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JP2016183796A - 炉心管及びこれを用いた炉心耐火構造並びに誘導加熱炉 - Google Patents

炉心管及びこれを用いた炉心耐火構造並びに誘導加熱炉 Download PDF

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Abstract

【課題】省エネルギー性と耐久性とを両立した炉心管及びこれを用いた炉心耐火構造並びに誘導加熱炉を提供する。【解決手段】本炉心管1は、誘導加熱コイル内に挿通して設置される炉心管1で、キャスタブル製の管状体11とその内側に長手方向へ沿って配設された2条のスキッドレール12と、を有し、スキッドレール12は、各々、セラミック製のレール個片121が複数連なって形成されており、レール個片121は、管状体11の内表面11aから一部を露出して埋設され、管状体11と共に一体に焼成されている。本構造は誘導加熱コイル内に挿通して設置された炉心管1と誘導加熱コイルと炉心管1との間隙に不定形キャスタブルが充填されて形成され、炉心管の外周を管状に覆っている外周ライニング層と、を備える。本加熱炉は誘導加熱コイルと炉心耐火構造とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、炉心管及びこれを用いた炉心耐火構造並びに誘導加熱炉に関する。更に詳しくは、被加熱材を誘導加熱する際に利用される炉心管及びこれを用いた炉心耐火構造並びに誘導加熱炉に関する。
小型であることや、設備内でライン化し易いこと、及びメンテナンス性の良さ等から誘導加熱炉が広く利用されている。例えば、被加熱材を連続的に炉内投入し、炉内で搬送しながら1000℃以上にまで加熱し、加熱された被加熱材を鍛造機へ送り込むためのビレットヒータとして利用されている。このような誘導加熱炉におけるエネルギーは、電力に頼られており、近年、強く省エネルギー対策が求められている。
この誘導加熱炉の形態として、従来、セラミック製のスキッドレールを利用した誘導加熱炉(特許文献1及び特許文献2)や、水冷方式のスキッドレールを利用した誘導加熱炉(特許文献3参照)が、知られている。
実開昭62−171184号公報 登録実用新案第3057198号公報 特開2001−235286号公報
水冷方式のスキッドレールは、セラミック製のスキッドレールに対して、耐機械的衝撃性及び耐熱的衝撃性の両方に優れている。しかしながら、冷却水を循環させるために要するエネルギーコストや、被加熱部材が冷却されたスキッドレールと接して奪われる熱損失があること等から、省エネルギー性の観点では不利である。
更に、水冷方式のスキッドレールは、冷却水を流通させるための内部空隙を要し、レール本体として太径の金属パイプが利用される。更に、上記特許文献3の図1及び図3に示されるように、スキッドレールの本体以外に付随した周辺機材を炉内に配する必要もあり、被加熱部材の大きさに対して炉が大きくなる。その結果、ライニングの外周に位置された誘導加熱コイルから被加熱部材までの距離が遠くなり、加熱効率が悪くなるという点でも省エネルギー化を進めるうえで不利である。
このような水冷方式のスキッドレールに対して、セラミック製のスキッドレールは、スキッドレールを冷却する冷却設備を要しないことや、熱損失がない点等において省エネルギー性に優れる。更に、付随する設備をライニング内に配する必要がないため、被加熱部材の大きさに対して炉を小さく設計できるというメリットがある。しかしながら、冷却せず利用し続けるために、ライニング及びスキッドレールの耐久性の観点では不利な側面もある。
上記特許文献1には、誘導加熱コイル内周に不定形キャスタブルを打設したライニングによる耐火構造が開示されている。このライニングには、セラミック製のスキッドレールが接着して埋設されている。
一方、上記特許文献2にも、上記特許文献1と同様に、誘導加熱コイル内周に不定形キャスタブルを打設したライニングが開示されている。この特許文献2の誘導加熱炉では、ライニングの底部材のみ、予め焼成されたセラミック体を用いることが示されている。そして、この底部材はコイル内に設置のうえ、中子(芯材)を配置し、中子とコイルとの間隙を不定形キャスタブルで埋め、その後、中子を取り去り不定形キャスタブルを乾燥させてライニングを完成させている。
このように、特許文献1及び特許文献2に示された技術は、いずれも現場施工によって誘導加熱コイル内に不定形キャスタブルを打設し、その不定形キャスタブル内にスキッドレールを埋設したり、底部材を埋設して得られるライニングである。これらの現場打設可能な不定形キャスタブルは、予め焼成しておくことができず、材料の選択幅も狭くなる。そのため、スキッドレールや底部材と、不定形キャスタブルから得られるライニングとの熱特性を合わせ込みが難しく、使用時の高温によってライニングがスキッドレールや炉底材を十分に保持できないことや、スキッドレールや底部材の割れ等が危惧される。更に、不定形キャスタブルを乾燥させて得られたライニングとセラミック製の底部材とを継いで形成した構造は、熱特性の差異に起因してライニングが割れ易くなることや、これらの継目が広がること等が危惧される。
更に、このように不定形キャスタブルそのものをライニングとして利用されることで漏電も危惧される。即ち、スキッドレールや底部材を備えた加熱誘導炉では、レールに沿って被加熱物が搬送されるため、炉底にスケールが蓄積される。このスケールは誘導加熱コイルの磁性吸引によって引き付けられ、ライニングのクラックへ侵入し、誘導加熱コイルに接触して漏電を誘発していると考えられる。
