JP2016183796A - 炉心管及びこれを用いた炉心耐火構造並びに誘導加熱炉 - Google Patents
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Abstract
Description
この誘導加熱炉の形態として、従来、セラミック製のスキッドレールを利用した誘導加熱炉(特許文献1及び特許文献2)や、水冷方式のスキッドレールを利用した誘導加熱炉(特許文献3参照)が、知られている。
更に、水冷方式のスキッドレールは、冷却水を流通させるための内部空隙を要し、レール本体として太径の金属パイプが利用される。更に、上記特許文献3の図1及び図3に示されるように、スキッドレールの本体以外に付随した周辺機材を炉内に配する必要もあり、被加熱部材の大きさに対して炉が大きくなる。その結果、ライニングの外周に位置された誘導加熱コイルから被加熱部材までの距離が遠くなり、加熱効率が悪くなるという点でも省エネルギー化を進めるうえで不利である。
一方、上記特許文献2にも、上記特許文献1と同様に、誘導加熱コイル内周に不定形キャスタブルを打設したライニングが開示されている。この特許文献2の誘導加熱炉では、ライニングの底部材のみ、予め焼成されたセラミック体を用いることが示されている。そして、この底部材はコイル内に設置のうえ、中子(芯材)を配置し、中子とコイルとの間隙を不定形キャスタブルで埋め、その後、中子を取り去り不定形キャスタブルを乾燥させてライニングを完成させている。
前述の特許文献3に示されるような水冷方式のスキッドレールを用いる誘導加熱炉では、炉内が大きく形成され、コイルまでの距離が大きいために磁性吸引の影響も相応に小さく、このようなスケールに伴う漏電については問題とならなかったと考えられる。しかしながら、ライニング径を小さくしようとすると、その耐久性とともに漏電対策も課題となる。
請求項1に記載の炉心管は、管状に形成された誘導加熱コイル内に挿通して設置される炉心管であって、
キャスタブル製の管状体と、前記管状体の内側に長手方向へ沿って配設された2条のスキッドレールと、を有し、
前記スキッドレールは、各々、セラミック製のレール個片が複数連なって形成されており、
前記レール個片は、前記管状体の内表面から一部を露出して埋設され、前記管状体と共に一体に焼成されていることを要旨とする。
請求項2に記載の炉心管は、請求項1に記載の炉心管において、前記レール個片が、略円柱形状、略円管形状、略球形状、及び連設球形状から選ばれるいずれかの形状をなしていることを要旨とする。
請求項3に記載の炉心管は、請求項1又は2に記載の炉心管において、前記管状体は、骨材粒子を含有し、
前記骨材粒子は、気孔率が30%以上であり、
前記管状体全体に対して、前記骨材粒子を50質量%以上含むことを要旨とする。
請求項4に記載の炉心耐火構造は、管状に形成された誘導加熱コイルを有する誘導加熱炉の炉心耐火構造であって、
前記誘導加熱コイル内に挿通して設置された請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の炉心管と、
前記誘導加熱コイルと前記炉心管との間隙に不定形キャスタブルが充填されて形成され、前記炉心管の外周を管状に覆っている外周ライニング層と、を備えることを要旨とする。
請求項5に記載の炉心耐火構造は、請求項4に記載の炉心耐火構造であって、前記外周ライニング層の気孔率は25%以下であることを要旨とする。
請求項6に記載の誘導加熱炉は、管状に形成された誘導加熱コイルと、
前記誘導加熱コイル内に配設された請求項4又は5に記載の炉心耐火構造と、を備えることを要旨とする。
[1]炉心管
本発明の炉心管1(図1参照)は、管状に形成された誘導加熱コイル2(図17参照)内に挿通して設置される。この炉心管1は、管状体11(図1−図5参照)と、管状体11の内側に長手方向へ沿って配設されたスキッドレール12(図1−図12参照)と、を有する。
このうち、管状体11はキャスタブル製である。キャスタブル製とは、不定形キャスタブルを成形後、焼成して得られた焼成体である。また、スキッドレール12はセラミック製である。そして、これらの管状体11とスキッドレール12とは一体に焼成されている。
