ホッパー5とともに、集塵フード11を装入口の上方に配置する。
ここで、赤熱コークス装入時においては、散水用ノズル23から集塵ダクト20内にミスト散水する。このとき、散水制御部24により、集塵ダクト20内の排ガスの温度を、排ガスに含まれる可燃ガスの自己着火温度未満、かつ、集塵方向F下流側に設けられた集塵フィルタ部13での露点温度を超えるように、散水用ノズル23からの散水量を調整する。
なお、二流体ノズルからなる散水用ノズル23においては、エア流量QA(Nl/min)と散水量QW(Nl/min)との比QA/QWを100以上とする。
そこで、本実施形態では、赤熱コークスの装入が終了し、次の赤熱コークス装入までの間に、集塵ダクト20内の堆積ダストを洗浄除去する。
ここで、洗浄用ノズル27から噴射される洗浄水量は、1回の赤熱コークスの装入時に発生する堆積ダスト量に対して、体積比で2倍以上10倍以下に設定されている。
また、赤熱コークス装入時において、排ガスの温度が集塵方向F下流側に配設された集塵フィルタ部13での露点温度を超えるように、散水用ノズル23からの散水量が調整されているので、集塵フィルタ部13における結露の発生を抑制できる。よって、赤熱コークス装入時において発生する粉塵を安定して集塵することができる。
さらに、本実施形態では、散水用ノズル23の噴射角度θ1が集塵ダクト20の中心軸Oに対して10°以上30°以下の範囲内に設定されているので、集塵ダクト20内を流れる排ガスに対して確実にミスト散水することができ、排ガスの冷却を効率的に行うことができる。
さらに、本実施形態では、この散水用ノズル23のうち、集塵ダクト20内に突出した部分には、例えば、ステンレス鋼等からなる保護管25が配設されているので、散水用ノズル23の劣化が抑制されることになり、散水用ノズル23の寿命延長を図ることができる。
ここで、本実施形態では、1回の赤熱コークスの装入時に発生する堆積ダスト量に対して、体積比で2倍以上10倍以下の洗浄水を洗浄用ノズル27から噴射するように、洗浄水の水量を設定しているので、前回の赤熱コークスの装入時に発生した堆積ダストを、次回の赤熱コークスの装入前に洗浄除去することができ、堆積ダストが蓄積されることを抑制でき、安定して集塵を行うことができる。
また、本実施形態では、洗浄用ノズル27を集塵ダクト20の上部に配置し、その俯角θ2を40°以上70°以下の範囲内に設定しているので、集塵ダクト20の底部に存在する堆積ダストに対して洗浄水を衝突させることができ、堆積ダストを効率的に洗浄することができる。
さらに、本実施形態では、洗浄用ノズル27として、噴角が10°以上30°以下の範囲内とされた扇状ノズルを用いているので、噴射された洗浄水が飛散することが抑制され、集塵ダクト20の底部に沿って洗浄水が流れるようになり、堆積ダストを効率的に洗浄することができる。
例えば、図1に示すコークス乾式消火設備に設けられた集塵装置として説明したが、これに限定されることはなく、他の構造のコークス乾式消火設備に適用したものであってもよい。
さらに、図4においては散水用ノズルを3つ配設したものが例示されているが、これに限定されることはなく、散水用ノズルの個数に限定はない。
同様に、洗浄用ノズルの個数についても特に限定はなく、洗浄用ノズルを配設していなくてもよい。
また、本実施形態では、集塵ダクトを円筒状に形成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、矩形筒状等の他の形状の集塵ダクトであってもよい。
10 コークス乾式消火設備の集塵装置
11 集塵フード
13 集塵フィルタ部
17 連結部
20 集塵ダクト
21 排出ゲート
23 散水用ノズル
24 散水制御部
25 保護管
27 洗浄用ノズル
Claims (6)
- 赤熱コークスの消火を行うコークス乾式消火設備において、前記赤熱コークスの装入時に発生する粉塵を排ガスとともに集塵するコークス乾式消火設備の集塵方法であって、
前記赤熱コークスの装入口に配設された集塵フードと、この集塵フードに連結された集塵ダクトと、この集塵ダクトの集塵方向下流側に配設された集塵フィルタ部と、前記集塵ダクト内にミスト散水する散水用ノズルと、を有し、
前記赤熱コークス装入時には、前記集塵ダクト内にミスト散水して、前記排ガスの温度を、前記集塵フィルタ部での露点温度を超え、かつ、前記排ガスに含まれる可燃ガスの自己着火温度未満に調整することを特徴とするコークス乾式消火設備の集塵方法。 - 前記散水用ノズルは、二流体ノズルとされ、前記散水用ノズルにおけるエア流量QA(Nl/min)と散水量QW(Nl/min)との比QA/QWを100以上とすることを特徴とする請求項1に記載のコークス乾式消火設備の集塵方法。
- 赤熱コークスの消火を行うコークス乾式消火設備において、前記赤熱コークスの装入時に発生する粉塵を集塵するコークス乾式消火設備の集塵装置であって、
前記赤熱コークスの装入口に配設された集塵フードと、この集塵フードに連結された集塵ダクトと、この集塵ダクトの集塵方向下流側に配設された集塵フィルタ部と、前記集塵ダクト内にミスト散水する散水用ノズルと、前記散水用ノズルの動作を制御する散水制御部と、を有し、
前記散水制御部は、前記赤熱コークス装入時に、前記散水用ノズルから前記集塵ダクト内にミスト散水し、前記排ガスの温度が、前記集塵フィルタ部での露点温度を超え、かつ、前記排ガスに含まれる可燃ガスの自己着火温度未満となるように、前記散水用ノズルからの散水量を調整することを特徴とするコークス乾式消火設備の集塵装置。 - 前記散水用ノズルは、前記集塵フードと前記集塵ダクトとの連結部から集塵方向下流側の前記集塵ダクトの中心部に向けて散水するように配置されていることを特徴とする請求項3に記載のコークス乾式消火設備の集塵装置。
- 前記散水用ノズルは、噴射角度が前記集塵ダクトの中心軸に対して10°以上30°以下の範囲となるように、かつ、ノズル先端位置が前記集塵ダクトの内壁面から100mm以上離間するように、配置されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のコークス乾式消火設備の集塵装置。
- 前記散水用ノズルには、保護管が配設されていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のコークス乾式消火設備の集塵装置。
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