前述の特許文献3に示されるような水冷方式のスキッドレールを用いる誘導加熱炉では、炉内が大きく形成され、コイルまでの距離が大きいために磁性吸引の影響も相応に小さく、このようなスケールに伴う漏電については問題とならなかったと考えられる。しかしながら、ライニング径を小さくしようとすると、その耐久性とともに漏電対策も課題となる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、省エネルギー性と耐久性とを両立した炉心管及びこれを用いた炉心耐火構造並びに誘導加熱炉を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
請求項1に記載の炉心管は、管状に形成された誘導加熱コイル内に挿通して設置される炉心管であって、
キャスタブル製の管状体と、前記管状体の内側に長手方向へ沿って配設された2条のスキッドレールと、を有し、
前記スキッドレールは、各々、セラミック製のレール個片が複数連なって形成されており、
前記レール個片は、前記管状体の内表面から一部を露出して埋設され、前記管状体と共に一体に焼成されていることを要旨とする。
請求項2に記載の炉心管は、請求項1に記載の炉心管において、前記レール個片が、略円柱形状、略円管形状、略球形状、及び連設球形状から選ばれるいずれかの形状をなしていることを要旨とする。
請求項3に記載の炉心管は、請求項1又は2に記載の炉心管において、前記管状体は、骨材粒子を含有し、
前記骨材粒子は、気孔率が30%以上であり、
前記管状体全体に対して、前記骨材粒子を50質量%以上含むことを要旨とする。
請求項4に記載の炉心耐火構造は、管状に形成された誘導加熱コイルを有する誘導加熱炉の炉心耐火構造であって、
前記誘導加熱コイル内に挿通して設置された請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の炉心管と、
前記誘導加熱コイルと前記炉心管との間隙に不定形キャスタブルが充填されて形成され、前記炉心管の外周を管状に覆っている外周ライニング層と、を備えることを要旨とする。
請求項5に記載の炉心耐火構造は、請求項4に記載の炉心耐火構造であって、前記外周ライニング層の気孔率は25%以下であることを要旨とする。
請求項6に記載の誘導加熱炉は、管状に形成された誘導加熱コイルと、
前記誘導加熱コイル内に配設された請求項4又は5に記載の炉心耐火構造と、を備えることを要旨とする。
本発明の炉心管及びこれを用いた炉心耐火構造並びに誘導加熱炉によれば、省エネルギー性と耐久性とを両立することができる。
炉心管の一例を模式的に示す正面断面図及び横断面図である。 炉心管の他例を模式的に示す正面断面図である。 炉心管の他例を模式的に示す正面断面図である。 炉心管の他例を模式的に示す正面断面図である。 炉心管の他例を模式的に示す正面断面図である。 レール個片及びスキッドレールの一例を示す斜視図である。 スキッドレールの他例を示す斜視図である。 レール個片及びスキッドレールの他例を示す斜視図である。 レール個片及びスキッドレールの他例を示す斜視図である。 レール個片及びスキッドレールの他例を示す斜視図である。 レール個片及びスキッドレールの他例を示す斜視図である。 レール個片及びスキッドレールの他例を示す斜視図である。 炉心管の他例を模式的に示す正面断面図及び横断面図である。 炉心管の他例を模式的に示す正面断面図及び横断面図である。 炉心管内における被加熱物の動き示す正面断面図及び横断面図である。 炉心耐火構造の一例を模式的に示す正面断面図及び横断面図である。 誘導加熱炉の一例を模式的に示す正面断面図及び横断面図である。
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]炉心管
本発明の炉心管1(図1参照)は、管状に形成された誘導加熱コイル2(図17参照)内に挿通して設置される。この炉心管1は、管状体11(図1−図5参照)と、管状体11の内側に長手方向へ沿って配設されたスキッドレール12(図1−図12参照)と、を有する。
このうち、管状体11はキャスタブル製である。キャスタブル製とは、不定形キャスタブルを成形後、焼成して得られた焼成体である。また、スキッドレール12はセラミック製である。そして、これらの管状体11とスキッドレール12とは一体に焼成されている。
即ち、管状体11は、従来のように、誘導加熱コイル2の内側に不定形キャスタブルを打設して形成するのではなく、予め成形した後、必要な乾燥及び焼成を行って得られた管形状の部材である。
誘導加熱コイル2の内側に不定形キャスタブルを打設して形成したライニングは、不定形キャスタブルに含まれる水分やビヒクル成分を効果的に除去することが難しい。即ち、誘導加熱コイル2内に設置した不定形キャスタブルは、誘導加熱コイル2内で可能な加熱しか施すことができず、結果的に使用時に徐々に焼成されることとなる。使用時の加熱では、誘導加熱炉10の入口側及び出口側や、内側及び外側と、では温度が異なることとなり、ライニングを均一に焼成することができない。そのため、不定形キャスタブルを構成する成分が含む結晶水等が十分に除去できず、不均一に焼成される結果、ライニングにクラックを生じ易くなってしまう。
これに対して、本発明で用いる管状体11は、誘導加熱コイル2の外部において予め焼成されたキャスタブル製の管状体11である。即ち、管状体11を焼成炉に入れて焼成できるため、管状体11全体の水分が焼成炉内で均一に除去されたものである。そのため、誘導加熱炉10の使用に伴う不均一な加熱によってもクラック発生を効果的に防止できる。この管状体11を焼成する温度は特に限定されないが、通常、誘導加熱炉10の使用に伴う炉内の最高温度よりも低い温度で焼成される。具体的には150℃以上500℃以下での焼成が好ましく、200℃以上400℃以下がより好ましい。