即ち、管状体11は、従来のように、誘導加熱コイル2の内側に不定形キャスタブルを打設して形成するのではなく、予め成形した後、必要な乾燥及び焼成を行って得られた管形状の部材である。
上述のように、スキッドレール12は、予め焼結されたセラミック製である。通常、管状体11を焼成する温度よりも高温であり、更には、誘導加熱炉10の使用に伴う炉内の最高温度よりも高い温度で焼成されている。
そのため、未焼成の管状体11に、焼成済みのスキッドレール12を配設して、その全体を焼成したとしても、管状体11の焼成に伴うスキッドレール12の収縮はほとんど生じず、管状体11が収縮することになる。従って、本発明の炉心管1では、スキッドレール12が管状体11によって強固に維持できることとなる。
一方、管状体11の長手方向に垂直な断面(正面断面)における内周形状は、図1−図3に示すように円管形状とすることができる他、図4−図5に示すように円管形状と多角形状(V字形状等)とを組み合わせた形状とすることができる。円管形状と多角形状とを組み合わせた形状とは、具体的には、上側は円管形状に基づく円弧形状に形成され、下側は正六角形(図4参照)及び正八角形(図5参照)等の多角形形状に基づく多角形状に形成された形状とすることができる。図4−図5に示すように、管状体11の底部に凹みを設けた場合には、稼働時に被加熱物から生じるスケールを底部の凹みに集約させることができる。
更に、管状体11の内径は、5mm以上750mm以下とすることができ、7mm以上600mm以下が好ましく、10mm以上500mm以下がより好ましい。
また、管状体11の壁厚は、2mm以上50mm以下とすることができ、2mm以上30mm以下が好ましく、3mm以上15mm以下がより好ましい。
尚、管状体11の壁厚は、後述する外層ライニング層3を備える場合、外層ライニング層3よりも薄く形成されてもよいが、外層ライニング層3と同じ厚さであるか、又は、外層ライニング層3よりも厚いことが好ましい。
更に、骨材粒子を構成する材料としては、例えば、アルミナ、シリカ、マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の各種成分及びこれらの成分の2種以上を含む複酸化物等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。より具体的には、ハイアルミナ(Al2O3含量が90質量%以上)、コージライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、溶融シリカ(SiO2)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、サイアロン(Si3N4・Al2O3)等が挙げられる。これらはいずれも耐熱性が高い。更に、これらのなかでは、コージライト、ハイアルミナ及び溶融シリカが好ましい。これらは、いずれも熱衝撃に対する耐久性に優れる。更に、これらの材料を用いると、被加熱物からスケール(特にFeを含むスケール)を生じた場合に、管状体11の底部にスケールが溶着することを効果的に抑制できる。
気孔性骨材粒子の気孔率は限定されないが、気孔率が30%以上である気孔性骨材粒子を用いることが好ましく、この気孔率は30%以上70%以下であることがより好ましく、32%以上50%以下であることが更に好ましい。更に、気孔性骨材粒子は、管状体11全体に対して50質量%以上含まれることが好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、55質量%以上80質量%以下が更に好ましい。尚、気孔率の測定方法は、水銀圧入法により測定される値である。
また、複数の管状体11を直列に繋げて利用する場合において、その一部の管状体11としてのみ、上述の気孔率が30%以上であるコージエライト製の気孔性骨材粒子を用いた管状体11を利用することもできる。このように、複数の管状体11を直列に繋げて利用する場合において、その一部の管状体11としてのみ利用する場合、気孔率が30%以上であるコージエライト製の気孔性骨材粒子を用いた管状体11は、入口側(被加熱物の投入口側)の管状体11として利用することが好ましい。
更に、入口側(被加熱物の投入口側)の管状体11としてのみ利用する場合、出口側の管状体11には、溶融シリカ製の骨材粒子を用いた管状体11を利用することができる。