更に、この管状体11は、前述のようにセラミック製のスキッドレール12と共に焼成される。これによって、未焼成の管状体11に埋め込まれたスキッドレール12(予め焼成されている)を、管状体11の焼成に伴う収縮によって確実に抑え込むことができる。
上述のように、スキッドレール12は、予め焼結されたセラミック製である。通常、管状体11を焼成する温度よりも高温であり、更には、誘導加熱炉10の使用に伴う炉内の最高温度よりも高い温度で焼成されている。
そのため、未焼成の管状体11に、焼成済みのスキッドレール12を配設して、その全体を焼成したとしても、管状体11の焼成に伴うスキッドレール12の収縮はほとんど生じず、管状体11が収縮することになる。従って、本発明の炉心管1では、スキッドレール12が管状体11によって強固に維持できることとなる。
上記「管状体(11)」は、管状であればよく、その具体的な形状は特に限定されない。例えば、管状体11の長手方向に垂直な断面(正面断面)における外周形状は、図1及び図3−図5に示すように円形状とすることができる他、図2に示すように円形状の4ヶ所を切除して四辺を形成した形状とすることができる。即ち、管状体11には4面の平面が形成された形状となる。このような形状では、これらの管状体11上で平坦化された面を利用して管状体11が転がることを防止して安定させることができる。
一方、管状体11の長手方向に垂直な断面(正面断面)における内周形状は、図1−図3に示すように円管形状とすることができる他、図4−図5に示すように円管形状と多角形状(V字形状等)とを組み合わせた形状とすることができる。円管形状と多角形状とを組み合わせた形状とは、具体的には、上側は円管形状に基づく円弧形状に形成され、下側は正六角形(図4参照)及び正八角形(図5参照)等の多角形形状に基づく多角形状に形成された形状とすることができる。図4−図5に示すように、管状体11の底部に凹みを設けた場合には、稼働時に被加熱物から生じるスケールを底部の凹みに集約させることができる。
管状体11の大きさは、前述の誘導加熱コイル2の内径に合わせて適宜選択すればよいが、例えば、管状体11の長さは、10mm以上1500mm以下とすることができ、25mm以上500mm以下が好ましく、50mm以上350mm以下がより好ましい。特に50mm以上350mm以下とした場合には、管状体11の外周側の冷却温度に差を生じる場合に、長手方向に掛かる応力の大きさを抑制して、より耐久性の高い管状体11とすることができる。即ち、例えば、底部側に対して天井部側の冷却が強い場合には、天井部に沿って長手方向に沿ったクラックを生じるが、50mm以上350mm以下とした場合には、このようなクラックを顕著に抑制できる。
また、管状体11の外径は、10mm以上800mm以下とすることができ、20mm以上650mm以下が好ましく、30mm以上500mm以下がより好ましい。
更に、管状体11の内径は、5mm以上750mm以下とすることができ、7mm以上600mm以下が好ましく、10mm以上500mm以下がより好ましい。
また、管状体11の壁厚は、2mm以上50mm以下とすることができ、2mm以上30mm以下が好ましく、3mm以上15mm以下がより好ましい。
尚、管状体11の壁厚は、後述する外層ライニング層3を備える場合、外層ライニング層3よりも薄く形成されてもよいが、外層ライニング層3と同じ厚さであるか、又は、外層ライニング層3よりも厚いことが好ましい。
管状体11は、その壁厚が均等に形成されてもよいが、不均等に形成されてもよい。不均等に形成される場合には、底部の厚さ(管状体の壁厚)が、天井部の厚さ(管状体の壁厚)比べて厚くされてもよいが、誘導加熱コイル2内に設置された際に、天井部の厚さ(管状体の壁厚)比べて底部の厚さ(管状体の壁厚)を厚く形成することができる(図3参照)。この場合、具体的には、管状体11の天頂部11tの厚さをDtとし、管状体11の底部11sの最も厚い部位の厚さをDsとした場合に、0.5≦Dt/Ds<1とすることができ、0.6≦Dt/Ds≦0.9がより好ましい。このように外周に対して内周を偏心させて、底部の厚さを天井部の厚さに比べて厚くした場合には、スキッドレール12を埋め込む余地をより大きく確保できる。
また、管状体11を構成するキャスタブル材料は特に限定されない。通常、骨材粒子と、この骨材粒子同士を接合する水和硬化物と、を含む。水和硬化物は、例えば、アルミナセメント等のセメントに由来する硬化物であり、水の存在下で水和硬化された成分である。この水和硬化物は、焼成によってその結晶水の一部又は全部が除去されていてもよい。また、骨材粒子は、例えば、粗粒、中粒、細粒、微粒、超微粒等の各種粒径を1種又は2種以上を含むことができる。
更に、骨材粒子を構成する材料としては、例えば、アルミナ、シリカ、マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の各種成分及びこれらの成分の2種以上を含む複酸化物等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。より具体的には、ハイアルミナ(Al含量が90質量%以上)、コージライト(2MgO・2Al・5SiO)、溶融シリカ(SiO)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)、サイアロン(Si・Al)等が挙げられる。これらはいずれも耐熱性が高い。更に、これらのなかでは、コージライト、ハイアルミナ及び溶融シリカが好ましい。これらは、いずれも熱衝撃に対する耐久性に優れる。更に、これらの材料を用いると、被加熱物からスケール(特にFeを含むスケール)を生じた場合に、管状体11の底部にスケールが溶着することを効果的に抑制できる。
更に、管状体11は、気孔率が大きい骨材粒子を含むことが好ましい(以下、単に「気孔性骨材粒子」ともいう)。気孔性骨材粒子を含むことにより、優れた断熱性を発揮させて、炉内の熱が炉外へ放射されて失われることによる熱損失を小さく抑制できる。更に、後述するように、本発明の炉心耐火構造5となった際に、炉心管1の外側に配置される外周ライニング層3への熱伝導を緩和して、外周ライニング層3の耐久性を高めることができる。具体的には、気孔性のコージライトが好ましい。
気孔性骨材粒子の気孔率は限定されないが、気孔率が30%以上である気孔性骨材粒子を用いることが好ましく、この気孔率は30%以上70%以下であることがより好ましく、32%以上50%以下であることが更に好ましい。更に、気孔性骨材粒子は、管状体11全体に対して50質量%以上含まれることが好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、55質量%以上80質量%以下が更に好ましい。尚、気孔率の測定方法は、水銀圧入法により測定される値である。
更に、気孔性骨材粒子のなかでも、気孔率が30%以上であるコージエライト製の気孔性骨材粒子を用いた管状体11は、特に優れた耐熱衝撃性を発揮させることができる。従って、誘導加熱炉10において複数の管状体11を直列に繋げて利用する場合には、全ての管状体11として、上述の気孔率が30%以上であるコージエライト製の気孔性骨材粒子を用いた管状体11を利用できる。
また、複数の管状体11を直列に繋げて利用する場合において、その一部の管状体11としてのみ、上述の気孔率が30%以上であるコージエライト製の気孔性骨材粒子を用いた管状体11を利用することもできる。このように、複数の管状体11を直列に繋げて利用する場合において、その一部の管状体11としてのみ利用する場合、気孔率が30%以上であるコージエライト製の気孔性骨材粒子を用いた管状体11は、入口側(被加熱物の投入口側)の管状体11として利用することが好ましい。
更に、入口側(被加熱物の投入口側)の管状体11としてのみ利用する場合、出口側の管状体11には、溶融シリカ製の骨材粒子を用いた管状体11を利用することができる。
上記「スキッドレール(12)」は、セラミック製のレール個片121が複数連なって形成されている(図1、図6−図12参照)。また、スキッドレール12は、管状体11の内側に長手方向へ沿って配設されている。更に、各レール個片121は、管状体11の内表面11aから一部を露出して埋設されており、管状体11と共に一体に焼成されている。
更に、スキッドレール12は、少なくとも2条のスキッドレール12a及び12bを有しているが、3条以上のスキッドレールを備えることもできる。
レール個片121は、各々セラミック製であり、予め焼成されてセラミック材料として焼結されている。各レール個片121は、同じセラミック材料から形成されてもよいし、異なるセラミック材料から形成されてもよい。異なるセラミック材料から形成される場合としては、管状体11内の配設箇所によって適宜材料を変化させる場合が挙げられる。即ち、例えば、高温となる出口側により耐熱性の高い材料を用いたレール個片121を利用できる。
レール個片121を構成するセラミック材料としては、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、チタン酸アルミニウム、アルミナ、ムライト、スピネル、ジルコニア等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、レール個片121の形状は、特に限定されないが、レール個片121の管状体11の内表面から露出された部位の外形は、長手方向に対する垂直な断面において円弧であることが好ましい(図1−図5参照)。このようになる各レール個片121の形状としては、例えば、略円柱形状(図8−図9参照)、一部円柱形状(図10参照)、略円管形状(図11参照)、略球形状(図1、図6−図7参照)及び略連設球形状(図12参照)が挙げられ、更に、レール個片121として機能すればこれら以外の形状であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上述のうち略球形状のレール個片121(図6参照)を用いる場合には、被加熱物の搬送時に、レール個片121が被加熱物によって押され、球状のレール個片121が脱落することを防止するために、ストッパーとなるストッパー個片122を用いることができる(図7参照)。ストッパー個片122は、例えば、図7に示すように、球状のレール個片121の入口側にストッパー個片122aを配設できる。更に、図7に示すように、球状のレール個片121の出口側にストッパー個片122bを配設できる。これらのストッパー個片122は、いずれか一方のみを用いてもよく併用してもよい。
また、上記のうち各レール個片121の形状のうち、略連設球形状とは、球形状が連なった概形を有した形状をいう。具体的には、図12に例示する形状が挙げられる。図12に示すレール個片121の上半分に球形状が連なった概形を有している。この球形状が連なった概形を有することにより、レール個片121の管状体11の内表面から露出された部位の外形を円弧(長手方向に垂直な断面)にすることができる。その一方で、図12に示すレール個片121の下半分は直方体形状をなしている。このようにレール個片121の下半分が直方体形状である場合には、前述のストッパー個片122と同様の機能を発揮させることができる。即ち、被加熱物によって押されてレール個片121が脱落することを防止できる。特に図13に示す形状のレール個片121では、管状体11に埋設された各レール個片121同士を互いに端面121pで当接させることでできるため好ましい。