更に、スキッドレール12は、少なくとも2条のスキッドレール12a及び12bを有しているが、3条以上のスキッドレールを備えることもできる。
レール個片121を構成するセラミック材料としては、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、チタン酸アルミニウム、アルミナ、ムライト、スピネル、ジルコニア等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、レール個片121が略円管形状である場合(図11参照)、その長さは、5mm以上200mm以下が好ましく、10mm以上150mm以下がより好ましく、20mm以上100mm以下が更に好ましい。更に、略円管形状である場合(図11参照)の最大外径は、2mm以上30mm以下が好ましく、3mm以上25mm以下がより好ましく、5mm以上20mm以下が更に好ましい。
更に、レール個片121が略球形状である場合(図6参照)、その直径(最大直径)は、2mm以上30mm以下が好ましく、3mm以上25mm以下がより好ましく、5mm以上20mm以下が更に好ましい。
また、レール個片121が略連設球形状(図12参照)である場合、その長さは、5mm以上200mm以下が好ましく、10mm以上150mm以下がより好ましく、20mm以上100mm以下が更に好ましい。更に、略連設球形状である場合(図12参照)の最大外径は、2mm以上30mm以下が好ましく、3mm以上25mm以下がより好ましく、5mm以上20mm以下が更に好ましい。
そして、この図13に例示される炉心管1の形態では、各レール個片121は、点線で示すように、管状体11の構成壁内に一様な深さで埋設されることとなる。
この様な、図10に示すレール個片121は、図14に例示するように、管状体11の内表面11aから一部を露出させ、各レール個片121の露出部が連続されてレール状となるように、管状体11の構成壁に埋設したうえで、管状体11と共に一体に焼成し、図14に示す炉心管1とすることができる。
そして、この図14に例示される炉心管1の形態では、各レール個片121は、点線で示すように、管状体11の構成壁内において、各レール個片121の一端側から他端側へ向かって埋設部が大きくなるように埋設される。即ち、埋設部は、管状体1の構成壁内において、一端側よりも他端側が深く埋設されることとなる。
このような形態では、一端側から他端側へ向かって被加熱物を搬送(即ち、図14に示す黒矢印の方向へ搬送)することで、レール個片121の他端側の端面がストッパーとして機能して、各レール個片121の構成壁からの浮き上がりを防止し、スキッドレール12のがたつきを防止して、スキッドレール12の耐久性を向上させることができる。
更に、レール個片121の高さの調節は、各レール個片121の形状によって調整することもできる。即ち、レール個片121の入口側端121aの高さが出口側端121bの高さよりも低い形状に形成することで、上述のレール個片121の入口側端121aが出口側端121bより低くなるように配置できる。
尚、管状体11は、通常、少なくとも一部に円弧形状を有する。その為、この円中心Pは、管状体11が備える少なくとも一部の円弧から割り出される円中心Pであるとする。
即ち、例えば、スキッドレール12aを構成する1番目のレール個片121a1と、スキッドレール12bを構成する1番目のレール個片121b1と、が20mmの間隔で配置され、次いで、2番目のレール個片121a2と2番目のレール個片121b2とが22mmの間隔で配置され、次いで、3番目のレール個片121a3と3番目のレール個片121b3とが24mmの間隔で配置され、次いで、4番目のレール個片121a4と4番目のレール個片121b4とが26mmの間隔で配置され、次いで、5番目のレール個片121a5と5番目のレール個片121b5とが24mmの間隔で配置され、次いで、6番目のレール個片121a6と6番目のレール個片121b6とが22mmの間隔で配置され、次いで、7番目のレール個片121a7と7番目のレール個片121b7とが20mmの間隔で配置され、と間隔を変動させながら配置することができる。