更に、搬送時に被加熱物8がスキッドレール12に引っ掛かることを防止する観点から、各レール個片121はR加工又は面取り加工されていてもよい。具体的には、図9に示すように、図8に示す略円柱形状のレール個片121において、被加熱物の搬送方向と交差する端面をR加工又は面取り加工することができる。
各レール個片121の大きさは、管状体11に合わせて適宜選択すればよいが、例えば、レール個片121が略円柱形状である場合(図8−図9参照)、その長さは、5mm以上200mm以下が好ましく、10mm以上150mm以下がより好ましく、20mm以上100mm以下が更に好ましい。更に、略円柱形状である場合(図8−図9参照)の径(最大径)は、2mm以上30mm以下が好ましく、3mm以上25mm以下がより好ましく、5mm以上20mm以下が更に好ましい。
また、レール個片121が略円管形状である場合(図11参照)、その長さは、5mm以上200mm以下が好ましく、10mm以上150mm以下がより好ましく、20mm以上100mm以下が更に好ましい。更に、略円管形状である場合(図11参照)の最大外径は、2mm以上30mm以下が好ましく、3mm以上25mm以下がより好ましく、5mm以上20mm以下が更に好ましい。
更に、レール個片121が略球形状である場合(図6参照)、その直径(最大直径)は、2mm以上30mm以下が好ましく、3mm以上25mm以下がより好ましく、5mm以上20mm以下が更に好ましい。
また、レール個片121が略連設球形状(図12参照)である場合、その長さは、5mm以上200mm以下が好ましく、10mm以上150mm以下がより好ましく、20mm以上100mm以下が更に好ましい。更に、略連設球形状である場合(図12参照)の最大外径は、2mm以上30mm以下が好ましく、3mm以上25mm以下がより好ましく、5mm以上20mm以下が更に好ましい。
更に、図9に例示されたレール個片121は、略円柱形状をなすレール個片121である。レール個片121は、図13に例示するように、管状体11の内表面11aから一部を露出させ、各レール個片121の露出部が連続されてレール状となるように、管状体11の構成壁に埋設したうえで、管状体11と共に一体に焼成し、図13に示す炉心管1とすることができる。
そして、この図13に例示される炉心管1の形態では、各レール個片121は、点線で示すように、管状体11の構成壁内に一様な深さで埋設されることとなる。
これに対して、図10に例示されたレール個片121は、図9に示す略円柱形状をなしたレール個片121の一端面の中央部から他端面の下部へ向かって、一部を斜めに切り取った残部の形状をなしている。従って、図10のレール個片121は、端面を正面に据えると外形が円形として見える一方、側周面を正面に据えると外形が略三角形となる見え方を有する。
この様な、図10に示すレール個片121は、図14に例示するように、管状体11の内表面11aから一部を露出させ、各レール個片121の露出部が連続されてレール状となるように、管状体11の構成壁に埋設したうえで、管状体11と共に一体に焼成し、図14に示す炉心管1とすることができる。
そして、この図14に例示される炉心管1の形態では、各レール個片121は、点線で示すように、管状体11の構成壁内において、各レール個片121の一端側から他端側へ向かって埋設部が大きくなるように埋設される。即ち、埋設部は、管状体1の構成壁内において、一端側よりも他端側が深く埋設されることとなる。
このような形態では、一端側から他端側へ向かって被加熱物を搬送(即ち、図14に示す黒矢印の方向へ搬送)することで、レール個片121の他端側の端面がストッパーとして機能して、各レール個片121の構成壁からの浮き上がりを防止し、スキッドレール12のがたつきを防止して、スキッドレール12の耐久性を向上させることができる。
レール個片121の高さの調節は、管状体11へのレール個片121の埋設程度によって調整できる。即ち、レール個片121の入口側端121aが出口側端121bより深く管状体11に埋設されるように配置することで、上述のレール個片121の入口側端121aが出口側端121bより低くなるように配置できる。
更に、レール個片121の高さの調節は、各レール個片121の形状によって調整することもできる。即ち、レール個片121の入口側端121aの高さが出口側端121bの高さよりも低い形状に形成することで、上述のレール個片121の入口側端121aが出口側端121bより低くなるように配置できる。
少なくとも2条が配置されるスキッドレール12の各々は被加熱物を搬送できればよく、どのような配置であってもよいが、管状体11の内周の長手方向に垂直な断面における円中心Pを想定した場合に、スキッドレール12aとスキッドレール12bとは、円中心Pに対して、角度30度以上100度以下に離間して配置することが好ましい。即ち、円中心Pとスキッドレール12aとを結ぶ最短線分をLaとし、円中心Pとスキッドレール12bとを結ぶ最短線分をLbとした場合、LaとLbとで挟まれる角度θが40度以上100度以下であることが好ましい。この角度θは、45度以上90度以下であることがより好ましく、50度以上70度以下であることが更に好ましい。
尚、管状体11は、通常、少なくとも一部に円弧形状を有する。その為、この円中心Pは、管状体11が備える少なくとも一部の円弧から割り出される円中心Pであるとする。
また、各スキッドレール12は、レール個片121が管状体11の入口側から出口側へ向かって一列に並んで形成されてもよいが、レール個片121は管状体11の入口側から出口側へ向かって一列に並んでいなくとも、結果的に被加熱部材を2条のスキッドレール12で搬送できる形態でればよい。
即ち、例えば、スキッドレール12aを構成する1番目のレール個片121aと、スキッドレール12bを構成する1番目のレール個片121bと、が20mmの間隔で配置され、次いで、2番目のレール個片121aと2番目のレール個片121bとが22mmの間隔で配置され、次いで、3番目のレール個片121aと3番目のレール個片121bとが24mmの間隔で配置され、次いで、4番目のレール個片121aと4番目のレール個片121bとが26mmの間隔で配置され、次いで、5番目のレール個片121aと5番目のレール個片121bとが24mmの間隔で配置され、次いで、6番目のレール個片121aと6番目のレール個片121bとが22mmの間隔で配置され、次いで、7番目のレール個片121aと7番目のレール個片121bとが20mmの間隔で配置され、と間隔を変動させながら配置することができる。
[2]炉心耐火構造
本発明の炉心耐火構造5は、管状に形成された誘導加熱コイル2を有する誘導加熱炉10の炉心耐火構造であり、炉心管1と、その外周に配置される外周ライニング層3とを備える。炉心管1の構成等については前述の通りであり、この炉心管1は、誘導加熱コイル2内に挿通して設置される。
一方、外周ライニング層3は、誘導加熱コイル2と炉心管1との間隙に不定形キャスタブルが充填されて形成された層であり、炉心管1の外周を管状に覆っている。
外周ライニング層3は、炉心管1からの熱が誘導加熱コイル2へ熱伝導されることを防止する層であるとともに、炉心管1にクラックを生じ、更に、誘導加熱コイル2の磁性吸引によってスケールが炉心管1のクラックへ侵入された場合であっても、誘導加熱コイル2へスケールが直接到達することを防止し、漏電を防止する機能を有する。
前述のように、従来の炉心耐火構造として、誘導加熱コイルの内表面に直接キャスタブルを打設し、このキャスタブルにスキッドレールを敷設した構成は知られている。即ち、キャスタブルが乾燥されて得られる1層のライニング層しか設けられていないことになる。そのため、このような構造の炉心耐火構造を利用して、内径を小さくすると、ライニング層にクラックが入るとスケールがクラックに侵入し易くなり、漏電の危険性が増すことになる。同様に、炉心管1を誘導加熱コイル2内に敷設する際、不定形キャスタブルを炉心管1と誘導加熱コイル2との間隙に十分に充填せず、炉心管1の外周を管状に覆わない状態で敷設した場合にも、上記と同様の問題を生じることとなる。クラックを生じる原因としては、様々な原因が考えられるが、例えば、熱衝撃や物理的衝撃(誘導加熱炉は激しい振動にさらされる場合がある)が挙げられる。
これに対して、前述の本発明の炉心耐火構造は、炉心管1と外周ライニング層3とを有する。更に、このうち炉心管1は予めスキッドレール12と共に焼成して得られるのに対して、外周ライニング層3はキャスタブルの打設によって得られる。このように製造工程の異なる2つの耐火層を有するため、熱特性の異なる2層の耐火構造を備えることとなる。従って、いずれ一方が何等かの熱的作用によってクラックを生じたとしても、他方が同時に同じ場所にクラックを生じる可能性が極めて低くなり、炉内から誘導加熱コイル2まで連通したクラックを生じることを防止できる。そして、連通したクラックを防止できることによって、内径の小さな炉心耐火構造であっても、高い漏電防止性能を得ることができる。
特に、2層構造であることによって、熱的により高い耐久性を求められる炉心管1の存在によって、外周ライニング層3に要求される耐熱特性は炉心管1に比べて遥かに低くてすむため、積極的にキャスタブル材料を両者で変えることができる。
外周ライニング層3の厚さは特に限定されないが、0.5mm以上25mm以下であることが好ましく、1mm以上10mm以下であることがより好ましく、1.5mm以上7mm以下であることが更に好ましい。また、外周ライニング層3の厚さは均一であってもよいが、必要に応じて厚い部分とより薄い部分とが混在してもよい。この場合、上記の好ましい厚さは、最も厚い部分における厚さであるとする。
上記外周ライニング層3は、その気孔率が、管状体11に対して小さく抑えられていることが好ましい。前述のように、外層ライニング層3は、誘導加熱コイル2の磁性吸引によってスケールが炉心管1のクラックへ侵入された場合であっても、誘導加熱コイル2へスケールが直接到達することを防止して漏電を防止する機能を有する。この観点から、可能な範囲で気孔率が小さいことが好ましい。具体的には、気孔率は25%以下であることが好ましく、更には、20%以下であることがより好ましい。これに対して、管状体11の気孔率は、通常、25%を超えるものであり、好ましくは27%以上、更に好ましくは30%以上、特に好ましくは33%以上である。尚、これらの気孔率の測定は、水銀圧入法による。
この外層ライニング層3は、通常、管状体11による断熱によって300℃を超える高温(例えば、200℃以下に抑えることができる)は負荷されない。そのため、この程度の温度に対しては低気孔率であっても十分な耐熱性を発揮できるとともに、気孔率が小さいことによって、誘導加熱炉に生じる激しい振動に耐え得る高い強度を有する。
外層ライニング層3の具体的な構成は特に限定されないが、通常、セメントに由来する水和硬化物を含有し、通常、外周ライニング層3全体に対して、水和硬化物は8質量%以下含まれる。この水和硬化物の割合は、2質量%以上8質量%以下であることが好ましく、3質量%以上8質量%以下であることがより好ましく、4質量%以上7質量%以下であることが好ましい。これに対して、管状体11の水和硬化物の割合(管状体11全体に対して)は、通常、8質量%を超えるものであり、好ましくは9%以上、更に好ましくは10%以上、特に好ましくは11%以上である。