本発明の炉心耐火構造5は、管状に形成された誘導加熱コイル2を有する誘導加熱炉10の炉心耐火構造であり、炉心管1と、その外周に配置される外周ライニング層3とを備える。炉心管1の構成等については前述の通りであり、この炉心管1は、誘導加熱コイル2内に挿通して設置される。
一方、外周ライニング層3は、誘導加熱コイル2と炉心管1との間隙に不定形キャスタブルが充填されて形成された層であり、炉心管1の外周を管状に覆っている。
前述のように、従来の炉心耐火構造として、誘導加熱コイルの内表面に直接キャスタブルを打設し、このキャスタブルにスキッドレールを敷設した構成は知られている。即ち、キャスタブルが乾燥されて得られる1層のライニング層しか設けられていないことになる。そのため、このような構造の炉心耐火構造を利用して、内径を小さくすると、ライニング層にクラックが入るとスケールがクラックに侵入し易くなり、漏電の危険性が増すことになる。同様に、炉心管1を誘導加熱コイル2内に敷設する際、不定形キャスタブルを炉心管1と誘導加熱コイル2との間隙に十分に充填せず、炉心管1の外周を管状に覆わない状態で敷設した場合にも、上記と同様の問題を生じることとなる。クラックを生じる原因としては、様々な原因が考えられるが、例えば、熱衝撃や物理的衝撃(誘導加熱炉は激しい振動にさらされる場合がある)が挙げられる。
特に、2層構造であることによって、熱的により高い耐久性を求められる炉心管1の存在によって、外周ライニング層3に要求される耐熱特性は炉心管1に比べて遥かに低くてすむため、積極的にキャスタブル材料を両者で変えることができる。
この外層ライニング層3は、通常、管状体11による断熱によって300℃を超える高温(例えば、200℃以下に抑えることができる)は負荷されない。そのため、この程度の温度に対しては低気孔率であっても十分な耐熱性を発揮できるとともに、気孔率が小さいことによって、誘導加熱炉に生じる激しい振動に耐え得る高い強度を有する。
一方、セメントとしては、アルミナセメント等の汎用される各種のセメントを利用できる。
尚、管状体11を構成するキャスタブルに含まれる骨材粒径としては、D50は1mmを超えるものを選択できる。
これに対して、炉心管の外周が一様な形状でなく、例えば、凹部を有する場合、この凹部において、誘導加熱コイル2と炉心管1との間隙を大きくできる。従って、その凹部を不定形キャスタブルの注入口として利用できる。即ち、外周の一部を切除した場合には、その切除部を不定形キャスタブルの注入口として利用できるため、不定形キャスタブルの施工性を向上させることができる。
尚、当然ながら、上記の外形状は、円形状の一部を切除して形成するだけでなく、予め当該外形状を有する型を用いて形成することもできる。
本発明の誘導加熱炉10は、管状に形成された誘導加熱コイル2と、誘導加熱コイル2内に配設された炉心耐火構造5と、を備える。
用いる誘導加熱コイル2については特に限定されず、種々のものに適用できる。通常、誘導加熱コイル2は、水冷コイルとされ、コイルの内側に防水対策が施され、この内側に不定形キャスタブルを打設することが可能とされている。誘導加熱コイル2の大きさは限定されないが、例えば、管状に形成された誘導加熱コイル2の内側径(直径)は、例えば、30mm以上1000mm以下とすることができる。
また、誘導加熱炉10は、どのような大きさであってもよいが、本発明では、長手方向の長さは、例えば、200mm以上2000mm以下とすることができる。このようなブロック型の誘導加熱炉10を必要な数だけ連設して利用する形態において、本発明の炉心管1、炉心耐火構造5及び誘導加熱炉10は、特にその効果を有効に発揮させることができる。
(1)炉心管1の製造
気孔率30%以上のコージライトを気孔性骨材粒子(異なるメジアン径を有する粗粒、中粒及び細粒の3種のコージエライト製気孔性骨材粒子を混合)とした。気孔性骨材粒子と併せて、アルミナ粉末(メジアン径が10μm以下の微粒アルミナ粉末)、アルミナセメント及び水を混合して、炉心管用の不定形キャスタブルを調製した。この際、気孔性骨材粒子、アルミナ粉末及びアルミナセメントの合計を100質量%とした場合に、気孔性骨材粒子は約60質量%とし、アルミナセメントは約4質量%とした。その後、調製した炉心管用の不定形キャスタブルを成形して外径100mm×内径80mmの未焼成管状体11を得た。