外層ライニング層3は、通常、水和硬化物以外に骨材粒子を含む。水和硬化物は、骨材粒子同士を接合する成分である。水和硬化物は、例えば、アルミナセメント等のセメントに由来する硬化物であり、水の存在下で水和硬化された成分である。この水和硬化物は、通常、結晶水が残留された状態である。また、骨材粒子は、例えば、細粒、微粒、超微粒等の各種粒径を1種又は2種以上を含むことができる。
この外層ライニング層3は、骨材粒子とセメントと水とを含んだ不定形キャスタブルを成形して得ることができる。外層ライニング用の不定形キャスタブルとしては、管状体用の不定形キャスタブルと同じものを用いてもよく、異なるものを用いてもよいが、通常、管状体用の不定形キャスタブルとは異なる、外層ライニング専用の不定形キャスタブルが用いられる。これは、炉心管1と誘導加熱コイル2との間隙に不定形キャスタブルを充填して、外周ライニング層3を形成する必要があるため、管状体用の不定形キャスタブルに比べて、外層ライニング用の不定形キャスタブルは、より高い流動性が求められるからである。この流動性は、後述するように、適度な粒径の骨材粒子を選択することによって実現できる。
外層ライニング用の不定形キャスタブルは、通常、骨材粒子とセメントと水とを含む。このうち、骨材粒子を構成する材料としては、例えば、アルミナ、シリカ、マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の各種成分及びこれらの成分の2種以上を含む複酸化物等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。より具体的には、ハイアルミナ(Al含量が90質量%以上)、コージライト(2MgO・2Al・5SiO)、溶融シリカ(SiO)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)、サイアロン(Si・Al)等が挙げられる。これらはいずれも耐熱性が高い。更に、これらのなかでは、ハイアルミナ及び溶融シリカが好ましい。
一方、セメントとしては、アルミナセメント等の汎用される各種のセメントを利用できる。
外周ライニング層3の形成方法は特に限定されないが、通常、誘導加熱コイル2(通常、筒状である)を立てた状態にし、その誘導加熱コイル2内に炉心管1を挿通し、誘導加熱コイル2の内表面と炉心管1の外表面との間隙が各部においてより均一になるようにバランスを取ったうえで、両者を固定する。その後、誘導加熱コイル2の内表面と炉心管1の外表面との間に形成された筒状の間隙に不定形キャスタブルを流し込み、必要に応じて加振する等して、十分にこの間隙に不定形キャスタブルを充填したうえで、乾燥させて外周ライニング層3を得ることができる。このようにして形成される外周ライニング層3は、炉心管1のように誘導加熱コイル2から取り外した状態で焼成することが困難であるため、通常、誘導加熱コイル2と炉心管1との間で乾燥される。
上述のように外周ライニング層3は、不定形キャスタブルを狭い間隙に充填して形成することから、外周ライニング層3を形成するための不定形キャスタブルに骨材粒子が含まれる場合、その骨材粒子の粒径は小さいことが好ましい。具体的には、D50が1mm以下であることが好ましく、1nm以上900μm以下であることがより好ましく、10nm以上800μm以下であることが特に好ましい。
尚、管状体11を構成するキャスタブルに含まれる骨材粒径としては、D50は1mmを超えるものを選択できる。
また、上述のように、誘導加熱コイル2と炉心管1との間隙に、不定形キャスタブルを充填して外層ライニング層3を形成する場合、先に例示した図1〜図5のいずれの断面形状の炉心管1はいずれも利用できる。例えば、外形状が円形である炉心管(図1、図3−図5)は、誘導加熱コイル2と炉心管1との間隙が均等な幅になる。
これに対して、炉心管の外周が一様な形状でなく、例えば、凹部を有する場合、この凹部において、誘導加熱コイル2と炉心管1との間隙を大きくできる。従って、その凹部を不定形キャスタブルの注入口として利用できる。即ち、外周の一部を切除した場合には、その切除部を不定形キャスタブルの注入口として利用できるため、不定形キャスタブルの施工性を向上させることができる。
具体的には、図2に示す炉心管1の外形状が挙げられる。図2に示す炉心管1は、円形状の外周(例えば、図1の外形状を有する炉心管)の4ヶ所を切除して四辺を形成した外形状を有する。そのため、これらの切除部では、誘導加熱コイル2と炉心管1との間隙が他部より大きくなり、不定形キャスタブルを注入しやすい注入口として利用できる。更に、複数の切除部を有することで、注入口を分散させ、より確実は充填を促がすことができる。このように複数の切除部を有する場合には、切除部は外周に対して、均等に配置されることが好ましい。また、得られる外層ライニング層3は、厚い部位と薄い部位とを有して、不均等な厚さを有する外周ライニング層3を得ることができる。これによって、更に強固に炉心管1を固定できるとともに、炉心管1に対する応力の負荷状態を制御することができる。
尚、当然ながら、上記の外形状は、円形状の一部を切除して形成するだけでなく、予め当該外形状を有する型を用いて形成することもできる。
[3]誘導加熱炉
本発明の誘導加熱炉10は、管状に形成された誘導加熱コイル2と、誘導加熱コイル2内に配設された炉心耐火構造5と、を備える。
用いる誘導加熱コイル2については特に限定されず、種々のものに適用できる。通常、誘導加熱コイル2は、水冷コイルとされ、コイルの内側に防水対策が施され、この内側に不定形キャスタブルを打設することが可能とされている。誘導加熱コイル2の大きさは限定されないが、例えば、管状に形成された誘導加熱コイル2の内側径(直径)は、例えば、30mm以上1000mm以下とすることができる。
また、誘導加熱炉10は、どのような大きさであってもよいが、本発明では、長手方向の長さは、例えば、200mm以上2000mm以下とすることができる。このようなブロック型の誘導加熱炉10を必要な数だけ連設して利用する形態において、本発明の炉心管1、炉心耐火構造5及び誘導加熱炉10は、特にその効果を有効に発揮させることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)炉心管1の製造
気孔率30%以上のコージライトを気孔性骨材粒子(異なるメジアン径を有する粗粒、中粒及び細粒の3種のコージエライト製気孔性骨材粒子を混合)とした。気孔性骨材粒子と併せて、アルミナ粉末(メジアン径が10μm以下の微粒アルミナ粉末)、アルミナセメント及び水を混合して、炉心管用の不定形キャスタブルを調製した。この際、気孔性骨材粒子、アルミナ粉末及びアルミナセメントの合計を100質量%とした場合に、気孔性骨材粒子は約60質量%とし、アルミナセメントは約4質量%とした。その後、調製した炉心管用の不定形キャスタブルを成形して外径100mm×内径80mmの未焼成管状体11を得た。
得られた未焼成管状体11の内面に、アルミナ質セラミック(アルミナ含量が98質量%以上を含む焼結体、ハイアルミナ)からなる円柱形状(図8参照、直径13mm×長さ60mm)のレール個片121を並べてスキッドレール12を2条敷設した。各レール個片121は5:5の割合で埋設及び露出させた。また、スキッドレール12間の角度θは61度とした。
得られた未焼成管状体11をスキッドレール12を敷設した状態で、350℃で焼成して炉心管1を得た。
(2)炉心耐火構造5及び誘導加熱炉10の製造
内径110mmの誘導加熱コイル2を有する誘導加熱ブロックを用意し、このブロックをコイルが筒状に立つように配置し、コイル内に炉心管1を挿入した。誘導加熱コイル2の内表面と炉心管1との間隙が各部で均等になるように位置調整を行ったうえで、外層ライニング用の不定形キャスタブルをこの間隙に流し込み、充填した。
また、外層ライニング用の不定形キャスタブルは、アルミナを骨材粒子(最大粒径が800μm以下であり、異なるメジアン径を有する3種の細粒アルミナ製骨材粒子を混合)とした。この骨材粒子の他、アルミナセメント及び水を混合して、外層ライニング用の不定形キャスタブルを調製した。この際、骨材粒子及びアルミナセメントの合計を100質量%とした場合に、骨材粒子は約95質量%とし、アルミナセメントは約5質量%とした。
不定形キャスタブルを充填後、全体を乾燥させて炉心耐火構造5を備えた誘導加熱炉10を得た。
(3)実施例の効果
得られた誘導加熱炉10を3台連設させて、入口温度60℃且つ出口温度1250℃となる条件において、3か月間ビレットヒータとして利用した。
その結果、スキッドレール12として、セラミック製のレール個片121を利用し、水冷方式を利用しなかったために、外径100mm×内径80mmという小径の炉心管1とすることができた。また、このような小径の炉心管1においても漏電を起こすことなく5か月間利用し続けることができた。即ち、高い耐久性が認められた。
更に、従来用いられていた水冷式スキッドレールを用いた誘導加熱炉における消費エネルギーに対して、優れた省エネルギー効果が認められた。
尚、本発明においては、上記の具体的に示した形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した形態とすることができる。
1;炉心管、
11;管状体、11a;管状体の内表面、11s;管状体の底部、11t;管状体の天頂部、
12、12a及び12b;スキッドレール、
121;レール個片、121a;レール個片の入口側端、121b;レール個片の出口側端、121p;レール個片の端面、122;ストッパー個片、122a;入口側のストッパー個片、122b;出口側のストッパー個片、
2;誘導加熱コイル、
3;外周ライニング層、
5;炉心耐火構造
8;被加熱物、
10;誘導加熱炉。
P;円中心。

Claims (6)

  1. 管状に形成された誘導加熱コイル内に挿通して設置される炉心管であって、
    キャスタブル製の管状体と、前記管状体の内側に長手方向へ沿って配設された2条のスキッドレールと、を有し、
    前記スキッドレールは、各々、セラミック製のレール個片が複数連なって形成されており、
    前記レール個片は、前記管状体の内表面から一部を露出して埋設され、前記管状体と共に一体に焼成されていることを特徴とする誘導加熱炉用の炉心管。
  2. 前記レール個片は、略円柱形状、略円管形状、略球形状、及び連設球形状から選ばれるいずれかの形状をなしている請求項1に記載の炉心管。
  3. 前記管状体は、骨材粒子を含有し、
    前記骨材粒子は、気孔率が30%以上であり、
    前記管状体全体に対して、前記骨材粒子を50質量%以上含む請求項1又は2に記載の炉心管。
  4. 管状に形成された誘導加熱コイルを有する誘導加熱炉の炉心耐火構造であって、
    前記誘導加熱コイル内に挿通して設置された請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の炉心管と、
    前記誘導加熱コイルと前記炉心管との間隙に不定形キャスタブルが充填されて形成され、前記炉心管の外周を管状に覆っている外周ライニング層と、を備えることを特徴とする炉心耐火構造。
  5. 前記外周ライニング層の気孔率は25%以下である請求項4に記載の炉心耐火構造。
  6. 管状に形成された誘導加熱コイルと、
    前記誘導加熱コイル内に配設された請求項4又は5に記載の炉心耐火構造と、を備えることを特徴とする誘導加熱炉。
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