得られた未焼成管状体11の内面に、アルミナ質セラミック(アルミナ含量が98質量%以上を含む焼結体、ハイアルミナ)からなる円柱形状(図8参照、直径13mm×長さ60mm)のレール個片121を並べてスキッドレール12を2条敷設した。各レール個片121は5:5の割合で埋設及び露出させた。また、スキッドレール12間の角度θは61度とした。
得られた未焼成管状体11をスキッドレール12を敷設した状態で、350℃で焼成して炉心管1を得た。
内径110mmの誘導加熱コイル2を有する誘導加熱ブロックを用意し、このブロックをコイルが筒状に立つように配置し、コイル内に炉心管1を挿入した。誘導加熱コイル2の内表面と炉心管1との間隙が各部で均等になるように位置調整を行ったうえで、外層ライニング用の不定形キャスタブルをこの間隙に流し込み、充填した。
また、外層ライニング用の不定形キャスタブルは、アルミナを骨材粒子(最大粒径が800μm以下であり、異なるメジアン径を有する3種の細粒アルミナ製骨材粒子を混合)とした。この骨材粒子の他、アルミナセメント及び水を混合して、外層ライニング用の不定形キャスタブルを調製した。この際、骨材粒子及びアルミナセメントの合計を100質量%とした場合に、骨材粒子は約95質量%とし、アルミナセメントは約5質量%とした。
不定形キャスタブルを充填後、全体を乾燥させて炉心耐火構造5を備えた誘導加熱炉10を得た。
得られた誘導加熱炉10を3台連設させて、入口温度60℃且つ出口温度1250℃となる条件において、3か月間ビレットヒータとして利用した。
その結果、スキッドレール12として、セラミック製のレール個片121を利用し、水冷方式を利用しなかったために、外径100mm×内径80mmという小径の炉心管1とすることができた。また、このような小径の炉心管1においても漏電を起こすことなく5か月間利用し続けることができた。即ち、高い耐久性が認められた。
更に、従来用いられていた水冷式スキッドレールを用いた誘導加熱炉における消費エネルギーに対して、優れた省エネルギー効果が認められた。
11;管状体、11a;管状体の内表面、11s;管状体の底部、11t;管状体の天頂部、
12、12a及び12b;スキッドレール、
121;レール個片、121a;レール個片の入口側端、121b;レール個片の出口側端、121p;レール個片の端面、122;ストッパー個片、122a;入口側のストッパー個片、122b;出口側のストッパー個片、
2;誘導加熱コイル、
3;外周ライニング層、
5;炉心耐火構造
8;被加熱物、
10;誘導加熱炉。
P;円中心。
Claims (6)
- 管状に形成された誘導加熱コイル内に挿通して設置される炉心管であって、
キャスタブル製の管状体と、前記管状体の内側に長手方向へ沿って配設された2条のスキッドレールと、を有し、
前記スキッドレールは、各々、セラミック製のレール個片が複数連なって形成されており、
前記レール個片は、前記管状体の内表面から一部を露出して埋設され、前記管状体と共に一体に焼成されていることを特徴とする誘導加熱炉用の炉心管。 - 前記レール個片は、略円柱形状、略円管形状、略球形状、及び連設球形状から選ばれるいずれかの形状をなしている請求項1に記載の炉心管。
- 前記管状体は、骨材粒子を含有し、
前記骨材粒子は、気孔率が30%以上であり、
前記管状体全体に対して、前記骨材粒子を50質量%以上含む請求項1又は2に記載の炉心管。 - 管状に形成された誘導加熱コイルを有する誘導加熱炉の炉心耐火構造であって、
前記誘導加熱コイル内に挿通して設置された請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の炉心管と、
前記誘導加熱コイルと前記炉心管との間隙に不定形キャスタブルが充填されて形成され、前記炉心管の外周を管状に覆っている外周ライニング層と、を備えることを特徴とする炉心耐火構造。 - 前記外周ライニング層の気孔率は25%以下である請求項4に記載の炉心耐火構造。
- 管状に形成された誘導加熱コイルと、
前記誘導加熱コイル内に配設された請求項4又は5に記載の炉心耐火構造と、を備えることを特徴とする誘導加熱炉。
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